JP3620423B2 - 楽曲情報入力編集装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シーケンサーあるいは楽曲を作成・編集するオーサリングツールなどの楽曲情報入力編集装置に関し、特に、各チャンネルがモノフォニックで構成されているようなシンプルな楽曲データの作成に用いて好適なインターフェースを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、楽曲を作成・編集するシーケンスソフトあるいは楽曲オーサリングツールなどのソフトウエアが知られている。このようなシーケンスソフトにおいては、楽曲データを入力する手段として、リアルタイムMIDI録音などのリアルタイム系入力、および、ピアノロール・ウインドウ、イベントリスト・ウインドウあるいは楽譜表示などの各種編集ウインドウによる打ち込みなどのノンリアルタイム系入力により楽曲データを入力することができるようになされている。前記リアルタイム系入力によれば、MIDI楽器などの演奏をリアルタイム録音することにより容易に楽曲を入力することができるが、楽器の演奏ができない者は打ち込みによるノンリアルタイム系の入力を行わざるを得ない。しかしながら、このようなノンリアルタイム系の入力には、次のような問題点がある。
【0003】
ピアノロール・ウインドウによる打ち込みは最も一般的なものであるが、ピアノロール上の音符データの音域やタイミングを一つ一つグラフィック上で確認する手間や、マウス操作によるストレスがある。
また、音符(MIDIノート)などのデータ(イベント)を時間経過順に一行形式で表示させたイベントリスト・ウインドウを用いて打ち込みを行う場合には、イベントを挿入するためのメニューを選択し、音符データ一つずつにつきイベントを確認しながら打ち込む手間が生じる。
さらに、楽譜表示による打ち込みの場合には、画面上に表示された五線譜上に、マウス操作により一音ずつ楽譜データを入力していくのであるが、楽譜表示上の音域やタイミングを一つ一つグラフィック上で確認する手間やマウス操作によるストレスがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
携帯端末の着信音や保留音用の楽曲などは、1チャンネルがモノフォニックで構成されていることが多く、このようなシンプルな音符列を入力するために上述のような従来用いられてきた入力方法を採用する必要はない。
そこで本発明は、携帯端末用着信メロディなどのようなシンプルな楽曲データの入力および編集を簡単に行うことのできる楽曲情報入力編集装置を提供することを目的としている。
また、シンプルな楽曲データを容易に修正することのできる楽曲情報入力編集装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の楽曲情報入力編集装置は、楽曲を構成する音符あるいは休符に対応した英数字情報を入力するテキスト入力手段と、前記英数字情報を表示するテキスト表示手段と、前記英数字情報を予め決められた第1のルールに従いその楽曲の演奏情報に変換する第1の変換手段と、前記第1の変換手段で変換された演奏情報を記憶する記憶手段とを有するものである。
また、前記記憶手段に記憶された演奏情報を予め決められた第2のルールに従い前記英数字情報に変換する第2の変換手段を有するものである。
さらに、前記記憶手段に記憶された演奏情報を再生する楽曲再生手段を有するものである。
【0006】
さらにまた、前記楽曲再生手段による演奏情報の再生時に、その楽曲における現在の再生位置を検出する再生位置検出手段をさらに有し、前記表示手段は、前記再生位置検出手段の出力に基づいて前記英数字情報中にその再生位置を表示するものである。
さらにまた、前記記憶手段に記憶された演奏情報を予め決められた第3のルールに従い前記英数字情報とは異なる表示形態の楽曲表示用情報に変換する第3の変換手段をさらに有し、前記表示手段は、前記第3の変換手段の出力に基づいて前記英数字表示とは異なる表示形態でその楽曲を表示するものである。
さらにまた、前記テキスト入力手段は、前記音符に対応した英数字情報にその演奏方法に対応する英数字を付して入力することが可能であり、前記第1の変換手段は、前記演奏方法に対応する英数字を検出した場合にその音符の音長情報を修正して変換するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の楽曲情報入力編集装置の全体構成を示すブロック図である。この図において、1は装置全体の動作の制御を行う中央処理装置(CPU)、2は制御プログラムや定数データなどを格納するROM、3は主メモリやワークエリアとして使用されるRAM、4は編集ウインドウなどの各種表示を行う表示装置(ディスプレイ)、5は文字や数字などを入力する入力装置(キーボード)、6はマウスなどの座標入力装置、7は楽音発生部、8はサウンドシステム、9は各種プログラムやデータおよび演奏情報を格納するハードディスク装置などの外部記憶装置、10は各種入出力インターフェース、11はバスである。そして、この楽曲情報入力編集装置は、前記入出力インターフェース10を介してMIDI楽器などの外部MIDI機器12、PHSや携帯電話機などの携帯端末13、さらには、インターネットなどのネットワークを介して外部楽曲配信サーバ14など各種の装置に接続することができるようになされている。
なお、このような本発明の楽曲情報入力編集装置の構成要素1〜11は、通常のパーソナルコンピュータの構成と同一であり、本楽曲情報入力編集装置は、パーソナルコンピュータ上のシーケンスソフトウエアとして実現すること、あるいは、専用機として実現することのいずれも可能である。また、前記座標入力装置6および外部記憶装置9などを除けば、携帯電話などの携帯機器に搭載されるソフトウエアとしても実現することができる。
【0008】
