JP3620584B2 - Ｉｃタグを利用した駐車券用認証システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車場と契約関係にある各種テナント店等を利用した利用客が、上記の駐車場を利用した場合に、利用客が入庫時に受け取った駐車券に対して、駐車料金や駐車時間をサービスするためのサービス情報を記録できるように工夫したＩＣタグを利用した駐車券用認証システムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
駐車料金や駐車時間をサービスするためのシステムに関しては、従来より、例えば特開昭６１−９８０９号公報に開示されている「磁気コード作成機」や、特開昭６１−９８８２号公報に開示されている「磁気カード」に見られるように、磁気カード（駐車券）に対してサービスコードを書込み、このサービスコードによって各種の駐車サービスをうけることができるように構成したものが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の駐車サービスシステムは、いずれも記録媒体として紙製又はプラスチック製の磁気カードを使用していて、磁気ヘッドをカードの磁気ストライプに直接接触させて情報のリード・ライトを行うため、痛みやすくて再利用が難しく、従って、多数の磁気カードが使い捨て状態になる結果、トータル的にコストが嵩んでしまう問題があり、また、磁気カードに記録するデータ量が少いため、限られたデータしかリード・ライトすることができず、各種のサービス情報を充分に提供できない問題もあった。
【０００４】
加えて、利用客に駐車サービスを提供した各テナント店が掛売りした駐車場サービス料金を、駐車場オーナーや管理会社等に対して精算する場合も、その精算を自動化する設備や装置が未だ不充分であるため、精算に手間取ったり、精算を間違える問題が多く発生していた。
【０００５】
従って本発明の技術的課題は、構造的に丈夫で繰返し再使用することができ、且つ、多くのサービス情報を非接触にて素早く正確にリード・ライトすることができる駐車券を使用して、利用客に対して駐車料金や駐車時間のサービスを安定した状態で、適格に提供できると共に、サービスを提供した各テナントが駐車場オーナーや管理会社等に対して支払うサービス料金（掛売り料金）の精算も、手軽に且つ正確に済ませることができるように工夫したＩＣタグを利用した駐車券用認証システムを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
（１） 上記の技術的課題を解決するために、本発明では前記請求項１に記載の如く、駐車場を利用した利用客が所持する駐車券に対して、駐車料金や駐車時間を割引くための駐車サービス情報を記録する駐車券用認証システムであって、入場時刻を記録した駐車用ＩＣタグと、上記駐車サービスが実施される各テナント店に設置されていて、上記駐車用ＩＣタグに対して駐車料金や駐車時間を割引くための駐車サービス情報を非接触で記録するＩＣタグ認証機とによって構成され、上記の駐車用ＩＣタグは、全体が小片状又はコイン状を成し、内部にはＣＰＵと、メモリと、外部からの電磁誘導によって作動してデータの受発信を行う信号受発信器を備えた構成と成し、上記のＩＣタグ認証機に、上記の駐車用ＩＣタグを装着する装着部と、駐車料金や駐車時間を割引くためのサービス情報を格納したメモリと、サービス情報の書込み入力を指示する入力指示部と、装着された駐車用ＩＣタグの信号受発信器と非接触でデータ通信を行って、上記入力指示部の指示に従って上記のメモリから必要なサ−ビス情報を選択し、この選択されたサービス情報を駐車用ＩＣタグのメモリに書込むためのデータ通信部とを設ける一方、上記のＩＣタグ認証機には、各テナント店によって駐車場オーナーや管理会社から予め購入され、且つ、駐車料金や駐車時間を割引くためのサービスポイント情報がメモリに記録されているキータグを装着する嵌込室を設けて、ＩＣタグ認証機に設けた上記入力指示部の指示に従って、上記装着部に装着した駐車用ＩＣタグのメモリに対して、上記嵌込室に装着されているキータグのメモリに記録されているサービスポイント情報を転記すると共に、この転記したサービスポイント情報に相応するポイントを上記キータグのメモリから減ずるように構成したことを特徴としている。
【０００７】
（２） また、本発明では前記請求項２に記載の如く、駐車料金や駐車時間を割引くためのサービス情報又はサ−ビスポイント情報をメモリに書き込んだ駐車用ＩＣタグが料金精算機に挿入されると、駐車料金精算機は上記のサービス情報又はサ−ビスポイント情報に見合った料金精算サービスを行って、車輌の出庫を許可する一方、上記の駐車料金精算機は、上記サービス情報によって割引かれた掛け売り料金を、サ−ビス情報を書込み処理したテナント店毎に集計して、この集計データを駐車場オーナー又は管理者に通知するように構成したことを特徴としている。
【０００８】
上記（１）で述べた手段によれば、利用客が入庫時に受け取る駐車券として、ＩＣメモリに対するデータのリード・ライトを非接触で行うＩＣタグを使用し、構造的に丈夫で繰返し使用可能なリサイクル機能を備え、且つ、多くの情報をリード・ライトすることができるため、入庫情報に加えて各種のサービス情報を書込み可能であると共に、各テナント店等に設置して駐車サービスに使用するＩＣタグ認証機は、装着部に駐車用ＩＣタグを装着して入力指示部を操作するだけで、非接触にて駐車用ＩＣタグのメモリに対して、駐車料金や駐車時間をサービスする駐車サービス情報を書込むことができるため、利用客が持参した駐車用ＩＣタグに対して極めて簡単に且つ正確に駐車サービス情報を記録することを可能にする。
