JP3620658B2 - マッピング処理方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、コンピュータの画像処理空間で任意の3次元形状に任意の画像を張付けるマッピング処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータグラフィックでのレンダリング処理におけるマッピング処理は、3次元形状をよりリアルに見せるために設計段階での検討やショールーム等におけるプレゼンテーション支援に有効な技術である。
【0003】
例えば、角柱をCADシステムで作成しても、それに木目の模様を設定した場合と石の模様を設定した場合とでは見る相手に与える印象も異なってくるので、このような場合に極めて有効なものとなる。
【0004】
また、例えばマッピングデータにロゴを使用することで、ロゴを3次元形状として作成しなくても画像を作成できるので、ロゴのモデリング作業分だけ工数を削減できるという利点がある。
【0005】
ところで、このように3次元形状にマッピングを行うシステムでは、3次元形状の何処にどのような画像をマッピングするかといった属性を指定する必要がある。
【0006】
このような属性を設定する際、3次元形状への投影を行うマッピンググリッド(投影グリッド)をマウスとキーボードを用いて指定した後、配置する画像の原点を決定する作業を行う必要がある。
【0007】
これらの一連の作業は手作業であり、勘と慣れが必要とされ、初心者が満足いく結果を出すまでにかなりの時間と労力を必要とする。そこで、これらの煩わしい作業を少しでも軽減するためにさまざまなエディタが開発、提案されている。
【0008】
例えば、特開平3−105682号公報では、印刷物中にレイアウトする図形要素を簡単に指定できる技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、任意の3次元図形に対し任意の画像を単にマッピングするのではなく、視線方向から見て特定領域(特に注目する領域)が目立つようにマッピングすることを要求される場合がある。
【0010】
ところが、前記特開平3−105682号公報等に開示された従来技術にあっては、このような要求に対し、オペレータ自身が作品の出来上がりを想定しながら、任意の画像の注目領域の指定、任意の画像の端部を張付けるマッピンググリッドの原点等を指定する操作を、満足する完成画像が得られるまで行う必要があるので、作業時間が長くなり、しかもオペレータの慣れと勘といった技術に作業時間や作品のでき上がりが左右されるという問題があった。
【0011】
特に、オペレータが初心者である場合には、経験者と比較してかなりの作業時間が必要となったうえ、完成画像の品質も劣るという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、初心者および経験者に関係なく、任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされた画像を効率良く短時間で作成することができるマッピング処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、基本的には、マッピング処理を行う任意の画像に対し注目する領域を利用者に指定させた後、その指定された領域が連続しているか否かを判定し、分離しているならば、指定された前記領域が連続するように、前記画像を修正し、修正された前記画像を、その中の前記指定された領域の中心を利用者によって設定されまたは自動設定された視線ベクトルが通過するように前記任意の3次元形状に対応したマッピンググリッドに張付けるようにしたものである。
【0014】
さらに、前記マッピンググリッドは、任意の3次元形状の属性(球、角柱、自由局面など)を形状属性認識処理によって認識し、その認識結果により選択するようにしたことを特徴とする。
【0015】
さらに、マッピング実行時にマッピングデータの継ぎ目を隠すために、マッピンググリッドの原点を、任意の3次元形状の各面に対する法線と視線ベクトルとにより、視線方向から見えない位置(3次元形状の裏側)に設定し、この原点に前記生成した画像の端部を合わせて張付けを行うようにしたことを特徴とする。
【0016】
【作用】
上記手段によれば、まず、マッピング処理を行う任意の画像に対し注目する領域を利用者に指定させる。
【0017】
注目する領域が指定されたならば、その指定された領域が連続しているか否かを判定する。この判定により、指定された領域が上下もしくは左右に分離している場合は、前記指定された領域が連続する画像が生成され、その中の前記指定された領域の中心を視線ベクトルが通過するように3次元形状に対応したマッピンググリッドに張付けられる。
【0018】
一方、指定された領域が上下もしくは左右に分離していない場合は、元の画像の中の指定された領域の中心を視線ベクトルが通過するように3次元形状に対応したマッピンググリッドに張付けられる。
【0019】
この場合、視線方向は利用者に設定させる方法、あるいはマッピング対象の3次元形状が表示されている面の正面側を視線方向として自動設定する方法のいずれを採用してもよい。
【0020】
この結果、注目領域と視線方向を指定するのみの操作で、任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされる。従って、初心者および経験者に関係なく、任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされた画像を効率良く短時間で作成することができる。
【0021】
また、任意の画像を張付ける際、マッピング対象の3次元形状について球、角柱、自由局面などの属性を認識し、その認識結果によりマッピング対象の3次元形状の属性に対応したマッピンググリッドが選択され、これに注目領域が指定された画像が張付けられる。従って、マッピング対象の3次元形状を指定する操作のみで、希望通りのマッピング画像を得ることができる。
【0022】
