JP6361270B2 - ステータの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ステータの製造方法に関する。
下記特許文献1には、ブラシレスモータの一部を構成するステータが開示されている。このステータは、環状に配列された複数のコア構成部を備えており、複数のコア構成部は、インシュレータの連結部によって連結されている。また、下記特許文献2には、筒状に形成されたハウジング(環状構造体)と、ハウジング内に配置された複数のコア構成部(積層鉄心)と、を備えたステータ(固定子)が開示されている。
特開2012−110212号公報 特開平6−105487号公報
ところで、特許文献1に記載されたステータは、3つのステータ構成部が互いに組み付けられることによって複数のコア構成部が環状に配列される構成とされているため、複数のコア構成部が環状に配列された状態では、各々のコア構成部同士は周方向へのクリアランスを有している。このように、上記クリアランスを有した状態で、環状に配列された複数のコア構成部の外周側にハウジングが圧入されると、各々のコア構成部が所定の姿勢に対して傾いた状態でハウジングと一体化されることが考えられる。
本発明は上記事実を考慮し、環状に配列された複数のコア構成部をハウジングに圧入する際に、各々のコア構成部が所定の姿勢に対して傾くことを抑制することができるステータの製造方法を得ることが目的である。
請求項1記載のステータの製造方法は、環状の継鉄を構成すると共に周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部を環状に配列させることによって電機子構造体を形成する電機子構造体形成工程と、各々の前記継鉄構成部を径方向内側に向けて押圧することによって、前記継鉄構成部の周方向の端面を隣接する前記継鉄構成部の周方向の端面に当接させると共に前記電機子構造体を支持する電機子構造体支持工程と、前記電機子構造体支持工程において支持された状態の前記電機子構造体を筒状に形成されたハウジングの径方向内側に圧入する圧入工程と、を有し、径方向外側が開放された窪み部が前記継鉄構成部の径方向外側の部位に形成された前記コア構成部を用い、前記電機子構造体支持工程において、治具の一部を前記窪み部に係合させた状態で各々の前記継鉄構成部を径方向内側に向けて押圧する
請求項1記載のステータの製造方法によれば、先ず電機子構造体形成工程において電機子構造体を形成する。次いで、電機子構造体支持工程において電機子構造体を支持する。この電機子構造体支持工程では、各々の継鉄構成部を径方向内側に向けて押圧する。すると、各々のコア構成部が径方向内側に移動して、継鉄構成部の周方向の端面と他の継鉄構成部の周方向の端面とが密着する。次いで、圧入工程においては、継鉄構成部の周方向の端面と他の継鉄構成部の周方向の端面とを密着させた状態で電機子構造体をハウジングに圧入する。ここで、本実施形態では、継鉄構成部の周方向の端面と他の継鉄構成部の周方向の端面とを密着させた状態で上記圧入工程を経るため、一のコア構成部が他のコア構成部に対して傾いた状態で電機子構造体がハウジングに圧入されることが抑制される。すなわち、本製造方法によれば、圧入工程時に、各々のコア構成部が所定の姿勢に対して傾くことを抑制することができる。
請求項記載のステータの製造方法によれば、治具の一部を継鉄構成部に形成された窪み部に係合させることによって電機子構造体を支持することにより、コア構成部の治具に対する位置決めを容易に行うことができる。
請求項記載のステータの製造方法は、請求項記載のステータの製造方法において、前記窪み部が軸方向に沿って形成された前記コア構成部を用い、前記電機子構造体支持工程において、前記治具の一部を前記窪み部に係合させることによって、前記治具の一部において周方向に向けられた面と、前記窪み部において周方向に向けられた面とを当接させる。
請求項記載のステータの製造方法によれば、治具の一部において周方向に向けられた面と継鉄構成部に形成された窪み部において周方向に向けられた面とを当接させることにより、各々のコア構成部の軸方向に対する傾きを効果的に抑制することができる。
請求項記載のステータの製造方法は、請求項1又は請求項記載のステータの製造方法において、軸方向を板厚方向とするコア構成板が軸方向に積層されることによって形成された前記コア構成部を用い、前記圧入工程において、前記電機子構造体に対して前記ハウジングを前記コア構成板の板厚よりも短い距離ずつ移動させることによって、前記電機子構造体の前記ハウジングへの初期圧入を行う。
