JP3620990B2 - ガラス容器の側壁厚さの測定方法及び装置 - Google Patents

ガラス容器の側壁厚さの測定方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空ガラス容器の側壁厚さの測定技術に関し、特に多層ガラス容器中の層の厚さを測定する方法及び装置に関する。
【従来技術及び発明の目的】
多層ガラス容器の製造に当たり、ガラス容器の品質管理のためにはガラス層の厚さを測定することが望ましい。いわゆるケースガラス容器では、内側の比較的厚いコアガラス層は、外側の比較薄いケーシング(包囲)ガラス層で包囲されている。コアガラスとケーシングガラスの熱的性質は、外側のケーシングガラス層がガラス容器の冷却時に圧縮応力を受けた状態になるようなものである。この外側の圧縮ガラス層は、容器全体の強度を高め、使用するガラス総量を少なくした状態で所望の強度特性を有する容器の製造を可能にする。
コストと品質の両面から製造工程を制御するためには、ケーシングガラス層の厚さを測定してこれを制御することが必要である。従来、ケーシングガラス層の厚さを測定するには、容器側壁から一部を切り取り、顕微鏡等を用いてガラス層の厚さを測定していた。この技術は、実施に費用がかかり、しかも容器の大量生産において実時間品質管理法として利用するにはあまり適していない。内部応力の加わっているケーシングガラス層の厚さを偏光を用いて測定する電気光学技術を採用することが提案された。偏光を容器側壁のケーシングガラス層中へ接線方向に差し向けることにより複屈折パターンを生じさせ、この複屈折パターンを分析するとケーシングガラス層の厚さが求められる。検査中の容器は、油浴中に垂直方向に浸漬され、容器の仕上部は、容器をその中心軸線の回りに浴内で回転させる適当な手段に結合される。偏光源が、光エネルギを容器の側壁に対して接線方向に向いた軸線に沿って浴中へ差し向けてセンサに当てるよう配置される。油は、光エネルギが、側壁で反射して浴の入っているタブの壁に当たるのではなく、容器側壁を接線方向に通ってセンサに伝搬するよう容器側壁の屈折率に一致する必要がある。センサは、入射光エネルギの複屈折に応答して容器の内部応力のある外側ガラス層の厚さを測定する適当な手段を含む。
【0002】
上述の技術では満足の行く結果が得られない。ガラス容器は、回転軸線回りに必ずしも対称であるとは限らず、また、容器の本体は、必ずしも容器の首(ネック)又は仕上部と同軸であるとは限らない。かくして、もし容器が真円でなく、或いは容器本体の軸線が仕上部の軸線と一致していなければ、容器の側壁は、容器を指標油中で回転させているときに光路に対して振れ回ることになる。この振れ回りは、およそ0.001インチ(0.0254mm)の所望の測定精度と比較しておよそ1/2インチ(1.27cm)である場合がある。
さらに、上述の技術を用いると高価な指標油が相当な量無駄になる。したがって、本発明の目的は、容器を製造工程中、正確に位置決めして定位置に保持した状態で容器側壁中の応力を測定することにより上述の種類のケースガラス瓶中のケーシングガラス層の厚さを光学的に測定する方法及び装置を提供することにある。本発明の別の目的は、指標油の使用量を大幅に減少させ、容器の周りに円周方向と軸方向の両方向における様々な位置でケーシングガラスの厚さを測定するようになった上述の形式の方法及び装置を提供することにある。本発明の別の目的は、上記目的を満足し、しかもケーシングガラス厚さの迅速且つ正確な測定を行うようになっていて、かくしてガラス製品製造工程の実時間制御に利用できる方法及び装置を提供することにある。
【0003】
【発明の概要】
