JP2001146499A - 多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法並びにこれを用いた操業管理方法 - Google Patents

多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法並びにこれを用いた操業管理方法

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JP2001146499A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シーメンス法より多結晶シリコンを製造する
ときの操業管理を高精度に行う。 【解決手段】 反応炉内に設置されたシリコン棒の直径
とシリコン棒に付与される電圧・電流とを用いて、特定
時点におけるシリコン棒の抵抗率を求める。求めた抵抗
率を用いて、特定時点におけるシリコン棒の温度を求め
る。求めた温度を用いて、特定時点における気相成長速
度を求める。求めた気相成長速度を用いて、所定時間経
過後のシリコン棒の直径を求め、直径の更新を行う。こ
れを繰り返して所定時間毎にシリコン棒の直径及び温度
を求め、これらを管理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シーメンス法によ
る多結晶シリコン製造プロセスにおいてシリコン直径及
び温度を推定する方法、及びこの方法を用いた多結晶シ
リコン製造プロセスの操業管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶の素材には、従来より、
シーメンス法で製造された多結晶シリコンが多用されて
いる。シーメンス法による多結晶シリコンの製造では、
周知のように、炉内に複数本のシリコン棒を立て、各シ
リコン棒を通電加熱により所定の反応温度に維持した状
態で、炉内に原料ガスを流通させる。これにより、炉内
の複数本のシリコン棒の各表面にシリコンが析出し、多
結晶シリコンが製造される。
【0003】具体的には、例えば数十kgのシリコン棒
の集合体が100時間を超える反応で数tonまで成長
する。原料ガスとしては、SiHCl3 、SiCl4
SiH2 Cl2 、SiH4 などのシリコン原料ガスと水
素ガスの混合ガスが使用される。
【0004】このようなシーメンス法による多結晶シリ
コンの製造では、1バッチ当たりの実際の生産量を予測
量に正確に一致させることが生産管理上、非常に重要で
ある。換言すれば、生産量はシリコン棒の直径に対応す
るので、操業中のシリコン棒の直径の推移を正確に知る
ことが、生産量の管理のために重要である。
【0005】また、シリコン棒の最終直径、即ち製品直
径は、それ自体、製品規格として重要な管理項目であ
り、直径が規格を外れた製品はランプ材と呼ばれる塊に
破砕されるので、この点からも操業中のシリコン棒の直
径の推移を正確に知ることは重要である。
【0006】一方、シリコン棒の温度は、電力原単位等
に大きな影響を及ぼす。このため、操業中にシリコン棒
の温度を正確に知ることも重要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シーメンス
法により製造されるシリコン棒の直径と温度は、抵抗率
を介して相互に関連しており、直径が測定されると温度
が計算され、温度が測定されると直径が測定されるとい
う関係にある。即ち、直径と温度の一方さえ測定できれ
ば、他方が計算で求まり、両方が正確に認識されるので
ある。
【0008】しかしながら、実際の操業では、シリコン
棒の直径も温度も正確に測定することが困難である。こ
のため、生産量の管理は経験とデータとに基づいて行わ
れ、前例のない条件の操業では、生産量が管理量から外
れ、損失を生じることがある。シーメンス法による多結
晶シリコンの製造でシリコン棒の直径及び温度の測定が
困難な理由は以下の通りである。
【0009】シーメンス法による多結晶シリコンの製造
では、1つの反応炉内に数十本以上のシリコン棒がセッ
トされ、最近では100本を超える大型炉も使用されて
いる。炉には覗き窓が設けられており、外側に位置する
シリコン棒については直径測定と放射温度計による温度
測定が一応可能であるが、内側に位置するシリコン棒に
ついては覗き窓からの直視が不可能なため、直径測定も
温度測定も困難である。
【0010】なお、生産量及び温度については、炉の出
口ガスをガスクロマトグラフで分析し、分析結果から得
た炉内の反応率から生産量や温度を推定する方法が知ら
れているが、分析測定に数分〜数十分を必要とするの
で、応答性が悪く、加えて、ガスクロマトグラフによる
反応情報は、炉内全ロッドの結果であるため、部分的な
温度調整及び生産量調整には不向きである。
【0011】多数本の気相成長では、炉の中心部に設置
