JP2003224124A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置および半導体装置の製造方法Info
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Abstract
化物絶縁層において、基板法線方向に極めて強く配向し
たドメイン構造あるいは単結晶の金属酸化物絶縁層を形
成することにより素子、特にトランジスタの動作特性と
信頼性に優れた半導体装置を提供する。 【解決手段】本発明は、シリコン(001)基板上に形
成され、前記シリコン(001)基板の方線方向に結晶
面又は軸が配向した単結晶もしくは多結晶の金属酸化物
の絶縁層と、前記シリコン(001)基板と絶縁層との
界面に前記シリコン(001)基板のシリコン原子と前
記金属酸化物の金属原子の両方に結合する1原子層の窒
素層とを備える半導体装置である。
Description
びその製造方法に係り、金属酸化物絶縁層を高配向化
し、半導体素子、特にMIS型トランジスタの動作特性
と信頼性の改善をはかった半導体装置およびその製造方
法に関する。
て、MIS(Metal−Insulator−Sem
iconductor)型トランジスタの微細化が進ん
でいる。これに伴って、MIS型トランジスタのゲート
絶縁層も急速に薄膜化しており、極薄膜のシリコン酸化
物絶縁層を均一にかつ高い信頼性で形成する技術から、
より比誘電率の高い金属酸化物絶縁層を用いて物理膜厚
を厚くすることによりリーク電流を低減しかつゲート電
極直下での移動度劣化なしで形成する技術に移行しつつ
ある。
多結晶化することが避けられず、多結晶粒界に起因する
リークや固定電荷が発生したり、比誘電率の異方性に起
因する比誘電率低下と電界集中によるリーク発生が懸念
されている。
化学量論組成からずらすことによってアモルファス状態
を維持させてこれらの問題を抑制することが試みられて
いる。しかしながらこのようなシリケートにおいては、
比誘電率の低いシリコン酸化物のアモルファス相に比誘
電率の高い金属酸化物の微結晶相が分散した状態に相分
離してしまうため、比誘電率の面内不均一と電界集中に
よるリーク発生が懸念されている。
成長する提案もなされているが、CeO2のようなシリ
コンと極めて格子不整合の小さな場合も含めてシリコン
−酸素−金属結合で構成される界面を有する場合は、こ
の結合では結合方向に垂直な方向の回転障壁が低く界面
ストレスを緩和するように金属酸化物の結晶構造が歪ん
でしまうため、配向制御は困難であった。シリコン(1
11)面上においてはCeO2(111)のエピタキシ
ャル成長による単結晶金属酸化物絶縁層の形成も報告さ
れている。しかしながらシリコン(001)面上におい
ては高誘電率金属酸化物絶縁層のエピタキシャル成長は
困難であり、例えばスパッタリング法やMOCVD法で
形成したジルコニウム酸化物の場合は、基板法線方向に
(111)配向が優先的ではあるが(200)や(22
0)配向の混在したZrO2となる。
ート絶縁層においては、結晶性が高く、かつその結晶の
配向性の高い金属酸化物絶縁層を形成することが理想と
されているが、未だ実現されていない。
くかつ配向性の高い金属酸化物絶縁層を形成し、比誘電
率の面内均一性が向上すると共に、粒界起因のリーク電
流や固定電荷の発生が抑制され、半導体素子、特にMI
S型トランジスタの動作特性と長期信頼性の改善をはか
った半導体装置が実現することを目的とする。
(001)基板のシリコン(001)面上に結晶性が高
くかつ配向性の高い金属酸化物絶縁層を得るために研究
した結果、シリコン(001)基板と、金属酸化物絶縁
層との界面に、基板のシリコンと、金属酸化物の金属に
結合する窒素1原子層からなる界面層を存在せしめる事
により結晶面又は軸が基板法線方向に極めて強く配向し
た多結晶あるいは単結晶の金属酸化物絶縁層を形成する
ことができることを見出した。
基板と、前記シリコン(001)基板上に形成され、前
記シリコン(001)基板の方線方向に結晶面又は軸が
配向した単結晶もしくは多結晶の金属酸化物の絶縁層
と、前記シリコン(001)基板と前記絶縁層との界面
に前記シリコン(001)基板のシリコン原子と前記金
属酸化物の金属原子の両方に結合する1原子層の窒素層
とを備える半導体装置である。
スを用いてシリコン(001)基板表面に、前記シリコ
ン(001)基板のシリコン原子に結合する1原子層の
窒素層と、前記窒素層の窒素に結合する金属を含む金属
酸化物層との積層体を自己停止的に成膜する第1工程
と、前記第1の工程における成膜条件を自己停止条件か
らずらし前記金属酸化物層を厚膜化する第2工程と、を
行なうことにより絶縁層を形成することを特徴とする半
導体装置の製造方法である。
(001)面と金属酸化物絶縁層の界面を、結合方向に
垂直な方向の回転障壁の低いシリコン−酸素−金属結合
ではなく、回転および変角障壁の高いシリコン−窒素−
金属結合で形成するため、絶縁層の結晶の配向性を制御
することができる。
合において、シリコン(001)表面にシリコン原子と
前記絶縁層の金属原子の両方に結合する1原子層の窒素
層を介して1分子層のZrO2が形成された構造の計算
例を示す。これらの構造はRHF/LANL2DZレベ
ル(一部はRHF/LANL2MB)の非経験的分子軌
道法で最適化した。
イマー列方向に2個分、ダイマー列と直交方向に3個分
の計6個のZr酸化物が形成された状態を示し、(a−
1)は、[−110]方向からの図、(a−2)は[0
01]方向からの図である。図1(b−1)、(b−
2)はダイマー列方向に3個分、ダイマー列と直交方向
に1個分の計3個のZr酸化物が形成された状態であ
る。(b−1)は、[110]方向からの図、(b−
2)は、[001]方向からの図である。
デルを用いているため、その部分はZr−O−Zr結合
を有する部分と結合角が異なっているが、カバレージが
1モノレイヤに達した場合はこのような仮想的な状態に
はならず、基板平面方向にはほぼ均一な結合角となる。
1)、(b−2)から、一原子層の窒素層を介すること
