JP3620130B2 - スタータ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関を始動するためのスタータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、USP2,332,086号明細書に開示されたスタータがある。
このスタータは、シャフトに対してピニオンの回転を規制する規制部材を有し、この規制部材でピニオンの回転を規制しながらシャフトに回転力を付与することで、ピニオンがヘリカルスプラインの作用でシャフト上を前方へ移動してエンジンのリングギヤと噛み合うことができる。規制部材は、マグネットスイッチのプランジャに連結されて、プランジャが吸引された時にピニオン側へ移動してピニオンと噛み合うことによりピニオンの回転を規制することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のスタータは、規制部材がピニオンの歯先に当接してピニオンと噛み合わなかった場合でもプランジャが移動してモータ接点を閉じることができる様に、プランジャと規制部材との間にドライブスプリングが介在されている。このため、部品点数が多くなるとともに、組み付け性も悪くなると言った問題があった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、部品点数の低減と組み付け性の向上を図ったスタータを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、規制部材がピニオン移動体に設けられた係合部と噛み合わないで規制部材の移動が規制された時に、移動部材が弾性変形することによりプランジャの移動が可能となってモータ接点を閉じることができる。これにより、従来のスタータに使用していたドライブスプリングが不要となる上に、ジョイントをプランジャと一体化することも可能となる。その結果、部品点数を低減して組み付け性の向上を図ることができる。
【0005】
請求項2の発明では、ピニオンがエンジンのリングギヤに当接してピニオン移動体の前進移動が制止された時に、係合部と噛み合っている規制部材がピニオン移動体の回転方向または反回転方向へ撓むことによってピニオン移動体の回転を許容することができる。これにより、ピニオン移動体が少なくともピニオンの歯1/2ピッチ分だけ回転する間に、ピニオンがリングギヤと噛み合うことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のスタータを図面に基づいて説明する。
図1はスタータの要部断面図である。
本実施例のスタータ1は、通電を受けて回転力を発生する始動モータ2、この始動モータ2のアーマチャシャフト3(本発明の回転軸)にヘリカルスプライン4を介して嵌合するピニオン移動体(後述する)、スタータ1の始動時にピニオン移動体の回転を規制する規制部材5、スプリング部材6(本発明の移動部材)を介して規制部材5を駆動するマグネットスイッチ7等から構成されている。
【0007】
始動モータ2は、マグネットスイッチ7内部に設けられたモータ接点(図示しない)が閉じることにより、モータ接点に繋がるリード線8を通じてバッテリ(図示しない)から給電されてアーマチャ(図示しない)が回転する。アーマチャシャフト3は、その先端部が軸受9を介してハウジング10に回転自在に支持されて、後端部が図示しない軸受を介してエンドカバー11により回転自在に支持されている。
【0008】
ピニオン移動体は、アーマチャシャフト3の外周に軸受12を介して嵌合するピニオン13と、このピニオン13に始動モータ2の回転力を伝達する一方向クラッチ14とから構成されている。
ピニオン13は、ヘリカルスプライン4に沿ってアーマチャシャフト3上を前方へ移動することでエンジンのリングギヤ15と噛み合うことができる。
一方向クラッチ14は、ヘリカルスプライン4を介してアーマチャの回転力が伝達されるアウタ16、ピニオン13と一体に設けられてアーマチャシャフト3の外周に嵌合するインナ17、トルク伝達時にアウタ16とインナ17とを連結してアウタ16の回転力をインナ17へ伝達するローラ18等より構成されている。
【0009】
このピニオン移動体は、ピニオン13の前方側に配されたスプリング19により後方へ(図1の右側へ)付勢されて初期位置(図1に示す位置)に静止している。そのスプリング19は、アーマチャシャフト3に取り付けられたストップカラー20とピニオン13との間に配されている。ストップカラー20は、アーマチャシャフト3の先端部外周に形成された周溝3aに嵌合するスナップリング21を介して取り付けられている。
