JP2002331670A - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents
液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置Info
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- JP2002331670A JP2002331670A JP2001138250A JP2001138250A JP2002331670A JP 2002331670 A JP2002331670 A JP 2002331670A JP 2001138250 A JP2001138250 A JP 2001138250A JP 2001138250 A JP2001138250 A JP 2001138250A JP 2002331670 A JP2002331670 A JP 2002331670A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 オリフィスプレートを適確に液流路に接合す
ることができるとともにオリフィスプレートの剛性を向
上させて組立て時のハンドリング性や印字時のキャッピ
ングの信頼性を向上させることができ、さらに吐出性能
や生産性を向上させることができるオリフィスプレート
を備えた液体吐出ヘッドを提供する。 【解決手段】 オリフィスプレート表面10fにおける
吐出口形成領域を凹部11とし、オリフィスプレート背
面10gの吐出口形成部位に凸部13を設けたオリフィ
スプレート10を射出成形により形成し、その後、背面
10g側からのレーザ光の照射により各凸部13から凹
部11に至る吐出口10aを複数加工形成する。素子基
板1と天板5の接合により形成される液流路7にオリフ
ィスプレート10の凸部13を挿入させてオリフィスプ
レート10の吐出口10aを液流路7に連通するように
接着剤により接合して液体吐出ヘッドを作製する。
ることができるとともにオリフィスプレートの剛性を向
上させて組立て時のハンドリング性や印字時のキャッピ
ングの信頼性を向上させることができ、さらに吐出性能
や生産性を向上させることができるオリフィスプレート
を備えた液体吐出ヘッドを提供する。 【解決手段】 オリフィスプレート表面10fにおける
吐出口形成領域を凹部11とし、オリフィスプレート背
面10gの吐出口形成部位に凸部13を設けたオリフィ
スプレート10を射出成形により形成し、その後、背面
10g側からのレーザ光の照射により各凸部13から凹
部11に至る吐出口10aを複数加工形成する。素子基
板1と天板5の接合により形成される液流路7にオリフ
ィスプレート10の凸部13を挿入させてオリフィスプ
レート10の吐出口10aを液流路7に連通するように
接着剤により接合して液体吐出ヘッドを作製する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オリフィスプレー
トに形成された吐出口からインク等の液体を飛翔液滴と
して吐出させて記録媒体に印字記録や画像形成等を行う
液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関するものであ
る。
トに形成された吐出口からインク等の液体を飛翔液滴と
して吐出させて記録媒体に印字記録や画像形成等を行う
液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液体吐出装置(インクジェット記録装
置)は、液体吐出ヘッドにインク等の液体を供給し、液
体吐出ヘッドに設けられたピエゾ素子や電気熱変換素子
等の吐出エネルギー発生素子を記録情報や画像情報に対
応した駆動信号に基づいて駆動することによって記録紙
等の記録媒体に液滴を付着させることにより印字記録や
画像形成等を行うものであり、低騒音、高速記録等の点
で優れた記録装置として知られている。
置)は、液体吐出ヘッドにインク等の液体を供給し、液
体吐出ヘッドに設けられたピエゾ素子や電気熱変換素子
等の吐出エネルギー発生素子を記録情報や画像情報に対
応した駆動信号に基づいて駆動することによって記録紙
等の記録媒体に液滴を付着させることにより印字記録や
画像形成等を行うものであり、低騒音、高速記録等の点
で優れた記録装置として知られている。
【0003】この種の液体吐出ヘッドは、例えば図7に
示すように、液体を吐出するための微細な吐出口211
を複数有するオリフィスプレート210と、各吐出口2
11に連通する液流路206を形成するための天板20
5と、液流路206の一部を構成しかつ液体を吐出する
ための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生素
子としての発熱素子202を有する素子基板201とか
ら構成されている。
示すように、液体を吐出するための微細な吐出口211
を複数有するオリフィスプレート210と、各吐出口2
11に連通する液流路206を形成するための天板20
5と、液流路206の一部を構成しかつ液体を吐出する
ための吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー発生素
子としての発熱素子202を有する素子基板201とか
ら構成されている。
【0004】一般に、オリフィスプレート210は、素
子基板201と天板205との接合段差や素子基板20
1と天板205との濡れ性の違いに起因する液体の吐出
方向のずれを防止するため、液吐出口面を同一部材で構
成することを主な目的の一つとして設けられている。こ
のオリフィスプレート210は、天板205と一体的に
形成される場合と、天板205と別部材で形成されて天
板205に接合される場合とがある。
子基板201と天板205との接合段差や素子基板20
1と天板205との濡れ性の違いに起因する液体の吐出
方向のずれを防止するため、液吐出口面を同一部材で構
成することを主な目的の一つとして設けられている。こ
のオリフィスプレート210は、天板205と一体的に
形成される場合と、天板205と別部材で形成されて天
板205に接合される場合とがある。
【0005】オリフィスプレート210を天板205と
別部材で形成して天板205に接合する場合において
は、素子基板201と天板205との圧接によって形成
された液流路206に対し、オリフィスプレート210
上の吐出口211をアライメントして接合する方式が採
用されており、耐久性が必要とされるオリフィスプレー
ト210部の材質が任意に選択できる利点を有してい
る。一方、オリフィスプレート210を天板205と一
体的に形成する場合には、吐出口211と液流路溝が連
通した部材として形成されるため、天板205と素子基
板201との簡単な機械的圧接によって液流路206を
形成することができ、生産性が優れている構成である。
別部材で形成して天板205に接合する場合において
は、素子基板201と天板205との圧接によって形成
された液流路206に対し、オリフィスプレート210
上の吐出口211をアライメントして接合する方式が採
用されており、耐久性が必要とされるオリフィスプレー
ト210部の材質が任意に選択できる利点を有してい
る。一方、オリフィスプレート210を天板205と一
体的に形成する場合には、吐出口211と液流路溝が連
通した部材として形成されるため、天板205と素子基
板201との簡単な機械的圧接によって液流路206を
形成することができ、生産性が優れている構成である。
【0006】また、オリフィスプレートとして樹脂材料
を用いる場合には、複数の吐出口211は、一般的に、
エキシマレーザ加工によって形成されている。これらの
吐出口211は、光学系によって光量分布が均一化され
たエキシマレーザ光の照射により、1工程もしくは2〜
3工程で加工され、相対位置や配列ピッチが高精度に形
成されるとともに複数の吐出口の各々の形状や面積の均
一化が図られている。
を用いる場合には、複数の吐出口211は、一般的に、
エキシマレーザ加工によって形成されている。これらの
吐出口211は、光学系によって光量分布が均一化され
たエキシマレーザ光の照射により、1工程もしくは2〜
3工程で加工され、相対位置や配列ピッチが高精度に形
成されるとともに複数の吐出口の各々の形状や面積の均
一化が図られている。
【0007】レーザ加工に用いられるエキシマレーザ光
束は、光学系による集光特性上、加工部の入射面から遠
ざかるほど狭くなっていくことになり、エキシマレーザ
光を照射してアブレーションする加工では、エキシマレ
ーザ光の出射側に形成される穴の大きさはエキシマレー
ザ光の入射側に形成される穴の大きさよりも小さく加工
される特徴がある。
束は、光学系による集光特性上、加工部の入射面から遠
ざかるほど狭くなっていくことになり、エキシマレーザ
光を照射してアブレーションする加工では、エキシマレ
ーザ光の出射側に形成される穴の大きさはエキシマレー
ザ光の入射側に形成される穴の大きさよりも小さく加工
される特徴がある。
【0008】このような理由から、オリフィスプレート
210に吐出口をレーザ加工により形成する場合には、
レーザ光は液流路側から入射し、液吐出方向に出射され
る形態で照射される。
210に吐出口をレーザ加工により形成する場合には、
レーザ光は液流路側から入射し、液吐出方向に出射され
る形態で照射される。
【0009】オリフィスプレートが天板に一体的に形成
されている場合には、図8に示すように、マスク220
を通過したレーザ光Lが液流路溝207と干渉すること
がないように、天板205はレーザ光Lの光軸Laに対
して傾けて保持され、吐出口211が天板205に対し
て傾斜加工されている。なお、吐出口形成面212は、
照射されるレーザ光軸Laに対して垂直となるように、
天板205に傾斜して設けられており、レーザ光Lの照
射により加工される吐出口211は吐出口形成面212
に垂直に形成され、吐出口211から吐出される液体が
吐出口形成面212から垂直に吐出されるようにしてい
る。
されている場合には、図8に示すように、マスク220
を通過したレーザ光Lが液流路溝207と干渉すること
がないように、天板205はレーザ光Lの光軸Laに対
して傾けて保持され、吐出口211が天板205に対し
て傾斜加工されている。なお、吐出口形成面212は、
照射されるレーザ光軸Laに対して垂直となるように、
天板205に傾斜して設けられており、レーザ光Lの照
射により加工される吐出口211は吐出口形成面212
に垂直に形成され、吐出口211から吐出される液体が
吐出口形成面212から垂直に吐出されるようにしてい
る。
【0010】したがって、オリフィスプレート210と
天板205が一体化された液体吐出ヘッドは、吐出口2
11の向き(レーザ加工時の傾斜方向)と素子基板20
1との傾斜量相当分だけ、装置本体において傾斜保持さ
れ、液体を記録媒体に対して垂直に吐出するようにして
いる。
天板205が一体化された液体吐出ヘッドは、吐出口2
11の向き(レーザ加工時の傾斜方向)と素子基板20
1との傾斜量相当分だけ、装置本体において傾斜保持さ
れ、液体を記録媒体に対して垂直に吐出するようにして
いる。
【0011】一方、オリフィスプレート210と天板2
05とが別部材で形成される場合は、レーザ光軸La
(液吐出方向に相当する)とオリフィスプレート210
とが干渉することがないため、オリフィスプレート21
0に対して垂直に吐出口211を形成することができ、
この種のオリフィスプレート210を組み込んだ液体吐
出ヘッドは記録媒体に対して垂直に保持される。
05とが別部材で形成される場合は、レーザ光軸La