本発明の楽曲情報入力編集装置においては、楽曲を構成する音符や休符などを英文字、数字、スペースおよび特殊文字(以下、「英数字」という。)で表現し、該音符や休符を表現する英数字を入力したり音符や休符に対応する英数字を表示するためのテキスト・スコア・ウインドウをノンリアルタイム系の楽曲入力手段として設けている。使用者は、このテキスト・スコア・ウインドウを用いて楽曲データの入力および編集を行う場合には、文字および数字を入力するキーボードを用いて楽曲データの入力および編集を行うことが可能となり、マウスなどを使用することによるストレスを感じることなく作業を行うことができる。
また、この楽曲情報入力編集装置においては、入力された楽曲データを所定のフォーマットの演奏情報(「内部シーケンス・データ」と呼ぶ)で記憶するようにしている。したがって、前述したテキスト・スコア・ウインドウ、あるいは、従来より用いられているピアノロール・ウインドウ、イベントリスト・ウインドウ、楽譜表示ウインドウなどの編集ウインドウを用いるノンリアルタイム系の入力インターフェースあるいはリアルタイム録音などのリアルタイム系の入力インターフェースから入力された楽曲データ、さらには、外部機器から入力される楽曲データは、前記内部シーケンス・データに変換されて記憶され、また、既存の楽曲データを表示あるいは外部に出力する場合には、その内部シーケンス・データが選択された形式のデータに変換されて表示あるいは外部出力されることとなる。
【0009】
図2は、前記テキスト・スコア・ウインドウの一例を示す図である。なお、この例では、このテキスト・スコア・ウインドウを介してテキスト表現で入力される楽曲データによりモノフォニックの4チャンネルの楽音を発生するものとする。すなわち、各チャンネルは、同時に一つの音しか発音しないものとする。
図2において、20はテキスト・スコア・ウインドウ、21はタイトルバー、22は前記4つのチャンネル(Ch1、Ch2、Ch3およびCh4)のいずれかのチャンネルを選択するタブ、23は選択されたチャンネルの英数字で表現された楽曲データ(以下、単に「テキストデータ」とよぶ。)を入力したりあるいは表示するテキスト・スコア・セクション、24はスクロールバーである。また、25はテキスト変換ボタンであり、このテキスト変換ボタン25をマウス等で選択してクリックすることにより、前記テキスト・スコア・セクション23に表示されているテキストデータを前記内部シーケンスデータに変換して記憶する処理が実行される。さらに、26はテキスト逆変換ボタンであり、このテキスト逆変換ボタン26をマウス等でクリックすることにより、既に前記内部シーケンスデータの形式で記憶されている楽曲データをテキストデータに変換して前記テキスト・スコア・セクション23に表示する処理が実行される。
【0010】
図3は、本発明の楽曲情報入力編集装置の機能を説明するための機能ブロック図であり、まず、この図を参照して本発明の楽曲情報入力編集装置の機能の概略について説明する。
図3において、30は前述した前記内部シーケンスデータ、31は前記テキスト・スコア・ウインドウ20に入力されたテキストデータを読み込んだり、テキスト・スコア・ウインドウ20にテキストデータを表示するテキストインターフェース処理部、32はテキストデータ、33は入力されたテキストデータ32を前記内部シーケンスデータ30に変換する第1の変換処理部(変換処理1)である。前記テキスト・スコア・ウインドウに入力された楽曲を表すテキストデータは、この変換処理1により内部シーケンスデータに変換される。また、34は、前記内部シーケンスデータ30をテキストデータに変換する第2の変換処理(変換処理2)であり、既に入力されている内部シーケンスデータ30は、この変換処理2によりテキストデータ32に変換され、前記テキスト・スコア・ウインドウ20に表示される。
【0011】
この楽曲情報入力編集装置には、通常設けられているピアノロール・ウインドウ、イベントリスト・ウインドウあるいは楽譜表示ウインドウなどのテキスト・スコア・ウインドウ以外の楽譜入力編集作業を行う編集ウインドウ(以下、これらを一括して「他モードウインドウ」とよぶ)が用意されており、35は、これらの他モードウインドウから楽曲データを入力したり、あるいは、他モードウインドウに楽曲データを表示したりする他モードインターフェース処理部、36はこれら他モードウインドウにおける楽曲データ(「他モードデータ」という)である。そして、前記内部シーケンスデータ30は、第3の変換処理(変換処理3)37によりこれら他モードデータ36に変換され、他モードデータ36は第4の変換処理(変換処理4)38により前記内部シーケンスデータ30に変換される。
【0012】
また、39は、楽曲データを前記入出力インターフェース10(図1)を介して装置外部に接続された各種機器に送出したり、あるいは、外部機器から供給される楽曲データを入力するために、前記内部シーケンスデータ30をSMF(Standard MIDI File)フォーマット、携帯機器用楽曲フォーマットなどのそれに適したフォーマットのデータに変換したり、外部から供給される各種フォーマットの楽曲データを前記内部シーケンスデータ30に変換するためのフォーマット変換処理部である。なお、フォーマット変換処理部39はリアルタイムでのMIDI入出力機能を有していてもよい。
さらに、40は前記内部シーケンスデータ30に基づいてそれに対応する発音制御信号を前記楽音発生部7に供給し、その演奏情報を再生させる処理を行う楽曲再生処理部である。
【0013】
そして、本発明の楽曲情報入力編集装置においては、楽曲を再生中にその楽曲データを前記テキスト・スコア・ウインドウ20などの編集ウインドウで表示させているときに、現在発音中の楽音に対応する位置を表示するようにしており、41は、前記楽曲再生処理部40において現在発音されている楽音のその楽曲データ中における位置を検出する再生位置検出処理部である。再生中の楽曲のテキストデータを前記テキスト・スコア・ウインドウで表示させているときに、この再生位置検出処理部41により検出された位置にあるテキストデータを白抜きで表示したり、あるいは、検出された位置にカーソルを表示させることにより、再生位置を示すことができる。
【0014】