【０００９】
また上記（１）で述べた手段によれば、ＩＣタグ認証機のメモリに格納されている駐車サービス情報を、割引き入力指示部の操作に従って、装着部に装着された駐車用ＩＣタグのメモリに対して、掛売り方式にて書込むことができると共に、テナント店が割引き入力指示部の操作によって異なる種類（異なる駐車料金や駐車時間）のサービス情報を、駐車用ＩＣタグのメモリに書込むことができるため、利用客の消費金額や利用状況に応じた駐車サービスを提供することを可能にする。
【００１０】
更に上記（１）で述べた手段によれば、上記の駐車サ−ビスを、上記の掛売り方式に加えて、各テナント店に設置したＩＣタグ認証機に対して、駐車場オーナーや管理会社等から予め購入したキータグをセットし、各テナント店を訪れた利用客の駐車用ＩＣタグのメモリに対して、このキータグに格納されているサービスポイント情報を転記すると共に、サービスポイント情報を駐車用ＩＣタグに転記する度に、それに見合ったサービスポイント情報がキータグから減じられるように構成したサ−ビスポイント方式によっても行うことができるため、駐車場オーナー等とテナント店等の間の料金精算処理を簡単、且つ、明瞭にすることを可能にする。
【００１１】
上記（２）で述べた手段によれば、テナント店がＩＣタグ認証機を用いて駐車用ＩＣタグのメモリにサ−ビス情報を書込むことにより、利用客に対して駐車料金や駐車時間のサービスを行う場合は、駐車料金精算機が各テナント店毎に駐車サービスの内容を集計して、この集計内容を駐車場オーナー又は管理会社へ通知し、後日、各テナント店毎にそのサービス料金の精算を行う掛売り方式を採用しているため、各テナント店がいちいちサービス料金を計算及び集計する必要がなく、掛け売り料金の精算を極めて簡単に、且つ、正確に行うことができる。また、キータグを使用して駐車サービスを行う場合は、各テナント店が駐車場オーナーや管理会社から予め購入したサービスポイント入力済みのキータグを使用するサ−ビスポイント方式を採用しているため、サービス料金を精算する手間を無くして、テナント店や駐車場オーナー又は管理会社の負担を少くすることを可能にする。
【００１２】
以上述べた次第で、上記（１）と（２）で述べた各手段によって、上述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の問題点を解消することができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るＩＣタグを利用した駐車券用認証システムの実施の形態を図面と共に説明すると、図１は本発明の概要を説明した構成図であって、図中、Ｐは駐車場、Ａは駐車場Ｐの入庫口に設けた駐車券発行機、Ｃは駐車場Ｐの出庫口に設けた駐車料金精算機、Ｒは駐車場Ｐと契約関係にあるテナント店、ＰＸは駐車場Ｐのオーナーは又は管理会社（以下単にオーナーと言う）であって、駐車場利用者Ｂは、車輌を入庫させる時に駐車券発行機Ａから入庫時刻を記録した駐車用ＩＣタグＰＴを受け取る仕組に成っている。
【００１４】
駐車用ＩＣタグＰＴは、小片状（図２参照）又はコイン状に形成したタグにＩＣ素子を埋め込んだものであって、単に駐車場Ｐのみを利用する利用客の場合は、出庫時にこの駐車用ＩＣタグＰＴを出庫口に設けた駐車料金精算機Ｃに投入することにより、入庫時刻から駐車料金が算出され、この駐車料金の精算を済ませると、出口ゲート（図示省略）が開いて車輌の出庫を可能とするが、本発明では、利用者Ｂが上記駐車場Ｐと契約関係にあるテナント店Ｒで買物等をした場合に、この買物等に見合った駐車料金又は駐車時間にサービスを受けることができるように構成されている。
【００１５】
更に、図中、１は上記テナント店Ｒに設置したＩＣタグ認証機で、駐車場利用者Ｂが持参した駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに対して、このＩＣタグ認証機１が駐車料金又は駐車時間をサービスするサービス情報を書き込み、出庫時にこの認証済み駐車用ＩＣタグＮＴを駐車料金精算機Ｃに投入すると、書き込まれているサービス情報に相応する料金を割引いた駐車料金が算出・表示され、次いで、この料金を精算することによって車輌を出庫することができる仕組に成っている。
【００１６】
上述したＩＣタグ認証機１が駐車用ＩＣタグＰＴにサービス情報を書込む方式には、ＩＣタグ認証機１が駐車用ＩＣタグＰＴのメモリにサービス情報を書込む掛け売り方式と、ラインＥ２に示すように事前にテナント店Ｒが駐車場オーナーＰＸから購入した割引サービスポイント記録済みのキータグＫＴ（図２参照）を、上述したＩＣタグ認証機１にセットしておいて、駐車用ＩＣタグＰＴがＩＣタグ認証機１に装填される度に、上記の割引サービスポイントを駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに転記し、また、この転記したサービスポイントを上記のキータグＫＴからその都度減じるように構成したサービスポイント方式が存在する。
【００１７】
尚、図１に於いてＤは駐車場オーナーＰＸ側の駐車場管理室（コンピュータの如き駐車場管理装置）、Ｅはこの駐車場管理室Ｄの管理下で、その指令に従って上記のキータグＫＴに駐車サービスポイントを書込むためのキータグ書込機を示し、更に、Ｆ１は上述した掛売り方式の実施に当って、駐車料金精算機Ｃが、認証済み駐車用ＩＣタグＮＴに書き込まれているサービス情報、即ち、掛売りしたサービス駐車料金を各テナント店Ｒ毎に集計して、これを駐車場管理室Ｄに送る集計ラインで、駐車場管理室Ｄは後日この集計したサービス駐車料金（掛売料金）を請求ラインＦ２、又は、郵便等を用いてテナント店Ｒに請求する仕組に成っている。
