JP4073937B2 - 窓枠における網戸の取付装置 - Google Patents

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この発明は、サッシの窓枠において室外側の障子とともに嵌められる網戸の取付装置に関する。なお、この「網戸」の代表としては防虫網を挙げることができるが、防虫網には広くスクリーンをも含むこととする。
網戸の使用形態については、窓枠に障子と並列して嵌められる場合と、障子又はドアの一部(多くの場合は上部)に嵌められる場合と、窓に嵌め殺しに取り付けられる網窓の場合等があり、このような場合には、防虫網で開閉される枠組みの一の框を防虫網の網収納框として、その中に防虫網の巻取り筒が軸承される。いずれにしても、この明細書では、網戸が嵌め込まれる対象を窓枠と称することにする。
図10は、この種の網戸として本出願人に係る従来例を簡略的に示したもので、これによると、網戸の枠組みの一端の縦框が網収納框112として、その中に巻取り筒121が内装され、その巻取り筒121は、常時固定されている中心軸119と巻取り筒121との間に巻取りばね123が介在され、その一端が中心軸119に、他端が巻取り筒121にそれぞれ固定される。そこで、巻取り筒121に巻き取られている防虫網115を引き出すと、巻取り筒121が巻取りばね123の弾力に抗して回転するために、逆に防虫網115がその弾力により巻き取られる。
網収納框112は、このように巻取り筒121を内装するために、内部空間が広い押出形材で、その前面には開閉蓋113が取り付けられたものであって、他の框116よりも内部空間を広く取るために前面に突出する形状であり、そのため、室内側から見てその突出が他の框116に対してデザイン的に不釣り合いに目立つという問題があった。この点については、他の框に対して網収納框を室外側へ突出する形状にすれば解決するのではあるが(図9参照)、そうすると、凸部分が室外側の障子に不都合に接近することになり、これを避けるには、規格的な又は既存の窓枠を使用できなく、専用に特別な窓枠を製造することになるためコスト高となるという問題があった。
この発明は、上記のような実情に鑑みて、網収納框が室外側に突出する形状であっても、規格的な又は既存の窓枠を不都合なく使用できる窓枠における網戸の取付装置を提供することを課題とした。
上記の課題を解決するために、この発明は、室外側の障子とともに網戸が嵌まるよう枠組みされる左右上下の各枠の室内側端に、室内側片と室外側片を突設することにより枠内方へ開口する深溝が形成されるサッシの窓枠において、網戸の一の框が網収納框として他の框に対して室外側に張り出す一方、室内側では他の框と面一ないしほゞ面一であって、窓枠の各枠に前記深溝の箇所と結合して室内側に突出する帯状の支持部材を取り付け、この室内側へ突出する左右上下の支持部材に囲まれる中に網戸を差し入れることにより、各支持部材に各框をそれぞれビス止めしたことを特徴とする窓枠における網戸の取付装置を提供するものである。
窓枠における網戸の取付装置を上記のように構成したから、室内側から見て網戸の網収納框を含む各框が面一またはほゞ面一であり、網収納框が室外に突出していても、支持部材を介して網戸を室内側に位置させることにより、室外の障子との間隔を正常に保つことができる。
以上説明したように、この発明の窓枠における網戸の取付装置によれば、室内側からみて各框が面一の状態において体裁が良好であり、また、支持部材を介して室内側に寄せて取り付けるため、規格的または既存の幅の窓枠を使用しても室外の障子との関係に不都合がなく、特殊窓枠を使用しないでコスト安となるという優れた効果がある。
また、請求項2によれば、窓枠から網戸を取り外すことにより、さらにその網戸から巻取り筒等とともに網収納框を取り外すことができて掃除等がしやすく、また、請求項3によれば、防虫網の張りの強さ等を容易に調整できる。