【0010】
規制部材5は、図2に示すように、断面形状が略T字形に設けられて、ピニオン13の径方向外周で規制部材5の先端がピニオン13側を向いた状態で一組のスプリング22によりハウジング10に支持され、そのスプリング22が伸縮することで径方向に移動可能に設けられている。この規制部材5は、ピニオン移動体が静止している時(作動前の状態)に、スプリング部材6を介して径方向の内側へ押圧されると、規制部材5の先端がピニオン13の歯13a(本発明の係合部)と歯13aの間に入り込んでピニオン13と噛み合うことができる。
【0011】
また、規制部材5は、その両側を一組のスプリング22によって支持されているため、各スプリング22の変形量(伸縮度合い)に応じてピニオン13の周方向へ自在に揺動できる。従って、規制部材5がピニオン13と噛み合った状態でも、規制部材5が揺動することにより、ピニオン13は少なくとも自身の歯1/2ピッチ分だけ回転(または逆回転)することが可能である。
規制部材5の両側でスプリング22を支持するハウジング10は、規制部材5の揺動を可能とするために、規制部材5を挟んで対向するガイド面10aが滑らかな凸曲面(R形状)で構成されている(図2参照)。
【0012】
マグネットスイッチ7は、図示しないスタータスイッチがON操作されて内蔵するコイル(図示しない)が通電されると、コイルに発生する磁力によってプランジャ23を吸引し、そのプランジャ23の移動によってモータ接点を閉じることができる。なお、モータ接点は、始動モータ2の電流回路に介在された一組の固定接点(図示しない)と、プランジャ23の後端部に設けられた可動接点(図示しない)とから成り、コイルの磁力によりプランジャ23が吸引されて全ストローク移動した時に、可動接点が両固定接点に当接して電流回路が閉成されることにより、バッテリから始動モータ2へ給電される。
【0013】
スプリング部材6は、一端がプランジャ23の先端に設けられた溝部23aに引っ掛けられて、他端が規制部材5の背面に形成された係合溝5a(図2参照)に係合され、ハウジング10に設けられた支点24を基点として回転可能に設けられている。従って、このスプリング部材6は、プランジャ23が移動すると、プランジャ23の溝部23aに引っ掛けられた一端側がプランジャ23の移動に追従することにより、規制部材5の係合溝5aに係合する他端側が支点24を基点として揺動することができる。このスプリング部材6には、他端側から支点24側へ向かって支点24からの距離が次第に大きくなるような湾曲部6aが設けられている。これにより、スプリング部材6は、プランジャ23が吸引されて移動すると、支点24を基点として回転することにより、規制部材5の係合溝5aと係合する部位が他端部から次第に湾曲部6aへと変化するため、支点24からの距離が大きくなるにつれて規制部材5を径方向の内周側へ(図1の下方へ)押し出すことができる。
【0014】
次に、本実施例の作動を説明する。
スタータスイッチがON操作されてマグネットスイッチ7のコイルが通電されると、コイルの磁力によりプランジャ23が吸引されて移動する(図1で右側へ移動する)ことにより、プランジャ23に連結されたスプリング部材6が支点24を基点として図1の時計方向へ回転する。これにより、スプリング部材6は、規制部材5の係合溝5aに係合する部位が他端側から湾曲部6aへと滑らかに移行することにより、スプリング22の付勢力に抗して規制部材5を下方(ピニオン13側)へ押圧する。その結果、規制部材5は下降してピニオン13と噛み合うことができる。この時、規制部材5の先端がピニオン13の歯先に当接してピニオン13と噛み合うことができなかった場合には、スプリング部材6の湾曲部6aが撓むことでプランジャ23の移動を可能にしている。
【0015】
一方、プランジャ23の移動に伴ってマグネットスイッチ7内部のモータ接点が閉じると、リード線8を通じて始動モータ2が通電されることにより、アーマチャに回転力が発生する。これにより、ヘリカルスプライン4を介してアーマチャシャフト3に嵌合している一方向クラッチ14のアウタ16が回転しようとするが、インナ17と一体を成すピニオン13の回転が規制部材5によって規制されているため、インナ17とともにアウタ16の回転も規制される。この結果、ピニオン13および一方向クラッチ14は、回転するアーマチャシャフト3に対してヘリカルスプライン4の作用により前進してリングギヤ15側へ移動する。
