JP3619084B2 - 液体噴射記録ヘッドおよびその組み立て方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体噴射記録方式において、微細な吐出口から記録液を液滴として吐出させて記録紙等の被記録媒体に付着させることによって記録を行なうための液体噴射記録ヘッドおよびその組み立て方法に関し、特に、複数の吐出口や液流路を形成した部材を押圧して固定するための押圧部材を備えた液体噴射記録ヘッドおよびその組み立て方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的な液体噴射記録ヘッドは、記録液を吐出する複数の微細な吐出口、各吐出口に連通する液流路および各液流路に配置された吐出エネルギー発生素子を具備し、記録情報に対応した駆動信号を吐出エネルギー発生素子に印加し、該吐出エネルギー発生素子に対応する液流路内の記録液に吐出エネルギーを付与することによって、吐出口から記録液を液滴として吐出させ、印字記録を行なうように構成されている。
【0003】
この種の液体噴射記録ヘッドは、半導体製造技術を用いて高精度に形成された複数の吐出エネルギー発生素子(電気熱変換素子等)を配列した素子基板と、レーザ加工等の精密加工手段により高精度に複数の吐出口が形成されたオリフィスプレートを有し、複数の吐出口にそれぞれ連通する複数の液流路溝、各液流路溝に連通する共通液室および液受け口が形成された溝付き天板とから構成され、素子基板の吐出エネルギー発生素子と溝付き天板の液流路溝および吐出口をそれぞれ対応するように位置決めした状態で素子基板と溝付き天板を組み合わせて接合した後に、両者の接合状態を吐出口近傍において均一にさせるようにばね等の押圧部材で押圧し、素子基板と溝付き天板の接合面を密着固定して形成している。
【0004】
ところで、このような素子基板と溝付き天板および押圧部材の組み合わせにおいて、吐出エネルギー発生素子と吐出口および液流路溝の位置決めは、ミクロンオーダーでの高精度が要求されており、素子基板と溝付き天板の位置合わせや組み合わせを精密に位置調整しうる液体噴射記録ヘッドの製造方法としては、特開平04−171130号公報、特開平04−171126号公報、特開平04−171163号公報、特開平05−004136号公報に開示された方法が知られている。これらの製造方法は、一つの組み立て装置上において、先ず、素子基板上に形成されている吐出エネルギー発生素子の位置を画像認識して記憶し、次に、液吐出用の吐出口および液流路溝等を形成した溝付き天板を素子基板上に仮組みして、溝付き天板に形成されている吐出口または液流路溝の位置を吐出エネルギー発生素子の位置と対比し、素子基板と溝付き天板を相対的に移動させることにより、吐出エネルギー発生素子と吐出口および液流路溝の位置を合致させ、これらの位置関係がずれないように紫外線硬化方式の接着剤等により仮固定する。その後、次の工程において、仮固定した素子基板と溝付き天板のユニットにばね等の押圧部材を組み付けて、素子基板と溝付き天板の接合面を密着固定している。
【0005】
また、素子基板と溝付き天板との密着接合に関して押圧部材を用いずに接着剤等によって完成させることも可能であるが、接着剤が液流路に流れ込み記録液であるインク成分を変化させたり、液吐出性能を劣化させる恐れがある。
【0006】
押圧部材を用いた液体噴射記録ヘッドとしては、例えば、特開平4−247953号公報に記載されたものがあり、該公報に記載された押圧部材は、吐出口の配列方向に延び、天板の吐出口近傍に作用する加圧部と、加圧部を溝付き天板の素子基板との接合方向に向けて付勢するU字状弾性部と、U字状弾性部の両側部に設けられてベースプレートに係合する係合部とから構成されており、この押圧部材を用いた溝付き天板と素子基板の接合方法としては、押圧部材のU字状弾性部の加圧部近傍などを支持して押圧部材を変形させチャージしておき、この状態で、素子基板と溝付き天板を仮固定したベ−スプレ−トに組み合わせ、その後、押圧部材の支持を開放して、押圧部材の加圧部を溝付き天板に対して押圧させることにより、溝付き天板と素子基板を接合している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、液体噴射記録装置は高精細化が進み、液体噴射記録ヘッドにおいても吐出口の位置精度を向上させ、記録液滴の着弾精度を高めることが望まれている。
【0008】
このように記録液滴の着弾精度を高めるためには、ベースプレートからなる基準部材上に固定された素子基板と、この素子基板に接合されることにより吐出エネルギー発生素子に対応する複数の液流路溝および記録液を吐出する複数の吐出口を有する溝付き天板と、この溝付き天板を素子基板に押圧する押圧部材とから構成される液体噴射記録ヘッドにおいて、溝付き天板と素子基板の接合精度および安定性などの接合状態を向上させなければならない。
【0009】
しかしながら、上述した従来の液体噴射記録ヘッドにおいては、溝付き天板と素子基板を圧着接合する工程において、次のような未解決の課題があった。
【0010】
(1) 素子基板と溝付き天板を紫外線硬化方式の接着剤等により仮固定するため、紫外線硬化型接着剤のもつ硬化時の体積収縮作用により素子基板と溝付き天板の接合精度が変化する場合があり、今日求められている高精細用ヘッドにおいては不具合を生ずる場合があった。また、紫外線硬化型の接着剤の成分が記録ヘッドの記録液であるインク中に溶融してインクの組成を変化させ印字品位を劣化させる。さらに、接着剤硬化時に照射する紫外線の一部が外部に漏れ、周囲の作業者の眼精疲労を引き起こす恐れがあり、そして、接着剤硬化のために一定時間紫外線を照射する必要があり装置タクトを長くし、紫外線照射用の光源を装置に組み込む必要があるため、装置コストを高くする。
【0011】
(2) また、押圧部材をベースプレートに組み付ける際には、あらかじめ位置決めされた溝付き天板に押圧部材が触れないようにする必要があり、そのため、押圧部材がベースプレートに取り付けられる時には、押圧部材をチャージした状態とされていた。しかしながら、このチャージ状態が長時間にわたると押圧部材の押圧力の低下や、押圧部分の変形を起こす虞があるため、チャージ状態となる時間はできるだけ短くなることが望まれていた。
【0012】
