JP3620883B2 - 遊星歯車式変速装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車や鉄道車両等の多段自動変速機に用いられる遊星歯車式変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊星歯車式変速装置にトルクコンバーターを組み合わせた自動変速機が実用化されている。遊星歯車式変速装置は、複数組の遊星歯車装置に複数のクラッチやブレーキを組み合わせて構成されており、複数のクラッチやブレーキの断続の組み合わせを変更して、変速比(=入力回転数/出力回転数)を複数通りに切り替えることができる。遊星歯車装置は、外側のリングギヤと中心のサンギヤとの間に複数のピニオンギヤを配置し、複数のピニオンギヤがピニオンキャリヤに拘束されて一体に遊星運動する。
遊星歯車装置の回転要素(リングギヤ、ピニオンキャリヤ、サンギヤ)、および複数の締結要素(クラッチやブレーキ)の間は、トルク伝達を担う殻構造や一方向クラッチによって適当な組み合わせで相互に連結されている。
【0003】
初期の自動変速機における遊星歯車式変速装置は、最低の変速比を1としたものが主流であったが、現在では、変速比が1以下のいわゆるオーバードライブ段が追加されている。そして、オーバードライブ段を含めて前進4〜6段階、後退1段階に変速比を切り替え可能としている。オーバードライブ段では、エンジン回転数を抑制した高速走行が可能となり、高速道路等におけるエンジン騒音が低下し燃費も向上する。
しかし、80〜100km/時といった高速走行では、オーバードライブ段といえども入力回転数(エンジン回転数)が高まって、遊星歯車式変速装置のそれぞれの回転要素の回転数が高まる。回転要素の回転数が高まると、自動変速機内のオイルの攪拌や摩擦による発熱が著しくなり、軸受けの寿命が低下し、自動変速機の伝達効率が低下する。
このとき、複数組の遊星歯車装置の回転要素の中には、回転要素間の固定された連結関係によって、出力と無関係に高速回転する回転要素も存在する。このような回転要素については、回転を停止させて無駄な発熱や回転を抑制することが望まれる
【0004】
そこで、2組の遊星歯車装置の間にクラッチを設けて、無駄な高速回転が伝達される変速段では連結関係を解除してしまう提案がなされている。すなわち、出力軸よりも高速回転する回転要素は、切り離して無負荷状態で空転させ、増速された高速回転が発生しないようにする。
しかし、回転要素とともに回転可能に構成されるクラッチの追加は、遊星歯車式変速装置の機構構造を複雑にして部品点数を増加させる。また、クラッチに油圧供給する油路やバルブも追加する必要がある。これらの結果、自動変速機が大型化し、故障の可能性が増して装置全体の信頼性が失われる。
従って、少なくともクラッチの総個数の増加に結び付くような「回転要素間のクラッチ」は実用的でない。
【0005】
ところで、前進5段、後退1段の変速が可能な遊星歯車式変速装置は、3組の遊星歯車装置に3つのクラッチと3つのブレーキを組み合わせたものが一般的である。この基本的なスケルトンにエンジンブレーキを遮断する機構(一方向クラッチ等)が組み込まれる。
これに対して、例えば、特開昭52−149562号公報に開示される装置のごとく、1つの遊星歯車装置の回転要素を入力軸に直結することによって1つのクラッチを省略した遊星歯車式変速装置も提案されている。この場合は、3組の遊星歯車装置に2つのクラッチと3つのブレーキを組み合わせたスケルトンとなる。
図7、図8は従来の遊星歯車式変速装置の説明図である。図7中、(a)はスケルトン、(b)は各変速段におけるクラッチとブレーキの締結状態を示す。図8中、(a)は1速〜4速の共線図、(b)は5速〜6速および後退の共線図、(c)は遊星歯車装置の回転要素の連結状態を示す。
以下の説明では、遊星歯車式変速装置の構造をスケルトンで示している。このスケルトンは、遊星歯車装置の回転要素、ブレーキ、およびクラッチの連結関係だけを取り出して線図で示しており、入出力軸の中心線から下に位置する部分を省略している。そして、実用上は当然に追加される一方向クラッチ等も省略して変速のための基本構造のみが示される。このようなスケルトンを基礎にして、遊星歯車装置の配置順序、クラッチやブレーキの具体的な構造と配置、油路の配置、連結部材の構造等が設計される。
以下の説明では、遊星歯車式変速装置の各変速段の動作が共線図を参照して説明される。共線図は、遊星歯車装置の回転要素、ブレーキ、およびクラッチの回転数の相互関係を線図で示しており、各変速段における変速比や回転要素の回転状態を直接求めさせる。
【0006】
図7の(a)において、入力軸J1と出力軸J2を結ぶ中心線上に3組の遊星歯車装置G51、G52、G53、3つのブレーキB1、B2、B3、および2つのクラッチK1、K2が配置される。遊星歯車装置G51、G52、G53は、それぞれリングギヤR51、R52、R53とサンギヤS51、S52、S53の間に複数のピニオンギヤP51、P52、P53を噛み合わせる。複数のピニオンギヤP51、P52、P53は、それぞれピニオンキャリヤC51、C52、C53で拘束されて一体に回転する。
【0007】
入力軸J1に遊星歯車装置G51のサンギヤS51が直結される。入力軸J1にクラッチK1、K2の片側が連結されるが、クラッチK1、K2は2組の遊星歯車装置G51、G52の間に配置されていると考えてもよい。
クラッチK1の別の片側は、遊星歯車装置G52のサンギヤS52、および遊星歯車装置G53のサンギヤS53に連結されて、一体に回転する回転メンバーM1を構成する。
クラッチK2の別の片側は、遊星歯車装置G52のピニオンキャリヤC52、遊星歯車装置G53のリングギヤR53、およびブレーキB3に連結されて、一体に回転する回転メンバーM3を構成する。
遊星歯車装置G53のピニオンキャリヤC53は、出力軸J2に連結されて、一体に回転する回転メンバーM2を構成する。
遊星歯車装置G51のピニオンキャリヤC51は、遊星歯車装置G52のリングギヤR52、およびブレーキB1に連結されて、一体に回転する回転メンバーM4を構成する。