【0016】
ここで、前進したピニオン13がリングギヤ15と互いの端面同士が当接して噛み合うことができなかった場合、ピニオン13は、アーマチャシャフト3の回転力を受けて規制部材5を回転方向に押圧する。この時、規制部材5がピニオン13の周方向へ自在に揺動できる構成であるため、ピニオン13は規制部材5が揺動できる範囲内で回転することができる(図5参照)。その結果、ピニオン13は、少なくとも自身の歯1/2ピッチ分だけ回転する間にリングギヤ15との歯筋が合致することでリングギヤ15と噛み合うことができる。リングギヤ15と噛み合ったピニオン13は、リングギヤ15と噛み合いながら更に前進して、前端面がストップカラー20に当接する位置(図4参照)で停止する。この位置では、ピニオン13の歯13aが規制部材5から抜け出して規制部材5による回転規制が解除されるため、ピニオン13がアーマチャシャフト3の回転力を受けて回転してリングギヤ15を駆動することによりエンジンを始動する。
【0017】
一方、それまでピニオン13との係合によって下方への移動が規制されていた規制部材5は、ピニオン13の歯13aが規制部材5から抜け出したことにより更にスプリング22を押し縮めながら押し下げられて、図3に示すように、スプリング22を支持している規制部材5の両端部がハウジング10の端面に当接するまで下降する。この時、規制部材5は、その先端がピニオン13の歯底より下方に位置している。
【0018】
その後、エンジンが始動し始めてピニオン13の方がアーマチャシャフト3より高速で回転するオーバラン状態になると、スプリング19の付勢力とともにヘリカルスプライン4の作用によってピニオン13に後退力が加わる。この後退力を受けてピニオン13がアーマチャシャフト3上を後退しようとするが、ピニオン13の後方で規制部材5の先端がピニオン13の歯底より下方に位置しているため、ピニオン13後端面の歯底周辺部が規制部材5の先端部に当接してピニオン13の後退が阻止される。これにより、ピニオン13がリングギヤ15から離脱するのを防止できる。
【0019】
エンジンが始動した後、スタータスイッチをOFF操作してコイルへの通電を停止すると、コイルの磁力が消滅してプランジャ23を吸引する吸引力が消失することから、それまで吸引されていたプランジャ23が図示しないリターンスプリングの付勢力を受けて初期位置(図1に示す位置)へ戻される。このプランジャ23の移動に伴って、プランジャ23に連結されたスプリング部材6が支点24を基点として始動時と反対側へ回転しながら作動前の状態に復帰するとともに、そのスプリング部材6によって押し下げられていた規制部材5もスプリング22の付勢力を受けて上昇することにより作動前の状態に戻ることができる。
また、ピニオン13と一方向クラッチ14は、規制部材5によるピニオン13の後退規制が解除されるため、スプリング19の付勢力を受けて初期位置へ押し戻される。
【0020】
(本実施例の効果)
本実施例のスタータ1は、スプリング部材6を介して押圧された規制部材5の先端がピニオン13の歯先と当接してピニオン13と噛み合うことができなかった場合でも、スプリング部材6の湾曲部6aが撓むことにより、プランジャ23が移動を続けてモータ接点を閉じることができる。これにより、アーマチャの回転力が伝達されてピニオン13が少なくとも半ピッチ分だけ回転することにより、規制部材5がピニオン13と噛み合ってピニオン13の回転を規制することができる。この結果、従来のスタータにおいてプランジャとジョイントとの間に介在されるドライブスプリングが不要となるばかりでなく、プランジャとジョイントとを一体化することもできるため、部品点数を低減して組み付け性の向上を図ることができる。
【0021】
また、本実施例では、スプリング部材6と一組のスプリング22との弾性変形による作用、およびハウジング10のガイド面10aが滑らかな凸曲面(R形状)で構成されていることから、規制部材5がピニオン13の周方向に自在に揺動できる構成である。従って、ピニオン13とリングギヤ15の端面同士が当接して両者が噛み合わなかった場合でも、ピニオン13に伝わる回転力を受けてピニオン13と噛み合っている規制部材5が揺動することによってピニオン13は少なくとも自身の歯1/2ピッチ分だけ回転することができ、その間にリングギヤ15と噛み合うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタータ(静止状態)の要部断面図である。