により、正方晶ZrO2は(002)ZrO2//(00
1)Siの方位関係で安定に成長しうることがわかる。
方向のZr−Zr距離とSi−Si距離の不整合率は3
〜5%であり、格子定数から求まる3.3%とほぼ一致
している。金属酸化物とシリコンについて、想定してい
る面の格子定数をそれぞれaおよびbとすると、格子不
整合率は△=|(b−a)/b|で表される。コヒーレ
ント成長が達成される臨界膜厚を超えて厚膜化した場合
でも、格子不整合から発生するミスフィット転位密度か
ら期待されるドメインの大きさはb/△の程度であり、
典型的には数10nm以上の結晶が成長する。
コン(001)基板上に1原子層の窒素層を介すること
により、前記シリコン(001)基板上に金属酸化物結
晶の面または軸がシリコン(001)基板の方線方向に
配向した単結晶あるいは多結晶の金属酸化物絶縁層が実
現できる。
層に存在する窒素量が極めて少ない。
層として比誘電率がシリコン酸化膜と金属酸化物絶縁膜
との中間にあたる窒素を含んだシリコン酸化膜いわゆる
シリコン酸窒化膜も、単独あるいは金属酸化物との積層
構造で用いられている。しかしながら、シリコン酸窒化
膜では、窒素はシリコン酸窒化膜表面およびシリコン酸
窒化膜とシリコン基板との界面に偏析し易い。
清浄表面をNO酸窒化した場合の窒素と酸素の安定位置
の例として、スピン分極を考慮した第一原理GGA−D
FT計算で決定した結果を示す。c(4×2)は、非対称ダ
イマーがダイマー列方向に2つとダイマー列と直交方向
に2つ反強磁性配列をした、中心に格子点がある(4×2)
面心格子を意味する。
3)は3つのNO分子が解離吸着して安定構造をとった
状態の一例を示し、(a−1)は[110]方向からの
図、(a−2)は[001]方向からの図、(a−3)
は[−110]方向からの図である。図15中(1)で
示した窒素はシリコンに3配位しているが、(2)で示
した窒素は2配位でダングリングボンドが残存してい
る。このように、Si−Si結合に挿入された窒素およ
び酸素の結合状態は多様となり、金属酸化物結晶が一方
向に配高した状態にはなり難い。また界面から数原子層
の間にランダムに存在する窒素は、正の固定電荷を発生
させ、リモートクーロン散乱によるキャリア移動度低下
を誘起したり、界面準位の原因となってしまう。
絶縁層としてシリコンと金属と窒素の3元系酸化物いわ
ゆるシリケートを単独あるいは金属酸化物との積層構造
にて用いる技術がある。このような構造を用いる場合に
も、Si−Si結合に挿入された窒素および酸素の結合
状態は多様となり、金属酸化物結晶が一方向に配向した
状態にはなり難い。さらに界面から数原子層の間にラン
ダムに存在する窒素は界面準位やキャリア移動度低下の
原因となってしまう。
物層が安定に配向制御されるため、比誘電率の面内均一
性が向上すると共に、金属酸化物粒界起因のリーク電流
や固定電荷が抑制される。また絶縁層に存在する窒素量
が少ないため窒素の存在に起因する界面準位やキャリア
移動度低下が生じにくいという作用も生じる。したがっ
て長期信頼性の改善をはかったMIS型トランジスタが
実現できる。
記シリコン(001)基板の最表面と前記1原子層の窒
素層のいずれか、あるいはその両方のダングリングボン
ドは、フッ素(F)、水素(H)、重水素(D)のいず
れか終端されていることが望ましく、それにより界面準
位発生が抑制される。
記ZrO2の他、HfO2,CeO2,Pr2O3,Y
2O3,STO(SrTiO3)等のように、その酸化物
が正方晶あるいは立方晶系の結晶構造をとりうる金属の
酸化物およびそれら金属とシリコンを含有する複合酸化
物が挙げられる。特にZrO2、HfO2、シリコンを含
有する、Zr又はHfの複合酸化物は、従来よりシリコ
ン半導体プロセスで用いられてきたTiと同族元素であ
るZr、Hfの酸化物であり、高いプロセス整合性が期
待できるため特に望ましい。
HfO2では(002)HfO2//Si(001)(格
子不整合率1.6%)、CeO2では(110)CeO2
//Si(001)(格子不整合率0.35%)、Pr
2O3では(110)Pr2O3//(001)Si(格子
不整合率2.6%)、Y2O3では(110)Y2O3//
(001)Si(格子不整合率2.4%)、STOでは
(001)STO//(001)Si(格子不整合率
1.6%)、等の方位関係で本質的に同じ界面構造が得
られる。
絶縁層にはシリコンなど他の元素を含んでいても良い
が、高配高性の金属酸化物絶縁層を得る上で、20原子
%以下より好ましくは16.7原子%以下であることが
望ましい。
ン(001)面と金属酸化物絶縁層との界面に1原子層
の窒素層を形成するには、CVD法、プラズマCVD
法、あるいはリモートプラズマCVD法、特に有機金属
ソースガスを用いたMOCVD法により形成することが
できる。
板のシリコン(001)表面に、有機金属ソースガス、
後述する第1の有機金属ソースガスを用いて、前記シリ
コン(001)基板のシリコン原子に結合する1原子層
の窒素層と、前記窒素層上に前記窒素に結合する金属を
含む金属酸化物層との積層体を自己停止的に成膜する第
1工程を行なう。
(F)あるいは水素(H)あるいは重水素(D)で終端
処理されたものを用いるか、あるいは前記有機金属ソー
スガスにF,HあるいはDが含まれているものを用いる
ことによって、シリコン基板表面に生成しうるSiある
いはNのダングリングボンドを終端し安定化することが
望ましい。
有機金属錯体ガス、例えば下記式(1)又は(2)で表
される化合物が挙げられる。
Ce,Pr,Y,Sr,Ti等、その酸化物が正方晶あ
るいは立方晶系の結晶構造をとりうる金属から選択され
る少なくとも一種の金属元素、Nは窒素であり、X及び
X´はH,D,あるいはFから選択される元素で同じで
あっても異なっていても良く、R及びR´はそれぞれ異
なっており、炭化水素基から選択される少なくとも一種
の官能基である。) 前記R及びR´の具体例としては、CH3基、C2H
5基、CH(CH3)2基、C(CH3)3基、C3H7基、
C4H9基等の官能基が挙げられる。
上の蒸気圧が十分に高い化合物RHを形成するととも