ところで、電機子構造体をハウジングに圧入する初期圧入時に、各々のコア構成部がハウジングに対して傾きやすいが、請求項記載のステータの製造方法によれば、電機子構造体に対してハウジングを上記の距離ずつ移動させることによって初期圧入を行うことにより、当該初期圧入時に各々のコア構成部がハウジングに対して傾くことを抑制することができる。
本実施形態に係るブラシレスモータを示す平面図である。 U相のステータ構成部の斜視図である。 V相のステータ構成部の斜視図である。 W相のステータ構成部の斜視図である。 環状に配列されたコア構成部を拡大して示す拡大平面図である。 図2A〜図2Cに示された複数のステータ構成部が互いに組み付けられる過程を示す斜視図である。 図3Aよりも組み付けが進行した状態を示す斜視図である。 電機子構造体及びハウジングを示す側面図である。 支持治具を軸方向に沿って切断した断面を示す側断面図である。 支持治具及び支持治具にセットされた電機子構造体を示す斜視図である。 支持治具の電機子構造体支持部を拡大して示す拡大斜視図である。 電機子構造体支持部の一部を構成する位置決め矢を示す側面図である。 位置決め矢によって押圧されたコア構成部を拡大して示す拡大斜視図である。 支持治具にセットされる前の状態の電機子構造体及びハウジングを示す側断面図である。 支持治具にセットされると共に継鉄構成部が位置決め矢によって押圧された状態の電機子構造体及びハウジングを示す側断面図である。 継鉄構成部が位置決め矢によって押圧される前の状態の電機子構造体のコア構成部等を示す平面図である。 継鉄構成部が位置決め矢によって押圧された後の状態の電機子構造体のコア構成部等を示す平面図である。 初期圧入時における電機子構造体及びハウジングを示す側断面図である。 位置決め矢による押圧が解除された後の電機子構造体及びハウジングを示す側断面図である。 圧入完了時の電機子構造体及びハウジングを示す側断面図である。
以下、図面に基づき、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下、単に軸方向、径方向、周方向を示す場合は、特に断りのない限り、ステータの軸方向、径方向、周方向を示すものとする。
図1に示されるように、本実施形態に係るブラシレスモータ60は、インナロータタイプのブラシレスモータであり、回転磁界を発生させるステータ10と、ステータ10の回転磁界によって回転するロータ50と、を有して構成されている。また、ステータ10は、ハウジング70と、図2A〜図2Cに示されるU相のステータ構成部12U、V相のステータ構成部12V、W相のステータ構成部12Wによって構成された電機子構造体90と、を含んで構成されている。以下先ず、ハウジング70について説明し、次いでステータ構成部12U,12V,12W及びロータ50について説明し、最後にステータ10の製造方法について説明する。
(ハウジング70)
図4に示されるように、ハウジング70は、軟磁性金属(一例として「鋼」「アルミ合金」「鋼合金」等)の板材にプレス加工等が施されることによって形成されており、またハウジング70は、側面視及び側断面視でハット型に形成されている。具体的には、ハウジング70は、円板状に形成された天壁70Aと、天壁70Aの径方向外側の端部から軸方向他方側に向けて延びる第1筒状部70Bと、第1筒状部70Bの軸方向他方側の端部から段差部70Cを介して軸方向他方側に向けて延びる第2筒状部70Dと、を備えている。第1筒状部70Bの内径は第2筒状部70Dの内径よりも小径とされており、また段差部70Cの内径は第2筒状部70Dから第1筒状部70B側に向かうにつれて次第に窄まっている。さらに、第2筒状部70Dの軸方向他方側の端部は径方向外側に向けて折り曲げられたフランジ部70Eとされている。
(ステータ構成部12U,12V,12W)
図2Aに示されるように、U相のステータ構成部12Uは、軸方向を板厚方向とするコア構成板13が軸方向に積層されることによって形成された複数のコア構成部14Uと、巻線16Uと、インシュレータ18Uを有して構成されている。複数のコア構成部14Uは、後述するV相の複数のコア構成部14Vと、W相の複数のコア構成部14Wとでステータコア20(いずれも図1参照)を構成するものであり、それぞれ複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uと、複数の環状部構成部25Uと、を有している。