遊星歯車装置G51のリングギヤR51は、ブレーキB2に連結されて、一体に回転する回転メンバーM5を構成する。
【0008】
図7の(b)には、前進6段、後退1段、合計7段階の変速段におけるクラッチK1、K2とブレーキB1、B2、B3の締結の組み合わせと変速比が示される。変速比は、遊星歯車装置G51、G52、G53の変速比をそれぞれα1 、α2 、α3 として、数式で示される。変速比の右端の欄には、変速比α1 、α2 、α3 にそれぞれ0.625、0.425、0.375を代入して計算した変速比の数値が示される。
【0009】
1速では、クラッチK1とブレーキB3が締結されて、変速比は3.67となる。2速では、クラッチK1とブレーキB1が締結されて、変速比は2.04となる。3速では、クラッチK1とブレーキB2が締結されて、変速比は1.46となる。4速では、クラッチK1とクラッチK2が締結されて、変速比は1.00となる。6速では、クラッチK2とブレーキB2が締結されて、変速比は0.72となる。7速では、クラッチK2とブレーキB1が締結されて、変速比は0.61となる。後退ではブレーキB2とブレーキB3が締結されて、変速比は−4.05となる。
【0010】
図8の(a)、(b)の線図は、(c)のように構成した遊星歯車式変速装置における回転メンバーM1、M2、M3、M4、M5の回転状態を直線で示している。
図7の(a)にも示されるように、回転メンバーM1には、遊星歯車装置G52のサンギヤS52、遊星歯車装置G53のサンギヤS53、およびクラッチK1が含まれる。回転メンバーM2には、遊星歯車装置G53のピニオンキャリヤC53、および出力軸J2が含まれる。回転メンバーM3には、遊星歯車装置G52のピニオンキャリヤC52、遊星歯車装置G53のリングギヤR53、クラッチK2、およびブレーキB3が含まれる。回転メンバーM4には、遊星歯車装置G51のピニオンキャリヤC51、遊星歯車装置G52のリングギヤR52、およびブレーキB1が含まれる。回転メンバーM5には、遊星歯車装置G51のリングギヤR51、およびブレーキB2が含まれる。
【0011】
そして、遊星歯車装置G51では、ピニオンキャリヤC51に対してサンギヤS51を1回転させると、リングギヤR51がサンギヤS51と逆方向にα1 回転する。遊星歯車装置G52では、ピニオンキャリヤC52に対してサンギヤS52を1回転させると、リングギヤR52がサンギヤS52と逆方向にα2 回転する。遊星歯車装置G53では、ピニオンキャリヤC53に対してサンギヤS53を1回転させると、リングギヤR53がサンギヤS53と逆方向にα3 回転する。
【0012】
図8の(a)に示されるように、1速では、回転メンバーM1を通じて入力軸J1の回転が入力される一方で回転メンバーM4の回転がロックされるから、回転メンバーM1=1と回転メンバーM4=0を結ぶ直線と回転メンバーM2の交点に相当する回転速度が回転メンバーM2に取り出される。2速では、同様に考えて、回転メンバーM1=1と回転メンバーM3=0を結ぶ直線と回転メンバーM2の交点に相当する回転速度が取り出される。
3速では、ブレーキB2によってリングギアR51の回転をロックされ、サンギヤS51を入力軸J1に直結された遊星歯車装置G51のピニオンキャリヤC51から回転メンバーM4の回転が出力される。従って、回転メンバーM3=1と回転メンバーM5を結ぶ直線と回転メンバーM4の交点に対して回転メンバーM1=1を結ぶ直線と回転メンバーM2の交点に相当する回転速度が取り出される。
4速では、クラッチK1、K2が締結されて回転メンバーM1、M3の回転速度が等しくなる。これにより、遊星歯車装置G52、G53がロックされて入力軸J1と一体に回転し、出力軸を含む回転メンバーM2の回転速度も入力軸J1と等しくなる。
【0013】
図8の(b)に示されるように、5速では、クラッチK2およびブレーキB2が締結されるから、回転メンバーM3=1と回転メンバーM5=0を結ぶ直線と回転メンバーM2の交点に相当する回転速度が取り出される。変速比が1を越えるオーバードライブ変速段である。
6速では、クラッチK2およびブレーキB1が締結されるから、回転メンバーM3=1と回転メンバーM4=0を結ぶ直線と回転メンバーM2の交点に相当する回転速度が取り出される。5速よりもさらに変速比が小さいオーバードライブ変速段である。
後退ではブレーキB2、B3が締結される。ブレーキB2が締結されると、サンギヤS51を入力軸J1に直結された遊星歯車装置G51によって、回転メンバーM4の回転速度が定まり、この回転速度と回転メンバーM3=0を結ぶ直線と回転メンバーM2の交点に相当する回転速度が取り出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図7、図8に示される遊星歯車式変速装置では、遊星歯車装置G51のサンギヤS51と遊星歯車装置G52のピニオンキャリヤC52の間にクラッチK2が配置される。また、遊星歯車装置G51のサンギヤS51と遊星歯車装置G52のサンギヤS52の間にクラッチK1が配置される。
しかし、クラッチK1、K2のいずれによっても、オーバードライブ変速段における回転要素の回転数を抑制することはできない。
すなわち、図7の(b)に示されるように、5速、6速では、回転メンバーM1の回転数が異常に高まる。また、回転メンバーM1は空転状態ではなく、遊星歯車装置G52と遊星歯車装置G53の間で動力伝達を行っているから、遊星歯車装置G52のサンギヤS52と遊星歯車装置G53のサンギヤS53における歯面や軸受けの負担が大きく、大きな発熱や振動や騒音が発生して、軸受けの寿命も損なわれている。
【0015】
また、図6の(b)の数式からも明らかなように、5速では3組の遊星歯車装置全部が変速に関与しているため、無駄に回転する回転要素が存在せず、そもそも回転要素をクラッチで切り離すこと自体が不可能である。6速でも2組の遊星歯車装置が変速に関与し、残りの1組は入力軸に直結されているから、状況は同じである。
そして、オーバードライブ変速段で変速に関与する遊星歯車装置が多いということは、歯面や軸受けの摩擦を通じて損失が大きく、オーバードライブ変速段における自動変速機の伝達効率が低くて発熱も大きいことを意味している。