【図2】作動前のダンパの状態を示す断面図である。
【図3】駆動時およびオーバラン時のダンパの状態を示す断面図である。
【図4】スタータ(作動状態)の要部断面図である。
【図5】ダンパが揺動した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スタータ
2 始動モータ
3 アーマチャシャフト(回転軸)
4 ヘリカルスプライン
5 規制部材
6 スプリング部材(移動部材)
7 マグネットスイッチ
13 ピニオン(ピニオン移動体)
13a ピニオンの歯(係合部)
14 一方向クラッチ(ピニオン移動体)
15 リングギヤ
23 プランジャ
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関を始動するためのスタータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、USP2,332,086号明細書に開示されたスタータがある。
このスタータは、シャフトに対してピニオンの回転を規制する規制部材を有し、この規制部材でピニオンの回転を規制しながらシャフトに回転力を付与することで、ピニオンがヘリカルスプラインの作用でシャフト上を前方へ移動してエンジンのリングギヤと噛み合うことができる。規制部材は、マグネットスイッチのプランジャに連結されて、プランジャが吸引された時にピニオン側へ移動してピニオンと噛み合うことによりピニオンの回転を規制することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のスタータは、規制部材がピニオンの歯先に当接してピニオンと噛み合わなかった場合でもプランジャが移動してモータ接点を閉じることができる様に、プランジャと規制部材との間にドライブスプリングが介在されている。このため、部品点数が多くなるとともに、組み付け性も悪くなると言った問題があった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、部品点数の低減と組み付け性の向上を図ったスタータを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、規制部材がピニオン移動体に設けられた係合部と噛み合わないで規制部材の移動が規制された時に、移動部材が弾性変形することによりプランジャの移動が可能となってモータ接点を閉じることができる。これにより、従来のスタータに使用していたドライブスプリングが不要となる上に、ジョイントをプランジャと一体化することも可能となる。その結果、部品点数を低減して組み付け性の向上を図ることができる。
【0005】
請求項2の発明では、ピニオンがエンジンのリングギヤに当接してピニオン移動体の前進移動が制止された時に、係合部と噛み合っている規制部材がピニオン移動体の回転方向または反回転方向へ撓むことによってピニオン移動体の回転を許容することができる。これにより、ピニオン移動体が少なくともピニオンの歯1/2ピッチ分だけ回転する間に、ピニオンがリングギヤと噛み合うことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のスタータを図面に基づいて説明する。
図1はスタータの要部断面図である。
本実施例のスタータ1は、通電を受けて回転力を発生する始動モータ2、この始動モータ2のアーマチャシャフト3(本発明の回転軸)にヘリカルスプライン4を介して嵌合するピニオン移動体(後述する)、スタータ1の始動時にピニオン移動体の回転を規制する規制部材5、スプリング部材6(本発明の移動部材)を介して規制部材5を駆動するマグネットスイッチ7等から構成されている。
【0007】
始動モータ2は、マグネットスイッチ7内部に設けられたモータ接点(図示しない)が閉じることにより、モータ接点に繋がるリード線8を通じてバッテリ(図示しない)から給電されてアーマチャ(図示しない)が回転する。アーマチャシャフト3は、その先端部が軸受9を介してハウジング10に回転自在に支持されて、後端部が図示しない軸受を介してエンドカバー11により回転自在に支持されている。
【0008】
ピニオン移動体は、アーマチャシャフト3の外周に軸受12を介して嵌合するピニオン13と、このピニオン13に始動モータ2の回転力を伝達する一方向クラッチ14とから構成されている。
