JP3617270B2 - 電子装置の製造方法及び電子装置の製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子装置の製造方法に係り、特に、液晶表示体への半導体チップの実装を行う場合に好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、液晶表示体の基板の外部端子部に設けられた複数の入力端子に液晶駆動用のドライバ回路を内蔵した集積回路チップ(以下単に、「ドライバICチップ」という。)を直接実装したCOG型のパネルが製造されている。このCOG型のパネルを備えた液晶表示装置を製造する場合においては、液晶表示体の外部端子部上に異方性導電膜を介してドライバICチップを圧着することによって、液晶表示体の入力端子とドライバICチップとを導電接続するようにしている。
【0003】
このドライバICチップの実装工程においては、まず、図5に示すように保持テーブル20の吸着保持面21上に液晶表示体10を吸着保持した状態とし、液晶表示体10の外部端子部11a上に設置されたシート状の異方性導電膜13の上にドライバICチップ15を位置決めし、軽く押し付けて仮圧着を行う。次に、ドライバICチップ15を載せた液晶表示体10を保持テーブル20によって搬送し、圧着ヘッド22及び受け台23を含む圧着機構が配された場所に移動する。圧着ヘッド22は、保持テーブル20に保持された状態で搬送されてきた液晶表示体10の外部端子部11aを受け台23との間で上下から挟み込み、外部端子部11a上に配置されたドライバICチップ15に所定の圧力を加えるようになっている。このとき、通常、圧着ヘッド22の圧着部22aにはヒータが内蔵されており、ドライバICチップ15を加熱しながら圧力を加えることによって、異方性導電膜13を構成する未硬化樹脂を加圧しながら硬化させ、外部端子部10aの入力端子とドライバICチップの出力端子とを接着固定させるとともに、両者を導電接続させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の実装工程においては、保持テーブル20と圧着機構とを相対的に移動可能に構成する必要があるために、液晶表示体10を位置決めした状態で保持しかつ搬送するための保持テーブル20の吸着保持面21の高さと、圧着時における受け台23の受け面の高さとを完全に一致させるとともに、吸着保持面21の面方向と、圧着機構の圧着方向とを完全に直交させることは、現実には非常に困難である。
【0005】
したがって、実際には僅かではあるが、図5に示すように、吸着保持面と受け面との高さの差h及び圧着方向と吸着保持面21の法線との角度θが存在し、これらに起因して、ドライバICチップ15が外部端子部11a上において斜めに加圧され、ドライバICチップ15の実装姿勢が傾斜することによって、ドライバICチップと外部端子部との接着不良や導電接続不良などの実装不良が発生し易くなり、製品の歩留まりが低下するという問題点がある。
【0006】
また、同様の理由により、圧着時において保持テーブル20上に保持された液晶表示体10に応力が加わって歪みが発生する場合がある。この歪みが大きくなると液晶表示体にギャップムラが発生し、表示ムラ、色づき等の発生する可能性があり、或いは、シール不良の発生する場合もある。
【0007】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、液晶表示体等の基体の表面にドライバICチップ等の電子部品を圧着することにより実装する電子装置の製造方法において、電子部品の実装不良を低減し、製品の歩留まりを向上させることができるとともに、圧着時に加わる応力に起因する基体への影響によって発生する電子装置の特性不良を低減できる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は、保持体に保持された基体の表面上に圧着機構により電子部品を圧着させることによって、前記基体上に前記電子部品を実装してなる電子装置の製造方法において、前記基体を前記保持体によって保持した状態で前記基体を圧着位置に配置し、前記圧着機構により前記電子部品を圧着する際に、前記保持体による前記基体の保持力を解除若しくは低減することを特徴とする。