本発明の上記目的は、本体及び仕上部を有するガラス容器(22)の側壁のガラス層厚さを測定する装置であって、容器側壁の屈折率に一致する屈折率を有する油(28)の浴(26)と、浴内の容器本体の側壁に係合して、その本体の側壁の軸線の横方向における動作を拘束しながら、本体をその軸線回りに回転させることができるようにする係合手段(24)と、容器を係合手段上で回転させる手段(160)と、光ビームを浴内へ、そして浴内において係合手段と係合している側の容器本体の側壁中へ接線方向に差し向けて容器本体の側壁中のガラスの厚さの関数として、側壁中のガラス層の屈折率の差異によって生じる光エネルギのパターンを生じさせる手段(39)と、容器側壁のガラスの厚さを光エネルギパターンの関数として決定する手段(32)とを有することを特徴とする装置によって達成することができる。
特に、本発明の好ましい実施形態に従ってケースガラス容器中のケーシングガラス層の厚さの測定に適用した場合、かかるケーシングガラス層は、油浴から出る光エネルギのパターンの関数として決定される。コアガラスの屈折率とケーシングガラスの屈折率が十分に異なっている用途では、ケーシングガラスとコアガラスとの境界部からの反射により、厚さの直接測定が可能になる。ガラス屈折率が一層ぴったりと一致している用途では、光エネルギを偏光して複屈折パターンがケーシングガラス層中の内部応力によって生じるようにするのが良い。この複屈折パターンを分析すればケーシングガラス厚さを求めることができる。
【0004】
本発明の好ましい実施形態における油浴は、測定光を差し向ける一対の透明な側壁、一対の間隔を置いて設けられた端壁、底壁及び検査容器を受け入れる開口上部で構成されたトラフを有する。容器は、一対の間隔を置いて設けられたクレードル板の形態のクレードルによって浴内に支持され、各クレードル板は、二期の側壁を外部から摺動自在に水平方向に支持するような輪郭の輪郭付け縁を有する。容器側壁とクレードル板との摺動係合部は、指標油により潤滑される。親ねじが、浴の端壁又は端板によって回転自在に支持され、これら親ねじは、長さの異なる容器に対応するようクレードル板を浴内で調節自在に位置決めするようクレードル板に係合している。ブラケットが、一方の浴端壁に回動自在に取り付けられており、このブラケットは、容器の側壁に外部から係合して容器本体を油内における容器の浮力に抗してクレードルに当接保持するためのアームを支持している。ブラケットは、容器をクレードル上に置くと容器の底部に係合できるよう配置されており、それによりアームが回動して容器に係合するようになる。測定シーケンス後、容器をクレードルから持ち上げるとブラケット及びアームを自動的に回動させてこれらを容器から離脱させるためのバランスウエイトが、ブラケットによって支持されている。本発明の好ましい実施形態では、ホールドダウンアームとバランスウエイトの両方の位置は、サイズの異なる容器に対応するようブラケット上で調節できる。
【0005】
光エネルギは、油浴の一方の側に配置された光源から油浴の透明な側壁を通って、油浴の反対側に設けられたカメラに差し向けられる。本発明の好ましい実施形態における光源は、白色光源から成り、光を浴中への伝送前に垂直方向に偏光するのが良い。測定光ビームの強度は、不透明度の異なるガラス材料(例えば、フリントガラスとアンバーガラス)に対応するよう調節自在に可変である。測定光ビームが容器側壁に接線方向に入射するようにするために、浴は光源及びカメラに対して垂直方向調節自在に配置できる。容器の軸方向の種々の位置におけるケーシングガラス厚さを測定するために、容器及び浴は、光源及びカメラに対して水平方向に調節できる。本発明の好ましい実施形態では、応従性のあるチャックが、容器仕上部と容器本体の非同心性に順応しながら容器本体をクレードル上で回転させるよう容器仕上部の内周部に係合する。
本発明の内容は、その別の目的、特徴及び利点と共に、以下の説明、特許請求の範囲及び添付の図面から最も良く理解されよう。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の現時点における好ましい実施形態による容器22の側壁の応力を測定するための装置20を示している。容器22は、指標油28の入った浴26内でクレードル24上に支持されている。光エネルギのビームを浴26の透明な側壁を通してカメラ32へ差し向けてこれに合焦させる光源30が、浴26の一方の側に設置されている。