JP3618320B2 - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置およびその製造方法に係り、金属酸化物絶縁層を高配向化し、半導体素子、特にMIS型トランジスタの動作特性と信頼性の改善をはかった半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSIの高性能化・高速化に従って、MIS(Metal−Insulator−Semiconductor)型トランジスタの微細化が進んでいる。これに伴って、MIS型トランジスタのゲート絶縁層も急速に薄膜化しており、極薄膜のシリコン酸化物絶縁層を均一にかつ高い信頼性で形成する技術から、より比誘電率の高い金属酸化物絶縁層を用いて物理膜厚を厚くすることによりリーク電流を低減しかつゲート電極直下での移動度劣化なしで形成する技術に移行しつつある。
【0003】
しかしながら、従来、金属酸化物単体では多結晶化することが避けられず、多結晶粒界に起因するリークや固定電荷が発生したり、比誘電率の異方性に起因する比誘電率低下と電界集中によるリーク発生が懸念されている。
【0004】
そこで金属酸化物をシリケートにし、かつ化学量論組成からずらすことによってアモルファス状態を維持させてこれらの問題を抑制することが試みられている。しかしながらこのようなシリケートにおいては、比誘電率の低いシリコン酸化物のアモルファス相に比誘電率の高い金属酸化物の微結晶相が分散した状態に相分離してしまうため、比誘電率の面内不均一と電界集中によるリーク発生が懸念されている。
【0005】
また、金属酸化物絶縁層をエピタキシャル成長する提案もなされているが、CeO2のようなシリコンと極めて格子不整合の小さな場合も含めてシリコン−酸素−金属結合で構成される界面を有する場合は、この結合では結合方向に垂直な方向の回転障壁が低く界面ストレスを緩和するように金属酸化物の結晶構造が歪んでしまうため、配向制御は困難であった。シリコン(111)面上においてはCeO2(111)のエピタキシャル成長による単結晶金属酸化物絶縁層の形成も報告されている。しかしながらシリコン(001)面上においては高誘電率金属酸化物絶縁層のエピタキシャル成長は困難であり、例えばスパッタリング法やMOCVD法で形成したジルコニウム酸化物の場合は、基板法線方向に(111)配向が優先的ではあるが(200)や(220)配向の混在したZrO2となる。
【0006】
このように高誘電率を有する金属酸化物ゲート絶縁層においては、結晶性が高く、かつその結晶の配向性の高い金属酸化物絶縁層を形成することが理想とされているが、未だ実現されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、結晶性が高くかつ配向性の高い金属酸化物絶縁層を形成し、比誘電率の面内均一性が向上すると共に、粒界起因のリーク電流や固定電荷の発生が抑制され、半導体素子、特にMIS型トランジスタの動作特性と長期信頼性の改善をはかった半導体装置が実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、シリコン(001)基板のシリコン(001)面上に結晶性が高くかつ配向性の高い金属酸化物絶縁層を得るために研究した結果、シリコン(001)基板と、金属酸化物絶縁層との界面に、基板のシリコンと、金属酸化物の金属に結合する窒素1原子層からなる界面層を存在せしめる事により結晶面又は軸が基板法線方向に極めて強く配向した多結晶あるいは単結晶の金属酸化物絶縁層を形成することができることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、シリコン(001)基板と、
前記シリコン(001)基板上に形成され、前記シリコン(001)基板の方線方向に結晶面又は軸が配向した単結晶もしくは多結晶の金属酸化物の絶縁層と、
前記シリコン(001)基板と前記絶縁層との界面に前記シリコン(001)基板のシリコン原子と前記金属酸化物の金属原子の両方に結合する1原子層の窒素層とを備える半導体装置である。
【0010】
また、本発明は、第1の有機金属ソースガスを用いてシリコン(001)基板表面に、前記シリコン(001)基板のシリコン原子に結合する1原子層の窒素層と、前記窒素層の窒素に結合する金属を含む金属酸化物層との積層体を自己停止的に成膜する第1工程と、
前記第1の工程における成膜条件を自己停止条件からずらし前記金属酸化物層を厚膜化する第2工程と、
を行なうことにより絶縁層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0011】
本発明の半導体装置においては、シリコン(001)面と金属酸化物絶縁層の界面を、結合方向に垂直な方向の回転障壁の低いシリコン−酸素−金属結合ではなく、回転および変角障壁の高いシリコン−窒素−金属結合で形成するため、絶縁層の結晶の配向性を制御することができる。
【0012】
図1に、絶縁層としてZrO2を用いた場合において、シリコン(001)表面にシリコン原子と前記絶縁層の金属原子の両方に結合する1原子層の窒素層を介して1分子層のZrO2が形成された構造の計算例を示す。これらの構造はRHF/LANL2DZレベル(一部はRHF/LANL2MB)の非経験的分子軌道法で最適化した。
【0013】
図1(a−1)、(a−2)はシリコンダイマー列方向に2個分、ダイマー列と直交方向に3個分の計6個のZr酸化物が形成された状態を示し、(a−1)は、[−110]方向からの図、(a−2)は[001]方向からの図である。図1(b−1)、(b−2)はダイマー列方向に3個分、ダイマー列と直交方向に1個分の計3個のZr酸化物が形成された状態である。(b−1)は、[110]方向からの図、(b−2)は、[001]方向からの図である。
【0014】
図1では端部のZrをOH基で終端したモデルを用いているため、その部分はZr−O−Zr結合を有する部分と結合角が異なっているが、カバレージが1モノレイヤに達した場合はこのような仮想的な状態にはならず、基板平面方向にはほぼ均一な結合角となる。
【0015】
図1(a−1)、(a−2)と(b−1)、(b−2)から、一原子層の窒素層を介することにより、正方晶ZrO2は(002)ZrO2//(001)Siの方位関係で安定に成長しうることがわかる。
【0016】
この大きさのモデル計算では[−110]方向のZr−Zr距離とSi−Si距離の不整合率は3〜5%であり、格子定数から求まる3.3%とほぼ一致している。金属酸化物とシリコンについて、想定している面の格子定数をそれぞれaおよびbとすると、格子不整合率は△=|(b−a)/b|で表される。コヒーレント成長が達成される臨界膜厚を超えて厚膜化した場合でも、格子不整合から発生するミスフィット転位密度から期待されるドメインの大きさはb/△の程度であり、典型的には数10nm以上の結晶が成長する。