【0016】
本発明は、クラッチやブレーキの総数を増すことなく、オーバードライブ変速段における回転要素の高速回転を排除し得る遊星歯車式変速装置を提供することを目的としている。
また、部品点数の増加や機構の大型化を招くことなく、発熱、騒音、振動が抑制されて、軸受けの寿命や装置全体の信頼性が向上する遊星歯車式変速装置を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の遊星歯車式変速装置は、入力部材の回転軸線上に配置された第1、第2、および第3遊星歯車装置を有する遊星歯車式変速装置において、第1遊星歯車装置の回転要素と第2遊星歯車装置の回転要素を相互に連結して一体に回転させる2組の回転メンバーと、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置の少なくとも1つの回転要素に対して直結された入力部材と、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置における前記2組の回転メンバーにも前記入力部材にも連結されない回転要素に対して前記入力部材を連結可能な第1クラッチと、第1クラッチに連結された前記回転要素の回転を筐体に対してロック可能な第1ブレーキと、第3遊星歯車装置のリングギヤに直結された出力部材と、第2遊星歯車装置のリングギヤ、および第3遊星歯車装置のピニオンキャリヤの回転を筐体に対してロック可能な第2ブレーキと、第3遊星歯車装置のサンギヤの回転を筐体に対してロック可能な第3ブレーキと、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置における前記入力部材にも第1ブレーキにも第2ブレーキにも連結されない回転要素に対して前記出力部材を連結可能な第2クラッチとを有するものである。
【0018】
請求項2の遊星歯車式変速装置は、請求項1の構成における前記2組の回転メンバーが、前記入力部材、第1遊星歯車装置のサンギヤ、および第2遊星歯車装置のサンギヤを一体に回転させる第1回転メンバーと、第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤ、および第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤを一体に回転させるとともに、第2クラッチを介して前記出力部材に連結可能な第2回転メンバーとからなるものである。
【0019】
請求項3の遊星歯車式変速装置は、請求項1の構成における前記2組の回転メンバーが、第1遊星歯車装置のリングギヤ、第2遊星歯車装置のリングギヤ、および第3遊星歯車装置のピニオンキャリヤを一体に回転させる第1回転メンバーと、第1遊星歯車装置のサンギヤ、および第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤを一体に回転させるとともに、第2クラッチを介して前記出力部材に連結可能な第2回転メンバーとからなるものである。
【0020】
【作用】
請求項1の遊星歯車式変速装置では、出力部材よりも高速回転する回転要素をクラッチで切り離すのではなく、オーバードライブ変速段で出力部材よりも高速回転する回転要素そのものを無くしている。また、高速回転する回転要素を切り離して停止(または空転)させるのではなく、回転要素の多くを一体に回転させて、回転要素間の相対回転を積極的に消失させている。
オーバードライブ変速段では、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置は全体がロックされて入力部材と一体に回転する。オーバドライブ変速段は、実質的に第3遊星歯車装置だけで形成される。
(1)第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置の回転要素が2組の回転メンバーで連結され、(2)2組の回転メンバーと無関係な回転要素の1つに入力部材が直結され、(3)別の無関係な回転要素が第1クラッチによって入力部材に連結可能であるから、第1クラッチを締結すれば、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置のすべての回転要素は相対回転できなくなり、全体がロックされて入力部材と一体に回転する。
従って、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置は、回転要素の噛み合い状態がロックされて歯面の摩擦が発生しない。また、サンギヤと入力部材の相対回転やピニオンギヤの自転が消失するから、それぞれの軸受けにかかる回転負荷も無くなる。
【0021】
第1クラッチを締結した状態で、第2クラッチを締結すれば、第3遊星歯車装置の2つの回転要素(サンギヤ、ピニオンキャリヤ)に対して同じ回転が入力されるから、第3遊星歯車装置も噛み合い状態をロックしたまま一体に回転する状態となる。すなわち、第1、第2、第3遊星歯車装置の全体が入力部材と一体に回転して入力部材の回転速度がそのまま出力部材の回転速度となる。
これに対して、第2クラッチを解除して第3ブレーキを締結した状態がオーバードライブ変速段となる。第3遊星歯車装置が増速器として機能し、ピニオンキャリヤへの入力を増速した回転速度がリングギヤから出力される。このとき、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置は、出力軸よりも遅い回転速度で、入力軸と一体に回転しているから、出力軸よりも高速回転する回転要素は1つも無い。
【0022】
請求項2の遊星歯車式変速装置では、第1遊星歯車装置のみで1速が形成される。第1ブレーキによってリングギヤをロックされた第1遊星歯車装置が減速器として機能し、サンギヤ入力を減速したピニオンキャリヤ出力がクラッチK2を通じて出力部材に伝達される。
【0023】