また、マッピンググリッドの原点は、任意の3次元形状の各面に対する法線と視線ベクトルとにより、視線方向から見えない位置(3次元形状の裏側)に設定される。そして、この原点にマッピングを行う画像の端部を合わせて張付けを行う。これにより、マッピングを行う画像の端部は3次元形状の裏側になり、端部同士の継ぎ目が見えなくなり、不自然さを緩和することができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明のマッピング処理方法を適用した画像処理装置の一実施例を示す外観図であり、画像表示画面1を有する処理装置本体2と、マッピング対象の3次元形状やマッピングを行う画像の色、質感、視線方向等を入力したり、指定するキーボード3およびマウス4とから構成されている。
【0025】
このうち、表示画面1にはマッピング対象の3次元形状5やマッピングを行う画像の色、質感等の属性を指定するための簡易エディタ操作画面6および汎用エディタ操作画面7が表示されるようになっている。
【0026】
一方、マウス4には、右ボタン4a、中ボタン4b、左ボタン4cが設けられ、右ボタン4aで前述のエディタ操作画面6,7を使用したエディタ操作を行い、中ボタン4bではマッピングを行う画像の注目領域を指定し、左ボタン4cではマッピング対象の3次元形状5を指定するように各ボタンの機能が設定されている。
【0027】
図2は、図1の装置の詳細構成を示すブロック図であり、デバイス入力部20、形状属性認識部21、グリッド選択制御部22、簡易エディタ操作部23、画像編集部24、汎用エディタ操作部25、プレビュー機能部26、マッピング処理機能を含むレンダリング処理部27、画像表示部28から構成されている。
【0028】
デバイス入力部20は、キーボード3またはマウス4といった入力デバイスからの入力情報により現在使用されているデバイスを判断したうえ、その入力情報から画面上のマウスカーソル位置やキーボード3からの入力コードを判断し、更には形状指定が行われたのか、エディタ操作が行われたのかについて判断する部分である。
【0029】
形状属性認識部21は、デバイス入力部20からの入力情報に基づき、表示画面1においてマウス4(またはキーボード3)により指定された3次元形状5を認識し、その形状5が持つ球、自由曲面などの曲面情報および各面を構成している境界線、稜線、頂点などの幾何情報から成る属性情報と、いずれの面が正面に表示されているかによって視線方向を示す視線情報を抽出する部分である。
【0030】
グリッド選択制御部22は、形状属性認識部21が認識した3次元形状5を構成している全ての面の曲面情報により、3次元形状5に対しマッピングを行う上で最適なマッピンググリッドを選択する部分である。ここで、マッピンググリッドとは、マッピングを行う場合に必要な投影用の座標系を指し、角柱や球など様々なタイプが公知である。
【0031】
簡易エディタ操作部23および汎用エディタ操作部25は、マッピング対象の3次元形状5やマッピングを行う画像の色、質感等の属性を指定するための処理を行う部分であり、図1に示す簡易エディタ操作画面6および汎用エディタ操作画面7が表示画面1内に表示され、これらの操作画面で必要な指定操作を行うようになっている。この場合、簡易エディタ操作部23では、マッピングに最低限必要とされる情報、すなわち3次元形状5の指定情報、マッピングを行う画像の指定情報、マッピングを行う画像の中の注目領域の指定情報などを指定させ、汎用エディタ操作部25ではマッピングを行う画像の質感などを示す詳細属性などを指定させるようになっている。
【0032】
画像編集部24は、マッピングを行う画像の編集操作を行う部分であり、マッピング処理を行う任意の画像に対し注目する領域が指定されたならば、その指定された領域が連続しているか否かを判定し、指定された領域が上下もしくは左右に分離していることが判明したならば、前記指定された領域が連続する画像を生成し、この生成した画像をマッピング処理に供し、指定された領域が分離していない場合は元の画像をマッピング処理に供する部分である。
【0033】
プレビュー機能部26は、レンダリング処理部27でマッピング処理を行う前に、3次元形状5を縮小したサイズでマッピング処理を行うことにより、短時間で精度の低い完成画像(プレビュー画像)を作成し、これを表示画面1に表示して利用者に予めチェックさせるための部分である。このプレビュー機能部26は、簡易エディタ操作画面6または汎用エディタ操作画面7を通じて起動され、同操作画面6または7から色などの属性を変更することにより、その新たな属性に従うプレビュー画像を作成し表示画面1に表示させる。
【0034】
マッピング処理機能を含むレンダリング処理部27は、グリッド選択制御部22で選択されたマッピンググリッドに対し、画像編集部24で編集された画像をマッピングする部分であり、プレビュー機能部26で作成されるマッピング画像に比べて高精度の画像が作成される。
【0035】
画像表示部28は、プレビュー機能部26またはレンダリング処理部27で作成された画像を表示画面1に表示させる部分である。
【0036】
図3は、形状属性認識部21およびグリッド選択制御部22の処理手順を示すフローチャートであり、まず、ステップ3−1においてデバイス入力部20からマッピング対象となる3次元形状5の指定情報を得、同時に、その形状5が持つ球、自由曲面などの曲面情報および各面を構成している境界線、稜線、頂点などの幾何情報から成る属性情報と、いずれの面が正面に表示されているかによって視線方向を示す視線情報を抽出する。
【0037】
この場合、視線方向は利用者に設定させる方法を採用してもよい。
【0038】
次に、ステップ3−2において、形状5を3次元空間で覆う矩形領域を算出する。これは、形状5の全面走査によって形状を認識するよりも、3次元空間で覆う矩形領域の形状によって認識する方が短時間で認識結果を得られるからである。
【0039】
次に、ステップ3−3において、ステップ3−2で求めた矩形領域においてx軸、y軸、z軸各方向の長さを求め、更に各値の差分を求める。そして、その差分がシステムで定義する範囲内にあるか否かを判断する。範囲内に収まるならば、この矩形領域を立方体とみなす。
【0040】