浴26は、光源30からの光ビームが、クレードル24によって支持されている側の容器の側壁を接線方向に通過するよう位置決めされている。浴28は、容器の側壁外面の屈折率に一致していて、光エネルギが容器側壁から反射されないが、容器側壁を接線方向に通ってカメラ32に至るようになっている。浴28の指標特性は、指標油を温度制御装置34及びポンプ36を介して浴26の外部に循環させることによって厳密に制御される。かくして、指標油の屈折特性は、容器22の屈折特性に一致するよう厳密に制御されると共にその状態に維持できる。浴26に入射した光エネルギを垂直方向に偏光させるための偏光子38が光路中に選択的に位置決めでき、不透明度の異なるガラスに対応するための可変減衰器40が設けられている。即ち、減衰器40は、不透明度の異なるガラス、例えば、実質的に透明なフリントガラスとこれよりも不透明なアンバーガラスについてカメラ32に入射した光の強度を正規化するために荒調整が行われる。望遠レンズ41が、カメラ32の視野を、照明ビームとの接線方向交差点においてクレードル24内の容器22の外面上に合焦させる。カメラ32は、側壁の応力情報をオペレータに表示するための表示装置42に結合されている。
【0007】
図2及び図3を参照すると、浴26は、一対の透明な側壁44,46が設けられている全体として矩形のトラフから成る。トラフは、端壁48及び或る量の指標油28を収容するよう適当にシールされている閉鎖底部を更に有している。浴26の頂部は、検査中の容器22を受け入れるよう開いている。一対のスクリューロッド50,52が、浴の長手方向軸線に平行に浴の端壁48相互間に延びていて、端壁48の外部に取り付けられた一対の端部ブラケット54によって浴26の上方且つその片側で回転自在に支持されている。スクリューロッド50は、一方の端壁48に隣接して設けられたノブ56に結合され、スクリューロッド52はそれと反対側の端壁48に隣接して設けられたノブ58に結合されている。かくして、スクリューロッド50,52は、浴26に隣接した固定位置に保持された状態で自由に手動回転させることができる。
【0008】
クレードル24は、浴26内に設けられた一対のクレードル板60,62からなる。各クレードル板60,62は、容器22の円筒形本体を受け入れてこれを支持するような輪郭に作られた凹状上縁部を有している。これら容器支持縁部は、図面に示された実施形態では円形である。変形例として、容器支持縁部は、図13に概略的に示すようにV字形であってもよい。かかるV字形クレードル板60a,62aは、回転中の容器に対する付加的な横方向支持体となる。クレードル板62は、スクリューロッド50に回転自在に結合されているホルダーブロック64から着脱自在に片持ちされ、スクリューロッド52はこのホルダーブロック64を自由に挿通している。同様に、クレードル板60は、スクリューロッド52に回転自在に結合されたホルダーブロック66から片持ちされ、スクリューロッド50がこれを自由に挿通する。かくして、浴26内におけるクレードル板60,62の長手方向位置は、それぞれノブ58,56により独立して調整可能である。クレードル板60,62はブロック66,64から着脱自在であり、かくして、種々の直径の容器22を受け入れるようこれらに代えて種々の輪郭のクレードル板を用いることができる。
【0009】
図2〜図4及び図6を参照すると、ホールドダウンブラケット68が、浴26の一方の端壁48に回動自在に取り付けられた平らな板を有している。ブラケット68は、浴26から上方に延びる一対の同一平面上に位置した平行な脚部70,86を有している。L字形アーム72が、アーム70に設けられた一対の平行なスロット76を通って延びる一対の取付けネジ74によって脚部70に調節自在に取り付けられている。アーム72は、板68から浴26上に延びている。ブロック77が、アーム72に設けられた長手方向スロット75を貫通するネジによってアーム72に摺動自在に取り付けられている。パッド78が、ナット82によってブロック77上に調節自在に位置決めできるネジ付きシャフト80を有している。(図13のV字形パッド78aを、回転中における追加の横方向支持体に用いることができる。)