請求項3の遊星歯車式変速装置では、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置を協働させて1速を形成する。第1ブレーキによってピニオンキャリヤをロックされた第1遊星歯車装置が減速器として機能し、出力部材の回転を減速した逆向きの回転を形成する。この減速された回転が第2遊星歯車装置のリングギヤに戻し入力されて、出力部材(ピニオンキャリヤ)の回転速度をリングギヤがロックされた2速の場合よりも1段低下させる。
【0024】
【実施例】
図1、図2を参照して第1実施例の遊星歯車式変速装置を説明する。図1、図2は第1実施例の遊星歯車式変速装置の説明図である。第1実施例の遊星歯車式変速装置は、図示しないトルクコンバーターやオイルポンプに組み合わせて自動車用の自動変速機(オートマチックトランスミッション)に組み立てられる。
図1中、(a)はスケルトン、(b)は各変速段におけるクラッチとブレーキの締結状態を示す。図2中、(a)は1速〜4速の共線図、(b)は5速〜6速および後退の共線図、(c)は遊星歯車装置の回転要素の連結状態を示す。
【0025】
図1の(a)において、筐体D1の入力軸J1と出力軸J2を結ぶ回転軸線上に3組の遊星歯車装置G11、G12、G13、3つのブレーキB1、B2、B3、および2つのクラッチK1、K2が配置される。遊星歯車装置G11、G12、G13は、それぞれリングギヤR11、R12、R13とサンギヤS11、S12、S13の間に複数のピニオンギヤP11、P12、P13を噛み合わせる。複数のピニオンギヤP11、P12、P13は、ピニオンキャリヤC11、C12、C13で拘束されてそれぞれ一体に回転する。
【0026】
入力軸J1に対して遊星歯車装置G11のサンギヤS11が直結される。
クラッチK1の片側は、遊星歯車装置G11のサンギヤS11、遊星歯車装置G12のサンギヤS12、および出力軸J1に連結されて、一体に回転する回転メンバーE1を構成する。
クラッチK2の片側は、遊星歯車装置G13のリングギヤR13、および出力軸J2に連結されて、一体に回転する回転メンバーE2を構成する。
クラッチK1の別の片側は、遊星歯車装置G11のリングギヤR11、およびブレーキB1に連結されて、一体に回転する回転メンバーE3を構成する。
遊星歯車装置G12のリングギヤR12、遊星歯車装置G13のピニオンキャリヤC13、およびブレーキB2は相互に連結されて、一体に回転する回転メンバーE4を構成する。
遊星歯車装置G13のサンギヤS13およびブレーキB3は相互に連結されて、一体に回転する回転メンバーE5を構成する。
クラッチK2の別の片側は、遊星歯車装置G11のピニオンキャリヤC11および遊星歯車装置G12のピニオンキャリヤC12に連結されて、一体に回転する回転メンバーE6を構成する。
【0027】
図1の(b)には、前進5段、後退1段、合計6段階の変速段におけるクラッチK1、K2とブレーキB1、B2、B3の締結の組み合わせと変速比が示される。4速が変速比=1の直結段、5速がオーバードライブ変速段である。
変速比は、遊星歯車装置G11、G12、G13の変速比をそれぞれα1 、α2 、α3 として数式で示される。変速比の右端の欄には、変速比α1 、α2 、α3 にそれぞれ0.375、0.70、0.40を代入して計算した変速比の数値が示される。
【0028】
1速では、クラッチK2とブレーキB1が締結されて、変速比は3.67となる。2速では、クラッチK2とブレーキB2が締結されて、変速比は2.43となる。3速では、クラッチK2とブレーキB3が締結されて、変速比は1.41となる。4速では、クラッチK1とクラッチK2が締結されて、変速比は1.00となる。5速では、クラッチK1とブレーキB3が締結されて、変速比は0.71となる。後退ではブレーキB1とブレーキB3が締結されて、変速比は−3.02となる。
【0029】
図2の(a)、(b)の線図は、(c)のように構成した遊星歯車式変速装置における回転メンバーE1、E2、E3、E4、E5の回転状態の相対関係を直線で示している。
図1の(a)にも示されるように、回転メンバーE1には、遊星歯車装置G11のサンギヤS11および遊星歯車装置G12のサンギヤS12が含まれる。回転メンバーE2には、遊星歯車装置G13のリングギヤR13、出力軸J2、およびクラッチK2が含まれる。回転メンバーE3には、遊星歯車装置G11のリングギヤR11、クラッチK1、およびブレーキB1が含まれる。回転メンバーE4には、遊星歯車装置G12のリングギヤR12、遊星歯車装置G13のピニオンキャリヤC13、およびブレーキB2が含まれる。回転メンバーE5には、遊星歯車装置G13のサンギヤR13、およびブレーキB3が含まれる。
【0030】
そして、遊星歯車装置G11では、ピニオンキャリヤC11に対してサンギヤS11を1回転させると、リングギヤR11がサンギヤS11と逆方向にα1 回転する。遊星歯車装置G12では、ピニオンキャリヤC12に対してサンギヤS12を1回転させると、リングギヤR12がサンギヤS12と逆方向にα2 回転する。遊星歯車装置G13では、ピニオンキャリヤC13に対してサンギヤS13を1回転させると、リングギヤR13がサンギヤS13と逆方向にα3 回転する。
【0031】
図2の(a)に示されるように、1速では、回転メンバーE1を通じて入力軸J1の回転が入力される一方で回転メンバーE3の回転がロックされるから、回転メンバーE1=1と回転メンバーE3=0を結ぶ直線と回転メンバーE2の交点に相当する回転速度が回転メンバーE2に取り出される。2速では、ブレーキB2によって回転メンバーE4の回転がロックされるから、回転メンバーE1=1と回転メンバーE4=0を結ぶ直線と回転メンバーE2の交点に相当する回転速度が取り出される。3速では、ブレーキB3によって回転メンバーE5の回転がロックされるから、回転メンバーE1=1と回転メンバーE5=0を結ぶ直線と回転メンバーE2の交点に相当する回転速度が取り出される。
【0032】
4速では、クラッチK1が締結されるから、回転メンバーE1と回転メンバーE3の回転速度が等しくなる。これにより、回転メンバーE1と回転メンバーE6と回転メンバーE4の回転速度も等しくなる。また、クラッチK2も締結されていることから、回転メンバーE6と回転メンバーE2の回転速度も等しくなって、入力軸J1の回転が出力軸J2にそのまま現れる。
