JP3617483B2 - 電子部品実装方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェハシートに貼着された状態の半導体チップなど電子部品を基板に実装する電子部品実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程において、半導体チップは多数の個片チップより成るウェハから切り出され、切り出された個片の半導体チップはウェハシートから剥ぎ取られてピックアップされる。このピックアップ工程では、ウェハシートの上方に配置されたカメラによって各半導体素子を認識することにより各半導体の位置が検出される。そして半導体素子を移載ヘッドによって取り出して基板に搭載する際には、この位置検出結果に基づいて移載ヘッドの位置合わせを行うようにしていた。
【0003】
ところで、半導体チップの外形の中心と回路パターンなどの能動面の中心とは、半導体ウェハを個片に切断するダイシング時の位置誤差などの要因によって必ずしも一致せず、位置ずれを生じている場合がある。基板上における半導体素子の実装位置精度は能動面が基準となるため、前述の半導体素子の位置認識の際には能動面の位置を検出して機能上の素子中心位置を求め、この素子中心位置をねらって移載ヘッドの吸着ノズルを位置合わせすることが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吸着ノズルによって半導体素子の上面を真空吸着し取り出すピックアップ動作時には、吸着ノズルに対して半導体素子の位置ずれが生じ易く、検出された素子中心位置をねらって吸着ノズルを位置合わせしても、ピックアップ後においては半導体素子が位置ずれ状態となる場合が多い。そしてピックアップ後には半導体素子の能動面は吸着ノズルによって隠された状態になることから、素子中心位置を改めて検出することができない。このため従来の電子部品実装装置においては、半導体素子などの電子部品の外形と回路パターンなどの能動面との相対位置が位置ずれを生じている場合には、この位置ずれがそのまま実装位置精度を低下させる要因となっていた。
【0005】
そこで本発明は、電子部品の外形と能動面との相対位置が位置ずれを生じている場合においても、正しい実装位置精度を確保することができる電子部品実装方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品実装方法は、移載ヘッドによって電子部品をピックアップして基板に実装する電子部品実装方法であって、前記移載ヘッドに保持される前の電子部品を電子部品の能動面側から第1のカメラにより撮像する第1の撮像工程と、第1の撮像工程の撮像結果を認識することにより電子部品の外形位置および電子部品の能動面位置並びに外形中心C1と能動面中心C2の位置ずれ量Δx,Δyを検出する第1の認識工程と、第1の認識工程の検出結果に基づいて移載ヘッドのノズルのセンタを電子部品の能動面中心C2に位置合わせするように制御して電子部品をピックアップする工程と、前記移載ヘッドによって前記能動面側を保持された電子部品を第2のカメラによって裏面側から撮像する第2の撮像工程と、第2の撮像工程の撮像結果を認識することにより電子部品の外形位置を検出する第2の認識工程と、前記第1の認識工程における前記位置ずれ量Δx,Δyの検出結果と第2の認識工程における外形位置の検出結果とに基づいて前記移載ヘッドを駆動する移載ヘッド駆動機構を制御して前記ピックアップ時に発生した電子部品の位置ずれ誤差を補正することにより、電子部品の能動面を前記基板に位置合わせして基板に搭載する搭載工程とを含む。
【0008】
本発明によれば、部品供給部において電子部品を撮像して認識する第1の認識工程において電子部品の外形位置および電子部品の能動面位置を検出し、移載ヘッドによって部品供給部から取り出され移載ヘッドに保持された状態の電子部品を下方から撮像して認識する第2の認識工程において電子部品の外形位置を再び検出し、第1の認識工程の位置検出結果と第2の認識工程の位置検出結果とに基づいて移載ヘッド駆動機構を制御することにより、移載ヘッドに保持された電子部品の能動面を基板に位置合わせした上で基板に搭載することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の斜視図、図2,図3は本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図である。