コイルばね84が、パッド78とブロック77との間でシャフト80の周りに圧縮状態で設けられている。ブラケット68の第2の脚部86が、細長いスロット88を有し、このスロット88内で、バランスウエイト90がネジ及びナット92によって設けられている。ブラケット68の下端部は、図4に示すように容器がクレードル24上に位置決めされると容器22の底部に係合するよう位置する。容器22をクレードル内に位置決めして容器の底部をブラケット68に押し付けると、ブラケットは、パッド78が容器から上方に遠ざかって回動する図4に示す開き位置からパッド78が容器に係合する図2及び図3に示す閉じ位置までバランスウエイト90の重さに抗して回動する。かくして、パッド78は容器22をクレードル24上に保持する。容器をクレードルから取り外すことが望ましい場合、容器をクレードルの軸方向に抜くと、ブラケット68に対する容器の力が除かれてブラケットは図2及び図3に示す位置から図4に示す位置までバランスウエイト90によって自動的に回動するようになる。アーム72はブラケット68上に調節自在に位置決めでき、バランスウエイト90はブラケット68上に調節自在に位置決めでき、それにより種々の直径及び種々の重さの容器22に対応できるようになる。ブロック77は、長さの異なる容器に対応するようアーム72上に調節自在に位置決めできる。ばね84が、過度のクランプ力を防止しながらパッド78を押圧してこれを容器22に摺動的に係合させるよう機能する。パッド78と容器22の外面との摺動係合部は、指標油によって潤滑され、これは容器22とクレードル板60,62との摺動傾向についても同様である。
【0010】
油浴26が、平らなオイルパン100(図2、図3、図6、図8及び図9)に取り付けられている。オイルパン100は、浴の長手方向への、即ち図6の紙面に垂直な方向におけるパン100及び浴26の運動に順応すると共に浴の横方向動作、即ち図6において側から側への動作を防止する一対の横方向に間隔を置いて設けられた直線支承体104によって中間支持板102に取り付けられている。直線支承体104は、任意適当な種類のものであってよい。支持板102は、親ねじ108を回転自在に支持する長手方向に間隔を置いて設けられた垂下支承体106(図8及び図9)を支持している。親ねじ108は、相互に噛み合った平歯車109,111によって装置の前に設けられたハンドル110に結合されている。脚部112が、支持板102に設けられたスロット114を通ってオイルパン100から垂下し(図8)、親ねじ108に装着されたナット115で終わっている。かくして、オイルパン108及びこれによって支持された油浴26の水平方向位置は、ハンドル110及び親ねじ108を回転させることにより支持板102の長手方向に調節自在に位置決めできる。
【0011】
底板120(図2、図3、図6、図7及び図9)が、調整自在な足122によって作業面124上に支持されている。4本の親ねじ126が、正方形の隅のところで(図8で最も良く分かる)、互いに平行な垂直軸線の回りに回転自在に底板120上に支持されている。親ねじ126は、板102によって支持された4つのナット128(図2及び図6〜図9)内に回転自在に受け入れられている。各親ねじ126は、底板120に隣接して設けられた平歯車130を支持している。数個の歯車130が、底板120の平面上で垂直軸線を中心として回転できる中央平歯車132と噛み合っている。歯車132は、傘歯車134,136によって水平シャフト138に結合されている。シャフト138は、底板120から上方に延びる支持板140によって回転自在に支持されていて、ハンドル142に連結されている。第2のハンドル144が、底板120に設けられた板146を貫通して互いに噛み合っている傘歯車148,150に結合されている。傘歯車150(図9)は、歯車132と噛み合っている平歯車149にシャフト151によって連結されている。かくして、ハンドル142又は144のいずれかを回転させることにより親ねじ126が回転し、取付け板120が昇降する。ハンドル142は、板102の垂直方向位置の荒調整を受け持ち、ハンドル144は板102の垂直方向位置の微調整を受け持っている。光源30(図1)、望遠レンズ41(図1及び図2)及びカメラ42は、板120から分離された適当な取付けブラケットによって作業面124上に設置されている。