そこで、本発明は、上記の従来技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、押圧部材を用いて溝付き天板を素子基板に対して高精度で安定かつ確実に接合することができ、高精細かつ高品位な画質が得られながらも容易に製造できる液体噴射記録ヘッドおよびその組み立て方法を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射記録ヘッドは、記録液を吐出するための吐出エネルギーを発生する複数の吐出エネルギー発生素子が形成され、基準部材上に固定された素子基板と、該素子基板と接合することにより前記吐出エネルギー発生素子に対応する複数の液流路および該液流路に連通して記録液を吐出する複数の吐出口を構成する溝付き天板と、該溝付き天板を前記素子基板に対し押圧するために前記溝付き天板と前記素子基板を挟んで前記基準部材に係合する押圧部材とを有する液体噴射記録ヘッドにおいて、前記押圧部材は、前記吐出口の配列方向に延び前記吐出口近傍で前記溝付き天板を押圧する加圧部と該加圧部を弾性的に支持する弾性部と前記基準部材に係合する係合部とを有し、前記加圧部の両端部にばね付勢力をチャージするための変形作動部を配設したことを特徴とする。
【0014】
本発明の液体噴射記録ヘッドにおいて、前記押圧部材は、溝付き天板を素子基板に接合する前に、素子基板が固定された前記基準部材に組み付けられることが好ましい。
【0015】
本発明の液体噴射記録ヘッドにおいては、前記変形作動部を前記加圧部よりも下方に延設された変形作動突片として形成することができ、あるいは、前記変形作動部を前記加圧部よりも下方に延設されるとともに前記加圧部より液吐出方向の後方に屈曲された変形作動突片として形成することもできる。
【0016】
本発明の液体噴射記録ヘッドにおいては、前記押圧部材が素子基板が固定された基準部材に組み付けられ、未だ前記押圧部材のばね付勢力がチャージされていない状態において、前記押圧部材の加圧部は、前記基準部材に固定されている前記素子基板に接触しないように構成されていることが好ましく、また、前記押圧部材が素子基板が固定された基準部材に組み付けられ、未だ前記押圧部材のばね付勢力がチャージされていない状態において、前記押圧部材の前記変形作動部の少なくとも一部が前記基準部材に支持され、前記押圧部材の加圧部は前記基準部材に固定されている前記素子基板に接触しないように構成されていることが好ましい。
【0017】
本発明の液体噴射記録ヘッドにおいては、前記基準部材に組み付けられた前記押圧部材は、前記変形作動部を介して、前記基準部材の下方からまたは前記押圧部材の上方からばね付勢力がチャージされることが好ましく、前記押圧部材のばね付勢力をチャージするための作動部材が通過しうる切り欠き部が前記基準部材の両側部に設けられていることが好ましい。
【0018】
本発明の液体噴射記録ヘッドにおいては、前記基準部材に固定された前記素子基板と前記押圧部材の加圧部との間に前記溝付き天板が挿入され、前記押圧部材の加圧部が前記溝付き天板の吐出口近傍を押圧する状態において、前記押圧部材の変形作動部は前記基準部材から離間した状態に位置するように構成されていることが好ましい。
【0019】
本発明の液体噴射記録ヘッドにおいて、前記溝付き天板は、前記液流路に連通する複数の分離された共通液室を形成するための凹部と、前記複数の共通液室に対応した複数の記録液供給口を有しており、前記押圧部材は、前記加圧部と弾性部との間に、前記複数の記録液供給口に連通する複数の供給管が挿通される開口部を有し、該開口部は前記複数の供給管に対応して複数に分割されていることが好ましい。
【0020】
さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの組み立て方法は、記録液を吐出するための吐出エネルギーを発生する複数の吐出エネルギー発生素子が形成された基準部材上に固定されている素子基板に対し、該素子基板と接合することにより前記吐出エネルギー発生素子に対応する複数の液流路および該液流路に連通して記録液を吐出する複数の吐出口を構成する溝付き天板を接合して押圧部材のばね付勢力で固定して組み立てる液体噴射記録ヘッドの組み立て方法において、前記素子基板が固定されている前記基準部材に前記押圧部材を組み付け、前記押圧部材のばね付勢力をチャージして前記溝付き天板を挿入しうる間隔を保持した後に、該間隔を介して前記溝付き天板を前記素子基板上に組み込み、ばね付勢力のチャージを解放することにより前記押圧部材のばね付勢力により前記溝付き天板を前記素子基板に対して押圧し接合固定することを特徴とする。
【0021】
本発明の液体噴射記録ヘッドの組み立て方法において、前記押圧部材は、前記溝付き天板の吐出口配列方向に延び前記吐出口近傍で前記溝付き天板を押圧する加圧部と、該加圧部を弾性的に支持する弾性部と、前記基準部材に係合する係合部と、前記加圧部の両端部に設けられたばね付勢力をチャージするための変形作動部とを有することが好ましい。
【0022】
本発明の液体噴射記録ヘッドの組み立て方法においては、前記押圧部材が前記基準部材に組み付けられ、未だ前記押圧部材のばね付勢力がチャージされていない状態において、前記押圧部材の加圧部は前記基準部材に固定されている前記素子基板に接触しないように構成され、あるいは、前記押圧部材の前記加圧部から下方に延設した前記変形作動部の少なくとも一部が前記基準部材に支持され、前記押圧部材の加圧部が前記基準部材に固定されている前記素子基板に接触しないように構成されていることが好ましい。
【0023】
本発明の液体噴射記録ヘッドの組み立て方法においては、前記基準部材に組み付けられた前記押圧部材のばね付勢力のチャージは、前記基準部材の下方からあるいは前記押圧部材の上方から行なうことができ、また、前記基準部材の下方から前記基準部材の両側部に形成された切り欠き部を介して前記押圧部材の変形作動部を係合支持することにより行なうことも可能である。
【0024】
本発明の液体噴射記録ヘッドの組み立て方法においては、前記基準部材に組み付けた前記押圧部材と前記素子基板との間に前記溝付き天板を挿入した後に、前記溝付き天板と前記素子基板との相対的な移動により両者の位置調整を行ない、その後に、前記押圧部材のばね付勢力により前記溝付き天板を前記素子基板に対して押圧し接合固定することが好ましい。
【0025】
【作用】
本発明の液体噴射記録ヘッドおよびその組み立て方法によれば、押圧部材において、溝付き天板に接触し押圧する加圧部の両端部に変形作動部や変形作動突片を配設することにより、押圧部材を基準部材に組み付けた後に、変形作動部や変形作動突片を介して押圧部材のばね付勢力をチャージすることを可能とし、また、加圧部は傾斜角度をもって溝付き天板を押圧し、溝付き天板を素子基板に対し押圧するとともに引き込む方向にも力を加えることができ、溝付き天板と素子基板を確実にかつ安定して接合することができる。そして、溝付き天板と素子基板の接合に際して、素子基板を固定した基準部材に押圧部材を先ず組み付け、押圧部材のばね付勢力をチャージして溝付き天板を挿入しうる間隔を保持した後に、この間隔を介して溝付き天板を所定の位置へ挿入配置し、そして、押圧部材のばね付勢力を徐々に解放することにより、押圧部材のばね付勢力で溝付き天板と素子基板の接合を行なう。これにより、従来のように、溝付き天板と素子基板を接着剤等により仮止めした上で押圧部材で押圧接合する必要がなく、接合工程を簡略化でき、さらに、溝付き天板と素子基板の精度の良い位置調整が可能となり、接合精度を向上させることができる。
