JP3619667B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体基板、液晶表示器用基板等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用基板、フォトマスク用ガラス基板等の基板を回転させつつ基板の表面に所定の処理液を供給して基板を処理する基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程では、半導体ウエハ(以下単に「ウエハ」という。)の表裏面が必要に応じて洗浄される。ウエハを一枚ずつ洗浄する枚葉型基板洗浄装置の一例は、特開平9−330904号公報に開示されている。この公報に開示されている基板洗浄装置は、円盤状ベース部材と、このベース部材を水平に支持する中空の回転軸と、この回転軸内に配置されてベース部材の中央から上方に向けて洗浄液を吐出する下ノズルと、ベース部材の上方において回転および昇降可能に配置された円盤状の遮蔽部材と、この遮蔽部材の中央から下方に向けて洗浄液を吐出する上ノズルとを備えている。ベース部材の上面には、ウエハを周端面で保持する保持部材5が配置されている。
【0003】
ウエハの洗浄に際しては、ベース部材の保持部材にウエハを保持させた状態で、回転軸が回転させられる。また、遮蔽部材は、ウエハの上面に近接した位置まで下降させられ、かつ、ベース部材と等速度で回転される。そして、上ノズルおよび下ノズルから、ウエハの上下面の中心に向けて、洗浄液が吐出される。たとえば、洗浄開始初期の期間には、ふっ酸やアンモニア水などの薬液が洗浄液として吐出され、その後、ウエハに付着した薬液を洗い流すための純水が洗浄液として吐出される。ウエハの上下面の各中央に供給された洗浄液は、ウエハの回転に伴う遠心力によって、ウエハの周縁部へと導かれ、これにより、ウエハの上下面の均一な洗浄が達成される。
【0004】
洗浄液を用いたウエハの洗浄が完了すると、ベース部材および遮蔽部材の回転は継続させたままで、上下のノズルからの洗浄液の吐出が停止され、窒素ガスなどの不活性ガスが、ウエハの上面側に供給される。これにより、ウエハの表面に酸化膜などが形成されることを防ぎつつ、遠心力を利用した振り切り乾燥が行われる。
【0005】
この構成によれば、ベース部材と遮蔽部材との間の制限された空間内でウエハの洗浄および乾燥が行われるので、ウエハへの汚染物質の付着を抑制できる。また、高温の薬液をウエハに供給すべき場合には、上下のノズルとウエハとの距離が短いので、所望の温度の薬液をウエハに供給でき、良好な洗浄効果を得ることができる。さらには、乾燥処理時において、ウエハの周辺の空気を或る程度効率的に不活性ガスで置換することができ、不所望な酸化膜の成長を抑制できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の先行技術では、ベース部材と遮蔽部材との間隔は、専ら、遮蔽部材の昇降制御によってのみ定められるようになっているので、この間隔を必ずしも一定に保持することができない。そのため、ウエハごとに、ベース部材と遮蔽部材との間隔が異なることになり、複数枚のウエハに対して均一な処理を施すことができないという問題がある。
【0007】
また、回転中にウエハと遮蔽部材とがぶつかり合うと、ウエハが破損するおそれがあるので、遮蔽部材はウエハから十分な距離を確保して配置しておく必要がある。そのため、ウエハの上方の空間を十分に制限することができず、汚染物質の付着防止効果が不十分になったり、ウエハの周辺を十分な不活性ガス雰囲気とすることができなかったりするおそれがある。
【0008】
さらに、上述の先行技術では、ベース部材に設けられた保持部材は、ウエハを保持する状態とこの保持を解除した解除状態との間で駆動されなければならないので、そのための駆動機構が必要である。ところが、保持部材は、ベース部材とともに回転することになるので、駆動機構の少なくとも一部は回転軸内に組み込む必要があり、このことが回転軸まわりの構成を複雑にしている。
【0009】
そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、基板に対する処理を良好に行うことができる基板処理装置を提供することである。
【0010】
この発明のより具体的な目的は、基板に対して均一な処理を施すことができる基板処理装置を提供することである。
【0011】
また、この発明の他の具体的な目的は、基板の周辺の空間を効果的に制限することにより、基板に対して高品質な処理を施すことができる基板処理装置を提供することである。
【0012】
また、この発明のさらに他の目的は、簡単な構成で基板を保持して回転することができる基板処理装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板を回転させつつ基板の表面に処理液を供給する基板処理装置において、基板の大きさよりも大きい第1基板対向面を有する第1基板対向部材と、上記第1基板対向面に対向し、その大きさが基板の大きさよりも大きい第2基板対向面を有する第2基板対向部材と、上記第1基板対向面が上記第2基板対向面に近接した近接位置と、上記第1基板対向面が上記第2基板対向面から離間した離間位置との間で、上記第1基板対向部材を上記第2基板対向部材に対して相対的に移動させる移動手段と、上記第1基板対向部材に設けられ、この第1基板対向部材が上記近接位置にあるときに、基板の一方の主面に当接して、上記第1基板対向部材と基板の上記一方の主面との間隔を一定に保持する第1介在支持部材と、上記第2基板対向部材に設けられ、上記第1基板対向部材が上記近接位置にあるときに、基板の他方の主面に当接して、上記第2基板対向部材と基板の上記他方の主面との間隔を一定に保持するとともに、上記第1介在支持部材との間に基板を挟持する第2介在支持部材と、上記第1介在支持部材および第2介在支持部材によって挟持されている基板の表面に処理液を供給する処理液供給手段と、上記第1基板対向部材および第2基板対向部材を一体的に回転駆動する回転駆動手段とを備え、上記第1介在支持部材および第2介在支持部材は、上記第1基板対向部材が上記近接位置にあるときに基板の周縁部を挟持するように、基板の周縁部において間隔を開けてそれぞれ複数個配置されていることを特徴とする基板処理装置である。
