JP3621311B2 - 多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法並びにこれを用いた操業管理方法 - Google Patents

多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法並びにこれを用いた操業管理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シーメンス法による多結晶シリコン製造プロセスにおいてシリコン直径及び温度を推定する方法、及びこの方法を用いた多結晶シリコン製造プロセスの操業管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン単結晶の素材には、従来より、シーメンス法で製造された多結晶シリコンが多用されている。シーメンス法による多結晶シリコンの製造では、周知のように、炉内に複数本のシリコン棒を立て、各シリコン棒を通電加熱により所定の反応温度に維持した状態で、炉内に原料ガスを流通させる。これにより、炉内の複数本のシリコン棒の各表面にシリコンが析出し、多結晶シリコンが製造される。
【0003】
具体的には、例えば数十kgのシリコン棒の集合体が100時間を超える反応で数tonまで成長する。原料ガスとしては、SiHCl、SiCl、SiHCl、SiHなどのシリコン原料ガスと水素ガスの混合ガスが使用される。
【0004】
このようなシーメンス法による多結晶シリコンの製造では、1バッチ当たりの実際の生産量を予測量に正確に一致させることが生産管理上、非常に重要である。換言すれば、生産量はシリコン棒の直径に対応するので、操業中のシリコン棒の直径の推移を正確に知ることが、生産量の管理のために重要である。
【0005】
また、シリコン棒の最終直径、即ち製品直径は、それ自体、製品規格として重要な管理項目であり、直径が規格を外れた製品はランプ材と呼ばれる塊に破砕されるので、この点からも操業中のシリコン棒の直径の推移を正確に知ることは重要である。
【0006】
一方、シリコン棒の温度は、電力原単位等に大きな影響を及ぼす。このため、操業中にシリコン棒の温度を正確に知ることも重要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、シーメンス法により製造されるシリコン棒の直径と温度は、抵抗率を介して相互に関連しており、直径が測定されると温度が計算され、温度が測定されると直径が測定されるという関係にある。即ち、直径と温度の一方さえ測定できれば、他方が計算で求まり、両方が正確に認識されるのである。
【0008】
しかしながら、実際の操業では、シリコン棒の直径も温度も正確に測定することが困難である。このため、生産量の管理は経験とデータとに基づいて行われ、前例のない条件の操業では、生産量が管理量から外れ、損失を生じることがある。シーメンス法による多結晶シリコンの製造でシリコン棒の直径及び温度の測定が困難な理由は以下の通りである。
【0009】
シーメンス法による多結晶シリコンの製造では、1つの反応炉内に数十本以上のシリコン棒がセットされ、最近では100本を超える大型炉も使用されている。炉には覗き窓が設けられており、外側に位置するシリコン棒については直径測定と放射温度計による温度測定が一応可能であるが、内側に位置するシリコン棒については覗き窓からの直視が不可能なため、直径測定も温度測定も困難である。
【0010】
なお、生産量及び温度については、炉の出口ガスをガスクロマトグラフで分析し、分析結果から得た炉内の反応率から生産量や温度を推定する方法が知られているが、分析測定に数分〜数十分を必要とするので、応答性が悪く、加えて、ガスクロマトグラフによる反応情報は、炉内全ロッドの結果であるため、部分的な温度調整及び生産量調整には不向きである。
【0011】
多数本の気相成長では、炉の中心部に設置されたシリコン棒と水冷された炉壁に近い外周部のシリコン棒とで温度環境が大きく異なる。このため、多数本のシリコン棒を複数のグループに分け、グループ毎に電流調整を行って温度の不均一を解消する、グループ単位毎の操業管理を行う必要がある。しかるに、ガスクロマトグラフによる測定では、このグループ毎の操業管理が困難である。
【0012】