【0009】
この手段によれば、電子部品の圧着時に保持体による基体の保持力を解除若しくは低減することにより、基体の保持高さと圧着高さとのずれや基体の保持姿勢に対する圧着方向のずれが存在する場合でも、電子部品を基体に対して正確に圧着させることができるため、電子部品の実装不良を低減することができる。
【0010】
また、基体の保持力を解除若しくは低減することによって、圧着時において保持姿勢を維持することによって加わる応力を低減することができるので、基体の歪みなどの不具合の発生を抑制することができる。
【0011】
ここで、前記保持体の保持力の解除若しくは低減のタイミングを、前記圧着機構による前記電子部品の圧着工程の開始時点よりも僅かに遅らせることが好ましい。
また、前記保持体の保持力の解除若しくは低減のタイミングを、前記圧着機構による前記電子部品の圧着工程の開始時点よりも0.5秒以下の範囲で遅らせることが好ましい。
【0012】
この手段によれば、保持力の解除若しくは低減のタイミングを圧着開始時点から僅かに遅らせることによって、保持力の解除若しくは低減と圧着開始時点との間において発生しうる基体や電子部品の位置ずれを回避することができる。
【0013】
また、前記圧着機構による前記電子部品の圧着を終了する際に、前記保持体による前記基体の保持力を復帰させることが好ましい。
【0014】
この手段によれば、圧着終了時に保持力を復帰させることによって、圧着工程の終了後に直ちに次工程へと基体を送り出すことができる。
【0015】
この場合には、前記保持体の保持力の復帰のタイミングを、前記圧着ヘッドによる前記電子部品の圧着工程の終了時点よりも僅かに早めることが望ましい。
また、前記保持体の保持力の復帰のタイミングを、前記圧着ヘッドによる前記電子部品の圧着工程の終了時点よりも0.5秒以下の範囲で早めることが好ましい。
【0016】
この手段によれば、保持力の復帰のタイミングを圧着終了時点よりも僅かに早めることによって、圧着終了時点と保持力の復帰との間において発生しうる基体の位置ずれを回避することができる。
【0017】
上記各手段においては、前記基体は液晶表示体であり、前記電子部品は液晶駆動用の集積回路である場合がある。
【0018】
この場合には、液晶表示体への集積回路の実装不良を防止できるとともに、液晶表示体への応力を低減することによってパネルの歪みの発生を抑制することができるので、高品位の液晶表示装置を高い歩留まりで製造することができる。
また、本願発明は、基体を保持する保持体と、前記基体に電子部品を圧着する圧着機構と、を、備える電子装置の製造装置において、前記基体は、前記保持体によって保持された状態で圧着位置に配置されてなり、前記電子部品は、前記圧着機構により前記基板に圧着されてなるとともに、前記保持体は、その保持力を解除若しくは低減されてなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。本実施形態は、電子装置を、基体である液晶表示体と、この液晶表示体に実装された電子部品である液晶駆動用のドライバドライバICチップとを有する液晶表示装置とした例である。ただし、本発明はこのような例に限定されることなく、基体表面に電子部品を実装してなるものであれば、種々の電子装置に対して同様に適用できるものである。
【0020】
図2は、本実施形態によって製造した液晶表示装置の主要部分である液晶表示体10の構造を示す平面図である。MIM素子等のアクティブ素子を画素毎に備えたガラス製の素子基板11と、カラーフィルタ等を備えたガラス製の対向基板12とが図示しないシール材によって接合されて液晶表示セルを構成している。素子基板11と対向基板12の間におけるシール材の内側の液晶表示領域には液晶が注入されている。
【0021】
素子基板11の内面上には、基板面に沿って液晶表示領域内の縦横にマトリクス状に配列された画素領域に対応した配線層11bが形成され、この配線層11bに対して画素領域毎に設けられたMIM素子等のアクティブ素子と、アクティブ素子を介して配線層に接続された画素電極とが設けられている。一方、対向基板12の内面上には、画素領域に対応してストライプ状に形成された対向電極12bが形成され、その表面上にカラーフィルタが形成されている。
