JP3618674B2 - ベッド用マットレス及びソファ用クッション - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はベッドやソファに使用されるマットレスやクッションであって、詳しくは身体がズレることなく容易に姿勢を保持でき、長時間使用しても血行を維持して床擦れを防止できるようにした技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のベッド用マットレスやソファ用クッションとしては、内部にスプリングやウレタンフォームを組み込んでクッション性を均一に付与した平坦な形状のものが主流である。このようなマットレスやクッションは身体を傾けて背中を枕等で補助して横向きに寝たり座面として座ると形状が平坦であるため、徐々にズレて姿勢を保持できなくなるという問題点があった。また、特にお年寄りや身障者など長時間に渡って使用していると、血管を圧迫して血行を妨げ床擦れを生じさせる恐れがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、身体がズレることなく容易に姿勢を保持でき、長時間使用しても血行を維持して床擦れを防止できるようにしたベッド用マットレス及びソファ用クッションを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) ベッド台上に弾性を有する略円柱形状の下ロールをベッドの長手方向に向けた状態で複数本所定間隔をおいてベッドの短手方向に配置し、内部に気体を充填した複数のチューブ状の第1結束体で下ロール同士を結束し、各下ロール間の中間の第1結束体上面に弾性を有する略円柱形状の上ロールを下ロールと平行にそれぞれ配置し、同上ロール同士を第2結束体で結束し、複数本の上ロール及び下ロールで凹凸のあるベッド面を形成するようにし、しかも第1結束体がチューブ状で内部に空気などの気体を所定量充填して適度なクッション性を付与するもので、無端で上下に交互に交差するように折曲してその間に下ロールを上下から挾むように結束したものである、ベッド用マットレス
2) 第2結束体が、各上ロールを把持するループ部を紐体で連結したものである前記1)記載のベッド用マットレス
3) 第2結束体が、袋状で複数本の上ロールを封入し、各上ロールが動かないように上面及び下面を縫止したものである前記1)記載のベッド用マットレス
4) 第2結束体で連結された複数本の上ロール全体を袋状の被覆カバーで被覆して汚染を防止できるようにした前記1)又は2)いずれか記載のベッド用マットレス
5) 第1結束体で結束された複数本の下ロール全体を袋状の被覆カバーで被覆して汚染を防止できるようにした前記1)〜4)いずれか記載のベッド用マットレス
6) 上ロール及び下ロールを同じ位置で複数箇所縮径し、マットレスを縮径箇所で折曲可能にした前記1)〜5)いずれか記載のベッド用マットレス
7) ソファの座面となる基台上に弾性を有する略円柱形状の下ロールをソファの幅方向に向けた状態で複数本所定間隔においてソファの奥行方向に配置し、内部に気体を充填した複数のチューブ状の第1結束体で下ロール同士を結束し、各下ロール間の中間の第1結束体上面に弾性を有する略円柱形状の上ロールを下ロールと平行にそれぞれ配置し、同上ロール同士を第2結束体で結束し、複数本の上ロール及び下ロールで凹凸のある座面を形成するようにし、しかも第1結束体が無端で上下に交互に交差するように折曲してその間に下ロールを上下から挾むように結束したものである、ソファ用クッション
8) 第2結束体が、上ロールを把持するループ部を紐体で連結したものである前記7)記載のソファ用クッション
9) 第2結束体が、袋状で複数本の上ロールを封入し、各上ロールが動かないように上面及び下面を縫止したものである前記7)記載のソファ用クッション
10) 第2結束体で結束された複数本の上ロール全体を袋状の被覆カバーで被覆して汚染を防止できるようにした前記7)又は8)いずれか記載のソファ用クッション
11) 第1結束体で結束された複数本の下ロール全体を袋状の被覆カバーで被覆して汚染を防止できるようにした前記7)〜9)いずれか記載のソファ用クッション