【0012】
容器に係合してこれを回転させるチャック160が図2、図3、図5、図6及び図10に示されている。チャック160は、例えばゴムのようなエラストマー材料のスリーブ162を有している。スリーブ162は、一対のワッシャ164,166相互間に捕捉されている。細長い中空スリーブ168が、ワッシャ164と第2のワッシャ170との間に延びている。ロッド172が一端をワッシャ166に固定された状態でスリーブ168の内部を貫通して延びている。ワッシャ170の遠い方の側には、ロッド172がピボットピン174によってチャックレバー176に取り付けられている。レバー176は、細長い凸状ローブ178を有し、この凸状ローブはワッシャ170の対向面に摺動自在に係合してスリーブ162の軸方向弾性と協働してトグル(倍力)クランプを形成している。図10に示すチャック及びクランプの開き位置では、スリーブ162は弛緩しており、レバー176のハンドルは軸方向外方に延びている。レバー176を時計回り(図10の向きで見て時計回り)に回動させると、スリーブ162はワッシャ164,166相互間で圧縮されてついにはローブ178の平坦部180がワッシャ170に対向当接し、その時点においてトグルクランプが定位置にロックされる。容器の仕上部に係合するために、レバー176を図10の位置に保った状態で、スリーブ162及びワッシャ166を、容器の密封面がワッシャ164に当接するまで容器仕上部の開口端に挿入する。次に、レバー176を回動させて(図10の時計回りに)スリーブ162を半径方向外方へ拡張させ、それにより容器仕上部の内周部にしっかりと係合するようにする。チャックを図2及び図6のロック位置で容器及びレバー176にしっかりと係合させた状態で、容器を今や、ブラケット68に当接した状態のクレードル板62,66上に配置することによって装置内に挿入する。それにより、ホールドダウンブラケット68及びパッド78を下方に回動させて容器の外面に係合させる。外側スリーブ168は、取付け板102から上方に延びるチャック取付けブラケット184(図2、図5及び図8)のV字形スロット182内に支持されている。弧状クランプ186(図5)がブラケット184に回動自在に取り付けられ、この弧状クランプは半径方向に突き出たハンドル188を有し、組立ての際、このハンドル188によりクランプ186を回動させると、チャック160を図5に示すように捕捉できる。平歯車190が、ブラケット184によって支持された歯車192,194に組立て状態において係合できるようチャックスリーブ168上に調節自在に配置できる。歯車194は、ブラケット184の外面上に支持されたダイヤルゲージ196に結合されている。かくして、オペレータはチャック160を回転させることができると同時に容器22を検査装置内で回転させることができ、この角度的回転の度合はオペレータにダイヤルゲージ196のところで指示される。チャック160中のスリーブ162の弾性は、容器本体の軸線に対する仕上部の軸線のわずかな不整合に順応し、したがって容器本体は引き続き浴26内のクレードル24に対する固定位置で保持されるようになる。
【0013】
作用を説明すると、まず最初に装置20を公知の特性の容器22に関してセットアップする。チャック160を容器22の仕上部中に挿入し、容器22を浴26のクレードル24に取り付ける。容器をクレードルに取り付けると、ブラケット68及びアーム72を下方に回動させてパッド78が容器22に係合してこれをクレードル24上に保持するようにする。次に、チャック160をブラケット184上に設置し、クランプ186をチャック160上に閉じる。光源30、カメラ32及び表示装置42が動作中であって、浴26の油28が所望温度状態にある状態で、浴26の垂直方向位置を調整ハンドル142,144によって調整して、ついには表示装置42が光ビームと容器のところの関心のある領域の交点を示すようにする。次に、ハンドル110を調整してビームが所望の軸方向位置で容器と交差するようにし、そしてチャック160を回転させてビームが容器側壁と所望の角度位置で交差するようにする。装置を動作状態に設定した状態で、次に、検査されるべき新しい容器22をチャック160上に配置して装置内へ挿入する。