【0022】
素子基板11と対向基板12には、それぞれ他方の基板よりも外側に張り出した張出部からなる外部端子部11a,12aが形成されている。外部端子部11a,12aの内面上には、液晶表示領域内に形成された配線層11b及び対向電極12bに接続された多数の引出配線11c,12cが引き出され、その先端部に図示しない入力端子が並列して形成されている。
【0023】
外部端子部11a,12aの内面上に多数並列する入力端子上には、予めシート状の異方性導電膜13,14が配置される。この異方性導電膜13,14は、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂中に導電性粒子、たとえばNi粒子や微少な樹脂球に金若しくは銀被覆を施したものなどを混入したものである。この異方性導電膜13,14の表面上には、液晶駆動用のドライバ集積回路チップ(ドライバICチップ)15,16が圧着されている。
【0024】
図4は、本実施形態における電子部品の圧着工程の概略動作を示す説明図である。また、図1は、本発明に係る電子装置の製造方法の主要部分を説明するための拡大断面図(a)及び(b)である。液晶表示体10は保持テーブル20の上面に設けられた吸着保持面21に保持される。保持テーブル20は、図示しない真空排気装置に排気経路を構成する配管及び電磁弁からなる排気弁を介して接続され、配管は、図1に示す吸着保持面21の表面に形成された吸着溝21aに連通している。液晶表示体10は、この吸着溝21aから受ける負圧によって吸着保持面21上に密着保持される。
【0025】
保持テーブル20は、図示しない駆動機構によって水平方向及び垂直方向に移動可能に構成されており、図4に示すように、液晶表示体10の供給位置Aから圧着位置Bまで、及び、圧着位置Bから送出位置Cまで移動し、再び供給位置Aに戻るという動作を繰り返すようになっている。
【0026】
供給位置Aにおいては、図示しない保持アームから保持テーブル20の吸着保持面21上に液晶表示体10が移載され、保持テーブル20の吸着保持面21に液晶表示体10が吸着される。この液晶表示体10の外部端子部上には、予め、シート状の異方性導電膜13,14が配置され、この異方性導電膜13,14の上にドライバICチップ15,16が仮圧着されている。
【0027】
この仮圧着は、まず、ドライバICチップ15,16を吸着保持部を備えた保持アームによって把持し、液晶表示体10における外部端子部11a,12a上において位置決めした後、異方性導電膜13,14に対して軽く押圧することによって行われる。このときにドライバICチップ15,16に対して弱い加熱を行い、異方性導電膜の熱硬化性樹脂を不完全に硬化させる場合もある。異方性導電膜に光硬化性樹脂を用いる場合には、弱めの光照射若しくは短時間の光照射を行うことによって同様に硬化させることができる。
【0028】
なお、通常は、異方性導電膜13と14のいずれか一方にドライバICチップ15と16のうちの一方のみを仮圧着し、仮圧着されたドライバICチップに対して後述する圧着工程を行い、その後に、ドライバICチップ15と16のうちの他方を仮圧着し、この他方のドライバICチップに対して再び圧着工程を行うようにする。以下の説明は、外部端子部11aに異方性導電膜13を介してドライバICチップ15を圧着する場合についてのみ行う。
【0029】
保持テーブル20は水平方向に移動して圧着位置Bに到達し、必要ならば圧着ヘッド22及び受け台23の基準高さに合致するように垂直方向に移動して高さを調節する。ただし、保持テーブル20が予め基準高さにあわせた高さに配置されている場合には、保持テーブル20は水平方向にのみ移動するように構成されていればよい。
【0030】