次にステップ3−4において、前記矩形領域の重心を求める。続いてステップ3−5では重心と曲面情報からx軸、y軸、z軸各方向に最大値をもつ頂点を求め、重心からの距離を算出する。次に、ステップ3−6ではステップ3−5で算出した値からx軸、y軸、z軸各方向の長さを各々比較し、その差分がシステムでもつ値以下かどうか判断する。この判断の結果、前述の差分が範囲内ならばステップ3−7でグリッドを球グリッドに設定する。
【0041】
以上の手法によると、原点からx軸、y軸、z軸各方向の長さがそれぞれ等しいので、球に近い形状であると判断できるので球グリッドを適用することが最も妥当である。
【0042】
一方、範囲外ならばステップ3−8において汎用的な角柱グリッドを選択する。
【0043】
また、ステップ3−2の立方体に近いかどうかの判定において、立方体ではないと判断された場合、ステップ3−9において矩形領域の上下各底面と形状の交差する部分を求め、上底および下底の面積を求める。続く、ステップ3−10では、ステップ3−9で求めた上底および下底の面積からその面積の差分を求め、システムで定義している値と比較する。
【0044】
上底の面積と下底の面積が異なる場合、ステップ3−11で上底の面積と下底の面積を比較する。下底の面積が広い場合は、ステップ3−12で上向きの円錐グリッドを、反対に上底の面積が広い場合はステップ3−13で下向きの円錐グリッドを各々設定する。
【0045】
一方、ステップ3−10で下底の面積と上底の面積が等しい場合、ステップ3−14において形状を構成する曲面情報から平面と曲面の比率を算出する。この結果、50%以上曲面で囲まれている場合、ステップ3−15で円柱グリッドを選択し、50%未満の場合はステップ3−16で角柱グリッドを選択する。
【0046】
次に、図4を用いてグリッド原点位置を決定する手順について説明する。
【0047】
まず、マッピング対象の形状5を囲む矩形領域41を図3のステップ3−2と同様にして算出する。
【0048】
次に、画像を作成する場合に視点位置が重要になるが、この位置を視点42とすると、矩形領域41を構成する2つの領域に区別する。ここでの2つの領域とは、領域41を視点42から見える範囲46と見えない範囲47を示す。
【0049】
さらに矩形領域41を構成する各面の法線ベクトル45a〜45dと、視点42からマッピング対象の形状5に向かう視線ベクトル44から形状の見えない範囲43を算出する。
【0050】
マッピング処理を行う場合、形状5を包みこむ形で処理することが一般的であるが、この処理を行う際、マッピングデータの境界(図5の画像50の端部の接続線)が見えると、不連続な画像となり、見た目が悪いという欠点が生じる。このような状態を回避するためには、マッピングデータの境界が見えない範囲43になるように、マッピンググリッド原点48を設定すればよい。
【0051】
図6にマッピンググリッド原点48を設定する処理フローを示す。
【0052】
まず、ステップ7−1において、マッピング対象の形状5に対して矩形領域41の範囲を計算する。この処理は図3のステップ3−2と同一の処理である。
【0053】
次に、ステップ7−2において、矩形領域41を構成する各辺に対し各辺の法線ベクトル45a〜45dを算出し、続くステップ7−3において視線ベクトル44との内積から視線ベクトル44との角度を算出する。
【0054】
次に、ステップ7−4において対象となる法線ベクトルを選択するが、ここでは0°以上90°未満の範囲に入った法線ベクトルを処理の対象とする。そして、ステップ7−5においてステップ7−4で対象となった法線ベクトルの中から最も見えにくいベクトルを選出する。
【0055】
これは、視線ベクトル44と一致するベクトルが該当するので、ステップ7−3および処理7−4で0°に近い角度を持つ法線ベクトルが対象となる。これらの条件から、グリッド原点をステップ7−6で算出する。実際の原点は、ステップ7−5で求めた法線ベクトルを持つ矩形領域41の辺を求め、この辺に最も近い距離にある頂点を求めればよい。
【0056】
以上の方法で原点を算出するが、図4において原点48が該当する。
【0057】
原点が決定したので、次にマッピングデータを編集する。
【0058】
この編集は、画像編集部24で実施するが、この操作は簡易エディタ操作部23または汎用エディタ操作部25を使用して行い、マッピング処理に最適な画像を作成する。
【0059】
マッピング処理を初めレンダリング処理を行う場合、提示する側に強調する点を表現する必要がある。このような画像の強調の一例を図5に示す。
【0060】
図5に示す通り、「ABCDEF」の文字から成る画像50をマッピングする場合に、特に「CDE」に注目させようとする場合、「CDE」を領域51で指定すると、この領域の中心53が利用者によって設定されたまたは自動設定された視線ベクトル44の通過点になるようマッピング処理を行う。さらに図5(b)に示すように、注目する領域が51aのように「EFA」とまたがる場合、マウス4の中ボタン4bで領域51aをドラックすることで反対側に領域51aを順次移動させ、図5(c)に示す通り画像50を修正する。
【0061】
このように指定領域が分離する場合、視線ベクトル44が通過する領域がわかり難いので、図5(c)に示す通り画像50を修正する。
【0062】
この画像修正処理の流れを図7のフローチャートを用いて説明する。
【0063】
まず、マウス4の中ボタン4bを用いて注目領域が指定されるが、注目領域が指定されると、その指定された画像50の注目領域をステップ8−1で算出する。
【0064】
次に、ステップ8−2において、画像データを作成する際の条件として、マッピング対象の形状5および表示情報から形状5の投影情報を算出する。
【0065】
次に、ステップ8−3において、マッピンググリッド原点48の情報および投影情報と視線ベクトル44の情報から画像50を修正する。すなわち、ステップ8−1で求めた注目領域の中心が画像50の中心になるよう画像50のデータの変更を行う。
【0066】
例えば、図5(b)の領域51aが注目領域として指定された場合、文字「EFA」を図5(c)のように、注目領域51aの中心が画像50の中心になるように修正する。
【0067】
次に、画像50をマッピング対象の形状5にマッピングした場合、画像50の端部52a,52bを接続する接続線がマッピング境界として表示されてしまうが、この境界を見えなくするようにするかどうかの修正判定をステップ8−4において行う。