図4は、上述した本発明の楽曲情報入力編集装置におけるメインルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
処理が開始されると、まず、ステップS1の初期設定処理が開始され、ここで各種初期設定が行われるとともに、楽曲全体の構成を示すトラックビューウインドウや楽曲の再生や録音、リアルタイム入力を行うためのプレイコントロールウインドウが表示される。また、楽曲の作成および編集を行うための編集ウインドウとしてどの種類のウインドウがデフォルトとして使用されるかも設定される。そして、何らかのユーザイベントが発生するのを待つ。
【0015】
何らかのユーザイベントが発生するとステップS2に進み、発生したユーザイベントに対応する処理に分岐する。
ユーザにより新規に楽曲データを作成するために新規ファイルの作成が指示されたときには、ステップS3に進み、設定されている種類の新規な編集ウインドウが開かれる。
また、ユーザにより既存の楽曲データを開くことが指示されると、ステップS4に進み、選択された楽曲データを設定されている種類の編集ウインドウ用のデータに変換する。設定されている編集ウインドウの種類がテキスト・スコア・ウインドウであるときは前記変換処理2が行われ、ピアノロール・ウインドウ、イベントリスト・ウインドウあるいは楽譜ウインドウであるときは前記変換処理3が行われる。そして、その楽曲データが表示された編集ウインドウを開く(ステップS5)。
【0016】
前記テキスト・スコア・ウインドウあるいは前記他モードウインドウに対してデータの入力あるいは編集などの操作が行われた場合には、ステップS6に進み、該データの入力あるいは編集処理および入力されたデータの編集ウインドウへの表示が行われる。ここで、前記テキスト・スコア・ウインドウが開かれている場合に、前記テキスト変換ボタン25が操作されたときには、該テキスト・スコア・ウインドウに表示されているデータを前記内部シーケンスデータに変換する前記変換処理1が行われ、前記テキスト逆変換ボタン26が操作されたときには、内部シーケンスデータをテキストデータに変換する前記変換処理2が行われ、内部シーケンスデータに対応するテキスト表現の楽曲データを前記テキスト・スコア・ウインドウに表示する。
【0017】
前記プレイコントロールウインドウ中の再生ボタンが操作されたときは、ステップS7に進み、再生すべき楽曲の内部シーケンスデータに基づいて発音制御信号を生成して前記楽音発生部7に出力する楽曲の再生処理を行う。続いて、ステップS8において、前記ステップS7において発音制御信号が生成された前記内部シーケンスデータに対応する前記編集ウインドウに表示されている楽曲データの位置を検出し、これに基づいて、ステップS9で編集ウインドウ中にその発音位置を表示する。例えば、前記テキスト・スコア・ウインドウに楽曲データが表示されているときには、カーソル位置をその発音位置に対応させて移動させることなどによりその発音位置を表示する。また、編集ウインドウがピアノロール・ウインドウや楽譜ウインドウであるときには、発音位置を示す縦線を移動させることによりその発音位置を表示する。なお、この図に示していないが、前記プレイコントロールウインドウ中の録音ボタンが操作されたときは、外部MIDI機器12などから楽曲データをリアルタイム入力することができる。
【0018】
ユーザにより編集ウインドウの種類を指定する処理が行われたときには、ステップS10に進み、現在表示されている楽曲データに対応する内部シーケンスデータをユーザにより指定された種類の編集ウインドウ用のデータに変換する処理、すなわち、前記変換処理2あるいは3が行われる。そして、ステップS11に進み、ユーザにより指定された種類の編集ウインドウにその楽曲データを表示する。これにより、ユーザは、その編集ウインドウを用いてその楽曲の作成編集処理を行うことができる。
【0019】
ユーザにより外部からの楽曲データの入力が指示されたときには、ステップS12に進み、外部機器から該選択された楽曲データを入力し、前記内部シーケンスデータに変換する。そして、ステップS13に進み、該内部シーケンスデータを設定されている編集ウインドウ用のデータに変換して、その編集ウインドウに外部から入力した楽曲データを表示する(ステップS14)。編集ウインドウがテキスト・スコア・ウインドウであるときにはステップS13は前記変換処理2であり、その他の種類の編集ウインドウであるときには前記変換処理3である。ユーザにより楽曲データの外部出力が指示されたときは、ステップS15に進み、編集中の楽曲データを外部出力するときにはその楽曲データを前記変換処理2あるいは3により前記内部シーケンスデータに変換して得られた内部シーケンスデータ、既存の楽曲データを外部出力するときにはその内部シーケンスデータを外部出力のために指定されたフォーマット(SMF、携帯機器用楽曲フォーマットなど)に変換し(前記フォーマット変換処理39(図2))、前記入出力インターフェース10を介して選択された外部MIDI機器12、携帯機器13あるいは楽曲配信サーバ14などの外部機器に出力する(ステップS16)。
【0020】
また、ユーザにより楽曲の保存が指示されたときには、ステップS17において、編集ウインドウに表示されている楽曲データを前記内部シーケンスデータに変換する処理、すなわち、前記変換処理1あるいは4が行われ、その内部シーケンスデータが保存される(ステップS18)。
また、処理の終了が指示されたときには、その楽曲が保存されていないときには保存を促すメッセージを表示するなど終了処理(ステップS19)を行い、このアプリケーションプログラムを終了する。
【0021】
次に、本発明に特徴的な前記テキスト・スコア・ウインドウ20を用いる楽曲データの作成編集処理、テキストで表現された楽曲データを前記内部シーケンスデータに変換する変換処理1、内部シーケンスデータをテキスト表現の楽曲データに変換する変換処理2などについて説明する。
まず、楽譜(楽曲データ)のテキスト表現について説明する。