(液吐出方向に相当する)とオリフィスプレート210
とが干渉することがないため、オリフィスプレート21
0に対して垂直に吐出口211を形成することができ、
この種のオリフィスプレート210を組み込んだ液体吐
出ヘッドは記録媒体に対して垂直に保持される。
【0012】また、オリフィスプレート210におい
て、複数の吐出口211が形成される吐出口形成部分の
厚みは数10μmと非常に薄肉厚に形成されている。こ
の吐出口形成部分を厚くすると、上記のレーザ加工の縮
口穴形成の特性により、オリフィスプレート210の表
面側の吐出口面積が小さくなって、液吐出量が減少し、
あるいは液吐出が不安定になる等のため、オリフィスプ
レート210の厚みはほぼ定まっており、あまり大きく
することができない。
て、複数の吐出口211が形成される吐出口形成部分の
厚みは数10μmと非常に薄肉厚に形成されている。こ
の吐出口形成部分を厚くすると、上記のレーザ加工の縮
口穴形成の特性により、オリフィスプレート210の表
面側の吐出口面積が小さくなって、液吐出量が減少し、
あるいは液吐出が不安定になる等のため、オリフィスプ
レート210の厚みはほぼ定まっており、あまり大きく
することができない。
【0013】このようにオリフィスプレート上に加工形
成される微細孔である吐出口群は、液体の吐出方向、吐
出速度、吐出精度等を決定する部分であり、吐出口群の
形成が液体吐出ヘッドの吐出性能を左右する重要な要素
となっている。
成される微細孔である吐出口群は、液体の吐出方向、吐
出速度、吐出精度等を決定する部分であり、吐出口群の
形成が液体吐出ヘッドの吐出性能を左右する重要な要素
となっている。
【0014】このため、オリフィスプレートは、微細な
吐出口群の加工性が良好であることおよび耐インク特性
の優れていること等が要求される。オリフィスプレート
のこのような性能を満たす材料として、従来は、SU
S、Ni、Cr、Al等の金属プレート、ポリイミド、
ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリプロピレン等の樹脂フィルム等が
用いられていた。
吐出口群の加工性が良好であることおよび耐インク特性
の優れていること等が要求される。オリフィスプレート
のこのような性能を満たす材料として、従来は、SU
S、Ni、Cr、Al等の金属プレート、ポリイミド、
ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリプロピレン等の樹脂フィルム等が
用いられていた。
【0015】樹脂フィルムを用いる場合は、微細加工に
優れているエキシマレーザ加工によって吐出口群が形成
され、金属プレートを用いる場合は、電鋳、プレス加工
等の方法によって吐出口群が形成されている。
優れているエキシマレーザ加工によって吐出口群が形成
され、金属プレートを用いる場合は、電鋳、プレス加工
等の方法によって吐出口群が形成されている。
【0016】また、液体吐出装置では、液流路内部の気
泡の除去、長期放置によるインク等の液体の増粘回復等
のために液体の吸引または加圧回復のような回復動作を
行う必要がある。さらには、吐出口群周辺部における液
体の増粘や乾燥防止を図るためにオリフィスプレート表
面に対してキャッピング部材を当接させてキャッピング
を行う必要がある。
泡の除去、長期放置によるインク等の液体の増粘回復等
のために液体の吸引または加圧回復のような回復動作を
行う必要がある。さらには、吐出口群周辺部における液
体の増粘や乾燥防止を図るためにオリフィスプレート表
面に対してキャッピング部材を当接させてキャッピング
を行う必要がある。
【0017】また、液体を連続的に吐出させた場合等に
オリフィスプレートの表面に記録媒体から反射した液体
や空中の霧状液体が付着して余分な液体が溜まることが
あり、その結果、不安定な液吐出や場合によっては不吐
出を引き起こしてしまうことがある。そこで、これらの
オリフィスプレート上の残留液を拭き取るための清掃手
段としてのゴムや吸水性の材料等で形成されたブレード
によりオリフィスプレート上に付着した残留液を拭き取
っている。
オリフィスプレートの表面に記録媒体から反射した液体
や空中の霧状液体が付着して余分な液体が溜まることが
あり、その結果、不安定な液吐出や場合によっては不吐
出を引き起こしてしまうことがある。そこで、これらの
オリフィスプレート上の残留液を拭き取るための清掃手
段としてのゴムや吸水性の材料等で形成されたブレード
によりオリフィスプレート上に付着した残留液を拭き取
っている。
【0018】しかし、オリフィスプレート上の吐出口群
の外周部分でキャッピング部材との密閉用面積を確保し
ようとすると、オリフィスプレートが大きな面積とな
り、薄肉厚のフィルム状部材であるオリフィスプレート
のハンドリングを悪化させ、接合精度を低下させてしま
うことになる。さらに、オリフィスプレート全体の接合
面積が大きくなると、オリフィスプレートに対して作用
する接着剤の硬化収縮応力が増大することになり、キャ
ッピング部分の平面性が損なわれてキャッピング不良を
起こし、あるいは吐出口群の周辺部分を変形させること
が懸念され、吐出口の配列精度を悪化させるなどの要因
となる。
の外周部分でキャッピング部材との密閉用面積を確保し
ようとすると、オリフィスプレートが大きな面積とな
り、薄肉厚のフィルム状部材であるオリフィスプレート
のハンドリングを悪化させ、接合精度を低下させてしま
うことになる。さらに、オリフィスプレート全体の接合
面積が大きくなると、オリフィスプレートに対して作用
する接着剤の硬化収縮応力が増大することになり、キャ
ッピング部分の平面性が損なわれてキャッピング不良を
起こし、あるいは吐出口群の周辺部分を変形させること
が懸念され、吐出口の配列精度を悪化させるなどの要因
となる。
【0019】このため、従来構造では、例えば前面シー
ル部材をオリフィスプレートの周囲に設けて、前面シー
ル部材とキャッピング部材を当接させてキャッピングを
行うような構成を採るなどして対処していた。
ル部材をオリフィスプレートの周囲に設けて、前面シー
ル部材とキャッピング部材を当接させてキャッピングを
行うような構成を採るなどして対処していた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、パソコン端
末、コピー、FAX等の出力装置としての液体吐出装置
においては、近年の記録技術の進歩に伴って、さらなる
高速でかつ高精細な記録や画像形成が要求されており、
液体吐出ヘッドにおける吐出口はその大きさ(吐出口の
開口面積)がより微小で高密度に形成されることが必須
となっている。これに伴って、吐出口群と液流路群の加
工精度および吐出口群と液流路群のアライメント精度を
より向上させていく必要がある。
末、コピー、FAX等の出力装置としての液体吐出装置
においては、近年の記録技術の進歩に伴って、さらなる
高速でかつ高精細な記録や画像形成が要求されており、
液体吐出ヘッドにおける吐出口はその大きさ(吐出口の
開口面積)がより微小で高密度に形成されることが必須
となっている。これに伴って、吐出口群と液流路群の加
工精度および吐出口群と液流路群のアライメント精度を
より向上させていく必要がある。
【0021】しかし、オリフィスプレートに形成される
吐出口群が高密度化されると、隣接する吐出口間の間隔
が狭くなるため、この部分の接着面積が小さくなるとい
う問題を有している。つまり、オリフィスプレートと液
流路部とを接合する接着剤は圧接の際に広がって移動す
るために、隣接する吐出口間の部位に塗布された接着剤
が広がると、吐出口内部や液流路内部に流れ込む恐れが
ある。仮に、接着剤が吐出口内部等に進入すると、接着
剤によって吐出口や液流路の内部形状に変化が起こり、
液吐出方向に乱れが生じ、安定した液吐出が得られなく
なる等の不具合の原因となる。
吐出口群が高密度化されると、隣接する吐出口間の間隔
が狭くなるため、この部分の接着面積が小さくなるとい
う問題を有している。つまり、オリフィスプレートと液
流路部とを接合する接着剤は圧接の際に広がって移動す
るために、隣接する吐出口間の部位に塗布された接着剤
が広がると、吐出口内部や液流路内部に流れ込む恐れが
ある。仮に、接着剤が吐出口内部等に進入すると、接着
剤によって吐出口や液流路の内部形状に変化が起こり、
液吐出方向に乱れが生じ、安定した液吐出が得られなく
なる等の不具合の原因となる。
【0022】このため、オリフィスプレート背面と液流
路部とを圧接接合する際には、圧接力、接着剤塗布量、
接着剤塗布領域、接着剤粘度、接着剤硬化条件、環境条
件等において、最適な状態を管理して、接着剤の広がり
をできるだけ規制する必要がある。
路部とを圧接接合する際には、圧接力、接着剤塗布量、
接着剤塗布領域、接着剤粘度、接着剤硬化条件、環境条
件等において、最適な状態を管理して、接着剤の広がり
をできるだけ規制する必要がある。
【0023】このように、従来構成ではオリフィスプレ
ートの接合工程の難易度が非常に高く、生産性を悪化さ
せていた。さらに、接着剤の塗布量や塗布領域の規制等
によって、オリフィスプレートの接着強度の低下を招い
ていた。
ートの接合工程の難易度が非常に高く、生産性を悪化さ
せていた。さらに、接着剤の塗布量や塗布領域の規制等
によって、オリフィスプレートの接着強度の低下を招い
ていた。
【0024】これに対して、特開平2−187342号
公報に記載されているように、樹脂フィルムからなるオ
リフィスプレートを液流路一端の開口面に接合した後
に、レーザ光の照射によってオリフィスプレートの表面
側から吐出口を加工形成する方法が提案されている。
公報に記載されているように、樹脂フィルムからなるオ
リフィスプレートを液流路一端の開口面に接合した後
に、レーザ光の照射によってオリフィスプレートの表面
側から吐出口を加工形成する方法が提案されている。
【0025】しかし、上記構成の場合、レーザ加工時の
アブレーションによって生じるカーボン(副生成物)等
のゴミや異物が液流路内に入り込んで、液流路が目詰ま
りを起こすという問題を抱えている。
アブレーションによって生じるカーボン(副生成物)等
のゴミや異物が液流路内に入り込んで、液流路が目詰ま
りを起こすという問題を抱えている。
【0026】その他に、キャッピング用として前面シー
ル部材をオリフィスプレートの周囲に配設するような構
成では、前面シール部材とオリフィスプレートとの間に
段差が生じ、オリフィスプレート上の残留液体をブレー
ドで拭き取る際に、段差部分に液体溜まりが生じたり、
ブレードがオリフィスプレートを飛び越えてしまった
り、振動によって拭きむらが生じてしまったりすること
があった。
ル部材をオリフィスプレートの周囲に配設するような構
成では、前面シール部材とオリフィスプレートとの間に
段差が生じ、オリフィスプレート上の残留液体をブレー
ドで拭き取る際に、段差部分に液体溜まりが生じたり、
ブレードがオリフィスプレートを飛び越えてしまった
り、振動によって拭きむらが生じてしまったりすること
があった。
【0027】さらに、液体吐出ヘッドを装置本体に搭載
する際に、オリフィスプレートの吐出口面が記録媒体か
ら最短距離の位置に配置されるような構成の場合、カー
ルの大きな記録媒体が吐出口面に沿って通過する際や記
録媒体のジャム処理の際に、記録媒体が吐出口面を摺擦
するため、吐出口周辺部に損傷を与えたり、吐出口周辺
の液体を引きずって行き、オリフィスプレート表面に液
体を残存させる等の要因となる。
する際に、オリフィスプレートの吐出口面が記録媒体か
ら最短距離の位置に配置されるような構成の場合、カー
ルの大きな記録媒体が吐出口面に沿って通過する際や記