【００１８】
図２（イ）図は上記ＩＣタグ認証機１の斜視図、同（ロ）図はその側断面図であって、これ等の図面に於いて２は駐車用ＩＣタグＰＴを挿入する装着部、９はこの装着部２の内側に沿わせて設けた読取り書込みモジュール、３は掛売データ書込スイッチ、４はサービスポイント書込スイッチ、５は内容確認スイッチ、３Ａ，３Ｂ，３Ｃは掛売データの設定値を種々選択できる選択スイッチ、６は表示器、７と８はＯＫ用とエラー用のランプ、１０はＣＰＵやメモリ、或は、上述した各スイッチ３〜３Ｃや表示部６、及び、ランプ６，７を接続したプリント基板を示す。
【００１９】
更に図中、１Ａは上記ＩＣタグ認証機１内の読取り書込みモジュール９の一側面（装着部２とは反対側の側面）に沿わせて設けたキータグＫＴ用の嵌込室、１Ａ′はこの嵌込室１Ａの蓋板で、キータグＫＴはこの蓋板１Ａ′を取外すことによって嵌込室１Ａに対して着脱自在に構成されている。
【００２０】
図３は、上記ＩＣタグ認証機１の電気的構成を説明したブロック図で、図中、２０はＣＰＵ、２１はシステムフログラムを格納したメモリ、２３はこれ等ＣＰＵ２０とメモリ２１の間にバス２２を介して接続したインターフエイスで、このインターフエイス２３には、前述した選択スイッチ３Ａ，３Ｂ，３Ｃを含む掛売データ書込スイッチ３と、サービスポイント書込スイッチと、内容確認スイッチ５と、表示器６と、ＯＫとエラーの各ランプ７，８と、発音装置１１が接続され、更に、プロトコル変換器２４を介してエンコーダ２５、変調器２６、アンテナ２７、デコーダ２８から成る読取り書込みモジユール９が接続されていて、夫々がＣＰＵ２０の監視下でメモリ２１に格納したシステムプログラムに従って制御作動される仕組に成っている。
【００２１】
上記の各スイッチのうち、選択スイッチ３Ａ，３Ｂ，３Ｃを含む掛売データ書込スイッチ３は、装着部２に装着された駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに対して、テナント店Ｎｏ．や割引データ等から成る掛売データを書込む時に使用する。また、サービスポイント書込スイッチ４は、装着部２に装着した駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに対して、嵌込室１Ａに嵌込んだキータグＫＴのサービスポイントを転記する時に使用する。更に、内容確認スイッチ５は、装着部２に装着された駐車用ＩＣタグＰＴと、嵌込室１Ａに嵌込んだキータグＫＴの適・不適や、書込みデータを、表示器６に表示して確認する時に使用するものである。
【００２２】
図４は、上記駐車用ＩＣタグＰＴ及びキータグＫＴの各電気的構成を、便宜的に一つの図面にまとめて説明したブロック図であって、図中、３０は中央演算装置、３１は暗号化ブロック、３２はメモリ、３３はパワーコントロールブロック、３４は上述した読取り書込みモジュール９を介してＩＣタグ認証機１と非接触で各種データの読み書きを行うアンテナ、３５はエンコーダ、３６は変調器、３７はデコーダで、キータグＫＴのメモリ３２には、図５（イ）図に示した内容のキータグデータフオーマットが構成され、また、駐車用ＩＣタグＰＴのメモリ３２には、図５（ロ）図に示した内容の駐車タグデータフオーマットが構成されている。
【００２３】
尚、図５（イ）図に示したキータグデータフオーマットに於いて、ブロックＮｏ．２の「データＩＤ」は、キータグＫＴの種別を示すものであり、また、ブロックＮｏ．５と６の「サービスポイント」と「サービスポイントの有効期限」は、サービスポイント方式の場合に利用されるものである。また、図５（ロ）図に示した駐車タグデータフオーマットに於いて、ブロックＮｏ．５の「有効ブロック」はＮｏ．１〜Ｎｏ．１８の各ブロックのうち、使用するブロックを指定して速くリード・ライトする場合に使用し、ブロックＮｏ．６の「データＩＤ」は駐車用ＩＣタグＰＴの種別を示すものであり、ブロックＮｏ．７の「駐車場Ｎｏ．」は、利用可能な駐車場のＮｏ．を示し、更に、ブロックＮｏ．１３と１４の 「掛売店Ｎｏ．」と「サービス店Ｎｏ．」は、複数のテナント店で駐車サービスを受けた場合に、その掛売データ及びサービスポイントデータをテナント店別に格納する場合に使用するものであり、また、ブロックＮｏ．１５と１６の「積算時刻」と「出庫時刻」は、駐車料金精算機Ｃを出庫口以外の場所に設置して料金の精算を行う「セントラルペイ方式」の場合に使用するものである。
【００２４】
本発明に係るＩＣタグを利用した駐車券用認証システムは以上述べた如き構成であるが、次に、その動作を図６乃至図９に示したフローチヤートに従って説明すると、図６はキータグＫＴのメモリ３２に格納されているデータをチエックする場合の処理手順を示したものであって、ステップＳ１でＩＣタグ認証機１の嵌込室１Ａに駐車場オーナーＰＸから購入したキータグＫＴを嵌込み、次いで、ステップＳ２で内容確認スイッチ５をＯＮすると、ステップＳ３からステップＳ１２の各処理が行われて、特に、ステップＳ７とステップＳ９に於いて、サービスポイント残数と、サービスポイント有効期限を夫々表示器６に表示することができる。
【００２５】
また、図７は駐車用ＩＣタグＰＴのメモリ３２に格納されているデータをチエックする場合の処理手順を示したものであって、ステップＳ２０でＩＣタグ認証機１の装着部２に対して、利用客が入庫時に受け取った入庫時刻記録済み駐車用ＩＣタグＰＴを装着し、次いで、ステップＳ２１で内容確認スイッチ５をＯＮすると、ステップＳ２２からステップＳ２９の各処理が行われて、特に、ステップＳ２４とステップＳ２６に於いて、入庫時刻と掛売情報が夫々表示器６に表示される。
【００２６】