【0010】
まず図1を参照して電子部品実装装置の構成について説明する。図1において部品供給部1は、ウェハ位置決め機構3によって移動するウェハ保持テーブル2を備えており、ウェハ保持テーブル2には電子部品である半導体チップ5が切り出された状態の半導体ウェハ4が保持されている。半導体チップ5は粘着シート2a(図2参照)に回路形成面側(能動面側)を上向きに貼着された状態でウェハ保持テーブル2に装着されている。
【0011】
ウェハ保持テーブル2の上方には、第1のカメラ12が配設されており、第1のカメラ12はウェハ保持テーブル2に保持された半導体ウェハ4を能動面側から撮像する。第1のカメラ12によって上方から撮像された画像データを第1の認識部13によって認識処理することにより、半導体チップ5を認識する。この半導体チップ5の認識においては、第1の認識部13は半導体チップ5の外形位置を認識するとともに、半導体チップ5の回路形成面の能動面位置を検出する。第1の認識部による検出結果は、制御部16に伝達される。
【0012】
部品供給部1の側方には、基板位置決め部6が配設されている。基板位置決め部6は基板位置決め機構8によって移動する基板保持テーブル7を備えており、基板保持テーブル7には基板9が保持されている。部品供給部1と基板位置決め部6の上方には、部品供給部1と基板位置決め部6を移動ストローク範囲内に含む移載ヘッド10が配設されている。移載ヘッド10は移載ヘッド駆動機構11によって移動し、ウェハ保持テーブル2に保持された半導体チップ5を能動面側を吸着して取り出して、基板保持テーブル7に保持された基板9上に搭載する。
【0013】
移載ヘッド10が部品供給部1から基板位置決め部6へ向かって移動する経路には、第2のカメラ14が配設されている。第2のカメラ14は移載ヘッド10に保持された状態の半導体チップ5を能動面とは反対側の裏面側から(下方から)撮像し、この撮像データを第2の認識部15によって認識処理することにより、再び半導体チップ5が認識される。この半導体チップ5の認識においては、半導体チップ5の外形位置が検出され、第2の認識部15による検出結果は、制御部16に伝達される。
【0014】
制御部16はウェハ位置決め機構3および基板位置決め機構8を制御し、第1の認識部13および第2の認識部15による半導体チップ5の位置検出結果に基づいて、制御部16が移載ヘッド駆動機構11、ウェハ位置決め機構3および基板位置決め機構8を制御することにより、以下に説明するように、電子部品実装動作において半導体チップ5の位置合わせを行う。
【0015】
次に図2,図3を参照して、電子部品実装方法について説明する。図2(a)において、粘着シート2aに貼着された状態の半導体チップ5は、上方の第1のカメラ12によって撮像される。そしてこの撮像結果を第1の認識部13で認識処理することにより、図2(b)で示すように、半導体チップ5の外形位置および能動面5aの位置が検出される(第1の認識工程)。
【0016】
これにより、半導体チップ5の外形中心C1および半導体チップ5の能動面中心C2が検出され、さらにこの検出結果に基づいて、外形中心C1と能動面中心C2との位置ずれ量(Δx、Δy)が求められる。これらの検出結果は制御部16に伝達される。ここで位置ずれ量(Δx、Δy)は、半導体ウェハ4のダイシングにおける位置合わせ誤差などによって生じるものである。
【0017】
次いで上記位置検出結果に基づいて制御部16が移載ヘッド駆動機構11、ウェハ位置決め機構3を制御することにより、移載ヘッド10によって半導体チップ5を取り出す。このとき、図2(c)に示すように、制御部16は移載ヘッド10のノズルセンタを半導体チップ5の能動面中心C2に位置合わせするように制御する。
【0018】
そして移載ヘッド10によって半導体チップ5の上面を吸着したならば、図2(d)に示すように、移載ヘッド10を上昇させて半導体チップ5を粘着シート2aから剥離させる。この取り出し動作において、半導体チップ5は移載ヘッド10に対して位置ずれを発生しやすく、移載ヘッド10を上昇させた後の状態では、能動面中心C2と移載ヘッド10のノズルセンタとは必ずしも一致しない。