【0014】
ケーシングガラスの屈折率とコアガラスの屈折率が十分に異なっていれば(例えば1.520に対して1.522)、ケーシングとコアとの界面からの反射を用いるのが良く、この場合、偏光子38(図1)を用いる必要はない。図11を参照すると、外面に対して接線方向の底部の僅かな屈折により、カメラ32及び表示装置42のところのブライト(明るい)背景に対して暗線200が生じる。ケーシングとコアとの界面における屈折率の不整合により、別の暗線204が生じる。というのは、光線が界面のところで反射してカメラから遠ざかるからである。ケーシング層は、比較的厚いブライト領域202が生じ、コア層は、比較的明るい領域206を生じさせる。ケーシング層の厚さは、領域202の幅をこれと対応関係にある既知の厚さの像と比較することにより容易に測定できる。ビーム及び表示装置は、コア層の内部にガラスと空気の界面を表示するほどには容器の半径方向に十分な幅のものではない。図12は、ケーシングガラスの像202a,202b相互間の線202cによりケーシングガラス層内に層状化が生じる恐れがあるという潜在的な問題を示している。ガラス層の屈折率が一層ぴったりと一致しているような状況では、偏光された光を用いると、内部に応力の加わったケーシングガラスの厚さを表す複屈折パターンを生じさせることができる。
【0015】
かくして、ガラス容器の側壁中の応力を測定し、特にケースガラス瓶の応力の加わっているケーシングガラス層の厚さを測定し、上述の目的の全てを完全に達成する方法及び装置が提供されている。容器を製造環境で迅速に検査して製造工程の実時間品質管理を行うことができる。ケーシングガラスの厚さを容器の円周方向又は容器の軸方向の任意所望の位置で測定できる。本明細書で開示した本発明の手動方式の実施形態は、円周方向及び軸方向調整を自動化調整手段、例えば電気モータに適切に結合することにより容易に自動化できる。製造工程中に失われる指標油はほんの僅かである。特に、本発明の応従性のあるチャック機構は、容器内部への油の流入を阻止するだけでなく、測定工程の健全性を維持した状態で仕上部に対する容器本体の振れ及び不整合に順応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現時点において好ましい実施形態によるガラス容器の側壁中の応力を測定する装置の略図である。
【図2】図1に概略的に示された測定装置の斜視図である。
【図3】異なる方向から見た図2の装置の斜視図である。
【図4】図2及び図3に示す装置の部分の詳細を示す部分斜視図である。
【図5】図2及び図3に示す装置の部分の詳細を示す部分斜視図である。
【図6】図2〜図5に示す装置の端部側面図である。
【図7】図6の7−7線矢視断面図である。
【図8】図6の8−8線矢視断面図である。
【図9】図2〜図8に示す装置の部分端面側面図である。
【図10】図1〜図9の装置の容器チャックの部分側面図である。
【図11】図1の装置の容器厚さの表示装置を示す図である。
【図12】図1の装置の容器厚さの表示装置を示す図である。
【図13】変形例としてのクレードル板の特徴を示す油浴を示す図である。
【符号の説明】
20 応力測定装置
22 容器
24 クレードル
26 浴
28 指標油
30 光源
32 カメラ
34 温度制御装置
36 ポンプ
38 偏光子
40 可変減衰器
41 望遠レンズ
42 表示装置

Claims (10)