されたシリコン棒と水冷された炉壁に近い外周部のシリ
コン棒とで温度環境が大きく異なる。このため、多数本
のシリコン棒を複数のグループに分け、グループ毎に電
流調整を行って温度の不均一を解消する、グループ単位
毎の操業管理を行う必要がある。しかるに、ガスクロマ
トグラフによる測定では、このグループ毎の操業管理が
困難である。
【0012】本発明の目的は、シーメンス法による多結
晶シリコン製造プロセスにおいて、反応の全期間にわた
ってシリコン棒の直径及び温度を高精度に推定できる、
多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び
温度の推定方法、並びにこれを用いて高精度な操業管理
を可能とする多結晶シリコン製造プロセスの操業管理方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、多結晶シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径
及び温度の推定方法は、シーメンス法による多結晶シリ
コン製造プロセスにおいて、特定時点における棒状のシ
リコンの直径を用いて求めた当該シリコンの抵抗率から
特定時点におけるシリコン温度を推定する第一のステッ
プと、推定されたシリコン温度を用いて求めた気相成長
速度から所定時間経過後のシリコン直径を推定する第二
のステップと、前記特定時点におけるシリコン直径を、
推定された所定時間経過後のシリコン直径に更新する第
三のステップとを繰り返すものである。
【0014】第一のステップから第三のステップまでを
1つの演算サイクルとして、これを繰り返すことによ
り、炉壁の覗き窓からシリコン直径及びシリコン温度を
測定せずとも、炉内の全ての棒状のシリコンにつき、最
初の特定時点から後のシリコン直径及びシリコン温度を
所定時間毎に正確に求めることができ、最初の特定時点
を反応開始期とし、その特定時点におけるシリコン直径
として初期直径を使用することにより、反応開始から反
応終了までの全操業期間において、シリコン直径及びシ
リコン温度を所定時間毎に正確に求めることができる。
【0015】推定されたシリコン温度を用いて気相析出
速度を求める場合(第二のステップ)、シリコン温度と
気相析出速度の関係を予め求めておく必要があるが、こ
の関係を求めるに当たっては原料ガス中のSiHCl3
などのシリコン原料ガスの種類、キャリアガスである水
素ガスとのモル比、炉圧などを考慮するのがよい。気相
析出速度は又、シリコン温度の他に、反応炉内に供給さ
れるシリコン原料ガス量の影響を受けるので、推定され
たシリコン温度と、反応炉内に供給されるシリコン原料
ガス量とに基づいて求めるのが、推定精度向上の点から
好ましい。
【0016】また、本発明の多結晶シリコン製造プロセ
スの操業管理方法は、上記推定方法を用いて推定された
シリコン温度を所定の反応温度に維持するもので、その
維持により電力原単位を低く抑えることができる。その
維持は、棒状シリコンの通電加熱電源出力を制御する方
法で行うのが簡単で好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1(a)(b)は反応炉の構成
図、図2はシリコンの直径及び温度を求める手順を説明
するための概念図である。
【0018】図1に示すように、反応炉1内には、多数
本のシリコン棒2,2・・が設置されている。多数本の
シリコン棒2,2・・は炉内の位置によって複数のグル
ープA,B・・・に分けられている。各グループでは、
2本が1組(逆U字状の連結体)とされ、その複数組が
電気的に直列に接続され電源3と接続される。これによ
り、グループ毎の操業管理が行われる。
【0019】操業では、シリコン棒2,2・・をグルー
プ毎に通電加熱により所定の反応温度に維持した状態
で、炉内に原料ガスを流通させる。原料ガスとしてはS
iHCl3 、SiCl4 、SiH2 Cl2 、SiH4
どのシリコン原料ガスと水素ガスの混合ガスが使用され
る。これにより、多数本のシリコン棒2,2・・の各表
面にシリコンが析出し、多結晶シリコンが製造される。
【0020】そして、操業中に多数本のシリコン棒2,
2・・の直径D及び温度Tがグループ毎に推定され、管
理される。この方法を図2に参照して以下に説明する。
【0021】反応中、個々のシリコン棒では、数式1の
関係が成立する。ここで、Rはシリコン棒の全抵抗値
(Ω)、Eはシリコン棒に印加される電圧(V)、Iは
シリコン棒に流れる電流(A)、ρはシリコン棒の抵抗
率(Ωcm)、Lはシリコン棒の全長(cm)、Dはシ
リコン棒の直径(cm)、πは円周率である。
【0022】
【数式1】
【0023】数式1において、シリコン棒の全長Lは操
業中一定である。電圧E及び電流Iは操業中に計装メー