にある。
【0005】
【作用】
本発明では、複数本の上ロールで形成されたベッド面や座面の凹凸で身体との接触面積が小さくなることにより、血管の圧迫を低減して床擦れを防止できるようにする。また、例えば身体を横向きに傾けると片方の腕が上ロール間の凹所に若干入ることにより、身体がズレることなく姿勢を保持できるようにする。さらに、チューブ状の第1結束体でクッション性を付与できるようにし、第1結束体に充填する気体の量を調節することによりクッション性を変更できるようにする。
複数本の上ロール又は下ロールを袋状の被覆カバーで被覆したものは、各ロールへのゴミや汚れの付着を防止できるようにする。
上ロール及び下ロールを所定長さで折曲可能にしたものは、例えばリクライニング機能を有するベッド台上に載置して可動部に沿ってマットレスを折曲できるようにする。
【0006】
【発明の実施の形態】
上ロール及び下ロールとしては、直径50〜80mmの略円柱形状で、圧縮した綿を袋状に形成したポリエステルなどからなる布袋で密封したものや、略円柱形状に成形した発泡ポリスチレンや発泡ポリスチロールなどの発泡合成樹脂などがあり、ある程度の剛性と変形可能な適度の弾性を有するものが好ましい。長さはベッドのマットレスとして使用する場合はおよそ2500〜3000mmの範囲で、リクライニング機能を有するベッドの場合はベッドの可動する基台の長さに合わせて各ロールを同じ位置で縮径して折曲可能にする。他、ソファのクッションとして用いたり直接床面に敷設して使用することもある。
第1結束体としては、内部に空気などの気体を所定量充填して適度なクッション性を付与するもので、ゴムチューブやビニルチューブなどが使用できるが、例えば自転車のタイヤチューブなどを用いれば安価に構成できる。クッション性は気体の充填量を調節することで容易に変更できる。
第2結束体としては、紐状のポリエステルなどで良く、上ロールを下ロール間の中間の第1結束体上面に保持するために使用するものである。また、ゴムバンドなど弾性を示すものであれば、上ロール同士の間隔を使用者の体形に合わせて柔軟に調整できる。
被覆カバーとしては、ベッドのマットレスや布団のシーツ等に使用されているポリエステル製のものが一般的に用いられ、ロールの汚染を防止するために使用する。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【0008】
実施例1(図1〜7参照)
図1〜7に示す実施例1は、ベッド台上に下ロールを横方向に7本平行に配置し、同下ロール同士を空気を充填したゴム製のチューブからなる第1結束体で結束し、各下ロールを被覆カバーで被覆し、各下ロール同士間の上面に上ロールを下ロールと平行に6本配置し、上ロール同士を紐状の第2結束体で結束し、各上ロールを被覆カバーで被覆し、上ロールの上面に敷布団を敷設したベッドの例である。
図1は、実施例1のベッドの正面図である。
図2は、実施例1のベッドの一部切欠平面図である。
図3は、図2のA−A断面図である。
図4は、実施例1の下ロールの平面からみた説明図である。
図5は、実施例1の上ロールの平面からみた説明図である。
図6は、実施例1の使用状態を示す説明図である。
図7は、実施例1の使用状態を示す説明図である。
【0009】
図中、1はベッド、2はベッド1の基台、2aは基台2の脚である。
3は下ロールであって、80mmの間隔をおいて配置した直径65mm、長さ2700mmの略円柱形状で、圧縮した綿3aを袋状に形成したポリエステル製の布袋3bで密封している。全体としては適度な剛性を有しており、表面は指圧で容易に変形する程度の硬さとしている。
4は第1結束体であって、直径40mmの自転車のタイヤチューブを利用したもので、内部に空気を充填して適度な弾力性を付与している。この第1結束体4で図3,4に示すように上下に交互に交差するように折曲してその間に下ロールを上下から挾むように結束している。
5は上ロールであって、直径65mm、長さ2700mmの略円柱形状で、圧縮した綿5aを袋状に形成したポリエステル製の布袋5bで密封している。下ロールと同様に全体として適度な剛性を有し、表面は指圧で変形する硬さとしている。
