JP3620536B2 - フロントパネル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録及び/又は再生装置の如き電子機器の外筐体の前面部分を構成するフロントパネル、及び、このフロントパネルを備えて構成された外筐体を有する記録及び/又は再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、いわゆる光ディスクプレーやの如き、記録媒体を使用して情報信号の記録及び/又は再生を行うように構成された記録及び/又は再生装置が提案されている。このような記録及び/又は再生装置は、前面部がフロントパネルにより構成された外筐体を有し、この外筐体内に、上記記録媒体に対する情報信号の記録及び/又は再生を行う記録及び/又は再生部が配設されて構成されている。上記記録媒体としては、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク等の記録ディスクや、テープカセットとして構成された記録テープが用いられる。
【0003】
上記フロントパネルには、上記記録媒体が挿通されてこの記録媒体の上記外筐体内に対する出入操作を可能となす開口部が形成されている。この開口部は、上記記録媒体の形状に対応されて、例えば、横長のスリット状の形状を有して形成されている。そして、この開口部は、上記記録媒体が挿通されるときの他、すなわち、上記記録及び/又は再生装置が非使用状態であるとき、及び、該記録媒体の上記記録及び/又は再生部への装着が完了された後においては、蓋部材により開蓋されるようになされている。この蓋部材は、上記開口部を閉蓋することにより、上記外筐体内への塵挨の侵入や、該外筐体内に手指等が不用意に進入されることによる上記記録及び/又は再生部の破損の如き不測の事故を防止するものである。
【0004】
上記蓋部材は、上記フロントパネルにおいて、回動可能に、あるいは、スライド可能に取り付けられ、移動操作されることにより、上記開口部を開閉蓋する。
【0005】
ところで、上記フロントパネルの前面部には、上記記録及び/又は再生部を操作するための種々の操作釦が配設されている。
【0006】
【特許文献1】
実開平3−242856号公報
【特許文献2】
実開平5−166267号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようなフロントパネルを有する記録及び/又は再生装置においては、上記記録媒体の大きさに対応して上記開口部の大きさが大きくなると、この開口部に対応して上記蓋部材の大きさも大きくなる。この蓋部材をスライド可能に支持する場合においては、この蓋部材のスライド可能なストロークは、少なくともこの蓋部材の幅より大きくしなければならない。したがって、この蓋部材の大きさが大きくなると、スライドストロークが大きくなり、この蓋部材を支持する部材の該蓋部材のスライド方向の長さが拡大して、上記外筐体内に収納できなくなってしまう。したがって、上記蓋部材が大型化すると、上記スライドストロークを拡大することができない。
【0008】
また、上記蓋部材を回動可能に支持する場合にあっても、この蓋部材が大型化すると、この蓋部材が回動されたときの前方側、あるいは、上記外筐体の内方側への、この蓋部材の突出量が大きくなってしまい、上記操作釦に対する操作が円滑に行えなくなる。
【0009】
そして、上記記録及び/又は再生装置においては、動作モードの多様化に伴い、特定の動作モードを選択した場合にしか使用しない操作釦が多くなっている。また、近年、リモートコントローラ(遠隔操作装置)の機能の向上により、上記記録及び/又は再生部に対する種々の操作は、上記フロントパネル上に配設された操作釦を使用せずとも行えるようになっている。このように、上記操作釦は、上記記録及び/又は再生装置の通常の使用状態においては使用されないものが多いので、むしろ、美観上の障害、すなわち、該記録及び/又は再生装置のフロントパネルのデザインの自由度を阻害するものとなっている。
【0010】
そこで、上記記録及び/又は再生装置においては、上記蓋部材は、上記開口部を開閉蓋するためのみならず、通常使用されない操作釦を覆って隠すための部材として使用されている。ところが、上記蓋部材は、上記開口部のみならず、上記操作釦をも覆い得るように構成すると、蓋開口部よりも大きなものとなってしまい、スライドストロークを拡大することができなくなってしまう。
【0011】
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、記録媒体が挿通される開口が大型化してこの開口部を開閉する蓋部材を大型化した場合にあっても、装置構成を大型化することなく、この蓋部材を充分なストロークを有してスライド可能に支持することができるようになされたフロントパネルを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し上記目的を達成するため、本発明に係るフロントパネルは、記録媒体が挿通操作される開口部を有するパネル部と、このパネル部に対してスライド可能に支持されスライド操作されることにより上記開口部を開閉蓋する蓋部材と、回転駆動手段により回転操作される回転体カムと、この回転体カムに倣って移動操作され上記蓋部材をスライド操作する伝達機構とを備え、上記回転体カムは、上記蓋部材を上記開口部を閉蓋する閉位置となす初期位置より該蓋部材を該開口部を開蓋させる開位置となす開蓋位置に亘って一方の回転方向に形成された第1のカム部と、該初期位置より該開蓋位置に亘って他方の回転方向に形成された第2のカム部とを有し、上記伝達機構を該第1のカム部に倣わせる方向に回転操作されたときには、該蓋部材を第1の移動履歴を経させて開蓋操作し、該伝達機構を該第2のカム部に倣わせる方向に回転操作されたときには、該蓋部材を第2の移動履歴を経させて開蓋操作してなるものである。
【0013】
そして、本発明は、上記のフロントパネルにおいて、上記回転体カムに形成された第3のカム部に倣って移動操作されるストッパ部材を設け、このストッパ部材は、上記回転体カムが初期位置にあるときには、蓋部材が開位置にスライドされることを阻止する初期位置となされ、該回転体カムが回転操作されて該蓋部材をスライドさせるときには、上記第3のカム部に倣って、該蓋部材のスライド軌跡から退避した位置に移動されることとしたものである。