【0014】
上記の構成によれば、第1介在支持部材と第2介在支持部材とが基板の両主面にそれぞれ当接して基板を挟持することによって、基板の両主面と第1および第2基板対向面との各間隔が確実に規定される。したがって、この間隔は、複数枚の基板を処理する場合に、全ての基板に対して一定になる。よって、複数枚の基板に対する処理を均一に行うことができる。
【0015】
また、第1および第2基板対向面と基板との間隔が確実に規定されるので、この間隔を小さくすることが容易であり、そのため、第1および第2基板対向面の間の空間を効果的に制限できる。これにより、この制限された空間内において、基板に対して高品位の処理を施すことができる。すなわち、たとえば、周辺のパーティクルが基板に付着することを防止できる。
【0016】
さらに、第1基板対向部材と第2基板対向部材とを互いに近接させることによって、第1および第2介在支持部材の間に基板が挟持され、第1および第2基板対向部材を互いに離隔させることによって基板の挟持を解除できるので、基板の保持および解除のための構成が極めて簡単である。しかも、第1および第2介在支持部材が第1および第2基板対向部材にそれぞれ固定されていても基板の保持およびその解除に支障はないから、第1および第2介在支持部材を第1および第2対向部材に対して駆動するための駆動機構が必要となることもない。したがって、とくに、回転駆動手段に関連する構成を簡素化することができる。
【0017】
なお、上記第1基板対向部材および第2基板対向部材は、いずれも塊状のものであってもよいが、一方または両方が、板状部材であることが好ましい。
【0018】
また、上記離間位置においては、第1基板対向部材が上記近接位置にあるときよりも、第1基板対向面と第2基板対向面との間隔が大きくなっているが、この間隔が、第1基板対向面と第2基板対向面との間に基板を搬入/搬出するのに十分な間隔であることが好ましい。
【0019】
さらに、上記第1介在支持部材および第2介在支持部材は、一方または両方が、弾性材料で構成されていることが好ましい。
【0020】
また、第1介在支持部材は、第1基板対向部材の第1基板対向面に配設されていることが好ましく、同様に、第2介在支持部材は、第2基板対向部材の第2基板対向面に配設されていることが好ましい。
【0021】
また、上記第1介在支持部材および第2介在支持部材は、上記第1基板対向部材が上記近接位置にあるときに基板の周縁部を挟持するように上記第1基板対向部材および第2基板対向部材にそれぞれ設けられている。
【0022】
そのため、第1および第2介在支持部材から基板へパーティクルが転移するとしても、基板の中央領域にパーティクルが転移するおそれはない。さらに、第1および第2介在支持部材は、基板の周縁部において間隔を開けて複数個配置されるから、隣接する介在支持部材の間から、処理液を基板の外方へと流出させることができる。
【0023】
なお、たとえば、上記第1介在支持部材および第2介在支持部材が上下から基板の周縁部を挟持する場合には、いずれか下方に位置することになる介在支持部材には、基板の周縁部の下面を支持する支持部と、基板の端面に対向し、上記支持部へと基板を案内する案内面とが設けられていることが好ましい。また、上記第1介在支持部材および第2介在支持部材のうちいずれか上方に位置することになる介在支持部材に、上記基板を回転中心に向けて案内するためのテーパー面が備えられていればさらに好ましい。
【0025】
請求項記載の発明は、上記処理液供給手段は、上記第1基板対向面のほぼ中央に配置され、上記基板の一方の主面に向けて処理液を吐出する処理液ノズルを含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置である。
【0026】
上記の構成によれば、基板の一方の主面のほぼ中央に処理液が供給されるから、この中央に供給された処理液は基板の回転に伴う遠心力によって回転半径方向外方に向かって広がっていく。これにより、基板の上記一方の主面を均一に処理できる。
【0027】
しかも、この発明においては、上述のように、第1基板対向面を基板の極近くに配置することが可能であるので、処理液ノズルの吐出口を基板の中央の極近くに配置することが可能である。そのため、処理液の基板表面における跳ね返りが生じることがないので、基板に対する処理を良好に行え、また、処理液ノズルから基板の主面に至るまでにおける処理液の温度変化がほとんどないので、温度管理されている処理液による基板の処理を良好に行うことができる。
【0028】
なお、上記処理液供給手段は、さらに、上記第2基板対向面のほぼ中央に配置され、上記基板の他方の主面に向けて処理液を吐出する処理液ノズルを含むものであってもよい。
【0029】
処理液ノズルは、基板対向部材を挿通する処理液通路と、基板対向面のほぼ中央に形成された開口から基板の表面のほぼ中央に臨む吐出口とを有するものであってもよい。