図5は、本発明における楽譜のテキスト表現の一例を示す図である。楽譜をアルファベットや数字および特殊記号で表記する方法は各種考えられるが、前述のように、本発明では、携帯機器の着信メロディあるいは各チャンネルがモノフォニックで構成されているような単純な楽曲データを簡易に入力することを目的としているため、この図に示すような表記ルールを用いている。
本発明では、図5に示す、音程、音程調整、音長および音長調整を示すテキストのセットで1つの音符あるいは休符を表現するようにしており、各音符あるいは休符の間は、スペースで区切るようにしている。ここで、音程調整および音長調整は必要な場合にのみ含まれるようにしている。
【0022】
図5に示すように、休符は「R」で示され、ドは「C」、レは「D」、ミは「E」、ファは「F」、ソは「G」、ラは「A」、シは「B」で表現する。また、音程調整において、シャープは「#」、フラットは「b」、デフォルトのオクターブより一つ上のオクターブへの移行を示すオクターブシフトアップは「u」、デフォルトのオクターブより一つ下のオクターブへの移行を示すオクターブシフトダウンは「d」で表現する。
さらに、音長は、全音符は「1」、付点2分音符は「2.」、2分音符は「2」、付点4分音符は「4.」、4分音符は「4」、付点8分音符は「8.」、4分3連符は「6」、8分音符は「8」、8分3連符は「12」、16分音符は「16」というように、その音符名に対応した数字で表現する。なお、ここでは、図に示すように、4分音符の長さを24単位時間(チック)としている。
【0023】
さらにまた、上述したような音符や休符、音程調整だけではなく、音符の演奏方法を示す記号として、「S」で表現するスラーが定義されている。
図6はスラーのない場合とスラーがある場合における発音の差を説明するための図であり、(a)はスラーのない通常発音の場合、(b)はスラーのある場合における発音の様子を示す。この図に示すように、スラーのない場合における発音時間長をその音符長に対応する所定の時間長とすると、(b)に示すように、スラーのある場合には、前の音符の音符長はその所定の時間長よりも長く設定される。これにより、図中破線で示すように、次の音符のアタック部は発音されず、前の音符と次の音符が連続して発音されることとなる。
【0024】
なお、本発明における楽曲のテキスト表現においては、4/4拍子に固定しており、デフォルト(オクターブシフトアップあるいはオクターブシフトダウンが指示されないとき)のオクターブはC3#〜C4のオクターブとされている。また、休符についても、すべて4分休符であるとしている。このように、各音程はその音名に対応したアルファベット、音長はその音符名に対応した数字を割り当てているために、非常に容易に入力をすることが可能となっている。
【0025】
次に、前記図5に関して説明した楽譜のテキスト表現方法を用いて、前記図2に示したテキスト・スコア・ウインドウ20に楽譜を入力するときの様子について説明する。図7の(a)は打ち込みたい楽譜の一例を示し、図7の(b)に、それに対応するテキストがテキスト・スコア・ウインドウ20に表示されている様子を示す。
図7(a)の楽譜例において、最初の音符はド(音名C4)の付点8分音符であり、(b)では、「C8.」と表記されている。次の音符は、レ(音名D4)の16分音符であり、スペースのあとに「D16」と表記されている。以下、同様に、「E8」、「F8」、「E8」、「E8」、「C4」と表記される。第2の小節目の最初の音符はレ(音名D4)の8分3連符であり、「D12」と表記され、以下、「D12」、「C12」と表記される。次のシ(音名B3)の8分音符は1オクターブ低い音であるので、「Bd8」と表記され、最後のド(音名C4)の4分音符は「C4」と表記される。このように、各音符を表す音程表記、音程調整表記、音長表記および音長調整表記がスペースを介して順次テキストで表現される。
【0026】
また、前述のように、本発明では、スラーがある場合にもテキストでその楽譜データを表現することができるようになされている。図8を参照してスラーがある場合のテキスト入力の例について説明する。図8の(a)はスラーがある場合の楽譜例を示し、(b)はそのテキスト入力例を示す。
前記図7の(a)の場合と比較して、図8の(a)の楽譜例では、第1小節の最後のミとドの音符、および、第2小節のシとドがスラーで結ばれている点で相違している。この場合には、図8の(b)のテキスト打ち込み例中に2重の下線で示すように、スラーで結ばれている音符の内の前に位置する音符(最後の音符ではない音符、この例では、「E8」と「Bd8」)にスラーを示す音長調整の記号「S」を付加して入力すればよい。
【0027】
次に、前記内部シーケンスデータ30のフォーマットについて説明する。この内部シーケンスデータ30としては、SMF、携帯機器用楽曲フォーマットなど各種のフォーマットのデータを用いることができるが、ここでは、図9に示したフォーマットを有する内部シーケンスデータを用いるものとして説明する。前記変換処理1は、前述したようにテキストで表現された楽譜データをこの内部シーケンスデータに変換し、前記変換処理2は、この内部シーケンスデータを前述した表現形式のテキストデータに変換する処理を行う。
図9において、(a)は音符データを示し、(b)は休符データを示している。図9の(a)および(b)に示すように、音符データおよび休符データともに、16ビットの長さのデータとされている。
【0028】
図9の(a)に示す音符データは、2ビットのオクターブ設定ビット、NT3〜NT0で示す4ビットの音程設定ビット、2ビットのチャンネル設定ビット、値が「0」の1ビット、Tl3〜Tl0で示す4ビットのインターバル設定ビットおよびTX2〜TX0で示す3ビットの発音長設定ビットから構成されている。
前記2ビットのオクターブ設定ビットが、「01」(1)のときは音名C2#〜C3のオクターブが指定され、「10」(2)であるときはC3#〜C4のオクターブ、「11」(3)のときはC4#〜C5のオクターブが指定される。デフォルトでは「10」のC3#〜C4のオクターブが指定されるようになされており、前記オクターブシフトダウンのときは、「01」のC2#〜C3のオクターブとされ、前記オクターブシフトアップのときは「11」のC4#〜C5のオクターブとされる。