に、少なくとも原子X(X=H、DあるいはF)との結
合エンタルピー△Hが△H(R−X)結合>△H(R´
−X)結合であることが必要であり、さらには原子Xに
よるこれら有機金属錯体ガスからのR、R´引き抜き反
応の反応障壁がR<R´であることが好ましい。より詳
細には、上記有機金属錯体ガス分子自体およびこの分子
が基板に吸着反応した後において、ある注目する原子A
およびB間の結合エンタルピー△H(A−B)(一般に
>0である)が、AおよびBのバックボンドに結合した
原子団(および基板)による結合エンタルピーの変調効
果も含めて、室温から成膜温度の範囲において以下の条
件を満たすことが望ましい。
Hを△Hgとし、基板に吸着反応した後の△Hを△Hs
とし、 △H1=△Hs(N−Si)+△Hg(R−X)−{△
Hs(Si−X)+△Hg(N−R)}、 △H2=△Hs(M−Si)+△Hg(N−X)−{△
Hs(Si−X)+△Hg(M−N)}、 △H3=△Hs(Si−O)+△Hg(R´−X)−
{△Hs(Si−X)+△Hg(O−R´)}、 △H4=△Hs(M−Si)+△Hg(O−X)−{△
Hs(Si−X)+△Hg(M−O)}、 △H5=△Hs(N−Si)+△Hg(X−X´)−
{△Hs(Si−X´)+△Hg(N−X)}、 △H6=△Hs(N−Si)+△Hg(X−X´)−
{△Hs(Si−X)+△Hg(N−X´)}、 とした時、△H1>0かつ△H1>△H2かつ△H1>
△H3かつ△H1>△H4かつ△H1>△H5かつ△H
1>△H6を満たすことが必要である。
いられる有機金属錯体は気相中でモノマーであっても良
いし、ダイマー等のオリゴマーを形成していても良い。
る第2の有機金属ソースガスを用いて厚膜化する第2工
程を実施することにより金属酸化物層を成膜および厚膜
化することができる。この場合は同時に、基板側からS
i−N−金属結合で構成される1層分に生じる可能性の
ある欠損部分を金属酸化物層で充填することもできる。
有機金属錯体ガス、例えば下記式(3)で表される化合
物が挙げられる。 MR´´2(OR´)2 式(3) (ただし式(3)において、MはZr,Hf,Ce,P
r,Y,Sr、Ti等、その酸化物が正方晶あるいは立
方晶系の結晶構造をとりうる金属から選択される少なく
とも一種の金属元素、R´及びR´´は同じであっても
異なっていても良く、炭化水素基から選択される少なく
とも一種の官能基である。)前記R´及びR´´の具体
例としては、CH3基、C2H5基、CH(CH3)2基、
C(CH3)3基、C3H7基、C4H9基等の官能基が挙げ
られる。
が十分に高い化合物R´R´´あるいはR´X、R´´
Xを形成するとともに、 △H7=△Hs(M−O)+△Hg(R´−R´´)−
{△Hs(O−R´)+△Hg(M−R´´)}、 △H8=△Hs(O−O)+△Hg(R´−R´)−
{△Hs(O−R´)+△Hg(O−R´)} とした時、△H7>0かつ△H7>△H8を満たすこと
が必要であるか、または、 △H9=△Hs(M−N)+△Hg(R´´−H)−
{△Hs(N−X)+△Hg(M−R´´)}、 △H10=△Hs(M−N)+△Hg(O−X)−{△
Hs(N−X)+△Hg(M−O)}、 △H11=△Hs(N−O)+△Hg(R´−X)−
{△Hs(N−X)+△Hg(O−R´)} とした時、△H9>0かつ△H9>△H10かつ△H9
>△H11を満たすことが必要である。
いられる有機金属錯体は気相中でモノマーであっても良
いし、ダイマー等のオリゴマーを形成していても良い。
前記第2の有機金属ソースガス分圧の高圧化によって第
2工程における厚膜化を行なう場合、以下の条件を取れ
ばよい。
応する反応式を一般に、 Sub + r*Src(gas) = Sub´ +
s*Prod(gas) Sub=反応前の基板、Sub´=反応後の基板、Sr
c=第2の有機金属ソースガス、Prod=R´R´´
等の反応副生成物ガス、と表した時、平衡定数K7は、 K7=(pProd)s/(pSrc)r=C*exp
(−△H7/kT) pSrc=第2の有機金属ソースガスの分圧、pPro
d=反応副生成物ガスの分圧、C=順方向と逆方向との
前指数因子の比、k=Boltzmann定数、T=基
板温度(K)、と表される。自己停止条件での平衡定数
をK7(0)とすると、K7/K7(0)>>1を満た
すように基板温度Tまたは前記第2の有機金属ソースガ
ス分圧pSrcを設定すればよい。もちろん、反応副生
成物ガスのスカベンジによるpProdの低分圧化も有
効である。
ースガスを用いず、第1工程における基板温度の高温化
または前記第1の有機金属ソースガス分圧の高圧化によ
って第1工程における反応の自己停止条件からずらすこ
とにより成膜および厚膜化を行なうこともできる。この
場合は、以下の条件を取ればよい。
−{△Hs(M−NRX)+△Hg(O−R´)} に対応する反応式を一般に、 Sub + r*Src(gas) = Sub´ +
s*Prod(gas) Sub=反応前の基板、Sub´=反応後の基板、Sr
c=第1の有機金属ソースガス、Prod=NXR´R
´´等の反応副生成物ガス、と表した時、平衡定数K1
2は K12=(pProd)s/(pSrc)r=C*exp
(−△H12/kT) pSrc=第1の有機金属ソースガスの分圧、pPro
d=反応副生成物ガスの分圧、C=順方向と逆方向との
前指数因子の比、k=Boltzmann定数、T=基
板温度(K)、と表される。自己停止条件での平衡定数
をK12(0)とすると、K12/K12(0)>>1
を満たすように基板温度Tまたは前記第1の有機金属ソ
ースガス分圧pSrcを設定すればよい。もちろん、反
応副生成物ガスのスカベンジによるpProdの低分圧
化も有効である。
には、前記のガスに換えてあるいは他に無機シランガス
と酸化剤ガス;有機シランガスと酸化剤ガスがなど用い
られる。無機シランガスとしては、SiH4,SiD4,
Si2H6,Si2D6など、有機シランガスとしてはSi
(OC2H5)4,Si(OC4H9)4,HSi(OC
2H5)3,H2Si(OC2H5)2など、およびそれらの