【0030】
また、この発明の基板処理装置は、基板に洗浄液を供給して基板を洗浄する基板洗浄装置であってもよい。
【0031】
さらに、この発明の基板処理装置は、洗浄液の供給を停止した状態で上記第1基板対向部材および第2基板対向部材を一体的に回転駆動することによって、基板の表面の液成分を振り切って乾燥する基板洗浄・乾燥装置であってもよい。この場合には、上記第1および第2介在支持部材によって挟持された基板に対して不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段が備えられていることが好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。この基板処理装置は、基板としてのウエハWを一枚ずつ洗浄して乾燥するための枚葉型基板洗浄・乾燥装置である。
【0034】
この基板処理装置は、上カップ10と下カップ20との対により上下に分割可能に形成された処理チャンバ1を備えている。上カップ10は、円板状の天壁11と、この天壁11の周縁部の全周から垂れ下がった円筒状の側壁12とを備えており、昇降機構13(移動手段)によって昇降されるようになっている。また、下カップ20は、円板状の底壁21とこの底壁21の周縁部の全周から立ち上がった円筒状の側壁22とを備えており、装置のフレーム(図示せず)に固定されている。
【0035】
上カップ10の側壁12の下端面12Aと、下カップ20の側壁22の上端面22Aとは互いに密接することができるように対向しており、下端面12Aと上端面22Aとを密接した状態では、これらの間に介装されているOリング30により、処理チャンバ1の内部空間の気密性が保証される。
【0036】
昇降機構13は、図示しない基板搬送ロボットによってウエハWが処理チャンバ1に出し入れされるときには、上カップ10を図示の位置よりも上方の退避位置まで上昇させ、ウエハWに対する処理が行われているときには、上カップ10を図示の処理位置に下降させた状態を保持して、処理チャンバ1の内部空間の気密性を確保する。
【0037】
上カップ10の天壁11の中央付近には、開口14が形成されており、この開口14には、排気ダクト31の入口部が配置されている。この排気ダクト31のフランジ31aと開口14の内周面14aとの間には、支持筒32が、Oリング33,34を介して保持されている。この支持筒32は、図示しない固定機構によって、上カップ10に固定されている。処理チャンバ1の内部空間に臨む支持筒32の適所には、処理チャンバ1の内部雰囲気を排気ダクト31に導くための排気通路(図示せず)が形成されている。
【0038】
排気ダクト31を挿通して、不活性ガスとしての窒素ガスを導くための窒素ガスダクト35が配置されている。この窒素ガスダクト35の下端部は、排気ダクト31の下端部よりもさらに処理チャンバ1の内方へと導かれており、この下端部には、窒素ガスダクト35よりも大径のスカート部36が設けられている。このスカート部36は、上記の支持筒32と連結されており、これにより、スカート部36は、上カップ10に対して固定されている。スカート部36の外周面の下端には外向きのフランジ36aが形成されており、このフランジ36aの上方においては、スカート部36の外周面に軸受け37がはめ込まれている。この軸受け37はまた、回転筒38の内周面にはめ込まれていて、この回転筒38をスカート部36に対して回転自在に支持している。
【0039】
回転筒38の下端面には、ウエハWよりも若干大きい円板状の遮蔽板40(第1基板対向部材)が、ボルト39によって固定されている。また、回転筒38の外周面には、ギア部材41が固定されている。このギア部材41には、タイミングベルト42が巻き掛けられている。このタイミングベルト42は、モータMUの駆動軸43に固定されたプーリー44に噛合しており、このモータMUの回転を回転筒38に伝達する。モータMUは、上カップ10に、適当な取り付け機構(図示せず)を用いて取り付けられている。なお、45は、駆動軸43の回転を許容しつつ処理チャンバ1内を気密に保持するためのシール部材であり、46は、軸受け37と遮蔽板40との間隔を保持するためのスペーサである。
【0040】
遮蔽板40の中央には、開口47が形成されている。この開口47内には、窒素ガスダクト35を挿通している洗浄液ノズル48(処理液ノズル)の吐出口48aが配置されている。吐出口48aと開口47との間には、隙間が確保されており、この隙間は、窒素ガスダクト35からスカート部36を介して導かれる窒素ガスを吐出するための窒素ガスノズル50(窒素ガス供給手段)となっている。スカート部36から回転筒38側への窒素ガスの漏洩を防止するために、スカート部36の下端面と、遮蔽板40の上面との間には、ラビリンスパッキン49が設けられている。
【0041】
遮蔽板40に下方から対向するように、ウエハWよりも若干大きな円板状のベース板60(第2基板対向部材)が配置されている。このベース板60は、その下面側において、回転筒58にボルト59によって固定されている。この回転筒58は、その内周面にはめ込まれた軸受け57を介して、スカート部56の外周面に回転自在に支持されている。このスカート部56は、窒素ガスを導入するための窒素ガスダクト55の上端部に設けられていて、この窒素ガスダクト55よりも大径に形成されている。
【0042】