録媒体のジャム処理の際に、記録媒体が吐出口面を摺擦
するため、吐出口周辺部に損傷を与えたり、吐出口周辺
の液体を引きずって行き、オリフィスプレート表面に液
体を残存させる等の要因となる。
【0028】そこで、本発明は、前述した従来技術の有
する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、オリ
フィスプレートを適確に液流路に接合することができる
とともにオリフィスプレートの剛性を向上させて組立て
時のハンドリング性やキャッピングの信頼性を向上させ
ることができ、さらに吐出性能や生産性を向上させるこ
とができるオリフィスプレートを備えた液体吐出ヘッド
および液体吐出装置を提供することを目的とするもので
ある。
する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、オリ
フィスプレートを適確に液流路に接合することができる
とともにオリフィスプレートの剛性を向上させて組立て
時のハンドリング性やキャッピングの信頼性を向上させ
ることができ、さらに吐出性能や生産性を向上させるこ
とができるオリフィスプレートを備えた液体吐出ヘッド
および液体吐出装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体吐出ヘッドは、液体に吐出エネルギー
を与える吐出エネルギー発生素子が複数の液流路に対応
して設けられた素子基板と、前記複数の液流路にそれぞ
れ対応して形成された液流路溝と、前記素子基板の対向
面を形成する天板と、液体を吐出する複数の吐出口が直
線状に配列されたオリフィスプレートと、前記液流路溝
に連通して該液流路溝に液体を供給する共通液室と、該
共通液室に液体を供給する液供給口とから構成され、前
記複数の液流路溝は前記天板と前記素子基板によって挟
持接合されることによって複数の液流路を形成し、該液
流路一端の開口面に対して前記オリフィスプレートを接
合させることによって、前記吐出口と前記液流路が連通
される液体吐出ヘッドにおいて、前記オリフィスプレー
トの液吐出側表面の吐出口形成領域を凹部とし、背面に
は各吐出口形成部位にそれぞれ凸部が形成され、前記複
数の吐出口がそれぞれ前記凸部から表面側凹部の最深部
に至るように貫通して穿設されたオリフィスプレート
を、前記背面側の凸部の全域もしくはその一部が前記複
数の液流路の各々の開口面から該液流路内部に進入する
ようにして、前記液流路一端の開口面に接合することを
特徴とする。
め、本発明の液体吐出ヘッドは、液体に吐出エネルギー
を与える吐出エネルギー発生素子が複数の液流路に対応
して設けられた素子基板と、前記複数の液流路にそれぞ
れ対応して形成された液流路溝と、前記素子基板の対向
面を形成する天板と、液体を吐出する複数の吐出口が直
線状に配列されたオリフィスプレートと、前記液流路溝
に連通して該液流路溝に液体を供給する共通液室と、該
共通液室に液体を供給する液供給口とから構成され、前
記複数の液流路溝は前記天板と前記素子基板によって挟
持接合されることによって複数の液流路を形成し、該液
流路一端の開口面に対して前記オリフィスプレートを接
合させることによって、前記吐出口と前記液流路が連通
される液体吐出ヘッドにおいて、前記オリフィスプレー
トの液吐出側表面の吐出口形成領域を凹部とし、背面に
は各吐出口形成部位にそれぞれ凸部が形成され、前記複
数の吐出口がそれぞれ前記凸部から表面側凹部の最深部
に至るように貫通して穿設されたオリフィスプレート
を、前記背面側の凸部の全域もしくはその一部が前記複
数の液流路の各々の開口面から該液流路内部に進入する
ようにして、前記液流路一端の開口面に接合することを
特徴とする。
【0030】本発明の液体吐出ヘッドにおいて、前記オ
リフィスプレートは射出成形によって形成されることが
好ましく、また、前記オリフィスプレートは射出成形に
よって形成された後に、該オリフィスプレート背面から
各凸部に対応した吐出口がレーザ加工によって形成され
ることが好ましい。
リフィスプレートは射出成形によって形成されることが
好ましく、また、前記オリフィスプレートは射出成形に
よって形成された後に、該オリフィスプレート背面から
各凸部に対応した吐出口がレーザ加工によって形成され
ることが好ましい。
【0031】本発明の液体吐出ヘッドにおいて、前記オ
リフィスプレート背面は、射出成形によって予め一連の
略長方形状の凸状部が形成され、該凸状部はレーザ加工
によって個別の凸部に分断形成されることが好ましい。
リフィスプレート背面は、射出成形によって予め一連の
略長方形状の凸状部が形成され、該凸状部はレーザ加工
によって個別の凸部に分断形成されることが好ましい。
【0032】本発明の液体吐出ヘッドにおいて、前記オ
リフィスプレートにおける吐出口が形成される面は、液
吐出方向に対し略垂直に形成された平面であることが好
ましく、さらに、前記オリフィスプレート表面の凹部以
外の外周領域は同一平面で形成されていることが好まし
い。
リフィスプレートにおける吐出口が形成される面は、液
吐出方向に対し略垂直に形成された平面であることが好
ましく、さらに、前記オリフィスプレート表面の凹部以
外の外周領域は同一平面で形成されていることが好まし
い。
【0033】本発明の液体吐出ヘッドにおいて、前記オ
リフィスプレート表面の凹部は、液吐出口面を清掃する
清掃部材の相対移動方向において、該凹部の最深部と凹
部以外の外周領域とが滑らかな面もしくは滑らかな曲面
で接続されるように形成されていることが好ましい。
リフィスプレート表面の凹部は、液吐出口面を清掃する
清掃部材の相対移動方向において、該凹部の最深部と凹
部以外の外周領域とが滑らかな面もしくは滑らかな曲面
で接続されるように形成されていることが好ましい。
【0034】さらに、本発明の液体吐出装置は、前述し
た液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドを着脱自在に搭
載し往復移動可能に設けられたキャリッジと、前記液体
吐出ヘッドから吐出される液体を付着させることで記録
がなされる記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段とを備
えていることを特徴とする。
た液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドを着脱自在に搭
載し往復移動可能に設けられたキャリッジと、前記液体
吐出ヘッドから吐出される液体を付着させることで記録
がなされる記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段とを備
えていることを特徴とする。
【0035】本発明の液体吐出装置においては、前記液
体吐出ヘッドの液吐出口面のキャッピングを行うキャッ
ピング部材を有し、該キャッピング部材は、前記液体吐
出ヘッドのオリフィスプレートの液吐出側表面の前記凹
部以外の同一平面に形成された外周領域に当接するよう
に構成されていることが好ましい。
体吐出ヘッドの液吐出口面のキャッピングを行うキャッ
ピング部材を有し、該キャッピング部材は、前記液体吐
出ヘッドのオリフィスプレートの液吐出側表面の前記凹
部以外の同一平面に形成された外周領域に当接するよう
に構成されていることが好ましい。
【0036】
【作用】本発明の液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に
よれば、オリフィスプレート表面の吐出口形成領域に凹
部を設けるとともにオリフィスプレートの背面の複数の
吐出口形成部位にそれぞれ凸部を設けて、これらの凸部
の全域もしくはその一部を液流路内に進入させつつオリ
フィスプレートと液流路とを接合することによって、オ
リフィスプレートの接合圧接時に、接着剤が広がって
も、凸部が接着剤の流れを阻止するため、接着剤が吐出
口内面や液流路内面へ流れ込むことを抑えることができ
る。
よれば、オリフィスプレート表面の吐出口形成領域に凹
部を設けるとともにオリフィスプレートの背面の複数の
吐出口形成部位にそれぞれ凸部を設けて、これらの凸部
の全域もしくはその一部を液流路内に進入させつつオリ
フィスプレートと液流路とを接合することによって、オ
リフィスプレートの接合圧接時に、接着剤が広がって
も、凸部が接着剤の流れを阻止するため、接着剤が吐出
口内面や液流路内面へ流れ込むことを抑えることができ
る。
【0037】また、液流路内に挿入される凸部の外周面
と液流路内面との隙間には接着剤が流入するものの、接
着剤は表面張力によって停滞するために、さらに奥の液
流路内部までは進入して行かないようになる。その上、
凸部外周面と液流路内面の隙間部分に停滞した接着剤に
よって、オリフィスプレートの接合面積が増大して、オ
リフィスプレート全体の接合強度を向上させることがで
きる。
と液流路内面との隙間には接着剤が流入するものの、接
着剤は表面張力によって停滞するために、さらに奥の液
流路内部までは進入して行かないようになる。その上、
凸部外周面と液流路内面の隙間部分に停滞した接着剤に
よって、オリフィスプレートの接合面積が増大して、オ
リフィスプレート全体の接合強度を向上させることがで
きる。
【0038】また、オリフィスプレート表面は凹部が設
けられ、凹部の最深部に吐出口が配設させるため、記録
媒体が吐出口上を摺擦するのを防止することができるよ
うになる。
けられ、凹部の最深部に吐出口が配設させるため、記録
媒体が吐出口上を摺擦するのを防止することができるよ
うになる。
【0039】また、オリフィスプレート表面の凹部は、
清掃部材の相対移動方向において、凹部最深部と凹部以
外の外周領域とが滑らかな面で繋がるように形成される
ため、清掃部材がオリフィスプレート表面を摺擦して清
掃する際に、インク等の液体を容易に拭き取る(ワイピ
ングする)ことができ、オリフィスプレート表面に液体
が滞留したり、拭き残しが生じるようなことがなくな
る。
清掃部材の相対移動方向において、凹部最深部と凹部以
外の外周領域とが滑らかな面で繋がるように形成される
ため、清掃部材がオリフィスプレート表面を摺擦して清
掃する際に、インク等の液体を容易に拭き取る(ワイピ
ングする)ことができ、オリフィスプレート表面に液体
が滞留したり、拭き残しが生じるようなことがなくな
る。
【0040】さらに、オリフィスプレート表面の凹部以
外の外周領域は同一平面で形成され、キャッピング部材
はこの外周領域に当接されるようになるため、従来のよ
うに前面シール部材等の補助部材を設ける必要がなく、
キャッピングの際の気密性が十分確保されるようにな
る。
外の外周領域は同一平面で形成され、キャッピング部材
はこの外周領域に当接されるようになるため、従来のよ
うに前面シール部材等の補助部材を設ける必要がなく、
キャッピングの際の気密性が十分確保されるようにな
る。
【0041】また、オリフィスプレート表面の凹部最深
部は最も薄肉厚の領域であり、この領域に吐出口がレー
ザ加工されるため、最適な開口面積の吐出口を容易に加
工形成できるようになる。
部は最も薄肉厚の領域であり、この領域に吐出口がレー
ザ加工されるため、最適な開口面積の吐出口を容易に加
工形成できるようになる。
【0042】さらに、凹部以外の外周領域の肉厚を大き
くすることにより、オリフィスプレート全体の剛性が増
すため、オリフィスプレートは、接合時に生じる接着剤
の硬化収縮応力に耐え得るようになる。その上、組立て
時のハンドリング性が良好になり、キャッピングに対す
る耐圧力も向上するようになる。
くすることにより、オリフィスプレート全体の剛性が増
すため、オリフィスプレートは、接合時に生じる接着剤
