JP3617646B2 - 網戸、網窓等におけるネット収納枠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ネットを自動的に巻取り戻して開くようにした網戸、網窓等におけるネット収納枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の網戸は、網戸枠の一側の縦枠をネット収納枠として、実施例の図面に示すように、その中に、ネット5の巻取装置7として、巻取軸27、自動的に巻く力を蓄えるコイルスプリング22、巻取軸27に対してコイルスプリング22に回転弾発力を付与する中心軸26等が内装される。また、ネット5の先に可動框9が取り付けられ、可動框9が他方の縦枠2にコイルスプリング22の弾発力に抗して止められるようになっている。
【0003】
そこで、可動框9を縦枠2から離すと、コイルスプリング22の力により自動的にネット5が巻取り戻される。このネット5の巻取りは、コイルスプリング22の力により全幅がなされることが望ましい。つまり、可動框9の掛止を解くとコイルスプリング22の戻りにより一挙にネット5が全部収納されると好都合であるが、未収納の残りが生じることがあり、この場合は、手動で戻すか、戻るように調整する必要がある。また、ネット5の張りに過不足が生じることがあり、その調整が必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
いずれにしても、未収納の残りを巻いて縦枠に納めるために、従来、図8に示すように、その縦枠50の上端にコイルスプリングの調整装置10が設けられ、その調整摘み54が縦枠50上端の端面キャップ56の中央に回転可能に露出していたので、それにより調整できるが、縦枠50の内部にある機構の故障や特別の調整や手動が必要のときは、内部を開く必要がありそれには不都合な面があった。
【0005】
これについては、縦枠50が内外部材50a,50bとの組合せであって、その組合せがタップにより螺入されるビス57で前記端面キャップ56を両部材50a,50bに固定することにより、端面キャップ56を介して付随的に保持されており、そのため、巻取装置の故障があったり、調整摘み54では調整できない手動等による手直しが必要であって、縦枠50の中を開くようなとき、端面キャップ56を内部材50aに止めているビス57を一旦外してから、その内部材50aを取り外し、修理等の作業後に再度取り付けることになるため、作業が非常に面倒であった。
【0006】
この発明は、上記のような実情に鑑みて、端面キャップを止めているビスを外すことなく室内側の開閉カバーを開くことができるために、巻取装置の手直しが容易となり、また、その開閉構造が簡単である網戸、網窓等におけるネット収納枠を提供することを目的とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、左右縦枠と上下枠とによりネットを開閉する枠組みがなされ、そのうちの一の枠に、コイルスプリングの弾力で巻取軸が回転するネットの巻取装置を内装し、両端には隣接枠に嵌入する連結片が突設された端面キャップを具備し、一方の端面キャップにおいて巻取装置の調整装置を備えた網戸、網窓等において、前記一の枠であって、上下端面キャップが固着される室内開放型の枠本体に、閉じる側の口がネットの収納口となるように開閉カバーを軸支してなり、その軸支について、枠本体に端面キャップをビス止めするために設けたビスポケットのうち、一端のビスポケットを軸としてそれに嵌まる一回り大きい同じくビスポケット状の軸受ポケットを開閉カバーの端に一体に形成したことを特徴とする網戸、網窓等におけるネット収納枠を提供するものである。
【0008】
【作用】
