JP3620665B2 - スライム排出機構 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、地中を水平方向に穿設したガイド孔に圧力調整手段を介してパイプを挿入し、そのパイプを引き抜きながら、先端に設けた固化材注入装置のノズルを旋回し地中に固化材を注入して柱状の固結体を築造し、空気を含んだスライムを前記ガイド孔及び圧力調整手段を介して排出するジェットグラウト工法で用いられるスライム排出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
ジェットグラウト法は、例えば、既設構造物の基礎地盤の改良、土止め用柱列壁のくい間処理を行うため止水作業やその他に多く用いられている。そして、ガイド孔を垂直に穿設して垂直な(若干傾斜している場合を含む:鉛直軸に対する傾斜角度は±45°)柱状固結体を築造する場合が多い。一方、近年においては、都市部等では、地中の埋設物(例えばガス管、水道管、電線管など)が多く、施工時にこれらの埋設物を損傷する恐れがあることに鑑み、例えば特開平7−26549号公報で開示している様に、水平に(若干傾斜している場合を含む:水平面に対する傾斜角度は±30°)柱状固結体を築造して、深度が確定されている前記埋設物を破損する事無く、地中に柱状固結体を築造することが試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、垂直方向にガイド孔を穿孔する場合は、施工位置とスライム排出位置との間にはガイド孔の穿孔された深度分のヘッド差が存在するので問題は無いが、水平方向にガイド孔を穿孔する場合は、切削用の高圧水や固化材と共に噴射される空気により、固化材がガイド孔の口元等を介して外部に排出されてしまい、地中に残留しない、という問題が存在する。
【0004】
これに対して、スライムが排出される位置をパイプ等により立ち上げ、地中のスライムや固化材と排出位置との間でヘッド差を確保する技術も提案されている。しかし、切削用の高圧水や固化材と共に噴射される空気のリフト効果により、施工箇所よりも上方の深度レベルに存在する固化材は、外部へ排出され易くなってしまう、という問題がある。
【0005】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたもので、水平方向(水平面に対する傾斜角度が±30°の範囲を含む)にジェットグラウト工法を施工する際に、空気を含んだスライムと共に固化材が排出されてしまうことを防止することが出来るスライム排出機構の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のスライム排出機構は、地中を水平方向(水平面に対する傾斜角度が±30°の範囲を含む)に穿設したガイド孔に圧力調整手段を介してパイプを挿入し、そのパイプを引き抜きながら、先端に設けた固化材注入装置のノズルを旋回し地中に固化材を注入して柱状の固結体を築造し、空気を含んだスライムを前記ガイド孔及び圧力調整手段を介して排出するジェットグラウト工法で用いられるスライム排出機構において、前記圧力調整手段は可撓性を有する管状の部材を垂直方向(垂直面に対する傾斜角度が±45°の範囲を含む)に立ち上げて配置させることにより構成され、該管状の部材は常閉で且つ上流側の圧力が所定値以上になると開放する様に可撓性及び形状が選定されている。
【0007】
本発明の実施に際して、前記可撓性を有する管状の部材はゴムで構成され、複数の閉鎖部分と開放部分とが交互に配置されたちょうちんシュートの形状となっているのが好ましい。そして前記圧力の所定値は、未固化の柱状固結体が崩壊する土圧すなわち崩壊圧であるのが好ましい。
【0008】
ここで、前記可撓性を有する管状の部材の形状は、ちょうちんシュートの形状に限定されるものではない。
【0009】
また柱状固結体の断面形状は、扇形や円形に限定されるものでは無い。所謂「水平方向ジェット」により築造可能な地中固結体の形状であれば全て包含する趣旨である。
【0010】
さらに本発明の実施に際して、前記可撓性を有する管状の部材(例えばゴム製のちょうちんシュート形状をした部材)以外の部材は、可撓性を有している必要は無い。その用な可撓性を有していない管状部材をガイド孔内に複数本挿入することも可能であり、また、ガイド孔内に挿入された(単一または複数の)可撓性を持たない管状部材を、埋め殺しにしても良い。なお、該可撓性を持たない管状部材を築造される地中固結体の範囲内の上縁部に配置させて、ヘッド差を大きくすることが好ましい。
【0011】
【作用】
上述した様な構成を具備する本発明のスライム排出機構による施工に際しては、先ず、築造される地中固結体の範囲内にスライム排出用の管状部材を挿入する。そして、該スライム排出用の管状部材の口元(下流側端部)に口元管を接続し、該口元管へ更に前記可撓性を有する管状の部材を接続し、該部材を垂直方向に立ち上げて配置すれば良い。