【0026】
以上のように、本発明によれば、溝付き天板と素子基板を押圧部材を用いて高精度で安定かつ確実に接合することができ、溝付き天板と素子基板の接合精度や安定性などの接合状態を向上させることができ、液体噴射記録ヘッドとして、吐出口の位置精度および液滴の着弾精度を高め、高精細かつ高品位の画質を得ることができる。
【0027】
そして、液体噴射記録ヘッドの組み立て工程を簡略化できるため、歩留まりを向上させるとともに、タクトアップを図ることができる。
【0028】
なお、本発明においてチャージとは、ばねが天板に接合された際に正規のばね加重が発生する位置よりも過剰にたわませ保持することを意味する。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、複数の実施例に基づき、図面に参照して説明する。
【0030】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1に係る液体噴射記録ヘッドの要部の構成を分解して示す分解斜視図であり、図2は、本発明の実施例1に係る液体噴射記録ヘッドを構成する押圧部材の斜視図であり、図3は、本発明の実施例1に係る液体噴射記録ヘッドを構成する溝付き天板の斜視図である。
【0031】
本実施例における液体噴射記録ヘッドは、図1に図示するように、押圧部材1と、記録液を吐出する複数の吐出口2aおよび各吐出口2aにそれぞれ連通する複数の液流路溝2b(図1には不図示)等を有する溝付き天板2と、基準部材であるベースプレート4の所定の位置に取り付けられ、記録液に吐出エネルギーを付与する電気熱変換素子等の吐出エネルギー発生素子3aを有する素子基板3とから概略構成され、溝付き天板2と素子基板3を押圧部材1にて押圧して接合することにより組み立てられる。
【0032】
押圧部材1の詳細な構造は、図2に図示するように、吐出口配列方向に延び溝付き天板2の吐出口近傍の上面に接触して押圧する加圧部1b、弾性的に押圧力を作用させるための断面U字状に湾曲されたU字状弾性部1c、U字状弾性部1cの上面の両側方から下方へ屈曲され、基準部材であるベースプレート4に設けられている係止部4bに係合する爪片を有する一対の係合部1d、および一対の係合部1dの上方部分から後方へ延びそして下方に屈曲され、基準部材であるベースプレート4の表面に当接して押圧部材1に作用する力をベースプレート4上で支える一対の当接部1eとからなり、そして、加圧部1bの両端には押圧(ばね)付勢力をチャージするための変形作動突片(弾性変形支持部)1aが設けられ、変形作動突片1aは、加圧部1bの溝付き天板2に接触する部位よりも後方(すなわち、液吐出方向に対して反対方向)に屈曲されそして加圧部1bの溝付き天板2に接触する部位よりも下方に延設されている。
【0033】
また、電気熱変換素子等の吐出エネルギー発生素子3aを有する素子基板3は、基準部材であるベースプレート4の表面の所定の位置に接着剤にて接着固定されている。そして、ベースプレート4の両側部には、図1に図示するように、押圧部材1の係合部1dに対応する部位に係止部4bが設けられているとともに、押圧部材1の変形作動突片1aに対応する部位に切り欠き部4aが設けられており、この切り欠き部4aは、押圧部材1の変形作動突片1aに係合支持することによって押圧部材1の加圧部1bを変形させるチャージピン等の変形部材を通すために設けられている。
【0034】
溝付き天板2は、図3に図示するように、素子基板3に形成されている吐出エネルギー発生素子3aに対応して設けられた複数の液流路溝2b、各液流路溝2bに対して記録液を供給するために各液流路溝2bに連通した複数の共通液室2c、および各液流路溝2bに連通した吐出口2a(図3には不図示)が形成されているオリフィスプレート2dを備えている。
【0035】
これらの溝付き天板2と素子基板3は、溝付き天板2の吐出口2aや液流路溝2bと素子基板3の吐出エネルギー発生素子3aとの位置関係がそれぞれ個々に対応する所定の位置関係になるように位置合わせして接合される。
【0036】
押圧部材1は、その一対の係合部1dの爪片をベースプレート4の係止部4bに係合させることによりベースプレート4に組み付けられ、一対の当接部1eはベースプレート4の表面に当接する。押圧部材1の変形作動突片1aはベースプレート4側からの支持によって移動され、その後に、変形作動突片1aの支持を解放することによって、押圧部材1の押圧(ばね)付勢力により押圧部材1の加圧部1bが溝付き天板2の吐出口近傍で液流路溝2bを構成する部分の上面を線接触で押圧し、溝付き天板2と素子基板3とを圧着接合する。
【0037】
次に、液体噴射記録ヘッドの溝付き天板2と素子基板3の組み立て方法を図4および図5に基づいて工程順に説明する。
【0038】
(1) 図4の(a)は、素子基板3をベースプレート4に接着固定した状態を示すものであり、溝付き天板2と押圧部材1を組み付ける前の状態である。ベースプレート4に接着固定された素子基板3に形成されている吐出エネルギー発生素子3aの位置を図示しない治具上に固定された上部の観察光学系20により測定し、その位置測定データは記憶される。
【0039】
(2) 図4の(b)は、ベースプレート4に押圧部材1を組み付けた状態を示すものである。押圧部材1の一対の係合部1dが、ベースプレート4の係止部4bに組み付けられ、押圧部材1の一対の当接部1eがベースプレート4の表面に当接する。そして、その際に、押圧部材1の先端位置が、接触式変位センサー、レーザ変位センサーあるいは画像認識等の測長機構21により測定され、この測定結果に基づいて、押圧部材1は、予め測定されている素子基板3上の吐出エネルギー発生素子3aの位置測定データと比較することにより、適宜調整して素子基板3に対し正確な位置に組み付けられる。
【0040】
このとき、押圧部材1は、図6に明瞭に図示するように、その変形作動突片1aの下端部の一部がベースプレート4に支持されているため、加圧部1bは素子基板3の表面から離れた状態に維持され、この加圧部1bが素子基板3に干渉して素子基板3の表面を損傷させることを防止することができる。
【0041】