【0014】
さらに、本発明は、上記のフロントパネルにおいて、上記ストッパ部材が初期位置にあることを検出する検出スイッチを設けたものである。
【0015】
本発明に係るフロントパネルにおいては、回転駆動手段により回転操作される回転体カムは、パネル部にスライド可能に支持された蓋部材をこのパネル部の開口部を閉蓋する閉位置となす初期位置より該蓋部材を該開口部を開蓋させる開位置となす開蓋位置に亘って一方の回転方向に形成された第1のカム部と、該初期位置より該開蓋位置に亘って他方の回転方向に形成された第2のカム部とを有し、この回転体カムに倣って移動操作され該蓋部材をスライド操作する伝達機構を該第1のカム部に倣わせる方向に回転操作されたときには、該蓋部材を第1の移動履歴を経させて開蓋操作し、該伝達機構を該第2のカム部に倣わせる方向に回転操作されたときには、該蓋部材を第2の移動履歴を経させて開蓋操作するので、回転方向を選択されて回転操作されることにより、上記蓋部材を2種類の移動履歴のいずれかを経させてスライド操作する。
【0016】
そして、上記フロントパネルにおいて、上記回転体カムに形成された第3のカム部に倣って移動操作されるストッパ部材を設け、このストッパ部材は、上記回転体カムが初期位置にあるときには、蓋部材が開位置にスライドされることを阻止する初期位置となされ、該回転体カムが回転操作されて該蓋部材をスライドさせるときには、上記第3のカム部に倣って、該蓋部材のスライド軌跡から退避した位置に移動されることとした場合には、上記蓋部材は、上記回転体カムが回転操作されない状態においては、外力により上記開位置にスライドされることがない。
【0017】
さらに、上記フロントパネルにおいて、上記ストッパ部材が初期位置にあることを検出する検出スイッチを設けた場合には、上記回転体カムが上記開蓋位置に回転して上記蓋部材が上記開位置にスライドされた後、この回転体カムが上記初期位置に復帰したとき、該蓋部材が外力により上記閉位置への復帰を阻止されている場合には、該蓋部材が該閉位置に復帰していないことを検出することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0019】
本発明に係るフロントパネルは、図2及び図3に示すように、記録及び/又は再生装置の外筐体100の前面側部分を構成するものである。この例は、記録及び/又は再生装置を、情報信号として映像信号及び音声信号が記録された光学式のビデオディスクを記録媒体として用いてこのビデオディスクの再生を行うディスクプレーヤとして構成した例である。このビデオディスクは、透明な合成樹脂材料よりなる円盤状のディスク基板と、このディスク基板に被着形成された金属材料よりなる反射層とを有して構成されている。上記ディスク基板には、射出成形の如き手段により、情報信号に対応した微細凹凸(ピット)が形成されている。また、このビデオディスクの中心部には、チャッキング用の円形透孔が穿設されている。
【0020】
〔ディスクプレーヤの概要〕
このディスクプレーヤは、図2に示すように、上記外筐体100の底面部に配設される図示しないメインシャーシ上に、駆動軸を上方側に向けて配設されたスピンドルモータ95を有している。このスピンドルモータ95の駆動軸には、上記ビデオディスク201の中心部を保持するディスクテーブル94が取り付けられている。すなわち、このディスクプレーヤ装置において、上記ビデオディスク201は、中心部の円形透孔の周辺部を上記ディスクテーブル94により保持された状態で、このディスクテーブル94とともに、上記スピンドルモータ95により回転操作される。上記メインシャーシ上には、ガイドシャフト98,99により移動可能に支持された光学ピックアップ装置96が配設されている。この光学ピックアップ装置96は、対物レンズ97を有し、この対物レンズ97を上記ディスクテーブル94上に保持されたビデオディスク201に対向させて支持されている。この光学ピックアップ装置96は、上記各ガイドシャフト98,99に沿い、上記対物レンズ97を上記ビデオディスク201に対向させた状態で、このビデオディスク201の内外周に亘って移動操作可能となされている。
【0021】
上記光学ピックアップ装置96は、上記対物レンズ97より光束を射出し、この光束を上記ビデオディスク201に照射し、この光束の該ビデオディスク201よりの反射光束を検出することにより、該ビデオディスク201に記録された情報信号の読み出しを行うように構成されている。
【0022】
そして、このディスクプレーヤは、上記外筐体100内に、上記ビデオディスク201が載置されてこのビデオディスク201を搬送するディスクトレイ91を有している。このディスクトレイ91は、合成樹脂の如き材料により、略々矩形の平板状に形成され、上面部に上記ビデオディスク201に対応する円形凹部92を有している。上記ビデオディスク201は、上記円形凹部92内に嵌入されて、外周縁部を支持されて、このディスクトレイ91上に載置される。また、このディスクトレイ91は、略々中央部より後縁部に亘って、上記ディスクテーブル94及び上記光学ピックアップ装置96が挿通されるための切り欠き部93を有している。このディスクトレイ91は、上記外筐体100内に収納され中央部を上記ディスクテーブル94に対応させる図2に示すローディング位置と、後述するフロントパネルの開口部54を介して該外筐体100の前方側に突出される図3に示すアンローディング位置とに亘って、図3中矢印Aで示すように、前後方向に移動操作可能に配設されている。
【0023】
上記ディスクトレイ91は、上記アンローディング位置となされているときに、上記円形凹部92内への上記ビデオディスク201の載置及び取り出しが可能となされている。そして、このディスクトレイ91は、上記アンローディング位置にあるときに上記円形凹部92内に上記ビデオディスク201を載置された後、上記ローディング位置に移動操作されることによって、該円形凹部92内に載置されているビデオディスク201を上記ディスクテーブル94の上方側位置となす。上記ディスクトレイ91が上記ローディング位置に至ると、上記ディスクテーブル94は、上記スピンドルモータ95とともに、上方側に移動操作される。すると、上記ディスクテーブル94は、上記ビデオディスク201をこのディスクテーブル94上に装着させるとともに、このビデオディスク201を上記ディスクトレイ91より離間させる上方側に移動させ、このビデオディスク201を該ディスクトレイ91に当接しない位置にて保持する。そして、上記ビデオディスク201は、上記ディスクトレイ91に当接することなく、上記スピンドルモータ95により回転操作される。
