JP3621259B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナユニットを備えた画像形成装置に関するものであり、複写機、ファクシミリ等に適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、1枚目のコピー時間の短縮などの理由により、縦方向、すなわち画像形成装置の上下方向に紙の搬送経路を形成して、搬送経路を短縮させた画像形成装置が広く普及している。また、画像形成装置の設置面積や高さ等を短縮してよりコンパクト化した画像形成装置が強く望まれている。
【0003】
しかしながら、画像形成装置の本体の側面に取り付けられた排紙スタック部内にA3サイズの転写紙やダブルレターなどのワイドサイズの転写紙を収納できるようにすると、画像形成装置の本体の幅を小さくするのには限界がある。
【0004】
そこで、画像形成装置の本体の幅をよりコンパクト化するために、排紙スタック部の代わりに、給紙トレイとスキャナユニットとの間に空間を設けて、この空間内に搬送経路を経た転写紙を収納することができるようにした画像形成装置が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記給紙トレイとスキャナユニットとの間の空間に転写紙を排出する形式の画像形成装置のスキャナユニットは、外周の4辺のうち、隣り合う2辺が本体に結合されて前記空間の上方に庇状に支持されている。つまり、スキャナユニットの外周の残りの2辺は本体に結合されていない。
【0006】
このように、スキャナユニットを空間の上方に庇状に支持しているのは、前記空間の幅をより小さくして、装置全体をコンパクト化するためである。つまり、前記空間の幅をワイドサイズの転写紙までも完全に収納できる幅にするのではなく、ワイドサイズの転写紙の場合はその一部が収納空間からはみ出したとしても、その転写紙を収納するのに支障のない程度に幅を狭くして、装置全体をよりコンパクト化しているためである。
【0007】
このように、スキャナユニットが空間の上方に庇状に支持されている画像形成装置は、排紙スタック部が本体の側面に取り付けられた画像形成装置に比べて、本体の幅がより小さく、コンパクト化されてはいるが、上述のように、外周の4辺のうち隣り合う2辺のみが本体に結合され、結合強度が不足しがちで不安定な状態でスキャナユニットが支持されているため、スキューや画像曲がり等が発生し易いという難点がある。
【0008】
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたものであり、スキャナユニットの本体に結合されていない1辺を、この1辺に沿って添えられた支持部材によって支持することにより、スキャナユニットを安定な状態に支持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、横断面がL字型状の支持部材に、スキャナユニットの本体に結合されていない1辺を内接させることにより、装置の高さをさらに低くして、よりコンパクト化した画像形成装置を提供することを目的とする。さらに、画像形成装置の本体側と、スキャナユニットの本体に結合されていない1辺との間に補強部材を着脱可能に設けることにより、輸送時の落下や振動などによって生じるスキャナユニットの変形などの品質低下を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、原稿画像を読み取るスキャナユニットと、読み取った画像情報に基づき画像を形成する画像形成部と、画像形成部の上方に支持部材を介してスキャナユニットが支持されることにより画像形成部とスキャナユニットとの間に形成された転写紙収納空間と、を有する画像形成装置において、画像形成部の一側に転写紙搬送路が縦方向に形成され、転写紙搬送路で搬送された転写紙を転写紙収納空間に排出する転写紙排出部を有し、画像形成部の転写紙搬送路形成側を第1の面としこの第1の面とは反対側の面を第2の面としたとき、画像形成部の上方にスキャナユニットを支持する支持部材が上記第1の面側と第2の面側に配置され、上記第1の面側の支持部材を第1の支持部材とし第2の面側の支持部材を第2の支持部材としたとき、第1の支持部材はスキャナユニットの第1の側縁部の少なくとも半分を支持し、上記第2の支持部材は、垂直方向の接続部とこれに続く水平方向の接続部を有してなり、垂直方向の接続部が画像形成部に固定され上記水平方向の接続部がスキャナユニットにその上記第1の側縁部とは反対側の第2の側縁部に沿って結合されこの第2の側縁部の少なくとも半分を支持することにより第2の支持部材がスキャナユニットを片持ち的に支持していることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記第1の支持部材が少なくとも側壁の一部を形成し、少なくとも2つの垂直