本発明の目的は、シーメンス法による多結晶シリコン製造プロセスにおいて、反応の全期間にわたってシリコン棒の直径及び温度を高精度に推定できる、多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法、並びにこれを用いて高精度な操業管理を可能とする多結晶シリコン製造プロセスの操業管理方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法は、シーメンス法による多結晶シリコン製造プロセスにおいて、特定時点における棒状のシリコンの直径を用いて求めた当該シリコンの抵抗率から特定時点におけるシリコン温度を推定する第一のステップと、推定されたシリコン温度を用いて求めた気相成長速度から所定時間経過後のシリコン直径を推定する第二のステップと、前記特定時点におけるシリコン直径を、推定された所定時間経過後のシリコン直径に更新する第三のステップとを繰り返すものである。
【0014】
第一のステップから第三のステップまでを1つの演算サイクルとして、これを繰り返すことにより、炉壁の覗き窓からシリコン直径及びシリコン温度を測定せずとも、炉内の全ての棒状のシリコンにつき、最初の特定時点から後のシリコン直径及びシリコン温度を所定時間毎に正確に求めることができ、最初の特定時点を反応開始期とし、その特定時点におけるシリコン直径として初期直径を使用することにより、反応開始から反応終了までの全操業期間において、シリコン直径及びシリコン温度を所定時間毎に正確に求めることができる。
【0015】
推定されたシリコン温度を用いて気相析出速度を求める場合(第二のステップ)、シリコン温度と気相析出速度の関係を予め求めておく必要があるが、この関係を求めるに当たっては原料ガス中のSiHClなどのシリコン原料ガスの種類、キャリアガスである水素ガスとのモル比、炉圧などを考慮するのがよい。気相析出速度は又、シリコン温度の他に、反応炉内に供給されるシリコン原料ガス量の影響を受けるので、推定されたシリコン温度と、反応炉内に供給されるシリコン原料ガス量とに基づいて求めるのが、推定精度向上の点から好ましい。
【0016】
また、本発明の多結晶シリコン製造プロセスの操業管理方法は、上記推定方法を用いて推定されたシリコン温度を所定の反応温度に維持するもので、その維持により電力原単位を低く抑えることができる。その維持は、棒状シリコンの通電加熱電源出力を制御する方法で行うのが簡単で好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1(a)(b)は反応炉の構成図、図2はシリコンの直径及び温度を求める手順を説明するための概念図である。
【0018】
図1に示すように、反応炉1内には、多数本のシリコン棒2,2・・が設置されている。多数本のシリコン棒2,2・・は炉内の位置によって複数のグループA,B・・・に分けられている。各グループでは、2本が1組(逆U字状の連結体)とされ、その複数組が電気的に直列に接続され電源3と接続される。これにより、グループ毎の操業管理が行われる。
【0019】
操業では、シリコン棒2,2・・をグループ毎に通電加熱により所定の反応温度に維持した状態で、炉内に原料ガスを流通させる。原料ガスとしてはSiHCl、SiCl、SiHCl、SiHなどのシリコン原料ガスと水素ガスの混合ガスが使用される。これにより、多数本のシリコン棒2,2・・の各表面にシリコンが析出し、多結晶シリコンが製造される。
【0020】
そして、操業中に多数本のシリコン棒2,2・・の直径D及び温度Tがグループ毎に推定され、管理される。この方法を図2に参照して以下に説明する。
【0021】
反応中、個々のシリコン棒では、数式1の関係が成立する。ここで、Rはシリコン棒の全抵抗値(Ω)、Eはシリコン棒に印加される電圧(V)、Iはシリコン棒に流れる電流(A)、ρはシリコン棒の抵抗率(Ωcm)、Lはシリコン棒の全長(cm)、Dはシリコン棒の直径(cm)、πは円周率である。
【0022】
【数式1】
Figure 0003621311
【0023】
数式1において、シリコン棒の全長Lは操業中一定である。電圧E及び電流Iは操業中に計装メータで簡単に知ることができる。このため、数式1を用いれば、電圧E及び電流Iを測定することにより、シリコン棒の直径Dから抵抗率ρが算出される。数式1はオームの式で実験ファクターを含まないので、これを用いてシリコン棒の直径Dから算出される抵抗率ρは、直径Dが正確であれば誤差を含まない。
