JP3617053B2 - 5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物、ならびに5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン及び3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジンの製造におけるそれらの利用 - Google Patents

5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物、ならびに5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン及び3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジンの製造におけるそれらの利用 Download PDF

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Description

本発明は5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物、ならびに5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン化合物及び3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物の製造におけるそれらの利用に関する。
有力な除草剤である5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアミド化合物は米国特許第5,163,995号に記載されており、適当に置換された2−ヒドロカルビルチオ−5−アルキルチオ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物を中間体として用いた多段階法において製造されることが開示されている。製造は置換されたアルカンチオールと反応して除去することができるエレチン性非置換化合物の存在下でアルキルチオ部分がアルコキシ部分で置換される置換反応を必要とする。この方法は冗長で所望の生成物を中程度の収率でしか与えず、副生成物であるアルキルチオエチル部分−含有化合物を生じ、これは廃棄物として処理しなければならない。除草性5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアミド化合物の製造のための改良法は、その製造に有用な中間体の製造のための改良法も含めて非常に価値があり、改良法の実行に必要であろう中間体も同様である。
5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物も5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン化合物も当該技術分野において記載されたことがない。3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物も新規である。
今回、5−ルアコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物が製造され、転位による5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン化合物の製造に有用であり、結局N−(置換フェニル)−5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアミド除草剤の製造の中間体として用いることができることが見いだされた。得られる方法は、以前に記載されている方法より経済的に、及びより容易に行える方法でN−(置換フェニル)−5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアミド除草剤を製造することを可能にする。
本発明は式I:
Figure 0003617053
[式中、
Y及びZの一方はF、Cl、Br、R'又はOR'を示し、他方はHを示し、
R及びR'はそれぞれ独立してCH3又はC2H5を示す]
の5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物、ならびに該化合物とpKaが9.4〜11.4であるトリアルキルアミン化合物との付加物であるそれらのトリアルキルアンモニウム塩を含む。
Y及びZの一方がF、Cl又はBrを示し、他方がHを示す式Iの化合物が一般に好ましい。通常フッ素化化合物がより好ましいが、塩素化化合物がより好ましい場合もある。含まれるトリアルキルアミンが式II:
Figure 0003617053
[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立してC1−C4アルキル又はベンジルを示すか、あるいはR1、R2及びR3の2つが一緒になって式−(CH2−、−(CH2−、O(C2H4−)又はCH3N(C2H4−)の部分を示すか、あるいはR1、R2及びR3の3つすべてが一緒になって式N(C2H4−)の部分を示す]
の化合物であるトリアルキルアンモニウム塩が好ましい塩であり、トリエチルアンモニウム塩が特に好ましい。
本発明はさらに式I:
Figure 0003617053
[式中、
Y及びZの一方はF、Cl、Br、R'又はOR'を示し、他方はHを示し、
R及びR'はそれぞれ独立してCH3又はC2H5を示す]
の5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物の利用法を含み、その方法は該化合物をRがCH3又はC2H5を示す式ROHのアルコールを含む媒体中で−10℃〜40℃の温度において、少なくとも1モル当量のRがCH3又はC2H5を示し、Mがアルカリ金属を示す式ROMのアルカリ金属アルコキシドで処理し、アルカリ金属アルコキシド及びアルコールはRがアルカリ金属アルコキシド、アルコール及び5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物において同一であるように選択され、その後混合物を酸性化して式III:
Figure 0003617053
[式中、R、Y及びZは前記で定義された通りである]
の5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン化合物を得ることを特徴とする。
Y及びZの一方がF、Cl又はBrを示し、他方がHを示す式IIIの化合物が好ましい。通常Y及びZの一方がFを示し、他方がHを示す化合物がより好ましく、Y及びZの一方がClを示し、他方がHを示す化合物がより好ましいこともある。
本発明はさらに式I:
Figure 0003617053
[式中、
Y及びZの一方はF、Cl、Br、R'又はOR'を示し、他方はHを示し、
R及びR'はそれぞれ独立してCH3又はC2H5を示す]
の化合物とpKaが9.4〜11.4のトリアルキルアミン化合物の付加物である5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物のトリアルキルアンモニウム塩の利用法を含み、その方法は不活性溶媒中で該塩を少なくとも等モル量のベンジルハライド又はC2−C4アルキルハライドで処理し、式IV:
Figure 0003617053
[式中、X、Y及びRは前記と同義であり、R4はベンジル又はC2−C4アルキルを示す]