図2A及び図2Dに示されるように、複数の継鉄構成部22Uは、後述するV相の複数の継鉄構成部22Vと、W相の複数の継鉄構成部22Wとで外側環状部としての継鉄40を構成するものであり、それぞれ円弧状に形成されている。複数のティース部24Uは、それぞれ継鉄構成部22Uに一体に形成されており、この継鉄構成部22Uから継鉄40の径方向内側に向けて突出されている。
また、継鉄構成部22Uにおけるティース部24Uと対向する部位には、継鉄構成部22Uの径方向外側に向けて突出すると共に該継鉄構成部22Uの軸方向に延びる凸部78Uが形成されている。また、凸部78Uの中間部(継鉄構成部22Uの周方向の中間部)には、継鉄構成部22Uの径方向外側に向けて開放され、かつ継鉄構成部22Uの軸方向に沿って延びるU字溝状の窪み部としての凹部80Uが形成されている。
また、ティース部24Uにおけるロータ50(図1参照)と近接する側の端部には、該ロータ50の周方向に沿って(環状に配列されたマグネット54S,54Nに沿って)延出する環状部構成部25Uが設けられている。この環状部構成部25Uは、後述するV相の環状部構成部25Vと、W相の環状部構成部25Wとで内側環状部41を構成するものであり、それぞれの環状部構成部25U,25V,25Wのロータ50側の面は、該ロータ50を軸中心とする円弧面Rとされている。
図2Aに示されるように、巻線16Uは、U相を構成しており、複数の巻回部26Uと、複数の渡り線28Uとを有している。複数の巻回部26Uは、それぞれ後述する絶縁部32Uを介してティース部24Uに集中的に巻回されており、複数の渡り線28Uによって互いに接続されている。渡り線28Uは、後述するインシュレータ18Uに形成された連結部34Uの外周面に沿って配線されている(巻き付けられている)。また、巻線16Uの両端側の端末部30Uは、ティース部24Uからステータ10の軸方向一方側(矢印Z1側)に導出されている。
インシュレータ18Uは、樹脂製とされており、複数の絶縁部32Uと、連結部34Uとを一体に有している。複数の絶縁部32Uは、上述の複数のティース部24Uと同数設けられている。この複数の絶縁部32Uは、絶縁本体部32U1と延出部32U2を有している。絶縁本体部32U1は、上述の複数のコア構成部14Uの表面にそれぞれ一体成形や装着嵌合される等により一体化されており、コア構成部14Uに形成されたティース部24Uと巻回部26Uとを絶縁している。延出部32U2は、コア構成部14Uよりも径方向内側に位置されると共に、絶縁本体部32U1から継鉄40の軸方向一方側(Z1側)に沿って延出されている。
連結部34Uは、複数の絶縁部32Uの軸方向一方側(Z1側)に設けられている。この連結部34Uは、リング状に形成されており、複数の絶縁部32U(より具体的には、複数の絶縁部32Uにおける延出部32U2の延出端部(Z1側の端部))を連結しており、コア構成部14Uよりも径方向内側に位置されている。この連結部34Uの外周面における複数の絶縁部32Uの間には、突起状の保持部36Uが径方向外側に向けて複数突出されている。この保持部36Uは、上述の渡り線28Uを連結部34Uの軸方向他方側(矢印Z2側)から保持している。また、連結部34Uにおける複数の絶縁部32Uの間には、軸方向他方側(矢印Z2側)に開口する切欠き38Uが複数形成されている。
図2Bに示されるV相のステータ構成部12Vは、上述のU相のステータ構成部12Uと基本的な構成は同一とされている。つまり、このV相のステータ構成部12Vは、複数の継鉄構成部22Vと、複数のティース部24Vと、複数の環状部構成部25Vと、巻線16Vと、インシュレータ18Vを有して構成されている。複数の継鉄構成部22Vと、複数のティース部24Vと、複数の環状部構成部25Vと、巻線16Vと、インシュレータ18Vは、上述の複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uと、複数の環状部構成部25Uと、巻線16Uと、インシュレータ18U(いずれも図2A参照)に相当するものである。また、凸部78V及び凹部80Vは、上述の凸部78U及び凹部80Uに相当するものである。なお、このV相のステータ構成部12Vにおいて、連結部34Vは、リング状に形成されると共に、上述のU相の連結部34U(図2A参照)よりも小径に形成されている。また、保持部36Vは、渡り線28Vを連結部34Vの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持しており、且つ、コア構成部14Vよりも径方向内側に位置されている。