【0068】
利用者によって境界を見えなくするように指定されている場合、画像50の境界が連続となるよう画像50のデータを修正する。
【0069】
この場合、図5のような画像50にあっては、境界線が直線であるので、この直線を消去することによって境界を見えなくすることができる。写真等の画像の場合は、境界部分が不連続な画像になるので、補間処理によって連続する画像に修正する。
【0070】
以上のような画像データの修正作業終了後、ステップ8−6でエディタ23の操作画面6内に修正後の画像50を表示する。
【0071】
この後、プレビュー機能部25を用いて予めレンダリングを行う。
【0072】
これは、画像サイズによって処理時間が異なり、一般にサイズが大きいとその分処理時間が長くなるので、ある程度の小さいサイズで画像を作成し、短時間ででき上がりをチェックする機能である。この処理は簡易エディタ操作部22および汎用エディタ操作部24で実行できる。
【0073】
次に、本実施例の全体の処理手順を図8のフローチャートを参照して説明する。
【0074】
まず、ステップ61においてマッピング対象の3次元形状5を表示画面1内に表示させ、マウス4のマウス左ボタン4cで形状5をマッピング対象として指定させる。
【0075】
次に、マッピング対象の3次元形状5の指定後、ステップ62において簡易エディタ操作部23の操作画面6を表示画面1内に表示させる。この簡易エディタ操作部23の操作画面6では、マッピングを行う画像50の選択処理および編集処理をステップ63,64で行う。
【0076】
編集処理では、視線ベクトル44と矩形領域41の法線ベクトル45a〜45dとから見えない領域47を算出し、この領域47内にグリッド原点48を設定する。また、簡易エディタ操作部23の操作画面6を用いてマッピングする画像50の注目領域51aを指定する。そして、注目領域51aを画像50の中心とした場合、その画像の境界が見える領域46に入るかどうかを判断し、見える領域の場合は図7で説明したようにユーザからの指示に応じて境界を修正する。
【0077】
この作業はユーザが納得いくまで続けることが可能であり、上記の通り作成した画像50に対し、ステップ65のプレビュー機能処理において精度の低い完成画像を生成し、ユーザに確認させる。
【0078】
確認後、ステップ68のレンダリング処理を行うかどうかをユーザに判断させ、レンダリング処理をするように指示された場合は、ステップ68においてレンダリング処理を行う。プレビュー機能処理によって生成された画像にユーザが納得いかない場合、ユーザによる変更が必要なので汎用エディタ操作部25による編集をステップ67で行う。
【0079】
編集後、ステップ65のプレビュー機能処理を用いて再度確認を行う。この作業を繰り返し行い、最終処理としてレンダリング処理を実行する。
【0080】
以上説明したように、本実施例によれば、基本的には、マッピング処理を行う任意の画像に対し注目する領域を利用者に指定させた後、その指定された領域が連続しているか否かを判定し、上下もしくは左右に分離しているならば、元の画像から前記指定された領域が連続する画像を生成し、その生成された画像を、その中の前記指定された領域の中心を視線ベクトルが通過するように前記任意の3次元形状に対応したマッピンググリッドに張付けるようにしたので、注目領域と視線方向を指定するのみの操作で、任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされる。従って、試行錯誤を繰り返してきマッピング処理の属性を設定していた作業がほとんどなくなくなり、処理が短時間で行え初心者および経験者に関係なく、任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされた画像を効率良く短時間で作成することができる。
【0081】
また、任意の画像を張付ける際、マッピング対象の3次元形状について球、角柱、自由局面などの属性を認識し、その認識結果によりマッピング対象の3次元形状の属性に対応したマッピンググリッドを選択するので、マッピング対象の3次元形状を指定する操作のみで、希望通りのマッピング画像を得ることができる。
また、マッピンググリッドの原点は、任意の3次元形状の各面に対する法線と視線ベクトルとにより、視線方向から見えない位置に設定し、この原点に前記生成した画像の端部を合わせて張付けを行うようにしたので、マッピングを行う画像の端部は3次元形状の裏側になり、端部同士の継ぎ目が見えなくなり、不自然さを緩和することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされた画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマッピング処理方法を適用した画像処理装置の一実施例を示す外観図である。
【図2】図1の装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】形状属性認識部およびグリッド選択制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】マッピンググリッドの種類を決定する手順を示す説明図である。
【図5】マッピングを行う画像の一例を示す説明図である。
【図6】マッピンググリッド原点を決定する手順を示すフローチャートである。
【図7】マッピングを行う画像の編集手順を示すフローチャートである。
【図8】マッピング処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…画像表示画面、2…処理装置本体、3…キーボード、4…マウス、5…マッピング対象の3次元形状。
【産業上の利用分野】
本発明は、コンピュータの画像処理空間で任意の3次元形状に任意の画像を張付けるマッピング処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータグラフィックでのレンダリング処理におけるマッピング処理は、3次元形状をよりリアルに見せるために設計段階での検討やショールーム等におけるプレゼンテーション支援に有効な技術である。
【0003】