【0012】
その結果、圧力調整手段を構成する可撓性を有する管状の部材は、上流側の圧力が所定値以上にならないと開放しない様に可撓性及び形状が選定されているので、常に一定の圧力が維持され、前記所定値未満の圧力では空気及びスライムは排出されない。そのため、空気のリフト作用により固化材が外部に排出され、施工現場に残留しないという事態は防止される。
【0013】
また、前記管状の部材を垂直方向に立ち上げて配置したため、管状部材の長さの分に相当するヘッド差が、施工現場とスライム排出箇所との間に存在することとなる。そして、該ヘッド差が存在することにより、垂直方向についてのジェットグラウト工法と同様に、固化材が施工現場に残留した状態を確保できるのである。
【0014】
【実施例】
以下図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0015】
図1には、本発明を実施した所謂「水平方向ジェットグラウト工法」の施工現場の状態が示されている。地表GSから築造された立坑S内には、横梁B上にコラムマシン1が配置されている。このコラムマシン1の水平に延びるパイプすなわち三重管2の先端には、固化材注入装置すなわち水中モニタ3が設けられ、その水中モニタ3には、旋回してセメント等の固結材のジェットJを噴出するノズル4が設けられている。そして、コラムマシン1には、高圧水W、エアA及び固化材CMが供給されている。
【0016】
ガイド孔GHの上縁部には、スライム排出用の(可撓性を有していない)管状部材SHが挿入されている。そして、管状部材SHの下流側端部(図1の左端部)には口元管20が接続されており、口元管20には所謂「ちょうちんシュート」形状のゴム管30(可撓性を有する管状の部材)が接続されている。
【0017】
このゴム管30は、複数の閉鎖部分と開放部分とが交互に配置された(ちょうちんシュートの)形状に構成されており、更に別の管状部材32と接続されている。この管状部材32は、明確には図示されていない配管系(図1では符号Fで省略してある)を介して管状部材34に接続されている。なお、ゴム管30については、後述する。
【0018】
水平方向ジェットグラウト工法の施工に際して、先ず、地盤Gの所定深度に水平なガイド孔GHを穿設し、スイベルジョイント5を介して三重管2をガイド孔GHの孔底まで挿入する。
【0019】
ガイド口GHに挿入された三重管2を引き上げながら(図面では左行させながら)図2に示すように、ノズル4を回転してセメント等の固結材のジェットJを噴射する。空気を含んだスライムは、排出用管状部材SH(可撓性を有していない管状部材)を介して、口元管20、「ちょうちんシュート」形状のゴム管30、管状部材32、符号Fで省略して示す配管系、管状部材34を介して、地表GSの排出スライム槽Dに排出される。
【0020】
なお、ガイド孔GHの立坑S側端部は図示しない部材によりシールされており、該端部からスライムや固化材等が立坑S内部に排出されてしまうことが防止されている。
【0021】
次に、図2、3を参照して、「ちょうちんシュート」形状のゴム管30について、より詳細に説明する。
図2で示す様に「ちょうちんシュート」形状のゴム管30は、複数の開放部分36と閉鎖部分38とが交互に配置された形状に構成されている。ここで、図2で示す状態では、ゴム管30の下流側(すなわち排出用管状部材SHと接続されている側)の圧力或いは管状部材SH内のスライムの圧力が所定値(未固化の柱状固結体が崩壊する土圧すなわち崩壊圧)よりも小さく、各々の閉鎖部分38においてゴム管30の内部が閉塞している。
【0022】
換言すれば「ちょうちんシュート」形状のゴム管30は、その下流側の圧力が前記所定値よりも小さい場合には、複数の閉鎖部分38において、ゴム管自体を構成するゴムの弾性により、ゴム管30内部の流路が閉塞されてしまう様に、その材質、形状が設定されているのである。その様な材質、形状の設定方法自体は「ちょうちんシュート」形状のゴム管30の製造分野において公知であるので、説明は省略する。
【0023】
図2から明らかな様に、「ちょうちんシュート」形状のゴム管30が所謂「立ち上がった」状態、すなわちガイド孔GHに対して垂直方向上方(図2においても上方)に向かって延在する様な状態で配置されているため、ガイド孔GH内に存在する固化材やスライム等は常にヘッドHaが付加された状態となっている。そして、ヘッドHaが付加されており、且つ、管状部材SH内のスライムの圧力が所定値よりも小さい限りはゴム管30は閉塞されているため、ガイド孔GH内に存在する固化材は、ゴム管30を介して外部に排出されて浪費されてしまうことが防止される。
【0024】
図3で示す様に、管状部材SH内のスライムの圧力が所定値(未固化の柱状固結体が崩壊する土圧すなわち崩壊圧)以上になると、ゴム管30の閉鎖部分36は拡径され、ゴム管内部の流路の閉塞状態が開放される。その結果、掘削作業により発生したスライムは、管状部材SH、口元管20、閉鎖部分36が拡径したゴム管30、管状部材32を通過し、図1で符号Fにより省略して示す配管系、管状部材34(図1)を介して、地表GSの排出スライム槽D(図1)に送られるのである。