図2Cに示されるW相のステータ構成部12Wも、上述のU相のステータ構成部12Uと基本的な構成は同一とされている。つまり、このW相のステータ構成部12Wは、複数の継鉄構成部22Wと、複数のティース部24Wと、複数の環状部構成部25Wと、巻線16Wと、インシュレータ18Wを有して構成されている。複数の継鉄構成部22Wと、複数のティース部24Wと、複数の環状部構成部25Wと、巻線16Wと、インシュレータ18Wは、上述の複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uと、複数の環状部構成部25Uと、巻線16Uと、インシュレータ18U(いずれも図2A参照)に相当するものである。また、凸部78W及び凹部80Wは、上述の凸部78U及び凹部80Uに相当するものである。なお、このW相のステータ構成部12Wにおいて、連結部34Wは、リング状に形成されると共に、上述のV相の連結部34V(図2B参照)よりも小径に形成されている。また、連結部34Wからは上述の切欠き(図2Aの切欠き38U参照)が省かれている。また、保持部36Wは、渡り線28Wを連結部34Wの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持しており、且つ、コア構成部14Wよりも径方向内側に位置されている。
そして、図1に示されるように、この複数のステータ構成部12U,12V,12Wは、後に詳述する如く、互いに組み付けられることによって電機子構造体90を形成し、また電機子構造体90がハウジング70に保持されることによってステータ10が構成されている。また、このステータ10では、複数の継鉄構成部22U,22V,22Wによって環状の継鉄40が形成されている。
さらに、継鉄40を構成する各々の継鉄構成部22U,22V,22Wに形成された凸部78U,78V,78Wは、該継鉄40の軸方向から見てその周方向に沿って等間隔に配置されている。
また、図3A及び図3Bに示されるように、複数の連結部34U,34V,34Wは、継鉄40の径方向内側に径方向に間隙を有して配置されると共に、継鉄40と同軸上に設けられている。また、V相の保持部36Vは、U相の連結部34Uの内周面と嵌合されており、W相の保持部36Wは、V相の連結部34Vの内周面と嵌合されている。そして、これにより、複数の連結部34U,34V,34Wは、互いに径方向に離間した状態で保持されている。つまり、保持部36U,36V,36Wは、複数の連結部34U,34V,34Wの径方向間に設けられ、複数の連結部34U,34V,34Wを互いに径方向に離間した状態で保持する突起状のスペーサの役割も果たしている。
さらに、上述のように、複数の連結部34U,34V,34Wが継鉄40の径方向に間隙を有して配置された状態では、V相の渡り線28Vは、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uの内側を通過しており(切欠き38Uに収容されており)、W相の渡り線28Wは、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uと、V相の連結部34Vに形成された切欠き38Vの内側を通過している(切欠き38Uと切欠き38Vとに収容されている)。
(ロータ50)
図1に示されるようにロータ50は、ステータ10の径方向内側に配置されていると共に、軸線回りに回転可能に支持された回転軸部52と、該回転軸部52の周方向に沿って配設されたマグネット54S,54Nと、を含んで構成されている。具体的には、回転軸部52は、棒状の鋼材に浸炭処理等の表面処理が施されることによって形成されており、また回転軸部52は、図示しない軸受部材により回転可能に支持されている。さらに、回転軸部52の回りには、その周方向に沿ってS極のマグネット54SとN局のマグネット54Nとが交互に配置されている。このマグネット54S,54Nは、支持部材56を介して回転軸部52に固定されている。