窒素ガスダクト55は、図示しない排気設備に接続された排気ダクト51を挿通して設けられている。この排気ダクト51は、下カップ20の底壁21の中央に形成された開口24に入口が配置されるように設けられている。そして、この排気ダクト51の入口部のフランジ51aと開口24の内周面との間には、シール部材53,54を介在させた状態で支持筒52が挟持されている。この支持筒52は、図示しない固定機構によって、下カップ20に固定されているとともに、スカート部56に連結されている。これにより、スカート部56は、下カップ20に対して固定されている。支持筒52において処理チャンバ1の内部空間に臨む適所には、処理チャンバ1内の雰囲気を排気ダクト51に導くための排気通路が形成されている。
【0043】
スカート部56に対して回転自在に支持されている回転筒58の外周面には、ギア部61が固定されている。このギア部61には、タイミングベルト62が巻き掛けられており、このタイミングベルト62はさらに、モータMLの駆動軸63に固定されたプーリー64に巻き掛けられている。したがって、モータMLを駆動すると、回転筒58が回転し、これに伴ってベース板60が回転することになる。なお、65は、駆動軸63の回転を許容しつつ処理チャンバ1内を気密に保持するためのシール部材であり、66は、軸受け57とベース板60との間隔を保持するスペーサである。
【0044】
窒素ガスダクト55内には、洗浄液をウエハWに供給するための洗浄液ノズル68(処理液ノズル)が挿通している。この洗浄液ノズル68の上端の吐出口68aは、ベース板60の中央に形成された開口67を介してウエハWの下面の中央に臨んでいる。開口67と吐出口68aとの間には隙間が形成されており、この隙間は、窒素ガスダクト55からスカート部56の内部空間を介して導かれる窒素ガスをウエハWの下面中央に向けて供給するための窒素ガスノズル70(窒素ガス供給手段)を形成している。スカート部56の上端面とベース板60の下面との間には、窒素ガスの漏洩を防止するためのラビリンスパッキン69が設けられている。
【0045】
このように、ベース板60に関連する構成と、遮蔽板40に関連する構成とは、これらの間に保持されるウエハWを含む水平面に関してほぼ対称になっている。
【0046】
遮蔽板40の半径方向外方の位置には、排液・排気部材81が配置されており、同様に、ベース板60の半径方向外方の位置には、排液・排気部材82が配置されていて、これらは、支持部材83,84を介してそれぞれ上カップ10および下カップ20に支持されている。上下の排液・排気部材81,82は、上下のカップ10,20の近接/離反に応じて近接/離反し、これらを互いに当接させた状態では、両者間に、排液・排気通路85が形成されるようになっている。上側の排液・排気部材81は、排液・排気通路85が遮蔽板40側に向かって開口する導入口81aを有するように、周方向と交差する断面がほぼ4分の1楕円形に形成された通路部81bを有している。一方、下側の排液・排気部材82は、導入口81aから導入された排液を受けるとともに、導入口81aから導入された気体が螺旋気流を生じるように、周方向と交差する断面が上方に開口したほぼ半円形に形成された通路部82bを有している。また、この下側の排液・排気部材82の下面には、通路部82bと連通した排液・排気ダクト87が取り付けられている。
【0047】
また、上側の排液・排気部材81の内周面と遮蔽板40の外周面との間にはラビリンスパッキン88が設けられている。同様に、下側の排液・排気部材82の内周面とベース板60の外周面との間にはラビリンスパッキン89が設けられている。これにより、遮蔽板40とベース板60との間からの雰囲気を効率的に排気できる。90は、上下の排液・排気部材81,82を気密に結合させるためのシール部材である。
【0048】
基板搬送ロボットとのウエハWの受け渡しのために、ベース板60に関連してウエハ昇降機構100が設けられている。このウエハ昇降機構100は、ウエハWを下方から支持する複数本の支持ピン101と、この支持ピン101を昇降させるためのエアシリンダ102とを有している。
【0049】
また、洗浄液ノズル48には、図外のエッチング液タンクからエッチング液用バルブEV1を介したエッチング液または図外のリンス液タンクからリンス液用バルブRV1を介したリンス液が、洗浄液として供給されるようになっている。同様に、洗浄液ノズル68には、エッチング液タンクからエッチング液用バルブEV2を介したエッチング液またはリンス液タンクからリンス液用バルブRV2を介したリンス液が、洗浄液として供給されるようになっている。さらに、窒素ガスダクト35,55には、図外の窒素ガス供給源からの窒素ガスが窒素ガス用バルブNV1,NV2をそれぞれ介して供給されるようになっている。
【0050】
これらのバルブEV1,EV2,RV1,RV2,NV1,NV2の開閉制御は、マイクロコンピュータなどを含む制御装置95によって行われる。また、モータMU,ML、昇降機構13およびエアシリンダ102も、制御装置95によって制御されるようになっている。とくに、モータMUおよびMLを駆動するためのドライバ回路91,92には、これらのモータMUおよびMLを同期回転させるために、共通の制御信号が制御装置95から与えられるようになっている。
【0051】
図2は、遮蔽板40の底面図である。遮蔽板40の下面40Aは、ウエハWの上面に対向する第1基板対向面をなしており、その周縁部には、周方向に沿って等間隔に6個の介在支持部材4(第1介在支持部材)が配置されている。この介在支持部材4は、ゴムやその他の弾性材料から構成されており、そのウエハWに臨む表面には、図4の拡大断面図に示されているように、ウエハWとほぼ平行な平坦面4aと、ウエハWの中心に向かうに従ってウエハWの上面から離反するように傾斜したテーパー面4bとを有している。
【0052】