例えば、角柱をCADシステムで作成しても、それに木目の模様を設定した場合と石の模様を設定した場合とでは見る相手に与える印象も異なってくるので、このような場合に極めて有効なものとなる。
【0004】
また、例えばマッピングデータにロゴを使用することで、ロゴを3次元形状として作成しなくても画像を作成できるので、ロゴのモデリング作業分だけ工数を削減できるという利点がある。
【0005】
ところで、このように3次元形状にマッピングを行うシステムでは、3次元形状の何処にどのような画像をマッピングするかといった属性を指定する必要がある。
【0006】
このような属性を設定する際、3次元形状への投影を行うマッピンググリッド(投影グリッド)をマウスとキーボードを用いて指定した後、配置する画像の原点を決定する作業を行う必要がある。
【0007】
これらの一連の作業は手作業であり、勘と慣れが必要とされ、初心者が満足いく結果を出すまでにかなりの時間と労力を必要とする。そこで、これらの煩わしい作業を少しでも軽減するためにさまざまなエディタが開発、提案されている。
【0008】
例えば、特開平3−105682号公報では、印刷物中にレイアウトする図形要素を簡単に指定できる技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、任意の3次元図形に対し任意の画像を単にマッピングするのではなく、視線方向から見て特定領域(特に注目する領域)が目立つようにマッピングすることを要求される場合がある。
【0010】
ところが、前記特開平3−105682号公報等に開示された従来技術にあっては、このような要求に対し、オペレータ自身が作品の出来上がりを想定しながら、任意の画像の注目領域の指定、任意の画像の端部を張付けるマッピンググリッドの原点等を指定する操作を、満足する完成画像が得られるまで行う必要があるので、作業時間が長くなり、しかもオペレータの慣れと勘といった技術に作業時間や作品のでき上がりが左右されるという問題があった。
【0011】
特に、オペレータが初心者である場合には、経験者と比較してかなりの作業時間が必要となったうえ、完成画像の品質も劣るという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、初心者および経験者に関係なく、任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされた画像を効率良く短時間で作成することができるマッピング処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、基本的には、マッピング処理を行う任意の画像に対し注目する領域を利用者に指定させた後、その指定された領域が連続しているか否かを判定し、分離しているならば、指定された前記領域が連続するように、前記画像を修正し、修正された前記画像を、その中の前記指定された領域の中心を利用者によって設定されまたは自動設定された視線ベクトルが通過するように前記任意の3次元形状に対応したマッピンググリッドに張付けるようにしたものである。
【0014】
さらに、前記マッピンググリッドは、任意の3次元形状の属性(球、角柱、自由局面など)を形状属性認識処理によって認識し、その認識結果により選択するようにしたことを特徴とする。
【0015】
さらに、マッピング実行時にマッピングデータの継ぎ目を隠すために、マッピンググリッドの原点を、任意の3次元形状の各面に対する法線と視線ベクトルとにより、視線方向から見えない位置(3次元形状の裏側)に設定し、この原点に前記生成した画像の端部を合わせて張付けを行うようにしたことを特徴とする。
【0016】
【作用】
上記手段によれば、まず、マッピング処理を行う任意の画像に対し注目する領域を利用者に指定させる。
【0017】
注目する領域が指定されたならば、その指定された領域が連続しているか否かを判定する。この判定により、指定された領域が上下もしくは左右に分離している場合は、前記指定された領域が連続する画像が生成され、その中の前記指定された領域の中心を視線ベクトルが通過するように3次元形状に対応したマッピンググリッドに張付けられる。
【0018】
一方、指定された領域が上下もしくは左右に分離していない場合は、元の画像の中の指定された領域の中心を視線ベクトルが通過するように3次元形状に対応したマッピンググリッドに張付けられる。
【0019】
この場合、視線方向は利用者に設定させる方法、あるいはマッピング対象の3次元形状が表示されている面の正面側を視線方向として自動設定する方法のいずれを採用してもよい。
【0020】
この結果、注目領域と視線方向を指定するのみの操作で、任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされる。従って、初心者および経験者に関係なく、任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされた画像を効率良く短時間で作成することができる。
【0021】
また、任意の画像を張付ける際、マッピング対象の3次元形状について球、角柱、自由局面などの属性を認識し、その認識結果によりマッピング対象の3次元形状の属性に対応したマッピンググリッドが選択され、これに注目領域が指定された画像が張付けられる。従って、マッピング対象の3次元形状を指定する操作のみで、希望通りのマッピング画像を得ることができる。
【0022】
また、マッピンググリッドの原点は、任意の3次元形状の各面に対する法線と視線ベクトルとにより、視線方向から見えない位置(3次元形状の裏側)に設定される。そして、この原点にマッピングを行う画像の端部を合わせて張付けを行う。これにより、マッピングを行う画像の端部は3次元形状の裏側になり、端部同士の継ぎ目が見えなくなり、不自然さを緩和することができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明のマッピング処理方法を適用した画像処理装置の一実施例を示す外観図であり、画像表示画面1を有する処理装置本体2と、マッピング対象の3次元形状やマッピングを行う画像の色、質感、視線方向等を入力したり、指定するキーボード3およびマウス4とから構成されている。
【0025】