タで簡単に知ることができる。このため、数式1を用い
れば、電圧E及び電流Iを測定することにより、シリコ
ン棒の直径Dから抵抗率ρが算出される。数式1はオー
ムの式で実験ファクターを含まないので、これを用いて
シリコン棒の直径Dから算出される抵抗率ρは、直径D
が正確であれば誤差を含まない。
【0024】シリコン棒の抵抗率ρが求まると、次にこ
れを用いてシリコン棒の温度Tを求める。これには数式
2を用いる。数式2中のa,b,cは定数であり、後述
するように公知のものを用いてもよいが、小型炉等でこ
の関係式を予め求めておくことが望ましい。
【0025】
【数式2】T=a×ln(ρ/b)−c
【0026】数式2はシリコン棒の温度Tと抵抗率ρの
関係式である。シリコン棒は半導体であり、その抵抗率
ρは、不純物濃度、温度等により大きく変化するが、シ
ーメンス法による多結晶シリコンの製造では、反応温度
として950〜1150℃の高温域が使用される。この
高温域では、図3に示すように、抵抗率ρは不純物濃度
によらず殆ど温度Tのみにより決定される。シリコンの
温度と抵抗率の関係については、一般的な文献等も多数
あり利用可能である。従って、数式1を用いて求めたシ
リコン棒の抵抗率ρから、シリコン棒の温度Tが数式2
により近似的に求まることになる。
【0027】ところで、求められたシリコン棒の温度T
は、後述するように、析出速度である気相成長速度Gの
算出に使用される。この算出に必要な温度Tは、シリコ
ン棒の表面温度である。しかし、シリコン棒は電流を直
接流すジュール熱で加熱されるために、断面の中心付近
の温度と表面温度との間に差異を生じ、中心付近の温度
は表面温度よりも50〜100℃程度高くなる。このた
め、数式1で得た抵抗率ρから、一般的な文献に記載さ
れたシリコン温度と抵抗率の関係を用いて温度Tを求め
た場合、その温度は断面の平均温度になり、表面温度で
はないため、その平均温度を使用して以後の演算解析を
行った場合は、得られる結果に誤差が生じる。
【0028】従って、数式2中の係数a,b,cを求め
る当たっては、一般的な文献に記載されたシリコン温度
と抵抗率の関係をそのまま用いるのは好ましくない。好
ましくは、まず一般的な文献に記載のデータから求めた
係数a,b,cを用いて数式2を作成する。そして、実
操業でこれを用いて第一のステップから第三のステップ
を繰り返して演算解析を行い、その解析により得られた
反応完了時の直径Dが、実際に生産されたシリンダ棒の
実測直径と等しくなるように係数a,b,cを補正す
る。これにより誤差の少ない演算解析が可能となる。実
操業のデータとの比較は、異なる操業条件で複数回行う
ことが望ましい。
【0029】以上のように、数式1及び数式2を用いる
ことにより、反応中の特定時点におけるシリコン棒の直
径DN から、その特定時点におけるシリコン棒の温度T
N (表面温度)が求められることになる。これが第一の
ステップである。
【0030】ここで、シリコン棒の直径DN は、気相成
長により時間と共に増大するため、操業中一定ではない
が、操業開始期における直径D1 は初期直径として正確
に与えられる。このため、操業開始期におけるシリコン
棒の温度T1 は、数式1及び数式2から判明する。
【0031】しかし、これ以後の温度T2 ,T3 ・・・
は、シリコン棒の直径Dが不明のため、数式1及び数式
2から直接計算することはできない。そこで、特定時点
におけるシリコン棒の温度TN を用いて、所定時間経過
後のシリコン棒の直径DN+1を求める。これが第二のス
テップである。
【0032】即ち、所定時間経過後のシリコン棒の直径
N+1 は、特定時点における気相成長速度GN が分かれ
ば、特定時点におけるシリコン棒の直径DN から正確に
推定されが、析出速度である気相成長速度Gは、図4に
示すように、シリコン棒の温度Tに依存する。
【0033】図4に示すようなシリコン棒の温度Tと気
相成長速度Gの関係は、原料ガス中のSiHCl3 など
のシリコン原料ガスの種類、キャリアガスである水素ガ
スとのモル比M、炉圧Pなどにより変化するので、事前
に小型炉などを使用して確認しておく。原料ガスがSi
HCl3 とH2 の混合ガスである場合、この関係式は数
式3のようになる。数式3は原料ガスとしてSiHCl
3 とH2 の混合ガスを使用し、炉圧を実操業の圧力に設
定して温度ごとのシリコン析出速度を取得して整理した
ものであり、式中のd,eは係数である。
【0034】
【数式3】G=d×exp(e/気体定数/T)
【0035】
【数式4】K=f×(シリコン単位面積当たりの原料ガ
ス供給量S)g
【0036】
【数式5】G=d×exp(e/気体定数/T)×K
【0037】
【数式6】DN+1 =DN +2GN ×t
【0038】気相成長速度G(μm/min)は又、原
料ガス中のSiHCl3 などのシリコン原料ガスの供給