の硬化収縮応力に耐え得るようになる。その上、組立て
時のハンドリング性が良好になり、キャッピングに対す
る耐圧力も向上するようになる。
【0043】また、オリフィスプレートが射出成形によ
って形成されれば、部材が安価に製作できる上、凸部群
の相対高さ、凸部形状、凸部群の配置等が高精度で安定
的に製作できるようになる。さらに、オリフィスプレー
ト全面が非常に滑らかな面で形成されるため、吐出性能
の向上、接合性の向上等、性能面と生産性面の向上が図
れるようになる。
って形成されれば、部材が安価に製作できる上、凸部群
の相対高さ、凸部形状、凸部群の配置等が高精度で安定
的に製作できるようになる。さらに、オリフィスプレー
ト全面が非常に滑らかな面で形成されるため、吐出性能
の向上、接合性の向上等、性能面と生産性面の向上が図
れるようになる。
【0044】また、オリフィスプレート背面に予め一連
の略長方形状の凸状部を射出成形により形成し、レーザ
加工によって一連の略長方形状の凸状部を個別の凸部群
に分断形成するような構成にすれば、長方形状の凸状部
は金型加工が容易に施せる形状であることから、金型制
作費が非常に安価となる。さらに、成形時に吐出口配列
方向に反りが発生しても、次工程(レーザ加工)で凸部
群を分断加工する際に、略長方形状の凸状部で生じた反
りを補正するように凸部群を形成することができるよう
になる。つまり、樹脂の成形収縮に起因するオリフィス
プレートの反りは次工程の補正加工によって改善される
ため、凸部群の向きの相対位置精度を高精度に仕上げる
ことができるようになる。
の略長方形状の凸状部を射出成形により形成し、レーザ
加工によって一連の略長方形状の凸状部を個別の凸部群
に分断形成するような構成にすれば、長方形状の凸状部
は金型加工が容易に施せる形状であることから、金型制
作費が非常に安価となる。さらに、成形時に吐出口配列
方向に反りが発生しても、次工程(レーザ加工)で凸部
群を分断加工する際に、略長方形状の凸状部で生じた反
りを補正するように凸部群を形成することができるよう
になる。つまり、樹脂の成形収縮に起因するオリフィス
プレートの反りは次工程の補正加工によって改善される
ため、凸部群の向きの相対位置精度を高精度に仕上げる
ことができるようになる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
に基づいて説明する。
【0046】先ず、本発明に係る液体吐出装置の構成に
ついて図1を用いて説明する。
ついて図1を用いて説明する。
【0047】図1において、液体吐出装置100は、例
えば二つの液体吐出ヘッド101a、101b(以下、
単にヘッドともいう)を備え、該ヘッド101a、10
1bへインク等の液体をそれぞれ供給する液体タンク1
10a、110bを着脱可能に保持するカートリッジ1
02を着脱可能に搭載するキャリッジ103と、キャリ
ッジ103をガイド軸104、105に沿って往復移動
させるための駆動手段と、記録紙106を給紙する給紙
ローラ107および紙搬送ローラ108等からなる記録
紙搬送手段と、ヘッド101a、101bの印字機能の
回復を図るためのブレード111等からなるワイピング
装置やキャッピング装置等を有している。
えば二つの液体吐出ヘッド101a、101b(以下、
単にヘッドともいう)を備え、該ヘッド101a、10
1bへインク等の液体をそれぞれ供給する液体タンク1
10a、110bを着脱可能に保持するカートリッジ1
02を着脱可能に搭載するキャリッジ103と、キャリ
ッジ103をガイド軸104、105に沿って往復移動
させるための駆動手段と、記録紙106を給紙する給紙
ローラ107および紙搬送ローラ108等からなる記録
紙搬送手段と、ヘッド101a、101bの印字機能の
回復を図るためのブレード111等からなるワイピング
装置やキャッピング装置等を有している。
【0048】キャリッジ103に搭載する液体吐出ヘッ
ドの数は、二つに限定されるものではなく、一つないし
複数のヘッドを搭載することもできる。また、複数のヘ
ッドがキャリッジ103に対して個別に着脱可能に搭載
される形態、あるいは、複数のヘッドを結合したユニッ
トがキャリッジ103に対して着脱可能に搭載される形
態、あるいは、一つないし複数のヘッドがキャリッジ1
03に着脱不可能に固定される形態等とすることもでき
る。
ドの数は、二つに限定されるものではなく、一つないし
複数のヘッドを搭載することもできる。また、複数のヘ
ッドがキャリッジ103に対して個別に着脱可能に搭載
される形態、あるいは、複数のヘッドを結合したユニッ
トがキャリッジ103に対して着脱可能に搭載される形
態、あるいは、一つないし複数のヘッドがキャリッジ1
03に着脱不可能に固定される形態等とすることもでき
る。
【0049】さらに、同一構造のヘッドが複数組み合わ
される場合と、別構造のヘッドが組み合わされる場合が
あり、別構造のヘッドが組み合わされる場合は、吐出口
面積、吐出口形状、吐出口配列数、吐出発生メカニズム
等の方式が異なるような様々なヘッド、ノズル等を組み
合わせた構成がある。
される場合と、別構造のヘッドが組み合わされる場合が
あり、別構造のヘッドが組み合わされる場合は、吐出口
面積、吐出口形状、吐出口配列数、吐出発生メカニズム
等の方式が異なるような様々なヘッド、ノズル等を組み
合わせた構成がある。
【0050】また、液体供給形態は、キャリッジ103
上に搭載された液体タンク110a、110bが完全消
費された後に着脱交換する構成や、キャリッジ103以
外の領域に着脱可能なメインタンク(不図示)を収容し
て、メインタンクからキャリッジ103上の(サブ)液
体タンク110a、110bヘチューブやピットイン等
の供給手段を使って液体を供給する構成等がある。
上に搭載された液体タンク110a、110bが完全消
費された後に着脱交換する構成や、キャリッジ103以
外の領域に着脱可能なメインタンク(不図示)を収容し
て、メインタンクからキャリッジ103上の(サブ)液
体タンク110a、110bヘチューブやピットイン等
の供給手段を使って液体を供給する構成等がある。
【0051】液体タンク110a、110bは、各ヘッ
ド101a、101bに対応した液体がそれぞれ充填さ
れており、液体タンク110a、110bはカートリッ
ジ102にそれぞれ別々に設けられた挿入口に押し込ま
れると、液体タンク110a、110bのそれぞれ下方
に設けられたパイプ等の供給口が結合される。これによ
り、液体タンク110a、110bから液体吐出ヘッド
のノズルにそれぞれ液体を供給することができるように
なっている。
ド101a、101bに対応した液体がそれぞれ充填さ
れており、液体タンク110a、110bはカートリッ
ジ102にそれぞれ別々に設けられた挿入口に押し込ま
れると、液体タンク110a、110bのそれぞれ下方
に設けられたパイプ等の供給口が結合される。これによ
り、液体タンク110a、110bから液体吐出ヘッド
のノズルにそれぞれ液体を供給することができるように
なっている。
【0052】以上のように構成される液体吐出装置10
0において、記録紙106への印字記録や画像形成に際
しては、不図示のホストコンピュータから印字信号を受
けると、記録紙106は紙搬送ローラ108および給紙
ローラ107によって給紙され印字位置にセットされ
る。その後、ヘッド101a、101bが不図示のキャ
ッピング部材から開放されて、ヘッド101a、101
bを搭載したキャリッジ103が、ガイド軸104,1
05に沿って往復動作し、液体吐出ヘッド101a、1
01bから液滴が適宜吐出されて記録紙106に対して
印字記録や画像形成を行う。
0において、記録紙106への印字記録や画像形成に際
しては、不図示のホストコンピュータから印字信号を受
けると、記録紙106は紙搬送ローラ108および給紙
ローラ107によって給紙され印字位置にセットされ
る。その後、ヘッド101a、101bが不図示のキャ
ッピング部材から開放されて、ヘッド101a、101
bを搭載したキャリッジ103が、ガイド軸104,1
05に沿って往復動作し、液体吐出ヘッド101a、1
01bから液滴が適宜吐出されて記録紙106に対して
印字記録や画像形成を行う。
【0053】また、ブレード111は、ヘッド101
a、101bが不図示のキャッピング部材から開放され
る際、あるいはキャッピング部材によるキャッピングが
なされる際に、ヘッド101a、101bの液吐出口面
を摺擦することにより、液吐出口面に付着している残留
液を除去(ワイピング)するものである。
a、101bが不図示のキャッピング部材から開放され
る際、あるいはキャッピング部材によるキャッピングが
なされる際に、ヘッド101a、101bの液吐出口面
を摺擦することにより、液吐出口面に付着している残留
液を除去(ワイピング)するものである。
【0054】次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの一実
施例について、図2ないし図5を参照して説明する。
施例について、図2ないし図5を参照して説明する。
【0055】図2は本実施例の液体吐出ヘッドを前方か
ら見た概略的な斜視図、図3は本実施例の液体吐出ヘッ
ドを後方から見た概略的な斜視図、図4は本実施例の液
体吐出ヘッドの概略的な断面図であり、図5は本実施例
の液体吐出ヘッドにおけるオリフィスプレートの作製手
順を説明するための概略図である。
ら見た概略的な斜視図、図3は本実施例の液体吐出ヘッ
ドを後方から見た概略的な斜視図、図4は本実施例の液
体吐出ヘッドの概略的な断面図であり、図5は本実施例
の液体吐出ヘッドにおけるオリフィスプレートの作製手
順を説明するための概略図である。
【0056】図2ないし図4において、1は、インク等
の液体を吐出するための吐出エネルギー発生素子として
の電気熱変換素子(発熱素子)1aや該電気熱変換素子
1aへ電力を供給する配線がシリコン成膜プロセスによ
り形成されているシリコン基板からなる素子基板であ
り、2は、素子基板1に対する配線と液体吐出装置本体
に対する電気的コンタクトとが設けられた配線基板で、
ガラエポ基板に銅やニッケルにて配線パターンを形成し
たPWB基板やフレキシブルフィルム等に配線パターン
を形成したTABフィルム等が用いられる。これらの素
子基板1と配線基板2は、例えばワイヤーボンディング
2a(図4)により電気的に接続される。
の液体を吐出するための吐出エネルギー発生素子として
の電気熱変換素子(発熱素子)1aや該電気熱変換素子
1aへ電力を供給する配線がシリコン成膜プロセスによ
り形成されているシリコン基板からなる素子基板であ
り、2は、素子基板1に対する配線と液体吐出装置本体
に対する電気的コンタクトとが設けられた配線基板で、
ガラエポ基板に銅やニッケルにて配線パターンを形成し
たPWB基板やフレキシブルフィルム等に配線パターン
を形成したTABフィルム等が用いられる。これらの素
子基板1と配線基板2は、例えばワイヤーボンディング
2a(図4)により電気的に接続される。
【0057】3は、アルミニウム等によって形成される
支持基板(ベースプレート)であり、支持基板3は駆動
に伴って生じる素子基板1の熱を放熱冷却するヒートシ
ンクとしても機能する。素子基板1と配線基板2は支持
基板3上に接合されており、素子基板1は支持基板3上
にダイボンディングされ、配線基板2は支持基板3上に
粘着剤等によって接着されている。
支持基板(ベースプレート)であり、支持基板3は駆動
に伴って生じる素子基板1の熱を放熱冷却するヒートシ
ンクとしても機能する。素子基板1と配線基板2は支持
基板3上に接合されており、素子基板1は支持基板3上