図1ないし図7は、一実施形態を示したもので、この場合は、サッシの窓枠Fに室外障子Sと並列に網戸Pが嵌め込まれている。なお、障子Sは、窓枠Fの全体を開閉できるように、窓枠Fに沿って横へ移動する縦軸を中心に外へ開くことのできる「すべりだし障子」として実施されるが、引き違い障子として実施されることもある。また、図8に示すように、上下連窓において、上段の窓にはすべりだし障子(図示しない)と網戸Pとを嵌め、下段の窓にすべりだし障子Sa、または嵌め殺し障子を嵌めるというように、さまざまな実施態様がある。なお、図9は、図10の従来例との比較においてこの発明の網戸を概略的に示した。
サッシの窓枠Fは、左右縦枠1,2と上下枠3,4とからなり、下枠4が段状に形成され、低い外側に障子Sを嵌め、高い内側に網戸Pが嵌め込まれており、障子Sと網戸Pとの間には網収納框11が張り出す余裕のある空間が生じるように、網戸Pが室内側に突出して取り付けられ、その取付けのため、窓枠Fの各枠と網戸Pとの間には、アルミやプラスチック等の押出形材からなる支持部材7,7,・・が介在されている。
窓枠Fの各枠1,2,3,4は、室内側端において内外片9a,9bを突設することにより深溝9が形成され(図3)、室内側片9aの先に内向凸縁10が形成され、室外側片9bの先端が支持部材7を差し込み案内しやすく内向傾斜に形成される。また、支持部材7は、帯状の室外端部に深溝9に差し込まれる脚部片15と、室外側片9bに係る端掛け片17とが突設され、脚部片15には内向凸縁10が支点として或いは脱出止めとして係る凹溝18が形成される。したがって、取付けが容易でありながら内外幅方向に固定が確実となり、框11,12,13,14をビス22止めすることでそれを強力に支持できる。
網戸Pは、網収納框11とそれと並列する縦框12と、上下框13,14とで枠組みされ、防虫網16を引き出すためにその端に把手フレーム8が取り付けられ、移動可能に上下框13,14に係合される。そのうち、網収納框11は、図3に示すように、矩形を基本としてその前面と枠内側半部にわたって広く開口する断面形状であって、支持部材7の取り付け箇所がジグザグのリブ形状に形成され、そこにおいてビス22により支持部材7が取り付けられる。また、前面は蓋11aで封じられ、それにはビスポケットを設けて、上端が調整装置24を装備するための基盤49や上面プレート51に、下端が下部連結ブロック30にビス止めされる。
防虫網16の巻取り装置は様々となるが、この実施形態では、図6に示すように、網収納框11に、内部に常時固定される中心軸19を設けるとともに、中心軸19を中心に回転するように防虫網16の巻取り筒21を軸承し、中心軸19と巻取り筒21との間に巻取りばね23が介在され、その一端が中心軸19に他端が巻取り筒21と一体の軸承ブロック20にそれぞれ固定されている。したがって、防虫網16を引き出すときの巻取り筒21の回転で巻取りばね23に弾力が蓄積され、把手フレーム8を解放すると、その弾力で防虫網16が巻取り筒21に巻き取られる。また、網収納框11の上端には、巻取りばね23の強弱を調整する調整装置24が設けられる。そして、調整装置24との接続を絶って巻取り筒21を外すために、その上端には上端昇降軸装置25が具備される。
上端昇降軸装置25は、中央歯車26とでクラッチを構成するもので、巻取り筒21の上端に嵌着される凹形の上端キャップ31と、その凹部に落とし込まれる可動接続片33と、落とし込みに抗するように働くコイルばね35とから構成され、可動接続片33は、中心軸19の上端に嵌着されそれにリベット37で固定される。また、コイルばね35は、上端キャップ31の中において中心軸19に挿入され、上端で可動接続片33を上方に付勢し得るように受けている。可動接続片33は、上端面が噛合いクラッチ面39に形成され、その中心には端末軸41が突設され、端末軸41の上端にドライバー溝43が形成される。一方、調整装置24の中央歯車26の下面中心には下部軸38を突設し、その下端に前記クラッチ面39と噛み合うクラッチ面40が形成される。