【0024】
このディスクプレーヤにおいては、上記ビデオディスク201が上記ディスクテーブル94に装着されて上記スピンドルモータ95により回転操作されることにより、上記光学ピックアップ装置96による該ビデオディスク201よりの情報信号の読み出しが行われる。上記ビデオディスク201より読み出された情報信号は、このディスクプレーヤの有する信号処理回路により信号処理され、再生信号として出力される。
【0025】
このディスクプレーヤは、第1の動作モードと第2の動作モードとを選択的に実行できるように構成されている。第1の動作モードであるノーマルモードにおいては、上記ビデオディスクの再生を行う。そして、上記第2の動作モードであるカラオケモードにおいては、上記ビデオディスクを再生するとともに、このビデオディスクより再生された音声信号とこのディスクプレーヤに接続されたマイクロホンより入力された音声信号とをミキシングして出力する。また、このカラオケモードにおいては、再生音声信号の音程を可変調整することができる。
【0026】
また、このディスクプレーヤにおける種々の動作の実行は、上記外筐体100内に配設された制御手段となる制御回路による制御に従ってなされる。
【0027】
〔フロントパネルの構成〕
そして、本発明に係るフロントパネルは、図1に示すように、上記メインシャーシの前端側部分に取り付けられるフロントシャーシ1を有して構成される。このフロントシャーシ1は、金属板の如き材料が折り曲げ形成されることにより、横長矩形状の前面部分と、この前面部分の上下縁部及び左右側縁部より後方側に屈曲形成された枠部とを有して形成されている。このフロントパネル1は、上記枠部の下側部分を上記メインシャーシに取り付けられ、このメインシャーシ上に上記前面部分を立設させるようにして支持される。
【0028】
上記フロントシャーシ1の前面部分には、上記ディスクトレイ91が挿通するための開口部7が開設されている。この開口部7は、上記ディスクトレイ91の前端面部に対応して、横長の略々矩形形状に形成されている。そして、このフロントシャーシ1の枠部には、複数の掛止突起6が形成されている。この掛止突起6は、このフロントシャーシ1に対して、パネル部2を掛止させるためのものである。
【0029】
上記パネル部2は、合成樹脂の如き材料により、上記フロントシャーシ1の前面部分に略々対応する前板部と、該フロントシャーシ1の枠部に略々対応する枠部とを有して、一体的に形成されている。すなわち、このパネル部2は、上記フロントシャーシ1に取り付けられることにより、このフロントシャーシ1の前面側及び上記枠部の周囲部を覆うように形成されている。このパネル部2は、上記枠部の後端縁部分に、後方側に向けて突設され上記各掛止突起6に対応する複数の被掛止爪5を有している。このパネル部2は、図8及び図9に示すように、上記各被掛止爪5を上記各掛止突起6に掛止されることにより、上記フロントシャーシ1に取り付けられる。このパネル部2の前板部には、上記フロントシャーシ1の開口部7に対応して、開口部54が開設されている。これら開口部7,54は、上記パネル部2が上記フロントシャーシ1に取り付けられた状態において、互いに相対向する位置となされる。すなわち、この開口部54は、上記ディスクトレイ91挿通され得る大きさ及び形状を有して、上記パネル部2の前板部の略々中央部に位置して形成されている。
【0030】
上記パネル部2には、上記開口部54の上方側に位置して、第1及至第4の操作釦101,102,103,104が設けられている。これら操作釦101,102,103,104は、それぞれ上記パネル部2に対して前後方向に移動可能に配設されており、押圧操作されることによって、上記外筐体100内に配設される図示しない回路基板上のスイッチを対応して押圧するようになされている。この回路基板上のスイッチは、上記制御回路に接続されている。これら操作釦101,102,103,104は、上記カラオケモードにおいて使用されるものであり、それぞれ、音程降下、通常音程、音程上昇、選曲等のカラオケモードのみにおいて実行される操作に対応付けられている。また、上記開口部54の両側側位置には、複数の押し釦58,65,66,67,68,69からなる操作部が設けられている。これら各押し釦58,65,66,67,68,69は、それぞれ上記パネル部2に対して前後方向に移動可能に配設されており、押圧操作されることによって、上記回路基板上のスイッチを対応して押圧するようになされている。この回路基板上のスイッチは、上記制御回路に接続されている。これら押し釦58,65,66,67,68,69は、上記ノーマルモード及び上記カラオケモードにおいて使用されるものであり、それぞれ、電源投入、再生開始、再生停止、再生一次停止、ビデオディスクのイジェクト(すなわち、上記ディスクトレイ91の移動操作)等のノーマルモード及びカラオケモードのいずれにおいても実行される操作に対応付けられている。上記制御回路は、上記操作釦及び上記操作部を構成する押し釦のいずれかが操作されると、操作された操作釦または押し釦に対応付けられた動作を実行させる。
【0031】
また、上記パネル部2には、両側側部分の下方位置に上記外筐体100内に配設され上記制御回路または上記信号処理回路に接続されたモード切り換えスイッチ84、ボリューム調整摘み82,83,86,87、ヘッドホンジャック85及びマイクロホンジャック89,90を前方側の外方に臨ませるための透孔60,61,62,63,70,71,72,73,74が形成されている。また、このパネル部2の上記開口部54の下方側位置には、上記外筐体100内に配設される表示デバイスを外方から視認可能とするための表示窓部64が設けられている。
【0032】