(3) 次いで、ベースプレート4に組み付けられた押圧部材1は、ばねチャージ機構のチャージピン22により、溝付き天板2を挿入するのに可能な寸法まで押圧部材1の加圧部1bを持ち上げ保持する。押圧部材1の加圧部1bを持ち上げた状態を図4の(c)に示す。このとき、チャージピン22は、ベースプレート4の下方からベースプレート4の両側部に設けられている切り欠き部4aを通して上方前方に斜めに移動され、押圧部材1の変形作動突片1aを係合支持して上方へ移動させる(図6も参照のこと)。これにより、押圧部材1の加圧部1bも同時に持ち上げられ、押圧部材1のばね付勢力がチャージされる。このとき、ばねチャージ機構により押圧部材1をチャージするためのチャージピン22が押圧部材1と接触する部位は、押圧部材1の加圧部1bに近いほうが望ましい。
【0042】
(4) 溝付き天板2を、チャージピン22により溝付き天板2を挿入するのに可能な寸法まで持ち上げられて保持されている押圧部材1の加圧部1bと素子基板3との間に挿入する(図4の(d)参照)。
【0043】
(5) 図5の(e)は素子基板3と押圧部材1の間に溝付き天板2を挿入した状態を示すものである。ここで、溝付き天板2は横方向に移動可能な状態にあり、その位置調整が行なわれる。すなわち、溝付き天板2の吐出口2aの前方に吐出口の位置を測定するための第2の観察光学系23が配置され、この第2の観察光学系23により溝付き天板2の吐出口2aの位置を測定する。また同時に、図5の(f)に図示するように、溝付き天板2の両側方に配置された天板位置あわせ機構24が溝付き天板2に接触し、第2の観察光学系23からの溝付き天板2の位置測定情報と予め測定されている吐出エネルギー発生素子3aの位置測定データに基づいて、溝付き天板2の位置を微調整し、素子基板3の吐出エネルギー発生素子3aと溝付き天板2の吐出口2aおよび液流路溝2bの位置を正確に合致させる。
【0044】
(6) 素子基板3の吐出エネルギー発生素子3aの位置と溝付き天板2の吐出口2aおよび液流路溝2bの位置調整が終了した後に、ばねチャージ機構のチャージピン22を下方へ移動させることにより変形作動突片1aを下降させ、押圧部材1のばね付勢力を解放する。これによって、押圧部材1の加圧部1bは溝付き天板2の液流路溝に対応する上面の部分に接触かつ押圧し、溝付き天板2と素子基板3を密着固定する(図5の(g)および(h)参照)。このとき、押圧部材1の変形作動突片1aは、図4の(b)においてはベースプレート4の表面に接触しているけれども、溝付き天板2の組み付けが終わった段階では、ベースプレート4に接触せず、押圧部材1のばね付勢力を溝付き天板2に伝えることが可能となる(図7も参照のこと)。
【0045】
以上のように、溝付き天板2を素子基板3に接合する際に、素子基板3を固定したベースプレート1に押圧部材1を先に取り付け、ベースプレート4の切り欠き部4aからチャージピン22を通して押圧部材1の変形作動突片1aを係合支持して押圧部材1を変形させた後に、溝付き天板2を所定の位置へ挿入配置し、そして、押圧部材1の変形作動突片1aの係合支持を徐々に解放することにより、押圧部材1のばね付勢力で溝付き天板2と素子基板3の接合を行なうことができ、従来のように、溝付き天板と素子基板を接着剤等により仮止めした上で押圧部材で押圧接合する必要がなく、接合工程を簡略化でき、さらに、接合精度を向上させることができる。
【0046】
次に、押圧部材1による溝付き天板2に対する押圧状態について説明する。
【0047】
押圧部材1の加圧部1bの傾きである素子基板3の垂直方向に対する角度θは、図7に示すように、約10°となるように設けられており、押圧部材1から溝付き天板2に作用する荷重方向は、素子基板3に垂直な方向である天板2を素子基板3に押しつける向きのみでなく、素子基板3に平行に天板2を引き込む向きにも作用している。この引き込み力は、押圧部材1の加圧部1bの両側端に設けた変形作動突片1aを係合支持することで発生する。例えば、図6に図示するように、押圧部材1の加圧部1bを無荷重状態から変形作動突片1aをチャージピン22により係合支持して移動させると、加圧部角度θが増大するため、この変形の反力として素子基板3に垂直な方向だけでなく、加圧部角度θを小さくさせる向きである天板引き込み方向にも荷重が発生する。このように、変形作動突片1aに対する係合支持を解放して加圧部1bを溝付き天板2に押圧させると、素子基板3への押圧と溝付き天板2への引き込みが行なわれる。この引き込み力の発生により、溝付き天板2を素子基板3から脱落させることなく、確実にかつ安定して溝付き天板2と素子基板3とを接合させることができる。したがって、溝付き天板2と素子基板3の高精度な配置を行えば高精度な状態での接合が可能となる。
【0048】
また、チャージピン22による変形作動突片1aの移動により押圧部材1をチャージした後に溝付き天板2を挿入し、チャージピン22を戻して押圧部材1の加圧部1bを溝付き天板2に押圧接触させ溝付き天板2と素子基板3を密着接合させるときに、チャージピン22は、図4の(c)、図5の(g)および図6に示すように、若干角度をつけて上下方向に移動させているが、この角度によって、溝付き天板2と押圧部材1(特に、加圧部1b)が接触する位置を調整することができる。この角度を大きくとれば、押圧部材1をチャージしたときに押圧部材1の加圧部1bの先端が前方に位置し、溝付き天板2を押圧するときに溝付き天板2を引き込む方向の力が大きく働くため、溝付き天板2を接合した後の温度変化や衝撃等によって生じる溝付き天板2と素子基板3のずれを小さくすることができる。しかしながら、その引き込み力をあまりに大きくすれば、逆に溝付き天板2と素子基板3がずれたり、溝付き天板2が変形する可能性もあるので、注意が必要である。
【0049】
また、変形作動突片1aの幅が広ければ、ベースプレート4の切り欠き4aを通るチャージピン22により確実に変形作動突片1aを係合支持することができる。しかし、変形作動突片1aの幅を長くしすぎると、チャージピン22による係合支持によって、変形作動突片1aの移動変形は生じるけれども、加圧部1bの移動変形が追従せず、天板引き込み力があまり発生しないだけでなく、押圧精度も悪化する場合があるので、注意が必要である。
【0050】