【0029】
図10の(a)は前記音程設定ビット(NT3〜NT0)で設定される音程を示す図であり、この図に示すように、NT3〜NT0が「0001」(1)であるときはC#、「0010」(2)のときはD、「0011」(3)のときはD#、「0101」(5)のときはE、「0110」(6)のときはF、「0111」(7)のときはF#、「1001」(9)のときはG、「1010」(10)のときはG#、「1011」(11)のときはA、「1101」(13)のときはA#、「1110」(14)のときはB、「1111」(15)のときはCに設定される。
2ビットのチャンネル設定ビットは、どの発音チャンネルで発音される音符であるかを設定するビットであり、「00」(0)のときは第1チャンネル(Ch1)、「01」(1)のときは第2チャンネル(Ch2)、「10」(2)のときは第3チャンネル(Ch3)、「11」(3)のときは第4チャンネル(Ch4)というようにその音符の発音チャンネルを設定する。
【0030】
Tl3〜Tl0の4ビットのインターバル設定ビットは、次に処理する音符あるいは休符までのインターバル時間を設定するビットである。図10の(b)は、このインターバル設定ビットにより設定されるインターバル時間(単位はチック数、48チックは全音符の時間に相当)を示すものであり、この図に示すように次の音符あるいは休符までの時間が設定される。なお、この例に示す内部シーケンスデータ30は、48チックで全音符(12チックで4分音符)の分解能とされている。
TX2〜TX0の3ビットの発音長設定ビットは、その音符による楽音の発音長を設定するものである。図10の(c)はこの発音長設定ビットにより設定される発音長(単位はチック数)を示すものであり、前記インターバル設定ビット(Tl3〜Tl0)およびこの発音長設定ビット(TX2〜TX0)の値によってその音符の発音長が設定されるようになされている。
【0031】
図9の(b)に示すように、休符データは、先頭の6ビットが休符コード(001100)であり、続いて、音符データと同様に、2ビットのチャンネル設定ビット、「0」の1ビット、4ビットのインターバル設定ビット(Tl3〜Tl0)があり、最後の3ビットは「000」とされている。ここで、2ビットのチャンネル設定ビットおよび4ビットのインターバル設定ビット(Tl3〜Tl0)は、前記音符データの場合と同様である。
【0032】
前述のように、前記変換処理1は前記テキスト・スコア・ウインドウに入力されたテキストデータを前記図9に示した音符データおよび休符データからなる楽譜データ(内部シーケンスデータ)に変換する処理を行う。
図11は、この変換処理1の流れを示すフローチャートである。
変換処理1が開始されると、まず、ステップS21で処理する発音チャンネル番号を示すカウンタiを初期値1にセットし、ステップS22に進む。ステップS22では、このチャンネルiのシーケンスデータ作成処理を行う。すなわち、このチャンネルiのテキストで表現された楽曲データのスペースで区切られたテキストデータ(楽譜あるいは休符に対応)を取込み、それを前記図10に示された規則に従って前記図9に示す音符データあるいは休符データに変換する。この処理をそのチャンネルのテキストデータの最後まで繰り返し行い(ステップS23)、そのチャンネルのテキストデータの変換が終了したら、全てのチャンネルについての変換が終了したか否かを判定し(ステップS24)、最後のチャンネル(この場合は第4チャンネル)でないときは、チャンネル番号iをインクリメントして(ステップS25)上記処理を繰り返し、全てのチャンネルについてそのテキストデータを前記内部シーケンスデータに変換する。
【0033】
前記ステップS21〜S25により全てのチャンネルについてテキストデータを内部シーケンスデータに変換した後、ステップS26に進み、各チャンネル(チャンネル1〜チャンネル4)の内部シーケンスデータを発生順に並べ替え、最終的な内部シーケンスデータを得る。なお、このとき、インターバルデータの補正を行う。各チャンネル毎に変換された内部シーケンスデータに含まれているインターバル設定ビットは、そのチャンネルにおける音符あるいは休符のタイミング間隔を示すものであり、複数のチャンネルの内部シーケンスデータを合成するときには全チャンネルの音符あるいは休符がひとつのシーケンスデータとされるため、音符あるいは休符の発生タイミングを正しいものとするために、前記インターバルデータを補正することが必要となる。
【0034】
図12に示す例を参照して、この変換処理1についてさらに説明する。ここでは、チャンネル1の「C8. Bd8S C4 R Du4」というテキストスコアを前記内部シーケンスデータに変換するものとする。
前述のように、前記変換処理1では、ステップS22において、スペースで区切られたテキストデータを取込み、それを前記図10および図9に示した規則に基づいて音符データあるいは休符データに変換する。
まず、最初のスペースまでのテキストデータは、「C8.」である。この中にはオクターブシフトアップあるいはオクターブシフトダウンを示す「u」あるいは「d」は含まれていないので、オクターブ設定データはデフォルト値である「10」に設定される。また、音程は「C」であるので、前記図10の(a)に基づき音程設定ビット(NT3−0)は「1111」(=15)に設定される。さらに、チャンネルは第1チャンネルであるので「00」に設定される。次に、音符長を示すテキストは「8.」であり、これは、前記図5に示すように1拍を24チックで表したとき18チックとなる。ここで、この内部シーケンスデータは全音符(=4拍)を48チックとしているので、前記テキスト表現におけるチック数を1/2倍した後にインターバル設定ビットおよび発音長設定ビットを決定するようにしている。したがって、18/2=9(チック)となり、前記図10の(b)より、インターバル設定ビット(TI3−0)は「0110」(=6)となる。また、発音長設定ビット(TX2−0)は、前記インターバル(9チック)よりも1チック短い値(8チック)とされ、前記図10の(c)より、「101」(=5)とされる。