このとき、3組の遊星歯車装置G11、G12、G13はいずれも1つの噛み合わせ状態にロックされたまま、入力軸J1および出力軸J2と一体に回転している。
【0033】
図2の(b)に示されるように、5速ではクラッチK1が締結されるから、4速と同様に、回転メンバーE1、回転メンバーE3、回転メンバーE6、回転メンバーE4の回転速度が等しくなる。すなわち、遊星歯車装置G11、G12はロックされた状態で入力軸J1と一体に回転する。
しかし、クラッチK2が解除されてブレーキB3が締結されるから、回転メンバーE4の回転を遊星歯車装置G13で増速した回転が回転メンバーE2に出力される。
従って、回転メンバーE4=1と回転メンバーE5=0を結ぶ直線と回転メンバーE2の交点に相当する回転速度が取り出される。変速比が1を越えるオーバードライブ変速段である。
【0034】
後退ではブレーキB1、B3が締結される。ブレーキB1が締結されると遊星歯車装置G11が減速器となり、回転メンバーE1の回転を遊星歯車装置G11で減速した回転が回転メンバーE6に出力される。
遊星歯車装置G12では、回転メンバーE6の回転がピニオンキャリヤC12に入力され、回転メンバーE1の回転がサンギヤS12に入力される。これにより、遊星歯車装置G12のリングギヤR12からは、(b)の回転メンバーE1=1と回転メンバーE3を結ぶ直線と回転メンバーE4の交点に相当する回転速度(逆方向の減速された回転)が出力される。
ブレーキB3によってサンギヤS13の回転をロックされた遊星歯車装置G13は、回転メンバーE4の回転を増速して回転メンバーE2に出力する。すなわち、回転メンバーE1=1と回転メンバーE3を結ぶ直線と回転メンバーE4の交点に対して回転メンバーE5=0を結ぶ直線と回転メンバーE2の交点に相当する回転速度が取り出される。
【0035】
以上のように構成した第1実施例の遊星歯車式変速装置によれば、3組の遊星歯車装置と3つのブレーキと2つのクラッチという最小限の構成によって、オーバードライブ変速段を含む前進5段、後退1段の6段階の変速が可能である。また、遊星歯車装置の製作上無理のない歯数比αを持つ遊星歯車装置の組み合わせによって実用的な分布の6段階の変速比を形成している。
図7、図8の遊星歯車式変速装置のように、1組の遊星歯車装置の回転要素を入力軸と直結させることによって、1つのクラッチを省略しているから、一般的な遊星歯車式変速装置に比較してクラッチの個数が1つ少ない。従って、遊星歯車式変速装置が小型化、軽量化され、部品点数が減少し、油路や油圧バルブも少なくて済む。回転要素間を連結する部材の構造や配置の自由度が増大し、装置全体の信頼性やメンテナンス性も向上する。
【0036】
そして、オーバードライブ変速段では、2組の遊星歯車装置の噛み合わせをロックして、出力軸よりも高速回転する回転要素そのものを無くしているから、オーバードライブ変速段でエンジン回転数を増大させた場合でも、自動変速機の騒音、振動、発熱が小さい。2組の遊星歯車装置については、回転要素間の相対回転が消失してすべての回転要素が入力軸と一体に回転するから、組み込まれたすべての軸受けで回転負荷が消失して磨耗が停止する。また、1つの噛み合わせ状態でロックされるから歯面の磨耗や摩擦損失も停止する。
これに対して、2つの回転要素間のクラッチ締結を解除して片方の回転要素を空転させる場合には、1つの遊星歯車式変速装置の回転要素間の相対回転が残るから、軸受けや歯面の磨耗や摩擦損失は停止しない。
【0037】
また、遊星歯車装置G11、G12の2つのサンギヤS11、S12は、中心の入力軸J1に固定すればよいから、回転メンバーE1に相当する特別なトルク伝達構造は不要である。従って、後述する第2実施例の場合よりも部品点数が少なくなり、全体構造も簡略化する。
また、走行中に常用される変速比1の変速段では、遊星歯車装置G31、G32に加えて遊星歯車装置G33の噛み合い状態もロックされるから、歯面の摩擦や発熱がさらに抑制される。また、締結要素の総数が少ないため、非締結の締結要素の空転による発熱も少ない。従って、燃費が向上する。
また、1速〜5速の隣接する変速段では、1つの締結要素を共通にしたまま他の1つの締結要素を切り替えて変速動作が実行される。従って、変速動作が円滑となり、2つの締結要素を順番に切り替える場合よりも短い時間で変速動作を完了できる。
そして、2つの締結要素を同時に切り替える変速動作が無いから、変速動作に伴って自動変速機の機構や車体にショックを与える心配も無い。従って、変速動作が円滑で速く、運転者に変速動作の有無を気付かせない自動変速機を提供できる。
【0038】
本実施例では、遊星歯車装置G11が発明の第1遊星歯車装置、遊星歯車装置G12が発明の第2遊星歯車装置、遊星歯車装置G13が発明の第3遊星歯車装置に相当する。また、回転メンバーE1、E6が発明の第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置を連結する2つの部材に相当する。
【0039】
なお、図1の(a)の遊星歯車装置G11、G12、G13は、回転要素の相互の連動関係を維持したまま配置順序を様々に変更可能である。また、同様にしてクラッチK1、K2やブレーキB1、B2、B3の配置も変更可能である。例えば、遊星歯車装置G11と遊星歯車装置G12の位置を置き換えてもよく、ブレーキB1、B2をまとめて、遊星歯車装置G11と遊星歯車装置G12の間に配置してもよい。
また、2つの回転要素を連結する部材の少なくとも1つ、例えば、回転メンバーE6の部材を「一方向クラッチとクラッチを並列に配置した連絡手段」に置き換えてもよい。一方向クラッチによって片方向のトルク伝達として1速、2速等における不必要なエンジンブレーキを遮断可能とする一方、下り坂等でエンジンブレーキが必要な場合にはクラッチを締結して両方向のトルク伝達とする。
また、3組の遊星歯車装置G11、G12、G13の歯数比αを変更して、変速各段の変速比の分布を調整してもよい。
また、3つのブレーキと2つのクラッチには、特開平2−159443号の第38図〜第48図に示されるように、多板クラッチ、バンドブレーキ、およびこれらに一方向クラッチを組み合わせた構造を、用途や目的に応じて任意に選択できる。