本実施例におけるベースプレート4において、チャージピン22を挿入する場所を切り欠き4aとすることにより、天板接合後に溝付き天板2の共通液室2cに記録液タンクからの記録液を供給する流路部材(チップタンク)6(図8の(a)参照)を押圧部材1の上部から組み合わせる場合に、押圧部材1の係合部1d等の脚部を流路部材6の脚部で覆うことができる。図8の(b)に流路部材6を組み付けた状態を示す。こうすることによって、溝付き天板2と素子基板3の接合部を封止剤により封止する場合に、封止剤が押圧部材1の脚部を伝ってベースプレート4の裏面に流れ出すことを防ぐことができる。従来のものでは、押圧部材の脚部からの封止剤の流出を防ぐために、あらかじめ脚部の部分を封止剤で埋めておく工程が必要であったが、本実施例のベースプレート4の切り欠き構造と、流路部材6の脚部の構造によって、ばね脚部封止工程を省略することができる。
【0051】
次に、本実施例に基づく押圧部材の他の例について、図9および図10を参照して説明する。
【0052】
押圧部材における変形作動突片1aと加圧部1bの関係は、天板引き込み力を考慮すれば、変形作動突片1aは加圧部1bと同一平面状に配置されることが望ましい。そこで、図9に図示する押圧部材1Aにおいては、変形作動突片1aと加圧部1bを同一平面状に配置するものであり、その他の構成は前述した実施例のものと同じである。
【0053】
また、図9に図示する押圧部材1Aおよび図2に図示する押圧部材1においては、その変形作動突片1aは、加圧部1bの溝付き天板を押圧する部位よりも下方に延設されており、押圧部材1、1Aがベースプレート4に取り付けられたとき、図4の(b)および図6に図示するように、変形作動突片1aがベースプレート4に当接支持されることにより、加圧部1bはベースプレート4上の素子基板3に接触することがなく、素子基板3の損傷を確実に防止できるという効果を有するものがあるが、押圧部材1、1Aがベースプレート4に取り付けられたときに、押圧部材の無負荷状態において、加圧部1bが素子基板3の表面に接触する恐れがない場合には、変形作動突片1aを加圧部1bよりも下方に延設して設ける必要はないことはいうまでもない。この場合、加圧部1bの両端部をチャージピンが係合する変形作動部とすることができる。
【0054】
図10に図示する押圧部材1Bは、その変形作動突片1aの支持をベースプレート4の反対側から(すなわち、図中、上方から)引張り支持するように構成されている。このように上方から変形作動突片1aを支持することにより、ベースプレート4の形状に依存することなく押圧部材1Bを弾性変形支持することができる。ただし、荷重支持方向が素子基板3に対し垂直な場合、弾性変形支持点が加圧部1bの根元曲げによる変形中心より吐出口側になければ、天板引き込み方向に荷重が発生しない。すなわち、弾性変形支持点が吐出口側にあれば安定した押圧接合ができる。
【0055】
(実施例2)
本実施例は、液流路溝配列方向に幅広の記録ヘッドにおいても溝付き天板を素子基板に対して液流路溝列全域にわたり一様に押圧して、溝付き天板と素子基板の接合状態を液流路溝列全域にわたり良好にすることができる液体噴射記録ヘッドの構成に特徴を有するものである。
【0056】
図11は、本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドの要部の構成を示す斜視図であり、図12は、本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドの要部の構成を示す断面図であり、図13は、本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドを構成する押圧部材の斜視図であり、図14は、本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドを構成する溝付き天板の斜視図であり、図15は、本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドに流路部材を組み付けた状態を示し、(a)はその斜視図であり、(b)はその断面図である。なお、本実施例においては、前述した実施例と同様の部材には同一符号を付して説明する。
【0057】
近年、液体噴射記録装置には、多種の記録液の媒体上での重ね合わせによる高画質化に伴ない、さらなる記録スピードの高速化が求められている。この記録スピードの高速化は、記録ヘッドの1スキャンでの記録領域を幅広にすることにより行なうことができる。
【0058】
しかしながら、記録幅が12.7mm( 0.5インチ)を超えるほどの複数の液流路溝を具備する溝付き天板においては、溝付き天板の液流路溝列の中央部付近にて吐出させた記録液の液滴が、液流路溝列の端部に比べて、所望の大きさより小さくなってしまうという現象が生じるものがあった。本発明者らの更なる解析によると、記録幅を従来より広げることにより、押圧部材の開口部(打ち抜き部)が過剰に液流路溝列方向に広がることになる。さらに、従来の12.7mm( 0.5インチ)以下の記録幅の記録ヘッドと比較して、単位液流路溝当たりの押圧荷重を同等に確保しようとすると、押圧部材の荷重を強く設定しなければならない。これらにより、溝付き天板押圧時に、天板押圧端部に変形が生じる虞があると考えられる。この押圧部材の天板押圧端部の変形は、液流路溝列の中央部付近が素子基板に対して上方向に湾曲する傾向にあり(本発明者らの実験では、その変形量は数10μmを示すものがあった)、液流路溝列の中央部での溝付き天板と素子基板の接合不良の原因となり、吐出エネルギーのロスが発生し、記録液の吐出性能を劣化させることになる。特に、記録ヘッドが複数色の記録液を有する場合には、記録液毎に設けられた複数の共通液室間の分離壁の剛性が高く、上述の問題が発生しやすい傾向があった。
【0059】
そこで、本実施例では、素子基板に対して溝付き天板を押圧する押圧部材において、その加圧部と弾性部との間に設ける開口部を、溝付き天板の複数の記録液供給口にそれぞれ対向するように、複数の開口部に分割することにより、隣接する開口部間の梁となる部分が加圧部の補強的作用をなし、前述の押圧部材の天板押圧端部の湾曲変形を低減する効果が得られるようにするものである。このようにして、液体噴射記録ヘッドの更なる高度の要求性能を満たすべく、複数の共通液室と記録幅が12.7mm( 0.5インチ)を超えるような複数の液流路溝を具備する溝付き天板と、吐出エネルギー発生素子を配置した素子基板との接合状態を液流路溝列全域にわたり良好にすることができ、高精細かつ高品位の画質を得ることができる。
【0060】
以下、本実施例について、図11ないし図15を参照して詳細に説明する。
【0061】
本実施例における液体噴射記録ヘッドは、図11および図12に図示するように、押圧部材1C(図13)と、記録液を吐出する複数の吐出口2aおよび各吐出口2aに連通する複数の液流路溝2b等を有する溝付き天板2(図14)と、記録液に吐出エネルギーを付与する電気熱変換素子等の吐出エネルギー発生素子を有する素子基板3と、該素子基板3を所定の位置に固定する基準部材であるベースプレート4とから概略構成され、押圧部材1Cの加圧部1bが、押圧部材1Cの押圧(ばね)付勢力により、溝付き天板2の吐出口近傍で液流路溝2bを構成する部分の上面を線接触で押圧し、溝付き天板2と素子基板3とを圧着接合している。