6は第2結束体であって、ポリエステル製からなる紐状をしており、図5に示すように上ロール5同士を横方向に平行に並べて連結している。
7,8はポリエステル製の被覆カバー、9は敷布団、10はシーツ、11は枕、hは人である。
【0010】
本実施例では、図6に示すように人hが敷布団9上に仰向けに寝ると、体重で敷布団9が上ロール5間の凹所により凹凸となる。従って、人hの背中は敷布団9と部分的に接することになるから、接していない部分は血行が維持されて床擦れし難くなる。また、上ロール5が背筋に沿っているから血行にも良い。
また、体を横向きにする場合は図7に示すように背中を略三角形状に変形させた枕11で支える場合がある。このとき、人hは片方の腕が敷布団9に接することになるが、敷布団9が上ロール5に沿って凹凸となっているため腕が凹所に入り、体がズレることなく姿勢が保持される。
さらに、クッション性については第1結束体4により付与されており、ベッド1面が硬く感じることはないし、第1結束体4に充填する空気を任意の量に調節するだけでベッド1面のクッション性が容易に変化する。
このように、本実施例では長時間寝ても血行を維持して床擦れを防止できるとともに、体を横向きに傾けても容易に姿勢を保持することができ、実用に供するベッドとすることができた。
【0011】
図8,9に示すのは、上ロール及び下ロールを同じ位置で3箇所縮径して折曲可能にし、リクライニング機能を有するベッドの基台上に載置して使用できるようにした実施例1の他の例である。
図8は、実施例1の他のベッドのシーツ及び敷布団を省略した一部切欠平面図である。
図9は、実施例1の他のベッドの側面図である。
図中、12はベッド1の可動基台で、長手方向に3分割して上方に角度をつけて可動できるようにしている。上ロール5及び下ロール3は図8に示すように頭側から1670mm,280mm,350mm,400mmの位置でそれぞれ縮径し、上ロール5同士をゴムバンドからなる第2結束体6で80mm間隔で結束している。
【0012】
本実施例では、図9に示すように下ロール3及び上ロール5の縮径している部分でベッド1の可動基台12の上昇に合わせて折曲できるので、特にお年寄りや身障者など介護が必要な人に対して好ましく使用できるようにしている。
また、第2結束体6が弾性を有するゴムバンドからなるため、上ロール5同士の間隔を使用者の体形に合わせて柔軟に調整できるとともに、上ロール5がランダムに動けるため使用者との接触箇所や荷重量が変化して床ズレを効果的に防止できる。
さらに、上ロール5は一方に荷重が加わると他方が持ち上がって使用者と均一に接触することになるから、荷重が分散されてより床ズレを防止できる。
その他、符号、構成、作用は実施例1のベッドと同じである。
【0013】
実施例2(図10,11参照)
図10,11に示す実施例2は、ソファの座面となる基台上に実施例1のマットレスをクッションとして載置した例である。
図10は、実施例2のソファの平面図である。
図11は、図10のA−A断面図である。
図中、13はソファ、13aは基台、13bは背凭れ、13cは肘掛、13dは脚である。
【0014】
本実施例では、ソファ13の基台13a上にソファ13の幅方向に沿って上ロール5及び下ロール3を平行に配置しているから、座っている状態で人hの臀部が部分的に上ロール5間で形成された凹所に入り、背凭れ13bがかなりの角度に傾斜しても、ズレることなく座ったままの姿勢を保持できる。また、臀部はクッション体1と部分的に接しているから、接していない部分は血行が維持され床擦れし難くなる。
その他、符号、構成は実施例1のマットレスと同じである。
【0015】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、身体がズレることなく容易に姿勢を保持できるとともに、長時間使用していても接している箇所は部分的であるから血行を妨げることがなく床擦れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のベッドの平面図である。