上記パネル部2には、図10及至図14に示すように、上記開口部54を開閉するための蓋部材が取り付けられている。この蓋部材は、蓋板3と蓋カバー4とから構成されている。この蓋板3は、金属板の如き材料により、上記開口部54の下縁部より上記パネル部2の前板部の上端縁まで、すなわち、上記開口部54及び上記各操作釦101,102,103,104を覆い得る程度の横長の略々平板状に形成されている。
【0033】
上記蓋板3は、両側側部分を、上記パネル部2に上記開口部54の両側側に位置して形成された一対のスリット57に挿通させ、該パネル部2の前板部の背面側に進入させている。この蓋板3の両側縁部には、図17及び図18に示すように、それぞれ側方側に向けて支持ピン111,111が突設されている。この蓋板3は、上記各支持ピン111,111を、上記パネル部2の背面部に上記一対のスリット57の両側側に位置して設けられた支持スリット112,112に対応して係合させることにより、上下方向にスライド可能となされている。また、この蓋板3は、両側側部分を、上記パネル部2の背面部に上記各支持スリット112,112の後方側に位置して形成された一対の第1のラックギヤ56,56に対向させている。この蓋板3の両側側部分には、上記一対の第1のラックギヤ56,56に対応して対向する一対の第2のラックギヤ75,81が形成されている。そして、これら各第1のラックギヤ56,56と、上記各第2のラックギヤ75,81との間には、それぞれピニオンギヤ52,53が介在され、各ラックギヤ56,56、75,81に噛合している。また、これら各ピニオンギヤ52,53は、ピニオンギヤ支軸51を介して、互いに同軸状に軸部を連結されている。すなわち、上記蓋板3がスライドされると、上記各ピニオンギヤ52,53は、上記各第1及び第2のラックギヤ56,56、75,81間で転動されて、上記ピニオンギヤ支軸51とともに、図17中に矢印Jで示すように、該蓋板3のスライド距離の半分の距離を移動する。これらピニオンギヤ52,53は、上記蓋板3の傾きを防止して支持し、この蓋板3のスライドを円滑となす。
【0034】
上記蓋板3には、縦方向に、ガイドスリット77が設けられている。このガイドスリット77には、上記パネル部2の前面部に突設されたガイドピン55が挿通されている。上記蓋板3は、上記ガイドピン55が上記ガイドスリット77の下端部に当接する位置より、該ガイドピン55が該ガイドスリット77の上端部に当接する位置に亘る、図17中矢印Hで示す該ガイドスリット77の長さに相当する距離の範囲でスライド可能となされている。
【0035】
上記各ラックギヤ56,56、75,81は、上記各ピニオンギヤ52,53の移動距離に対応して、上記蓋板3のスライド可能距離の略々半分の長さを有して形成されている。
【0036】
上記蓋板3は、この蓋板3の側方部分の背面部に突設された掛止片76と、上記パネル部2の前板部の背面部の掛止部110との間に介在配設された捻りコイルバネ105により、図7において矢印Dで示すように、上方側に弾性付勢されている。
【0037】
そして、上記蓋カバー4は、合成樹脂の如き材料により、上記蓋板3に対応する大きさの平板状に形成されている。この蓋カバー4は、上記蓋板3の前面部に、ネジ止めされて取り付けられ、この蓋板3の前面部を覆う。
【0038】
上記蓋部材は、スライド可能範囲の最も上方側に位置するとき、図4に示すように、上記開口部54及び上記各操作釦101,102,103,104を覆う閉位置となされる。そして、この蓋部材は、スライド可能範囲の最も下方側に位置するとき、図6に示すように、上記開口部54及び上記各操作釦101,102,103,104を前方側に臨ませる開位置となされる。また、この蓋部材は、スライド可能範囲の略々中間に位置するとき、図5に示すように、上記開口部54を覆い上記各操作釦101,102,103,104を前方側に臨ませる半開位置となされる。
【0039】
そして、上記フロントシャーシ1には、図16及び図20に示すように、回転駆動手段となるカムモータ15が取り付けられている。このカムモータ15は、上記フロントシャーシ1に取り付けられたモータ支持板9に取り付けられている。このモータ支持板9は、図9に示すように、前端側を上記フロントシャーシ1の枠部の下方部分に取り付けられ、後方側に延在されて支持されている。このモータ支持板9は、上記開口部7の一側側部分の下方に位置している。上記フロントシャーシ1の前面部分の上記モータ支持板9に対応する位置には、上記開口部7に連続した切り欠き部8が形成されている。すなわち、上記モータ支持板9は、上記切り欠き部8を介して、上記フロントシャーシ1の前面部分の前方側に臨んでいる。
【0040】
上記モータ支持板9上には、図21に示すように、上記カムモータ15の駆動軸に取り付けられたウォームギヤ16に噛合するウォームホイール14が、支軸13を介して回転可能に取り付けられている。このウォームホイール14には、同軸の平ギヤである第1の伝達ギヤが一体的に形成されている。この第1の伝達ギヤは、上記モータ支持板9上に回転可能に取り付けられた第2の伝達ギヤ17に噛合している。この第2の伝達ギヤ17には、第1の直歯傘歯車18が同軸状に一体的に形成されている。また、この第2の伝達ギヤ17には、複数(例えば4個)の接点部を有する位置検出用ブラシ19が取り付けられている。この位置検出用ブラシ19は、上記モータ支持板9上に配設された位置検出用基板10上の複数(例えば4本)の導体パターンに、上記各接点部を対応させて摺接させる。上記第2の伝達ギヤ17の回転角度位置は、上記位置検出用ブラシ19の接点部の上記導体パターンへの摺接状態を該導体パターンの電位に基づいて検出することにより、検出することができる。
【0041】
上記カムモータ15の駆動制御及び上記第2の伝達ギヤ17の回転角度位置の検出は、上記ディスクプレーヤにおいて、上記制御回路が行う。
【0042】