【0017】
このように本発明の半導体装置の如くシリコン(001)基板上に1原子層の窒素層を介することにより、前記シリコン(001)基板上に金属酸化物結晶の面または軸がシリコン(001)基板の方線方向に配向した単結晶あるいは多結晶の金属酸化物絶縁層が実現できる。
【0018】
また、本発明の半導体装置においては絶縁層に存在する窒素量が極めて少ない。
【0019】
従来、MIS型トランジスタのゲート絶縁層として比誘電率がシリコン酸化膜と金属酸化物絶縁膜との中間にあたる窒素を含んだシリコン酸化膜いわゆるシリコン酸窒化膜も、単独あるいは金属酸化物との積層構造で用いられている。しかしながら、シリコン酸窒化膜では、窒素はシリコン酸窒化膜表面およびシリコン酸窒化膜とシリコン基板との界面に偏析し易い。
【0020】
図15にシリコン(001)c(4x2)清浄表面をNO酸窒化した場合の窒素と酸素の安定位置の例として、スピン分極を考慮した第一原理GGA−DFT計算で決定した結果を示す。c(4×2)は、非対称ダイマーがダイマー列方向に2つとダイマー列と直交方向に2つ反強磁性配列をした、中心に格子点がある(4×2)面心格子を意味する。
【0021】
図15(a−1)、(a−2)、(a−3)は3つのNO分子が解離吸着して安定構造をとった状態の一例を示し、(a−1)は[110]方向からの図、(a−2)は[001]方向からの図、(a−3)は[−110]方向からの図である。図15中(1)で示した窒素はシリコンに3配位しているが、(2)で示した窒素は2配位でダングリングボンドが残存している。このように、Si−Si結合に挿入された窒素および酸素の結合状態は多様となり、金属酸化物結晶が一方向に配高した状態にはなり難い。また界面から数原子層の間にランダムに存在する窒素は、正の固定電荷を発生させ、リモートクーロン散乱によるキャリア移動度低下を誘起したり、界面準位の原因となってしまう。
【0022】
また、従来MIS型トランジスタのゲート絶縁層としてシリコンと金属と窒素の3元系酸化物いわゆるシリケートを単独あるいは金属酸化物との積層構造にて用いる技術がある。このような構造を用いる場合にも、Si−Si結合に挿入された窒素および酸素の結合状態は多様となり、金属酸化物結晶が一方向に配向した状態にはなり難い。さらに界面から数原子層の間にランダムに存在する窒素は界面準位やキャリア移動度低下の原因となってしまう。
【0023】
本発明の半導体装置においては、金属酸化物層が安定に配向制御されるため、比誘電率の面内均一性が向上すると共に、金属酸化物粒界起因のリーク電流や固定電荷が抑制される。また絶縁層に存在する窒素量が少ないため窒素の存在に起因する界面準位やキャリア移動度低下が生じにくいという作用も生じる。したがって長期信頼性の改善をはかったMIS型トランジスタが実現できる。
【0024】
また、本発明の半導体装置においては、前記シリコン(001)基板の最表面と前記1原子層の窒素層のいずれか、あるいはその両方のダングリングボンドは、フッ素(F)、水素(H)、重水素(D)のいずれか終端されていることが望ましく、それにより界面準位発生が抑制される。
【0025】
本発明において、金属酸化物としては、上記ZrO2の他、HfO2,CeO2,Pr2O3,Y2O3,STO(SrTiO3)等のように、その酸化物が正方晶あるいは立方晶系の結晶構造をとりうる金属の酸化物およびそれら金属とシリコンを含有する複合酸化物が挙げられる。特にZrO2、HfO2、シリコンを含有する、Zr又はHfの複合酸化物は、従来よりシリコン半導体プロセスで用いられてきたTiと同族元素であるZr、Hfの酸化物であり、高いプロセス整合性が期待できるため特に望ましい。
【0026】
これらの金属酸化物においては、例えば、HfO2では(002)HfO2//Si(001)(格子不整合率1.6%)、CeO2では(110)CeO2//Si(001)(格子不整合率0.35%)、Pr2O3では(110)Pr2O3//(001)Si(格子不整合率2.6%)、Y2O3では(110)Y2O3//(001)Si(格子不整合率2.4%)、STOでは(001)STO//(001)Si(格子不整合率1.6%)、等の方位関係で本質的に同じ界面構造が得られる。
【0027】
本発明の半導体装置における、金属酸化物絶縁層にはシリコンなど他の元素を含んでいても良いが、高配高性の金属酸化物絶縁層を得る上で、20原子%以下より好ましくは16.7原子%以下であることが望ましい。
【0028】
本発明の半導体装置シリコン基板のシリコン(001)面と金属酸化物絶縁層との界面に1原子層の窒素層を形成するには、CVD法、プラズマCVD法、あるいはリモートプラズマCVD法、特に有機金属ソースガスを用いたMOCVD法により形成することができる。
【0029】
具体的には、まず、シリコン(001)基板のシリコン(001)表面に、有機金属ソースガス、後述する第1の有機金属ソースガスを用いて、前記シリコン(001)基板のシリコン原子に結合する1原子層の窒素層と、前記窒素層上に前記窒素に結合する金属を含む金属酸化物層との積層体を自己停止的に成膜する第1工程を行なう。
【0030】
このとき、シリコン基板としてはフッ素(F)あるいは水素(H)あるいは重水素(D)で終端処理されたものを用いるか、あるいは前記有機金属ソースガスにF,HあるいはDが含まれているものを用いることによって、シリコン基板表面に生成しうるSiあるいはNのダングリングボンドを終端し安定化することが望ましい。
【0031】
前記第1の有機金属ソースガスとしては、有機金属錯体ガス、例えば下記式(1)又は(2)で表される化合物が挙げられる。
【0032】
M(NXX´)2(OR´)2 式(1)
M(NXR)2(OR´)2 式(2)
(ただし式(1)、(2)において、MはZr,Hf,Ce,Pr,Y,Sr,Ti等、その酸化物が正方晶あるいは立方晶系の結晶構造をとりうる金属から選択される少なくとも一種の金属元素、Nは窒素であり、X及びX´はH,D,あるいはFから選択される元素で同じであっても異なっていても良く、R及びR´はそれぞれ異なっており、炭化水素基から選択される少なくとも一種の官能基である。)
前記R及びR´の具体例としては、CH3基、C2H5基、CH(CH3)2基、C(CH3)3基、C3H7基、C4H9基等の官能基が挙げられる。
【0033】