重水素置換体などが挙げられる。酸化剤ガスとしては、
O2,N2O,NOなどが挙げられる。
ジスタのゲート絶縁膜や、キャパシタ、センサー、など
の半導体素子の絶縁層に用いることができる。特にMI
S型トランジスタのゲート絶縁膜に適用されることが望
ましい。
スタ形成プロセスやダマシンゲートMIS型トランジス
タ形成プロセスなどMIS型トランジスタ形成プロセス
に適用できる。
ロセスについて説明する。
リコン(001)基板11を水素終端した後、基板11
の表面に、素子分離の役割を果たす深い溝を形成し、C
VD法によりシリコン酸化層13で埋め込み、素子分離
領域12を形成する。(第1工程) 次に、図3に示すように、ゲート絶縁層として高誘電率
金属酸化物層であるZrO2層14を形成する(ZrO2
層の形成方法は、後で詳細に述べる)。(第2工程) 次に、図4に示すように、ZrO2層14の上部にゲー
ト電極としてポリシリコン層15をCVD法によって形
成する。(第3工程) 次に、図5に示すように、ポリシリコン15上にフォト
レジストパターン16を形成する。(第4工程) 次に、図6に示すように、フォトレジストパターン16
をマスクとして、ポリシリコン層15を反応性イオンエ
ッチングし、第1のゲート電極15を形成する。(第5
工程) 次に、砒素のイオン注入を、例えば加速電圧40ke
V、ドーズ量2x1015cm-2の条件で行い活性化熱処
理することで、高不純物濃度のn+型ゲート電極15、
n+型ソース領域17、n+型ドレイン領域18を同時に
形成する。(第6工程) 次に、図7に示すように、全面に300nmのシリコン
酸化層をCVD法により堆積し、層間絶縁層19を形成
する。この後、層間絶縁層19上にコンタクトホール形
成用のフォトレジストパターン(不図示)を形成し、こ
れをマスクとして反応性イオンエッチング法により層間
絶縁層19をエッチングして、コンタクトホールを開口
する。最後に、全面にAl層をスパッタ法により形成し
た後、これをパターニングして、ソース電極110、ド
レイン電極111、および第2のゲート電極112を形
成してn型MIS型トランジスタが完成する。(第7工
程) MIS型トランジスタの基本構成は図7に示すようにシ
リコン基板11と、前記シリコン基板に互いに離間して
設けられたソース領域17及びドレイン領域18と、前
記シリコン基板11上にゲート絶縁層14と、前記ゲー
ト絶縁層14上に形成されたゲート電極を備えてなる。
ンジスタの製造工程を示したが、p型MIS型トランジ
スタでは導電型がn型とp型で入れ替わる点が異なるだ
けであり、基本的な製造工程はまったく同じである。
型トランジスタ形成について説明する。
の製造方法(ダミーゲートプロセス)を示す工程断面図
である。
ン基板1101の表面にトレンチを形成し、このトレン
チをシリコン酸化層等の絶縁層1102で埋め込むこと
により、STI(Shallow Trench Isolation)による素
子分離を行う。(第1工程) 次に図16(b)に示すように、シリコン基板1101
のMOSトランジスタ形成領域に不純物イオンを注入
し、アニールを行うことによって、ウェル1103を形
成する。(第2工程) 次に図16(c)に示すように、シリコン基板1101
の表面にダミーゲート絶縁層1104としてのシリコン
酸化層を熱酸化により形成し、ダミーゲート絶縁層11
04上にダミーゲート電極1105となる多結晶シリコ
ン層を堆積し、この多結晶シリコン層をパターニングし
てダミーゲート電極1105を形成し、続いてソース/
ドレイン形成予定領域のダミーゲート絶縁層1104を
除去し、ダミーゲート電極1105およびウェル110
3の表面を酸化してシリコン酸化層1106を形成し、
ダミーゲート電極1105をマスクにして不純物イオン
をウェル1103の表面に注入し、熱処理を行ってエク
ステンション(低不純物濃度で浅い拡散領域)1107
を形成する。エクステンション1107は、ソース/ド
レイン領域の一部を構成する。(第3工程) 次に図16(d)に示すように、ゲート側壁絶縁層11
08となるシリコン窒化層を全面に堆積し、RIE(Re
active Ion Etching)等の異方性エッチングによる全面
エッチングを行ってゲート側壁絶縁層1108を形成し
た後、ゲート側壁絶縁層1108およびダミーゲート電
極1105をマスクにして不純物イオンをウェル110
3の表面に注入し、熱処理を行ってソース/ドレイン領
域(高不純物濃度で深い領域)1109を形成する。
(第4工程) 次に図16(e)に示すように、層間絶縁層1110と
なるシリコン酸化層等の絶縁層を全面に堆積した後、ダ
ミーゲート電極1105の上面が露出するまで上記絶縁
層の表面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)
により研磨して、表面を平坦化する。(第5工程) 次に図16(f)に示すように、ダミーゲート電極11
05をCDE等の等方性エッチングにより除去して開口
部(ゲート溝)を形成した後、このゲート溝の底面に露
出するダミーゲート絶縁層1104をウエットエッチン
グ処理により除去する。(第6工程) 次に図16(g)に示すように、ゲート溝の底面に高誘
電率金属酸化物層であるZrO2層1111を形成する
(ZrO2層の形成方法は、後で詳細に述べる)。
等の金属層あるいはポリシリコン層あるいはシリコンゲ
ルマニウム層をゲート溝を埋め込む膜厚でもって全面に
堆積した後、ゲート溝の外部の不要な金属層をCMPに
より除去して、ゲート電極1112を形成する。上記金
属層を堆積する前に、反応防止層として例えばチタン窒
化層をCVD法により堆積してもよい。
れば、高温熱処理であるアニールが必要なソース/ドレ
イン領域1107,1109を、ゲート電極1112よ
りも先に形成できるので、ゲート電極1112を形成し
た後の熱工程を低温化できる。したがって、微細化には
有利であり、かつ比較的熱耐性に乏しいゲート電極や金
属酸化物からなるゲート絶縁層1111をMIS型トラ
ンジスタに適用することが容易になる。
rO2層14もしくはZrO2層1111の形成工程の詳
