JP3620449B2 - モータのコイル端部短縮方法および装置 - Google Patents

モータのコイル端部短縮方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステータ内の軸心方向にコイルが延長して収容されてステータの両端面から突出するコイルの両端部を前記軸心方向に向けて短縮させるモータのコイル端部短縮方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型化が要求されるモータ、例えば電気自動車用モータでは、図14(a)に示すように、円筒状のステータ1の内面に形成されているコイル収容溝1aに収容されたコイル3の端部3aを、ステータ1の軸心方向、すなわち図中で上下方向に短縮して、ステータ1からの突出量を少なくする必要がある。
【0003】
この場合、例えば図14(b)に示すように、ハンドプレスなどで両端部3aを加圧力Pにて加圧圧縮することで、端部3aのステータ1からの突出量を、図14(a)の状態に比べ短縮代αだけ少なくすることができる。
【0004】
加圧圧縮後は、図14(c)のように、コイル端部3aに対する加圧動作を解放した状態で、コイル端部3aに対し、ガラス繊維を含む糸を用いてレーシングと呼ばれる糸縛りを行って固定し、さらにコイル3の絶縁や補強のために、例えば特開平6−14503号および特開平7−67302号公報に記載されているようなワニス処理を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ワニス処理を行う前に、コイル端部3aに対する加圧動作を解放すると、糸縛りを行っているものの、コイル3を構成する電線の特性からスプリングバックが発生し、加圧時の図14(b)の状態に比べ増加代βだけ、ステータ1からのコイル端部3aの突出量が多くなってしまう。また、ワニス処理の前に、コイル端部3aを整形するための煩雑な糸縛り作業が必要なので、作業性が悪化する上、縛った糸の分だけコイル端部3aの寸法がさらに大きくなり、また、加圧後にコイル端部3aから数本だけ逸脱した電線に対しては、糸縛りでは充分押さえきれず、コイル端部3aの整形が不充分になる。
【0006】
そこで、この発明は、コイル端部のステータからの突出量を極力少なくするとともに、糸縛り作業を不要としてコイル端部の整形作業を容易にすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、ステータ内の軸心方向にコイルが延長して収容されて前記ステータの両端面から突出する前記コイルの両端部を前記軸心方向に向けて短縮させるモータのコイル端部短縮方法において、前記コイルの両端部をステータの軸心方向に向けて加圧圧縮した状態を保持しつつ、前記ステータにおける軸心方向の端面とコイル端部との間に、ステータの外周側から同内周側に向けて板厚が徐々に小さくなる挿入片を挿入配置した状態で、前記コイルの端部にワニス処理を施すモータのコイル端部短縮方法としてある。
【0008】
請求項2の発明は、ステータ内の軸心方向にコイルが延長して収容されて前記ステータの両端面から突出する前記コイルの両端部を前記軸心方向に向けて短縮させるモータのコイル端部短縮装置において、前記コイルの両端部にワニス処理を施す際に、前記コイルの両端部をステータの軸心方向に向けて加圧圧縮した状態を保持する治具を備え、前記ステータにおける軸心方向の端面とコイル端部との間に、ステータの外周側から同内周側に向けて板厚が徐々に小さくなる挿入片を挿入配置した構成としてある。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明の構成において、治具は、コイルの両端部における、ステータ内周側を押さえる内周側保持部材と、ステータ外周側を押さえる外周側保持部材と、ステータの軸心方向端部側を押さえる端部保持部材とをそれぞれ備えている構成としてある。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3の発明の構成において、端部保持部材は、コイルの両端部に接触する一対の端部保持具と、この各端部保持具をコイル端部に向けて押圧して相互に固定される一対の押圧固定具とから構成してある。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4の発明の構成において、一対の押圧固定具は、外周側保持部材の外側部位にて互いにねじにより締結固定される構成としてある。
【0012】