このうち、表示画面1にはマッピング対象の3次元形状5やマッピングを行う画像の色、質感等の属性を指定するための簡易エディタ操作画面6および汎用エディタ操作画面7が表示されるようになっている。
【0026】
一方、マウス4には、右ボタン4a、中ボタン4b、左ボタン4cが設けられ、右ボタン4aで前述のエディタ操作画面6,7を使用したエディタ操作を行い、中ボタン4bではマッピングを行う画像の注目領域を指定し、左ボタン4cではマッピング対象の3次元形状5を指定するように各ボタンの機能が設定されている。
【0027】
図2は、図1の装置の詳細構成を示すブロック図であり、デバイス入力部20、形状属性認識部21、グリッド選択制御部22、簡易エディタ操作部23、画像編集部24、汎用エディタ操作部25、プレビュー機能部26、マッピング処理機能を含むレンダリング処理部27、画像表示部28から構成されている。
【0028】
デバイス入力部20は、キーボード3またはマウス4といった入力デバイスからの入力情報により現在使用されているデバイスを判断したうえ、その入力情報から画面上のマウスカーソル位置やキーボード3からの入力コードを判断し、更には形状指定が行われたのか、エディタ操作が行われたのかについて判断する部分である。
【0029】
形状属性認識部21は、デバイス入力部20からの入力情報に基づき、表示画面1においてマウス4(またはキーボード3)により指定された3次元形状5を認識し、その形状5が持つ球、自由曲面などの曲面情報および各面を構成している境界線、稜線、頂点などの幾何情報から成る属性情報と、いずれの面が正面に表示されているかによって視線方向を示す視線情報を抽出する部分である。
【0030】
グリッド選択制御部22は、形状属性認識部21が認識した3次元形状5を構成している全ての面の曲面情報により、3次元形状5に対しマッピングを行う上で最適なマッピンググリッドを選択する部分である。ここで、マッピンググリッドとは、マッピングを行う場合に必要な投影用の座標系を指し、角柱や球など様々なタイプが公知である。
【0031】
簡易エディタ操作部23および汎用エディタ操作部25は、マッピング対象の3次元形状5やマッピングを行う画像の色、質感等の属性を指定するための処理を行う部分であり、図1に示す簡易エディタ操作画面6および汎用エディタ操作画面7が表示画面1内に表示され、これらの操作画面で必要な指定操作を行うようになっている。この場合、簡易エディタ操作部23では、マッピングに最低限必要とされる情報、すなわち3次元形状5の指定情報、マッピングを行う画像の指定情報、マッピングを行う画像の中の注目領域の指定情報などを指定させ、汎用エディタ操作部25ではマッピングを行う画像の質感などを示す詳細属性などを指定させるようになっている。
【0032】
画像編集部24は、マッピングを行う画像の編集操作を行う部分であり、マッピング処理を行う任意の画像に対し注目する領域が指定されたならば、その指定された領域が連続しているか否かを判定し、指定された領域が上下もしくは左右に分離していることが判明したならば、前記指定された領域が連続する画像を生成し、この生成した画像をマッピング処理に供し、指定された領域が分離していない場合は元の画像をマッピング処理に供する部分である。
【0033】
プレビュー機能部26は、レンダリング処理部27でマッピング処理を行う前に、3次元形状5を縮小したサイズでマッピング処理を行うことにより、短時間で精度の低い完成画像(プレビュー画像)を作成し、これを表示画面1に表示して利用者に予めチェックさせるための部分である。このプレビュー機能部26は、簡易エディタ操作画面6または汎用エディタ操作画面7を通じて起動され、同操作画面6または7から色などの属性を変更することにより、その新たな属性に従うプレビュー画像を作成し表示画面1に表示させる。
【0034】
マッピング処理機能を含むレンダリング処理部27は、グリッド選択制御部22で選択されたマッピンググリッドに対し、画像編集部24で編集された画像をマッピングする部分であり、プレビュー機能部26で作成されるマッピング画像に比べて高精度の画像が作成される。
【0035】
画像表示部28は、プレビュー機能部26またはレンダリング処理部27で作成された画像を表示画面1に表示させる部分である。
【0036】
図3は、形状属性認識部21およびグリッド選択制御部22の処理手順を示すフローチャートであり、まず、ステップ3−1においてデバイス入力部20からマッピング対象となる3次元形状5の指定情報を得、同時に、その形状5が持つ球、自由曲面などの曲面情報および各面を構成している境界線、稜線、頂点などの幾何情報から成る属性情報と、いずれの面が正面に表示されているかによって視線方向を示す視線情報を抽出する。
【0037】
この場合、視線方向は利用者に設定させる方法を採用してもよい。
【0038】
次に、ステップ3−2において、形状5を3次元空間で覆う矩形領域を算出する。これは、形状5の全面走査によって形状を認識するよりも、3次元空間で覆う矩形領域の形状によって認識する方が短時間で認識結果を得られるからである。
【0039】
次に、ステップ3−3において、ステップ3−2で求めた矩形領域においてx軸、y軸、z軸各方向の長さを求め、更に各値の差分を求める。そして、その差分がシステムで定義する範囲内にあるか否かを判断する。範囲内に収まるならば、この矩形領域を立方体とみなす。
【0040】
次にステップ3−4において、前記矩形領域の重心を求める。続いてステップ3−5では重心と曲面情報からx軸、y軸、z軸各方向に最大値をもつ頂点を求め、重心からの距離を算出する。次に、ステップ3−6ではステップ3−5で算出した値からx軸、y軸、z軸各方向の長さを各々比較し、その差分がシステムでもつ値以下かどうか判断する。この判断の結果、前述の差分が範囲内ならばステップ3−7でグリッドを球グリッドに設定する。
【0041】
以上の手法によると、原点からx軸、y軸、z軸各方向の長さがそれぞれ等しいので、球に近い形状であると判断できるので球グリッドを適用することが最も妥当である。
【0042】
一方、範囲外ならばステップ3−8において汎用的な角柱グリッドを選択する。
【0043】