図3は、ベース板60の平面図である。ベース板60の上面60AはウエハWの下面に対向する第2基板対向面をなしており、その周縁部には、周方向に沿って等間隔に6個の介在支持部材6(第2介在支持部材)が配置されている。すなわち、遮蔽板40側の介在支持部材4に対応するように介在支持部材6が設けられている。この介在支持部材6は、図4の拡大断面図に示されているように、ウエハWの下面の周縁部を支持する支持面6aと、この支持面6aよりもベース板60の半径方向外方寄りの位置において立ち上がり、半径方向内方に向かうに従って下がるように傾斜した案内立ち上がり面6bとを有している。この介在支持部材6もまた、ゴムやその他の弾性材料で構成されている。
【0053】
ウエハ昇降機構100からベース板60へのウエハWの受け渡しが行われるとき、ウエハWは、介在支持部材6の案内立ち上がり面6bによって支持面6aへと案内されて落とし込まれる。こうして、ウエハWがベース板60に位置合わせされて保持された後、昇降機構13が上カップ10を下降させると、これに伴って遮蔽板40も下降する。そして、上カップ10と下カップ20とが密接される過程で、遮蔽板40側の介在支持部材4のテーパー面4bがウエハWの上面の周縁部に接し、ウエハWを回転中心に向けて案内しながら弾性変形する。このとき、ベース板60側の介在支持部材6の弾性変形も同時に起こる。そして、上カップ10が下カップ20と密接された状態では、介在支持部材4,6はそれぞれ弾性変形して、ウエハWの周縁部を挟持する。このとき、遮蔽板40の下面40aとウエハWの上面との間には一定の間隔D1が確保され、同様に、ウエハWの下面とベース板60の上面との間には一定の間隔D2が確保される。
【0054】
処理工程の全体の流れについて以下に概説する。
【0055】
未処理のウエハWを処理チャンバ1に搬入するときには、制御装置95は、昇降機構13を制御して、処理カップ10を上昇させる。これに伴い、遮蔽板40およびこれに関連して設けられている洗浄液ノズル48や各種のダクト31,35ならびに排液・排気部材81などが上昇する。こうして、遮蔽板40が離間位置に導かれ、上カップ10と下カップ20との間、排液・排気部材81,82の間および遮蔽板40とベース板60との間に、ウエハWの搬入経路が確保される。
【0056】
制御装置95は、さらに、エアシリンダ102を制御して、支持ピン101の上端がベース板60に形成された通過孔(図示せず)を通過し、介在支持部材6(図4参照)よりも高い受け渡し高さに至るまで、支持ピン101を上昇させる。
【0057】
支持ピン101の上端が受け渡し高さに達すると、基板搬送ロボットの基板保持ハンドが処理チャンバ1内に入り込み、支持ピン101の上に未処理のウエハWをおき、その後、処理チャンバ1外に退避する。
【0058】
この後、制御装置95は、支持ピン101の上端がベース板60の下面よりも下方の退避高さに至るまで支持ピン101を下降させる。この過程で、上述のように、ウエハWは、介在支持部材6の案内立ち上がり面6bによって、支持面6aへと落とし込まれる。
【0059】
続いて、制御装置95は、昇降機構13を制御して、上カップ10を下降させる。これにより、上カップ10が下カップ20に密接して、処理チャンバ10内が気密になる。また、このとき、遮蔽板40がベース板60に近接した近接位置に導かれ、遮蔽板40の介在支持部材4と、ベース板60の介在支持部材6とが、ウエハWの周縁部を6箇所で挟持することになる。さらに、排液・排気部材81,82が密接して、排液・排気通路85が形成される。
【0060】
さらに、制御装置95は、ドライバ91,92に共通の駆動制御信号を与え、モータMU,MLを同期回転させる。ただし、モータMU,MLは互いに反対方向に回転する。これにより、上下の回転筒38,58が同じ方向に回転され、これらの回転筒38,58に固定されている遮蔽板40およびベース板60がそれぞれの中心を通る鉛直軸まわりに一体的に同期回転することになる。したがって、ベース板60および遮蔽板40の間に挟持されているウエハWは、水平に保持された状態で、そのほぼ中心を通る鉛直軸まわりに回転されることになる。
【0061】
次いで、制御装置95は、ウエハWの薬液洗浄を開始する。すなわち、エッチング液用バルブEV1,EV2を開成することにより、洗浄液ノズル48,68の各吐出口48a,68aから洗浄用薬液としてのエッチング液を吐出させる。これにより、ウエハWの上面および下面の各中央に向けてエッチング液が至近距離から供給される。供給されたエッチング液は、ウエハWの回転に伴う遠心力によって回転半径方向外方側へと導かれるので、結果として、ウエハWの上下面の全域に対して隈無く薬液洗浄を行うことができる。なお、この薬液洗浄期間中、リンス液用バルブRV1,RV2は、閉成状態に保持される。
【0062】
予め定めた一定時間だけエッチング液が供給された後、制御装置95は、エッチング液用バルブEV1,EV2を閉成して薬液洗浄工程を終了するとともに、リンス液用バルブRV1,RV2を開成する。これにより、洗浄液ノズル48,68からは、リンス液(純水、オゾン水、電解イオン水など)が、ウエハWの上下面の中央に向けて供給されることになる。こうして、薬液洗浄工程後のウエハWの上下面に存在するエッチング液を洗い流すためのリンス工程が行われる。
【0063】