上記の構成によれば、ネットの巻取装置の変調を、調整装置では調整できないときには開閉カバーを開いて巻取装置を直接手直しでき、その際に端面キャップを止めているビスを外す必要はない。また、枠本体には上下端面キャップをビス止めするためのビスポケットが設けられ、そのうちの一端のビスポケットを軸として、その軸に嵌まる軸受ポケットが開閉カバーの端に形成され、両端の端面キャップが開閉カバーを止める役目を果たしているというように、各部の役目が一にとどまらず、構造が合理的である。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明は、建具としての網戸や網窓ばかりでなく、例えば、物品を入れるケース等の網窓にも実施される。また、ネット5を自動的に巻き戻すために、コイルスプリング22が用いられるが、ネット5の巻き戻しが可能であれば、ゼンマイバネを用いてもこの発明の趣旨に反しないものとする。また、請求項2に記載の如く、枠本体15および開閉カバー17を断面L字形に形成すると、枠本体15は本体としての強度が得られ、構造も簡単となる。
【0010】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の網戸、網窓等におけるネット収納枠によれば、端面キャップを止めているビスを外すことなく室内側の開閉カバーを開くことができるために、巻取装置の手直し等のために内部の巻取装置を開くときに非常に好都合であり、また、開閉構造が蝶番等の他の部品を使用することがなく合理的であり安価な提供に適する等の効果がある
【0011】
【実施例】
次に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】
図面は、防虫網戸として実施した一例を示し、その防虫網戸は、一方の縦枠をネット収納枠1としたもので、そのネット収納枠1と他方の縦枠2と、上下枠3,4にり枠組みされ、ネット収納枠1にネット5の巻取装置7が装備される。また、ネット5の先端に可動框9を接続し、この可動框9に上下磁石11,11を取付け、縦枠2にそれに吸着される金属の磁石受け13,13が取り付けてある。
【0013】
ネット収納枠1は、枠本体15と開閉カバー17との組合せからなるもので、それぞれを断面L字形に形成し、枠本体15については、内角と両端にビスポケット19,19,19を設け、そのうちの一端のビスポケット19を軸として開閉カバー17が開閉可能に軸支され、その軸支のために、開閉カバー17の基端にビスポケット19に嵌まる一回り大きい軸受ポケット24が形成される。
【0014】
そして、開閉カバー17が閉じたときに、枠本体15との間の閉じ口がネット5の収納口21として、その間隔が保持されるように、開閉カバー17の先端近くに上下枠3,4の室内側面に掛かる突片20が形成される。図2が閉じた状態を示し、開閉カバー17の先端部18が上下枠3,4の端面に当接しているため、開閉カバー17の先端部18を内側へ(Ra方向へ)押さないと、開閉カバー17を開くことはできない。つまり、ネット5の収納口21が安定して保持され、不用意に開くことはない安定性がある。
【0015】
図3は、開閉カバー17を開いた状態を示したもので、この状態で巻取装置7を直接操作できる。また、この状態から閉じるときには、先端部18を内側へ(矢印Rb方向へ)押して先端部18を押し込みながら突片20を上下枠3,4に掛けることにより、ネット5の収納口21が保持される。
【0016】
巻取装置7は、主要部がネット収納枠1の中に内装され、その上端にコイルスプリング22の調整摘み23と、コイルスプリング22の弾力を解放する解除レバー25とを備えた調整装置10が設けられる。主要部については、上下中心軸26,26に筒形の巻取軸27を軸承し、その軸承には、上下軸受29,29が巻取軸27に嵌合して固着される。
【0017】
コイルスプリング22は、上端の中心軸26に被着され、下端に引掛り30を設けてその下端を下方の軸受29に掛止し、上端を中心軸26に止具28で固着してある。そこで、ネット5を張る矢印Pa方向へ可動9を移動させ、ネット5を巻き出すと、コイルスプリング22に弾力が蓄積され、ネット5が巻き取られる矢印Pb方向へ徐々に付勢される。そして、可動框9が縦枠2に磁石11,11で吸着されている間、弾力が一定に保有されているので、調整装置10の調整摘み23によりネット5の張りを緊張させ、あるいは、レバー25により緩めるというように、いずれにも適度に調整できる。
【0018】