次に、図８は上記の駐車用ＩＣタグＰＴをＩＣタグ認証機１の装着部２に装着して、掛売データ（サービス情報）を書込む掛売り方式の処理手順を説明したものであって、ステップＳ３０で上記の如く駐車用ＩＣタグＰＴを装着部２に装着（挿入）し、次いで、ステップＳ３１で掛売デター書込スイッチ３をＯＮし、且つ、購入額等に応じて選択スイッチ３Ａ〜３Ｃのいずれかを選択してＯＮすると、ステップＳ３２からステップＳ４０の各処理が行われて、特に、ステップＳ３５に於いて、上記選択スイッチ３Ａ〜３Ｃのスイッチ操作に応じた掛売データ（サービス情報）が、駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに書き込まれる仕組に成っている。
【００２７】
更に図９は、上記の駐車用ＩＣタグＰＴをＩＣタグ認証機１の装着部２に装着して、この駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに、同じくＩＣタグ認証機１の嵌込室１Ａに嵌込んだキータグＫＴからサービスポイントを転記するサービスポイント方式の処理手順を説明したものであって、ステップＳ４１で駐車用ＩＣタグＰＴを上記の装着部２に装着し、次いで、ステップＳ４２でサービスポイント書込みスイッチ４をＯＮすると、ステップＳ４３からステップＳ５４の各処理が行われて、特に、ステップＳ４６に於いて駐車用ＩＣタグＰＴのメモリにサービスポイントが転記され、更に、ステップＳ４８に於いて、キータグＫＴのメモリから上記転記した分のサービスポイントが減じられる仕組に成っている。
【００２８】
尚、上述したフローチヤートでは１軒のテナント店Ｒで１回の認証を行うこと、即ち、掛売データの書込み或はサービスポイントの転記を１回行うことが記載されているが、駐車用ＩＣタグＰＴのメモリは容量が多いため、掛売データ或はサービスポイントの書込みと転記を２回以上の複数回行うことによって、割引率を大きくすることが可能であり、更に、１度掛売データ或はサービスポイントの書込み及び転記を済ませた駐車用ＩＣタグＰＴに、別のテナント店Ｒで掛売データ及びサービスポイントの追加書込みと転記を行うことも可能である。
【００２９】
【発明の効果】
以上述べた次第で、本発明に係るＩＣタグを利用した駐車券用認証システムによれば、駐車券として非接触にて掛売データやサービスポイントの書込みと転記を行うことができ、且つ、大量のデータ処理を可能にしたＩＣタグを使用しているため、利用客に充分なサービスを提供でき、また、駐車券のリサイクルを可能にする利便性と経済性を備えると共に、駐車用ＩＣタグに書き込まれた掛売データ（サービス情報）は、駐車料金精算機がテナント店毎にまとめて駐車場オーナー又は管理会社側に通知する一方、サービスポイントの転記は予め駐車場オーナー又は管理会社から購入したキータグを使用するため、各テナント店等と駐車場オーナー及び管理会社との間の料金精算処理を簡単に、且つ、明確に行うことができるものであって、駐車場と契約関係にあるテナント店等の利用客に対して、駐車料金や駐車時間をサービスする場合に用いて洵に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るＩＣタグを利用した駐車券用認証システムの概要を説明した構成図である。
【図２】（イ）図は本発明で用いるＩＣタグ認証機と駐車用ＩＣタグの外観を示した斜視図で、（ロ）図はＩＣタグ認証機の側断面図である。
【図３】ＩＣタグ認証機の電気的構成を説明したブロック図である。
【図４】駐車用ＩＣタグとキータグの電気的構成を説明したブロック図である。
【図５】（イ）図はキータグのデータフオーマットで、（ロ）図は駐車用ＩＣタグのデータフオーマットである。
【図６】キータグに書込まれているデータをチエックする場合の処理手順を説明したフローチヤートである。
【図７】駐車用ＩＣタグに書込まれているデータをチエックする場合の処理手順を説明したフローチヤートである。
【図８】駐車用ＩＣタグに掛売データ（サービス情報）を書込む掛売り方式の処理手順を説明したフローチヤートである。
【図９】駐車用ＩＣタグにキータグのサービスポイントを転記するサービスポイント方式の処理手順を説明したフローチヤートである。
【符号の説明】
Ａ 駐車券発行機
Ｃ 駐車料金精算機
Ｐ 駐車場
Ｒ テナント店
ＰＸ 駐車場オーナー又は管理会社
ＰＴ 駐車用ＩＣタグ
ＫＴ キータグ
１ ＩＣタグ認証機
１Ａ 嵌込室
２ 装着部
３ 掛売データ書込スイッチ
４ サービスポイント書込スイッチ
５ 内容確認スイッチ
６ 表示器
９ 読取り書込みモジュール
【発明の属する技術分野】
本発明は、駐車場と契約関係にある各種テナント店等を利用した利用客が、上記の駐車場を利用した場合に、利用客が入庫時に受け取った駐車券に対して、駐車料金や駐車時間をサービスするためのサービス情報を記録できるように工夫したＩＣタグを利用した駐車券用認証システムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
駐車料金や駐車時間をサービスするためのシステムに関しては、従来より、例えば特開昭６１−９８０９号公報に開示されている「磁気コード作成機」や、特開昭６１−９８８２号公報に開示されている「磁気カード」に見られるように、磁気カード（駐車券）に対してサービスコードを書込み、このサービスコードによって各種の駐車サービスをうけることができるように構成したものが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の駐車サービスシステムは、いずれも記録媒体として紙製又はプラスチック製の磁気カードを使用していて、磁気ヘッドをカードの磁気ストライプに直接接触させて情報のリード・ライトを行うため、痛みやすくて再利用が難しく、従って、多数の磁気カードが使い捨て状態になる結果、トータル的にコストが嵩んでしまう問題があり、また、磁気カードに記録するデータ量が少いため、限られたデータしかリード・ライトすることができず、各種のサービス情報を充分に提供できない問題もあった。