前記式(2)のRとR´との関係は、実用上の蒸気圧が十分に高い化合物RHを形成するとともに、少なくとも原子X(X=H、DあるいはF)との結合エンタルピー△Hが△H(R−X)結合>△H(R´−X)結合であることが必要であり、さらには原子Xによるこれら有機金属錯体ガスからのR、R´引き抜き反応の反応障壁がR<R´であることが好ましい。より詳細には、上記有機金属錯体ガス分子自体およびこの分子が基板に吸着反応した後において、ある注目する原子AおよびB間の結合エンタルピー△H(A−B)(一般に>0である)が、AおよびBのバックボンドに結合した原子団(および基板)による結合エンタルピーの変調効果も含めて、室温から成膜温度の範囲において以下の条件を満たすことが望ましい。
【0034】
すなわち、原料/生成ガス分子における△Hを△Hgとし、基板に吸着反応した後の△Hを△Hsとし、
△H1=△Hs(N−Si)+△Hg(R−X)−{△Hs(Si−X)+△Hg(N−R)}、
△H2=△Hs(M−Si)+△Hg(N−X)−{△Hs(Si−X)+△Hg(M−N)}、
△H3=△Hs(Si−O)+△Hg(R´−X)−{△Hs(Si−X)+△Hg(O−R´)}、
△H4=△Hs(M−Si)+△Hg(O−X)−{△Hs(Si−X)+△Hg(M−O)}、
△H5=△Hs(N−Si)+△Hg(X−X´)−{△Hs(Si−X´)+△Hg(N−X)}、
△H6=△Hs(N−Si)+△Hg(X−X´)−{△Hs(Si−X)+△Hg(N−X´)}、
とした時、△H1>0かつ△H1>△H2かつ△H1>△H3かつ△H1>△H4かつ△H1>△H5かつ△H1>△H6を満たすことが必要である。
【0035】
なお、上記第1の有機金属ソースガスに用いられる有機金属錯体は気相中でモノマーであっても良いし、ダイマー等のオリゴマーを形成していても良い。
【0036】
次に、第1の有機金属ソースガスとは異なる第2の有機金属ソースガスを用いて厚膜化する第2工程を実施することにより金属酸化物層を成膜および厚膜化することができる。この場合は同時に、基板側からSi−N−金属結合で構成される1層分に生じる可能性のある欠損部分を金属酸化物層で充填することもできる。
【0037】
前記第2の有機金属ソースガスとしては、有機金属錯体ガス、例えば下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
MR´´2(OR´)2 式(3)
(ただし式(3)において、MはZr,Hf,Ce,Pr,Y,Sr、Ti等、その酸化物が正方晶あるいは立方晶系の結晶構造をとりうる金属から選択される少なくとも一種の金属元素、R´及びR´´は同じであっても異なっていても良く、炭化水素基から選択される少なくとも一種の官能基である。)
前記R´及びR´´の具体例としては、CH3基、C2H5基、CH(CH3)2基、C(CH3)3基、C3H7基、C4H9基等の官能基が挙げられる。
【0038】
ここで、R´とR´´は、実用上の蒸気圧が十分に高い化合物R´R´´あるいはR´X、R´´Xを形成するとともに、
△H7=△Hs(M−O)+△Hg(R´−R´´)−{△Hs(O−R´)+△Hg(M−R´´)}、
△H8=△Hs(O−O)+△Hg(R´−R´)−{△Hs(O−R´)+△Hg(O−R´)}
とした時、△H7>0かつ△H7>△H8を満たすことが必要であるか、または、
△H9=△Hs(M−N)+△Hg(R´´−H)−{△Hs(N−X)+△Hg(M−R´´)}、
△H10=△Hs(M−N)+△Hg(O−X)−{△Hs(N−X)+△Hg(M−O)}、
△H11=△Hs(N−O)+△Hg(R´−X)−{△Hs(N−X)+△Hg(O−R´)}
とした時、△H9>0かつ△H9>△H10かつ△H9>△H11を満たすことが必要である。
【0039】
なお、上記第2の有機金属ソースガスに用いられる有機金属錯体は気相中でモノマーであっても良いし、ダイマー等のオリゴマーを形成していても良い。
【0040】
第2工程における基板温度の高温化または前記第2の有機金属ソースガス分圧の高圧化によって第2工程における厚膜化を行なう場合、以下の条件を取ればよい。
【0041】
前記の結合エンタルピーの変化△H7に対応する反応式を一般に、
Sub + r*Src(gas) = Sub´ + s*Prod(gas)
Sub=反応前の基板、Sub´=反応後の基板、Src=第2の有機金属ソースガス、Prod=R´R´´等の反応副生成物ガス、と表した時、平衡定数K7は、
K7=(pProd)s/(pSrc)r=C*exp(−△H7/kT)
pSrc=第2の有機金属ソースガスの分圧、pProd=反応副生成物ガスの分圧、C=順方向と逆方向との前指数因子の比、k=Boltzmann定数、T=基板温度(K)、と表される。自己停止条件での平衡定数をK7(0)とすると、K7/K7(0)>>1を満たすように基板温度Tまたは前記第2の有機金属ソースガス分圧pSrcを設定すればよい。もちろん、反応副生成物ガスのスカベンジによるpProdの低分圧化も有効である。
【0042】
また、第2工程は、前記第2の有機金属ソースガスを用いず、第1工程における基板温度の高温化または前記第1の有機金属ソースガス分圧の高圧化によって第1工程における反応の自己停止条件からずらすことにより成膜および厚膜化を行なうこともできる。この場合は、以下の条件を取ればよい。
【0043】
下記の結合エンタルピーの変化
△H12=△Hs(M−O)+△Hg(R´−NRX)−{△Hs(M−NRX)+△Hg(O−R´)}
に対応する反応式を一般に、
Sub + r*Src(gas) = Sub´ + s*Prod(gas)
Sub=反応前の基板、Sub´=反応後の基板、Src=第1の有機金属ソースガス、Prod=NXR´R´´等の反応副生成物ガス、と表した時、平衡定数K12は
K12=(pProd)s/(pSrc)r=C*exp(−△H12/kT)
pSrc=第1の有機金属ソースガスの分圧、pProd=反応副生成物ガスの分圧、C=順方向と逆方向との前指数因子の比、k=Boltzmann定数、T=基板温度(K)、と表される。自己停止条件での平衡定数をK12(0)とすると、K12/K12(0)>>1を満たすように基板温度Tまたは前記第1の有機金属ソースガス分圧pSrcを設定すればよい。もちろん、反応副生成物ガスのスカベンジによるpProdの低分圧化も有効である。
【0044】
シリコンを含有する絶縁層を形成する場合には、前記のガスに換えてあるいは他に無機シランガスと酸化剤ガス;有機シランガスと酸化剤ガスがなど用いられる。無機シランガスとしては、SiH4,SiD4,Si2H6,Si2D6など、有機シランガスとしてはSi(OC2H5)4,Si(OC4H9)4,HSi(OC2H5)3,H2Si(OC2H5)2など、およびそれらの重水素置換体などが挙げられる。酸化剤ガスとしては、O2,N2O,NOなどが挙げられる。