【0062】
溝付き天板2は、図14に示すように、記録液を吐出する複数の吐出口(2a)が形成されているオリフィスプレート2d、素子基板3に形成されている吐出エネルギー発生素子に対応して設けられて吐出口(2a)に連通する複数の液流路溝2b、各液流路溝2bへ記録液を供給するための一時溜となる複数の共通液室2c、および各共通液室2cに連通して複数の共通液室2cへ記録液をそれぞれ供給するための複数の記録液供給口2eを具備している。
【0063】
押圧部材1Cの詳細な構造は、図13に示すように、吐出口列方向に延び溝付き天板2の吐出口近傍上面に当接して押圧する加圧部1b、該加圧部1bの両端に設けられた変形作動突片1a、弾性的に押圧力を作用させるための断面U字状に湾曲されたU字状弾性部1c、U字状弾性部1cの上面の両側から下方へ屈曲され、ベースプレート(基準部材)4に設けられた係止部4bに係合する爪片を有する一対の係合部1d、および一対の係合部1dの上方部分から後方へ延びそして下方に屈曲され、ベースプレート4の表面に当接して押圧部材1Cに作用する力をベースプレート4上で支える一対の当接部1eから構成され、また、加圧部1bとU字状弾性部1cとの間には、溝付き天板2の記録液供給口2eと上流の記録液タンク(図示しない)との液供給経路を確保するために複数の開口部1fが設けられている。
【0064】
上記溝付き天板2の記録液供給口2eと記録液タンクとの接続は、図15の(a)および(b)に示すように、流路部材6を介して行なわれる。流路部材6は、溝付き天板2の複数の記録液供給口2eに対応するように設けられた複数の供給管6aと、各々の供給管6aの上流側に開口され記録液タンク等に接続される供給口6bが設けられている。流路部材6の複数の供給管6aのそれぞれは、図15の(b)の断面図に示すように、押圧部材1Cの開口部1fに挿通され、溝付き天板2の記録液供給口2eに端部が当接することにより、記録液の溝付き天板2への供給経路を構成している。このように、流路部材6の供給管6aを溝付き天板2の記録液供給口2eと接続するためには、押圧部材1Cにおいて開口部1fが配設されていることが必要となる。
【0065】
本実施例では、溝付き天板2の複数の記録液供給口2eの数(4個)に対応して、押圧部材1Cの開口部1fを図11および図13に示すように複数(4個)に区分し、隣接する開口部1f間の梁となる部分に加圧部1bの補強的役割を担わせることにより、加圧部1bの湾曲変形を低減させることができる。
【0066】
本発明者らの実験によると、25.4mm(1インチ)の記録幅を有する記録ヘッドの場合に、開口部1fを1つとする押圧部材を用いると、押圧部材の加圧部1bの湾曲変形量は数10μmであるのに対して、本実施例にように4個の開口部1fに分割して設けた押圧部材1Cを用いる際には、押圧部材1Cの加圧部1bの湾曲変形量は10μm以下に抑えることができた。
【0067】
次に、本実施例の変形例について、図16および図17を用いて説明する。
【0068】
図16は、本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドを構成する他の押圧部材の斜視図であり、図17の(a)および(b)は、図16に図示する押圧部材とともに用いることができる溝付き天板の概略的な斜視図である。
【0069】
図16に図示する押圧部材1Dにおいては、加圧部1bとU字状弾性部1cとの間に2つの開口部1f−1と1f−2が設けられており、その他の構成は、図13に示す押圧部材1Cと同様である。このように2つの開口部1f−1と1f−2を備えた押圧部材1Dは、図17の(a)に示すような2つの記録液供給口2eを備える溝付き天板2に有効であることはいうまでもない。
【0070】
また、溝付き天板2の記録液供給口2eが2つより多い場合でも、例えば、図17の(b)に示すように、4つの記録液供給口2e−1〜2e−4が互いの間隔に偏りをもって配列されている場合には、記録液供給口2e−1と2e−2を一組として1つの開口部1f−1に対応させ、他方の記録液供給口2e−3と2e−4を一組として他方の開口部1f−2に対応させることができる。このとき、押圧部材1Dの2つの開口部1f−1と1f−2の間の間隔は可能な限り幅広に設けることができ、補強効果を最大限生じさせることができる。
【0071】
次に、本発明の液体噴射記録ヘッドにおける押圧部材1(〜1D)、溝付き天板2および素子基板3を組み立てる組み立て装置について、図18を参照して説明する。
【0072】
この組み立て装置は、素子基板の搭載されたベースプレートを治具上に載置して位置決めし、また、完成したユニットを治具から取り出すベースプレート排出供給ステーションS1、押圧部材をベースプレート上に供給し組み付けてから溝付き天板が挿入できる位置まで開放させる押圧部材組み付けステーションS2、溝付き天板を仮位置決めして素子基板上に挿入する天板供給ステーションS3、素子基板の吐出エネルギー発生素子と吐出口および液流路溝の位置を合致させ、押圧部材を閉じて押圧部材のばね圧で溝付き天板を押圧し固定するための天板位置合わせステーションS4、およびこれらの各ステーションを制御するための制御ステーションS5から構成されている。
【0073】
図18に図示する組み立て装置を用いて液体噴射記録ヘッドの組み立てる手順につき、再度図4および図5を参照しながら説明する。
【0074】
先ず、ベースプレート排出供給ステーションS1において、素子基板3を予め接着固定したベースプレート4が本組み立て装置に投入され、ベースプレート4は治具上に位置決めされ、そして、観察光学系20により素子基板3に形成されている吐出エネルギー発生素子3aの位置を測定し、その位置測定データは記憶される(図4の(a)参照)。
【0075】
押圧部材組み付けステーションS2において、ベースプレート4に押圧部材1を組み付け、押圧部材1の先端位置が、測長機構21により測定され、適宜調整することにより、素子基板3(さらには、溝付き天板2)に対する正確な位置に組み付けられ、その後、ばねチャージ機構のチャージピン22により、溝付き天板2を挿入するのに可能な寸法まで押圧部材1の加圧部1bを持ち上げ保持する(図4の(b)および(c)参照)。
【0076】