圧着位置Bにおいては、圧着ヘッド22及び受け台23が上下に移動可能に構成されており、上記の基準高さにて圧着ヘッド22と受け台23とが液晶表示体10の外部端子部を所定圧力で上下から挟み込むように構成されている。ここで、液晶表示体10に複数のドライバICチップ15を圧着する必要があって、圧着ヘッド22及び受け台23が1組のみ用意されている場合には、保持テーブル20を図示一点鎖線に示すようにドライバICチップ15の取り付け間隔ずつ小刻みに移動させて、順次に圧着を行う。この場合、保持テーブル20の代わりに圧着ヘッド22及び受け台23からなる圧着機構を移動させてもよい。
【0031】
ドライバICチップ15の圧着が全部完了すると、再び保持テーブル20は圧着位置Bから離れ、液晶表示体10の次工程へ送り出すための送出位置Cへと移動する。
【0032】
圧着位置Bにおいては、図1(a)に示すように、まず、保持テーブル20によって液晶表示体10が位置決めされ、ドライバICチップ15が仮圧着されている外部端子部が圧着ヘッド22の圧着部22aと受け台23の受面部23aとを結ぶ垂直線上に配置される。
【0033】
次に、図1(b)に示すように、圧着ヘッド22が降下すると同時に受け台23も上昇し、上下から液晶表示体10の外部端子部11a及びドライバICチップ15を挟み込み、所定の加圧力を印加する。次の瞬間、保持テーブル20に接続された排気弁は遮断され、同時に、別途設けられた、排気経路の保持テーブル20側を大気圧に解放するためのリーク弁が開放されることにより、その排気経路は負圧を失って大気圧となるため、保持テーブル20の吸着保持力はほとんど消失し、液晶表示体10は保持テーブル20の吸着保持面21から離れることができるようになる。
【0034】
なお、受け台23を移動しないように構成し、保持テーブル20が受け台23の受面部23aの高さに合わせて位置決めされるように構成してもよい。
【0035】
この圧着状態においては、圧着ヘッド22と受け台23とから印加される加圧力によって、外部端子部11a上に形成されている入力端子とドライバICチップ15の底面上に形成されている出力端子とが異方性導電膜13を押しつぶし、両者は異方性導電膜13内に含まれている導電性粒子を介して導電接続される。このとき、圧着ヘッド22の圧着部22a内に内蔵されているヒータによってドライバICチップ15は加熱されるため、異方性導電膜13もまた加熱され、その結果、異方性導電膜13の熱硬化性樹脂が重合硬化し、ドライバICチップ15は外部端子部上に接着固定される。
【0036】
上述の熱圧着においては、たとえば、圧着部22aのヒータ温度を300℃程度とすることによって異方性導電膜の加熱温度を200℃程度とし、たとえば15mm×1mm程度の面積を有するチップの場合に1チップ当たり10kg程度の加圧力を加え、これを10秒程度維持する。
【0037】
本実施形態では熱圧着を行うように圧着部22aの内部にヒータを内蔵しているが、異方性導電膜に光硬化性樹脂を用いる場合には、たとえば、受け台23の受面部23aをガラス等の透明部材若しくは透光性部材で構成し、受け台23の内部に光源若しくは光放出部を配置することによって、加圧しながら光照射を行うことができる。
【0038】
圧着状態を維持するための予め設定された時間がほぼ経過すると、リーク弁が遮断されるとともに、排気弁が開放される。これによって、液晶表示体20は再び保持テーブル20の吸着保持面21に吸着保持される。そして次の瞬間、圧着ヘッド22及び受け台23はそれぞれ上下に移動して外部端子部11aを解放し、図1(a)に示すそれぞれの元の位置に復帰する。
【0039】
図3は、上述の圧着工程前後の保持テーブル20の液晶表示体10に対する吸着を行っている期間、保持テーブル20の搬送期間、及び上記圧着機構による圧着期間との相互関係を示すタイミングチャートである。
【0040】
上述のように、本実施形態においては、圧着期間のほとんどの期間において液晶表示体10が保持テーブル20から解放されているため、保持テーブル20の吸着保持面21の高さと基準高さとがずれていても、或いは、吸着保持面21の面方向と圧着ヘッド22及び受け台23による圧着方向とが相互に直交する正規の状態からずれていても、接着固定されるドライバICチップ15が傾斜姿勢に固定されたり、液晶表示体10に不要な応力を与えたりすることがほとんどなく、支障なく圧着を行うことができる。この結果、ドライバICチップ15を液晶表示体10の外部端子部上に対して高精度かつ確実な導電接続状態にて実装することができ、また、液晶表示体10に対して歪みを発生させずに処理を行うことが可能となる。