【0019】
次いで半導体チップ5を保持した移載ヘッド10は、基板位置決め部6の上方に移動する。この移動経路において、図3(a)に示すように、移載ヘッド10に保持された状態の半導体チップ5は、第2のカメラ14によって裏面側から撮像される。この撮像結果を第2の認識部15によって認識処理することにより、半導体チップ5の外形位置が検出される(第2の認識工程)。
【0020】
この後、基板9への半導体チップ5の実装が行われる。すなわち図3(b)に示すように、実装位置に予め樹脂接着材17が塗布された基板9へ移載ヘッド10を下降させ、半導体チップ5を基板9に樹脂接着材17上に搭載する。この搭載動作においては、第2の認識部15による外形位置検出結果と、図2(b)において検出された外形中心C1と能動面中心C2との位置ずれ量(Δx、Δy)とに基づいて、すなわち第1の認識工程の位置検出結果と第2の認識工程の位置検出結果とに基づいて、移載ヘッド10に保持されている半導体チップ5の能動面の正確な位置を制御部16が計算し、移載ヘッド移動機構11を制御する。
【0021】
これにより、移載ヘッド10のノズルセンタと半導体チップ5の能動面中心C2が位置ずれを生じている場合にあっても、図3(c)に示すように、ノズルセンタと能動面位置との位置ずれ誤差を補正した上で、能動面5aの中心位置を正しく基板9の実装位置に位置合わせして半導体チップ5を実装することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、部品供給部において電子部品を撮像して認識する第1の認識工程において電子部品の外形位置および電子部品の能動面位置を検出し、移載ヘッドによって部品供給部から取り出され移載ヘッドに保持された状態の電子部品を下方から撮像して認識する第2の認識工程において電子部品の外形位置を再び検出し、第1の認識工程の位置検出結果と第2の認識工程の位置検出結果とに基づいて移載ヘッドを駆動する移載ヘッド駆動機構を制御することにより、移載ヘッドに保持された電子部品の能動面を基板の実装位置に位置合わせした上で基板に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品実装装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工程説明図
【符号の説明】
1 部品供給部
3 ウェハ位置決め機構
4 半導体ウェハ
5 半導体チップ
5a 能動面
6 基板位置決め部
8 基板位置決め機構
9 基板
10 移載ヘッド
11 移載ヘッド駆動機構
12 第1のカメラ
13 第1の認識部
14 第2のカメラ
15 第2の認識部
16 制御部
Claims (1)
- 移載ヘッドによって電子部品をピックアップして基板に実装する電子部品実装方法であって、前記移載ヘッドに保持される前の電子部品を電子部品の能動面側から第1のカメラにより撮像する第1の撮像工程と、第1の撮像工程の撮像結果を認識することにより電子部品の外形位置および電子部品の能動面位置並びに外形中心C1と能動面中心C2の位置ずれ量Δx,Δyを検出する第1の認識工程と、第1の認識工程の検出結果に基づいて移載ヘッドのノズルのセンタを電子部品の能動面中心C2に位置合わせするように制御して電子部品をピックアップする工程と、前記移載ヘッドによって前記能動面側を保持された電子部品を第2のカメラによって裏面側から撮像する第2の撮像工程と、第2の撮像工程の撮像結果を認識することにより電子部品の外形位置を検出する第2の認識工程と、前記第1の認識工程における前記位置ずれ量Δx,Δyの検出結果と第2の認識工程における外形位置の検出結果とに基づいて前記移載ヘッドを駆動する移載ヘッド駆動機構を制御して前記ピックアップ時に発生した電子部品の位置ずれ誤差を補正することにより、電子部品の能動面を前記基板に位置合わせして基板に搭載する搭載工程とを含むことを特徴とする電子部品実装方法。
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