ピニオン13は、ヘリカルスプライン4に沿ってアーマチャシャフト3上を前方へ移動することでエンジンのリングギヤ15と噛み合うことができる。
一方向クラッチ14は、ヘリカルスプライン4を介してアーマチャの回転力が伝達されるアウタ16、ピニオン13と一体に設けられてアーマチャシャフト3の外周に嵌合するインナ17、トルク伝達時にアウタ16とインナ17とを連結してアウタ16の回転力をインナ17へ伝達するローラ18等より構成されている。
【0009】
このピニオン移動体は、ピニオン13の前方側に配されたスプリング19により後方へ(図1の右側へ)付勢されて初期位置(図1に示す位置)に静止している。そのスプリング19は、アーマチャシャフト3に取り付けられたストップカラー20とピニオン13との間に配されている。ストップカラー20は、アーマチャシャフト3の先端部外周に形成された周溝3aに嵌合するスナップリング21を介して取り付けられている。
【0010】
規制部材5は、図2に示すように、断面形状が略T字形に設けられて、ピニオン13の径方向外周で規制部材5の先端がピニオン13側を向いた状態で一組のスプリング22によりハウジング10に支持され、そのスプリング22が伸縮することで径方向に移動可能に設けられている。この規制部材5は、ピニオン移動体が静止している時(作動前の状態)に、スプリング部材6を介して径方向の内側へ押圧されると、規制部材5の先端がピニオン13の歯13a(本発明の係合部)と歯13aの間に入り込んでピニオン13と噛み合うことができる。
【0011】
また、規制部材5は、その両側を一組のスプリング22によって支持されているため、各スプリング22の変形量(伸縮度合い)に応じてピニオン13の周方向へ自在に揺動できる。従って、規制部材5がピニオン13と噛み合った状態でも、規制部材5が揺動することにより、ピニオン13は少なくとも自身の歯1/2ピッチ分だけ回転(または逆回転)することが可能である。
規制部材5の両側でスプリング22を支持するハウジング10は、規制部材5の揺動を可能とするために、規制部材5を挟んで対向するガイド面10aが滑らかな凸曲面(R形状)で構成されている(図2参照)。
【0012】
マグネットスイッチ7は、図示しないスタータスイッチがON操作されて内蔵するコイル(図示しない)が通電されると、コイルに発生する磁力によってプランジャ23を吸引し、そのプランジャ23の移動によってモータ接点を閉じることができる。なお、モータ接点は、始動モータ2の電流回路に介在された一組の固定接点(図示しない)と、プランジャ23の後端部に設けられた可動接点(図示しない)とから成り、コイルの磁力によりプランジャ23が吸引されて全ストローク移動した時に、可動接点が両固定接点に当接して電流回路が閉成されることにより、バッテリから始動モータ2へ給電される。
【0013】
スプリング部材6は、一端がプランジャ23の先端に設けられた溝部23aに引っ掛けられて、他端が規制部材5の背面に形成された係合溝5a(図2参照)に係合され、ハウジング10に設けられた支点24を基点として回転可能に設けられている。従って、このスプリング部材6は、プランジャ23が移動すると、プランジャ23の溝部23aに引っ掛けられた一端側がプランジャ23の移動に追従することにより、規制部材5の係合溝5aに係合する他端側が支点24を基点として揺動することができる。このスプリング部材6には、他端側から支点24側へ向かって支点24からの距離が次第に大きくなるような湾曲部6aが設けられている。これにより、スプリング部材6は、プランジャ23が吸引されて移動すると、支点24を基点として回転することにより、規制部材5の係合溝5aと係合する部位が他端部から次第に湾曲部6aへと変化するため、支点24からの距離が大きくなるにつれて規制部材5を径方向の内周側へ(図1の下方へ)押し出すことができる。
【0014】
次に、本実施例の作動を説明する。
スタータスイッチがON操作されてマグネットスイッチ7のコイルが通電されると、コイルの磁力によりプランジャ23が吸引されて移動する(図1で右側へ移動する)ことにより、プランジャ23に連結されたスプリング部材6が支点24を基点として図1の時計方向へ回転する。これにより、スプリング部材6は、規制部材5の係合溝5aに係合する部位が他端側から湾曲部6aへと滑らかに移行することにより、スプリング22の付勢力に抗して規制部材5を下方(ピニオン13側)へ押圧する。その結果、規制部材5は下降してピニオン13と噛み合うことができる。この時、規制部材5の先端がピニオン13の歯先に当接してピニオン13と噛み合うことができなかった場合には、スプリング部材6の湾曲部6aが撓むことでプランジャ23の移動を可能にしている。