【０００４】
加えて、利用客に駐車サービスを提供した各テナント店が掛売りした駐車場サービス料金を、駐車場オーナーや管理会社等に対して精算する場合も、その精算を自動化する設備や装置が未だ不充分であるため、精算に手間取ったり、精算を間違える問題が多く発生していた。
【０００５】
従って本発明の技術的課題は、構造的に丈夫で繰返し再使用することができ、且つ、多くのサービス情報を非接触にて素早く正確にリード・ライトすることができる駐車券を使用して、利用客に対して駐車料金や駐車時間のサービスを安定した状態で、適格に提供できると共に、サービスを提供した各テナントが駐車場オーナーや管理会社等に対して支払うサービス料金（掛売り料金）の精算も、手軽に且つ正確に済ませることができるように工夫したＩＣタグを利用した駐車券用認証システムを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
（１） 上記の技術的課題を解決するために、本発明では前記請求項１に記載の如く、駐車場を利用した利用客が所持する駐車券に対して、駐車料金や駐車時間を割引くための駐車サービス情報を記録する駐車券用認証システムであって、入場時刻を記録した駐車用ＩＣタグと、上記駐車サービスが実施される各テナント店に設置されていて、上記駐車用ＩＣタグに対して駐車料金や駐車時間を割引くための駐車サービス情報を非接触で記録するＩＣタグ認証機とによって構成され、上記の駐車用ＩＣタグは、全体が小片状又はコイン状を成し、内部にはＣＰＵと、メモリと、外部からの電磁誘導によって作動してデータの受発信を行う信号受発信器を備えた構成と成し、上記のＩＣタグ認証機に、上記の駐車用ＩＣタグを装着する装着部と、駐車料金や駐車時間を割引くためのサービス情報を格納したメモリと、サービス情報の書込み入力を指示する入力指示部と、装着された駐車用ＩＣタグの信号受発信器と非接触でデータ通信を行って、上記入力指示部の指示に従って上記のメモリから必要なサ−ビス情報を選択し、この選択されたサービス情報を駐車用ＩＣタグのメモリに書込むためのデータ通信部とを設ける一方、上記のＩＣタグ認証機には、各テナント店によって駐車場オーナーや管理会社から予め購入され、且つ、駐車料金や駐車時間を割引くためのサービスポイント情報がメモリに記録されているキータグを装着する嵌込室を設けて、ＩＣタグ認証機に設けた上記入力指示部の指示に従って、上記装着部に装着した駐車用ＩＣタグのメモリに対して、上記嵌込室に装着されているキータグのメモリに記録されているサービスポイント情報を転記すると共に、この転記したサービスポイント情報に相応するポイントを上記キータグのメモリから減ずるように構成したことを特徴としている。
【０００７】
（２） また、本発明では前記請求項２に記載の如く、駐車料金や駐車時間を割引くためのサービス情報又はサ−ビスポイント情報をメモリに書き込んだ駐車用ＩＣタグが料金精算機に挿入されると、駐車料金精算機は上記のサービス情報又はサ−ビスポイント情報に見合った料金精算サービスを行って、車輌の出庫を許可する一方、上記の駐車料金精算機は、上記サービス情報によって割引かれた掛け売り料金を、サ−ビス情報を書込み処理したテナント店毎に集計して、この集計データを駐車場オーナー又は管理者に通知するように構成したことを特徴としている。
【０００８】
上記（１）で述べた手段によれば、利用客が入庫時に受け取る駐車券として、ＩＣメモリに対するデータのリード・ライトを非接触で行うＩＣタグを使用し、構造的に丈夫で繰返し使用可能なリサイクル機能を備え、且つ、多くの情報をリード・ライトすることができるため、入庫情報に加えて各種のサービス情報を書込み可能であると共に、各テナント店等に設置して駐車サービスに使用するＩＣタグ認証機は、装着部に駐車用ＩＣタグを装着して入力指示部を操作するだけで、非接触にて駐車用ＩＣタグのメモリに対して、駐車料金や駐車時間をサービスする駐車サービス情報を書込むことができるため、利用客が持参した駐車用ＩＣタグに対して極めて簡単に且つ正確に駐車サービス情報を記録することを可能にする。
【０００９】
また上記（１）で述べた手段によれば、ＩＣタグ認証機のメモリに格納されている駐車サービス情報を、割引き入力指示部の操作に従って、装着部に装着された駐車用ＩＣタグのメモリに対して、掛売り方式にて書込むことができると共に、テナント店が割引き入力指示部の操作によって異なる種類（異なる駐車料金や駐車時間）のサービス情報を、駐車用ＩＣタグのメモリに書込むことができるため、利用客の消費金額や利用状況に応じた駐車サービスを提供することを可能にする。
【００１０】
更に上記（１）で述べた手段によれば、上記の駐車サ−ビスを、上記の掛売り方式に加えて、各テナント店に設置したＩＣタグ認証機に対して、駐車場オーナーや管理会社等から予め購入したキータグをセットし、各テナント店を訪れた利用客の駐車用ＩＣタグのメモリに対して、このキータグに格納されているサービスポイント情報を転記すると共に、サービスポイント情報を駐車用ＩＣタグに転記する度に、それに見合ったサービスポイント情報がキータグから減じられるように構成したサ−ビスポイント方式によっても行うことができるため、駐車場オーナー等とテナント店等の間の料金精算処理を簡単、且つ、明瞭にすることを可能にする。
【００１１】