【0045】
本発明にかかる絶縁層は、MIS型トランジスタのゲート絶縁膜や、キャパシタ、センサー、などの半導体素子の絶縁層に用いることができる。特にMIS型トランジスタのゲート絶縁膜に適用されることが望ましい。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下本発明を具体的に説明する。
(第1の実施形態)
本発明は典型的なMIS型トランジスタ形成プロセスやダマシンゲートMIS型トランジスタ形成プロセスなどMIS型トランジスタ形成プロセスに適用できる。
【0047】
まず典型的なMIS型トランジスタ形成プロセスについて説明する。
【0048】
まず、図2に示すように、単結晶のp型シリコン(001)基板11を水素終端した後、基板11の表面に、素子分離の役割を果たす深い溝を形成し、CVD法によりシリコン酸化層13で埋め込み、素子分離領域12を形成する。(第1工程)
次に、図3に示すように、ゲート絶縁層として高誘電率金属酸化物層であるZrO2層14を形成する(ZrO2層の形成方法は、後で詳細に述べる)。(第2工程)
次に、図4に示すように、ZrO2層14の上部にゲート電極としてポリシリコン層15をCVD法によって形成する。(第3工程)
次に、図5に示すように、ポリシリコン15上にフォトレジストパターン16を形成する。(第4工程)
次に、図6に示すように、フォトレジストパターン16をマスクとして、ポリシリコン層15を反応性イオンエッチングし、第1のゲート電極15を形成する。(第5工程)
次に、砒素のイオン注入を、例えば加速電圧40keV、ドーズ量2x1015cm−2の条件で行い活性化熱処理することで、高不純物濃度のn+型ゲート電極15、n+型ソース領域17、n+型ドレイン領域18を同時に形成する。(第6工程)
次に、図7に示すように、全面に300nmのシリコン酸化層をCVD法により堆積し、層間絶縁層19を形成する。この後、層間絶縁層19上にコンタクトホール形成用のフォトレジストパターン(不図示)を形成し、これをマスクとして反応性イオンエッチング法により層間絶縁層19をエッチングして、コンタクトホールを開口する。最後に、全面にAl層をスパッタ法により形成した後、これをパターニングして、ソース電極110、ドレイン電極111、および第2のゲート電極112を形成してn型MIS型トランジスタが完成する。(第7工程)
MIS型トランジスタの基本構成は図7に示すようにシリコン基板11と、前記シリコン基板に互いに離間して設けられたソース領域17及びドレイン領域18と、前記シリコン基板11上にゲート絶縁層14と、前記ゲート絶縁層14上に形成されたゲート電極を備えてなる。
【0049】
なお、本実施形態では、n型MIS型トランジスタの製造工程を示したが、p型MIS型トランジスタでは導電型がn型とp型で入れ替わる点が異なるだけであり、基本的な製造工程はまったく同じである。
【0050】
次にダマシンゲートプロセスによるMIS型トランジスタ形成について説明する。
【0051】
図16は、この種のMIS型トランジスタの製造方法(ダミーゲートプロセス)を示す工程断面図である。
【0052】
まず、図16(a)に示すように、シリコン基板1101の表面にトレンチを形成し、このトレンチをシリコン酸化層等の絶縁層1102で埋め込むことにより、STI(Shallow Trench Isolation)による素子分離を行う。(第1工程)
次に図16(b)に示すように、シリコン基板1101のMOSトランジスタ形成領域に不純物イオンを注入し、アニールを行うことによって、ウェル1103を形成する。(第2工程)
次に図16(c)に示すように、シリコン基板1101の表面にダミーゲート絶縁層1104としてのシリコン酸化層を熱酸化により形成し、ダミーゲート絶縁層1104上にダミーゲート電極1105となる多結晶シリコン層を堆積し、この多結晶シリコン層をパターニングしてダミーゲート電極1105を形成し、続いてソース/ドレイン形成予定領域のダミーゲート絶縁層1104を除去し、ダミーゲート電極1105およびウェル1103の表面を酸化してシリコン酸化層1106を形成し、ダミーゲート電極1105をマスクにして不純物イオンをウェル1103の表面に注入し、熱処理を行ってエクステンション(低不純物濃度で浅い拡散領域)1107を形成する。エクステンション1107は、ソース/ドレイン領域の一部を構成する。(第3工程)
次に図16(d)に示すように、ゲート側壁絶縁層1108となるシリコン窒化層を全面に堆積し、RIE(Reactive Ion Etching)等の異方性エッチングによる全面エッチングを行ってゲート側壁絶縁層1108を形成した後、ゲート側壁絶縁層1108およびダミーゲート電極1105をマスクにして不純物イオンをウェル1103の表面に注入し、熱処理を行ってソース/ドレイン領域(高不純物濃度で深い領域)1109を形成する。(第4工程)
次に図16(e)に示すように、層間絶縁層1110となるシリコン酸化層等の絶縁層を全面に堆積した後、ダミーゲート電極1105の上面が露出するまで上記絶縁層の表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)により研磨して、表面を平坦化する。(第5工程)
次に図16(f)に示すように、ダミーゲート電極1105をCDE等の等方性エッチングにより除去して開口部(ゲート溝)を形成した後、このゲート溝の底面に露出するダミーゲート絶縁層1104をウエットエッチング処理により除去する。(第6工程)
次に図16(g)に示すように、ゲート溝の底面に高誘電率金属酸化物層であるZrO2層1111を形成する(ZrO2層の形成方法は、後で詳細に述べる)。
【0053】
最後に、図16(h)に示すように、W層等の金属層あるいはポリシリコン層あるいはシリコンゲルマニウム層をゲート溝を埋め込む膜厚でもって全面に堆積した後、ゲート溝の外部の不要な金属層をCMPにより除去して、ゲート電極1112を形成する。上記金属層を堆積する前に、反応防止層として例えばチタン窒化層をCVD法により堆積してもよい。
【0054】
このようなダマシンゲートプロセスを用いれば、高温熱処理であるアニールが必要なソース/ドレイン領域1107,1109を、ゲート電極1112よりも先に形成できるので、ゲート電極1112を形成した後の熱工程を低温化できる。したがって、微細化には有利であり、かつ比較的熱耐性に乏しいゲート電極や金属酸化物からなるゲート絶縁層1111をMIS型トランジスタに適用することが容易になる。