ネット収納枠1の枠本体15の上端にビス31,31,31によって端面キャップ33,34が止められ、両端面キャップ33,34に上枠3と下枠4の中に有する中空部36,36に嵌入される一対の連結片35,35が突設される。また、上の端面キャップ33は、連結片35を有する上部片33aと、それに重なる下部片33bとからなり、その間の中空に調整装置10が装備される。
【0019】
調整装置10は、中心軸26が接続される中心歯車37に脇歯車39が噛合したもので、脇歯車39に調整摘み23が一体に成形されている。そこで、調整摘み23を矢印Pc方向へ回すと、中心歯車37,中心軸26、コイルスプリング22を介して巻取軸27がネット5を巻き取る矢印Pb方向へ回転する。または、コイルスプリング22にその力が蓄えられる。
【0020】
調整摘み23は、ラチェット歯車であって、コイルスプリング22にこのように蓄えた力を保存する手段として、調整摘み23のラチェット41に掛かるラチェット43が解除レバー25に突設され、ラチェット41,43が回転方向Pcへ逃げ角となっている。また、引っ掛かりを止めるために、ピンスプリング45がその方向へ押さえている。
【0021】
上部片33aには解除レバー25の回転軸47が突設されており、解除レバー25が「く」字形に屈折して先端が調整摘み23の端とともに室内側に露出している。そこで、解除レバー25の先端を矢印Pe方向へ操作すると、調整摘み23の止めが解除されて、コイルスプリング22が戻り、弾発力を喪失するので、解除レバー25をピンスプリング45の弾力に任せて復帰させることにより、弾発力を適度な段階に調整できる。なお、ネット5を仕舞った状態では、弾発力の全部を喪失させることによって、コイルスプリング22の弾性能力を保存できる。
【0022】
なお、ネット5の開閉の構造については、上下枠3,4にガイドレール49,49が組み込まれており、可動框9の上下両端にガイドレール49,49と係合するスライダー47,47が取り付けられる他、ネット5の上下両端のテープにガイドレール49,49と係合するスライド虫51,51,・・が列設されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る網戸の分解斜視図である。
【図2】組み立てた同網戸のネット収納枠を図1のA−A線矢視において示す拡大断面図である。
【図3】開閉カバーを開いた状態を示す図2に対応する断面図である。
【図4】図2のB−B線矢視の断面図である。
【図5】巻取装置の調整装置を示すため上端の端面キャップを切欠した同網戸の一部平面図である。
【図6】図2のC−C線矢視の断面図である。
【図7】組み立てた網戸を図1のD−D線矢視において示す拡大断面図である。
【図8】従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 ネット収納枠
2 縦枠
3 上枠(隣接枠)
4 下枠(隣接枠)
5 ネット
7 巻取装置
9 可動框
10 調整装置
15 枠本体
17 開閉カバー
18 開閉カバーの先端部
19 ビスポケット
20 突片
21 ネット収納口
22 コイルスプリング
23 調整摘み
24 軸受ポケット
25 解除レバー
26 中心軸
27 巻取軸
31 ビス
33,34 端面キャップ
35 連結片
45 スプリング

Claims (2)

  1. 左右縦枠と上下枠とによりネットを開閉する枠組みがなされ、そのうちの一の枠に、コイルスプリングの弾力で巻取軸が回転するネットの巻取装置を内装し、両端には隣接枠に嵌入する連結片が突設された端面キャップを具備し、一方の端面キャップにおいて巻取装置の調整装置を備えた網戸、網窓等において、前記一の枠であって、上下端面キャップが固着される室内開放型の枠本体に、閉じる側の口がネットの収納口となるように開閉カバーを軸支してなり、その軸支について、枠本体に端面キャップをビス止めするために設けたビスポケットのうち、一端のビスポケットを軸としてそれに嵌まる一回り大きい同じくビスポケット状の軸受ポケットを開閉カバーの端に一体に形成したことを特徴とする網戸、網窓等におけるネット収納枠。
  2. 枠本体および開閉カバーがそれぞれ断面L字形であることを特徴とする請求項1記載の網戸、網窓等におけるネット収納枠。
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