(ステータ10の製造方法)
次に、上記構成からなるステータ10の製造方法について説明する。
先ず、図2Aに示されるように、インシュレータ18Uの絶縁部32Uにコア構成部14Uを一体化して、インシュレータ18U及び複数のコア構成部14UからなるU相のサブアッセンブリ42Uを形成する。同様に、図2Bに示されるように、インシュレータ18Vの絶縁部32Vにコア構成部14Vを一体化して、インシュレータ18V及び複数のコア構成部14VからなるV相のサブアッセンブリ42Vを形成する。また、図2Cに示されるように、インシュレータ18Wの絶縁部32Wにコア構成部14Wを一体化して、インシュレータ18U及び複数のコア構成部14VからなるW相のサブアッセンブリ42Wを形成する。そして、このようにして、U相、V相、W相毎にサブアッセンブリ42U,42V,42Wを形成する(サブアッセンブリ形成工程)。
続いて、図2Aに示されるように、U相のサブアッセンブリ42Uの各ティース部24Uに径方向外側から巻線16Uをフライヤ装置(図示せず)を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Uに複数の巻回部26Uが形成されたU相のステータ構成部12Uを形成する。
同様に、図2Bに示されるように、V相のサブアッセンブリ42Vの各ティース部24Vに径方向外側から巻線16Vを上述のフライヤ装置を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Vに複数の巻回部26Vが形成されたV相のステータ構成部12Vを形成する。また、図2Cに示されるように、W相のサブアッセンブリ42Wの各ティース部24Wに径方向外側から巻線16Wを上述のフライヤ装置を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Wに複数の巻回部26Wが形成されたW相のステータ構成部12Wを形成する。
このとき、図2Aに示されるように、複数の渡り線28Uについては、連結部34Uの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Uを突起状の保持部36Uによって連結部34Uの軸方向他方側(矢印Z2側)から保持する。同様に、図2Bに示されるように、複数の渡り線28Vについては、連結部34Vの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Vを突起状の保持部36Vによって連結部34Vの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持する。また、図2Cに示されるように、複数の渡り線28Wについては、連結部34Wの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Wを突起状の保持部36Wによって連結部34Wの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持する。
また、図2Aに示されるように、巻線16Uの両端側の端末部30Uについては、ティース部24Uからステータ10の軸方向一方側(矢印Z1側)に導出させる。同様に、図2Bに示されるように、巻線16Vの両端側の端末部30Vについては、ティース部24Vからステータ10の軸方向一方側に導出させる。また、図2Cに示されるように、巻線16Wの両端側の端末部30Wについては、ティース部24Wからステータ10の軸方向一方側に導出させる。そして、このようにして、U相、V相、W相毎にステータ構成部12U,12V,12Wを形成する(ステータ構成部形成工程)。
続いて、図3A,図3Bに示されるように、W相のステータ構成部12Wに対し、V相のステータ構成部12Vを周方向に所定の角度ずらした状態で、V相のステータ構成部12Vを軸方向一方側(矢印Z1側)からW相のステータ構成部12Wに組み付ける。また、V相のステータ構成部12Vに対し、U相のステータ構成部12Uを周方向に所定の角度ずらした状態で、U相のステータ構成部12Uを軸方向一方側(矢印Z1側)からV相のステータ構成部12V及びW相のステータ構成部12Wに組み付ける。これにより、複数のコア構成部14U,14V,14Wが環状に配列されて電機子構造体90が形成される(電機子構造体形成工程)。