な部材からなることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記第2の支持部材の水平方向の接続部が、スキャナユニットの第2の側縁部の全体を支持することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記第2の支持部材の垂直方向の接続部が、スキャナユニットの側面に対向するように垂直に方向付けられ、第2の支持部材の水平方向の接続部が、スキャナユニットの底面に対向するように水平に方向付けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、第2の支持部材が、互いに直角をなす方向に接続された第1の接続部材と第2の接続部材とによって横断面がL字型状に形成され、上記2つの接続部材のうちの1つは水平方向の面を有し、もう一方の接続部材は垂直方向の面を有していることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、上記スキャナユニットの側縁部が第2の支持部材の2つの接続部材に内接していることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の発明において、第2の支持部材が、長さ方向の中間部が円弧を描いて折り曲げられることにより、垂直方向の接続部とこれに続く水平方向の接続部を有していることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、画像形成装置の第2の面側に着脱可能な補強部材を有し、補強部材を画像形成装置の第2の面側に取り付けることにより補強部材がスキャナユニットに当接してスキャナユニットを支持することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、転写紙収納空間が2つの隣接した開放面を有し、この開放面のどちらからでもオペレーターが転写紙を回収することができることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明にかかる画像形成装置の実施の形態について説明する。図1は、スキャナユニット100と画像形成部200を有してなる画像形成装置の例を示している。画像形成部200において、符号21は画像形成部200の第1の面、符号22はこの第1の面21に対向する第2の面を示すものとし、符号23は第3の面、符号24はこの第3の面23に対向する第4の面を示すものとする。また、スキャナユニット100において、符号25はスキャナユニット100の第1の面、符号26はこの第1の面25に対向する第2の面を示し、符号27は第3の面、符号28はこの第3の面27に対向する第4の面を示す。さらに、スキャナユニット100と画像形成部200の間に形成された転写紙収納空間(以下「空間」という)300において、符号29は空間300の第1の側、符号30はこの第1の面29に対向する第2の側を示すものとし、符号31は第3の側、符号32はこの第3の面31に対向する第4の面を示すものとする。
【0019】
画像形成部200の上側においてスキャナユニット100を支持するための支持部材として、画像形成部200の第1の面21の上縁部(以下「側縁部」という)に配置されてスキャナユニット100の第1の面25の下縁部(以下「側縁部」という)の少なくとも半分を支持する第1の支持部材と、スキャナユニット100の第2の面26の側縁部の少なくとも半分を支持する第2の支持部材とがある。
【0020】
第1の支持部材として、図1に示すように、画像形成部200の第1の面21の側縁部に、水平面に対して垂直に起立した支柱200aが設けられている。この支柱200aの高さは、後述する空間300の高さとほぼ同じになっている。上記支柱200aの代わりに側壁を用いてもよい。図示の実施の形態では、第1の支持部材は2つの垂直な支柱200aからなり、側壁の一部を形成している。
【0021】
図1に示す実施の形態では、上記画像形成部200の第1の面21に起立している一対の支柱200aの上端間にはフレーム210が渡されていて、原稿の画像を読み取るスキャナユニット100は、上記フレーム210の上に取り付けられている。従って、図1に示す実施の形態においては、スキャナユニット100の支持構造は、スキャナユニット100の4つのコーナーのうち第1の面25の側縁部の両端のコーナーと、第3の面27の側縁部と第2の面26とがなすコーナーの3つのコーナーだけが、画像形成部200に接続された支柱200aにより支持された構造となっている。
【0022】
スキャナユニット100の第2の面26の側縁部は、後述する第2の支持部材400により支持されている。従って、スキャナユニット100の第1の面25の側縁部及び第2の面26の側縁部が支持されることにより、スキャナユニット100と画像形成部200との間に空間300が形成されている。この空間300は、後述するように、搬送経路に沿って搬送された転写紙を収納する、いわゆる排紙部となっている。