【0041】
従来の方法においては、導通不良や接着不良以外にも、外部端子部11a上の入力端子の配列ピッチが小さい場合には、ドライバICチップ15の圧着姿勢が僅かでも傾斜すると、ドライバICチップ15の出力端子と外部端子部11aの入力端子との間の位置の対応関係にずれが生じ、誤接続の危険性がある。
【0042】
理想的には、吸着保持面21上のドライバICチップ15の保持位置と、基準位置及び圧着方向との間の整合精度が低くても、保持テーブル20が液晶表示体10の吸着保持を解除した瞬間に圧着機構による圧着が開始されるとともに、圧着機構による圧着が終了した瞬間に保持テーブル20が液晶表示体10の吸着保持を開始するようになっていれば、液晶表示体10と圧着機構との間に不要な応力を完全に発生させることがなく、ドライバICチップ15を液晶表示体10の外部端子部の上に正確に固着させることができる。
【0043】
しかしながら、実際には、保持テーブル20の吸着保持の解放時点と圧着開始時点及び圧着終了時点と吸着保持を再開時点との間に時間間隔があると、液晶表示体10自体の位置ずれ(いわゆる基板浮きずれ)、並びに、液晶表示体10の外部端子部上に予め仮圧着されたドライバICチップの位置ずれが発生する可能性がある。これらの位置ずれは、特に、吸着保持面21と基準位置及び圧着方向との整合精度が低くなれば成る程、大きくなる危険性がある。
【0044】
そこで、本実施形態においては、上述のように、保持テーブル20による吸着保持の終了時点を圧着開始時点よりも時間taだけ遅らせるとともに、圧着終了時点を吸着保持の再開時点よりも時間tbだけ遅らせるようにしている。これらの時間ta,tbは、通常0.5秒以下に設定され、ごく僅かな時間であるが、これらの時間ta,tbによって、保持テーブル20による吸着保持と圧着機構による圧着が圧着開始時点及び圧着終了時点においてそれぞれ同時並行して行われるため、液晶表示体10自体の位置ずれ及びドライバICチップ15の位置ずれを防止することができる。
【0045】
上記時間ta,tbを長くすると、保持テーブル20による吸着保持と圧着とが並行して行われる時間が長くなり、本発明による効果が失われるため、動作精度の範囲内でなるべく短くすることが好ましい。実際には、圧着が開始されてドライバICチップ15と液晶表示体10の入力端子とが導通状態になるまでにある程度の初期圧着時間がかかるため、この初期圧着時間と上記の時間taとをほぼ一致させることが好ましい。同様に、圧着が終了しようとして圧着機構を移動させ始めてからドライバICチップ15と液晶表示体10との間の加圧力が完全に除去されるまでにある程度の圧力解放時間がかかるため、この圧力解放時間と上記の時間tbとをほぼ一致させることが好ましい。このようにすると、圧着による加圧力が完全に加わっている状態では、液晶表示体10は保持テーブル20から解放されていることとなるため、上記の位置ずれを回避しつつ、液晶表示体10と圧着機構との間に生ずる応力を低減することができる。このような設定においては、電子部品であるドライバICチップ15と基体である液晶表示体10とが導通している期間において、或いは、圧着力が完全に印加されている期間において、保持体である保持テーブル20からの保持力が解除若しくは低減されていることとなる。
【0046】
なお、上記実施形態においては、液晶表示体10を真空吸着によって保持しているが、保持方法としては、吸着に限定されることなく、他の方法、たとえば機械的な保持方法であってもよい。また、上記実施形態では、圧着時において保持テーブルによる保持力を完全に消失させているが、保持体の保持方法において可能であれば、保持力を低減するだけでも効果的である。保持力を低減することによって基体に対する拘束力を低減することができるため、基体の姿勢を圧着状態に合わせることができ、また、基体に対する応力を低減できるからである。
【0047】
