JP3621036B2 - 温度センサの配置構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天地反転で使用可能な電子機器の温度制御にかかわる温度センサの配置構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクタなどのように、床上に設置してスクリーンに映像を投写したり、反転して天井に設置しスクリーンに映像を投写したりするような、天地反転で使用可能な電子機器がある。この電子機器において、機器内の部品やユニット(以下側温対象)上部や放熱口付近の雰囲気温度を検出し、冷却手段ヘフィードバックする構成を有するものがある。この電子機器には、温度検出用に各種温度センサが一般的に使われる。更に、自然対流や一部強制対流との組合せの場合でも、雰囲気温度の測定は測温対象の上方へ温度センサを配置することが一般的である。
【0003】
天地両用液晶プロジェクタの従来技術を、図5、6、7、8を参照しながら説明する。
図5はプロジェクタを床上に設置した時の図である。図5において、5はプロジェクタ、5aは投射レンズ、5bはプロジェクタの調整部、5cは三脚取付部、6は三脚、7は床面である。
図6、図7は、プロジェクタを天井面に設置した場合の図である。図6において、8はU字状の天井取付具、9は天井面である。図7において、10はI字状の天井取付具であり、この場合はプロジェクタ5を上下反転させ、三脚取付部5cにて吊り下げるかたちとなる。
【0004】
図8はプロジェクタ5内部の、光学メカ部を表す図である。図8において、1は光学メカ筐体、1bは送風口、1cは排気口、2は光学ユニット、3aは温度センサ、4は送風ファン、4aはファン駆動制御由である。
【0005】
液晶プロジェクタ5は、記載のない光源からの光をR、G、B光に分離し、光学ユニット2内にてこそれぞれの光に対応した液晶パネルを通過することで、各色光ごとに映像信号により変調され、各色光が合成され、投射レンズ5aにてスクリーンに投射することで、映像を映し出す装置である。投映画象の品位確保のためには、温度特性に敏感な液晶パネルの温度管理が重要であり、液晶パネル周辺の雰囲気温度を温度センサ3aにて検出し、ファン駆動制御部4aにて送風ファン4の送風量を制御する事で、温度管理がおこなわれる。
送風ファン4からの冷却風は光学メカ筐体1の送風口1bから光学ユニット2へ送風され、光学メカ筐体1内を循環し、排気口1cから排出される。
【0006】
天地両用液晶プロジェクタの場合は、図7のような使用方法も行われるため、図8のように光学ユニット2上方と下方に2個の温度センサ3aを配置し、設置方法により、光学ユニット2上方に位置する温度センサ3aに切り替えて、温度制御ループを構成することが、一般的に行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の天地反転で使用可能な電子機器の温度制御のためには、設置方法により、光学ユニット2上方に位置する温度センサ3aに切り替えるので、2個の温度センサとその配線や配線処理が必要であり、機器内の空間利用率の低下や、作業工数がかかるという課題を有している。
【0008】
本発明の目的は、天地反転で使用可能な電子機器の温度センサの配線や配線処理を必要とせず、機器内の空間利用率を向上し、作業工程をかけない温度センサの配置構造を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、天地両用で使用可能な電子機器における温度センサの配置構造である。
まず、第1の発明は、錘と温度センサを有するリングと、電子機器内に該リングが前記錘に働く重力に従って摺動自在に上下方向に回転する軌道を形成したことを特徴とする。
【0010】
第2の発明は、前記リングの一部に前記錘が固定され、前記リングの錘位置と対向する位置に前記温度センサが固定されていることを特徴とする。
【0011】
第3の発明は、前記リングの一部に前記錘が固定され、前記温度センサは前記リングの上および又は内部で、前記リング上を摺動自在に嵌着されていることを特徴とする。
【0012】
第4の発明は、送風ファンの前枠部に前記リングと前記リング軌道を設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明においては、天地両用で使用可能な電子機器において、この電子機器を天地反転させても、錘に働く重力によってリングが軌道に沿って回転し、容易にリングに配置された温度センサを所定の位置に移動できる。特に、錘と温度センサを対向位置に配すれば、自動的に温度センサが上方に配置され、高温となる上部の温度を測定できる。
【0014】
【発明の実施形態】
以下に本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ここで、従来技術と同一の部分には同一符号を付し、説明は省略する。
【0015】
図1は液晶プロジェクタ5内部の、光学メカ部を表す側方断面図である。
図1において、3はセンサーリング、1aは光学メカ筐体内側璧に設けられた、円形軌道であり、センサーリング3はこの円形軌道1a内を、摺動自在に回転する構造となっている。