【0023】
なお、第1の支持部材と第2の支持部材との間に第3の支持部材を設け、第1の支持部材と第2の支持部材とを相互に接続し、スキャナユニット100の第3の面27の側縁部を支持するようにしてもよい。この第3の支持部材は、スキャナ100の第3の面の側縁部の長さ全体を支持する水平部材は有さず、スキャナー100と画像形成部200の間は開放されることとなる。
【0024】
次に、画像形成部200について説明する。図7に示すように、画像形成部200の上下方向中央部で、上記第1の面21に近寄った位置には、感光体ドラム1が設けられている。感光体ドラム1の周辺には、帯電手段2、クリーニング手段3、レーザ光学系4、トナー供給部5、現像手段6、転写手段7、および定着手段8等が所定の順序で適宜配置されている。
【0025】
感光体ドラム1は、反時計方向に定速回転し、帯電手段2により所定の電位に均一に帯電される。帯電された感光体ドラム1上には、レーザ光学系4内に配置された光源から出射し、偏向器によって等角速度的に偏向された光束が、結像レンズ、反射ミラー等の結像光学系を介することによって結像すると共に主走査方向に走査され露光される。この主走査と、感光体ドラム1の回転による副走査により、原稿画像に対応した静電潜像が感光体ドラム1の表面に形成される。
【0026】
上記静電潜像は現像手段6によって現像される。すなわち、現像手段6によってトナー供給部5から供給されたトナーが上記静電潜像に付着し、感光体ドラム1の表面に可視像が形成される。この可視像は、後述する搬送経路に沿って搬送された転写紙に転写手段7によって転写される。像が転写された転写紙は、定着手段8によって像が定着され、定着後は、後述する空間300内に排出される。転写後の感光体ドラム1の表面は、クリーニング手段3によって除電され、さらにクリーニングされる。
【0027】
次に、搬送経路に沿って搬送される転写紙の搬送動作について説明する。図7に示すように、転写紙は、画像形成部200内の下方に設けられている給紙トレイ10から給紙される。給紙トレイ10は、画像形成装置の本体に着脱可能なものであり、図7には、給紙トレイ10が本体に装填された状態を示している。この給紙トレイ10内に積み重ねられた転写紙は、給紙トレイ10の底部に設けられた底板10aによって上方に押し付けられるとともに、給紙トレイ10内の最上の転写紙が給紙ローラ11に接触する。そして、給紙ローラ11の回転(図において反時計方向)とともに、分離パッド12によって給紙トレイ10内の転写紙が1枚ずつ分離されながら、レジストローラ13まで下から上に向かって搬送される。
【0028】
その後、感光体ドラム1上の可視像と同期するようにタイミングがとられて、転写手段7に搬送される。転写手段7はレジストローラ13の上方にあって、転写紙は上方に搬送される。転写手段7に搬送された転写紙は、上述のように、転写手段7によって可視像が転写される。転写紙はさらに転写手段7の上方にある上記定着手段8に搬送されて、ヒータを内蔵した定着ローラ8aと、この定着ローラ8aに圧接対向した加圧ローラ8bとの間で可視像が定着される。その後、排紙ローラ対14によって、可視像が定着された面を下にして空間300内に排出される。このように、転写紙の搬送経路は、図7において画像形成部200の右側に縦方向に向かって形成されている。
【0029】
なお、給紙トレイ10に積み重ねられた転写紙のみでなく、画像形成部200に突出させて第2の給紙トレイ10’を設け、この給紙トレイ10’に積み重ねられた転写紙も、上述のようにして搬送させることができる。
【0030】
次に、転写紙収納空間である空間300について説明する。上述のように、空間300は、スキャナユニット100が画像形成部200の支柱200a上に支持されることによって画像形成部200とスキャナユニット100との間に形成されているものである。前述のように、スキャナユニット100の4辺のうち、図1における第1の面25の側縁部は、支柱200aによって画像形成部200に結合されているが、第2の面26の側縁部と第4の面28の側縁部は装置本体から離間している。従って、上記空間300の第2の面側および第4の面側は開放された状態になっている。また、空間300の高さは、排紙部に排出された転写紙を取り出すのに支障を来すことがなく、かつ、装置全体が高くなりすぎない程度に設定されている。
【0031】
この空間300は、給紙トレイ10あるいは給紙トレイ10’から搬送経路に沿って搬送された転写紙を収納する、いわゆる排紙部となっている。図7に示すように、この空間300には少なくともA4サイズの転写紙を載置することができる底部300aを有している。この底部300aの広さは、使用可能な最大の転写紙の広さの少なくとも半分を保持可能な広さになっている。底部300aは排紙ローラ側が低くなるように傾斜していて、この底部300a上に搬送経路を経た転写紙が、可視像が定着された面を下にして順次に積み重ねられる。