予め定めた一定時間だけリンス液が供給された後、制御装置95は、リンス液用バルブRV1,RV2を閉成してリンス工程を終了する。その後、制御装置95は、ドライバ91,92にモータMU,MLを高速回転させるための制御信号を与える。これにより、ウエハWの回転が加速され、その表面の液成分が遠心力によって振り切られる。こうして、乾燥工程が行われる。この乾燥工程の際、制御装置95は、窒素ガス用バルブNV1,NV2を開成し、窒素ガスノズル50,70からウエハWの上下面に窒素ガスを供給させる。これにより、遮蔽板40とベース板60との間の制限された小容積の空間の空気は、すみやかに窒素ガスに置換されるので、洗浄処理後のウエハWの上下面に不所望な酸化膜が成長することはない。
【0064】
乾燥工程の終了後には、制御装置95は、モータML,MUの回転を停止させ、さらに、昇降機構13によって上カップ10を上昇させ、その後、エアシリンダ102によって支持ピン101を受け渡し高さまで上昇させる。この状態で、基板搬送ロボットが、洗浄および乾燥処理済みのウエハWを支持ピン101から受け取って、処理チャンバ1外に搬出することになる。
【0065】
薬液洗浄工程、リンス工程および乾燥工程の初期においては、ウエハWの上下面を伝って、薬液またはリンス液がウエハWの外方へと流れ、隣接する介在支持部材4,6の間を通って、ウエハWよりもさらに外側へと飛び出す。この飛び出した液体は、排液・排気通路85に受け入れられ、排液・排気ダクト87を介して処理チャンバ1外に排液される。また、液体が介在支持部材4,6や排液・排気部材81,82に衝突したときに生じるミストは、排液・排気ダクト87を介する強制排気によって、排液・排気通路85および排液・排気ダクト87を通って排出され、ウエハWの上下の空間へと導かれることはない。
【0066】
また、排気ダクト31および51を介する排気は常時行われており、これにより、軸受け37,57やギア部41,61などでの摺動に起因するパーティクルは、処理チャンバ1外へと運び去られ、遮蔽板40とベース板60との間のウエハWの表面に到達することはない。
【0067】
以上のようにこの実施形態によれば、ウエハWの周縁部を遮蔽板40およびベース板60に設けた介在支持部材4,6によって上下から挟持し、その状態で、遮蔽板40およびベース板60を回転するようにしている。そのため、ウエハWの上下面と遮蔽板40およびベース板60との間隔D1,D2(図4参照)は、複数枚の処理対象ウエハに対して確実に一定にできる。そのため、複数枚のウエハに対して、均一な処理を施すことができる。
【0068】
また、ウエハWの上下面と遮蔽板40およびベース板60との間隔D1,D2は介在支持部材4,6によって確実に規定されるから、遮蔽板40およびベース板60とウエハWとが衝突するおそれがない。そのため、遮蔽板40およびベース板60とウエハWの上下面との間隔D1,D2を小さくすることが容易である。そこで、これらの間隔D1,D2を十分に小さくしておくことによって、周囲のパーティクルがウエハWの表面に付着することを防止できる。また、ウエハWの周囲の空間を効果的に制限できるので、このウエハWの周囲をすみやかに窒素ガス雰囲気とすることができる。これにより、ウエハWの洗浄処理を良好に行うことができる。
【0069】
しかも、ウエハWの上下面に極近接した遮蔽板40および60の中央の開口47,67から、洗浄液ノズル48,68の吐出口48a,68aをウエハWの上下面に臨ませているので、吐出口48a,68aからウエハWの上下面に至る洗浄液経路長が極めて短い。そのため、洗浄液がウエハWの表面で跳ね返ったりすることはない。また、吐出口48a,68aから吐出された洗浄液の温度変化はほとんど生じることがない。これにより、とくに温度管理された洗浄液によるウエハWの処理を効果的に実行できる。
【0070】
さらには、ウエハWの周縁部を上下の介在支持部材4,6により挟持することによってウエハWを支持する構成であるので、たとえば、ベース板60にチャックピン(保持部材)を立設してこのチャックピンによってウエハWの端面を把持させる場合と比較すると、ベース板60とともに回転するチャックピンを動作させるための複雑な駆動機構が不要であるから、構成が極めて簡単になる。また、チャックピンを用いる場合に比較して、風を切る部材が少ないので、遮蔽板40およびベース板60の周辺の気流の乱れが少ない。これにより、ミストの発生やパーティクルの巻き上げなどを効果的に防止できるから、ウエハWの処理品質を向上できる。
【0071】
なお、ウエハWの周縁部を上下の介在支持部材4,6により挟持するためには、遮蔽材40とベース板60との相対回転位置が、介在支持部材4および6の位置が整合するように調整されている必要がある。ただし、遮蔽板40とベース板60とは、ウエハWを挟持した状態で回転を開始し、また、その状態で回転を停止するので、両者の回転位置を一度整合させておけば、その後には、原則として再調整しなくとも、介在支持部材4,6の位置が整合した状態が保持される。
【0072】
図5は、この発明の第2の実施形態の構成を説明するための図解的な断面図である。この図5において、上述の図1ないし図4に示された各部と同等の部分には、同一の参照符号を付して示す。この実施形態では、ベース板60の周縁部には、ウエハWの下面に向かって突出した半球状の介在支持部材6Aが、たとえば、図6に示すように、ベース板60の上面60Aに、周方向に沿って等間隔に6個配置されている。遮蔽板40も同様に、その下面40Aに、周方向に沿って等間隔に6個の半球状の介在支持部材4AがウエハWの上面に向かって突出して設けられている。介在支持部材4A,6Aは、いずれもゴムなどの弾性材料で構成されている。この構成によっても、介在支持部材4A,6Aによって、ウエハWの周縁部を上下から挟持することができるので、上述の第1の実施形態と同様な作用および効果を達成できる。