上記フロントシャーシ1には、上記切り欠き部8を閉塞するようにして、伝達機構支持板24が取り付けられている。この伝達機構支持板24は、平板状に形成され、両端側の支持片部25,25を上記フロントシャーシ1の前面板部にネジ止めされている。また、この伝達機構支持板24の前面部には、カム支持板35が取り付けられている。このカム支持板35には、カム支軸36が後方側に向けて植設されている。このカム支軸36には、図21及至図23に示すように、伝達機構を構成する略々円盤状の回転体カム28が回転可能に取り付けられている。この回転体カム28は、上記カム支持板35と上記伝達機構支持板24との間に位置している。この回転体カム28は、中心部より後方側に向けて突設された円柱部を有している。この円柱部は、上記伝達機構支持板24に設けられた切り欠き部34を挿通して、上記フロントシャーシ1の前面部分よりも後方側に延在されている。この円柱部の先端部は、上記第2の伝達ギヤ17の中心部付近、すなわち、上記第1の直歯傘歯車18上に位置している。この円柱部の先端側には、上記第1の直歯傘歯車18に噛合する第2の直歯傘歯車31が形成されている。これら各直歯傘歯車18,31の歯数は、互いに等しい。すなわち、上記回転体カム28は、上記第2の伝達ギヤ17と等しい角速度で、上記カムモータ15の駆動力により回転操作される。したがって、上記回転検出用基板10上の各導体パターンを介して検出される上記第2の伝達ギヤ17の回転角度位置は、上記回転体カム28の回転角度位置にも対応している。
【0043】
上記伝達機構支持板24には、図22及び図23に示すように、上記伝達機構を構成するスライダ20及びスイングアーム48が取り付けられている。上記スライダ20は、長手方向を横方向となして形成された一対の支持スリット21,21を有しており、これら支持スリット21,21に上記伝達機構支持板24に植設された支持ピン115,115を挿通させることにより、図23中矢印L及び矢印Kで示すように、横方向にスライド可能となされている。このスライダ20には、上記回転体カム28の円柱部が挿通されるための透孔33が形成されている。このスライダ20は、このスライダ20に設けられたバネ掛止片22と上記伝達機構支持板24に設けられたバネ掛止片114との間に張架された引っ張りコイルバネ23により、図23中矢印Kで示す上記フロントシャーシ1の中央側方向に弾性付勢されて、初期位置に位置決めされている。
【0044】
上記スイングアーム48は、基端側部分を、支軸45を介して、上記伝達機構支持板24の前面部に対し回動可能に支持されている。このスイングアーム48は、図19に示すように、先端側を上記開口部7の前方側位置に延在させ、基端部近傍を上記伝達機構支持板24に設けられた円弧状の透孔27を介して、上記スライダ20に臨ませている。このスイングアーム48の基端部近傍には、連係ピン49が植設されている。この連係ピン48は、上記スライダ20に長手方向を縦方向となして形成された連係スリット109に挿通係合している。すなわち、上記スイングアーム48は、上記スライダ20が上記引っ張りコイルバネ23の付勢力に抗してスライドされると、このスライダ20のスライドに連動して、図23中矢印Mで示すように、上記支軸45回りに先端側部分を下方側に移動させる方向に回動される。上記スライダ20が初期位置にあるとき、上記パネル部2が上記フロントシャーシ1に取り付けられている場合には、上記スイングアーム48の先端側部分は、図7、図15及び図16に示すように、該パネル部2の開口部54を挿通してこのパネル部2の前板部分よりも前方側に位置しており、上記蓋板3の背面側に位置している。このスイングアーム48の先端側部分は、上記蓋板3の下端縁部分と、上記ピニオンギヤ支軸51との間に進入している。そして、上記蓋板3の下端縁部分であって上記スイングアーム48の先端側部分の下方側となる位置には、被押圧ピン79が植設されている。上記スイングアーム48は、図26において矢印Eで示すように、先端側部分を下方側に移動させる方向に回動されると、この先端側部分の下縁部である押圧縁50によって、上記被押圧ピン79を押圧して、図26に示すように、上記蓋板3を下方側にスライドさせる。
【0045】
上記スライダ20には、上記回転体カム28の背面側の主面部に対向する第1の倣いピン113が植設されている。この第1の倣いピン113は、図25に示すように、上記回転体カム28の背面側の主面部に形成された第1及び第2のカム部29a,29bに倣って、上記スライダ20の位置を決める。
【0046】
上記第1のカム部29aは、図25中Nで示す0°位置より、図25中Oで示す180°位置に亘って形成されている。この第1のカム部29aは、上記0°位置より上記180°位置に亘って、上記カム支軸36が挿通される中心孔32よりの距離が徐々に拡大するように形成されている。上記回転体カム28が初期位置であるときには、上記倣いピン113は、上記0°位置の第1のカム部29aに当接して、上記スライダ20を初期位置となす。このとき、上記倣いピン113は、上記中心孔32に最も近接した位置となされる。このとき、上記蓋部材は、上記閉位置となされている。
【0047】
そして、上記回転体カム28が、図25中矢印Wで示す一方向に回転操作されると、上記倣いピン113は、上記第1のカム部29aに倣って移動され、上記スライダ20を上記引っ張りコイルバネ23の付勢力に抗してスライドさせる。上記回転体カム28が、180°回転操作されて開蓋位置となされると、上記倣いピン113は、上記180°位置の第1のカム部29aに当接している。このとき、上記倣いピン113は、上記中心孔32より最も離間した位置、すなわち、該中心孔32よりの距離が上記回転体カム28の半径に略々等しい距離である位置となされる。このとき、上記蓋部材は、上記開位置となされている。
【0048】
このように、上記倣いピン113が上記第1のカム部29aに倣って移動されたときには、上記スライダ20及び上記蓋部材の移動は、上記回転体カム28が一定速度で回転された場合において一様な速度となっている。このような、上記蓋部材の一様な速度でのスライドは、第1の移動履歴であって、上記ノーマルモードにおける該蓋部材のスライドに使用される。
【0049】
そして、上記回転体カム28が上記180°位置より上記0°位置まで、図25中矢印Xで示すように、他方向に回転されると、上記蓋部材は、上記第1の移動履歴を逆に辿って、上記閉位置に復帰する。
【0050】