【0024】
シリコン棒の抵抗率ρが求まると、次にこれを用いてシリコン棒の温度Tを求める。これには数式2を用いる。数式2中のa,b,cは定数であり、後述するように公知のものを用いてもよいが、小型炉等でこの関係式を予め求めておくことが望ましい。
【0025】
【数式2】
T=a×ln(ρ/b)−c
【0026】
数式2はシリコン棒の温度Tと抵抗率ρの関係式である。シリコン棒は半導体であり、その抵抗率ρは、不純物濃度、温度等により大きく変化するが、シーメンス法による多結晶シリコンの製造では、反応温度として950〜1150℃の高温域が使用される。この高温域では、図3に示すように、抵抗率ρは不純物濃度によらず殆ど温度Tのみにより決定される。シリコンの温度と抵抗率の関係については、一般的な文献等も多数あり利用可能である。従って、数式1を用いて求めたシリコン棒の抵抗率ρから、シリコン棒の温度Tが数式2により近似的に求まることになる。
【0027】
ところで、求められたシリコン棒の温度Tは、後述するように、析出速度である気相成長速度Gの算出に使用される。この算出に必要な温度Tは、シリコン棒の表面温度である。しかし、シリコン棒は電流を直接流すジュール熱で加熱されるために、断面の中心付近の温度と表面温度との間に差異を生じ、中心付近の温度は表面温度よりも50〜100℃程度高くなる。このため、数式1で得た抵抗率ρから、一般的な文献に記載されたシリコン温度と抵抗率の関係を用いて温度Tを求めた場合、その温度は断面の平均温度になり、表面温度ではないため、その平均温度を使用して以後の演算解析を行った場合は、得られる結果に誤差が生じる。
【0028】
従って、数式2中の係数a,b,cを求める当たっては、一般的な文献に記載されたシリコン温度と抵抗率の関係をそのまま用いるのは好ましくない。好ましくは、まず一般的な文献に記載のデータから求めた係数a,b,cを用いて数式2を作成する。そして、実操業でこれを用いて第一のステップから第三のステップを繰り返して演算解析を行い、その解析により得られた反応完了時の直径Dが、実際に生産されたシリンダ棒の実測直径と等しくなるように係数a,b,cを補正する。これにより誤差の少ない演算解析が可能となる。実操業のデータとの比較は、異なる操業条件で複数回行うことが望ましい。
【0029】
以上のように、数式1及び数式2を用いることにより、反応中の特定時点におけるシリコン棒の直径Dから、その特定時点におけるシリコン棒の温度T(表面温度)が求められることになる。これが第一のステップである。
【0030】
ここで、シリコン棒の直径Dは、気相成長により時間と共に増大するため、操業中一定ではないが、操業開始期における直径Dは初期直径として正確に与えられる。このため、操業開始期におけるシリコン棒の温度Tは、数式1及び数式2から判明する。
【0031】
しかし、これ以後の温度T,T・・・は、シリコン棒の直径Dが不明のため、数式1及び数式2から直接計算することはできない。そこで、特定時点におけるシリコン棒の温度Tを用いて、所定時間経過後のシリコン棒の直径DN+1 を求める。これが第二のステップである。
【0032】
即ち、所定時間経過後のシリコン棒の直径DN+1 は、特定時点における気相成長速度Gが分かれば、特定時点におけるシリコン棒の直径Dから正確に推定されが、析出速度である気相成長速度Gは、図4に示すように、シリコン棒の温度Tに依存する。
【0033】
図4に示すようなシリコン棒の温度Tと気相成長速度Gの関係は、原料ガス中のSiHClなどのシリコン原料ガスの種類、キャリアガスである水素ガスとのモル比M、炉圧Pなどにより変化するので、事前に小型炉などを使用して確認しておく。原料ガスがSiHClとHの混合ガスである場合、この関係式は数式3のようになる。数式3は原料ガスとしてSiHClとHの混合ガスを使用し、炉圧を実操業の圧力に設定して温度ごとのシリコン析出速度を取得して整理したものであり、式中のd,eは係数である。
【0034】
【数式3】
G=d×exp(e/気体定数/T)
【0035】
【数式4】
K=f×(シリコン単位面積当たりの原料ガス供給量S)
【0036】
【数式5】
G=d×exp(e/気体定数/T)×K
【0037】
【数式6】
N+1 =D+2G×t
【0038】