にダイボンディングされ、配線基板2は支持基板3上に
粘着剤等によって接着されている。
【0058】5は液流路上面を形成する天板であり、6
は液流路7の一部を構成する液流路構成部材であって、
隔壁等によって区分される複数の液流路溝6aを有して
おり、8は各液流路7へ送給する液体を収納するための
共通液室、9は液体タンクから供給される液体を受けて
共通液室8へ導入する液供給口である。天板5は、ポリ
サルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレ
ン、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサ
ルファイド、エポキシ、液晶ポリマー等の樹脂、あるい
は、ニッケル、シリコン、ガラス、セラミック等の材料
によって形成される。
は液流路7の一部を構成する液流路構成部材であって、
隔壁等によって区分される複数の液流路溝6aを有して
おり、8は各液流路7へ送給する液体を収納するための
共通液室、9は液体タンクから供給される液体を受けて
共通液室8へ導入する液供給口である。天板5は、ポリ
サルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレ
ン、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサ
ルファイド、エポキシ、液晶ポリマー等の樹脂、あるい
は、ニッケル、シリコン、ガラス、セラミック等の材料
によって形成される。
【0059】液流路構成部材6の液流路溝6aは、多数
並列される発熱素子1aにそれぞれ合致するように素子
基板1上に配設される。すなわち、液流路溝6aは、エ
ポキシ等の感光性樹脂層を発熱素子1a上面に積層した
後に、エッチング等のようなフォトリソ工程を経て、隔
壁によって区分された溝として形成される。そして、次
工程における天板5と素子基板1との接合によって、液
流路構成部材6が天板5と素子基板1に挟持されると、
液流路溝6aの上方面が天板5によって塞がれるため、
液流路(ノズル)7が形成されることになる。なお、液
流路溝6aは、素子基板1上面の形成される形態に限ら
れるものではなく、天板5の下面に感光性樹脂で形成さ
れるような形態とすることもできる。また、天板5が樹
脂で形成されるような形態では、射出成形によって天板
5の下面に液流路溝6aを一体的に形成する構成、ある
いは、射出成形によって天板5を形成した後にエキシマ
レーザ加工で天板5の下面に液流路溝6aを形成するよ
うな構成とすることもできる。さらに、天板5がシリコ
ン等で製作されるような場合は、異方性エッチングによ
って液流路溝6aを形成することもできる。いずれにし
ても、多数の液流路溝6aが素子基板1の上面に設けら
れる形態では、液流路溝6aと発熱素子1aはそれぞれ
半導体成膜技術によって両者の相対位置は高精度に配設
されるようになる。また、多数の液流路溝6aが天板5
の下面に設けられる形態では、液流路溝6aと発熱素子
1aはメカニカルなアライメント処理によって両者の相
対位置が高精度に配設されるようになる。
並列される発熱素子1aにそれぞれ合致するように素子
基板1上に配設される。すなわち、液流路溝6aは、エ
ポキシ等の感光性樹脂層を発熱素子1a上面に積層した
後に、エッチング等のようなフォトリソ工程を経て、隔
壁によって区分された溝として形成される。そして、次
工程における天板5と素子基板1との接合によって、液
流路構成部材6が天板5と素子基板1に挟持されると、
液流路溝6aの上方面が天板5によって塞がれるため、
液流路(ノズル)7が形成されることになる。なお、液
流路溝6aは、素子基板1上面の形成される形態に限ら
れるものではなく、天板5の下面に感光性樹脂で形成さ
れるような形態とすることもできる。また、天板5が樹
脂で形成されるような形態では、射出成形によって天板
5の下面に液流路溝6aを一体的に形成する構成、ある
いは、射出成形によって天板5を形成した後にエキシマ
レーザ加工で天板5の下面に液流路溝6aを形成するよ
うな構成とすることもできる。さらに、天板5がシリコ
ン等で製作されるような場合は、異方性エッチングによ
って液流路溝6aを形成することもできる。いずれにし
ても、多数の液流路溝6aが素子基板1の上面に設けら
れる形態では、液流路溝6aと発熱素子1aはそれぞれ
半導体成膜技術によって両者の相対位置は高精度に配設
されるようになる。また、多数の液流路溝6aが天板5
の下面に設けられる形態では、液流路溝6aと発熱素子
1aはメカニカルなアライメント処理によって両者の相
対位置が高精度に配設されるようになる。
【0060】10はオリフィスプレートであり、オリフ
ィスプレート10には、液体を記録媒体に向けて吐出す
るための吐出口10aが所望の数量だけ直線状に並列し
て形成されて、吐出口群を構成しており、吐出口10a
は、後述するように、オリフィスプレート10の背面1
0gからエキシマレーザ光を照射して貫通形成される
(図5参照)。オリフィスプレート10の液吐出側表面
10fにおいては、図2および図4に示すように、吐出
口形成領域に凹部11が形成されており、この凹部11
の最深部11aに多数の吐出口(吐出口群)10aが配
設される。これらの吐出口10aが配設される領域がオ
リフィスプレート10において最も薄肉厚な部分であ
り、数10μmの厚さとする。仮に、吐出口10aを配
設する領域の厚さが大きくなると、レーザ加工の特性に
よる縮口穴形成加工の都合上、レーザ光の出射側となる
オリフィスプレート10の表面10f側における吐出口
10aの穴面積が小さくなって、液吐出量が減少すると
ともに安定して液体を吐出させることが難しくなり、さ
らに、レーザ加工時間が長く費やされることと加工精度
の低下を招くことにもなるため、吐出口形成領域(凹部
11の最深部11a)の厚さは、20μm〜70μm程
度の薄肉厚で形成されている。また、凹部11は、その
最深部11aから凹部11の外側の外周領域12へ向か
うにしたがって凹部11の深さが徐々に浅くなるように
形成されている。
ィスプレート10には、液体を記録媒体に向けて吐出す
るための吐出口10aが所望の数量だけ直線状に並列し
て形成されて、吐出口群を構成しており、吐出口10a
は、後述するように、オリフィスプレート10の背面1
0gからエキシマレーザ光を照射して貫通形成される
(図5参照)。オリフィスプレート10の液吐出側表面
10fにおいては、図2および図4に示すように、吐出
口形成領域に凹部11が形成されており、この凹部11
の最深部11aに多数の吐出口(吐出口群)10aが配
設される。これらの吐出口10aが配設される領域がオ
リフィスプレート10において最も薄肉厚な部分であ
り、数10μmの厚さとする。仮に、吐出口10aを配
設する領域の厚さが大きくなると、レーザ加工の特性に
よる縮口穴形成加工の都合上、レーザ光の出射側となる
オリフィスプレート10の表面10f側における吐出口
10aの穴面積が小さくなって、液吐出量が減少すると
ともに安定して液体を吐出させることが難しくなり、さ
らに、レーザ加工時間が長く費やされることと加工精度
の低下を招くことにもなるため、吐出口形成領域(凹部
11の最深部11a)の厚さは、20μm〜70μm程
度の薄肉厚で形成されている。また、凹部11は、その
最深部11aから凹部11の外側の外周領域12へ向か
うにしたがって凹部11の深さが徐々に浅くなるように
形成されている。
【0061】また、オリフィスプレート10の背面10
gは、図3および図4に示すように、オリフィスプレー
ト表面10f側の凹部最深部11aの面に対して平行に
あるいはほぼ平行に形成され、さらに、オリフィスプレ
ート背面10gにおいて、吐出口形成部位には背面10
gから段差をもった凸部(突起)13が多数形成されて
おり、これらの多数の凸部(凸部群)13はそれぞれ円
柱形状あるいは多角柱形状等に形成され、凸部13に穿
設される吐出口10aの穴よりも大きく、そして、液流
路7の開口部に嵌め込むことができるような大きさに設
けられている。
gは、図3および図4に示すように、オリフィスプレー
ト表面10f側の凹部最深部11aの面に対して平行に
あるいはほぼ平行に形成され、さらに、オリフィスプレ
ート背面10gにおいて、吐出口形成部位には背面10
gから段差をもった凸部(突起)13が多数形成されて
おり、これらの多数の凸部(凸部群)13はそれぞれ円
柱形状あるいは多角柱形状等に形成され、凸部13に穿
設される吐出口10aの穴よりも大きく、そして、液流
路7の開口部に嵌め込むことができるような大きさに設
けられている。
【0062】以上のように構成されるオリフィスプレー
ト10は、表面10f側の凹部11と外周領域12およ
び背面10g側の多数の凸部13とともに、射出成形に
よって一体的に形成される(図5の(a)参照)。その
後、図5の(b)に示すように、オリフィスプレート1
0の背面10g側から凸部13の各上面13aにエキシ
マレーザ光Lを照射することにより、凸部13の上面1
3aから表面10f側の凹部11の最深部11aまで貫
通する吐出口10aが形成される(図5の(b)および
(c)参照)。つまり、微細穴の吐出口は、射出成形に
よる製作が困難であるため、レーザ加工で行い、その他
の領域は、安価で生産性に優れている射出成形によって
形成することにより、高精度なオリフィスプレートが安
価に製作できるようになる。
ト10は、表面10f側の凹部11と外周領域12およ
び背面10g側の多数の凸部13とともに、射出成形に
よって一体的に形成される(図5の(a)参照)。その
後、図5の(b)に示すように、オリフィスプレート1
0の背面10g側から凸部13の各上面13aにエキシ
マレーザ光Lを照射することにより、凸部13の上面1
3aから表面10f側の凹部11の最深部11aまで貫
通する吐出口10aが形成される(図5の(b)および
(c)参照)。つまり、微細穴の吐出口は、射出成形に
よる製作が困難であるため、レーザ加工で行い、その他
の領域は、安価で生産性に優れている射出成形によって
形成することにより、高精度なオリフィスプレートが安
価に製作できるようになる。
【0063】また、液体吐出ヘッドのオリフィスプレー
トにおいては、一般に、吐出口形成面の平滑面が液吐出
性能に大きく影響を及ぼす要因であり、オリフィスプレ
ート背面の接合面の平滑性は接着精度に影響を及ぼす要
因である。
トにおいては、一般に、吐出口形成面の平滑面が液吐出
性能に大きく影響を及ぼす要因であり、オリフィスプレ
ート背面の接合面の平滑性は接着精度に影響を及ぼす要
因である。
【0064】オリフィスプレートを前述したように射出
成形によって成形することにより、金型転写面は非常に
良好な平滑面が得られるようになるため、上記のオリフ
ィスプレートに要求される性能を効果的に満たすことが
できるようになる。さらに、精密射出成形によって、多
数の凸部の相対高さ、凸部形状、凸部の配置等が高精度
で安定的にしかも安価に製作できるようになる。
成形によって成形することにより、金型転写面は非常に
良好な平滑面が得られるようになるため、上記のオリフ
ィスプレートに要求される性能を効果的に満たすことが
できるようになる。さらに、精密射出成形によって、多
数の凸部の相対高さ、凸部形状、凸部の配置等が高精度
で安定的にしかも安価に製作できるようになる。
【0065】また、オリフィスプレート10は板状部材
であり、吐出口の加工時にエキシマレーザ光の入射面側
で遮光するような部分が存在しないため、吐出口10a
は容易にかつ高精度に加工形成することができる。その
上、エキシマレーザ加工に伴って生じるカーボン(副生