【0032】
上述のように、転写紙は、縦方向(図7において下から上に向かって)に伸びた搬送経路に沿って搬送されて空間300に収納されるが、この縦方向に伸びた搬送経路は、図7に示すように、感光体ドラム1の右側に形成されている。従って、搬送経路に沿って下から上に搬送された転写紙は、図7において右側から左側に向けて空間300の底部300a上に収納される。このように、縦方向に伸びた搬送経路を感光体の右側に形成しているのは、図7において空間300の前側及び左側が開放された状態になっているからである。
【0033】
仮に、搬送経路を感光体の左側に形成して、この搬送経路に沿って転写紙を搬送させ、上記空間300に収納するようにした場合、A3サイズ等のワイドサイズの転写紙は、転写紙の搬送方向前側の一端が、上記支柱200aに衝突するとともに、転写紙の搬送方向後側の一端が、画像形成部200内に残存している状態になってしまう。従って、A3サイズ等のワイドサイズの転写紙を完全に空間300の底部300a上に収納しようとすると、上記排紙部の左右方向の寸法を大きくしなければならず、コンパクト化が可能なことを特徴とするこの種の画像形成装置の利点が損なわれてしまう。
【0034】
本発明の目的の1つは、画像形成装置の本体をコンパクト化することである。装置本体の幅、従って、空間300の幅も当然に、ワイドサイズの転写紙までも完全に空間300内に収納できる幅にすると、装置が大型化する。そこで、ワイドサイズの転写紙の場合は、完全に空間300内に収納することができないが、空間300の転写紙の排出方向前側、すなわち図1において空間300の第2の面30側及び第4の面32側を開放し、ワイドサイズの転写紙も支障のないように空間300に収納できるようにしている。つまり、図8に示すようにワイドサイズの転写紙は、その転写紙の排出方向前側の一端部が、装置本体からはみ出した状態で空間300に積み重ねられながら収納される。なお、図7において搬送経路を感光体の左側に形成する場合には、空間300の前側および右側を開放した形にすればよい。
【0035】
次に、本発明の特徴である第2の支持部材について説明する。図1に示すように、スキャナユニット100の第2の面26の側縁部には、この側縁部に沿って第2の支持部材400が添えられている。この支持部材400は、後端部が画像形成部200に固定され、いわゆる片持ち支持されている。
【0036】
第2の支持部材400は、2つの接続部材33と接続部材34とを有し、第1の接続部材33と第2の接続部材34とは、互いに直角をなすように折り曲げられている。従って、第2の支持部材400は横断面がL字型状となっている。図2に示すように、第2の支持部材400は、その長さ方向の中間部において円弧を描いて折り曲げられることにより、スキャナユニット100の下面に接触してスキャナユニット100を支持する水平方向の接続部400aと、画像形成部200に接続される垂直方向の接続部400bとからなっている。
【0037】
第2の支持部材400の水平方向の接続部400aは、スキャナユニット100の底面に接触する水平方向のへりである第2の接続部材34と、スキャナユニット100の側面に接触する垂直方向のへりである第1の接続部材33とを有する。第2の支持部材400の垂直方向の接続部400bは、水平方向の接続部400aに円弧状の折り曲げ部を介して連続し、第1の接続部材33及び第2の接続部材34も、水平方向の接続部400aと垂直方向の接続部400bとに連続している。
【0038】
第2の支持部材400は、垂直方向の接続部400bが画像形成部200に固定されて立ち上がり、水平方向の接続部400aがキャナユニット100の第2の面26に沿って延びている。上記水平方向の接続部400aを形成する第1の接続部材33と第2の接続部材34に、それぞれスキャナユニット100の第2の面26とこの第2の面26に隣接する下縁部とが内接するとともに、適宜の結合手段によって上記水平方向の接続部400aとスキャナユニット100とが結合されている。第2の支持部材400は、スキャナユニット100の第2の面26の側縁部の少なくとも半分を支持するための水平方向の接続部400aを有している。従って、上記水平方向の接続部400aは、スキャナユニット100の第2の面26の側縁部の全体を支持するものであってもよい。
この支持部材400は、横断面の縦寸法bが例えば60mm以上に設計されている。支持部材400の横断面の縦寸法bを60mm以上にするのは、スキューや画像曲がり等の発生を防止することができる最低限度の強度を確保するためである。
なお、第2の支持部材400の強度は、第2の接続部材34の幅と第1の接続部材33の幅との比により決定される。
【0039】