また、図3A,図3Bに示されるように、V相の保持部36Vについては、U相の連結部34Uの内周面に嵌合し、W相の保持部36Wについては、V相の連結部34Vの内周面に嵌合する。そして、このようにして、複数の連結部34U,34V,34Wを突起状の保持部36U,36V,36Wによって互いに径方向に離間した状態で保持する。
さらに、このときには、V相の渡り線28Vを、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uの内側に通過させ、W相の渡り線28Wを、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uと、V相の連結部34Vに形成された切欠き38Vの内側に通過させる。
次に、ハウジング70とステータコア20とを一体化させる、即ち、ハウジング70と電機子構造体90とを一体化させる工程について説明する。
図4に示されるように、ハウジング70と電機子構造体90とは、治具としての支持治具92によって支持された電機子構造体90がハウジング70の第1筒状部70Bに圧入されることによって一体化される。以下、先ず支持治具92の構成について説明し、次いで電機子構造体90を支持治具92によって支持させる電機子構造体支持工程について説明し、最後に電機子構造体90をハウジング70の第1筒状部70Bに圧入する圧入工程について説明する。
図5及び図6に示されるように、支持治具92は、図示しないプレス機に固定されるベース部94と、ベース部94に支柱96を介して取付けられたハウジングガイド部98と、ベース部94に軸方向に移動可能に取付けられたコレット部100と、を備えている。
ベース部94は、矩形ブロック状に形成されており、このベース部94には、ガイドピン102が挿通されるガイド孔94Aが形成されている。また、ベース部94には、コレット部100を軸方向一方側に向けて付勢するコイルスプリング104の軸方向他方側の端部が収容される収容孔94Bが形成されている。さらに、ベース部94の外周部には、複数の支柱96が固定されている。
ハウジングガイド部98は、ベース部94と軸方向に対向して配置された矩形ブロック状に形成されている。また、ハウジングガイド部98には、ハウジング70の第1筒状部70B及び第2筒状部70Dが挿通されるガイド孔98Aが形成されている。ハウジング70の第1筒状部70B及び第2筒状部70Dがガイド孔98Aに挿通された状態で、圧入プレス部106がハウジング70の天壁70Aを軸方向他方側に押圧することによって、ハウジング70が電機子構造体90側に向けて移動するようになっている。
コレット部100は、電機子構造体90が載置される載置部108と、載置部108に取付けられていると共に周方向に沿って等間隔に配列された複数の(本実施形態では12個の)位置決め矢110と、複数の位置決め矢110を径方向内側に向けて移動させると共に当該複数の位置決め矢110の径方向外側への移動を規制する拘束部112と、を備えている。
載置部108は、電機子構造体90の外径に対応する円筒状に形成されており、図7に示されるように、載置部108には、各々の継鉄構成部22(図2D参照)を支持する複数の支持突起108Aが形成されている。また、載置部108において支持突起108Aよりも径方向外側の部位には、後に詳述する複数の位置決め矢110を支持する位置決め矢支持部108Bが設けられている。位置決め矢支持部108Bに挿通されたピン114によって位置決め矢110が傾倒可能に支持されている。また、図5及び図6に示されるように、載置部108とベース部94との間には、前述のコイルスプリング104が介装されている。さらに、載置部108には、前述のガイドピン102の軸方向他方側の端部が固定されており、これにより、載置部108が軸方向に移動することが可能となっている。
図7及び図8に示されるように、位置決め矢110は、矩形板状に形成されていると共に前述のピン114が挿通される挿通孔110Aを有する板状部110Bと、板状部110Bの軸方向一方側かつ径方向内側の端部から軸方向一方側に向けて延びるピン部110Cと、を備えている。ピン部110Cは、軸方向を長手方向とする長尺状に形成されており、図9に示されるように、このピン部110Cが継鉄構成部22に形成された凹部80に係合するようになっている。