気相成長速度G(μm/min)は又、原料ガス中のSiHClなどのシリコン原料ガスの供給量(以下、単に原料ガス量Sという)の影響も受け、より具体的には、この原料ガス量Sから数式4により得られる原料ガス係数K(モル/hr・m)の影響を受けるので、より正確には数式5により求めることができる。数式4についても、数式3と同様、事前に実験炉でデータを取得して整理することにより、式中の係数f,gを調査しておく。
【0039】
これから分かるように、数式3、望ましくは数式5を用いることにより、特定時点におけるシリコン棒の温度Tから、当該時点における気相成長速度Gを求めることができ、更に、数式6を用いることにより、この気相成長速度Gから所定時間経過後のシリコン棒の直径DN+1 を求めることができる。なお、数式6中のtは経過時間であり、後述する演算サイクルの間隔となる。
【0040】
以上が第二のステップであり、次の第三のステップでは、第一のステップ(数式1)におけるシリコン棒の直径Dを、第二のステップで求めた所定時間経過後のシリコン棒の直径DN+1 に更新することにより、所定時間経過後のシリコン棒の温度TN+1 が求まる。そして、これを1サイクルとして、この演算サイクルを繰り返すことにより、反応開始から終了までの全期間にわたってシリコン棒の直径D及び温度Tが所定の間隔で正確に求められる。
【0041】
即ち、1回目の演算サイクルでは、初期直径Dから反応開始時のシリコン棒の温度Tが求まると共に、反応開始からt時間経過後のシリコン棒の直径Dが求まる。2回目の演算サイクルでは、このt時間経過後の直径Dを用いることにより、t時間経過後のシリコン棒の温度Tが求まると共に、この温度Tから2t時間経過後のシリコン棒の直径Dが求まる。2回目の演算サイクルでは、この2t時間経過後の直径Dを用いることにより、2t時間経過後のシリコン棒の温度Tが求まると共に、この温度Tから3t時間経過後のシリコン棒の直径Dが求まる。
【0042】
そして、これを繰り返すことにより、シリコン棒の直径D及び温度Tを測定せずとも、反応開始から終了までの全期間にわたってその直径D及び温度Tがt時間ごとに正確に求められることになる。
【0043】
そして、操業の全期間にわたってシリコン棒の直径Dの推移が正確に把握されることにより、本発明では生産量が正確に管理される。特に、前例のない条件の操業でも、生産量が正確に管理される。
【0044】
また、操業の全期間にわたってシリコン棒の温度Tを正確に知ることができるため、本発明では高い反応効率が維持され、電力原単位が低減される。
【0045】
即ち、反応効率は、図4に示すように、シリコン棒の温度Tに依存し、その温度Tが高くなるほど増大するが、特定の温度T付近を境界としてその増大が鈍くなる。実操業では、この温度T付近で操業を継続するのが望ましいが、従来は正確な温度Tが不明のため、この操作が不正確であった。しかるに、本発明では温度Tが正確に把握され、その制御が正確になることにより、温度T付近での操業継続が可能になり、電力原単位が低減される。
【0046】
また、シリコン棒の直径Dは、生産量につながる重量管理項目だけでなく、それ自体、カットロッド製品規格として重要な管理項目である。シリコン棒の製品直径が規格サイズよりも太くなり過ぎた場合、細くなり過ぎた場合は、何れも商品としての価値を失う。即ち、直径がカットロッド規格を外れたシリコン棒はランプ材と呼ばれる20〜100mmの塊状に破砕される。シリコン棒の直径Dが正確に把握されることにより、規格外れが少なくなくなるので、この点からも経済性が向上する。
【0047】
なお、一連の計算はコンピュータで簡単に行うことができる。演算サイクルのの間隔t(前記経過時間)は、短いほうが精度のよい結果が得られ、10秒〜120分の範囲が好ましく、30秒〜30分が特に好ましい。この間隔が長すぎる場合は精度が低下し、短すぎる場合はコンピュータ処理が遅れる。
【0048】
【実施例】
次に、本発明の実施例を説明する。
【0049】
本発明の方法により多結晶シリコンの生産を行った。原料ガスとしてはSiHClとHの混合ガスを使用し、SiHClについては常温ガスを3ton/hr、Hガスについては4000m/hrの各流量で反応炉に供給した。反応中、本発明の方法によりシリコン棒の直径及び温度を推定し、その推定直径から生産量を管理すると共に、推定温度が1000℃になるように電流値を管理した。
【0050】