上記（２）で述べた手段によれば、テナント店がＩＣタグ認証機を用いて駐車用ＩＣタグのメモリにサ−ビス情報を書込むことにより、利用客に対して駐車料金や駐車時間のサービスを行う場合は、駐車料金精算機が各テナント店毎に駐車サービスの内容を集計して、この集計内容を駐車場オーナー又は管理会社へ通知し、後日、各テナント店毎にそのサービス料金の精算を行う掛売り方式を採用しているため、各テナント店がいちいちサービス料金を計算及び集計する必要がなく、掛け売り料金の精算を極めて簡単に、且つ、正確に行うことができる。また、キータグを使用して駐車サービスを行う場合は、各テナント店が駐車場オーナーや管理会社から予め購入したサービスポイント入力済みのキータグを使用するサ−ビスポイント方式を採用しているため、サービス料金を精算する手間を無くして、テナント店や駐車場オーナー又は管理会社の負担を少くすることを可能にする。
【００１２】
以上述べた次第で、上記（１）と（２）で述べた各手段によって、上述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の問題点を解消することができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るＩＣタグを利用した駐車券用認証システムの実施の形態を図面と共に説明すると、図１は本発明の概要を説明した構成図であって、図中、Ｐは駐車場、Ａは駐車場Ｐの入庫口に設けた駐車券発行機、Ｃは駐車場Ｐの出庫口に設けた駐車料金精算機、Ｒは駐車場Ｐと契約関係にあるテナント店、ＰＸは駐車場Ｐのオーナーは又は管理会社（以下単にオーナーと言う）であって、駐車場利用者Ｂは、車輌を入庫させる時に駐車券発行機Ａから入庫時刻を記録した駐車用ＩＣタグＰＴを受け取る仕組に成っている。
【００１４】
駐車用ＩＣタグＰＴは、小片状（図２参照）又はコイン状に形成したタグにＩＣ素子を埋め込んだものであって、単に駐車場Ｐのみを利用する利用客の場合は、出庫時にこの駐車用ＩＣタグＰＴを出庫口に設けた駐車料金精算機Ｃに投入することにより、入庫時刻から駐車料金が算出され、この駐車料金の精算を済ませると、出口ゲート（図示省略）が開いて車輌の出庫を可能とするが、本発明では、利用者Ｂが上記駐車場Ｐと契約関係にあるテナント店Ｒで買物等をした場合に、この買物等に見合った駐車料金又は駐車時間にサービスを受けることができるように構成されている。
【００１５】
更に、図中、１は上記テナント店Ｒに設置したＩＣタグ認証機で、駐車場利用者Ｂが持参した駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに対して、このＩＣタグ認証機１が駐車料金又は駐車時間をサービスするサービス情報を書き込み、出庫時にこの認証済み駐車用ＩＣタグＮＴを駐車料金精算機Ｃに投入すると、書き込まれているサービス情報に相応する料金を割引いた駐車料金が算出・表示され、次いで、この料金を精算することによって車輌を出庫することができる仕組に成っている。
【００１６】
上述したＩＣタグ認証機１が駐車用ＩＣタグＰＴにサービス情報を書込む方式には、ＩＣタグ認証機１が駐車用ＩＣタグＰＴのメモリにサービス情報を書込む掛け売り方式と、ラインＥ２に示すように事前にテナント店Ｒが駐車場オーナーＰＸから購入した割引サービスポイント記録済みのキータグＫＴ（図２参照）を、上述したＩＣタグ認証機１にセットしておいて、駐車用ＩＣタグＰＴがＩＣタグ認証機１に装填される度に、上記の割引サービスポイントを駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに転記し、また、この転記したサービスポイントを上記のキータグＫＴからその都度減じるように構成したサービスポイント方式が存在する。
【００１７】
尚、図１に於いてＤは駐車場オーナーＰＸ側の駐車場管理室（コンピュータの如き駐車場管理装置）、Ｅはこの駐車場管理室Ｄの管理下で、その指令に従って上記のキータグＫＴに駐車サービスポイントを書込むためのキータグ書込機を示し、更に、Ｆ１は上述した掛売り方式の実施に当って、駐車料金精算機Ｃが、認証済み駐車用ＩＣタグＮＴに書き込まれているサービス情報、即ち、掛売りしたサービス駐車料金を各テナント店Ｒ毎に集計して、これを駐車場管理室Ｄに送る集計ラインで、駐車場管理室Ｄは後日この集計したサービス駐車料金（掛売料金）を請求ラインＦ２、又は、郵便等を用いてテナント店Ｒに請求する仕組に成っている。
【００１８】
図２（イ）図は上記ＩＣタグ認証機１の斜視図、同（ロ）図はその側断面図であって、これ等の図面に於いて２は駐車用ＩＣタグＰＴを挿入する装着部、９はこの装着部２の内側に沿わせて設けた読取り書込みモジュール、３は掛売データ書込スイッチ、４はサービスポイント書込スイッチ、５は内容確認スイッチ、３Ａ，３Ｂ，３Ｃは掛売データの設定値を種々選択できる選択スイッチ、６は表示器、７と８はＯＫ用とエラー用のランプ、１０はＣＰＵやメモリ、或は、上述した各スイッチ３〜３Ｃや表示部６、及び、ランプ６，７を接続したプリント基板を示す。
【００１９】
更に図中、１Ａは上記ＩＣタグ認証機１内の読取り書込みモジュール９の一側面（装着部２とは反対側の側面）に沿わせて設けたキータグＫＴ用の嵌込室、１Ａ′はこの嵌込室１Ａの蓋板で、キータグＫＴはこの蓋板１Ａ′を取外すことによって嵌込室１Ａに対して着脱自在に構成されている。
【００２０】