【0035】
次のテキスト表現された音符は「Bd8S」であり、ここにはオクターブシフトダウンを示す「d」が含まれている。したがって、前記オクターブ設定ビットは1オクターブ下の「01」とされる。また、「B」により音程設定ビット(NT3−0)は「1110」に設定される。さらに、音符長を示すテキストデータは「8」であるので、インターバル設定ビット(Tl3−0)は、8分音符に対応するチック数(12)を2で割った6に対応する「0100」(=4)となる。さらにまた、スラーを示す「S」が付加されているので、発音長設定ビット(TX2−0)は前記インターバル(6チック)よりも所定値(この例では1チック)だけ長い値(7チック)とされ、それに対応した値「100」(=4)とされる。
次のテキスト表現された音符は「C4」であり、上述の場合と同様にして内部シーケンスデータに変換される。すなわち、オクターブ設定ビットはデフォルトのオクターブを示す「10」、音程設定ビット(NT3−0)は「C」に対応する「1111」、チャンネル設定ビットは「00」、インターバル設定ビット(Tl3−0)は4分音符に対応するチップ数24を2で割った12に対応する「0111」(=7)、発音長設定ビット(TX2−0)は、前記インターバル(12チック)より1だけ短い11チックに対応する「110」(=6)に設定される。
【0036】
さらに次は、休符を表す「R」である。前述のように、この例では入力対象となる楽曲が単純なものであることを前提としており、休符は全て4分休符として取り扱うものとしている。したがって、前記図9の(b)に基づき、図示するような休符データに変換される。すなわち、最初の6ビットは前記休符コードとし、チャンネル設定ビットは「00」、インターバル設定ビット(Tl3−0)は図5の4分音符に対応するチック数(24)を2で割った数(12)に対応する「0111」(=7)、最後の3ビットは「000」とする。
最後は、「Du4」である。ここにはオクターブシフトアップを示す「u」が含まれているので、前記オクターブ設定ビットは「11」とされる。また、音程設定ビット(Nt3−0)、チャンネル設定ビット、インターバル設定ビット(Tl3−0)および発音長設定ビット(TX2−0)は、それぞれ、前述と同様に設定される。
前記ステップS22(図11)において、このようにして、各発音チャンネル毎にテキスト表現された楽曲データは前記内部シーケンスデータに変換される。
【0037】
次に、前記ステップS26における各チャンネルの内部シーケンスデータの合成処理について、図13を参照して説明する。前述のように、この処理は、それまでのステップで生成した各発音チャンネルの内部シーケンスデータを発生順に並べ替えるとともに、インターバルを補正する処理である。
図13に示した例は、第1チャンネルが前記図12に示した例と同じく「C8. Bd8S C4 R Du4」であり、第2チャンネルが「D16 C4 R C4 C4」である場合を示している。図13の(a)に示すように、第1チャンネルの内部シーケンスデータは、前述のように「1011110000110101」「0111100000100100」「1011110000111110」「0011000000111000」「1100100000111110」である。また、(b)に示すように、第2チャンネルの内部シーケンスデータは、前述と同様にして生成され、「1000100100010001」「1011110100111110」「0011000100111000」「1011110100111110」「1011110100111110」となる。ここで、チャンネル設定ビットは「01」である。
【0038】
これら複数のチャンネルの内部シーケンスデータを発生順に並べて合成するのであるが、まず、前記各チャンネル毎の各内部シーケンスデータについて、その楽曲の開始位置からのチック数で表した発生タイミングをそれぞれに含まれているインターバル設定データから算出し、発生タイミング順に各内部シーケンスデータを並べ替える。図13に示した例では、第1チャンネルの内部シーケンスデータに発生タイミングを付加して示すと、「1011110000110101」(0)、「0111100000100100」(9)、「1011110000111110」(15)、「0011000000111000」(27)、「1100100000111110」(39)となり、第2チャンネルの内部シーケンスデータは「1000100100010001」(0)、「1011110100111110」(3)、「0011000100111000」(15)、「1011110100111110」(27)、「1011110100111110」(39)となる。ここで、()内は、発生タイミングを示すチック数である。これら各チャンネルの内部シーケンスデータをその発生タイミング順に並べ替えると、第0チックで「1011110000110101」(Ch1のC8.)と「1000100100010001」(Ch2のD16)、第3チックで「1011110100111110」(Ch2のC4)、第9チックで「0111100000100100」(Ch1のBd8S)、第15チックで「1011110000111110」(Ch1のC4)と「0011000100111000」(Ch2のR)、第27チックで「0011000000111000」(Ch1のR)と「1011110100111110」(Ch2のC4)、第39チックで「1100100000111110」(Ch1のDu4)と「1011110100111110」(Ch2のC4)となる。
【0039】