細を説明する。
されたシリコン(001)表面に、第1の有機金属ソー
スガスとして有機Zr錯体であるZr(NHR)2(O
R´)2を供給し前記シリコン(001)基板のシリコ
ン原子に結合する1原子層の窒素層と、前記窒素層上に
前記窒素に結合するZrを含むZr酸化物層との積層体
を自己停止的に成膜する第1の工程を行い、さらに、第
1の有機金属ソースガスとは異なる第2の有機金属ソー
スガスとしてNを含まない有機Zr錯体であるZrR´
´2(OR´)2を供給し、前記ZrO2層を厚膜化する
第2の工程を実施する。
1)基板上の1箇所のモノハライドを形成しているシリ
コンダイマーに注目し、前記シリコンダイマーの前記第
1及び第2工程における状態を示す模式図である。
に、第1の有機金属ソースガスである有機Zr錯体 Z
r(NHR)2(OR´)2が水素で終端されたモノハラ
イドシリコンダイマーに接近すると、Zr錯体のNに結
合した官能基Rがシリコンダイマーの終端H原子と選択
的に反応しRHとして脱離することによりSi−N−Z
r結合が形成されて反応が停止する。また、この結合が
形成された後のN原子はH終端されている。なお、Rと
R´は、Hとの結合エネルギーがR−H結合>R´−H
結合であるように選択することが必要であり、さらには
H原子によるこれら有機金属錯体ガスからのR,R´引
き抜き反応の反応障壁がR<R´であることが必要であ
り、これによりこの反応が自己停止する。R´がHやR
と速やかに反応する場合には図8(a)過程の反応が自
己停止的ではなく連続的に進行してしまう。
ように第2の有機金属ソースガスであるNを含まないZ
r錯体 ZrR´´2(OR´)2が図8(a)で形成さ
れた第1層の表面に接近すると、Zr錯体のZrに結合
した官能基R´´が第1層表面を終端している官能基R
´と選択的に反応しR´R´´として脱離することによ
り、図8(c)の過程に示すように、Zr−O−Zr結
合が形成される。このようにして、第1層と第2層まで
のZrO2層がエピタキシャル成長する。この第2層の
表面は官能基R´で終端されているため、Nを含まない
Zr錯体ZrR´´2(OR´)2が接近するとこの錯体
のZrに結合した官能基R´´が表面の官能基R´と選
択的に反応しR´R´´として脱離することによりZr
−O−Zr結合が連続的に形成される。
化物膜厚が得られるまで進行する。なお、上記実施例は
H原子終端の場合で説明したが、DやFでも同様の反応
が生じる。
01)基板上のモノハライドを形成しているシリコンダ
イマー及びそのダイマー間に着目し、前記シリコンダイ
マー及びダイマー間の前記第1及び第2工程における状
態を示す模式図である。
うに、第1の有機金属ソースガスであるZr錯体Zr
(NHR)2(OR´)2がモノハライドを形成している
シリコンダイマーに接近すると、Zr錯体のNに結合し
た官能基Rがシリコンダイマーの終端H原子と選択的に
反応しRHとして脱離することによりSi−N−Zr結
合が形成されて反応が停止する。また、この結合が形成
された後のN原子はH終端されている。
図9(b´)の過程に示すようにNを含まないZr錯体
ZrR´´2(OR´)2が接近すると、Zr錯体のZr
に結合した官能基R´´が第1層のNを終端しているH
と選択的に反応しHR´´として脱離することにより、
図9(c´)の過程に示すように、第1層のシリコンダ
イマー列間にもZr−O−Zr結合が形成される。この
ようにして、第1層のZrO2層のエピタキシャル成長
が完結する。この第1層の表面は官能基R´で終端され
ているため、第2工程によって、Nを含まないZr錯体
ZrR´´2(OR´)2が接近するとこの錯体のZrに
結合した官能基R´´が表面の官能基R´と選択的に反
応しR´R´´として脱離することによりZr−O−Z
r結合が形成される。このようにして、第1層と第2層
までのZrO2層がエピタキシャル成長する。この第2
層の表面は官能基R´で終端されているため、Nを含ま
ないZr錯体ZrR´´2(OR´)2が接近するとこの
錯体のZrに結合した官能基R´´が表面の官能基R´
と選択的に反応しR´R´´として脱離することによ
り、図8(c)と同様の過程でZr−O−Zr結合が連
続的に形成される。
と同様の過程は所望のZr酸化物膜厚が得られるまで進
行する。なお、上記実施例はH原子終端の場合で説明し
たが、DやFでも同様の反応が生じる。
素終端し表面にモノハライドを形成したシリコン(00
1)基板を使用したが、本実施形態では、水素終端し表
面にダイハライドを形成したシリコン(001)基板を
使用した。ダイハライドを形成したシリコン(001)
基板を使用した以外は第1の実施形態と同様の処理を行
なった。
01)基板上の1箇所のダイハライドを形成しているシ
リコンに注目し、前記シリコンの前記第1及び第2工程
における状態を示す模式図である。
に、第1の有機金属ソースガスである有機Zr錯体 Z
r(NHR)2(OR´)2が水素で終端されたダイハラ
イドを形成しているシリコンに接近すると、Zr錯体の
Nに結合した官能基Rがシリコンダイハイドライドの終
端H原子の一方と選択的に反応しRHとして脱離するこ
とによりSi−N−Zr結合が形成されて反応が停止す
る。また、この結合が形成された後のN原子とシリコン
原子は共にH終端されている。
程に示すように第2の有機金属ソースガスであるNを含
まないZr錯体 ZrR´´2(OR´)2が図10
(a)過程で形成された第1層の表面に接近すると、図
10(c)の過程に示すように、Zr錯体のZrに結合
した官能基R´´が第1層表面を終端している官能基R
´と選択的に反応しR´R´´として脱離することによ
りZr−O−Zr結合が形成される。第1層のシリコン
ダイマー列間にZr−O−Zr結合が形成される過程
は、第1の実施形態の図9(b´)(c´)で述べた過
程と同じである。この第2層の表面は官能基R´で終端
されているため、Nを含まないZr錯体ZrR´´
2(OR´)2が接近するとこの錯体のZrに結合した官
能基R´´が表面の官能基R´と選択的に反応しR´R
´´として脱離することによりZr−O−Zr結合が連