請求項6の発明は、請求項5の発明の構成において、ねじは両端に互いに逆方向のねじ部を備え、この各ねじ部が一対の押圧固定具の互いの対向面にそれぞれねじ込まれて締結固定される構成としてある。
【0013】
請求項7の発明は、請求項5または6の発明の構成において、内周側保持部材、外周側保持部材および押圧固定具には、コイル端部にワニスを供給するためのワニス通路が形成される構成としてある。
【0014】
請求項8の発明は、請求項2ないし7のいずれかの発明の構成において、治具は、フッ素樹脂で構成してある。
【0016】
【発明の効果】
請求項1または2の発明によれば、コイルの両端部をステータの軸心方向に向けて加圧圧縮した状態を保持しつつ、コイル端部にワニス処理を施すようにしたので、ワニス処理によってコイル端部を固定する際に、コイルのスプリングバックを抑制でき、コイル端部のステータからの突出量が少なくなり、モータの小型化を達成することができる。また、コイル端部に対する糸縛りも、治具によって圧縮状態を保持することから不要となる上、加圧後におけるコイル端部から電線の逸脱も防止でき、コイル端部の整形性が向上する。
また、ステータにおける軸心方向の端面に、ステータの外周側から同内周側に向けて板厚が徐々に小さくなる挿入片を挿入配置したので、コイル端部は挿入片の傾斜面によってステータの内周側に押し付けられ、コイル端部の整形性をより向上させることができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、コイル端部の内周側、外周側およびステータの軸心方向両端部側をそれぞれ押さえた状態でワニス処理ができるので、コイル端部に対する整形性がより向上するとともに、コイル端部がよりコンパクトなものになる。
【0018】
請求項4の発明によれば、一対の押圧固定具を相互に固定することで、内周側保持部材および外周側保持部材によりコイル端部の内周側および外周側をそれぞれ押さえつつ、コイル端部を端部保持具を介してステータ軸心方向に加圧圧縮することができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、一対の押圧固定具は、外周側保持部材の外側部位にて互いにねじにより締結固定されるので、コイル端部に対する加圧圧縮作業を容易かつ確実に行うことができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、ねじは両端に互いに逆方向のねじ部を備え、この各ねじ部が一対の押圧固定具の互いの対向面にそれぞれねじ込まれて締結固定されているので、締結作業を容易に行うことができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、内周側保持部材、外周側保持部材および押圧固定具には、コイル端部にワニスを供給するためのワニス通路が形成されているので、コイル端部に対するワニスの供給を確実に行うことができる。
【0022】
請求項8の発明によれば、治具は、フッ素樹脂で構成されているので、ワニス処理後における治具のコイルからの剥離性が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0025】
図1は、この発明の実施の一形態を示すコイル端部の短縮方法の作業工程図である。図1(a)は、前記従来例で示した図14(a)と同じ状態、つまり円筒状のステータ1のコイル収容溝1aにコイル3を収容した状態を示している。なお、上記したステータ1は、内周部にコイル収容溝1aを形成する凹部を多数備えたリング状の板材を多数積層して構成されたものである。
【0026】
図1(a)の状態から図14(b)と同様に、ハンドプレスなどで両端部3aを加圧力P(例えば60kN程度)にて加圧圧縮することで、ステータ1から突出するコイル3の端部3aの突出量が、図1(a)の状態に比べ短縮代αだけ少なくなる。
【0027】
図1(b)におけるハンドプレスなどによる加圧圧縮動作を解放した後は、前記従来例で示した図14(c)と同様にスプリングバック(β)が生じるが、図1(c)に示すように、図1(b)にて加圧圧縮した状態を、治具5により上下両側から、例えば980N程度の圧力で押さえ付けて保持しつつ、コイル端部3aに対してワニス処理を施すので、このとき前記スプリングバック(β)は押し戻されて無くなる。このとき治具5には、コイル端部3aにワニスを供給するためのワニス通路5aを形成しておく。ワニス処理後、コイル端部3aが固着したら、図1(d)のように治具5を外す。
【0028】