上記第2のカム部29bは、上記180°位置より、図25中Nで示す360°位置(すなわち、上記0°位置)に亘って、上記回転体カム28の中心孔32を介して上記第1のカム部29aの反対側に形成されている。この第2のカム部29bは、上記180°位置より上記360°位置に亘って、上記カム支軸36が挿通される中心孔32よりの距離が徐々に縮小するとともに、図25中Qで示す約270°位置近辺に、図25中矢印Rで示す同心円状部分を有して形成されている。上記回転体カム28が初期位置であるときには、上記倣いピン113は、上記360°位置の第2のカム部29bに当接して、上記スライダ20を初期位置となす。このとき、上記倣いピン113は、上記中心孔32に最も近接した位置となされる。このとき、上記蓋部材は、上記閉位置となされている。
【0051】
そして、上記回転体カム28が、図25中矢印Uで示す他方向に回転操作されると、上記倣いピン113は、上記第2のカム部29bに倣って移動され、上記スライダ20を上記引っ張りコイルバネ23の付勢力に抗してスライドさせる。上記回転体カム28が、約90°回転されて半開蓋位置となされると、上記倣いピン113は、上記270°位置の第2のカム部29bに当接している。このとき、上記倣いピン113は、上記中心孔32よりの距離が上記回転体カム28の半径の半分程度となる位置となされる。このとき、上記蓋部材は、上記半開位置となされている。
【0052】
上記回転体カム28が、図25中矢印Tで示すように、さらに約90°回転操作されて開蓋位置となされると、上記倣いピン113は、上記180°位置の第2のカム部29bに当接している。このとき、上記倣いピン113は、上記中心孔32より最も離間した位置となされる。このとき、上記蓋部材は、上記開位置となされている。
【0053】
このように、上記倣いピン113が上記第2のカム部29bに倣って移動されたときには、上記スライダ20及び上記蓋部材の移動は、上記回転体カム28が一定速度で回転された場合において途中で一旦停止するような速度となっている。このような、上記蓋部材が途中で一旦停止するようなスライドは、第2の移動履歴であって、上記カラオケモードの選択時及びこのカラオケモードにおける該蓋部材のスライドに使用される。
【0054】
そして、上記回転体カム28が上記180°位置より上記360°位置まで、図25中矢印S及び矢印Vで示すように、一方向に回転されると、上記蓋部材は、上記第2の移動履歴を逆に辿って、上記半開位置を経て、上記閉位置に復帰する。
【0055】
そして、上記カム支持板35には、ストッパ部材となるストッパアーム47が支軸42を介して回動可能に取り付けられている。このストッパアーム47は、基端側を上記支軸42により支持され、先端側を上方側に向けて支持され、上記回転体カム28の前方側に位置している。このストッパアーム47は、一側部に設けられたバネ掛止片41と上記カム支持板35に設けられたバネ掛止部40との間に張架された引っ張りコイルバネ39によって、図22中矢印Fで示すように、先端側を上記回転体カム28の中心部より離間させる方向に回動付勢されている。このストッパアーム47の中途部には、上記回転体カム28の前面側の主面部に溝状に形成された第3のカム部30に嵌入された第2の倣いピン43が植設されている。この第2の倣いピン43は、上記引っ張りコイルバネ39の付勢力によって、上記第3カム部30の外周縁に倣わされて位置決めされている。
【0056】
上記ストッパアーム47の先端部は、水平方向に屈曲されて当接部44となされている。この当接部44は、上記ストッパアーム47が初期位置にあるときに、上記蓋板3の背面部に突設された被当接片80の直下に位置している。このストッパアーム47が初期位置にあるときには、上記開位置にある蓋部材を下方側にスライドさせようとすると、この蓋部材が上記半開位置に至ったときに、上記被当接片80が上記当接部44に当接され、この蓋部材の該半開位置よりも下方へのスライドが阻止される。そして、このストッパアーム47が、図22中矢印Gで示すように、上記回転体カム28の中心側に回動操作されたときには、上記開位置にある蓋部材を下方側にスライドさせようとすると、上記被当接片80が上記当接部44の側方側を通過し、この蓋部材は、上記開位置までスライドされることができる。また、上記蓋部材が上記半開位置よりも下方側にスライドされているときには、上記ストッパアーム47は、上記当接部44が上記被当接片80の側面部に当接することにより、初期位置への復帰が阻止される。
【0057】
上記第3のカム部30は、図24に示すように、図24中Nで示す0°位置において上記ストッパアーム47を初期位置となし、図24中Oで示す180°位置において該ストッパアーム47を上記引っ張りコイルバネ39の付勢力に抗して回動させるように形成されている。上記回転体カム28は、上記蓋部材を上記第1の移動履歴によってスライドさせるときには、図24中Pで示す略々40°位置において、すなわち、上記蓋部材が上記半開位置に相当する位置に至った後上記開位置に向かう途中で、上記ストッパアーム47に対する回動操作を開始する。そして、この回転体カム28は、上記蓋部材を上記第2の移動履歴によってスライドさせるときには、図24中Qで示す約270°位置及至約260°位置において、すなわち、上記蓋部材が上記半開位置より上記開位置に向かう途中で、上記ストッパアーム47に対する回動操作を開始する。
【0058】
すなわち、上記ストッパアーム47は、上記回転体カム28が初期位置にあるときには、上記蓋部材が上記開位置までスライドされることを阻止する初期位置となされ、該回転体カム28が回転操作されて該蓋部材をスライドさせるときには、この蓋部材のスライドの途中で、上記第3のカム部30に倣って回動されて、上記当接部44を上記蓋部材の被当接片80の移動軌跡から退避した位置に移動させる。
【0059】
そして、上記ストッパアーム47の他側部には、被検出片108が突設されている。上記パネル部2の背面部には、図7に示すように、検出スイッチ107が配設されている。この検出スイッチ107は、上記ストッパアーム47が初期位置にあることを検出する。上記ディスクプレーヤの制御回路は、上記ストッパアーム47が初期位置に復帰していないときには、上記蓋部材が閉位置に復帰されていないものとみなして、再生動作の実行が指示されても、再生動作を実行しない。
【0060】
〔ディスクプレーヤの動作〕