また、図1の(a)のスケルトンは、縦置き型のみならず、横置き型の自動変速機にもそのまま応用できる。
【0040】
図3、図4を参照して第2実施例の遊星歯車式変速装置を説明する。図2、図3は第2実施例の遊星歯車式変速装置の説明図である。図3中、(a)はスケルトン、(b)は各変速段におけるクラッチとブレーキの締結状態を示す。図4中、(a)は1速〜4速の共線図、(b)は5速〜6速および後退の共線図、(c)は遊星歯車装置の回転要素の連結状態を示す。
【0041】
図3の(a)において、筐体D1の入力軸J1と出力軸J2を結ぶ回転軸線上に3組の遊星歯車装置G31、G32、G33、3つのブレーキB1、B2、B3、および2つのクラッチK1、K2が配置される。遊星歯車装置G31、G32、G33は、それぞれリングギヤR31、R32、R33とサンギヤS31、S32、S33の間に複数のピニオンギヤP31、P32、P33を噛み合わせる。複数のピニオンギヤP31、P32、P33は、ピニオンキャリヤC31、C32、C33で拘束されてそれぞれ一体に回転する。
【0042】
入力軸J1に対して遊星歯車装置G31のピニオンキャリヤC31が直結される。
クラッチK1の片側は、遊星歯車装置G32のサンギヤS32、および出力軸J1に連結されて、一体に回転する回転メンバーF1を構成する。
クラッチK2の片側は、遊星歯車装置G33のリングギヤR33、および出力軸J2に連結されて、一体に回転する回転メンバーF2を構成する。
クラッチK1の別の片側は、遊星歯車装置G31のピニオンキャリヤC31、およびブレーキB1に連結されて、一体に回転する回転メンバーF3を構成する。
遊星歯車装置G32のリングギヤR32、遊星歯車装置G33のピニオンキャリヤC33、およびブレーキB2は相互に連結されて、一体に回転する回転メンバーF4を構成する。
遊星歯車装置G33のサンギヤS33およびブレーキB3は相互に連結されて、一体に回転する回転メンバーF5を構成する。
クラッチK2の別の片側は、遊星歯車装置G31のサンギヤS31および遊星歯車装置G32のピニオンキャリヤC32に連結されて、一体に回転する回転メンバーF6を構成する。
【0043】
図3の(b)には、前進5段、後退1段、合計6段階の変速段におけるクラッチK1、K2とブレーキB1、B2、B3の締結の組み合わせと変速比が示される。4速が変速比=1の直結段、5速がオーバードライブ変速段である。
変速比は、遊星歯車装置G31、G32、G33の変速比をそれぞれα1 、α2 、α3 として数式で示される。変速比の右端の欄には、変速比α1 、α2 、α3 にそれぞれ0.70、0.675、0.45を代入して計算した変速比の数値が示される。
【0044】
1速では、クラッチK2とブレーキB1が締結されて、変速比は3.52となる。2速では、クラッチK2とブレーキB2が締結されて、変速比は2.48となる。3速では、クラッチK2とブレーキB3が締結されて、変速比は1.46となる。4速では、クラッチK1とクラッチK2が締結されて、変速比は1.00となる。5速では、クラッチK1とブレーキB3が締結されて、変速比は0.69となる。後退ではブレーキB1とブレーキB3が締結されて、変速比は−3.47となる。
【0045】
図4の(a)、(b)の線図は、(c)のように構成した遊星歯車式変速装置における回転メンバーF1、F2、F3、F4、F5の回転状態の相対関係を直線で示している。
図3の(a)にも示されるように、回転メンバーF1には、遊星歯車装置G32のサンギヤS32および入力軸J1が含まれる。回転メンバーF2には、遊星歯車装置G33のリングギヤR33、出力軸J2、およびクラッチK2が含まれる。回転メンバーF3には、遊星歯車装置G31のピニオンキャリヤC31、クラッチK1、およびブレーキB1が含まれる。回転メンバーF4には、遊星歯車装置G32のリングギヤR32、遊星歯車装置G33のピニオンキャリヤC33、およびブレーキB2が含まれる。回転メンバーF5には、遊星歯車装置G33のサンギヤR33、およびブレーキB3が含まれる。
【0046】
そして、遊星歯車装置G31では、ピニオンキャリヤC31に対してサンギヤS31を1回転させると、リングギヤR31がサンギヤS31と逆方向にα1 回転する。遊星歯車装置G32では、ピニオンキャリヤC32に対してサンギヤS32を1回転させると、リングギヤR32がサンギヤS32と逆方向にα2 回転する。遊星歯車装置G33では、ピニオンキャリヤC33に対してサンギヤS33を1回転させると、リングギヤR33がサンギヤS33と逆方向にα3 回転する。
【0047】
図4の(a)に示されるように、1速では、回転メンバーF1を通じて入力軸J1の回転が入力される一方で回転メンバーF3の回転がロックされるから、回転メンバーF1=1と回転メンバーF3=0を結ぶ直線と回転メンバーF2の交点に相当する回転速度が回転メンバーF2に取り出される。2速では、ブレーキB2によって回転メンバーF4の回転がロックされるから、回転メンバーF1=1と回転メンバーF4=0を結ぶ直線と回転メンバーF2の交点に相当する回転速度が取り出される。3速では、ブレーキB3によって回転メンバーF5の回転がロックされるから、回転メンバーF1=1と回転メンバーF5=0を結ぶ直線と回転メンバーF2の交点に相当する回転速度が取り出される。
【0048】
4速では、クラッチK1が締結されるから、回転メンバーF1と回転メンバーF3の回転速度が等しくなる。これにより、回転メンバーF1と回転メンバーF6と回転メンバーF4の回転速度も等しくなる。また、クラッチK2も締結されていることから、回転メンバーF6と回転メンバーF2の回転速度も等しくなって、入力軸J1の回転が出力軸J2にそのまま現れる。
このとき、3組の遊星歯車装置G31、G32、G33はいずれも1つの噛み合わせ状態にロックされたまま、入力軸J1および出力軸J2と一体に回転している。
【0049】
図4の(b)に示されるように、5速ではクラッチK1が締結されるから、4速と同様に、回転メンバーF1、回転メンバーF3、回転メンバーF6、回転メンバーF4の回転速度が等しくなる。すなわち、遊星歯車装置G31、G32はロックされた状態で入力軸J1と一体に回転する。