成物)がオリフィスプレート10に付着しても、板状部
材のために、付着したカーボンは容易に除去できるよう
になる。
であり、吐出口の加工時にエキシマレーザ光の入射面側
で遮光するような部分が存在しないため、吐出口10a
は容易にかつ高精度に加工形成することができる。その
上、エキシマレーザ加工に伴って生じるカーボン(副生
成物)がオリフィスプレート10に付着しても、板状部
材のために、付着したカーボンは容易に除去できるよう
になる。
【0066】また、オリフィスプレートは、適度な強度
を有していること、高精度で薄肉厚な射出成形が可能で
あること、およびエキシマレーザ加工によるアブレーシ
ョンが良好であること等に適応した材料を選定すること
が好ましく、例えば、ポリサルフォン、ポリエーテルサ
ルフォン、エポキシ、ポリイミド、液晶ポリマー等の樹
脂材料が適している。
を有していること、高精度で薄肉厚な射出成形が可能で
あること、およびエキシマレーザ加工によるアブレーシ
ョンが良好であること等に適応した材料を選定すること
が好ましく、例えば、ポリサルフォン、ポリエーテルサ
ルフォン、エポキシ、ポリイミド、液晶ポリマー等の樹
脂材料が適している。
【0067】なお、オリフィスプレート背面10gの凸
部群13は、吐出口10aと同様にエキシマレーザ加工
によって形成することも可能である。しかし、凸部群1
3の形成には、凸部群13周辺の広い範囲を取り除く加
工が必要となる。エキシマレーザ光は、前述したよう
に、光学系でエネルギー分布の均一化を図っていること
から、1工程で加工できる領域に限度があり、広い領域
を加工するような場合には複数工程に分割して加工しな
ければならない。ところが、同一平面を複数工程のレー
ザ加工で行うと、その平面上の接続部に段差が生じやす
くなり、平面精度の確保が困難となる。その上、一度に
広範囲をアブレーションすると、カーボン(副生成物)
の発生量が増大し、オリフィスプレート10に付着した
カーボンの除去処理に費やす時間が増えることになる。
部群13は、吐出口10aと同様にエキシマレーザ加工
によって形成することも可能である。しかし、凸部群1
3の形成には、凸部群13周辺の広い範囲を取り除く加
工が必要となる。エキシマレーザ光は、前述したよう
に、光学系でエネルギー分布の均一化を図っていること
から、1工程で加工できる領域に限度があり、広い領域
を加工するような場合には複数工程に分割して加工しな
ければならない。ところが、同一平面を複数工程のレー
ザ加工で行うと、その平面上の接続部に段差が生じやす
くなり、平面精度の確保が困難となる。その上、一度に
広範囲をアブレーションすると、カーボン(副生成物)
の発生量が増大し、オリフィスプレート10に付着した
カーボンの除去処理に費やす時間が増えることになる。
【0068】以上のように、本実施例のオリフィスプレ
ートでは、生産性に優れている射出成形と高精度な微細
加工に適しているレーザ加工を効果的に組み合わせるこ
とによって、微細な吐出口群10aを高精度に形成する
ことができ、安価で生産性に優れたオリフィスプレート
を安定供給することができるようになる。
ートでは、生産性に優れている射出成形と高精度な微細
加工に適しているレーザ加工を効果的に組み合わせるこ
とによって、微細な吐出口群10aを高精度に形成する
ことができ、安価で生産性に優れたオリフィスプレート
を安定供給することができるようになる。
【0069】次に、以上のように形成されるオリフィス
プレート10を素子基板1と天板5に接合する方法につ
いて説明する。
プレート10を素子基板1と天板5に接合する方法につ
いて説明する。
【0070】本実施例においては、予め、素子基板1と
天板5とを接合することによって液流路(ノズル)7を
形成し、その後に、液流路7の一端の開口面に対してオ
リフィスプレート10を接合することにより、液流路7
から吐出口10aまでの液体通路を連結させるものであ
る。
天板5とを接合することによって液流路(ノズル)7を
形成し、その後に、液流路7の一端の開口面に対してオ
リフィスプレート10を接合することにより、液流路7
から吐出口10aまでの液体通路を連結させるものであ
る。
【0071】先ず、素子基板1上に多数配列された発熱
素子1aにそれぞれ合致させて形成されている液流路溝
6aの上面へ天板5の下面が当接するように天板5を載
置して、エポキシ系の接着剤等によって素子基板1と天
板5を接合する。エポキシ系の接着剤としては耐インク
特性に優れる材料および硬化剤が採用される。
素子1aにそれぞれ合致させて形成されている液流路溝
6aの上面へ天板5の下面が当接するように天板5を載
置して、エポキシ系の接着剤等によって素子基板1と天
板5を接合する。エポキシ系の接着剤としては耐インク
特性に優れる材料および硬化剤が採用される。
【0072】素子基板1と天板5の接合によって、液流
路構成部材6は天板5と素子基板1に挟持されるため、
液流路溝6aは、その隔壁と、下面が素子基板1、上面
が天板5で囲まれた液流路7となる。
路構成部材6は天板5と素子基板1に挟持されるため、
液流路溝6aは、その隔壁と、下面が素子基板1、上面
が天板5で囲まれた液流路7となる。
【0073】次に、図4に示すように、素子基板1と天
板5の接合によって形成された多数の液流路7の一端の
開口面(以下、接合面ともいう)7aとオリフィスプレ
ート10の背面10gが当接される。この際に、オリフ
ィスプレート10の多数の凸部13の全域もしくはその
一部が相対する液流路7の内部へそれぞれ挿入され、オ
リフィスプレート10が接合面7aに圧接される。この
とき、オリフィスプレート10の背面10gと液流路7
の接合面7aは、エポキシ系の接着剤によって接合され
る。エポキシ系の接着剤による接合では、UV照射もし
くはキュアによって接着剤の硬化が促進されるが、接着
剤の硬化収縮、熱膨張等の影響を低減させ、吐出口10
aの配列精度を確保するために、UV照射と低温キュア
の併用による硬化方式を採用することが望ましい。
板5の接合によって形成された多数の液流路7の一端の
開口面(以下、接合面ともいう)7aとオリフィスプレ
ート10の背面10gが当接される。この際に、オリフ
ィスプレート10の多数の凸部13の全域もしくはその
一部が相対する液流路7の内部へそれぞれ挿入され、オ
リフィスプレート10が接合面7aに圧接される。この
とき、オリフィスプレート10の背面10gと液流路7
の接合面7aは、エポキシ系の接着剤によって接合され
る。エポキシ系の接着剤による接合では、UV照射もし
くはキュアによって接着剤の硬化が促進されるが、接着
剤の硬化収縮、熱膨張等の影響を低減させ、吐出口10
aの配列精度を確保するために、UV照射と低温キュア
の併用による硬化方式を採用することが望ましい。
【0074】なお、オリフィスプレート背面10gの接
合面において、接着剤の硬化収縮応力が作用しても、オ
リフィスプレート10は外周領域12の厚肉化によっ
て、接着剤の収縮応力に耐えうるだけの剛性を備えてい
る。
合面において、接着剤の硬化収縮応力が作用しても、オ
リフィスプレート10は外周領域12の厚肉化によっ
て、接着剤の収縮応力に耐えうるだけの剛性を備えてい
る。
【0075】また、液流路7の接合面7aに対向させて
オリフィスプレート背面10gを圧接する際に、接着剤
は両者に挟まれて広がるが、オリフィスプレート10の
凸部群13が接着剤の流れを阻止するため、接着剤が吐
出口10aの内面や液流路7の内面へ流れ込むことを抑
えることができる。また、オリフィスプレート10の各
凸部13の外周面と液流路7の内周面のクリアランスを
数μmに設定することにより、接着剤が両者の隙間に流
れ込んでも、表面張力によってこの隙間より奥の液流路
内面まで流動することはない。むしろ、接着剤は、凸部
13の外周面と液流路7の内周面の隙間に流れ込むた
め、オリフィスプレート10の接合面積が増えて、接合
強度を向上させることができる。
オリフィスプレート背面10gを圧接する際に、接着剤
は両者に挟まれて広がるが、オリフィスプレート10の
凸部群13が接着剤の流れを阻止するため、接着剤が吐
出口10aの内面や液流路7の内面へ流れ込むことを抑
えることができる。また、オリフィスプレート10の各
凸部13の外周面と液流路7の内周面のクリアランスを
数μmに設定することにより、接着剤が両者の隙間に流
れ込んでも、表面張力によってこの隙間より奥の液流路
内面まで流動することはない。むしろ、接着剤は、凸部
13の外周面と液流路7の内周面の隙間に流れ込むた
め、オリフィスプレート10の接合面積が増えて、接合
強度を向上させることができる。
【0076】以上のように構成される液体吐出ヘッドを
液体吐出装置に組み込んで印字記録や画像形成を行う際
に、吐出口群10aはオリフィスプレート表面10fか
ら凹んだ領域である凹部11の最深部11aに配設され
るため、大きなカールを有する記録紙が通紙されても紙
の端部が吐出口群10aに接触することはほとんどな
く、吐出口周辺の損傷を防止することができ、液体吐出
ヘッドの耐久性を向上させることができる。
液体吐出装置に組み込んで印字記録や画像形成を行う際
に、吐出口群10aはオリフィスプレート表面10fか
ら凹んだ領域である凹部11の最深部11aに配設され
るため、大きなカールを有する記録紙が通紙されても紙
の端部が吐出口群10aに接触することはほとんどな
く、吐出口周辺の損傷を防止することができ、液体吐出
ヘッドの耐久性を向上させることができる。
【0077】また、オリフィスプレート表面10fにお
いて凹部11の外側を囲む領域となる外周領域12は同
一平面で厚肉に形成されており、液体吐出装置のキャッ
ピング部材(不図示)がオリフィスプレート表面10f
に当接してキャッピングする際、この外周領域12に当
接するようになるため、キャッピングにおける気密性は
良好となる。これにより、吐出口群10aの周辺の残留
液等が乾燥したり、増粘したりすることを防止すること
ができる。
いて凹部11の外側を囲む領域となる外周領域12は同
一平面で厚肉に形成されており、液体吐出装置のキャッ
ピング部材(不図示)がオリフィスプレート表面10f
に当接してキャッピングする際、この外周領域12に当
接するようになるため、キャッピングにおける気密性は
良好となる。これにより、吐出口群10aの周辺の残留
液等が乾燥したり、増粘したりすることを防止すること
ができる。
【0078】このようにオリフィスプレート10の外周
領域12が同一平面で形成されている上に、外周領域1
2と凹部最深部11aとが一体部材で形成されるため、
キャッピング部材(不図示)が当接された際の気密性は
非常に良好であり、液体吐出装置の回復動作時には、ク
ロストークが発生しにくい構成となる。
領域12が同一平面で形成されている上に、外周領域1
2と凹部最深部11aとが一体部材で形成されるため、
キャッピング部材(不図示)が当接された際の気密性は
非常に良好であり、液体吐出装置の回復動作時には、ク
ロストークが発生しにくい構成となる。
【0079】また、オリフィスプレート10の外周領域
12は、オリフィスプレート表面側および背面側におい
て、厚みが大きくできる領域であることから、この領域
の肉厚を増すことによって、オリフィスプレート全体の
剛性を向上させることができる。これにより、組立て時
のハンドリング性が良好となり、キャッピング時の耐圧
力も向上するようになる。
12は、オリフィスプレート表面側および背面側におい
て、厚みが大きくできる領域であることから、この領域
の肉厚を増すことによって、オリフィスプレート全体の
剛性を向上させることができる。これにより、組立て時
のハンドリング性が良好となり、キャッピング時の耐圧