また、ステップ3−2の立方体に近いかどうかの判定において、立方体ではないと判断された場合、ステップ3−9において矩形領域の上下各底面と形状の交差する部分を求め、上底および下底の面積を求める。続く、ステップ3−10では、ステップ3−9で求めた上底および下底の面積からその面積の差分を求め、システムで定義している値と比較する。
【0044】
上底の面積と下底の面積が異なる場合、ステップ3−11で上底の面積と下底の面積を比較する。下底の面積が広い場合は、ステップ3−12で上向きの円錐グリッドを、反対に上底の面積が広い場合はステップ3−13で下向きの円錐グリッドを各々設定する。
【0045】
一方、ステップ3−10で下底の面積と上底の面積が等しい場合、ステップ3−14において形状を構成する曲面情報から平面と曲面の比率を算出する。この結果、50%以上曲面で囲まれている場合、ステップ3−15で円柱グリッドを選択し、50%未満の場合はステップ3−16で角柱グリッドを選択する。
【0046】
次に、図4を用いてグリッド原点位置を決定する手順について説明する。
【0047】
まず、マッピング対象の形状5を囲む矩形領域41を図3のステップ3−2と同様にして算出する。
【0048】
次に、画像を作成する場合に視点位置が重要になるが、この位置を視点42とすると、矩形領域41を構成する2つの領域に区別する。ここでの2つの領域とは、領域41を視点42から見える範囲46と見えない範囲47を示す。
【0049】
さらに矩形領域41を構成する各面の法線ベクトル45a〜45dと、視点42からマッピング対象の形状5に向かう視線ベクトル44から形状の見えない範囲43を算出する。
【0050】
マッピング処理を行う場合、形状5を包みこむ形で処理することが一般的であるが、この処理を行う際、マッピングデータの境界(図5の画像50の端部の接続線)が見えると、不連続な画像となり、見た目が悪いという欠点が生じる。このような状態を回避するためには、マッピングデータの境界が見えない範囲43になるように、マッピンググリッド原点48を設定すればよい。
【0051】
図6にマッピンググリッド原点48を設定する処理フローを示す。
【0052】
まず、ステップ7−1において、マッピング対象の形状5に対して矩形領域41の範囲を計算する。この処理は図3のステップ3−2と同一の処理である。
【0053】
次に、ステップ7−2において、矩形領域41を構成する各辺に対し各辺の法線ベクトル45a〜45dを算出し、続くステップ7−3において視線ベクトル44との内積から視線ベクトル44との角度を算出する。
【0054】
次に、ステップ7−4において対象となる法線ベクトルを選択するが、ここでは0°以上90°未満の範囲に入った法線ベクトルを処理の対象とする。そして、ステップ7−5においてステップ7−4で対象となった法線ベクトルの中から最も見えにくいベクトルを選出する。
【0055】
これは、視線ベクトル44と一致するベクトルが該当するので、ステップ7−3および処理7−4で0°に近い角度を持つ法線ベクトルが対象となる。これらの条件から、グリッド原点をステップ7−6で算出する。実際の原点は、ステップ7−5で求めた法線ベクトルを持つ矩形領域41の辺を求め、この辺に最も近い距離にある頂点を求めればよい。
【0056】
以上の方法で原点を算出するが、図4において原点48が該当する。
【0057】
原点が決定したので、次にマッピングデータを編集する。
【0058】
この編集は、画像編集部24で実施するが、この操作は簡易エディタ操作部23または汎用エディタ操作部25を使用して行い、マッピング処理に最適な画像を作成する。
【0059】
マッピング処理を初めレンダリング処理を行う場合、提示する側に強調する点を表現する必要がある。このような画像の強調の一例を図5に示す。
【0060】
図5に示す通り、「ABCDEF」の文字から成る画像50をマッピングする場合に、特に「CDE」に注目させようとする場合、「CDE」を領域51で指定すると、この領域の中心53が利用者によって設定されたまたは自動設定された視線ベクトル44の通過点になるようマッピング処理を行う。さらに図5(b)に示すように、注目する領域が51aのように「EFA」とまたがる場合、マウス4の中ボタン4bで領域51aをドラックすることで反対側に領域51aを順次移動させ、図5(c)に示す通り画像50を修正する。
【0061】
このように指定領域が分離する場合、視線ベクトル44が通過する領域がわかり難いので、図5(c)に示す通り画像50を修正する。
【0062】
この画像修正処理の流れを図7のフローチャートを用いて説明する。
【0063】
まず、マウス4の中ボタン4bを用いて注目領域が指定されるが、注目領域が指定されると、その指定された画像50の注目領域をステップ8−1で算出する。
【0064】
次に、ステップ8−2において、画像データを作成する際の条件として、マッピング対象の形状5および表示情報から形状5の投影情報を算出する。
【0065】
次に、ステップ8−3において、マッピンググリッド原点48の情報および投影情報と視線ベクトル44の情報から画像50を修正する。すなわち、ステップ8−1で求めた注目領域の中心が画像50の中心になるよう画像50のデータの変更を行う。
【0066】
例えば、図5(b)の領域51aが注目領域として指定された場合、文字「EFA」を図5(c)のように、注目領域51aの中心が画像50の中心になるように修正する。
【0067】
次に、画像50をマッピング対象の形状5にマッピングした場合、画像50の端部52a,52bを接続する接続線がマッピング境界として表示されてしまうが、この境界を見えなくするようにするかどうかの修正判定をステップ8−4において行う。
【0068】
利用者によって境界を見えなくするように指定されている場合、画像50の境界が連続となるよう画像50のデータを修正する。
【0069】
この場合、図5のような画像50にあっては、境界線が直線であるので、この直線を消去することによって境界を見えなくすることができる。写真等の画像の場合は、境界部分が不連続な画像になるので、補間処理によって連続する画像に修正する。
【0070】
以上のような画像データの修正作業終了後、ステップ8−6でエディタ23の操作画面6内に修正後の画像50を表示する。
【0071】
この後、プレビュー機能部25を用いて予めレンダリングを行う。