しかし、クラッチK2が解除されてブレーキB3が締結されるから、回転メンバーF4の回転を遊星歯車装置G33で増速した回転が回転メンバーF2に出力される。
従って、回転メンバーF4=1と回転メンバーF5=0を結ぶ直線と回転メンバーF2の交点に相当する回転速度が取り出される。変速比が1を越えるオーバードライブ変速段である。
【0050】
後退ではブレーキB1、B3が締結される。ブレーキB1が締結されると遊星歯車装置G31が逆転器となり、サンギヤS31の回転を遊星歯車装置G31で逆転した回転が回転メンバーF4に出力される。
回転メンバーF4を通じたリングギヤR32の逆方向の回転は、ブレーキB2を締結してリングギヤR32をロックした場合よりも、遊星歯車装置G32のピニオンキャリヤC32の回転速度を低下させる。この関係は、回転メンバーF1=1と回転メンバーF3=0を結ぶ直線で示される。この直線と回転メンバーF4の交点に相当する回転速度が回転メンバーF4から出力される。
ブレーキB3によってサンギヤS33の回転をロックされた遊星歯車装置G33は、回転メンバーF4の回転を増速して回転メンバーF2に出力する。すなわち、回転メンバーF1=1と回転メンバーF3を結ぶ直線と回転メンバーF4の交点に対して回転メンバーF5=0を結ぶ直線と回転メンバーF2の交点に相当する回転速度が回転メンバーF2から取り出される。
【0051】
以上のように構成した第2実施例の遊星歯車式変速装置によれば、3組の遊星歯車装置と3つのブレーキと2つのクラッチという最小限の構成によって、オーバードライブ変速段を含む前進5段、後退1段の6段階の変速が可能である。
そして、オーバードライブ変速段では、2組の遊星歯車装置の噛み合わせをロックしているから、オーバードライブ変速段でエンジン回転数を増大させた場合でも、自動変速機の騒音、振動、発熱が小さい。
また、第1実施例に比較して3組の遊星歯車装置の歯数比差が小さいから、歯の大きさを必要最小限とした軽量小型の遊星歯車装置を利用できる。
【0052】
第2実施例では、遊星歯車装置G31が発明の第1遊星歯車装置、遊星歯車装置G32が発明の第2遊星歯車装置、遊星歯車装置G33が発明の第3遊星歯車装置に相当する。また、回転メンバーE4、E6が発明の第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置を連結する2つの部材を含む。
【0053】
なお、図3の(a)の遊星歯車装置G31、G32、G33は、回転要素の相互の連動関係を維持したまま配置順序を様々に変更可能である。また、同様にしてクラッチK1、K2やブレーキB1、B2、B3の配置も変更可能である。例えば、図5に示すように、遊星歯車装置G31と遊星歯車装置G32の位置を置き換えてもよい。
また、2つの回転要素を連結する部材の少なくとも1つ、例えば、回転メンバーE6の部材を「一方向クラッチとクラッチを並列に配置した連絡手段」に置き換えてもよい。3組の遊星歯車装置G31、G32、G33の歯数比αを変更して変速比を調整してもよい。
また、3つのブレーキと2つのクラッチには、特開平2−159443号の第38図〜第48図に示されるように、多板クラッチ、バンドブレーキ、およびこれらに一方向クラッチを組み合わせた構造を、用途や目的に応じて任意に選択できる。
【0054】
図5は第2実施例の変形例の説明図である。ここでは、図3の(a)における遊星歯車装置G31、G32の配置順序を逆にしている。図5中のそれぞれの構成部材は、配置関係を除けば、図3の(a)における構成部材と実質的に同一であるから、図3の(a)と同一の符号を付して説明を省略する。ただし、回転メンバーF1〜F6に含まれる2つの回転要素を連結する部材は、この配置順序に適合するようにそれぞれ変形してある。このような構成によっても、第2実施例と同様な効果が得られる。
【0055】
図6は参考例の遊星歯車式変速装置の説明図である。図6中、(a)はスケルトン、(b)は共線図である。ここでは、第1実施例や第2実施例のように出力軸側の2組の遊星歯車装置の間ではなくて、従来例のように入力軸側の2組の遊星歯車装置の間にクラッチを配置している。
図6の(a)、(b)において、参考例の遊星歯車式変速装置は、入力軸J1および出力軸J2の回転軸線上に配置された3組の遊星歯車装置G41、G42、G43を有する遊星歯車式変速装置において、遊星歯車装置G41のサンギヤS41と入力軸を相互に連結して一体に回転させる回転メンバーH1と、遊星歯車装置G42のピニオンキャリヤC42と遊星歯車装置G43のリングギヤR43と出力軸J2を相互に連結して一体に回転させる回転メンバーH2と、遊星歯車装置G41、G42のリングギヤR41、R42と遊星歯車装置G43のピニオンキャリヤC43を相互に連結して一体に回転させる回転メンバーH4と、遊星歯車装置G41のピニオンキャリヤC41を回転メンバーH1に連結可能なクラッチK1と、遊星歯車装置G42のサンギヤS42を回転メンバーH1に連結可能なクラッチK2と、遊星歯車装置G41のピニオンキャリヤC41の回転を筐体D1に対してロック可能なブレーキB1と、回転メンバーH4の回転を筐体D1に対してロック可能なブレーキB2と、遊星歯車装置G43のサンギヤS43の回転を筐体D1に対してロック可能なブレーキB3と、を有する。
【0056】
1速ではクラッチK2とブレーキB1が締結される。(b)の回転メンバーH1=1と回転メンバーH3=0を結ぶ直線と回転メンバーH2の交点に相当する回転速度が回転メンバーH2(出力軸J2)から出力される。
2速ではクラッチK2とブレーキB2が締結される。(b)の回転メンバーH1=1と回転メンバーH4=0を結ぶ直線と回転メンバーH2の交点に相当する回転速度が出力される。
3速ではクラッチK2とブレーキB3が締結される。(b)の回転メンバーH1=1と回転メンバーH5=0を結ぶ直線と回転メンバーH2の交点に相当する回転速度が出力される。
4速ではクラッチK1、K2が締結される。このとき、遊星歯車装置G41、G42、G43は、いずれも噛み合わせをロックして入力軸J1と一体に回転する。(b)の回転メンバーH1=1と回転メンバーH3=1を結ぶ直線と回転メンバーH2の交点に相当する回転速度が出力される。