上述のように構成された本発明に係るフロントパネルを有して構成されたこのディスクプレーヤにおいては、電源が投入され、上記モード切り換えスイッチ84によりノーマルモードが選択されると、上記制御回路は、初期状態において、上記蓋部材を上記閉位置となす。このとき、上記蓋部材は、上記半開位置までは外力によるスライドが可能であるが、この半開位置よりも下方へのスライドは、上記ストッパアーム47に阻止される。そして、上記操作部により上記ディスクトレイ91の移動操作が指示されると、上記制御回路は、上記第1の移動履歴によって上記蓋部材を上記開位置までスライドさせ、上記ディスクトレイ91を前方側のアンローディング位置に移動させる。そして、この状態で、上記操作部により、上記ディスクトレイ91を上記外筐体100内に収納すべき指示がなされると、上記制御回路は、該ディスクトレイ91を上記ローディング位置に移動させた後、上記蓋部材を、上記第1の移動履歴を逆に辿らせて上記閉位置までスライドさせる。すなわち、このとき、上記スライダ20の第1の倣いピン113は、上記第1のカム部29aに対し、180°位置より0°位置まで倣わされる。このとき、上記ディスクトレイ91に上記ビデオディスク201が載置されていたならば、このビデオディスク201は、上記ディスクテーブル94上に装着される。上記ディスクトレイ91が上記ローディング位置となされた後、上記蓋部材の上記閉位置への復帰が外力により阻害された場合には、上記ストッパアーム47が初期位置に復帰しない。そして、このストッパアーム47は、上記蓋部材が上記半開位置よりも上方側に復帰したときに、初期位置に復帰する。上記ビデオディスク201が上記ディスクテーブル94上に装着され、上記ストッパアーム47が初期位置に復帰した状態において、該ビデオディスク201の再生が可能となる。
【0061】
そして、このディスクプレーヤにおいては、電源が投入され、上記モード切り換えスイッチ84によりカラオケモードが選択されると、初期状態において、上記制御回路は、上記第2の移動履歴の前半部によって、上記蓋部材を上記半開位置となす。このとき、上記蓋部材は、この半開位置よりも下方へのスライドは、上記ストッパアーム47に阻止されている。そして、上記操作部により上記ディスクトレイ91の移動操作が指示されると、上記制御回路は、上記第2の移動履歴の後半部によって、上記蓋部材を上記開位置までスライドさせ、上記ディスクトレイ91を前方側のアンローディング位置に移動させる。そして、この状態で、上記操作部により、上記ディスクトレイ91を上記外筐体100内に収納すべき指示がなされると、上記制御回路は、該ディスクトレイ91を上記ローディング位置に移動させた後、上記蓋部材を、上記第2の移動履歴を逆に辿らせて上記半開位置までスライドさせる。すなわち、このとき、上記スライダ20の第1の倣いピン113は、上記第2のカム部29bに対し、180°位置より約270°位置まで倣わされる。このとき、上記ディスクトレイ91に上記ビデオディスク201が載置されていたならば、このビデオディスク201は、上記ディスクテーブル94上に装着される。上記ディスクトレイ91が上記ローディング位置となされた後、上記蓋部材の上記半開位置への復帰が外力により阻害された場合には、上記ストッパアーム47が初期位置に復帰しない。そして、このストッパアーム47は、上記蓋部材が上記半開位置に復帰したときに、初期位置に復帰する。上記ビデオディスク201が上記ディスクテーブル94上に装着され、上記ストッパアーム47が初期位置に復帰した状態において、該ビデオディスク201のカラオケモードに従った再生、すなわち、上記マイクロホンジャック89,90に接続されたマイクロホンより入力された音声信号とミキシングした再生が可能となる。そして、このカラオケモードにおいては、上記各操作釦101,102,103,104が上記蓋部材の上方側に位置して外方側に臨んでおり、これら各操作釦101,102,103,104を用いて、カラオケモード特有の、音程調整、選曲、その他の操作を実行することができる。
【0062】
なお、本発明に係るフロントパネル及び記録及び/又は再生装置において、上記第1の動作モード及び上記第2の動作モードは、上述の実施の形態の如く、ノーマルモード及びカラオケモードに限定されない。すなわち、上記第1の動作モード及び上記第2の動作モードは、この記録及び/又は再生装置をリモートコントロール装置を用いて遠隔操作するモード及びこの記録及び/又は再生装置を上記パネル部2に設けられた操作釦を用いて操作するモードにしてもよい。この場合には、上記閉位置にある蓋部材により覆われる操作釦は、上述のようなカラオケモードのみにおいて使用されるような操作釦ではなく、通常の記録及び/又は再生動作のために使用されるものとなる。
【0063】
また、記録及び/又は再生装置は、上述の実施の形態に示した如く光学式の記録ディスクを記録媒体として使用する装置に限定されず、記録媒体として、記録テープをカセットに収納して構成されたテープカセットを使用する装置として構成してもよい。この場合においては、上記テープカセットは、上記開口部54を介して上記外筐体100内に挿入されて、この記録及び/又は再生装置に装着される。
【0064】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係るフロントパネルにおいては、回転駆動手段により回転操作される回転体カムは、パネル部にスライド可能に支持された蓋部材をこのパネル部の開口部を閉蓋する閉位置となす初期位置より該蓋部材を該開口部を開蓋させる開位置となす開蓋位置に亘って一方の回転方向に形成された第1のカム部と、該初期位置より該開蓋位置に亘って他方の回転方向に形成された第2のカム部とを有し、この回転体カムに倣って移動操作され該蓋部材をスライド操作する伝達機構を該第1のカム部に倣わせる方向に回転操作されたときには、該蓋部材を第1の移動履歴を経させて開蓋操作し、該伝達機構を該第2のカム部に倣わせる方向に回転操作されたときには、該蓋部材を第2の移動履歴を経させて開蓋操作する。したがって、このフロントパネルにおいては、上記回転体カムは、回転方向を選択されて回転操作されることにより、上記蓋部材を2種類の移動履歴のいずれかを経させてスライド操作することができる。