【0015】
一方、プランジャ23の移動に伴ってマグネットスイッチ7内部のモータ接点が閉じると、リード線8を通じて始動モータ2が通電されることにより、アーマチャに回転力が発生する。これにより、ヘリカルスプライン4を介してアーマチャシャフト3に嵌合している一方向クラッチ14のアウタ16が回転しようとするが、インナ17と一体を成すピニオン13の回転が規制部材5によって規制されているため、インナ17とともにアウタ16の回転も規制される。この結果、ピニオン13および一方向クラッチ14は、回転するアーマチャシャフト3に対してヘリカルスプライン4の作用により前進してリングギヤ15側へ移動する。
【0016】
ここで、前進したピニオン13がリングギヤ15と互いの端面同士が当接して噛み合うことができなかった場合、ピニオン13は、アーマチャシャフト3の回転力を受けて規制部材5を回転方向に押圧する。この時、規制部材5がピニオン13の周方向へ自在に揺動できる構成であるため、ピニオン13は規制部材5が揺動できる範囲内で回転することができる(図5参照)。その結果、ピニオン13は、少なくとも自身の歯1/2ピッチ分だけ回転する間にリングギヤ15との歯筋が合致することでリングギヤ15と噛み合うことができる。リングギヤ15と噛み合ったピニオン13は、リングギヤ15と噛み合いながら更に前進して、前端面がストップカラー20に当接する位置(図4参照)で停止する。この位置では、ピニオン13の歯13aが規制部材5から抜け出して規制部材5による回転規制が解除されるため、ピニオン13がアーマチャシャフト3の回転力を受けて回転してリングギヤ15を駆動することによりエンジンを始動する。
【0017】
一方、それまでピニオン13との係合によって下方への移動が規制されていた規制部材5は、ピニオン13の歯13aが規制部材5から抜け出したことにより更にスプリング22を押し縮めながら押し下げられて、図3に示すように、スプリング22を支持している規制部材5の両端部がハウジング10の端面に当接するまで下降する。この時、規制部材5は、その先端がピニオン13の歯底より下方に位置している。
【0018】
その後、エンジンが始動し始めてピニオン13の方がアーマチャシャフト3より高速で回転するオーバラン状態になると、スプリング19の付勢力とともにヘリカルスプライン4の作用によってピニオン13に後退力が加わる。この後退力を受けてピニオン13がアーマチャシャフト3上を後退しようとするが、ピニオン13の後方で規制部材5の先端がピニオン13の歯底より下方に位置しているため、ピニオン13後端面の歯底周辺部が規制部材5の先端部に当接してピニオン13の後退が阻止される。これにより、ピニオン13がリングギヤ15から離脱するのを防止できる。
【0019】
エンジンが始動した後、スタータスイッチをOFF操作してコイルへの通電を停止すると、コイルの磁力が消滅してプランジャ23を吸引する吸引力が消失することから、それまで吸引されていたプランジャ23が図示しないリターンスプリングの付勢力を受けて初期位置(図1に示す位置)へ戻される。このプランジャ23の移動に伴って、プランジャ23に連結されたスプリング部材6が支点24を基点として始動時と反対側へ回転しながら作動前の状態に復帰するとともに、そのスプリング部材6によって押し下げられていた規制部材5もスプリング22の付勢力を受けて上昇することにより作動前の状態に戻ることができる。
また、ピニオン13と一方向クラッチ14は、規制部材5によるピニオン13の後退規制が解除されるため、スプリング19の付勢力を受けて初期位置へ押し戻される。
【0020】
(本実施例の効果)
本実施例のスタータ1は、スプリング部材6を介して押圧された規制部材5の先端がピニオン13の歯先と当接してピニオン13と噛み合うことができなかった場合でも、スプリング部材6の湾曲部6aが撓むことにより、プランジャ23が移動を続けてモータ接点を閉じることができる。これにより、アーマチャの回転力が伝達されてピニオン13が少なくとも半ピッチ分だけ回転することにより、規制部材5がピニオン13と噛み合ってピニオン13の回転を規制することができる。この結果、従来のスタータにおいてプランジャとジョイントとの間に介在されるドライブスプリングが不要となるばかりでなく、プランジャとジョイントとを一体化することもできるため、部品点数を低減して組み付け性の向上を図ることができる。