【0025】
図1−3において、ガイド孔GHは完全に水平な方向へ穿孔された状態で示されているが、水平面に対して傾斜していても本発明は実施可能である。図4は、水平面に対して傾斜した方向にガイド孔GH1を穿孔し、それと平行な柱状地中固結体C2を築造する場合の実施例を示している。この実施例においても、図1−3で説明したのと同様な「ちょうちんシュート」形状のゴム管30が用いられている。そして、図4の実施例のその他の構成及び作用については、図1−3の場合と同様であるため、重複説明は省略する。
【0026】
図示の実施例はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨のものではない旨を付記する。例えば本発明は、ガイド孔が垂直に近い方向に穿孔された場合についても適用可能である。また、築造或いは造成される柱状固結体の断面形状については、水平方向ジェットグラウト工法で施工可能な形状であれば、特に限定条件は無い。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、柱状固結体を水平又は傾斜方向に築造する際に、固化材を十分に地中の施工箇所に残留させつつ、発生するスライムを効率良く除去することができる。
【0028】
それと共に、地中に埋設された各種施設の破損の防止、所謂「巣」のない強固な柱状固結体の築造、という水平方向ジェットグラウト工法の長所が損なわれることが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】図1の実施例の要部拡大断面図。
【図3】図2で示すのとは別の状態を示す図1の実施例の要部拡大断面図。
【図4】本発明の他の実施例を示す断面図。
【符号の説明】
A・・・エア
AS・・・エアを含んだスライム
C、C1〜C3・・・柱状固結体
CM・・・固化材
D・・・排出スライム槽
F・・・配管系
G・・・地盤
GH・・・ガイド孔
GS・・・地表
J・・・セメント等の固結材のジェット
S・・・立坑
SH・・・スライム排出用の管状部材
W・・・高圧水
1・・・コラムマシン
2・・・三重管
3・・・水中モニタ
4・・・ノズル
6・・・スライム圧送管
7・・・カバー
20・・・口元管
30・・・「ちょうちんシュート」形状のゴム管
32、34・・・管状部材
Claims (2)
- 地中を水平方向に穿設したガイド孔に圧力調整手段を介してパイプを挿入し、そのパイプを引き抜きながら、先端に設けた固化材注入装置のノズルを旋回し地中に固化材を注入して柱状の固結体を築造し、空気を含んだスライムを前記ガイド孔及び圧力調整手段を介して排出するジェットグラウト工法で用いられるスライム排出機構において、前記圧力調整手段は可撓性を有する管状の部材を垂直方向に立ち上げて配置させることにより構成され、該管状の部材は常閉で且つ上流側の圧力が所定値以上になると開放する様に可撓性及び形状が選定されていることを特徴とするスライム排出機構。
- 前記可撓性を有する管状の部材はゴムで構成され、複数の閉鎖部分と開放部分とが交互に配置されたちょうちんシュートの形状となっている請求項1のスライム排出機構。
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JP14849395A JP3620665B2 (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | スライム排出機構 |
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JP14849395A JP3620665B2 (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | スライム排出機構 |
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JPH093872A JPH093872A (ja) | 1997-01-07 |
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Family Applications (1)
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JP14849395A Expired - Fee Related JP3620665B2 (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | スライム排出機構 |
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