図7及び図8に示されるように、拘束部112は、リングブロック状に形成されており、図8に示されるように、この拘束部112は、載置部108の外周部に形成された螺子部108Cと螺合される螺子部112Aと、位置決め矢110の板状部110Bに当接する当接部112Bと、を備えている。また、当接部112Bの径方向内側の面は、軸方向他方側に向かうにつれて次第に縮径するテーパ面112Cとされている。拘束部112の螺子部112Aが載置部108の螺子部108Cに螺合されて、拘束部112が軸方向他方側に移動することによって、位置決め矢110の板状部110Bが径方向内側に向けて傾倒するようになっている。また、位置決め矢110の板状部110Bが径方向内側に向けて傾倒することによって、位置決め矢110のピン部110Cが径方向内側に向けて移動して、図9に示されるように、ピン部110Cが継鉄構成部22に形成された凹部80に係合すると共にピン部110Cが継鉄構成部22を径方向内側に向けて押圧するようになっている。
図10に示されるように、以上説明した支持治具92の載置部108(支持突起108A)に電機子構造体90を載置する。次いで、図11、図12A及び図12Bに示されるように、拘束部112を軸方向他方側に移動することによって、位置決め矢110のピン部110Cを継鉄構成部22に形成された凹部80に係合する。そしてさらに、拘束部112を軸方向他方側に移動することによって、継鉄構成部22を径方向内側に向けて押圧する。これにより、各々のコア構成部14が径方向内側に移動して、継鉄構成部22の周方向の端面S1と他の継鉄構成部22の周方向の端面S1とが当接して密着する。これにより、支持治具92による電機子構造体90の支持が完了する(電機子構造体支持工程)。また、図12Bに示されるように、電機子構造体支持工程の完了状態において、位置決め矢110のピン部110Cにおいて周方向に向けられた面S2と、継鉄構成部22に形成された凹部80において周方向に向けられた面S3とが当接している。
図13に示されるように、圧入プレス部106がハウジング70の天壁70Aを軸方向他方側に押圧することによって、ハウジング70を電機子構造体90側に向けて移動させる。ここで、本実施形態では、電機子構造体90に対してハウジング70をコア構成板13(図2A参照)の板厚よりも短い距離ずつ移動させることによって、電機子構造体90のハウジング70(第1筒状部70B)への初期圧入を行う。
次いで、図14に示されるように、拘束部112(図示省略)を軸方向一方側に移動することによって、位置決め矢110のピン部110Cを継鉄構成部22から離間させる。なお、本実施形態では、コレット部100が軸方向他方側に移動した際に、図示しない位置決め矢解放機構が作動して、位置決め矢110のピン部110Cが継鉄構成部22から離間するようになっている。そして、圧入プレス部106がハウジング70の天壁70Aを軸方向他方側にさらに押圧することによって、ハウジング70を電機子構造体90側に向けてさらに移動させる。これにより、図15に示されるように、電機子構造体90のハウジング70(第1筒状部70B)への圧入が完了する(圧入工程)。
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図1に示されるように、本実施形態のブラシレスモータ60は、上記構成のステータ10及びロータ50を有して構成されている。巻線16に通電されてステータコア20及びハウジング70に回転磁界が生じることによってマグネット54S,54Nを有するロータ50が回転軸部52を軸中心として回転する。
ここで、本実施形態のブラシレスモータ60の一部を構成するステータ10は、図12B及び図13に示されるように、継鉄構成部22の周方向の端面S1と他の継鉄構成部22の周方向の端面S1とを密着させた状態で前述の圧入工程を経るため、一のコア構成部14が他のコア構成部14に対して傾いた状態で電機子構造体90がハウジング70に圧入されることが抑制される。すなわち、本製造方法によれば、圧入工程時に、各々のコア構成部14が所定の姿勢に対して傾くことを抑制することができる。
また、本実施形態では、位置決め矢110のピン部110Cを継鉄構成部22に形成された凹部80に係合させることによって電機子構造体90を支持する構成とされていることにより、各々のコア構成部14の位置決め矢110に対する位置決めを容易に行うことができる。