【0021】
また、本実施例では、スプリング部材6と一組のスプリング22との弾性変形による作用、およびハウジング10のガイド面10aが滑らかな凸曲面(R形状)で構成されていることから、規制部材5がピニオン13の周方向に自在に揺動できる構成である。従って、ピニオン13とリングギヤ15の端面同士が当接して両者が噛み合わなかった場合でも、ピニオン13に伝わる回転力を受けてピニオン13と噛み合っている規制部材5が揺動することによってピニオン13は少なくとも自身の歯1/2ピッチ分だけ回転することができ、その間にリングギヤ15と噛み合うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタータ(静止状態)の要部断面図である。
【図2】作動前のダンパの状態を示す断面図である。
【図3】駆動時およびオーバラン時のダンパの状態を示す断面図である。
【図4】スタータ(作動状態)の要部断面図である。
【図5】ダンパが揺動した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スタータ
2 始動モータ
3 アーマチャシャフト(回転軸)
4 ヘリカルスプライン
5 規制部材
6 スプリング部材(移動部材)
7 マグネットスイッチ
13 ピニオン(ピニオン移動体)
13a ピニオンの歯(係合部)
14 一方向クラッチ(ピニオン移動体)
15 リングギヤ
23 プランジャ
Claims (2)
- プランジャを移動させてモータ接点を閉じることにより始動モータへの通電を行うマグネットスイッチと、
前記始動モータに回転駆動される回転軸と、
この回転軸の外周にヘリカルスプラインを介して嵌合するピニオン移動体と、
このピニオン移動体の径方向に移動可能に設けられて、前記ピニオン移動体に設けられた係合部と噛み合うことで前記ピニオン移動体の回転を規制する規制部材と、
前記プランジャと前記規制部材との間に介在されて、前記プランジャの移動に連動して前記規制部材を前記係合部側へ移動させる移動部材とを備えたスタータであって、
前記移動部材は、前記規制部材が前記係合部と噛み合わないで前記規制部材の移動が規制された時に、少なくとも前記モータ接点を閉じる位置まで前記プランジャが移動できるように弾性変形可能であることを特徴とするスタータ。 - 前記規制部材は、前記ピニオン移動体に設けられたピニオンがエンジンのリングギヤに当接して前記ピニオン移動体の前進移動が制止された時に、前記ピニオン移動体の回転方向または反回転方向へ撓むことにより、少なくとも前記ピニオンの歯1/2ピッチ分だけ前記ピニオン移動体の回転を許容することを特徴とする請求項1記載のスタータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32427495A JP3620130B2 (ja) | 1995-12-13 | 1995-12-13 | スタータ |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP32427495A JP3620130B2 (ja) | 1995-12-13 | 1995-12-13 | スタータ |
Publications (2)
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JPH09158818A JPH09158818A (ja) | 1997-06-17 |
JP3620130B2 true JP3620130B2 (ja) | 2005-02-16 |
Family
ID=18163983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32427495A Expired - Fee Related JP3620130B2 (ja) | 1995-12-13 | 1995-12-13 | スタータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3620130B2 (ja) |
-
1995
- 1995-12-13 JP JP32427495A patent/JP3620130B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09158818A (ja) | 1997-06-17 |
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