そして、チャージピン22により押圧部材1の加圧部1bを持ち上げた状態で、天板供給ステーションS3へ移動され、ここで、溝付き天板2が押圧部材1の加圧部1bと素子基板3との間に挿入され(図4の(d)参照)、溝付き天板2は横方向の位置調整が行なわれる(図5の(e)および(f)参照)。その後、チャージピン22により押圧部材1をばね付勢力を解放することによって、押圧部材1の加圧部1bは溝付き天板2の上部に接触かつ押圧し、溝付き天板2と素子基板3を密着固定する(図5の(g)および(h)参照)。
【0077】
このように組み立てられ完成した液体噴射記録ヘッドは、排出供給ステーションS1へ移送され、組み立て装置から排出される。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、押圧部材を用いて溝付き天板と素子基板を高精度で安定かつ確実に接合することができ、溝付き天板と素子基板の接合精度や安定性などの接合状態を向上させることができ、吐出口の位置精度および液滴の着弾精度を高め高精細かつ高品位の画質を得ることができる。
【0079】
本発明に基づく押圧部材において、溝付き天板に接触し押圧する加圧部の両端部に変形作動部や変形作動突片を配設することにより、押圧部材を基準部材に組み付けた後に、変形作動部や変形作動突片を介して押圧部材のばね付勢力をチャージすることを可能とし、また、加圧部は傾斜角度をもって溝付き天板を押圧し、溝付き天板を素子基板に対し押圧するとともに引き込む方向にも力を加えることができ、溝付き天板と素子基板を確実にかつ安定して接合することができる。また、押圧部材の加圧部とU字状弾性部との間に、複数の共通液室を備えた溝付き天板へ複数種の記録液を供給する複数の記録液供給管を挿通するための開口部を複数に区分して設け、隣接する開口部間の梁となる部分に加圧部の補強的作用をもたせることにより、幅広の溝付き天板を液流路溝列全域にわたり一様に押圧することができ、溝付き天板と素子基板の接合状態を液流路溝列全域にわたり良好にすることが可能となり、幅広の記録ヘッドにおいても高精細かつ高品位の画質を得ることができる。
【0080】
溝付き天板と素子基板の接合に際して、素子基板を固定した基準部材に押圧部材を先ず組み付け、押圧部材のばね付勢力をチャージした後に、溝付き天板の所定の位置へ挿入配置し、そして、押圧部材のばね付勢力を徐々に解放して、押圧部材のばね付勢力で溝付き天板と素子基板の接合を行なうことにより、従来のように、溝付き天板と素子基板を接着剤等により仮止めした上で押圧部材で押圧接合する必要がなく、接合工程を簡略化でき、さらに、溝付き天板と素子基板の精度の良い位置調整が可能となり、接合精度を向上させることができる。
【0081】
さらに、液体噴射記録ヘッドの組み立て工程を簡略化できるため、歩留まりを向上させるとともに、タクトアップを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る液体噴射記録ヘッドの要部の構成を分解して示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係る液体噴射記録ヘッドを構成する押圧部材の斜視図である。
【図3】本発明の実施例1に係る液体噴射記録ヘッドを構成する溝付き天板の斜視図である。
【図4】本発明の液体噴射記録ヘッドにおける溝付き天板と素子基板および押圧部材の組み立て方法を工程順に図示する工程図である。
【図5】本発明の液体噴射記録ヘッドにおける溝付き天板と素子基板および押圧部材の組み立て方法を工程順に図示する図4に続く工程図である。
【図6】本発明の実施例1に係る液体噴射記録ヘッドにおいて、ベースプレートに押圧部材を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施例1に係る液体噴射記録ヘッドにおいて、溝付き天板と素子基板および押圧部材を組み立てた状態を押圧部材の一部を破断して示す構成図である。
【図8】(a)は本発明の実施例1に係る液体噴射記録ヘッドに用いる流路部材の斜視図であり、(b)は本発明の実施例1に基づき流路部材を組み付けて構成した液体噴射記録ヘッドの斜視図である。
【図9】本発明の実施例1に係る液体噴射記録ヘッドを構成する他の押圧部材の斜視図である。
【図10】本発明の実施例1に係る液体噴射記録ヘッドを構成するさらに他の押圧部材の斜視図である。
【図11】本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドの要部の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドの要部の構成を示す断面図である。
【図13】本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドを構成する押圧部材の斜視図である。
【図14】本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドを構成する溝付き天板を共通液室側から見た斜視図である。
【図15】(a)は本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドに流路部材を組み付けた状態を示す斜視図であり、(b)は同じくその断面図である。
【図16】本発明の実施例2に係る液体噴射記録ヘッドを構成する他の押圧部材の斜視図である。
【図17】(a)および(b)は、図16に図示する押圧部材とともに用いることができる溝付き天板を概略的に図示する斜視図である。
【図18】本発明の液体噴射記録ヘッドの組み立て装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1、1A〜1D 押圧部材
1a 変形作動突片(弾性変形支持部)
1b 加圧部
1c U字状弾性部
1d 係合部
1e 当接部
1f、1f−1、1f−2 開口部
2 溝付き天板
2a 吐出口
2b 液流路溝
2c 共通液室
2d オリフィスプレート
2e、2e−1〜2e−4 記録液供給口
3 素子基板
3a 吐出エネルギー発生素子
4 ベースプレート(基準部材)
4a 切り欠き部
4b 係止部
6 流路部材
6a 供給管
6b 供給口
20、23 観察光学系
21 測長機構
22 チャージピン
24 天板位置合わせ機構
S1 排出供給ステーション
S2 押圧部材組み付けステーション
S3 天板供給ステーション
S4 天板位置合わせステーション
S5 制御ステーション
Claims (17)
- 記録液を吐出するための吐出エネルギーを発生する複数の吐出エネルギー発生素子が形成され、基準部材上に固定された素子基板と、該素子基板と接合することにより前記吐出エネルギー発生素子に対応する複数の液流路および該液流路に連通して記録液を吐出する複数の吐出口を構成する溝付き天板と、該溝付き天板を前記素子基板に対し押圧するために前記溝付き天板と前記素子基板を挟んで前記基準部材に係合する押圧部材とを有する液体噴射記録ヘッドにおいて、