力も向上するようになる。
【0080】さらに、液吐出口面の残留液を除去(ワイ
ピング)するために液吐出口面を摺擦するブレード11
1(図1)が移動する方向において、オリフィスプレー
ト表面10f上では凹部11の最深部11aと外周領域
12とが滑らかな面もしくは滑らかな曲面で接続されて
いるため、ブレード111がオリフィスプレート表面1
0f上を相対移動しながら摺擦する際に、オリフィスプ
レート10上の残留液を確実にかつ容易に清掃除去でき
るようになる。なお、ブレード111の移動方向は、イ
ンク等の液体の種類、清掃形態等の違いによって、オリ
フィスプレート10の長手方向と短手方向が適宜選択さ
れているが、オリフィスプレート10の凹部11と外周
領域12との繋ぎ部はブレード111の移送方向に合致
させて滑らかにすればよい。
ピング)するために液吐出口面を摺擦するブレード11
1(図1)が移動する方向において、オリフィスプレー
ト表面10f上では凹部11の最深部11aと外周領域
12とが滑らかな面もしくは滑らかな曲面で接続されて
いるため、ブレード111がオリフィスプレート表面1
0f上を相対移動しながら摺擦する際に、オリフィスプ
レート10上の残留液を確実にかつ容易に清掃除去でき
るようになる。なお、ブレード111の移動方向は、イ
ンク等の液体の種類、清掃形態等の違いによって、オリ
フィスプレート10の長手方向と短手方向が適宜選択さ
れているが、オリフィスプレート10の凹部11と外周
領域12との繋ぎ部はブレード111の移送方向に合致
させて滑らかにすればよい。
【0081】次に、本発明に係る液体吐出ヘッドにおけ
るオリフィスプレートの他の実施例について、図6を参
照して説明する。
るオリフィスプレートの他の実施例について、図6を参
照して説明する。
【0082】前述した実施例では、射出成形されたオリ
フィスプレートに大きな反りが発生すると、吐出口加工
時に、凸部と吐出口の相対位置がずれて、液滴の着弾精
度の低下を招く恐れがある。また、凸部群は微小ピッチ
で配列されるため、金型製作費が大きくなる傾向にあ
る。そこで、本実施例では、オリフィスプレートに成形
反りが生じても、凸部に対する吐出口の相対位置ずれが
大きくならないようにするものであり、さらには、金型
製作費を安価にする方法を提案するものである。
フィスプレートに大きな反りが発生すると、吐出口加工
時に、凸部と吐出口の相対位置がずれて、液滴の着弾精
度の低下を招く恐れがある。また、凸部群は微小ピッチ
で配列されるため、金型製作費が大きくなる傾向にあ
る。そこで、本実施例では、オリフィスプレートに成形
反りが生じても、凸部に対する吐出口の相対位置ずれが
大きくならないようにするものであり、さらには、金型
製作費を安価にする方法を提案するものである。
【0083】図6は、本実施例の液体吐出ヘッドにおけ
るオリフィスプレートの作製手順を説明するための概略
図であり、本実施例において、前述した実施例と同様の
部材には同一符号を付して説明する。
るオリフィスプレートの作製手順を説明するための概略
図であり、本実施例において、前述した実施例と同様の
部材には同一符号を付して説明する。
【0084】図6の(a)において、21はオリフィス
プレート10の背面10gに設けられる一連の略長方形
状の凸状部であり、この略長方形状の凸状部21は、オ
リフィスプレート10の射出成形工程においてオリフィ
スプレート10と一体的に成形される。なお、本実施例
におけるオリフィスプレートにおいても、その表面10
f側の吐出口形成領域には凹部11が前述した実施例と
同様に一体的に成形される。
プレート10の背面10gに設けられる一連の略長方形
状の凸状部であり、この略長方形状の凸状部21は、オ
リフィスプレート10の射出成形工程においてオリフィ
スプレート10と一体的に成形される。なお、本実施例
におけるオリフィスプレートにおいても、その表面10
f側の吐出口形成領域には凹部11が前述した実施例と
同様に一体的に成形される。
【0085】次いで、一連の略長方形状の凸状部21
は、図6の(b)に示すように、次工程のエキシマレー
ザ加工によって、吐出口形成部位に対応する個別の凸部
13に分断される。そして、図6の(c)に示すよう
に、前述した実施例と同様に、レーザ光Lをオリフィス
プレート10の背面10g側から各凸部13に照射する
ことにより、凸部13の上面13aから表面10f側の
凹部11まで貫通する吐出口10aを加工形成する。そ
して、このように形成されたオリフィスプレート10
は、前述した実施例と同様に、図4に示すように液体吐
出ヘッドに組み込まれる。
は、図6の(b)に示すように、次工程のエキシマレー
ザ加工によって、吐出口形成部位に対応する個別の凸部
13に分断される。そして、図6の(c)に示すよう
に、前述した実施例と同様に、レーザ光Lをオリフィス
プレート10の背面10g側から各凸部13に照射する
ことにより、凸部13の上面13aから表面10f側の
凹部11まで貫通する吐出口10aを加工形成する。そ
して、このように形成されたオリフィスプレート10
は、前述した実施例と同様に、図4に示すように液体吐
出ヘッドに組み込まれる。
【0086】以上のように、本実施例におけるオリフィ
スプレートにおいては、射出成形によって形成する略長
方形状の凸状部21は単純形状であり、この部分は金型
加工が容易に施せるため、金型の製作費が安価にできる
ようになる。また、略長方形状の凸状部21の長手方向
に大きな成形反りが発生しても、次工程のレーザ加工に
よって、凸部群の突起方向が同一方向となるように補正
する加工を行うことができるため、成形時に生じた反り
の影響を低減させることができるようになる。
スプレートにおいては、射出成形によって形成する略長
方形状の凸状部21は単純形状であり、この部分は金型
加工が容易に施せるため、金型の製作費が安価にできる
ようになる。また、略長方形状の凸状部21の長手方向
に大きな成形反りが発生しても、次工程のレーザ加工に
よって、凸部群の突起方向が同一方向となるように補正
する加工を行うことができるため、成形時に生じた反り
の影響を低減させることができるようになる。
【0087】したがって、本実施例では、前述した実施
例の作用効果に加えて、凸部群13の加工形成の際に、
射出成形によって生じた反りの補正を施すことができる
ため、凸部群13の相対向きを良好にすることができ、
さらに、略長方形状の凸状部21の金型は安価に製作で
きるため、生産性が非常に優れている。
例の作用効果に加えて、凸部群13の加工形成の際に、
射出成形によって生じた反りの補正を施すことができる
ため、凸部群13の相対向きを良好にすることができ、
さらに、略長方形状の凸状部21の金型は安価に製作で
きるため、生産性が非常に優れている。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液体吐出ヘッドを構成するオリフィスプレートにおい
て、その表面の吐出口形成領域に凹部を設けるとともに
オリフィスプレートの背面の吐出口形成部位にそれぞれ
凸部を設けて、これらの凸部の全域もしくはその一部を
液流路内に進入させつつオリフィスプレートと液流路と
を接合することによって、オリフィスプレートの接合圧
接時に接着剤が広がっても凸部が接着剤の流れを阻止す
るため、接着剤が吐出口内面や液流路内面へ流れ込むこ
とを抑えることができ、さらに、液流路内に挿入される
凸部の外周面と液流路内面との隙間に接着剤が流入する
ものの、接着剤は表面張力によって停滞するために、液
流路内部の奥までは進入して行かないようになり、凸部
外周面と液流路内面の隙間部分に停滞した接着剤によっ
て、オリフィスプレートの接合面積が増大して、オリフ
ィスプレート全体の接合強度を向上させることができ
る。
液体吐出ヘッドを構成するオリフィスプレートにおい
て、その表面の吐出口形成領域に凹部を設けるとともに
オリフィスプレートの背面の吐出口形成部位にそれぞれ
凸部を設けて、これらの凸部の全域もしくはその一部を
液流路内に進入させつつオリフィスプレートと液流路と
を接合することによって、オリフィスプレートの接合圧
接時に接着剤が広がっても凸部が接着剤の流れを阻止す
るため、接着剤が吐出口内面や液流路内面へ流れ込むこ
とを抑えることができ、さらに、液流路内に挿入される
凸部の外周面と液流路内面との隙間に接着剤が流入する
ものの、接着剤は表面張力によって停滞するために、液
流路内部の奥までは進入して行かないようになり、凸部
外周面と液流路内面の隙間部分に停滞した接着剤によっ
て、オリフィスプレートの接合面積が増大して、オリフ
ィスプレート全体の接合強度を向上させることができ
る。
【0089】また、オリフィスプレート表面は凹部が設
けられ、凹部の最深部に吐出口が配設させるため、記録
媒体が吐出口上を摺擦するのを防止することができ、ま
た、オリフィスプレート表面の凹部は、清掃部材の相対
移動方向において、凹部最深部と凹部以外の同一平面部
とが滑らかな面で繋がるように形成されるため、清掃部
材がオリフィスプレート表面を摺擦して清掃する際に、
インク等の液体を容易にかつ確実に拭き取る(ワイピン
グする)ことができ、オリフィスプレート表面に液体が
滞留したり、拭き残しが生じるようなことがなくなる。
けられ、凹部の最深部に吐出口が配設させるため、記録
媒体が吐出口上を摺擦するのを防止することができ、ま
た、オリフィスプレート表面の凹部は、清掃部材の相対
移動方向において、凹部最深部と凹部以外の同一平面部
とが滑らかな面で繋がるように形成されるため、清掃部
材がオリフィスプレート表面を摺擦して清掃する際に、
インク等の液体を容易にかつ確実に拭き取る(ワイピン
グする)ことができ、オリフィスプレート表面に液体が
滞留したり、拭き残しが生じるようなことがなくなる。
【0090】さらに、オリフィスプレート表面の凹部以
外の外周領域は同一平面で形成され、キャッピング部材
はこの外周領域に当接されるようになるため、従来のよ
うに前面シール部材等の補助部材を設ける必要がなく、
キャッピングの際の気密性が十分確保されるようにな
る。さらに、凹部以外の外周領域の肉厚を大きくするこ
とにより、オリフィスプレート全体の剛性が増すため、
オリフィスプレートは、接合時に生じる接着剤の硬化収
縮応力に耐え得るようになり、その上、組立て時のハン
ドリング性が良好になり、キャッピングに対する耐圧力
も向上させることができる。
外の外周領域は同一平面で形成され、キャッピング部材
はこの外周領域に当接されるようになるため、従来のよ
うに前面シール部材等の補助部材を設ける必要がなく、
キャッピングの際の気密性が十分確保されるようにな
る。さらに、凹部以外の外周領域の肉厚を大きくするこ
とにより、オリフィスプレート全体の剛性が増すため、
オリフィスプレートは、接合時に生じる接着剤の硬化収
縮応力に耐え得るようになり、その上、組立て時のハン
ドリング性が良好になり、キャッピングに対する耐圧力
も向上させることができる。
【0091】また、オリフィスプレート表面の凹部最深
部は最も薄肉厚の領域であり、この領域に多数の吐出口
をレーザ加工することにより、最適な開口面積の吐出口
を容易に精度よく加工形成できるようになる。
部は最も薄肉厚の領域であり、この領域に多数の吐出口
をレーザ加工することにより、最適な開口面積の吐出口
を容易に精度よく加工形成できるようになる。
【0092】また、オリフィスプレートを射出成形によ
って形成することにより、安価に製作できる上、多数の
凸部の相対高さ、凸部形状、凸部の配置等を高精度で安
定的に製作できるようになる。さらに、オリフィスプレ
ート全面が非常に滑らかな面で形成されるため、吐出性