【0073】
ただし、半球状の介在支持部材4A,6Aには、ウエハWの位置合わせを行う機能はないから、案内立ち上がり面6bおよびテーパー面4b(図4参照)によって、ウエハWの中心とベース板60および遮蔽板40の回転中心とを整合させることができる上述の第1実施形態の方が優れている。
【0074】
図7は、この発明の第3の実施形態の構成を説明するための図解的な断面図である。この図7において、上述の図5または図6に示された各部と同等の部分には、同一の参照符号を付して示す。この実施形態では、ベース板60の周縁部には、ガイド部材110が、たとえば、図8に示すように、ベース板60の上面60Aに、周方向に沿って等間隔に6個配置されている。このガイド部材110は、ベース板60の上面に平行な平坦面を有する支持部111と、この支持部11よりもベース板60の回転半径方向外方側において立ち上がった案内部112とを有している。案内部112は、上記回転半径方向外方側に向かうに従って高くなるように形成された案内面112aを有している。そして、支持部111には、弾性材料からなる半球状の介在支持部材6Aが上向きに固定されている。
【0075】
一方、遮蔽板40の下面の周縁部には、保持部材120が、ガイド部材110に対応するように、たとえば、周方向に沿って等間隔に6個配置されている。この保持部材120には、弾性材料からなる半球状の介在支持部材4Aが下向きに固定されている。そして、保持部材120の、遮蔽板40の回転半径方向外方側には、この半径方向外方側に向かうに従って高くなる下向きのテーパー面120aが形成されている。このテーパー面120aの傾斜は、ガイド部材110側の案内面112aの傾斜と整合している。
【0076】
この構成により、ウエハWをベース板60に受け渡す際、ガイド部材110の案内面112aによって、ウエハWを所定の位置に案内して落とし込むことができる。遮蔽板40をベース板60に近接させて介在支持部材4A,6AによってウエハWの周縁部を挟持するときには、ガイド部材110の案内部112は、保持部材120のテーパー面120aの下方の空間に納められるので、案内部112が保持部材120と干渉するおそれはない。
【0077】
この構成によっても、上述の第1の実施形態の場合と同様な作用効果を達成できる。
【0078】
図9は、洗浄液と窒素ガスとの供給に関連する変形例に係る構成を説明するための図解的な断面図である。この図9において、上述の図1に示された各部と同等の部分には、同一の参照符号を付して示す。この変形例においては、窒素ガス通路131と洗浄液通路132とが並列に形成されたノズル130を用いてウエハWの上面に対する洗浄液および窒素ガスの供給が行われる。すなわち、ノズル130には、窒素ガス通路131に連通する吐出口131aと、洗浄液通路132に連通する吐出口132aとが分離して形成されており、これらが、遮蔽板40の中央の開口47から、ウエハWの上面の中央に臨むようになっている。これにより、洗浄液通路132から洗浄液(エッチング液またはリンス液)を供給した後に、窒素ガス通路131を介して窒素ガスを吐出しても、吐出口132aの付近に残っている洗浄液がミスト状になってウエハWに付着するおそれがない。
【0079】
図1に示された構成においても、洗浄液と窒素ガスとが同一の経路を共有しているわけではないので、窒素ガス供給時におけるミストの発生量は少ないけれども、洗浄液と窒素ガスとで吐出口を大きく隔てた図9の構成の場合の方が、ミスト発生量は少ないと言える。
【0080】
一方、ウエハWの下面に対する洗浄液および窒素ガスの供給についても、窒素ガス通路141と洗浄液通路142とが並列に形成されたノズル140が用いられる。ただし、このノズル140は、窒素ガスと洗浄液とで共有される吐出口145を、ベース板60の中央の開口67に臨ませて配置されており、この吐出口145の下方には、すり鉢状の底面151および円筒壁面152を有する渦巻き室150が形成されている。
【0081】
この渦巻き室150の底面151の中央に、洗浄液通路142の上端が連通している。そして、洗浄液通路142には、エッチング液用バルブEV2を介してエッチング液を供給でき、リンス液用バルブRV2を介してリンス液を供給できるようになっている。また、この洗浄液通路142内の液体は、ドレンバルブDVを介して排液できるようになっている。
【0082】
図10は、渦巻き室150の近傍の構成を拡大して示す断面図であり、図11は、図10の切断面線XI−XIから見た断面図である。窒素ガス通路141は、渦巻き室150の上端面153の側方付近において水平方向に曲げられており、窒素ガス通路141からの窒素ガスが、上端面153に沿い、かつ、円筒壁面152の周方向に沿って、窒素ガス導入口154から渦巻き室150に導入されるようになっている。渦巻き室150には、吐出口145の周縁から吐出管155が、窒素ガス導入口154よりも所定距離だけ低い位置にまで垂れ下がっている。
【0083】
エッチング液またはリンス液をウエハWの下面に供給する際には、ドレンバルブDVが閉成され、エッチング液用バルブEV2またはリンス液用バルブRV2が開成される。これにより、洗浄液通路142を介して洗浄液が上昇し、渦巻き室150を通って、吐出口145からウエハWの下面に向けて吐出される。このとき、窒素ガス用バルブNV2は閉成されているので、渦巻き室150内における洗浄液の液面の上昇に伴って、吐出管155の下端よりも上方の空間の気体は若干圧縮されるが、洗浄液の液面が窒素ガス導入口154の高さにまで上昇することはない。
【0084】