図３は、上記ＩＣタグ認証機１の電気的構成を説明したブロック図で、図中、２０はＣＰＵ、２１はシステムフログラムを格納したメモリ、２３はこれ等ＣＰＵ２０とメモリ２１の間にバス２２を介して接続したインターフエイスで、このインターフエイス２３には、前述した選択スイッチ３Ａ，３Ｂ，３Ｃを含む掛売データ書込スイッチ３と、サービスポイント書込スイッチと、内容確認スイッチ５と、表示器６と、ＯＫとエラーの各ランプ７，８と、発音装置１１が接続され、更に、プロトコル変換器２４を介してエンコーダ２５、変調器２６、アンテナ２７、デコーダ２８から成る読取り書込みモジユール９が接続されていて、夫々がＣＰＵ２０の監視下でメモリ２１に格納したシステムプログラムに従って制御作動される仕組に成っている。
【００２１】
上記の各スイッチのうち、選択スイッチ３Ａ，３Ｂ，３Ｃを含む掛売データ書込スイッチ３は、装着部２に装着された駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに対して、テナント店Ｎｏ．や割引データ等から成る掛売データを書込む時に使用する。また、サービスポイント書込スイッチ４は、装着部２に装着した駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに対して、嵌込室１Ａに嵌込んだキータグＫＴのサービスポイントを転記する時に使用する。更に、内容確認スイッチ５は、装着部２に装着された駐車用ＩＣタグＰＴと、嵌込室１Ａに嵌込んだキータグＫＴの適・不適や、書込みデータを、表示器６に表示して確認する時に使用するものである。
【００２２】
図４は、上記駐車用ＩＣタグＰＴ及びキータグＫＴの各電気的構成を、便宜的に一つの図面にまとめて説明したブロック図であって、図中、３０は中央演算装置、３１は暗号化ブロック、３２はメモリ、３３はパワーコントロールブロック、３４は上述した読取り書込みモジュール９を介してＩＣタグ認証機１と非接触で各種データの読み書きを行うアンテナ、３５はエンコーダ、３６は変調器、３７はデコーダで、キータグＫＴのメモリ３２には、図５（イ）図に示した内容のキータグデータフオーマットが構成され、また、駐車用ＩＣタグＰＴのメモリ３２には、図５（ロ）図に示した内容の駐車タグデータフオーマットが構成されている。
【００２３】
尚、図５（イ）図に示したキータグデータフオーマットに於いて、ブロックＮｏ．２の「データＩＤ」は、キータグＫＴの種別を示すものであり、また、ブロックＮｏ．５と６の「サービスポイント」と「サービスポイントの有効期限」は、サービスポイント方式の場合に利用されるものである。また、図５（ロ）図に示した駐車タグデータフオーマットに於いて、ブロックＮｏ．５の「有効ブロック」はＮｏ．１〜Ｎｏ．１８の各ブロックのうち、使用するブロックを指定して速くリード・ライトする場合に使用し、ブロックＮｏ．６の「データＩＤ」は駐車用ＩＣタグＰＴの種別を示すものであり、ブロックＮｏ．７の「駐車場Ｎｏ．」は、利用可能な駐車場のＮｏ．を示し、更に、ブロックＮｏ．１３と１４の 「掛売店Ｎｏ．」と「サービス店Ｎｏ．」は、複数のテナント店で駐車サービスを受けた場合に、その掛売データ及びサービスポイントデータをテナント店別に格納する場合に使用するものであり、また、ブロックＮｏ．１５と１６の「積算時刻」と「出庫時刻」は、駐車料金精算機Ｃを出庫口以外の場所に設置して料金の精算を行う「セントラルペイ方式」の場合に使用するものである。
【００２４】
本発明に係るＩＣタグを利用した駐車券用認証システムは以上述べた如き構成であるが、次に、その動作を図６乃至図９に示したフローチヤートに従って説明すると、図６はキータグＫＴのメモリ３２に格納されているデータをチエックする場合の処理手順を示したものであって、ステップＳ１でＩＣタグ認証機１の嵌込室１Ａに駐車場オーナーＰＸから購入したキータグＫＴを嵌込み、次いで、ステップＳ２で内容確認スイッチ５をＯＮすると、ステップＳ３からステップＳ１２の各処理が行われて、特に、ステップＳ７とステップＳ９に於いて、サービスポイント残数と、サービスポイント有効期限を夫々表示器６に表示することができる。
【００２５】
また、図７は駐車用ＩＣタグＰＴのメモリ３２に格納されているデータをチエックする場合の処理手順を示したものであって、ステップＳ２０でＩＣタグ認証機１の装着部２に対して、利用客が入庫時に受け取った入庫時刻記録済み駐車用ＩＣタグＰＴを装着し、次いで、ステップＳ２１で内容確認スイッチ５をＯＮすると、ステップＳ２２からステップＳ２９の各処理が行われて、特に、ステップＳ２４とステップＳ２６に於いて、入庫時刻と掛売情報が夫々表示器６に表示される。
【００２６】
次に、図８は上記の駐車用ＩＣタグＰＴをＩＣタグ認証機１の装着部２に装着して、掛売データ（サービス情報）を書込む掛売り方式の処理手順を説明したものであって、ステップＳ３０で上記の如く駐車用ＩＣタグＰＴを装着部２に装着（挿入）し、次いで、ステップＳ３１で掛売デター書込スイッチ３をＯＮし、且つ、購入額等に応じて選択スイッチ３Ａ〜３Ｃのいずれかを選択してＯＮすると、ステップＳ３２からステップＳ４０の各処理が行われて、特に、ステップＳ３５に於いて、上記選択スイッチ３Ａ〜３Ｃのスイッチ操作に応じた掛売データ（サービス情報）が、駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに書き込まれる仕組に成っている。
【００２７】
更に図９は、上記の駐車用ＩＣタグＰＴをＩＣタグ認証機１の装着部２に装着して、この駐車用ＩＣタグＰＴのメモリに、同じくＩＣタグ認証機１の嵌込室１Ａに嵌込んだキータグＫＴからサービスポイントを転記するサービスポイント方式の処理手順を説明したものであって、ステップＳ４１で駐車用ＩＣタグＰＴを上記の装着部２に装着し、次いで、ステップＳ４２でサービスポイント書込みスイッチ４をＯＮすると、ステップＳ４３からステップＳ５４の各処理が行われて、特に、ステップＳ４６に於いて駐車用ＩＣタグＰＴのメモリにサービスポイントが転記され、更に、ステップＳ４８に於いて、キータグＫＴのメモリから上記転記した分のサービスポイントが減じられる仕組に成っている。