能の向上や接合性の向上等、性能面と生産性面の向上が
図れるようになる。
って形成することにより、安価に製作できる上、多数の
凸部の相対高さ、凸部形状、凸部の配置等を高精度で安
定的に製作できるようになる。さらに、オリフィスプレ
ート全面が非常に滑らかな面で形成されるため、吐出性
能の向上や接合性の向上等、性能面と生産性面の向上が
図れるようになる。
【0093】さらに、オリフィスプレートを射出成形に
よって形成した後に、オリフィスプレート背面から各凸
部に対応した吐出口をエキシマレーザ加工によって形成
することにより、射出成形とレーザ加工のメリットを効
果的に得ることができる。すなわち、生産性に優れてい
る射出成形と高精度な微細加工に適しているレーザ加工
を効果的に組み合わせることによって、オリフィスプレ
ート上に微細な吐出口群を高精度に形成でき、安価で生
産性に優れたオリフィスプレートを安定供給することが
可能となる。
よって形成した後に、オリフィスプレート背面から各凸
部に対応した吐出口をエキシマレーザ加工によって形成
することにより、射出成形とレーザ加工のメリットを効
果的に得ることができる。すなわち、生産性に優れてい
る射出成形と高精度な微細加工に適しているレーザ加工
を効果的に組み合わせることによって、オリフィスプレ
ート上に微細な吐出口群を高精度に形成でき、安価で生
産性に優れたオリフィスプレートを安定供給することが
可能となる。
【0094】また、オリフィスプレート背面に予め一連
の略長方形状の凸状部を射出成形により形成した後に、
レーザ加工によって一連の略長方形状の凸状部を個別の
凸部群に分断形成するような構成にすれば、略長方形状
の凸状部は金型加工が容易に施せる形状であることか
ら、金型制作費が非常に安価となる。さらに、成形時に
吐出口配列方向に反りが発生しても、レーザ加工による
凸部群の分断加工の際に、略長方形状の凸状部で生じた
反りを補正するように凸部群を形成することができる。
つまり、樹脂の成形収縮に起因するオリフィスプレート
の反りは次工程の補正加工によって改善されるため、凸
部群の向きの相対位置精度を高精度に仕上げることがで
きるようになる。
の略長方形状の凸状部を射出成形により形成した後に、
レーザ加工によって一連の略長方形状の凸状部を個別の
凸部群に分断形成するような構成にすれば、略長方形状
の凸状部は金型加工が容易に施せる形状であることか
ら、金型制作費が非常に安価となる。さらに、成形時に
吐出口配列方向に反りが発生しても、レーザ加工による
凸部群の分断加工の際に、略長方形状の凸状部で生じた
反りを補正するように凸部群を形成することができる。
つまり、樹脂の成形収縮に起因するオリフィスプレート
の反りは次工程の補正加工によって改善されるため、凸
部群の向きの相対位置精度を高精度に仕上げることがで
きるようになる。
【0095】また、オリフィスプレートにおける多数の
吐出口が形成される面が液吐出方向に略垂直に形成され
た面であるために、液体吐出装置に組み込む際に従来の
ようにヘッドを傾斜させて保持する必要がないので、液
体吐出ヘッドを設置するスペースを小さくすることがで
き、スペース効率が良好となる。
吐出口が形成される面が液吐出方向に略垂直に形成され
た面であるために、液体吐出装置に組み込む際に従来の
ようにヘッドを傾斜させて保持する必要がないので、液
体吐出ヘッドを設置するスペースを小さくすることがで
き、スペース効率が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体吐出装置の一例を示す概略的
な斜視図である。
な斜視図である。
【図2】本発明に係る液体吐出ヘッドを前方から見た概
略的な斜視図である。
略的な斜視図である。
【図3】本発明に係る液体吐出ヘッドを後方から見た概
略的な斜視図である。
略的な斜視図である。
【図4】本発明に係る液体吐出ヘッドの概略的な断面図
である。
である。
【図5】本発明に係る液体吐出ヘッドにおけるオリフィ
スプレートの作製手順を説明するための概略図である。
スプレートの作製手順を説明するための概略図である。
【図6】本発明に係る液体吐出ヘッドにおける他のオリ
フィスプレートの作製手順を説明するための概略図であ
る。
フィスプレートの作製手順を説明するための概略図であ
る。
【図7】従来の液体吐出ヘッドの概略構成を分解して示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図8】従来の液体吐出ヘッドにおける天板にレーザ加
工により吐出口を加工形成する態様を説明するための概
略断面図である。
工により吐出口を加工形成する態様を説明するための概
略断面図である。
1 素子基板 1a 吐出エネルギー発生素子(発熱素子) 2 配線基板 3 支持基板 5 天板 6 液流路構成部材 6a 液流路溝 7 液流路 7a (液流路)開口面(接合面) 8 共通液室 9 液供給口 10 オリフィスプレート 10a 吐出口 10f 表面 10g 背面 11 凹部 11a (凹部)最深部 12 外周領域 13 凸部 13a 凸部上面 21 (略長方形状の)凸状部 100 液体吐出装置 101(a、b) 液体吐出ヘッド 102 カートリッジ 103 キャリッジ 110(a、b) 液体タンク 111 ブレード
フロントページの続き Fターム(参考) 2C057 AF65 AF93 AG04 AG08 AP02 AP12 AP13 AP23 AP46 AP72 BA05 BA13
Claims (9)
- 【請求項1】 液体に吐出エネルギーを与える吐出エネ
ルギー発生素子が複数の液流路に対応して設けられた素
子基板と、前記複数の液流路にそれぞれ対応して形成さ
れた液流路溝と、前記素子基板の対向面を形成する天板
と、液体を吐出する複数の吐出口が直線状に配列された
オリフィスプレートと、前記液流路溝に連通して該液流
路溝に液体を供給する共通液室と、該共通液室に液体を
供給する液供給口とから構成され、前記複数の液流路溝
は前記天板と前記素子基板によって挟持接合されること
によって複数の液流路を形成し、該液流路一端の開口面
に対して前記オリフィスプレートを接合させることによ
って、前記吐出口と前記液流路が連通される液体吐出ヘ
ッドにおいて、 前記オリフィスプレートの液吐出側表面の吐出口形成領
域を凹部とし、背面には各吐出口形成部位にそれぞれ凸
部が形成され、前記複数の吐出口がそれぞれ前記凸部か
ら表面側凹部の最深部に至るように貫通して穿設された
オリフィスプレートを、前記背面側の凸部の全域もしく
はその一部が前記複数の液流路の各々の開口面から該液
流路内部に進入するようにして、前記液流路一端の開口
面に接合することを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 【請求項2】 前記オリフィスプレートは、射出成形に
よって形成されることを特徴とする請求項1記載の液体
吐出ヘッド。 - 【請求項3】 前記オリフィスプレートは、射出成形に
よって形成された後に、該オリフィスプレート背面から
各凸部に対応した吐出口がレーザ加工によって形成され
ることを特徴とする請求項1または2記載の液体吐出ヘ
ッド。 - 【請求項4】 前記オリフィスプレート背面は、射出成
形によって予め一連の略長方形状の凸状部が形成され、
該凸状部はレーザ加工によって個別の凸部に分断形成さ
れることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項
に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項5】 前記オリフィスプレートにおける吐出口
が形成される面は、液吐出方向に対し略垂直に形成され
た平面であることを特徴とする請求項1ないし4のいず
れか1項に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項6】 前記オリフィスプレート表面の凹部以外
の外周領域は同一平面で形成されていることを特徴とす
る請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘ
ッド。 - 【請求項7】 前記オリフィスプレート表面の凹部は、
液吐出口面を清掃する清掃部材の相対移動方向におい
て、該凹部の最深部と凹部以外の外周領域とが滑らかな
面もしくは滑らかな曲面で接続されるように形成されて
いることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項
に記載の液体吐出ヘッド。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
の液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドを着脱自在に搭
載し往復移動可能に設けられたキャリッジと、前記液体
吐出ヘッドから吐出される液体を付着させることで記録
がなされる記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段とを備
えていることを特徴とする液体吐出装置。 - 【請求項9】 請求項8記載の液体吐出装置が、前記液
体吐出ヘッドの液吐出口面のキャッピングを行うキャッ
ピング部材を有し、該キャッピング部材は、前記液体吐
出ヘッドのオリフィスプレートの液吐出側表面の前記凹
部以外の同一平面に形成された外周領域に当接するよう
に構成されていることを特徴とする液体吐出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001138250A JP2002331670A (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001138250A JP2002331670A (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002331670A true JP2002331670A (ja) | 2002-11-19 |
Family
ID=18985219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001138250A Pending JP2002331670A (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002331670A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005178129A (ja) * | 2003-12-18 | 2005-07-07 | Sony Corp | プリンタヘッド、プリンタ及びプリンタヘッドの製造方法 |
CN103192603A (zh) * | 2012-01-04 | 2013-07-10 | 珠海并洲贸易有限公司 | 液体喷头及其制造方法 |
-
2001
- 2001-05-09 JP JP2001138250A patent/JP2002331670A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005178129A (ja) * | 2003-12-18 | 2005-07-07 | Sony Corp | プリンタヘッド、プリンタ及びプリンタヘッドの製造方法 |
CN103192603A (zh) * | 2012-01-04 | 2013-07-10 | 珠海并洲贸易有限公司 | 液体喷头及其制造方法 |
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