上記実施形態では、電子部品であるドライバICチップを予め基体である液晶表示体に対して仮圧着しておき、しかる後に、圧着機構によって圧着するようにしているが、本発明は、たとえば圧着ヘッドに電子部品を保持させるなどの方法により、圧着機構によって直接に電子部品を圧着する場合にも同様に適用できるものである。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電子部品の圧着時に保持体による基体の保持力を解除若しくは低減することにより、基体の保持高さと圧着高さとのずれや基体の保持姿勢に対する圧着方向のずれが存在する場合でも、電子部品を基体に対して正確に圧着させることができるため、電子部品の実装不良を低減することができる。
【0049】
また、基体の保持力を解除若しくは低減することによって、圧着時において保持姿勢を維持することによって加わる応力を低減することができるので、基体の歪みなどの不具合の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子装置の製造方法の実施形態を示すための拡大断面図(a)及び(b)である。
【図2】同実施形態によって製造された電子装置である液晶表示体の概略構造を示す概略平面図である。
【図3】同実施形態における保持テーブルによる液晶表示体の吸着期間、保持テーブルによる搬送期間、並びに、圧着工程における圧着時間の関係を示すタイミングチャートである。
【図4】同実施形態における保持テーブルの移動状態の概略を示す説明図である。
【図5】従来の液晶表示体に対する圧着機構の保持状態を説明するための拡大断面図である。
【符号の説明】
10 液晶表示体
11 素子基板
11a,12a 外部端子部
12 対向基板
13,14 異方性導電膜(シート)
15,16 ドライバICチップ
20 保持テーブル
21 吸着保持面
21a 吸着溝
22 圧着ヘッド
22a 圧着部
23 受け台
23a 受面部
Claims (8)
- 保持体に保持された基体の表面上に圧着機構により電子部品を圧着させることによって、前記基体上に前記電子部品を実装してなる電子装置の製造方法において、
前記基体を前記保持体によって保持した状態で前記基体を圧着位置に配置し、
前記圧着機構により前記電子部品を圧着する際に、前記保持体による前記基体の保持力を解除若しくは低減することを特徴とする電子装置の製造方法。 - 請求項1において、前記保持体の保持力の解除若しくは低減のタイミングを、前記圧着機構による前記電子部品の圧着工程の開始時点よりも僅かに遅らせることを特徴とする電子装置の製造方法。
- 請求項1において、前記保持体の保持力の解除若しくは低減のタイミングを、前記圧着機構による前記電子部品の圧着工程の開始時点よりも0.5秒以下の範囲で遅らせることを特徴とする電子装置の製造方法。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、前記圧着機構による前記電子部品の圧着を終了する際に、前記保持体による前記基体の保持力を復帰させることを特徴とする電子装置の製造方法。
- 請求項4において、前記保持体の保持力の復帰のタイミングを、前記圧着ヘッドによる前記電子部品の圧着工程の終了時点よりも僅かに早めることを特徴とする電子装置の製造方法。
- 請求項4において、前記保持体の保持力の復帰のタイミングを、前記圧着ヘッドによる前記電子部品の圧着工程の終了時点よりも0.5秒以下の範囲で早めることを特徴とする電子装置の製造方法。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、前記基体は液晶表示体であり、前記電子部品は液晶駆動用の集積回路であることを特徴とする電子装置の製造方法。
- 基体を保持する保持体と、
前記基体に電子部品を圧着する圧着機構と、
を、備える電子装置の製造装置において、
前記基体は、前記保持体によって保持された状態で圧着位置に配置されてなり、
前記電子部品は、前記圧着機構により前記基板に圧着されてなるとともに、前記保持体は、その保持力を解除若しくは低減されてなることを特徴とする電子装置の製造装置。
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