巻取り筒21を取り外すときには、まず、それを持ち上げる。そうすると、コイルばね35の弾力に抗して可動接続片33が上端キャップ31に引っ込んでそれに応じるから、巻取り筒21の持ち上げにより下端軸29を下部連結ブロック30から引き抜くことができ、取り付けるときには丁度逆の操作となる。したがって、巻取り筒21の上下操作だけでその取付け取外し操作をなしうる。なお、巻取り筒21が取り外し可能であることは必ずしも要しない。つまり、上端昇降軸装置25を設けなく、中心軸19を直接中央歯車26に接続する簡単な構造であっても良い。
巻取り筒21の回転の中心軸19と一体回転する可動接続片33上端の端末軸41は、中央歯車26の軸支孔45に挿入されることにより、網戸Pの上面に露出しているので、ドライバーを付けることにより中央歯車26と共に中心軸19を回転することができ、後記するように、この操作で巻取りばね23を強に調整することができる。なお、47はワンウエイクラッチ、48がロータリダンパであって、巻取りばね23により巻取り筒21が巻きに回転する速度が制御される。
調整装置24は、網収納框11の上端にそれぞれビス止めされるプラスチック製の基盤49と、それを封じる金属製の上面プレート51との間に装備され、それぞれに連結片49a,51aが突設されることにより、網収納框11が上框13に連結される。なお、下部の連結片49aには、防虫網16が通るスリット53が形成されている。図4は、上面プレート51を省いて基盤49の内部に装備される調整装置24の構造を示したもので、それが前記した中央歯車26の他に、駆動用としての小径の副歯車50、揺動レバー56、コイルばねとしての圧縮ばね52が装備される。同図では、分かりやすくするために、中央歯車26の一部が切欠される。
基盤49は、図4および図5に示すように、周囲に周壁55を突設するとともに、前面において周壁55の半部を開放し、その開放口57の奥部には圧縮ばね52の収納室61が形成され、前面閉塞壁の内側部分に揺動レバー56の回動軸62が突設される。中央歯車26および副歯車50は、それぞれ基盤49および上面プレート51に軸支される。63が中央歯車26の軸支孔である。
中央歯車26は、大歯車26aの下にラチェット歯車26bが形成された複合歯車であって(図4、図6)、下部軸38に対応して上部軸69を有し、中心に巻取り筒21を支持する軸支孔45が形成され、下部軸38の下面にクラッチ面40が形成され、また、ラチェット歯車26bのラチェットは、防虫網9を引き出す回転に応じる逃げ角に形成される。また、揺動レバー56は、回動軸62を中心に屈折する「く」の字形であって、先端にラチェットの迎え角側に係る爪73が形成され、基端に開放口57に露出する押しボタン75が突設され、その後面を圧縮ばね52が押しているので、押しボタン75を押すと、先端の爪73がラチェット歯車26bから外れるために、中央歯車26の停止が解除される。この時適度の位置で押しを解除すると、巻取りばね23が適度に弱に調整される。
つまり、このときに巻取り筒21を固定しておけば、巻取りばね23の弾力による中心軸19の回転(消極回転)で巻取りばね23に蓄積されている弾力が緩和され、適当な時点で押しボタン75を放して中心軸19の回転を止めると、これで巻取りばね23が弱に調整される。また、ドライバーにより中央歯車26を回転して、中心軸19を巻取りばね23の弾力に抗して回転(積極回転)すると、この場合、回転を止めた時点で揺動レバー56の爪73が中央歯車26のラチェット歯車26bに掛かって中心軸19が固定されるから、巻取りばね23が強に調整される。また、副歯車50の軸の上部軸77にもドライバー溝79が形成されているので、副歯車50を回転すれば歯車の倍力機構で軽く中央歯車26を回転することができる。
図7において、(a)は網戸Pを組み立てた状態を示したもので、網収納框11が上端では基盤49の連結片49aと上面プレート51の連結片51aが上框13に挿入され、下端では下部連結ブロック30の連結片30aが下框14に挿入され、それぞれビス止めされている。そこで、窓枠Fから網戸Pを外した状態において、ビスを外して各連結片49a,51aおよび30aを抜くことにより、防虫網16や把手フレーム8が付いたまま網収納框11を枠組みから外すことができ(b)、こうして内部を掃除したり修繕したりすることができる。