このように、スキャナユニット100の第1の面25の側縁部が画像形成部200第1の面21の側縁部に結合され、さらに、スキャナユニット100の上記第1の面25の側縁部に対向する第2の面26の側縁部が、第2の支持部材400によって支持されているため、支持部材が取り付けられていない従来の画像形成装置に比べて、スキャナユニット100を安定な状態に支持することができる。これにより、スキャナユニット100が不安定な状態で支持されているときに生じるスキューや画像曲がり等の発生を防止することができる。さらに、第2の支持部材400によって支持されるスキャナユニット100の第2の面26の側縁部は、予め設定されている前記転写紙搬送路による搬送方向に関し、転写紙搬送路の終端にある転写紙排出部よりも下流側にある。また、図7に示すように、上記転写紙搬送路は転写紙排出部と同じ側に形成されている。
【0040】
図1に示す例では、支持部材400は、スキャナユニット100の第2の面26の側縁部を支持するようになっているが、支持部材400の一端を装置本体の第1の面のうち第4の面側に隣接した位置で固定し、スキャナユニット100の第4の面28の側縁部を支持してもよい。また、図8に示すように、上記支持部材400を、転写紙を取り出すことができる開口が形成された側壁で形成することも考えられるが、転写紙の取り出しの容易性等を考えると、上述のような棒状に形成した方が望ましい。
【0041】
次に、第2の支持部材400を、図1〜図3に示す実施の形態とは異なった態様で用いた図4に示す実施の形態について説明する。図1に示す実施の形態では、第2の支持部材400の水平方向の接続部400aを形成する第1の接続部材33と第2の接続部材34に、スキャナユニット100の第2の面26とこの第2の面26に隣接する下縁部とを内接させた形態になっていた。これに対して図4に示す実施の形態では、第2の支持部材400は、その第1の接続部材33が第2の接続部材34から垂下して断面逆L字状になっており、水平面をなす第2の接続部材34上にスキャナユニット100の第2の面26に隣接する下縁部が載せられ、適宜の結合手段で相互が結合されている。
【0042】
図4に示す実施の形態においても、支持部材400は、その横断面の縦寸法bを例えば60mm以上に設計する必要があるため、上記空間300の必要な高さをhとした場合、空間300の底部300aからスキャナユニット100の底面までの高さをb+hの高さにしなければならない。従って、支持部材400の横断面の縦寸法b分だけ画像形成装置の本体が高くなってしまう。そこで、より本体の高さを低くして、画像形成装置の本体のコンパクト化を図るためには、図1〜図3に示すように、スキャナユニット100の一側縁部を支持部材400に内接させた形態にすることが望ましい。
【0043】
一方、図1〜図3に示す実施の形態によれば、図3に示すように、スキャナユニット100の第2の面26から上記支持部材400の板厚寸法c分だけ突出している。これに対して図4に示す実施の形態によれば、支持部材400の第2の接続部材34上にスキャナユニット100の下縁部が載せられて結合されているため、上記寸法c分の突出を回避することが可能であり、その分画像形成装置の投影平面の面積、換言すれば設置面積を小さくすることができる。
【0044】
図3に示すように、スキャナユニット100自体の高さ寸法すなわち厚さ寸法Bは、通常80mm以上に設計されているため、上記支持部材400の横断面の縦寸法bは、80mm又はそれ以下にして、スキューや画像曲がり等の発生を防止するのに十分な強度が得られるようにする。上記支持部材400の横断面の縦寸法bをスキャナユニット100の高さ寸法Bと同じにしても、画像形成装置本体の高さには影響しない。画像形成装置本体の高さに影響するのは、支持部材400の厚さcであるからである。
【0045】
次に、本発明のさらに別に実施の形態について説明する。
図5および図6に示す実施の形態では、画像形成装置の本体側、例えば、画像形成部200の側壁には、ネジ孔200dが適宜数形成されている。図示の例では、本体の高さ方向に平行に二つのネジ孔200dが形成されている。また、符号450は、断面L字型状の板材で形成された補強部材を示しており、この補強部材450の1辺には、2つの孔450aが形成されている。
【0046】
取付可能な補強部材450は、非操作モードの間は、転写紙収納空間300の第1の側39と反対側の第2の側40のスキャナ100と画像形成部200の間に接続可能であり、この補強部材450の上部に突出部35が設けられ、この突出部35がスキャナユニット100の底面に当接して支持するようになっている。
【0047】