本発明の方法による直径及び温度の推定では、電流、電圧、原料SiHCl供給量の計装データをコンピュータに5分ごとに取り込み、数式1、2、5及び6による解析演算を行い、計算された温度及び生産量をモニターに表示するようにした。
【0051】
反応開始から102時間後にコンピュータによる推定生産量が計画予定量の4500kgになったので、この時点で反応を終了した。反応終了後、製品シリコンを反応炉から取り出して重量を測定したところ4544kgであり、この実績の推定生産量に対する誤差は約1%であった。
【0052】
ちなみに、経験則による従来の方法による場合は、実績の計画予定量に対する誤差は平均で5%程度である。
【0053】
また、高精度な推定温度を用い、この推定温度が1000℃になるように電流値を管理したことにより、電力原単位は経験則による従来の方法による場合と比べて約1%改善された。
【0054】
演算サイクルを5分から40分に延長して再度解析を行ったところ、推定生産量は4480kgとなり、これに対する実績(4544kg)の誤差は約1.4%になるが、従来に比べると依然小さい。
【0055】
演算サイクルを更に長い120分にして再度解析を行ったところ、推定生産量は4410kgとなり、これに対する実績(4544kg)の誤差は約3%と増大するが、従来に比べると依然小さい。
【0056】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明の多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法、並びにこれを用いた操業管理方法は、特定時点における棒状のシリコンの直径を用いて求めた当該シリコンの抵抗率から特定時点におけるシリコン温度を推定する第一のステップと、推定されたシリコン温度を用いて求めた気相成長速度から所定時間経過後のシリコン直径を推定する第二のステップと、前記特定時点におけるシリコン直径を推定された所定時間経過後のシリコン直径に更新する第三のステップとを繰り返すことにより、シリコン直径及びシリコン温度を直接的に測定せずとも、これらを単位時間毎に正確に求めることができるので、第1に生産量を正確に管理できる。第2に、製品直径を規格内に正確に管理できる。第3に、電力原単位を低減できる。これらにより、多結晶シリコンの製造コストを大幅に低減てきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応炉の構成図で、(a)は平面図、(b)は立面図である。
【図2】シリコンの直径及び温度を推定する手順を説明するための概念図である。
【図3】シリコン棒の温度と抵抗率の関係を示す図表である。
【図4】シリコン棒の温度と気相成長速度の関係を示す図表である。
【符号の説明】
1 反応炉
2 シリコン棒
3 電源

Claims (5)

  1. シーメンス法による多結晶シリコン製造プロセスにおいて、特定時点における棒状のシリコンの直径を用いて求めた当該シリコンの抵抗率から特定時点におけるシリコン温度を推定する第一のステップと、推定されたシリコン温度を用いて求めた気相成長速度から所定時間経過後のシリコン直径を推定する第二のステップと、前記特定時点におけるシリコン直径を、推定された所定時間経過後のシリコン直径に更新する第三のステップとを繰り返すことを特徴とする多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法。
  2. 前記第二のステップでの気相成長速度を、推定されたシリコン温度と、反応炉内に供給されるシリコン原料ガス量とに基づいて求めることを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法。
  3. 最初の特定時点を反応開始期とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法。
  4. 請求項1、2又は3に記載の推定方法を用いて推定されたシリコン温度を所定の反応温度に維持することを特徴とする多結晶シリコン製造プロセスの操業管理方法。
  5. 推定されたシリコン温度を所定の反応温度に維持するために、棒状シリコンの通電加熱電源出力を制御することを特徴とする請求項4に記載の多結晶シリコン製造プロセスの操業管理方法。
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