さらに、本実施形態では、前述の電機子構造体支持工程の完了状態において、位置決め矢110のピン部110Cにおいて周方向に向けられた面S2と、継鉄構成部22に形成された凹部80において周方向に向けられた面S3とが当接している。これにより、各々のコア構成部14の軸方向に対する傾きを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、図13に示されるように、電機子構造体90に対してハウジング70をコア構成板13(図2A参照)の板厚よりも短い距離ずつ移動させることによって、電機子構造体90のハウジング70への初期圧入を行う。これにより、各々のコア構成部14のハウジング70に対する傾きが生じやすい初期圧入時における各々のコア構成部14のハウジング70に対する傾きを効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態では、初期圧入時のみにおいて、位置決め矢110のピン部110Cを継鉄構成部22に押圧した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、圧入工程の初期から終了まで位置決め矢110のピン部110Cを継鉄構成部22に押圧してもよい。このように、位置決め矢110のピン部110Cを継鉄構成部22から離間させるタイミングは、ハウジングの形状等を考慮して適宜設定すればよい。
また、本実施形態では、上記コレット部100を有する支持治具92によって電機子構造体90を支持させた例について説明してきたが、本発明はこれに限定されない。支持治具の構成は、継鉄構成部22の外周部に凹部80が形成されているか否か等を考慮して適宜設定すればよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10…ステータ,13…コア構成板,14…コア構成部,14U…コア構成部,14V…コア構成部,14W…コア構成部,22…継鉄構成部,22U…継鉄構成部,22V…継鉄構成部,22W…継鉄構成部,24…ティース部,24U…ティース部,24V…ティース部,24W…ティース部,40…継鉄,70…ハウジング,80…凹部(窪み部),80U…凹部(窪み部),80V…凹部(窪み部),80W…凹部(窪み部),90…電機子構造体,92…支持治具(治具),S1…継鉄構成部の周方向の端面,S2…位置決め矢のピン部において周方向に向けられた面(治具の一部において周方向に向けられた面),S3…凹部において周方向に向けられた面(窪み部において周方向に向けられた面)

Claims (3)

  1. 環状の継鉄を構成すると共に周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から径方向内側に向けて突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部を環状に配列させることによって電機子構造体を形成する電機子構造体形成工程と、
    各々の前記継鉄構成部を径方向内側に向けて押圧することによって、前記継鉄構成部の周方向の端面を隣接する前記継鉄構成部の周方向の端面に当接させると共に前記電機子構造体を支持する電機子構造体支持工程と、
    前記電機子構造体支持工程において支持された状態の前記電機子構造体を筒状に形成されたハウジングの径方向内側に圧入する圧入工程と、
    を有し、
    径方向外側が開放された窪み部が前記継鉄構成部の径方向外側の部位に形成された前記コア構成部を用い、
    前記電機子構造体支持工程において、治具の一部を前記窪み部に係合させた状態で各々の前記継鉄構成部を径方向内側に向けて押圧するステータの製造方法。
  2. 前記窪み部が軸方向に沿って形成された前記コア構成部を用い、
    前記電機子構造体支持工程において、前記治具の一部を前記窪み部に係合させることによって、前記治具の一部において周方向に向けられた面と、前記窪み部において周方向に向けられた面とを当接させる請求項記載のステータの製造方法。
  3. 軸方向を板厚方向とするコア構成板が軸方向に積層されることによって形成された前記コア構成部を用い、
    前記圧入工程において、前記電機子構造体に対して前記ハウジングを前記コア構成板の板厚よりも短い距離ずつ移動させることによって、前記電機子構造体の前記ハウジングへの初期圧入を行う請求項1又は請求項記載のステータの製造方法。
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