この発明の一実施形態による窓枠における網戸の取付装置を示す平面から見た断面図である。 同窓枠における網戸の取付装置の縦断面図である。 図1のA部の拡大断面図である。 同網戸における調整装置の一部切欠した平面図である。 図4のB−B線矢視において基盤を上面プレートとの関係で示す断面図である。 同網戸における防虫網の巻取り装置を示す断面図である。 同網戸を組立て状態(a)と、網収納框を外した状態(b)とを示す正面図である。 他の実施形態による網戸の他の使用例を示す連窓の室内側から見た正面図である。 この発明に係る網戸の概略を示す断面説明図である。 図9との相対において従来例を示す断面説明図である。
符号の説明
F 窓枠
P 網戸
1,2,3,4 枠
7 支持部材
8 把手フレーム
9 深溝
9a 室内側片
9b 室外側片
11 網収納框
12,13,14 框
15 脚部片
16 防虫網
26a 大歯車
26b ラチェット歯車
19 中心軸
21 巻取り筒
22 ビス
23 巻取りばね
24 調整装置
26 中央歯車
30 連結ブロック
30a 連結片
49 基盤
49a 連結片
50 副歯車
51 上面プレート
51a 連結片
52 圧縮ばね
56 揺動レバー
61 収納室
75 押しボタン

Claims (3)

  1. 室外側の障子とともに網戸が嵌まるよう枠組みされる左右上下の各枠の室内側端に、室内側片と室外側片を突設することにより枠内方へ開口する深溝が形成されるサッシの窓枠において、網戸の一の框が網収納框として他の框に対して室外側で張出しに室内側では面一ないしほゞ面一にそれぞれ形成され、窓枠の各枠に前記深溝の箇所と結合して室内側に突出する帯状の支持部材を取り付け、この室内側へ突出する左右上下の支持部材に囲まれる中に網戸を差し入れることにより、各支持部材に各框をそれぞれビス止めしたことを特徴とする窓枠における網戸の取付装置。
  2. 網戸については、網収納框の中において常時固定の中心軸と防虫網の巻取り筒との間に巻取りばねを介在させ、防虫網の端に把手フレームが取り付けられ、網収納框の上端に中心軸の回転による巻取りばねの調整装置を備えてあって、調整装置を装備するために網収納框の上端に固定される基盤とそれに重なる上面プレートとのうちの少なくとも一方に上框に挿入される連結片が突設され、その連結片および下框に連結される連結ブロックとを介して網収納框が組み外し可能に組み付けられ、網収納框に調整装置の他に防虫網の巻取り筒および把手フレームを付属させたまま、その網収納框を他の框に対して脱着できるようにしてあることを特徴とする請求項1記載の窓枠における網戸の取付装置。
  3. 網戸については、網収納框の中において常時固定の中心軸と防虫網の巻取り筒との間に巻取りばねを介在させ、防虫網の端に把手フレームが取り付けられ、網収納框の上端に中心軸の回転による巻取りばねの調整装置を備えてあって、その巻取りばねの調整装置は、網収納框の上端に、周壁を有するとともに前面に開放口を有する基盤と、その上を封じる上面プレートとを固着し、その間の空間に、中心軸が一体回転に接続する中央歯車が軸支され、中央歯車が大歯車とラチェット歯車とからなる複合歯車であって、さらに、前記空間には、この中央歯車の大歯車に噛み合う駆動用の小径の副歯車と、ラチェット歯車に係合する爪付きの揺動レバーとを軸支する一方、揺動レバーを前記ラチェット歯車との係合に付勢するコイル形の圧縮ばねを内装し、前記基盤に圧縮ばねが倒伏して直に納まる収納室が形成され、揺動レバーの基端には前記開放口に露出する押しボタンが形成されていることを特徴とする請求項1記載の窓枠における網戸の取付装置。
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