【００２８】
尚、上述したフローチヤートでは１軒のテナント店Ｒで１回の認証を行うこと、即ち、掛売データの書込み或はサービスポイントの転記を１回行うことが記載されているが、駐車用ＩＣタグＰＴのメモリは容量が多いため、掛売データ或はサービスポイントの書込みと転記を２回以上の複数回行うことによって、割引率を大きくすることが可能であり、更に、１度掛売データ或はサービスポイントの書込み及び転記を済ませた駐車用ＩＣタグＰＴに、別のテナント店Ｒで掛売データ及びサービスポイントの追加書込みと転記を行うことも可能である。
【００２９】
【発明の効果】
以上述べた次第で、本発明に係るＩＣタグを利用した駐車券用認証システムによれば、駐車券として非接触にて掛売データやサービスポイントの書込みと転記を行うことができ、且つ、大量のデータ処理を可能にしたＩＣタグを使用しているため、利用客に充分なサービスを提供でき、また、駐車券のリサイクルを可能にする利便性と経済性を備えると共に、駐車用ＩＣタグに書き込まれた掛売データ（サービス情報）は、駐車料金精算機がテナント店毎にまとめて駐車場オーナー又は管理会社側に通知する一方、サービスポイントの転記は予め駐車場オーナー又は管理会社から購入したキータグを使用するため、各テナント店等と駐車場オーナー及び管理会社との間の料金精算処理を簡単に、且つ、明確に行うことができるものであって、駐車場と契約関係にあるテナント店等の利用客に対して、駐車料金や駐車時間をサービスする場合に用いて洵に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るＩＣタグを利用した駐車券用認証システムの概要を説明した構成図である。
【図２】（イ）図は本発明で用いるＩＣタグ認証機と駐車用ＩＣタグの外観を示した斜視図で、（ロ）図はＩＣタグ認証機の側断面図である。
【図３】ＩＣタグ認証機の電気的構成を説明したブロック図である。
【図４】駐車用ＩＣタグとキータグの電気的構成を説明したブロック図である。
【図５】（イ）図はキータグのデータフオーマットで、（ロ）図は駐車用ＩＣタグのデータフオーマットである。
【図６】キータグに書込まれているデータをチエックする場合の処理手順を説明したフローチヤートである。
【図７】駐車用ＩＣタグに書込まれているデータをチエックする場合の処理手順を説明したフローチヤートである。
【図８】駐車用ＩＣタグに掛売データ（サービス情報）を書込む掛売り方式の処理手順を説明したフローチヤートである。
【図９】駐車用ＩＣタグにキータグのサービスポイントを転記するサービスポイント方式の処理手順を説明したフローチヤートである。
【符号の説明】
Ａ 駐車券発行機
Ｃ 駐車料金精算機
Ｐ 駐車場
Ｒ テナント店
ＰＸ 駐車場オーナー又は管理会社
ＰＴ 駐車用ＩＣタグ
ＫＴ キータグ
１ ＩＣタグ認証機
１Ａ 嵌込室
２ 装着部
３ 掛売データ書込スイッチ
４ サービスポイント書込スイッチ
５ 内容確認スイッチ
６ 表示器
９ 読取り書込みモジュール
Claims (2)
- 駐車場を利用した利用客が所持する駐車券に対して、駐車料金や駐車時間を割引くための駐車サービス情報を記録する駐車券用認証システムであって、
入場時刻を記録した駐車用ＩＣタグと、上記駐車サービスが実施される各テナント店に設置されていて、上記駐車用ＩＣタグに対して駐車料金や駐車時間を割引くための駐車サービス情報を非接触で記録するＩＣタグ認証機とによって構成され、
上記の駐車用ＩＣタグは、全体が小片状又はコイン状を成し、内部にはＣＰＵと、メモリと、外部からの電磁誘導によって作動してデータの受発信を行う信号受発信器を備えた構成と成し、
上記のＩＣタグ認証機に、上記の駐車用ＩＣタグを装着する装着部と、駐車料金や駐車時間を割引くためのサービス情報を格納したメモリと、サービス情報の書込み入力を指示する入力指示部と、装着された駐車用ＩＣタグの信号受発信器と非接触でデータ通信を行って、上記入力指示部の指示に従って上記のメモリから必要なサ−ビス情報を選択し、この選択されたサービス情報を駐車用ＩＣタグのメモリに書込むためのデータ通信部とを設ける一方、
上記のＩＣタグ認証機には、各テナント店によって駐車場オーナーや管理会社から予め購入され、且つ、駐車料金や駐車時間を割引くためのサービスポイント情報がメモリに記録されているキータグを装着する嵌込室を設けて、ＩＣタグ認証機に設けた上記入力指示部の指示に従って、上記装着部に装着した駐車用ＩＣタグのメモリに対して、上記嵌込室に装着されているキータグのメモリに記録されているサービスポイント情報を転記すると共に、この転記したサービスポイント情報に相応するポイントを上記キータグのメモリから減ずるように構成したことを特徴とするＩＣタグを利用した駐車券用認証システム。 - 駐車料金や駐車時間を割引くためのサ−ビス情報又はサービスポイント情報をメモリに書き込んだ駐車用ＩＣタグが料金精算機に挿入されると、駐車料金精算機は上記のサービス情報又はサービスポイント情報に見合った料金精算サービスを行って、車輌の出庫を許可する一方、上記の駐車料金精算機は、上記サ−ビス情報によって割引かれた掛け売り料金を、サ−ビス情報を書込み処理したテナント店毎に集計して、この集計データを駐車場オーナー又は管理者に通知するように構成したことを特徴とする請求項１に記載のＩＣタグを利用した駐車券用認証システム。
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