【0055】
ここで高誘電率金属酸化物絶縁層であるZrO2層14もしくはZrO2層1111の形成工程の詳細を説明する。
【0056】
まず、シリコン(001)基板の水素終端されたシリコン(001)表面に、第1の有機金属ソースガスとして有機Zr錯体であるZr(NHR)2(OR´)2を供給し前記シリコン(001)基板のシリコン原子に結合する1原子層の窒素層と、前記窒素層上に前記窒素に結合するZrを含むZr酸化物層との積層体を自己停止的に成膜する第1の工程を行い、さらに、第1の有機金属ソースガスとは異なる第2の有機金属ソースガスとしてNを含まない有機Zr錯体であるZrR´´2(OR´)2を供給し、前記ZrO2層を厚膜化する第2の工程を実施する。
【0057】
図8は水素終端されているシリコン(001)基板上の1箇所のモノハライドを形成しているシリコンダイマーに注目し、前記シリコンダイマーの前記第1及び第2工程における状態を示す模式図である。
【0058】
第1工程によって図8(a)に示すように、第1の有機金属ソースガスである有機Zr錯体 Zr(NHR)2(OR´)2が水素で終端されたモノハライドシリコンダイマーに接近すると、Zr錯体のNに結合した官能基Rがシリコンダイマーの終端H原子と選択的に反応しRHとして脱離することによりSi−N−Zr結合が形成されて反応が停止する。また、この結合が形成された後のN原子はH終端されている。なお、RとR´は、Hとの結合エネルギーがR−H結合>R´−H結合であるように選択することが必要であり、さらにはH原子によるこれら有機金属錯体ガスからのR,R´引き抜き反応の反応障壁がR<R´であることが必要であり、これによりこの反応が自己停止する。R´がHやRと速やかに反応する場合には図8(a)過程の反応が自己停止的ではなく連続的に進行してしまう。
【0059】
次に、第2工程によって図8(b)に示すように第2の有機金属ソースガスであるNを含まないZr錯体 ZrR´´2(OR´)2が図8(a)で形成された第1層の表面に接近すると、Zr錯体のZrに結合した官能基R´´が第1層表面を終端している官能基R´と選択的に反応しR´R´´として脱離することにより、図8(c)の過程に示すように、Zr−O−Zr結合が形成される。このようにして、第1層と第2層までのZrO2層がエピタキシャル成長する。この第2層の表面は官能基R´で終端されているため、Nを含まないZr錯体ZrR´´2(OR´)2が接近するとこの錯体のZrに結合した官能基R´´が表面の官能基R´と選択的に反応しR´R´´として脱離することによりZr−O−Zr結合が連続的に形成される。
【0060】
図8(b)、(c)の過程は所望のZr酸化物膜厚が得られるまで進行する。なお、上記実施例はH原子終端の場合で説明したが、DやFでも同様の反応が生じる。
【0061】
図9は、水素終端されているシリコン(001)基板上のモノハライドを形成しているシリコンダイマー及びそのダイマー間に着目し、前記シリコンダイマー及びダイマー間の前記第1及び第2工程における状態を示す模式図である。
【0062】
第1の工程によって、図9(a)に示すように、第1の有機金属ソースガスであるZr錯体Zr(NHR)2(OR´)2がモノハライドを形成しているシリコンダイマーに接近すると、Zr錯体のNに結合した官能基Rがシリコンダイマーの終端H原子と選択的に反応しRHとして脱離することによりSi−N−Zr結合が形成されて反応が停止する。また、この結合が形成された後のN原子はH終端されている。
【0063】
次に、シリコンダイマー列間についても、図9(b´)の過程に示すようにNを含まないZr錯体ZrR´´2(OR´)2が接近すると、Zr錯体のZrに結合した官能基R´´が第1層のNを終端しているHと選択的に反応しHR´´として脱離することにより、図9(c´)の過程に示すように、第1層のシリコンダイマー列間にもZr−O−Zr結合が形成される。このようにして、第1層のZrO2層のエピタキシャル成長が完結する。この第1層の表面は官能基R´で終端されているため、第2工程によって、Nを含まないZr錯体ZrR´´2(OR´)2が接近するとこの錯体のZrに結合した官能基R´´が表面の官能基R´と選択的に反応しR´R´´として脱離することによりZr−O−Zr結合が形成される。このようにして、第1層と第2層までのZrO2層がエピタキシャル成長する。この第2層の表面は官能基R´で終端されているため、Nを含まないZr錯体ZrR´´2(OR´)2が接近するとこの錯体のZrに結合した官能基R´´が表面の官能基R´と選択的に反応しR´R´´として脱離することにより、図8(c)と同様の過程でZr−O−Zr結合が連続的に形成される。
【0064】
図9(b´)、(c´)および図8(c)と同様の過程は所望のZr酸化物膜厚が得られるまで進行する。なお、上記実施例はH原子終端の場合で説明したが、DやFでも同様の反応が生じる。
【0065】
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、水素終端し表面にモノハライドを形成したシリコン(001)基板を使用したが、本実施形態では、水素終端し表面にダイハライドを形成したシリコン(001)基板を使用した。ダイハライドを形成したシリコン(001)基板を使用した以外は第1の実施形態と同様の処理を行なった。
【0066】
図10は水素終端されているシリコン(001)基板上の1箇所のダイハライドを形成しているシリコンに注目し、前記シリコンの前記第1及び第2工程における状態を示す模式図である。
【0067】
第1工程によって図10(a)に示すように、第1の有機金属ソースガスである有機Zr錯体 Zr(NHR)2(OR´)2が水素で終端されたダイハライドを形成しているシリコンに接近すると、Zr錯体のNに結合した官能基Rがシリコンダイハイドライドの終端H原子の一方と選択的に反応しRHとして脱離することによりSi−N−Zr結合が形成されて反応が停止する。また、この結合が形成された後のN原子とシリコン原子は共にH終端されている。
【0068】
次に、第2工程によって図10(b)の過程に示すように第2の有機金属ソースガスであるNを含まないZr錯体 ZrR´´2(OR´)2が図10(a)過程で形成された第1層の表面に接近すると、図10(c)の過程に示すように、Zr錯体のZrに結合した官能基R´´が第1層表面を終端している官能基R´と選択的に反応しR´R´´として脱離することによりZr−O−Zr結合が形成される。第1層のシリコンダイマー列間にZr−O−Zr結合が形成される過程は、第1の実施形態の図9(b´)(c´)で述べた過程と同じである。この第2層の表面は官能基R´で終端されているため、Nを含まないZr錯体ZrR´´2(OR´)2が接近するとこの錯体のZrに結合した官能基R´´が表面の官能基R´と選択的に反応しR´R´´として脱離することによりZr−O−Zr結合が連続的に形成される。