  1. 本体及び仕上部を有するガラス容器(22)の側壁のガラス層厚さを測定する装置であって、容器側壁の屈折率に一致する屈折率を有する油(28)の浴(26)と、前記浴内の容器本体の側壁に係合して、その本体の側壁の軸線の横方向における動作を拘束しながら、前記本体をその軸線回りに回転させることができるようにする係合手段(24)と、容器を前記係合手段上で回転させる手段(160)と、光ビームを前記浴内へ、そして前記浴内において前記係合手段と係合している側の容器本体の側壁中へ接線方向に差し向けて容器本体の側壁中のガラスの厚さの関数として、側壁中のガラス層の屈折率の差異によって生じる光エネルギのパターンを生じさせる手段(39)と、容器側壁のガラスの厚さを前記光エネルギパターンの関数として決定する手段(32)とを有することを特徴とする装置。
  2. 容器側壁に係合する前記係合手段(24)は、前記浴内に設けられていて、容器側壁に外部から摺動係合する手段(60,62 又は62c,62a)を有し、該摺動係合部は、前記油(28)によって潤滑されることを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 前記浴内の前記手段は、前記浴内の前記容器の側壁に外部から係合し、前記容器を前記浴内で水平の向きに摺動自在に支持するクレードルから成ることを特徴とする請求項2記載の装置。
  4. 前記クレードルは、前記浴内に設けられた一対のクレードル板(60,62 又は62c,62a)から成り、各クレードル板は、前記容器の側壁を外部から摺動自在に支持するような輪郭にされた輪郭付け縁を有することを特徴とする請求項3記載の装置。
  5. 前記容器側壁に係合する前記係合手段(24)は、軸方向寸法の異なる容器に対応するよう前記浴内の前記クレードル板のうち少なくとも一方を調節自在に位置決めする手段(50〜66)を更に含むことを特徴とする請求項4記載の装置。
  6. 前記浴(26)は、互いに間隔を置いて位置した端壁(48)の間に延びる一対の光学的に透明な側壁(44,46)を有し、前記調節自在な位置決め手段(50〜66)は、前記端壁によって回転自在に支持された状態でこれらの間に延びる一対のスクリューロッド(50,52)を有し、各スクリューロッドは、前記クレードル板(60,62 又は62c,62a)のうち一方の長手方向位置をスクリューロッドの回転の度合いの関数として調節できるよう該クレードル板に作動的に連結されていることを特徴とする請求項5記載の装置。
  7. 前記クレードルの上方に配置されていて、前記浴内の容器の浮力に抗して容器をクレードルに当接保持した状態で前記クレードル上の容器の側壁に外部から摺動自在に係合する手段(68)を更に有することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項記載の装置。
  8. 前記保持手段(68)は、前記端壁のうち一方に回動自在に取り付けられたブラケットと、前記ブラケットに取り付けられていて、前記クレードル上の容器の側壁に係合する手段とから成ることを特徴とする請求項7記載の装置。
  9. 前記ブラケット(68)は、容器(22)を前記クレードル上に置くと容器の底部に係合できるよう配置されており、それにより前記ブラケット及び前記ブラケットに取り付けられた前記手段は回動して容器に係合するようになることを特徴とする請求項8記載の装置。
  10. 仕上部及び組成の異なる多数のガラス層から成る側壁で形成された本体を有するガラス容器(22)と関連して利用され、前記層のうち少なくとも一つの厚さを測定する方法であって、容器本体の側壁を係合手段によって構造的に支持した状態で容器の仕上部を回転させて前記本体が前記仕上部の回転軸線とは別個独立のその軸線の回りに回転するようにする段階(a)と、光ビームを前記係合手段と係合している側の容器本体の側壁中へ接線方向に差し向けて前記少なくとも一つの層の厚さの関数として、側壁中のガラス層の屈折率の差異によって生じる光エネルギパターンを生じさせる段階(b)と、前記少なくとも一つの層の厚さを前記光エネルギパターンの関数として決定する段階(c)とを有することを特徴とする方法。
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