【0072】
これは、画像サイズによって処理時間が異なり、一般にサイズが大きいとその分処理時間が長くなるので、ある程度の小さいサイズで画像を作成し、短時間ででき上がりをチェックする機能である。この処理は簡易エディタ操作部22および汎用エディタ操作部24で実行できる。
【0073】
次に、本実施例の全体の処理手順を図8のフローチャートを参照して説明する。
【0074】
まず、ステップ61においてマッピング対象の3次元形状5を表示画面1内に表示させ、マウス4のマウス左ボタン4cで形状5をマッピング対象として指定させる。
【0075】
次に、マッピング対象の3次元形状5の指定後、ステップ62において簡易エディタ操作部23の操作画面6を表示画面1内に表示させる。この簡易エディタ操作部23の操作画面6では、マッピングを行う画像50の選択処理および編集処理をステップ63,64で行う。
【0076】
編集処理では、視線ベクトル44と矩形領域41の法線ベクトル45a〜45dとから見えない領域47を算出し、この領域47内にグリッド原点48を設定する。また、簡易エディタ操作部23の操作画面6を用いてマッピングする画像50の注目領域51aを指定する。そして、注目領域51aを画像50の中心とした場合、その画像の境界が見える領域46に入るかどうかを判断し、見える領域の場合は図7で説明したようにユーザからの指示に応じて境界を修正する。
【0077】
この作業はユーザが納得いくまで続けることが可能であり、上記の通り作成した画像50に対し、ステップ65のプレビュー機能処理において精度の低い完成画像を生成し、ユーザに確認させる。
【0078】
確認後、ステップ68のレンダリング処理を行うかどうかをユーザに判断させ、レンダリング処理をするように指示された場合は、ステップ68においてレンダリング処理を行う。プレビュー機能処理によって生成された画像にユーザが納得いかない場合、ユーザによる変更が必要なので汎用エディタ操作部25による編集をステップ67で行う。
【0079】
編集後、ステップ65のプレビュー機能処理を用いて再度確認を行う。この作業を繰り返し行い、最終処理としてレンダリング処理を実行する。
【0080】
以上説明したように、本実施例によれば、基本的には、マッピング処理を行う任意の画像に対し注目する領域を利用者に指定させた後、その指定された領域が連続しているか否かを判定し、上下もしくは左右に分離しているならば、元の画像から前記指定された領域が連続する画像を生成し、その生成された画像を、その中の前記指定された領域の中心を視線ベクトルが通過するように前記任意の3次元形状に対応したマッピンググリッドに張付けるようにしたので、注目領域と視線方向を指定するのみの操作で、任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされる。従って、試行錯誤を繰り返してきマッピング処理の属性を設定していた作業がほとんどなくなくなり、処理が短時間で行え初心者および経験者に関係なく、任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされた画像を効率良く短時間で作成することができる。
【0081】
また、任意の画像を張付ける際、マッピング対象の3次元形状について球、角柱、自由局面などの属性を認識し、その認識結果によりマッピング対象の3次元形状の属性に対応したマッピンググリッドを選択するので、マッピング対象の3次元形状を指定する操作のみで、希望通りのマッピング画像を得ることができる。
また、マッピンググリッドの原点は、任意の3次元形状の各面に対する法線と視線ベクトルとにより、視線方向から見えない位置に設定し、この原点に前記生成した画像の端部を合わせて張付けを行うようにしたので、マッピングを行う画像の端部は3次元形状の裏側になり、端部同士の継ぎ目が見えなくなり、不自然さを緩和することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば任意の画像の注目領域が希望通りにマッピングされた画像を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマッピング処理方法を適用した画像処理装置の一実施例を示す外観図である。
【図2】図1の装置の詳細構成を示すブロック図である。
【図3】形状属性認識部およびグリッド選択制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】マッピンググリッドの種類を決定する手順を示す説明図である。
【図5】マッピングを行う画像の一例を示す説明図である。
【図6】マッピンググリッド原点を決定する手順を示すフローチャートである。
【図7】マッピングを行う画像の編集手順を示すフローチャートである。
【図8】マッピング処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…画像表示画面、2…処理装置本体、3…キーボード、4…マウス、5…マッピング対象の3次元形状。
Claims (3)
- コンピュータの画像処理空間で任意の3次元形状に任意の画像を張付けるマッピング処理方法において、
マッピング処理を行う任意の画像に対し注目する領域を利用者に指定させた後、その指定された領域が連続しているか否かを判定し、分離しているならば、指定された前記領域が連続するように、前記画像を修正し、修正された前記画像を、その中の前記指定された領域の中心を利用者によって設定されまたは自動設定された視線ベクトルが通過するように前記任意の3次元形状に対応したマッピンググリッドに張付けることを特徴とするマッピング処理方法。 - 前記マッピンググリッドは、任意の3次元形状の属性を形状属性認識処理によって認識し、その認識結果により選択することを特徴とする請求項1記載のマッピング処理方法。
- マッピンググリッドの原点を、前記任意の3次元形状の各面に対する法線と前記視線ベクトルとにより、視線方向から見えない位置に設定し、この原点に前記生成した画像の端部を合わせて張付けを行うことを特徴とする請求項1または2記載のマッピング処理方法。
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