【0069】
図10(b)(c)と同様の過程は所望のZr酸化物膜厚が得られるまで進行する。なお、上記実施例はH原子終端の場合で説明したが、DやFでも同様である。
(第3の実施形態)
第1、第2の実施形態は、水素終端したシリコン(001)基板を使用したが、本実施形態では、終端処理なしのシリコン(001)基板を使用した。終端処理なしのシリコン(001)基板を使用した以外は第1の実施形態と同様の処理を行った。
【0070】
まず、終端処理なしのシリコン(001)基板の清浄ダイマーシリコン(001)表面に、第1の有機金属ソースガスとして有機Zr錯体であるZr(NH2)2(OR´)2を供給し前記シリコン(001)基板のシリコン原子に結合する1原子層の窒素層と、前記窒素層上に前記窒素に結合するZrを含むZr酸化物層との積層体を自己停止的に成膜する第1の工程を行い、さらに、第1の有機金属ソースガスとは異なる第2の有機金属ソースガスとしてNを含まない有機Zr錯体であるZrR´´2(OR´)2を供給し、成膜条件を自己停止条件からずらし前記ZrO2層を厚膜化する第2工程を実施する。
【0071】
図11、図12は終端処理なしのシリコン(001)基板上の1箇所の清浄シリコンダイマーに注目しそのシリコンダイマーの前記第1及び第2工程における状態を示す模式図である。
【0072】
図11(a)、図12(a)の過程に示すように、第1の有機金属ソースガスである有機Zr錯体Zr(NH2)2(OR´)2が清浄ダイマーに接近すると、シリコン表面側に特別な終端原子は存在しないものの、Zr錯体のNの孤立電子対がダイマーシリコンに求核的に配位する。Zr錯体のNに結合したH原子が全て残存すれば、図11(a)に示すようにSi−N−Zr結合が形成されて反応が停止すると共に、N原子とダイマーシリコン原子は共にH終端される。一方、図12(a)に示すようにH原子の半分が残存すれば、Si−N−Zr結合が形成されて反応が停止すると共に、N原子はH終端される。なお、HとR´は、Hとの結合エネルギーがH−H結合>R´−H結合であるように選択することが必要であり、さらにはH原子によるこれら有機金属錯体ガスからのH,R´引き抜き反応の反応障壁がH<R´であることが必要であり、これによりこの反応が自己停止する。R´がHやRと速やかに反応する場合には図11(a)、図12(a)の反応が自己停止的ではなく連続的に進行してしまう。
【0073】
次に、第2工程によって図11(b)、図12(b)の過程に示すように第2の有機金属ソースガスであるNを含まないZr錯体ZrR´´2(OR´)2が図11(a)、図12(a)過程で形成された第1層の表面に接近すると、Zr錯体のZrに結合した官能基R´´が第1層表面を終端している官能基R´と選択的に反応しR´R´´として脱離することにより、図11(c)、図12(c)の過程に示すように、Zr−O−Zr結合が形成される。このようにして、第1層と第2層までのZrO2層がエピタキシャル成長する。第1層のシリコンダイマー列間にZr−O−Zr結合が形成される過程は、第1の実施形態の図9(b´)(c´)で述べた過程と同じである。この第2層の表面は官能基R´で終端されているため、Nを含まないZr錯体ZrR´´2(OR´)2が接近するとこの錯体のZrに結合した官能基R´´が表面の官能基R´と選択的に反応しR´R´´として脱離することによりZr−O−Zr結合が連続的に形成される。
【0074】
図11(b)(c)および図12(b)(c)と同様の過程は所望のZr酸化物膜厚が得られるまで進行する。なお、上記実施例はH原子終端の場合で説明したが、DやFでも同様である。
(第4の実施形態)
図13は、有機Zr錯体を原料ガスとしたダウンフローCVD法による、ZrO2ゲート絶縁層の形成方法を示す説明図である。以下に第1の実施形態の具体的手法について説明する。
【0075】
まず、成膜チャンバー50内の基板支持台52上にゲート絶縁層形成前までの工程を完了した半導体基板51をセットする。
【0076】
基板51のゲート絶縁層形成領域は、通常の洗浄工程すなわち、SPM(H2SO4/H2O2)→DHF(HF/H2O)→APM(NH4OH/H2O2/H2O)→DHF(HF/H2O)→HPM(HCl/H2O2/H2O)→DHF(HF/H2O)→乾燥、を経て軽水素Hによりダイハイドライド終端されたシリコン(001)面が露出している。
【0077】
基板支持台52には、内部にヒータ53および冷却剤を循環させるための冷却パイプ54が設けられている。成膜チャンバー50には原料ガスを成膜チャンバー50内に導入するためのノズル57が設けられ、排気系56にて真空排気される。ノズル57には、独立のガス導入系58a等が接続されている。また、ガス導入系58の一部58cにはマイクロ波キャビティ514が設けられ、高周波電源59が接続されている。抵抗加熱ヒーターにより半導体基板51を500°Cまで加熱する。この段階で基板51のゲート絶縁層形成領域は、ダイハイドライド終端からモノハイドライド終端に変換された。
【0078】
成膜チャンバー50内に第1の有機金属ソースガスとしてHe希釈したZr(NHR)2(OR´)2(ただしR=CH3,R´=C(CH3)3)を20cm3/min、N2を120cm3/min、の流量で独立のガス導入系58a、58cより同時に導入し、排気系56により、チャンバー内圧力を1.60Paに保たれるようにしておく。この時、マイクロ波キャビティ514に2.45GHzのRF電力を100W印加して放電させておく。高周波は気相中での有機金属錯体のオリゴマー化の程度を選択するために印加した。TOF−QMSで測定した結果、この条件ではモノマー及びダイマーであった。この条件でシリコン基板側からSi−N−Zr結合で構成される1層分510が自己停止的に形成された。
【0079】
次に、成膜チャンバー50内を1.33x10−5Paまで排気した後、第2の有機金属ソースガスとしてHe希釈したZrR´´2(OR´)2(ただしR´=C(CH3)3、R´´=CH3)を20cm3/min、Arを120cm3/min、の流量で独立のガス導入系58a、58cより同時に導入し、排気系56により、チャンバー内圧力を1.46Paに保たれるようにしておく。更にO2を全圧が1.60Paに保たれるようにガス導入系58bから導入する。この時、マイクロ波キャビティ514に2.45GHzのRF電力を100W印加して放電させておく。高周波は気相中での有機金属錯体のオリゴマー化の程度を選択するために印加した。TOF−QMSで測定した結果、この条件ではモノマー及びダイマーであった。この条件で300秒間成膜を行う。この条件では約1nm/minの成膜速度なので、およそ5nmのZrO2層511が成膜された。