続的に形成される。
Zr酸化物膜厚が得られるまで進行する。なお、上記実
施例はH原子終端の場合で説明したが、DやFでも同様
である。 (第3の実施形態)第1、第2の実施形態は、水素終端
したシリコン(001)基板を使用したが、本実施形態
では、終端処理なしのシリコン(001)基板を使用し
た。終端処理なしのシリコン(001)基板を使用した
以外は第1の実施形態と同様の処理を行った。
基板の清浄ダイマーシリコン(001)表面に、第1の
有機金属ソースガスとして有機Zr錯体であるZr(N
H2)2(OR´)2を供給し前記シリコン(001)基
板のシリコン原子に結合する1原子層の窒素層と、前記
窒素層上に前記窒素に結合するZrを含むZr酸化物層
との積層体を自己停止的に成膜する第1の工程を行い、
さらに、第1の有機金属ソースガスとは異なる第2の有
機金属ソースガスとしてNを含まない有機Zr錯体であ
るZrR´´2(OR´)2を供給し、成膜条件を自己停
止条件からずらし前記ZrO2層を厚膜化する第2工程
を実施する。
(001)基板上の1箇所の清浄シリコンダイマーに注
目しそのシリコンダイマーの前記第1及び第2工程にお
ける状態を示す模式図である。
ように、第1の有機金属ソースガスである有機Zr錯体
Zr(NH2)2(OR´)2が清浄ダイマーに接近する
と、シリコン表面側に特別な終端原子は存在しないもの
の、Zr錯体のNの孤立電子対がダイマーシリコンに求
核的に配位する。Zr錯体のNに結合したH原子が全て
残存すれば、図11(a)に示すようにSi−N−Zr
結合が形成されて反応が停止すると共に、N原子とダイ
マーシリコン原子は共にH終端される。一方、図12
(a)に示すようにH原子の半分が残存すれば、Si−
N−Zr結合が形成されて反応が停止すると共に、N原
子はH終端される。なお、HとR´は、Hとの結合エネ
ルギーがH−H結合>R´−H結合であるように選択す
ることが必要であり、さらにはH原子によるこれら有機
金属錯体ガスからのH,R´引き抜き反応の反応障壁が
H<R´であることが必要であり、これによりこの反応
が自己停止する。R´がHやRと速やかに反応する場合
には図11(a)、図12(a)の反応が自己停止的で
はなく連続的に進行してしまう。
12(b)の過程に示すように第2の有機金属ソースガ
スであるNを含まないZr錯体ZrR´´2(OR´)2
が図11(a)、図12(a)過程で形成された第1層
の表面に接近すると、Zr錯体のZrに結合した官能基
R´´が第1層表面を終端している官能基R´と選択的
に反応しR´R´´として脱離することにより、図11
(c)、図12(c)の過程に示すように、Zr−O−
Zr結合が形成される。このようにして、第1層と第2
層までのZrO2層がエピタキシャル成長する。第1層
のシリコンダイマー列間にZr−O−Zr結合が形成さ
れる過程は、第1の実施形態の図9(b´)(c´)で
述べた過程と同じである。この第2層の表面は官能基R
´で終端されているため、Nを含まないZr錯体ZrR
´´2(OR´)2が接近するとこの錯体のZrに結合し
た官能基R´´が表面の官能基R´と選択的に反応しR
´R´´として脱離することによりZr−O−Zr結合
が連続的に形成される。
(c)と同様の過程は所望のZr酸化物膜厚が得られる
まで進行する。なお、上記実施例はH原子終端の場合で
説明したが、DやFでも同様である。 (第4の実施形態)図13は、有機Zr錯体を原料ガス
としたダウンフローCVD法による、ZrO2ゲート絶
縁層の形成方法を示す説明図である。以下に第1の実施
形態の具体的手法について説明する。
52上にゲート絶縁層形成前までの工程を完了した半導
体基板51をセットする。
の洗浄工程すなわち、SPM(H2SO4/H2O2)→D
HF(HF/H2O)→APM(NH4OH/H2O2/H
2O)→DHF(HF/H2O)→HPM(HCl/H2
O2/H2O)→DHF(HF/H2O)→乾燥、を経て
軽水素Hによりダイハイドライド終端されたシリコン
(001)面が露出している。
よび冷却剤を循環させるための冷却パイプ54が設けら
れている。成膜チャンバー50には原料ガスを成膜チャ
ンバー50内に導入するためのノズル57が設けられ、
排気系56にて真空排気される。ノズル57には、独立
のガス導入系58a等が接続されている。また、ガス導
入系58の一部58cにはマイクロ波キャビティ514
が設けられ、高周波電源59が接続されている。抵抗加
熱ヒーターにより半導体基板51を500°Cまで加熱
する。この段階で基板51のゲート絶縁層形成領域は、
ダイハイドライド終端からモノハイドライド終端に変換
された。
ースガスとしてHe希釈したZr(NHR)2(OR
´)2(ただしR=CH3,R´=C(CH3)3)を20
cm3/min、N2を120cm3/min、の流量で
独立のガス導入系58a、58cより同時に導入し、排
気系56により、チャンバー内圧力を1.60Paに保
たれるようにしておく。この時、マイクロ波キャビティ
514に2.45GHzのRF電力を100W印加して
放電させておく。高周波は気相中での有機金属錯体のオ
リゴマー化の程度を選択するために印加した。TOF−
QMSで測定した結果、この条件ではモノマー及びダイ
マーであった。この条件でシリコン基板側からSi−N
−Zr結合で構成される1層分510が自己停止的に形
成された。
10-5Paまで排気した後、第2の有機金属ソースガス
としてHe希釈したZrR´´2(OR´)2(ただしR
´=C(CH3)3、R´´=CH3)を20cm3/mi
n、Arを120cm3/min、の流量で独立のガス
導入系58a、58cより同時に導入し、排気系56に
より、チャンバー内圧力を1.46Paに保たれるよう
にしておく。更にO2を全圧が1.60Paに保たれる
ようにガス導入系58bから導入する。この時、マイク
ロ波キャビティ514に2.45GHzのRF電力を1
00W印加して放電させておく。高周波は気相中での有
機金属錯体のオリゴマー化の程度を選択するために印加
した。TOF−QMSで測定した結果、この条件ではモ
ノマー及びダイマーであった。この条件で300秒間成