量(以下、単に原料ガス量Sという)の影響も受け、よ
り具体的には、この原料ガス量Sから数式4により得ら
れる原料ガス係数K(モル/hr・m2 )の影響を受け
るので、より正確には数式5により求めることができ
る。数式4についても、数式3と同様、事前に実験炉で
データを取得して整理することにより、式中の係数f,
gを調査しておく。
【0039】これから分かるように、数式3、望ましく
は数式5を用いることにより、特定時点におけるシリコ
ン棒の温度TN から、当該時点における気相成長速度G
N を求めることができ、更に、数式6を用いることによ
り、この気相成長速度GN から所定時間経過後のシリコ
ン棒の直径DN+1 を求めることができる。なお、数式6
中のtは経過時間であり、後述する演算サイクルの間隔
となる。
【0040】以上が第二のステップであり、次の第三の
ステップでは、第一のステップ(数式1)におけるシリ
コン棒の直径DN を、第二のステップで求めた所定時間
経過後のシリコン棒の直径DN+1 に更新することによ
り、所定時間経過後のシリコン棒の温度TN+1 が求ま
る。そして、これを1サイクルとして、この演算サイク
ルを繰り返すことにより、反応開始から終了までの全期
間にわたってシリコン棒の直径D及び温度Tが所定の間
隔で正確に求められる。
【0041】即ち、1回目の演算サイクルでは、初期直
径D1 から反応開始時のシリコン棒の温度T1 が求まる
と共に、反応開始からt時間経過後のシリコン棒の直径
2が求まる。2回目の演算サイクルでは、このt時間
経過後の直径D2 を用いることにより、t時間経過後の
シリコン棒の温度T2 が求まると共に、この温度T2
ら2t時間経過後のシリコン棒の直径D3 が求まる。2
回目の演算サイクルでは、この2t時間経過後の直径D
3 を用いることにより、2t時間経過後のシリコン棒の
温度T3 が求まると共に、この温度T3 から3t時間経
過後のシリコン棒の直径D4 が求まる。
【0042】そして、これを繰り返すことにより、シリ
コン棒の直径D及び温度Tを測定せずとも、反応開始か
ら終了までの全期間にわたってその直径D及び温度Tが
t時間ごとに正確に求められることになる。
【0043】そして、操業の全期間にわたってシリコン
棒の直径Dの推移が正確に把握されることにより、本発
明では生産量が正確に管理される。特に、前例のない条
件の操業でも、生産量が正確に管理される。
【0044】また、操業の全期間にわたってシリコン棒
の温度Tを正確に知ることができるため、本発明では高
い反応効率が維持され、電力原単位が低減される。
【0045】即ち、反応効率は、図4に示すように、シ
リコン棒の温度Tに依存し、その温度Tが高くなるほど
増大するが、特定の温度T0 付近を境界としてその増大
が鈍くなる。実操業では、この温度T0 付近で操業を継
続するのが望ましいが、従来は正確な温度Tが不明のた
め、この操作が不正確であった。しかるに、本発明では
温度Tが正確に把握され、その制御が正確になることに
より、温度T0 付近での操業継続が可能になり、電力原
単位が低減される。
【0046】また、シリコン棒の直径Dは、生産量につ
ながる重量管理項目だけでなく、それ自体、カットロッ
ド製品規格として重要な管理項目である。シリコン棒の
製品直径が規格サイズよりも太くなり過ぎた場合、細く
なり過ぎた場合は、何れも商品としての価値を失う。即
ち、直径がカットロッド規格を外れたシリコン棒はラン
プ材と呼ばれる20〜100mmの塊状に破砕される。
シリコン棒の直径Dが正確に把握されることにより、規
格外れが少なくなくなるので、この点からも経済性が向
上する。
【0047】なお、一連の計算はコンピュータで簡単に
行うことができる。演算サイクルのの間隔t(前記経過
時間)は、短いほうが精度のよい結果が得られ、10秒
〜120分の範囲が好ましく、30秒〜30分が特に好
ましい。この間隔が長すぎる場合は精度が低下し、短す
ぎる場合はコンピュータ処理が遅れる。
【0048】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0049】本発明の方法により多結晶シリコンの生産
を行った。原料ガスとしてはSiHCl3 とH2 の混合
ガスを使用し、SiHCl3 については常温ガスを3t
on/hr、H2 ガスについては4000m3 /hrの
各流量で反応炉に供給した。反応中、本発明の方法によ
りシリコン棒の直径及び温度を推定し、その推定直径か
ら生産量を管理すると共に、推定温度が1000℃にな
るように電流値を管理した。
【0050】本発明の方法による直径及び温度の推定で
は、電流、電圧、原料SiHCl3供給量の計装データ
をコンピュータに5分ごとに取り込み、数式1、2、5
及び6による解析演算を行い、計算された温度及び生産