前記押圧部材は、前記吐出口の配列方向に延び前記吐出口近傍で前記溝付き天板を押圧する加圧部と該加圧部を弾性的に支持する弾性部と前記基準部材に係合する係合部とを有し、前記加圧部の両端部にばね付勢力をチャージするための変形作動部を配設したことを特徴とする液体噴射記録ヘッド。 - 前記変形作動部は、前記加圧部よりも下方に延設された変形作動突片として形成されていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッド。
- 前記変形作動部は、前記加圧部よりも下方に延設されるとともに前記加圧部より液吐出方向の後方に屈曲された変形作動突片として形成されていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッド。
- 前記押圧部材は、溝付き天板を素子基板に接合する前に、素子基板が固定された前記基準部材に組み付けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッド。
- 前記押圧部材が素子基板が固定された基準部材に組み付けられ、未だ前記押圧部材のばね付勢力がチャージされていない状態において、前記押圧部材の加圧部は、前記基準部材に固定されている前記素子基板に接触しないように構成されていることを特徴とする請求項4記載の液体噴射記録ヘッド。
- 前記押圧部材が素子基板が固定された基準部材に組み付けられ、未だ前記押圧部材のばね付勢力がチャージされていない状態において、前記押圧部材の前記変形作動部の少なくとも一部が前記基準部材に支持され、前記押圧部材の加圧部は前記基準部材に固定されている前記素子基板に接触しないように構成されていることを特徴とする請求項4記載の液体噴射記録ヘッド。
- 前記基準部材に組み付けられた前記押圧部材は、前記変形作動部を介して、前記基準部材の下方からまたは前記押圧部材の上方からばね付勢力がチャージされることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッド。
- 前記基準部材の両側部に、前記押圧部材の前記変形作動部を係合支持して前記押圧部材のばね付勢力をチャージするための作動部材が通過しうる切り欠き部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッド。
- 前記基準部材に固定された前記素子基板と前記押圧部材の加圧部との間に前記溝付き天板が挿入され、前記押圧部材の加圧部が前記溝付き天板の吐出口近傍を押圧する状態において、前記押圧部材の変形作動部は前記基準部材から離間した状態に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッド。
- 前記溝付き天板は、前記液流路に連通する複数の分離された共通液室を形成するための凹部と、前記複数の共通液室に対応した複数の記録液供給口を有しており、前記押圧部材は、前記加圧部と弾性部との間に、前記複数の記録液供給口に連通する複数の供給管が挿通される開口部を有し、該開口部は前記複数の供給管に対応して複数に分割されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッド。
- 記録液を吐出するための吐出エネルギーを発生する複数の吐出エネルギー発生素子が形成された基準部材上に固定されている素子基板に対し、該素子基板と接合することにより前記吐出エネルギー発生素子に対応する複数の液流路および該液流路に連通して記録液を吐出する複数の吐出口を構成する溝付き天板を接合して押圧部材のばね付勢力で固定して組み立てる液体噴射記録ヘッドの組み立て方法において、
前記素子基板が固定されている前記基準部材に前記押圧部材を組み付け、前記押圧部材のばね付勢力をチャージして前記溝付き天板を挿入しうる間隔を保持した後に、該間隔を介して前記溝付き天板を前記素子基板上に組み込み、ばね付勢力のチャージを解放することにより前記押圧部材のばね付勢力により前記溝付き天板を前記素子基板に対して押圧し接合固定することを特徴とする液体噴射記録ヘッドの組み立て方法。 - 前記押圧部材は、前記溝付き天板の吐出口配列方向に延び前記吐出口近傍で前記溝付き天板を押圧する加圧部と、該加圧部を弾性的に支持する弾性部と、前記基準部材に係合する係合部と、前記加圧部の両端部に設けられたばね付勢力をチャージするための変形作動部とを有することを特徴とする請求項11記載の液体噴射記録ヘッドの組み立て方法。
- 前記押圧部材が前記基準部材に組み付けられ、未だ前記押圧部材のばね付勢力がチャージされていない状態において、前記押圧部材の加圧部は前記基準部材に固定されている前記素子基板に接触しないように構成されていることを特徴とする請求項11または12記載の液体噴射記録ヘッドの組み立て方法。
- 前記押圧部材が前記基準部材に組み付けられ、未だ前記押圧部材のばね付勢力がチャージされていない状態において、前記押圧部材の前記加圧部から下方に延設した前記変形作動部の少なくとも一部が前記基準部材に支持され、前記押圧部材の加圧部が前記基準部材に固定されている前記素子基板に接触しないように構成されていることを特徴とする請求項12記載の液体噴射記録ヘッドの組み立て方法。
- 前記基準部材に組み付けられた前記押圧部材のばね付勢力のチャージは、前記基準部材の下方からまたは前記押圧部材の上方から行なわれることを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッドの組み立て方法。
- 前記基準部材に組み付けられた前記押圧部材のばね付勢力のチャージは、前記基準部材の下方から前記基準部材の両側部に形成された切り欠き部を介して前記押圧部材の変形作動部を係合支持することにより行なわれることを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッドの組み立て方法。
- 前記基準部材に組み付けた前記押圧部材と前記素子基板との間に前記溝付き天板を挿入した後に、前記溝付き天板と前記素子基板との相対的な移動により両者の位置調整を行ない、その後に、前記押圧部材のばね付勢力により前記溝付き天板を前記素子基板に対して押圧し接合固定することを特徴とする請求項11ないし16のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッドの組み立て方法。
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