ワニス処理を、治具5によりコイル端部3aを押さえ付けた状態で行っているので、図1(b)での加圧圧縮後におけるコイル3のスプリングバックが無くなり、加圧圧縮時の図1(c)の状態から同(d)の状態となったときには、前記図14に示した従来のスプリングバックによる増加代βが無いことから、α分だけ、コイル端部3aのステータ1からの突出量を小さくできてモータの小型化が達成されるとともに、コイル端部3aに対する糸縛り作業も、治具5により押さえ付けているので不要となり、整形作業が容易なものとなる。
【0029】
図2は、治具5によりコイル端部3aを加圧圧縮している状態を詳細に示した断面図である。治具5は、コイル3の両端部3aにおける、ステータ1の内周側を押さえる内周側保持部材としての一対の内周側保持リング7と、同外周側を押さえる外周側保持部材としての一対の外周側保持リング9と、ステータ1の軸心方向(図2中で上下方向)端部側を押さえる端部保持具としての一対の端部保持リング11と、端部保持リング11のさらに軸心方向外側に配置されて相互にねじ13により締結固定される一対の押圧固定具としての押圧固定リング15とを備えている。端部保持リング11と押圧固定リング15とで、端部保持部材を構成している。
【0030】
なお、上記した内周側保持リング7、外周側保持リング9、端部保持リング11および押圧固定リング15は、図2に示してあるように、いずれも同形状のものを図2中で上下一対使用するが、以後の説明では、図2中で上部側のものについて行うものとし、下部側のものについては、上部側のものと同様であるので、説明は省略する。
【0031】
図3は押圧固定リング15の底面図、図4は図3のA−A断面図である。この押圧固定リング15は、端部保持リング11の上部側の端面を押圧する外側リング部17と、外側リング部17の外周側にて図4中で下方に突出する中間リング部19と、中間リング部19の先端(図4中で下端)に対向する位置にある内側リング部21とを備えている。中間リング部19および内側リング部21は、外側リング部17に対し、外径が同じで、内径が、外周側保持リング9の外側に位置するよう大きく形成されている。
【0032】
中間リング部19と内側リング部21とは、図3に示すように、円周方向に沿って90度間隔の位置において、ボス部23によって連結されるとともに、隣接するボス部23相互の中間位置において、連結柱25によって連結されている。ボス部23および、ボス部23に対応する内側リング部21、中間リング部19には、前記図2に示してあるねじ13がねじ込まれる雌ねじ27が形成されている。この雌ねじ部27は、一対の押圧固定リング15相互で互いに逆向きのねじとなっており、これに対応して、ねじ13も両端に形成されている雄ねじ部13aが違いに逆向きのねじとなっている。
【0033】
ボス部23は、断面が正四角形、つまり全体として正四角柱形状を呈しており、正四角形の対角線上の2つの頂点がリングの半径方向に対応する位置となっている。また連結柱25については、断面が四角形の四角柱を呈しているが、リングの中心側に位置する頂点部位が鋭角で、その反対側の頂点部位がほぼ90度となるような四角柱となっている。そして、上記したボス部23と連結柱25との間がワニス通路29となる。
【0034】
図5は、外周側保持リング9の底面図、図6は図5のB−B断面図である。この外周側保持リング9は、押圧固定リング15の外側リング部17側に位置する外側リング部31と、ステータ1側に位置する内側リング部33とが、図3に示した押圧固定リング15における連結柱25と同様な連結柱35によって連結されている。連結柱35は、円周方向等間隔に8カ所設けてあるものとし、図2の組み付け時においては、押圧固定リング15における連結柱25およびボス部23に対応する位置でも、対応しない位置でもよい。そして、各連結柱35相互間がワニス通路37となる。
【0035】
外周側保持リング9の内径は、外周側保持リング9内に端部保持リング11が密着した状態で収容できるよう、端部保持リング11の外径より僅かに大きく形成されている。また、外周側保持リング9のステータ1側の内側周縁部には、図2の組み付け時にて、ステータ1の外周縁角部が入り込む切欠部39が形成されている。
【0036】
図7は、内周側保持リング7の底面図、図8は図7のC−C断面図である。この内周側保持リング7は、外周側保持リング9と同様に、押圧固定リング15の外側リング部17側に位置する外側リング部41と、ステータ1側に位置する内側リング部43とが、押圧固定リング15における連結柱25と同様な連結柱49によって連結されている。ただし、この連結柱49は、リングの半径方向外側の頂点部位が鋭角となるよう形成されている。
【0037】
連結柱49は、円周方向等間隔に8カ所設けてあるものとし、各連結柱49相互間がワニス通路51となる。