尚、光学ユニット2の上下関係を分かりやすく表現するため、図1において光学ユニット2の上部に凸部を表示している。図2はセンサーリング3の断面図である。
【0016】
図2において、3aは温度センサ、3bは錘で、互いに対向する位置に設置されている。
又、センサーリング3が円形軌道1a内を自在に回転できるように、温度センサ3aと錘3bはセンサーリング3内部に埋め込まれており、温度センサ3aの部分は温度検出のため、開口部が設けられている。
【0017】
図3、図4は液晶プロジェクタ5内部の、光学メカ部の正面断面図である。
図3において、センサーリング3は錘3bが下方になるよう平衡が保たれ、この時温度センサ3aは上方に位置し、光学ユニット2上方の温度を監視することになる。
尚、図3の状態は、図5のように、床面7に三脚8にて設置する場合に相当し、光学ユニット2の凸部は上方に位置している。
【0018】
図4は、図7で表すように、液晶プロジェクタ5の上下を反転させて、三脚取付部5cとI字状の天井取付具10を接続させて天井面9に設置した状態図で、光学ユニット部2の凸部は下方に位置している。
図4の場合でも、センサーリング3は円形軌道1a内を回転し、錘3bが下方になる状態で平衡され、温度センサ3aは上方に位置し、光学ユニット2上方の温度を監視することになる。
【0019】
このように、プロジェクタ5を天地反転させてもセンサーリング3は、光学メカ筐体1内の円形軌道1a内を錘3bの重力によって移動することで、温度センサ3aは常に光学ユニット2上方に位置し、筐体内で高温となる上部の温度を監視することができる。
【0020】
尚、温度センサ3aの出力取り出し方法としては、例えば、センサーリング3の特定位置に温度センサ3aと内部結線された2個の電極を露出させ、円形軌道1a内の特定範囲の該センサーリング3電極との対向位置に、モーターブラシなどを設けて、温度センサ3aの出力を取り出すことも可能である。又、センサーリング3の錘3bを固定し、温度センサ3aをセンサーリング3の上および又は内部で、センサーリング3上を摺動自在に嵌着する構造とすることで、温度センサ3aを被測定物の位置に合わせ、より正確な測定を可能にすると共に、汎用性のある温度制御装置を提供することができる。
更に、送風ファン4の前枠部にセンサーリング3と円形軌道を設けることで、光学メカ筐体内部の複雑な加工を不要とすると共に、汎用性のある温度制御装置を提供することもできる。
【0021】
【発明の効果】
第1及び第2の発明によれば、天地両用で使用可能な電子機器における温度センサの配置構造において、錘と温度センサを有するリングと、電子機器内に該リングが重力に従って摺動自在に回転する軌道を形成することで、1個の温度センサで温度制御ループを構成することを可能とし、機器内の空間利用率の向上や、作業工数の削減を図ることができる。
【0022】
第3の発明によれば、リングの一部に錘が固定され、温度センサはリングの上および又は内部で、リング上を摺動自在に嵌着されていることで、温度センサを被測定物の位置に合わせ、より正確な測定を可能にすると共に、汎用性のある温度制御装置を提供することができる。
【0023】
第4の発明によれば、送風ファンの前枠部にリングとリング軌道を設けたことで、光学メカ筐体内部の複雑な加工を不要とすると共に、汎用性のある温度制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における液晶プロジェクタの、光学メカ部を表す側方断面図である。
【図2】本発明の実施形態におけるセンサーリングの断面図である。
【図3】本発明の実施形態における液晶プロジェクタの光学メカ部の正面断面図である。
【図4】本発明の実施形態における液晶プロジェクタの光学メカ部の正面断面図である。
【図5】プロジェクタを床上に設置した時の図である。
【図6】プロジェクタを天井面に設置した場合の図である。
【図7】プロジェクタを天井面に設置した場合の図である。
【図8】従来技術におけるプロジェクタの光学メカ部を表す図である。
【符号の説明】
1 光学メカ筐体
2 光学ユニット
3 センサーリング
4 送風ファン
5 プロジェクタ
6 三脚
7 床面
8 天井取付具
9 天井面
10 天井取付具

Claims (4)

  1. 天地両用で使用可能な電子機器における温度センサの配置構造において、
    錘と温度センサを有するリングと、電子機器内に該リングが前記錘に働く重力に従って摺動自在に回転する軌道を形成したことを特徴とする温度センサの配置構造。
  2. 前記リングの一部に前記錘が固定され、前記リングの錘位置と対向する位置に前記温度センサが固定されていることを特徴とする請求項1の温度センサの配置構造。
  3. 前記リングの一部に前記錘が固定され、前記温度センサは前記リングの上および又は内部で、前記リング上を摺動自在に嵌着されていることを特徴とする請求項1の温度センサの配置構造。
  4. 送風ファンの前枠部に前記リングと前記リング軌道を設けたことを特徴とする請求項1の温度センサの配置構造。
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