膜を行う。この条件では約1nm/minの成膜速度な
ので、およそ5nmのZrO2層511が成膜された。
クトル法により、Zr3d,Si2p,O1s,N1s
スペクトルを測定した。この結果、シリコン基板との界
面はSi−N−Zr結合が形成されておりZr−Si結
合およびZr−O結合は形成されていなかった。また、
Zr酸化物バルク層ではZr−O結合のみで、Zr−N
結合およびSi−N結合は形成されていなかった。ま
た、TEM/XTEM観察の結果、基板法線方向に(0
02)配向し、かつ平面方向に平均20nmの単結晶ド
メインを持ったZrO2が形成されていることが確認さ
れた。また、TEMよりも広範囲での結晶性を調べるた
めXRD測定を行った結果、θ−2θ法では基板法線方
向に(002)配向し(111)や(220)回折ピー
クは検出限界以下であり、かつ(002)配向のロッキ
ングカーブの半値全幅は0.5degと多結晶の場合の
12degに比べて大幅に改善されたZrO2であるこ
とが確認された。
Sキャパシタで電気特性を評価した。酸化膜換算膜厚、
比誘電率および界面準位密度はC−V測定により求め
た。リーク電流はI−V測定により求めた。物理膜厚と
酸化膜換算膜厚は良い線形関係にあり、比誘電率は21
程度が得られた。界面準位密度はフォーミングガス(5
%H2/N2)アニール前後で各々2x1012cm-2eV
-1,4x1011cm-2eV-1であった。5MV/cmの
電界でのリーク電流は、酸化膜換算膜厚0.75nmの
時0.9A/cm2であった。
放電は行わなかったが、半導体基板に対向させた電極に
高周波をかける方法、あるいは、マイクロ波放電やマグ
ネトロン放電など1x1011イオン/cm3以上の高密
度プラズマを形成する方法、例えば、従来用いられてい
る平行平板型プラズマCVD装置やサイクロトロン共鳴
を利用したプラズマCVD装置、誘導電流を用いたプラ
ズマCVD装置、ヘリコン波を用いたプラズマCVD装
置などを用いたときにも、薄膜形成時の条件によって、
本願の請求項にて示した状況が実現できる。
(NHR)2(OR´)2,第2の有機金属ソースガスで
あるZrR´´2(OR´)2の代わりに、それぞれHf
(NHR)2(OR´)2,HfR´´2(OR´)2やそ
の重水素置換体,F置換体を用いてもよい。特にDを含
有するガスやD終端シリコン表面およびF終端シリコン
表面を用いることは絶縁層の長期信頼性改善の点で好ま
しい。 (第5の実施形態)図14は、有機Hf錯体を原料ガス
とした熱CVD法による、HfO2ゲート絶縁層の形成
方法を示す実施例5の説明図である。
まず、成膜チャンバー60内の基板支持台62上にゲー
ト絶縁層形成前までの工程を完了した半導体基板61を
セットする。
の洗浄工程すなわち、SPM(H2SO4/H2O2)→D
HF(HF/H2O)→APM(NH4OH/H2O2/H
2O)→DHF(HF/H2O)→HPM(HCl/H2
O2/H2O)→DHF(DF/D2O)→乾燥、を経て
重水素Dによりダイハイドライド終端されたシリコン
(001)面が露出している。
よび冷却剤を循環させるための冷却パイプ64が設けら
れている。成膜チャンバー60には原料ガスを成膜チャ
ンバー60内に導入するためのノズル67が設けられ、
排気系66にて真空排気される。ノズル67には、独立
のガス導入系68a等が接続されている。抵抗加熱ヒー
ターにより半導体基板61を600°Cまで加熱する。
この段階で基板61のゲート絶縁層形成領域は、重水素
Dダイハイドライド終端から重水素Dモノハイドライド
終端に変換された。
ースガスとしてHe希釈したHf(NDR)2(OR
´)2(ただしR=CH3,R´=C(CH3)3)を20
cm3/min、N2を120cm3/min、の流量で
独立のガス導入系68a、68cより同時に導入し、排
気系66により、チャンバー内圧力を1.60Paに保
たれるようにしておく。この条件でシリコン基板側から
Si−N−Hf結合で構成される1層分610が自己停
止的に形成された。
10-5Paまで排気した後、第2の有機金属ソースガス
としてHe希釈したHfR´´2(OR´)2(ただしR
´=C(CH3)3,R´´=CH3)を20cm3/mi
n、Arを120cm3/minの流量で独立のガス導
入系68a、68cより同時に導入し、排気系56によ
り、チャンバー内圧力を1.46Paに保たれるように
しておく。更にO2を全圧が1.60Paに保たれるよ
うにガス導入系68bから導入する。この条件で300
秒間成膜を行う。この条件では約1nm/minの成膜
速度なので、およそ5nmのHfO2層611が成膜さ
れた。
クトル法により、Hf4f,Si2p,O1s,N1s
スペクトルを測定した。この結果、シリコン基板との界
面はSi−N−Hf結合が形成されておりHf−Si結
合およびHf−O結合は形成されていなかった。また、
Hf酸化物バルク層ではHf−O結合のみで、Hf−N
結合およびSi−N結合は形成されていなかった。Si
−D結合については、50nm程度まで厚膜化したサン
プルで赤外吸収スペクトルを測定した結果、約1580
cm-1にSi−D結合の伸縮振動に帰属される吸収バン
ドが観測されたことから、Dが添加されSi−D結合を
形成していることが確認された。また、TEM/XTE
M観察の結果、基板法線方向に(002)配向し、かつ
平面方向に平均20nmの単結晶ドメインを持ったHf
O2が形成されていることが確認された。また、TEM
よりも広範囲での結晶性を調べるためXRD測定を行っ
た結果、θ−2θ法では基板法線方向に(002)配向
し(111)や(220)回折ピークは検出限界以下で
あり、かつ(002)配向のロッキングカーブの半値全
幅は0.5degと多結晶の場合の12degに比べて
大幅に改善されたHfO2であることが確認された。
Sキャパシタで電気特性を評価した。酸化膜換算膜厚、
比誘電率および界面準位密度はC−V測定により求め
た。リーク電流はI−V測定により求めた。物理膜厚と
酸化膜換算膜厚は良い線形関係にあり、比誘電率は21
程度が得られた。界面準位密度はフォーミングガス(5