【0038】
内周側保持リング7の外径は、端部保持リング11内に内周側保持リング7が密着した状態で収容できるよう、端部保持リング11の内径より僅かに小さく形成されている。また、内周側保持リング7のステータ1側の外側周縁部には、図2の組み付け時にて、ステータ1の内周縁角部が入り込む切欠部53が形成されている。
【0039】
図9は、端部保持リング11の底面図で、単なるワッシャ状のリング部材であり、コイル端部3aにおけるステータ1の軸心方向端部(図2中でコイル端部3aの上面)にセットされる。
【0040】
図10は、図2において、ステータ1の上下両端面とコイル端部3aとの間に、ステータ1の半径方向外側から挿入される挿入片55である。図11は、一部を示してあるステータ1の端面に、上記した挿入片55がセットされた状態を示している。ステータ1は、外周側の環状部57と、環状部57の内周側に向けて突出する突出部59とを備え、突出部59相互間にコイル収容溝1aが形成される構成となっている。
【0041】
挿入片55は、図10(a)に示すように、ステータ1の環状部57に対応する基部61と、ステータ1の突出部59に対応する先端部63とを有し、図10(b)に示すように、基部61から先端部63にわたり板が徐々に小さくなっている。このような挿入片55は、ステータ1におけるすべての突出部59に対応してセットされる。
【0042】
なお、上記した治具5の各構成要素、すなわち内周側保持リング7、外周側保持リング9、端部保持リング11、押圧固定リング15および挿入片55は、いずれもフッ素樹脂製とする。
【0043】
次に、コイル3が収容されたステータ1に対する治具5の組み付け手順を説明する。なお、治具5を組み付ける際には、図1(b)で示したように、ハンドプレスなどによってコイル端部3aが、あらかじめ例えば60kN程度の圧力で加圧圧縮されているものとする。
【0044】
まず、ステータ1の端面とコイル端部3aとの間に、図10に示した挿入片55を、ステータ1の外周側に対し先端部63側から挿入し、さらに挿入片55の外側に、図5および図6に示した外周側保持リング9を嵌め込む。このとき、外周側保持リング9は、切欠部39にステータ1の外周縁角部が入り込み、かつ内周面の一部がコイル端部3aにおけるステータ外周側に接触した状態となる。
【0045】
さらに、図7および図8に示した内周側保持リング7を、ステータ1の内周側に嵌め込む。このとき、内周側保持リング7は、切欠部53にステータ1の内周縁角部が入り込み、かつ外周面の一部がコイル端部3aにおけるステータ内周側に接触した状態となる。
【0046】
外周側保持リング9および内周側保持リング7は、ステータ1にそれぞれ組み付けられた状態で、ステータ1の軸心方向(図2中で上下方向)両端部がコイル端部3aより軸心方向外側に突出して相互間に隙間を形成しており、この隙間に、端部保持リング11を嵌め込んでコイル端部3aのステータ軸心方向外側の端部に接触させる。この状態では、端部保持リング11における軸心方向側の端部は、外周側保持リング9および内周側保持リング7における軸心方向側の端部よりさらに軸心方向外側に突出した状態となっている。
【0047】
この状態で、図3および図4に示してある押圧固定リング15を、図2中で上下から被せる。このとき、ねじ13を、あらかじめ各押圧固定リング15の雌ねじ27に少しねじ込んでおき、ねじ13の中央部を工具により保持して回転させることで、互いに逆ねじとなっている雄ねじ部13a,13aが、一対の押圧固定リング15の各雌ねじ27,27にそれぞれねじ込まれていく。
【0048】
コイル端部3aのステータ端面からの突出量が目標値となるように、すべてのねじ13の締結作業が終了すると、押圧固定リング15の外側リング部17が端部保持リング11を上下から押し付けて、コイル端部3aの軸心方向の端部が図2中で上下に圧縮されるとともに、ステータ内周側および外周側の側部(図2中で左右両側部)が、内周側保持リング7および外周側保持リング9によりそれぞれ押さえ付けられて、コイル端部3aの整形がなされる。
【0049】
この時点においても、端部保持リング11における軸心方向側の端部は、図2に示されているように、外周側保持リング9および内周側保持リング7における軸心方向側の端部よりさらに軸心方向外側に突出した状態となっており、端部保持リング11によるコイル端部3aに対する加圧動作は確保されている。また、挿入片55がステータ1の端面とコイル端部3aとの間に挿入されているので、上記した加圧圧縮作業により、挿入片55の傾斜面によってコイル端部3aがステータ1の軸心方向に押し付けられ、コイル端部3aがよりコンパクトに整形されるものとなる。