次に、各内部シーケンスデータに含まれているインターバル設定ビットを並べ替えられた後の内部シーケンスデータ間の発音タイミングの間隔に合せるように補正する処理を行う。すなわち、図13の(c)に示すように、第1チャンネルの最初の「C8.」と第2チャンネルの最初の「D16」は、同時に発音されるので、前記「C8.」のインターバル設定ビットは「0000」としなければならない。また、第2チャンネルの「D16」の次に発音されるのは同じチャンネルの「C4」であり、「D16」のインターバル設定ビットは修正する必要はない。前記第2チャンネルの「C4」の次に発音されるのは、第1チャンネルの「Bd8S」であるので、前記「C4」のインターバル設定ビットは、前記第1発音チャンネルの「C8.」のインターバル設定ビットにより示されるチック数(9)と前記「D16」のインターバル設定ビットにより示されるチック数(3)との差(6)に対応するインターバル設定ビット「0100」に補正する。さらに、第1チャンネルの「C4」の発音タイミングと第2チャンネルの「R」のタイミングは同一であるので、前記第1チャンネルの「C4」のインターバル設定ビットは0を示す「0000」に変更する。同様に、第1チャンネルの「R」、「Du4」についても、インターバル設定ビットを「0000」に変更する。このようにして、図13の(d)に示す、第1チャンネルと第2チャンネルとを合成した内部シーケンスデータが得られる。
すなわち、この複数チャンネルの内部シーケンスデータ合成処理(ステップS26)では、各チャンネルの内部シーケンスデータを発生順に並べ、次にあるいは同時に発生するイベント(音符あるいは休符)が他のチャンネルのイベントであるときには、インターバル設定ビットの内容を補正する処理を行う。
【0040】
次に、内部シーケンスデータをテキストデータに変換する前記変換処理2について説明する。図14は、この変換処理2の処理の流れを示すフローチャートである。
変換処理2が開始されると、まず、ステップS31において、発音チャンネルを示すカウンタiに初期値1を設定する。そして、ステップS32に進み、内部シーケンスデータから第iチャンネルのシーケンスデータを収集する。前述のように、内部シーケンスデータは複数チャンネル(この場合は、4チャンネル)のデータが合成されたものであり、このステップS32において、前記チャンネル設定ビットを参照して第iチャンネル、この場合はi=1であり、第1チャンネルを示す「00」のチャンネル設定ビットを有する内部シーケンスデータを取り出す。前記図13に示した例の場合には、まず、図13の(d)に示す全チャンネルが合成されている内部シーケンスデータについて、それぞれのインターバル設定ビットの値から、それぞれの内部シーケンスデータの発生タイミングを楽曲の開始位置からのチック数で取得しておき、チャンネル設定ビットが「00」である内部シーケンスデータ「1011110000000101」(0)、「0111101110100100」(9)、「1011110000000110」(15)、「0011000000000000」(27)、「1100100000000110」(39)を取り出す。ここで、()内の数値は楽曲の開始位置を基点としてチック数で表したその内部シーケンスデータの発生タイミングである。
【0041】
そして、ステップS33に進み、該取り出された内部シーケンスデータからテキストデータを合成する。前記図13に示した例の場合には、まず、第1番目の内部シーケンスデータ「1011110000000101」(0)について、オクターブ設定ビットが「00」であることからオクターブシフトアップあるいはオクターブシフトダウンが含まれないことが分かる。次に、前記図10の(a)を逆に参照して、音程設定ビットの値が「1111」であることから、音程は「C」であることがわかる。また、後続する内部シーケンスデータの発生タイミングが9チックであることから、この発生タイミングを2倍して18を得、前記図5から、この音符の音符長は、付点8分音符であることがわかり、対応するテキスト「8.」を得ることができる。また、発音長を示すビットが「101」であり、発音長が8チックであることから、インターバルデータ(9チック)との差が1であり、スラーではないことがわかる。以上のことから、第1番目の内部シーケンスデータは、「C8.」というテキストに変換される。
【0042】
次に、ステップS34に進み、このチャンネルの内部シーケンスデータが終了していないときは、前記ステップS33に戻り、第2番目の内部シーケンスデータの変換処理を行う。
第2番目の内部シーケンスデータ「0111101110100100」のオクターブ設定ビットは「01」であることから、オクターブシフトダウンがあることが分かる。そして、音程設定ビットの値が「1110」であることから、前記図10の(a)の関係より音程は「B」であることがわかる。そして、この内部シーケンスデータの発生タイミングが9、後続する内部シーケンスデータの発生タイミングが15であることから、その差(すなわちインターバルデータ)6を求め、これを2倍して、12チックに対応する音符長が8分音符「8」であることが分かる。また、発音長設定ビットが「100」(=7チック)であり、インターバルデータ6よりも1チック長いことから、スラーであることが分かる。以上のことから、この第2番目の内部シーケンスデータをテキスト「Bd8S」に変換することができる。
以下、同様にして、この第1番目の発音チャンネルの内部シーケンスデータをそれぞれ対応するテキストデータに変換することができる。
【0043】
このチャンネルの内部シーケンスデータのテキストへの変換が全て終了した後、ステップS35に進み、全てのチャンネルについて処理が終了したか否かを判定する。今の場合は、i=1であったので、この判定結果はNOとなり、ステップS36に進み、iを2にインクリメントして、前記ステップS32以降の処理を繰り返す。
このようにして、全てのチャンネルについて内部シーケンスデータをテキストに変換し、前記テキスト・スコア・ウインドウに表示することができる。
【0044】
前記図3および図4に関して説明したように、本発明においては、内部シーケンスデータをピアノロール・ウインドウ、イベントリスト・ウインドウ、あるいは、音符表示ウインドウなどテキスト・スコア・ウインドウ以外の編集ウインドウに表示させて編集を行うことができる。