洗浄液の吐出を停止して窒素ガスをウエハWの下面に供給する場合には、エッチング液用バルブEV2およびリンス液用バルブRV2はいずれも閉成され、ドレンバルブDVが開成される。この状態で、窒素ガス用バルブNV2を開成すると、窒素ガス通路141を通って窒素ガス導入口154から渦巻き室150に窒素ガスが導入される。この渦巻き室150では、窒素ガスは渦巻き状の気流を形成し、円筒壁面152やすり鉢状底面151に残留している洗浄液を洗浄液通路142へと押し込む働きをする。したがって、洗浄液のミストがウエハWの下面へと導かれるおそれがない。
【0085】
渦巻き室150に導かれた窒素ガスの一部は、洗浄液通路142へと入り込んで行くが、処理チャンバ1内は排気ダクト31,51によって排気されているので、大部分の窒素ガスは、吐出管155から吐出口145へと導かれ、ウエハWの下面とベース板60の上面との間の空間の雰囲気を置換することになる。
【0086】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は他の形態でも実施することができる。たとえば、上述の実施形態では、遮蔽板40とベース板60との回転駆動のためにモータMU,MLをそれぞれ設けているが、介在保持部材4,6によってウエハWを挟持した状態においては、遮蔽板40とベース板60とは互いにトルクを伝達し合うことができる。したがって、モータMU,MLのうちの一方は設けられなくてもよい。
【0087】
また、上述の各実施形態では、介在支持部材4,4A,6,6Aを弾性材料で構成する場合について説明したが、これらの介在支持部材は必ずしも弾性材料で構成する必要はない。ただし、回転中におけるウエハWの保持を確実にするためには、介在支持部材を弾性材料で構成しておくことが好ましい。
【0088】
また、上述の実施形態では、遮蔽板40が昇降駆動される例を挙げたが、遮蔽板40を固定しておいてベース板60を昇降可能に構成してもよいし、遮蔽板40およびベース板60の両方が昇降可能な構成であってもよい。少なくともいずれか一方が昇降可能であれば、遮蔽板40とベース板60との間にウエハWを保持でき、また、この保持を解除できる。
【0089】
さらに、上述の実施形態では、ウエハを洗浄する装置を例にとったが、この発明は、洗浄以外の処理を行う装置にも適用でき、また、ウエハ以外にも液晶表示装置用ガラス基板などの他の種類の基板を処理する装置にも適用できる。
【0090】
その他、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す断面図である。
【図2】上記基板処理装置の遮蔽板の底面図である。
【図3】上記基板処理装置のベース板の平面図である。
【図4】介在支持部材によるウエハの挟持状態を示す拡大断面図である。
【図5】この発明の第2の実施形態の構成を説明するための図解的な断面図である。
【図6】上記第2の実施形態におけるベース部材の平面図である。
【図7】この発明の第3の実施形態の構成を説明するための図解的な断面図である。
【図8】上記第3の実施形態におけるベース部材の平面図である。
【図9】洗浄液と窒素ガスとの供給に関連する変形例に係る構成を説明するための図解的な断面図である。
【図10】上記変形例における渦巻き室の近傍の構成を拡大して示す断面図である。
【図11】図10の切断面線XI−XIから見た断面図である。
【符号の説明】
4 介在支持部材
6 介在支持部材
13 昇降機構
40 遮蔽板
60 ベース板
38,58 回転筒
42,62 タイミングベルト
48,68 洗浄液ノズル
91,92 ドライバ
95 制御装置
MU,ML モータ

Claims (2)

  1. 基板を回転させつつ基板の表面に処理液を供給する基板処理装置において、
    基板の大きさよりも大きい第1基板対向面を有する第1基板対向部材と、
    上記第1基板対向面に対向し、その大きさが基板の大きさよりも大きい第2基板対向面を有する第2基板対向部材と、
    上記第1基板対向面が上記第2基板対向面に近接した近接位置と、上記第1基板対向面が上記第2基板対向面から離間した離間位置との間で、上記第1基板対向部材を上記第2基板対向部材に対して相対的に移動させる移動手段と、
    上記第1基板対向部材に設けられ、この第1基板対向部材が上記近接位置にあるときに、基板の一方の主面に当接して、上記第1基板対向部材と基板の上記一方の主面との間隔を一定に保持する第1介在支持部材と、
    上記第2基板対向部材に設けられ、上記第1基板対向部材が上記近接位置にあるときに、基板の他方の主面に当接して、上記第2基板対向部材と基板の上記他方の主面との間隔を一定に保持するとともに、上記第1介在支持部材との間に基板を挟持する第2介在支持部材と、
    上記第1介在支持部材および第2介在支持部材によって挟持されている基板の表面に処理液を供給する処理液供給手段と、
    上記第1基板対向部材および第2基板対向部材を一体的に回転駆動する回転駆動手段とを備え
    上記第1介在支持部材および第2介在支持部材は、上記第1基板対向部材が上記近接位置にあるときに基板の周縁部を挟持するように、基板の周縁部において間隔を開けてそれぞれ複数個配置されていることを特徴とする基板処理装置。
  2. 上記処理液供給手段は、上記第1基板対向面のほぼ中央に配置され、上記基板の一方の主面に向けて処理液を吐出する処理液ノズルを含むことを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
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