【0080】
各工程後の基板を角度分解X線光電子スペクトル法により、Zr3d,Si2p,O1s,N1sスペクトルを測定した。この結果、シリコン基板との界面はSi−N−Zr結合が形成されておりZr−Si結合およびZr−O結合は形成されていなかった。また、Zr酸化物バルク層ではZr−O結合のみで、Zr−N結合およびSi−N結合は形成されていなかった。また、TEM/XTEM観察の結果、基板法線方向に(002)配向し、かつ平面方向に平均20nmの単結晶ドメインを持ったZrO2が形成されていることが確認された。また、TEMよりも広範囲での結晶性を調べるためXRD測定を行った結果、θ−2θ法では基板法線方向に(002)配向し(111)や(220)回折ピークは検出限界以下であり、かつ(002)配向のロッキングカーブの半値全幅は0.5degと多結晶の場合の12degに比べて大幅に改善されたZrO2であることが確認された。
【0081】
この工程で形成したZrO2を用いたMISキャパシタで電気特性を評価した。酸化膜換算膜厚、比誘電率および界面準位密度はC−V測定により求めた。リーク電流はI−V測定により求めた。物理膜厚と酸化膜換算膜厚は良い線形関係にあり、比誘電率は21程度が得られた。界面準位密度はフォーミングガス(5%H2/N2)アニール前後で各々2x1012cm−2eV−1,4x1011cm−2eV−1であった。5MV/cmの電界でのリーク電流は、酸化膜換算膜厚0.75nmの時0.9A/cm2であった。
【0082】
なお、本実施例においては反応容器内での放電は行わなかったが、半導体基板に対向させた電極に高周波をかける方法、あるいは、マイクロ波放電やマグネトロン放電など1x1011イオン/cm3以上の高密度プラズマを形成する方法、例えば、従来用いられている平行平板型プラズマCVD装置やサイクロトロン共鳴を利用したプラズマCVD装置、誘導電流を用いたプラズマCVD装置、ヘリコン波を用いたプラズマCVD装置などを用いたときにも、薄膜形成時の条件によって、本願の請求項にて示した状況が実現できる。
【0083】
また第1の有機金属ソースガスであるZr(NHR)2(OR´)2,第2の有機金属ソースガスであるZrR´´2(OR´)2の代わりに、それぞれHf(NHR)2(OR´)2,HfR´´2(OR´)2やその重水素置換体,F置換体を用いてもよい。特にDを含有するガスやD終端シリコン表面およびF終端シリコン表面を用いることは絶縁層の長期信頼性改善の点で好ましい。
(第5の実施形態)
図14は、有機Hf錯体を原料ガスとした熱CVD法による、HfO2ゲート絶縁層の形成方法を示す実施例5の説明図である。
【0084】
本発明を実施した半導体装置の製造方法はまず、成膜チャンバー60内の基板支持台62上にゲート絶縁層形成前までの工程を完了した半導体基板61をセットする。
【0085】
基板61のゲート絶縁層形成領域は、通常の洗浄工程すなわち、SPM(H2SO4/H2O2)→DHF(HF/H2O)→APM(NH4OH/H2O2/H2O)→DHF(HF/H2O)→HPM(HCl/H2O2/H2O)→DHF(DF/D2O)→乾燥、を経て重水素Dによりダイハイドライド終端されたシリコン(001)面が露出している。
【0086】
基板支持台62には、内部にヒータ63および冷却剤を循環させるための冷却パイプ64が設けられている。成膜チャンバー60には原料ガスを成膜チャンバー60内に導入するためのノズル67が設けられ、排気系66にて真空排気される。ノズル67には、独立のガス導入系68a等が接続されている。抵抗加熱ヒーターにより半導体基板61を600°Cまで加熱する。この段階で基板61のゲート絶縁層形成領域は、重水素Dダイハイドライド終端から重水素Dモノハイドライド終端に変換された。
【0087】
成膜チャンバー60内に第1の有機金属ソースガスとしてHe希釈したHf(NDR)2(OR´)2(ただしR=CH3,R´=C(CH3)3)を20cm3/min、N2を120cm3/min、の流量で独立のガス導入系68a、68cより同時に導入し、排気系66により、チャンバー内圧力を1.60Paに保たれるようにしておく。この条件でシリコン基板側からSi−N−Hf結合で構成される1層分610が自己停止的に形成された。
【0088】
次に、成膜チャンバー60内を1.33x10−5Paまで排気した後、第2の有機金属ソースガスとしてHe希釈したHfR´´2(OR´)2(ただしR´=C(CH3)3,R´´=CH3)を20cm3/min、Arを120cm3/minの流量で独立のガス導入系68a、68cより同時に導入し、排気系56により、チャンバー内圧力を1.46Paに保たれるようにしておく。更にO2を全圧が1.60Paに保たれるようにガス導入系68bから導入する。この条件で300秒間成膜を行う。この条件では約1nm/minの成膜速度なので、およそ5nmのHfO2層611が成膜された。
【0089】
各工程後の基板を角度分解X線光電子スペクトル法により、Hf4f,Si2p,O1s,N1sスペクトルを測定した。この結果、シリコン基板との界面はSi−N−Hf結合が形成されておりHf−Si結合およびHf−O結合は形成されていなかった。また、Hf酸化物バルク層ではHf−O結合のみで、Hf−N結合およびSi−N結合は形成されていなかった。Si−D結合については、50nm程度まで厚膜化したサンプルで赤外吸収スペクトルを測定した結果、約1580cm−1にSi−D結合の伸縮振動に帰属される吸収バンドが観測されたことから、Dが添加されSi−D結合を形成していることが確認された。また、TEM/XTEM観察の結果、基板法線方向に(002)配向し、かつ平面方向に平均20nmの単結晶ドメインを持ったHfO2が形成されていることが確認された。また、TEMよりも広範囲での結晶性を調べるためXRD測定を行った結果、θ−2θ法では基板法線方向に(002)配向し(111)や(220)回折ピークは検出限界以下であり、かつ(002)配向のロッキングカーブの半値全幅は0.5degと多結晶の場合の12degに比べて大幅に改善されたHfO2であることが確認された。
【0090】