図15は、前記図7に示した楽譜例1をピアノロール・ウインドウで表示させた例を示す図である。この図に示すように、前記図7の(b)に示すようにテキスト・スコア・ウインドウ20に入力した楽譜データを、前記テキスト変換ボタンをクリックすることなどにより内部シーケンスデータに変換し、さらに前記変換処理3を行うことにより、図15に示すように、ピアノロール・ウインドウで表示させることができる。
また、図16は、前記図8に示したスラーを含む楽譜例2をイベントリスト・ウインドウで表示させた場合を示す図である。このように、前記変換処理3により前記図8(b)に示したようにテキストで入力された楽譜データをイベントリスト・ウインドウに表示させることができる。そして、図16中に矢印で示すように、スラーの位置におけるイベントは、その発音長が他の音符よりも長くなっていることが分かる。
このように、ユーザは、前記テキスト・スコア・ウインドウにより入力した楽曲データをピアノロール・ウインドウ、イベントリスト・ウインドウあるいは音符表示ウインドウなどの他のモードの編集ウインドウで表示させ、これらの編集ウインドウを用いて編集することも可能である。
【0045】
なお、上述した例においては、内部シーケンスデータとして前記図9に示した音符データと休符データで定義されるフォーマットの演奏情報を採用した場合について説明したが、これに限られることはなく、SMFフォーマットや携帯機器用楽曲フォーマットを内部シーケンスデータとして採用することができる。
また、発音チャンネル数も前述した数に限られることはなく、任意の数とすることができる。
さらに、上記においては、演奏方法を示す記号としてスラーをあげて説明したが、これに限られることはなく、他の記号を英数字で表現するようにしてもよい。
さらにまた、英数字による楽曲の表現法としては前記図5に示した定義に限られることはなく、音符や休符などと英数字とを異なる対応付けとしてもよいことは明らかである。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の楽曲情報入力編集装置によれば、シンプルな音符列を簡易に入力することが可能となる。
ブラインド・タッチの可能な者なら、楽譜や着信メロディが記載された本を見ながらマウスを用いるストレスを感じることなく、速やかに音符列を入力することができる。
さらに、元のシーケンス・データをテキストに置き換えて表示することにより、既存のデータを容易に修正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の楽曲情報入力編集装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】テキスト・スコア・ウインドウの一例を示す図である。
【図3】本発明の楽曲情報入力編集装置の機能ブロック図である。
【図4】本発明の楽曲情報入力編集装置のメインルーチンのフローチャートである。
【図5】本発明における楽曲データのテキスト表現の一例を示す図である。
【図6】スラーのない場合とある場合における発音の差を示す図である。
【図7】スラーのない楽譜例1およびそれに対応するテキストを示す図である。
【図8】スラーのある楽譜例2およびそれに対応するテキストを示す図である。
【図9】内部シーケンスデータのフォーマット例を示す図である。
【図10】音程設定ビット、インターバル設定ビットおよび発音長設定ビットの設定内容を示す図である。
【図11】変換処理1の流れを示すフローチャートである。
【図12】変換処理1について説明するための図である。
【図13】複数チャンネルの楽曲データについての変換処理1について説明するための図である。
【図14】変換処理2の流れを示すフローチャートである。
【図15】図7に示す楽譜例1のピアノロール・ウインドウによる表示を示す図である。
【図16】図8に示す楽譜例2のイベントリスト・ウインドウによる表示を示す図である。
【符号の説明】
30 内部シーケンスデータ、31 テキストインターフェース処理部、32テキストデータ、33 第1の変換処理部、34 第2の変換処理部、35 他モードインターフェース処理部、36 他モードデータ、37 第3の変換処理部、38 第4の変換処理部、39 フォーマット変換処理部、40 楽曲再生処理部、41 再生位置検出処理部
Claims (6)
- 楽曲を構成する音符あるいは休符に対応した英数字情報を入力するテキスト入力手段と、
前記英数字情報を表示するテキスト表示手段と、
前記英数字情報を予め決められた第1のルールに従いその楽曲の演奏情報に変換する第1の変換手段と、
前記第1の変換手段で変換された演奏情報を記憶する記憶手段と
を有することを特徴とする楽曲情報入力編集装置。 - 前記記憶手段に記憶された演奏情報を予め決められた第2のルールに従い前記英数字情報に変換する第2の変換手段を有することを特徴とする前記請求項1記載の楽曲情報入力編集装置。
- 前記記憶手段に記憶された演奏情報を再生する楽曲再生手段を有することを特徴とする前記請求項1あるいは2記載の楽曲情報入力編集装置。
- 前記楽曲再生手段による演奏情報の再生時に、その楽曲における現在の再生位置を検出する再生位置検出手段をさらに有し、
前記表示手段は、前記再生位置検出手段の出力に基づいて前記英数字情報中にその再生位置を表示することを特徴とする前記請求項3記載の楽曲情報入力編集装置。 - 前記記憶手段に記憶された演奏情報を予め決められた第3のルールに従い前記英数字情報とは異なる表示形態の楽曲表示用情報に変換する第3の変換手段をさらに有し、
前記表示手段は、前記第3の変換手段の出力に基づいて前記英数字表示とは異なる表示形態でその楽曲を表示することを特徴とする前記請求項1あるいは2に記載の楽曲情報入力編集装置。 - 前記テキスト入力手段は、前記音符に対応した英数字情報にその演奏方法に対応する英数字を付して入力することが可能であり、
前記第1の変換手段は、前記演奏方法に対応する英数字を検出した場合にその音符の音長情報を修正して変換することを特徴とする前記請求項1記載の楽曲情報入力編集装置。
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