【0065】
そして、上記フロントパネルにおいて、上記回転体カムに形成された第3のカム部に倣って移動操作されるストッパ部材を設け、このストッパ部材は、上記回転体カムが初期位置にあるときには、蓋部材が開位置にスライドされることを阻止する初期位置となされ、該回転体カムが回転操作されて該蓋部材をスライドさせるときには、上記第3のカム部に倣って、該蓋部材のスライド軌跡から退避した位置に移動されることとした場合には、上記蓋部材は、上記回転体カムが回転操作されない状態においては、外力により上記開位置にスライドされることがなく、この蓋部材の後方側に配設される装置、機構を確実に保護することができる。
【0066】
さらに、上記フロントパネルにおいて、上記ストッパ部材が初期位置にあることを検出する検出スイッチを設けた場合には、上記回転体カムが上記開蓋位置に回転して上記蓋部材が上記開位置にスライドされた後、この回転体カムが上記初期位置に復帰したとき、該蓋部材が外力により上記閉位置への復帰を阻止されている場合には、該蓋部材が該閉位置に復帰していないことを検出することができるので、この蓋部材の後方側に配設される装置、機構の確実な保護を図ることができる。
【0067】
すなわち、本発明は、記録媒体が挿通される開口が大型化してこの開口部を開閉する蓋部材を大型化した場合にあっても、装置構成を大型化することなく、この蓋部材を充分なストロークを有してスライド可能に支持することができるようになされたフロントパネルを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフロントパネルの構成を示す分解斜視図である。
【図2】上記フロントパネルを有して構成された記録及び/又は再生装置の構成を一部を破断して示す斜視図である。
【図3】上記記録及び/又は再生装置において、ディスクトレイが前方側に突出された状態を示す要部斜視図である。
【図4】上記記録及び/又は再生装置において蓋部材が閉位置となされた状態を示す正面図である。
【図5】上記記録及び/又は再生装置において上記蓋部材が半開位置となされた状態を示す正面図である。
【図6】上記記録及び/又は再生装置において上記蓋部材が開位置となされた状態を示す正面図である。
【図7】上記フロントパネルの要部の構成を示す斜視図である。
【図8】上記フロントパネルの構成を透視して示す正面図である。
【図9】上記フロントパネルの構成を透視して示す平面図である。
【図10】上記フロントパネルのパネル部の構成を透視して示す正面図である。
【図11】上記フロントパネルのパネル部の構成を透視して示す平面図である。
【図12】上記フロントパネルのパネル部の構成を示す正面図である。
【図13】上記フロントパネルのパネル部の構成を示す背面図である。
【図14】上記フロントパネルのパネル部の構成を示す平面図である。
【図15】上記フロントパネルの要部となる回転体カム、伝達機構及び蓋部材の構成を一部を透視して示す要部正面図である。
【図16】上記フロントパネルの要部となるカムモータ、上記回転体カム、上記伝達機構及び上記蓋部材の構成を一部を透視して示す要部平面図である。
【図17】上記フロントパネルの要部となる上記蓋部材の構成を一部を透視して示す要部正面図である。
【図18】上記フロントパネルの要部となる上記蓋部材の構成を一部を透視して示す要部平面図である。
【図19】上記フロントパネルの要部となるフロントシャーシ、回転体カム及び伝達機構の構成を一部を透視して示す正面図である。
【図20】上記フロントパネルの要部となるフロントシャーシ、カムモータ、回転体カム及び伝達機構の構成を一部を透視して示す平面図である。
【図21】上記カムモータ、回転体カム及び伝達機構の構成を示す拡大平面図である。
【図22】上記回転体カム及び伝達機構の構成を示す拡大正面図である。
【図23】上記回転体カム及び伝達機構の構成を示す拡大背面図である。
【図24】上記回転体カムの形状を示す正面図である。
【図25】上記回転体カムの形状を示す背面図である。
【図26】上記フロントパネルの要部となる回転体カム、伝達機構及び蓋部材において、この蓋部材が開位置となされた状態を一部を透視して示す要部正面図である。
【符号の説明】
1 フロントシャーシ、2 パネル部、3 蓋板、4 蓋カバー、15 カムモータ、20 スライダ、28 回転体カム、29a 第1のカム部、29b 第2のカム部、30 第3のカム部、47 ストッパアーム、48 スイングアーム、52,53 ピニオンギヤ、54 開口部、56 第1のラックギヤ、75,81 第2のラックギヤ、104 操作釦、107 検出スイッチ、201ビデオディスク
Claims (3)
- 記録媒体が挿通操作される開口部を有するパネル部と、
上記パネル部に対してスライド可能に支持され、スライド操作されることにより上記開口部を開閉蓋する蓋部材と、
回転駆動手段により回転操作される回転体カムと、
上記回転体カムに倣って移動操作され、上記蓋部材をスライド操作する伝達機構とを備え、
上記回転体カムは、上記蓋部材を上記開口部を閉蓋する閉位置となす初期位置より該蓋部材を該開口部を開蓋させる開位置となす開蓋位置に亘って一方の回転方向に形成された第1のカム部と、該初期位置より該開蓋位置に亘って他方の回転方向に形成された第2のカム部とを有し、上記伝達機構を該第1のカム部に倣わせる方向に回転操作されたときには、該蓋部材を第1の移動履歴を経させて開蓋操作し、該伝達機構を該第2のカム部に倣わせる方向に回転操作されたときには、該蓋部材を第2の移動履歴を経させて開蓋操作してなるフロントパネル。 - 回転体カムに形成された第3のカム部に倣って移動操作されるストッパ部材を備え、
上記ストッパ部材は、上記回転体カムが初期位置にあるときには、蓋部材が開位置にスライドされることを阻止する初期位置となされ、該回転体カムが回転操作されて該蓋部材をスライドさせるときには、上記第3のカム部に倣って、該蓋部材のスライド軌跡から退避した位置に移動されてなる請求項2記載のフロントパネル。 - ストッパ部材が初期位置にあることを検出する検出スイッチを備えてなる請求項3記載のフロントパネル。
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