量をモニターに表示するようにした。
【0051】反応開始から102時間後にコンピュータ
による推定生産量が計画予定量の4500kgになった
ので、この時点で反応を終了した。反応終了後、製品シ
リコンを反応炉から取り出して重量を測定したところ4
544kgであり、この実績の推定生産量に対する誤差
は約1%であった。
【0052】ちなみに、経験則による従来の方法による
場合は、実績の計画予定量に対する誤差は平均で5%程
度である。
【0053】また、高精度な推定温度を用い、この推定
温度が1000℃になるように電流値を管理したことに
より、電力原単位は経験則による従来の方法による場合
と比べて約1%改善された。
【0054】演算サイクルを5分から40分に延長して
再度解析を行ったところ、推定生産量は4480kgと
なり、これに対する実績(4544kg)の誤差は約
1.4%になるが、従来に比べると依然小さい。
【0055】演算サイクルを更に長い120分にして再
度解析を行ったところ、推定生産量は4410kgとな
り、これに対する実績(4544kg)の誤差は約3%
と増大するが、従来に比べると依然小さい。
【0056】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明の多結晶
シリコン製造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の
推定方法、並びにこれを用いた操業管理方法は、特定時
点における棒状のシリコンの直径を用いて求めた当該シ
リコンの抵抗率から特定時点におけるシリコン温度を推
定する第一のステップと、推定されたシリコン温度を用
いて求めた気相成長速度から所定時間経過後のシリコン
直径を推定する第二のステップと、前記特定時点におけ
るシリコン直径を推定された所定時間経過後のシリコン
直径に更新する第三のステップとを繰り返すことによ
り、シリコン直径及びシリコン温度を直接的に測定せず
とも、これらを単位時間毎に正確に求めることができる
ので、第1に生産量を正確に管理できる。第2に、製品
直径を規格内に正確に管理できる。第3に、電力原単位
を低減できる。これらにより、多結晶シリコンの製造コ
ストを大幅に低減てきる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応炉の構成図で、(a)は平面図、(b)は
立面図である。
【図2】シリコンの直径及び温度を推定する手順を説明
するための概念図である。
【図3】シリコン棒の温度と抵抗率の関係を示す図表で
ある。
【図4】シリコン棒の温度と気相成長速度の関係を示す
図表である。
【符号の説明】
1 反応炉 2 シリコン棒 3 電源

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シーメンス法による多結晶シリコン製造
    プロセスにおいて、特定時点における棒状のシリコンの
    直径を用いて求めた当該シリコンの抵抗率から特定時点
    におけるシリコン温度を推定する第一のステップと、推
    定されたシリコン温度を用いて求めた気相成長速度から
    所定時間経過後のシリコン直径を推定する第二のステッ
    プと、前記特定時点におけるシリコン直径を、推定され
    た所定時間経過後のシリコン直径に更新する第三のステ
    ップとを繰り返すことを特徴とする多結晶シリコン製造
    プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法。
  2. 【請求項2】 前記第二のステップでの気相成長速度
    を、推定されたシリコン温度と、反応炉内に供給される
    シリコン原料ガス量とに基づいて求めることを特徴とす
    る請求項1に記載の多結晶シリコン製造プロセスにおけ
    るシリコン直径及び温度の推定方法。
  3. 【請求項3】 最初の特定時点を反応開始期とすること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の多結晶シリコン製
    造プロセスにおけるシリコン直径及び温度の推定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載の推定方法を
    用いて推定されたシリコン温度を所定の反応温度に維持
    することを特徴とする多結晶シリコン製造プロセスの操
    業管理方法。
  5. 【請求項5】 推定されたシリコン温度を所定の反応温
    度に維持するために、棒状シリコンの通電加熱電源出力
    を制御することを特徴とする請求項4に記載の多結晶シ
    リコン製造プロセスの操業管理方法。
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