【0050】
図12は、図2のように、治具5を用いてコイル端部3aを圧縮整形した後に、コイル端部3aに対してワニス処理を行う装置の正面図である。このワニス処理装置は、例えばエポキシ系樹脂やアクリル系樹脂からなるワニスをコイル端部3aに滴下するワニス滴下部65と、ワニス滴下前のワークW(図2に示してある、治具5を組み付けたステータ1およびコイル3)に対する予備加熱およびワニス滴下後のワークWの乾燥を、それぞれ行うための乾燥部67とを備えている。
【0051】
ワニス滴下部65は、ワークWを保持した状態で、図12中で左右方向の軸線を中心として回転させるとともに、図12の位置から乾燥部67にまでワークWを進出させる回転駆動兼進退駆動部69を、ベース70上に備えている。回転駆動兼進退駆動部69は、図外のモータによって回転する主軸71を備え、主軸71の先端には、図13に詳細を示すように、円板73が固定され、この円板73の外周縁部には、図13中で左側に突出する拡張ピン75が円周方向等間隔に3本設けられている。各拡張ピン75は、先端側がステータ1の内面に対して接近離反する方向に移動可能となるよう基端部が円板73の外周部に対して回動可能に連結されている。
【0052】
主軸71の先端にねじ部77によって締結固定される副軸79は、ねじ部77の基部に、拡張用円板81が固定され、拡張用円板81の外周部は、主軸71側が小径となるテーパ面83が形成されている。また、主軸71に固定されている円板73には、副軸79側に向けて突出する円筒部85が設けられ、この円筒部85の先端は拡張用円板81に形成されている環状溝87に挿入されている。
【0053】
副軸79をねじ部77により主軸71にねじ込み締結することで、拡張用円板81のテーパ面83が拡張ピン75を外側に押し付け、これに伴い拡張ピン75が治具5の内周側保持リング7の内周面に押し付けられ、この結果主軸71側にワークWが保持固定されることになる。
【0054】
一方、図12に示すように、主軸71の上方にはノズル保持ブラケット89が設けられ、ノズル保持ブラケット89には、2本ずつの可撓性のワニス滴下用ノズル91,93がそれぞれ取り付けられている。全長が短いワニス滴下用ノズル91は、治具5における押圧固定リング15のワニス通路29にワニスを直接滴下可能であり、全長の長いワニス滴下用ノズル93は、治具5における内周側保持リング7のワニス通路51にワニスを直接滴下可能である。
【0055】
次に、コイル端部3aに対するワニス滴下動作を説明する。まず、回転駆動兼進退駆動部69により、ワークWを図12の状態から左方向に移動させて乾燥部67内に進入させ、主軸71を回転させながらワークWに対して予備加熱を行う。予備加熱終了後、主軸71を後退させて図12の状態とする。この状態で、ワニス滴下用ノズル91,93が図13中にて二点鎖線で示す位置となるように手作業で位置させる。
【0056】
この状態で主軸71を例えば20rpm程度で回転させつつワニス滴下用ノズル91,93からワニスを30分〜40分程度滴下する。これによりワニスは、押圧固定リング15および外周側保持リング9の各ワニス通路29および37を通ってコイル端部3aのステータ外周側に供給されるとともに、内周側保持リング7のワニス通路51を通ってコイル端部3aのステータ内周側に供給される。コイル端部3aに対し、ワークWを回転させながら、外側および内側からそれぞれワニスを滴下するので、コイル端部3aに対するワニス処理は確実になされる。
【0057】
ワニスの滴下が終了したら、ワニス滴下用ノズル91,93を、元の位置まで戻した状態とする。なお、この実施形態では、ワニス滴下用ノズル91,93を手作業で移動させた例を示したが、手作業で行なうことなく、例えばノズル保持ブラケット89をアクチュエータで移動させるようにしてもよい。
【0058】
その後、ワークWを再度前進させて乾燥部67内に進入させ、例えば150℃で2時間〜3時間程度乾燥させる。なお、この実施形態では、一例として回転駆動兼進退駆動部69内の図外のアクチュエータにより主軸71を進出させてワークWを乾燥部67内に進入させたが、主軸71を進出させることなく、乾燥部67をワークW側に移動させてもよく、更には乾燥部67を別に設けて、主軸71からワークWを取り出し、乾燥を行なうなど適宜行なってよい。
【0059】