この補強部材450は、着脱可能に設けることができるものであり、画像形成部200の側壁に形成された各ネジ孔200dと、補強部材450の1辺に形成された各孔450aとを重ね合わせ、この状態で、上記ネジ孔にネジ500、500がそれぞれねじ込まれることによって、画像形成部200の側壁に取り付けられる。図6に示すように、補強部材450が画像形成部200に取り付けられた状態で、補強部材450の突出部35がスキャナユニット100の底面に当接してスキャナユニット100の荷重を支えている。この荷重を支える場所は、スキャナユニット100の装置本体に結合されていない側縁部である。
【0048】
この補強部材450は、上記スキャナユニット100を保護するために取り付けられるものである。上述のように、上記スキャナユニット100は、スキャナユニット100の第1の面25側および第3の面27側の側縁部が画像形成装置本体の画像形成部200上に結合され、さらに、スキャナユニット100の第2の面26の側縁部が支持部材400によって支持されているが、残りの1辺は支持されていないため、使用時のスキューや画像曲がり等の発生を防止することはできても、輸送時の衝撃や振動などによって生じる変形などの品質低下を防止することは困難である。そこで、この補強部材450によって、輸送時の衝撃や振動などによって生じる変形などの品質低下を防止し、上記スキャナユニット100を保護している。画像形成装置を使用するときは、補強部材450を取り外す。
【0049】
上記のような着脱式の補強部材に代えて、又はこの補強部材とともに、画像形成装置を搬送し又は移動させる場合などに、必要に応じて画像形成部200とスキャナユニット100とを結合し、通常の使用時は結合を解除して画像形成装置本体内又は本体外側などに退避する、作りつけの補強部材を設けてもよい。
【0050】
図1、図4に示す実施の形態では、スキャナユニットの第2の面26の側縁部は第1の面25の側縁部と対向し、上記第2の面26の側縁部は、予め設定された転写紙搬送方向に関して直角方向を向いているが、相対向する上記第1の面25と第2の面26との間に転写紙排出部を設けるとともに、上記第1の面25と第2の面26を、予め設定された転写紙搬送方向に関して平行に向けてもよい。なお、第2の支持部材は1本の垂直部材であってもよく、その場合、垂直部材の幅はスキャナユニットの第2の側縁部の長さの半分以下にするのが望ましい。
【0051】
【発明の効果】
請求項1〜記載の発明によれば、画像形成部の上方に支持部材を介してスキャナユニットが支持されることにより画像形成部とスキャナユニットとの間に形成された転写紙収納空間を有する画像形成装置において、画像形成部の一側に転写紙搬送路が縦方向に形成され、画像形成部の転写紙搬送路形成側を第1の面としこの第1の面とは反対側の面を第2の面としたとき、画像形成部の上方にスキャナユニットを支持する支持部材が上記第1の面側と第2の面側に配置され、上記第1の面側の支持部材を第1の支持部材とし第2の面側の支持部材を第2の支持部材としたとき、第1の支持部材はスキャナユニットの第1の側縁部の少なくとも半分を支持し、上記第2の支持部材は、垂直方向の接続部とこれに続く水平方向の接続部を有してなり、垂直方向の接続部が画像形成部に固定され上記水平方向の接続部がスキャナユニットにその第1の側縁部とは反対側の第2の側縁部に沿って結合されこの第2の側縁部の少なくとも半分を支持することにより第2の支持部材がスキャナユニットを片持ち的に支持しているため、スキャナユニットを安定に保持することができ、スキャナユニットが不安定な状態で支持されているときに生じるスキューや画像曲がり等がなく、品質の良い画像を得ることができる。
また、転写紙を縦方向に搬送するとともに、搬送経路を画像形成部の転写紙排出部と同じ側に形成したため、縦方向の転写紙搬送経路内で転写紙に画像が形成され、画像が形成された転写紙が上記排出部から排出されるのと同時に転写紙収納部に収納されることになり、転写紙搬送経路が単純でその占める空間が少なく、画像形成装置のコンパクト化、設置投影面積の縮小化を図ることができる。
【0052】
請求項記載の発明によれば、第2の支持部材は、互いに直角をなす方向に接続された第1の接続部材と第2の接続部材とによって横断面がL字型状に形成され、上記2つの接続部材のうちの1つは水平方向の面を有し、もう一方の接続部材は垂直方向の面を有していて、機械的強度を十分に確保することができるように考慮されているため、スキャナユニットを画像形成部の上方において強固にかつ安定に支持することができる。
【0054】
請求項記載の発明によれば、画像形成装置の第2の面側に着脱可能な補強部材を有し、補強部材を画像形成装置の第2の面側に取り付けることにより補強部材がスキャナユニットに当接してスキャナユニットを支持するように構成されているため、画像形成装置を使用しないときに、上記補強部材を取り付けることにより、画像形成装置の運搬中あるいは移動中などに衝撃や振動などが加わっても、スキャナユニットの破損、変形などを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の画像形成装置に適用可能な支持部材を示す部分斜視図である。