5速ではクラッチK1とブレーキB3が締結される。このときには、遊星歯車装置G41だけが噛み合わせをロックして入力軸J1と一体に回転するから、回転メンバーH4の回転速度は入力軸J1と等しい。従って、(b)の回転メンバーH4=1と回転メンバーH3=0を結ぶ直線と回転メンバーH2の交点に相当する回転速度が出力される。
後退ではブレーキB1、B3が締結される。(b)の回転メンバーH1=1と回転メンバーH3=0を結ぶ直線と回転メンバーH4の交点に対して回転メンバーH5=0を結ぶ直線と回転メンバーH2の交点に相当する回転速度が出力される。
【0057】
以上のように構成された参考例の遊星歯車式変速装置では、3組の遊星歯車装置と3つのブレーキと2つのクラッチという最小限の構成によって、オーバードライブ変速段を含む前進5段、後退1段の6段階の変速が可能である。また、遊星歯車装置の回転要素を連結する部材の本数が第1実施例や第2実施例に比較して1本少なくて済む。
そして、オーバードライブ変速段では、遊星歯車装置G41の噛み合わせをロックしているから、オーバードライブ変速段でエンジン回転数を増大させた場合でも、自動変速機の騒音、振動、発熱が小さい。ただし、クラッチK2で切り離された遊星歯車装置G42のサンギヤS42が高速回転するから、第1実施例や第2実施例ほどの効果は得られない。
【0058】
【発明の効果】
本発明の遊星歯車式変速装置によれば、前進5段、後退1段の6段階の変速が可能な自動変速機の基本構造を3組の遊星歯車装置と3つのブレーキと2つのクラッチで構成できる。
そして、オーバードライブ変速段では、2組の遊星歯車装置の噛み合わせをロックして入力軸と一体に回転させ、この回転を残りの遊星歯車式変速装置で増速して出力するから、遊星歯車装置の歯面の無駄な摩擦や軸受けの無駄な回転負荷が存在しない。
従って、オーバードライブ変速段における各種損失が小さく、自動変速機の伝達効率が高まるから燃費が向上する。また、軸受けの寿命が伸び、運転中の機構の温度上昇も抑制される等して、自動変速機全体の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の遊星歯車式変速装置の説明図である。
【図2】第1実施例の遊星歯車式変速装置の説明図である。
【図3】第2実施例の遊星歯車式変速装置の説明図である。
【図4】第2実施例の遊星歯車式変速装置の説明図である。
【図5】第2実施例の変形例の説明図である。
【図6】参考例の遊星歯車式変速装置の説明図である。
【図7】従来例の遊星歯車式変速装置の説明図である。
【図8】従来例の遊星歯車式変速装置の説明図である。
【符号の説明】
B1、B2、B3 ブレーキ
K1、K2 クラッチ
J1 入力軸
J2 出力軸
D1 筐体
C11、C12、C13、C31、C32、C33、C41、C42、C43、C51、C52、C53 ピニオンキャリヤ
G11、G12、G13、G31、G32、G33、G41、G42、G43、G51、G52、G53 遊星歯車装置
E1、E2、E3、E4、E5、E6、F1、F2、F3、F4、F5、F6、H1、H2、H3、H4、H5、M1、M2、M3、M4、M5 回転メンバー
P11、P12、P13、P31、P32、P33、P41、P42、P43、P51、P52、P53 ピニオンギヤ
R11、R12、R13、R31、R32、R33、R41、R42、R43、R51、R52、R53 リングギヤ

Claims (3)

  1. 入力部材の回転軸線上に配置された第1、第2、および第3遊星歯車装置を有する遊星歯車式変速装置において、
    第1遊星歯車装置の回転要素と第2遊星歯車装置の回転要素を相互に連結して一体に回転させる2組の回転メンバーと、
    第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置における少なくとも1つの回転要素に対して直結された入力部材と、
    第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置における前記2組の回転メンバーにも前記入力部材にも連結されない回転要素に対して前記入力部材を連結可能な第1クラッチと、
    第1クラッチに連結された前記回転要素の回転を筐体に対してロック可能な第1ブレーキと、
    第3遊星歯車装置のリングギヤに直結された出力部材と、
    第2遊星歯車装置のリングギヤ、および第3遊星歯車装置のピニオンキャリヤの回転を筐体に対してロック可能な第2ブレーキと、
    第3遊星歯車装置のサンギヤの回転を筐体に対してロック可能な第3ブレーキと、
    第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置における前記入力部材にも第1ブレーキにも第2ブレーキにも連結されない回転要素に対して前記出力部材を連結可能な第2クラッチと、を有することを特徴とする遊星歯車式変速装置。
  2. 前記2組の回転メンバーは、前記入力部材、第1遊星歯車装置のサンギヤ、および第2遊星歯車装置のサンギヤを一体に回転させる第1回転メンバーと、
    第1遊星歯車装置のピニオンキャリヤ、および第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤを一体に回転させるとともに、第2クラッチを介して前記出力部材に連結可能な第2回転メンバーと、からなることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車式変速装置。
  3. 前記2組の回転メンバーは、第1遊星歯車装置のリングギヤ、第2遊星歯車装置のリングギヤ、および第3遊星歯車装置のピニオンキャリヤを一体に回転させる第1回転メンバーと、
    第1遊星歯車装置のサンギヤ、および第2遊星歯車装置のピニオンキャリヤを一体に回転させるとともに、第2クラッチを介して前記出力部材に連結可能な第2回転メンバーと、からなることを特徴とする請求項1記載の遊星歯車式変速装置。
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