【図2】実施例1のベッドの一部切欠平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】実施例1の下ロールの平面からみた説明図である。
【図5】実施例1の上ロールの平面からみた説明図である。
【図6】実施例1の使用状態を示す説明図である。
【図7】実施例1の使用状態を示す説明図である。
【図8】実施例1の他のベッドのシーツ及び敷布団を省略した一部切欠平面図である。
【図9】実施例1の他のベッドの側面図である。
【図10】実施例2のソファの平面図である。
【図11】図10のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 ベッド
2 基台
2a 脚
3 下ロール
3a 綿
3b 布袋
4 第1結束体
5 上ロール
5a 綿
5b 布袋
6 第2結束体
7,8 被覆カバー
9 敷布団
10 シーツ
11 枕
12 可動基台
13 ソファ
13a 基台
13b 背凭れ
13c 肘掛
13d 脚
h 人

Claims (11)

  1. ベッド台上に弾性を有する略円柱形状の下ロールをベッドの長手方向に向けた状態で複数本所定間隔をおいてベッドの短手方向に配置し、内部に気体を充填した複数のチューブ状の第1結束体で下ロール同士を結束し、各下ロール間の中間の第1結束体上面に弾性を有する略円柱形状の上ロールを下ロールと平行にそれぞれ配置し、同上ロール同士を第2結束体で結束し、複数本の上ロール及び下ロールで凹凸のあるベッド面を形成するようにし、しかも第1結束体がチューブ状で内部に空気などの気体を所定量充填して適度なクッション性を付与するもので、無端で上下に交互に交差するように折曲してその間に下ロールを上下から挾むように結束したものである、ベッド用マットレス。
  2. 第2結束体が、各上ロールを把持するループ部を紐体で連結したものである請求項1記載のベッド用マットレス。
  3. 第2結束体が、袋状で複数本の上ロールを封入し、各上ロールが動かないように上面及び下面を縫止したものである請求項1記載のベッド用マットレス。
  4. 第2結束体で連結された複数本の上ロール全体を袋状の被覆カバーで被覆して汚染を防止できるようにした請求項1又は2いずれか記載のベッド用マットレス。
  5. 第1結束体で結束された複数本の下ロール全体を袋状の被覆カバーで被覆して汚染を防止できるようにした請求項1〜4いずれか記載のベッド用マットレス。
  6. 上ロール及び下ロールを同じ位置で複数箇所縮径し、マットレスを縮径箇所で折曲可能にした請求項1〜5いずれか記載のベッド用マットレス。
  7. ソファの座面となる基台上に弾性を有する略円柱形状の下ロールをソファの幅方向に向けた状態で複数本所定間隔においてソファの奥行方向に配置し、内部に気体を充填した複数のチューブ状の第1結束体で下ロール同士を結束し、各下ロール間の中間の第1結束体上面に弾性を有する略円柱形状の上ロールを下ロールと平行にそれぞれ配置し、同上ロール同士を第2結束体で結束し、複数本の上ロール及び下ロールで凹凸のある座面を形成するようにし、しかも第1結束体が無端で上下に交互に交差するように折曲してその間に下ロールを上下から挾むように結束したものである、ソファ用クッション。
  8. 第2結束体が、上ロールを把持するループ部を紐体で連結したものである請求項7記載のソファ用クッション。
  9. 第2結束体が、袋状で複数本の上ロールを封入し、各上ロールが動かないように上面及び下面を縫止したものである請求項7記載のソファ用クッション。
  10. 第2結束体で結束された複数本の上ロール全体を袋状の被覆カバーで被覆して汚染を防止できるようにした請求項7又は8いずれか記載のソファ用クッション。
  11. 第1結束体で結束された複数本の下ロール全体を袋状の被覆カバーで被覆して汚染を防止できるようにした請求項7〜9いずれか記載のソファ用クッション。
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