これにより、コイル端部3aに滴下されてそのほぼ全体に含浸したワニスが、治具5により圧縮整形された状態で固着し、前述した図1(d)のように、コイル3のスプリングバックが無くなり、α分だけコイル端部3aのステータ端面からの突出量が少なくなり、モータの小型化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示すコイル端部短縮方法の作業工程図で、(a)はステータにコイルを収容した状態、(b)はコイル端部を加圧している状態、(c)は治具によりワークを加圧している状態、(d)は治具を外した状態、をそれぞれ示している。
【図2】図1のコイル端部短縮方法に使用する治具によりコイル端部を加圧保持している状態を示した断面図である。
【図3】図2の治具に使用される押圧固定リングの底面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図2の治具に使用される外周側保持リングの底面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】図2の治具に使用される内周側保持リングの底面図である。
【図8】図7のC−C断面図である。
【図9】図2の治具に使用される端部保持リングの底面図である。
【図10】(a)は図2の治具に使用される挿入片の平面図、(b)は挿入片の側面図である。
【図11】図10の挿入片のステータへの装着例を示す部分説明図である。
【図12】コイル端部に対してワニス処理する装置の正面図である。
【図13】図12の装置の要部を示す断面図である。
【図14】従来例を示すコイル端部短縮方法の作業工程図で、(a)はステータにコイルを収容した状態、(b)はコイル端部を加圧している状態、(c)は加圧動作を解放した状態、をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1 ステータ
3 コイル
3a コイル端部
5 治具
7 内周側保持リング(内周側保持部材)
9 外周側保持リング(外周側保持部材)
11 端部保持リング(端部保持具、端部保持部材)
13 ねじ
13a 雄ねじ部
15 押圧固定リング(押圧固定具、端部保持部材)
29,37,51 ワニス通路
55 挿入片

Claims (8)

  1. ステータ内の軸心方向にコイルが延長して収容されて前記ステータの両端面から突出する前記コイルの両端部を前記軸心方向に向けて短縮させるモータのコイル端部短縮方法において、前記コイルの両端部をステータの軸心方向に向けて加圧圧縮した状態を保持しつつ、前記ステータにおける軸心方向の端面とコイル端部との間に、ステータの外周側から同内周側に向けて板厚が徐々に小さくなる挿入片を挿入配置した状態で、前記コイルの端部にワニス処理を施すことを特徴とするモータのコイル端部短縮方法。
  2. ステータ内の軸心方向にコイルが延長して収容されて前記ステータの両端面から突出する前記コイルの両端部を前記軸心方向に向けて短縮させるモータのコイル端部短縮装置において、前記コイルの両端部にワニス処理を施す際に、前記コイルの両端部をステータの軸心方向に向けて加圧圧縮した状態を保持する治具を備え、前記ステータにおける軸心方向の端面とコイル端部との間に、ステータの外周側から同内周側に向けて板厚が徐々に小さくなる挿入片を挿入配置したことを特徴とするモータのコイル端部短縮装置。
  3. 治具は、コイルの両端部における、ステータ内周側を押さえる内周側保持部材と、ステータ外周側を押さえる外周側保持部材と、ステータの軸心方向端部側を押さえる端部保持部材とをそれぞれ備えていることを特徴とする請求項2記載のモータのコイル端部短縮装置。
  4. 端部保持部材は、コイルの両端部に接触する一対の端部保持具と、この各端部保持具をコイル端部に向けて押圧して相互に固定される一対の押圧固定具とから構成されていることを特徴とする請求項3記載のモータのコイル端部短縮装置。
  5. 一対の押圧固定具は、外周側保持部材の外側部位にて互いにねじにより締結固定されることを特徴とする請求項4記載のモータのコイル端部短縮装置。
  6. ねじは両端に互いに逆方向のねじ部を備え、この各ねじ部が一対の押圧固定具の互いの対向面にそれぞれねじ込まれて締結固定されていることを特徴とする請求項5記載のモータのコイル端部短縮装置。
  7. 内周側保持部材、外周側保持部材および押圧固定具には、コイル端部にワニスを供給するためのワニス通路が形成されていることを特徴とする請求項5または6記載のモータのコイル端部短縮装置。
  8. 治具は、フッ素樹脂で構成されていることを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載のモータのコイル端部短縮装置。
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