【図3】上記支持部材とスキャナユニットとの接面状態を示す断面図である。
【図4】本発明にかかる画像形成装置の別の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】本発明にかかる画像形成装置のさらに別の実施の形態を示す斜視図である。
【図6】上記実施の形態に適用可能な補強部材とスキャナユニットとの接面状態を示す断面図である。
【図7】本発明にかかる画像形成装置の画像形成部の構成を示す断面図である。
【図8】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 給紙トレイ
10’ 給紙トレイ
100 スキャナユニット
200 画像形成部
200a 第1の支持部材としての支柱
300 転写紙収納空間
300a 転写紙収納空間の底部
400 第2の支持部材
400a 水平方向の接続部
400b 垂直方向の接続部
450 補強部材

Claims (9)

  1. 原稿画像を読み取るスキャナユニットと、読み取った画像情報に基づき画像を形成する画像形成部と、画像形成部の上方に支持部材を介してスキャナユニットが支持されることにより画像形成部とスキャナユニットとの間に形成された転写紙収納空間と、を有する画像形成装置において、
    上記画像形成部の一側に転写紙搬送路が縦方向に形成され、
    上記転写紙搬送路で搬送された転写紙を上記転写紙収納空間に排出する転写紙排出部を有し、
    上記画像形成部の転写紙搬送路形成側を第1の面としこの第1の面とは反対側の面を第2の面としたとき、画像形成部の上方に上記スキャナユニットを支持する支持部材が上記第1の面側と第2の面側に配置され、
    上記第1の面側の支持部材を第1の支持部材とし第2の面側の支持部材を第2の支持部材としたとき、第1の支持部材は上記スキャナユニットの第1の側縁部の少なくとも半分を支持し、
    上記第2の支持部材は、垂直方向の接続部とこれに続く水平方向の接続部を有してなり、上記垂直方向の接続部上記画像形成部に固定され上記水平方向の接続部スキャナユニットにその第1の側縁部とは反対側の第2の側縁部に沿って結合されこの第2の側縁部の少なくとも半分を支持することにより上記第2の支持部材がスキャナユニットを片持ち的に支持していることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、第1の支持部材は少なくとも側壁の一部を形成し、少なくとも2つの垂直な部材からなることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1記載の画像形成装置において、第2の支持部材の水平方向の接続部は、スキャナユニットの第2の側縁部の全体を支持することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1記載の画像形成装置において、第2の支持部材の垂直方向の接続部は、スキャナユニットの側面に対向するように垂直に方向付けられ、第2の支持部材の水平方向の接続部は、スキャナユニットの底面に対向するように水平に方向付けられていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項記載の画像形成装置において、第2の支持部材は、互いに直角をなす方向に接続された第1の接続部材と第2の接続部材とによって横断面がL字型状に形成され、上記2つの接続部材のうちの1つは水平方向の面を有し、もう一方の接続部材は垂直方向の面を有していることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項記載の画像形成装置において、スキャナユニットの側縁部が第2の支持部材の2つの接続部材に内接していることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項記載の画像形成装置において、第2の支持部材は、長さ方向の中間部が円弧を描いて折り曲げられることにより、垂直方向の接続部とこれに続く水平方向の接続部を有していることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1記載の画像形成装置において、画像形成装置の第2の面側に着脱可能な補強部材を有し、補強部材を画像形成装置の第2の面側に取り付けることにより補強部材がスキャナユニットに当接してスキャナユニットを支持することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1記載の画像形成装置において、転写紙収納空間は2つの隣接した開放面を有し、この開放面のどちらからでもオペレーターが転写紙を回収することができることを特徴とする画像形成装置。
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