この工程で形成したHfO2を用いたMISキャパシタで電気特性を評価した。酸化膜換算膜厚、比誘電率および界面準位密度はC−V測定により求めた。リーク電流はI−V測定により求めた。物理膜厚と酸化膜換算膜厚は良い線形関係にあり、比誘電率は21程度が得られた。界面準位密度はフォーミングガス(5%H2/N2)アニール前後で各々2x1012cm−2eV−1,4x1011cm−2eV−1であった。5MV/cmの電界でのリーク電流は、酸化膜換算膜厚0.75nmの時0.9A/cm2であった。
【0091】
またHf(NDR)2(OR´)2,HfR´´2(OR´)2の代わりに、Zr(NHR)2(OR´)2,ZrR´´2(OR´)2やその重水素置換体,F置換体を用いてもよい。特にDを含有するガスやD終端シリコン表面およびF終端シリコン表面を用いることは絶縁層の長期信頼性改善の点で好ましい。
【0092】
【発明の効果】
本発明を用いれば、極めて結晶性が高くかつ結晶配向性の高い金属酸化層が得られるため、比誘電率の面内均一性が向上すると共に、金属酸化物粒界起因のリーク電流が抑制される。したがって長期信頼性の改善をはかった半導体装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、シリコン(001)2x1表面に1原子層の窒素層を介して1層のZrO2が形成された構造の計算例を示した説明図。
【図2】本発明の一実施例に係るn型MIS型トランジスタの製造工程を示す断面図。
【図3】本発明の一実施例に係るn型MIS型トランジスタの製造工程を示す断面図。
【図4】本発明の一実施例に係るn型MIS型トランジスタの製造工程を示す断面図。
【図5】本発明の一実施例に係るn型MIS型トランジスタの製造工程を示す断面図。
【図6】本発明の一実施例に係るn型MIS型トランジスタの製造工程を示す断面図。
【図7】本発明の一実施例に係るn型MIS型トランジスタの製造工程を示す断面図。
【図8】シリコン(001)モノハイドライド表面へのZr酸化物ゲート絶縁層(ZrO2層)の形成方法を示す説明図。
【図9】シリコン(001)モノハイドライド表面へのZr酸化物ゲート絶縁層(ZrO2層)の形成方法を示す説明図。
【図10】シリコン(001)ダイハイドライド表面へのZr酸化物ゲート絶縁層(ZrO2層)の形成方法を示す説明図。
【図11】シリコン(001)清浄表面へのZr酸化物ゲート絶縁層(ZrO2層)の形成方法を示す説明図。
【図12】シリコン(001)清浄表面へのZr酸化物ゲート絶縁層(ZrO2層)の形成方法を示す説明図。
【図13】本発明の一実施例で用いられたCVD装置を示す概略図。
【図14】本発明の一実施例で用いられたCVD装置を示す概略図。
【図15】従来のシリコン(001)c(4x2)表面に窒素を含む絶縁層が形成される初期過程での構造の計算例を示した説明図。
【図16】本発明の一実施例に係るダマシンゲートプロセスによるMIS型トランジスタの製造工程を示す断面図。
【符号の説明】
11…p型シリコン基板
12…素子分離用の溝
13…シリコン酸化層(素子分離領域)
14…ZrO2層
15…ポリシリコン層
16…フォトレジストパターン
17…n+型ソース領域
18…n+型ドレイン領域
19…シリコン酸化層(層間絶縁層)
110…ソース電極(金属電極)
111…ドレイン電極(金属電極)
112…ゲート電極(金属電極)
50,60…成膜チャンバー、
51,61…ゲート絶縁層形成前までの工程を完了した半導体基板、
52,62…基板支持台、
53,63…ヒータ、
54,64…冷却パイプ、
55,65…高周波電源、
56,66…排気系、
57…ノズル、
58,68…ガス導入系、
59,69…高周波電源、
510,610…シリコン基板側からSi−N−Zr結合で構成される1層分のZrONゲート絶縁層、
511,611…ZrO2ゲート絶縁層、
514…マイクロ波キャビティ
1101…シリコン基板
1102…絶縁層
1103…ウエル
1104…ダミーゲート絶縁層
1105…ダミーゲート電極
1106…シリコン酸化層
1107…エクステンション
1108…ゲート側壁絶縁層
1109…ソース/ドレイン領域
1110…層間絶縁層
1111…ゲート絶縁層
1112…ゲート電極
Claims (8)
- シリコン(001)基板と、
前記シリコン(001)基板上に形成され、前記シリコン(001)基板の方線方向に結晶面又は軸が配向した単結晶もしくは多結晶の金属酸化物の絶縁層と、
前記シリコン(001)基板と前記絶縁層との界面に前記シリコン(001)基板のシリコン原子と前記金属酸化物の金属原子の両方に結合する1原子層の窒素層とを備える半導体装置。 - 前記半導体装置は、MIS型トランジスタを備え、前記絶縁層は、前記MIS型トランジスタのゲート絶縁層であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記絶縁層とシリコン(001)基板との界面において、前記シリコン(001)基板の最表面と前記1原子層の窒素層のいずれか、あるいはその両方のダングリングボンドは、フッ素、水素、あるいは重水素のいずれかで終端されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記絶縁層は、正方晶系あるいは立方晶系の結晶構造をとりうる金属酸化物であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記絶縁層は、ZrO2、HfO2、もしくはシリコンを含有する、Zr又はHfの複合酸化物のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 第1の有機金属ソースガスを用いてシリコン(001)基板表面に、前記シリコン(001)基板のシリコン原子に結合する1原子層の窒素層と、前記窒素層の窒素に結合する金属を含む金属酸化物層との積層体を自己停止的に成膜する第1工程と、
前記第1の工程における成膜条件を自己停止条件からずらし前記金属酸化物層を厚膜化する第2工程と、
を行なうことにより絶縁層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記シリコン(001)基板は、フッ素、水素あるいは重水素で終端処理されており、前記第1工程及び第2工程は、有機金属ソースガスを用いたCVD法、プラズマCVD法、あるいはリモートプラズマCVD法のいずれかにより形成されることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第1の有機金属ソースガスは、金属原子に、窒素を介して官能基が2つ以上と、窒素以外の元素を介して官能基が1つ以上結合している構造を有するガスであることを特徴とする請求項6記載の半導体装置の製造方法。
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