%H2/N2)アニール前後で各々2x1012cm-2e
V-1,4x1011cm-2eV-1であった。5MV/cm
の電界でのリーク電流は、酸化膜換算膜厚0.75nm
の時0.9A/cm2であった。
´´2(OR´)2の代わりに、Zr(NHR)2(OR
´)2,ZrR´´2(OR´)2やその重水素置換体,
F置換体を用いてもよい。特にDを含有するガスやD終
端シリコン表面およびF終端シリコン表面を用いること
は絶縁層の長期信頼性改善の点で好ましい。
かつ結晶配向性の高い金属酸化層が得られるため、比誘
電率の面内均一性が向上すると共に、金属酸化物粒界起
因のリーク電流が抑制される。したがって長期信頼性の
改善をはかった半導体装置が実現できる。
表面に1原子層の窒素層を介して1層のZrO2が形成
された構造の計算例を示した説明図。
ジスタの製造工程を示す断面図。
ジスタの製造工程を示す断面図。
ジスタの製造工程を示す断面図。
ジスタの製造工程を示す断面図。
ジスタの製造工程を示す断面図。
ジスタの製造工程を示す断面図。
のZr酸化物ゲート絶縁層(ZrO2層)の形成方法を
示す説明図。
のZr酸化物ゲート絶縁層(ZrO2層)の形成方法を
示す説明図。
へのZr酸化物ゲート絶縁層(ZrO2層)の形成方法
を示す説明図。
物ゲート絶縁層(ZrO 2層)の形成方法を示す説明
図。
物ゲート絶縁層(ZrO 2層)の形成方法を示す説明
図。
を示す概略図。
を示す概略図。
面に窒素を含む絶縁層が形成される初期過程での構造の
計算例を示した説明図。
ロセスによるMIS型トランジスタの製造工程を示す断
面図。
半導体基板、 52,62…基板支持台、 53,63…ヒータ、 54,64…冷却パイプ、 55,65…高周波電源、 56,66…排気系、 57…ノズル、 58,68…ガス導入系、 59,69…高周波電源、 510,610…シリコン基板側からSi−N−Zr結
合で構成される1層分の ZrONゲート絶縁層、 511,611…ZrO2ゲート絶縁層、 514…マイクロ波キャビティ 1101…シリコン基板 1102…絶縁層 1103…ウエル 1104…ダミーゲート絶縁層 1105…ダミーゲート電極 1106…シリコン酸化層 1107…エクステンション 1108…ゲート側壁絶縁層 1109…ソース/ドレイン領域 1110…層間絶縁層 1111…ゲート絶縁層 1112…ゲート電極
Claims (8)
- 【請求項1】シリコン(001)基板と、 前記シリコン(001)基板上に形成され、前記シリコ
ン(001)基板の方線方向に結晶面又は軸が配向した
単結晶もしくは多結晶の金属酸化物の絶縁層と、前記シ
リコン(001)基板と前記絶縁層との界面に前記シリ
コン(001)基板のシリコン原子と前記金属酸化物の
金属原子の両方に結合する1原子層の窒素層とを備える
半導体装置。 - 【請求項2】前記半導体装置は、MIS型トランジスタ
を備え、前記絶縁層は、前記MIS型トランジスタのゲー
ト絶縁層であることを特徴とする請求項1記載の半導体
装置。 - 【請求項3】前記絶縁層とシリコン(001)基板との
界面において、前記シリコン(001)基板の最表面と
前記1原子層の窒素層のいずれか、あるいはその両方の
ダングリングボンドは、フッ素、水素、あるいは重水素
のいずれかで終端されていることを特徴とする請求項1
記載の半導体装置。 - 【請求項4】前記絶縁層は、正方晶系あるいは立方晶系
の結晶構造をとりうる金属酸化物であることを特徴とす
る請求項1記載の半導体装置。 - 【請求項5】前記絶縁層は、ZrO2、HfO2、もしく
はシリコンを含有する、Zr又はHfの複合酸化物のい
ずれかであることを特徴とする請求項1記載の半導体装
置。 - 【請求項6】第1の有機金属ソースガスを用いてシリコ
ン(001)基板表面に、前記シリコン(001)基板
のシリコン原子に結合する1原子層の窒素層と、前記窒
素層の窒素に結合する金属を含む金属酸化物層との積層
体を自己停止的に成膜する第1工程と、前記第1の工程
における成膜条件を自己停止条件からずらし前記金属酸
化物層を厚膜化する第2工程と、を行なうことにより絶
縁層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方
法。 - 【請求項7】前記シリコン(001)基板は、フッ素、
水素あるいは重水素で終端処理されており、前記第1工
程及び第2工程は、有機金属ソースガスを用いたCVD
法、プラズマCVD法、あるいはリモートプラズマCV
D法のいずれかにより形成されることを特徴とする請求
項6記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項8】前記第1の有機金属ソースガスは、金属原
子に、窒素を介して官能基が2つ以上と、窒素以外の元
素を介して官能基が1つ以上結合している構造を有する
ガスであることを特徴とする請求項6記載の半導体装置
の製造方法。
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JP2008034563A (ja) * | 2006-07-27 | 2008-02-14 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | Mis型半導体装置 |
JP2010067958A (ja) * | 2008-08-11 | 2010-03-25 | Tokyo Electron Ltd | 成膜方法および成膜装置 |
US11824083B2 (en) | 2021-03-18 | 2023-11-21 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Semiconductor device, semiconductor device manufacturing method, inverter circuit, drive device, vehicle, and elevator |
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