の3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物を得ることを含む。
通常Y及びZの一方がF、Cl又はBrを示し、他方がHを示す式IVの化合物が好ましい。通常Y及びZの一方がFを示し、他方がHを示す化合物がより好ましく、Y及びZの一方がClを示し、他方がHを示す化合物がより好ましいこともある。R4がベンジルを示す化合物が典型的に好ましい。
式IVの3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物は、RがCH3又はC2H3を示す式ROHのアルコールを含む媒体中で、RがCH3又はC2H5を示す式ROMのアルカリ金属アルコキシドで処理することにより式V:
Figure 0003617053
の対応する2−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン化合物に変換することができ、アルカリ金属アルコキシド及びアルコールはRがアルカリ金属アルコキシド、アルコール及び3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物において同一であるように選ばれる。
本発明の化合物は、アルコキシ基がメトキシ又はエトキシであり、7−もしくは8−位に1つのハロゲン、アルキル又はアルコキシ置換基がある5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物、ならびにこれらの化合物とトリアルキルアミン化合物の反応生成物として特徴づけることができる。それらは式I:
Figure 0003617053
[式中、Rはメチル又はエチルを示し、Y及びZの1つはフッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシを示し、他は水素を示す]の5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物、ならびにそれらのトリアルキルアンモニウム塩を含む。5−アルコキシ−(7−もしくは8−フルオロ、クロロ、もしくはブロモ)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物が多くの場合に好ましい。典型的にフッ素化化合物がより好ましいが、塩素化化合物がより好ましいこともある。
式Iのいくつかの特に好ましい化合物には5−エトキシ−7−(フルオロもしくはクロロ)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン、5−メトキシ−7−(フルオロもしくはクロロ)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン、5−エトキシ−8−(フルオロもしくはクロロ)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン及び5−メトキシ−8−(フルオロもしくはクロロ)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオンが含まれる。
式Iの化合物は本明細書において3(2H)−チオン化合物として命名され、描かれている。それらは2つの構造がケト−エノール型の異性体であり、それらが動的平衡にあるので3−チオール化合物としても同様に命名され、描かれてきた。式Iの化合物のケト及びエノール異性体は下記の通りに示される:
Figure 0003617053
式Iの化合物のトリアルキルアンモニウム塩は、これらの化合物と式II:
Figure 0003617053
[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立して炭素数が1〜4のアルキル又はベンジルを示すか、あるいはR1、R2及びR3の2つが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、モルホリン又はN−メチルピペラジンを示すか、あるいはR1、R2及びR3の3つすべてが窒素原子と一緒になって1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンを示す]のトリアルキルアミン化合物のようなpKaが9.4〜11.4のトリアルキルアミン化合物との付加物とみなすことができる。トリエチルアンモニウム塩が好ましい塩である。
式Iの5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物は非常に安定というわけではなく、固体の状態でも放置すると分解する傾向がある。これらの化合物は、その製造の直後に他のもっと安定な化合物の合成における中間体として用いるのが好ましい。
本発明の5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物は、式III:
Figure 0003617053
[式中、Rはメチル又はエチルを示し、Y及びZの1つはフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシを示し、他は水素を示す]
の5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン化合物の製造法において用いることができる。これらの化合物は5−位のメトキシ又はエトキシ置換基、及び7−もしくは8−位にハロ、アルキル又はアルコキシ置換基を有する1,2,4−トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン化合物として特徴づけることができる。利用法に含まれる方法は、Y及びZの1つがフルオロ、クロロ又はブロモを示し、他が水素を示す式IIIの化合物の製造に用いられるのが好ましい。方法は、Y及びZの一方がフルオロを示し、他方が水素を示す式IIIの化合物の製造の場合に特に興味深く、Y及びZの一方がクロロを示し、他方が水素を示す化合物の場合にかなり興味深い。
製造することができるいくつかの特に好ましい式IIIの化合物には8−フルオロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン、5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン、8−クロロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン及び7−クロロ−5−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオンが含まれる。
式IIIの化合物は本明細書において2(3H)−チオン化合物として命名され、描かれている。それらは2つの構造がケト−エノール型の異性体であり、それらが動的平衡にあるので2−チオール化合物としても同様に命名され、描かれてきた。式IIIの化合物のケト及びエノール異性体は下記の通りに示される:
Figure 0003617053
式Iの化合物が式IIIの化合物に変換される方法は、式I:
Figure 0003617053
[式中、Rはメチル又はエチルを示し、Y及びZの1つはフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシを示し、他は水素を示す]
の5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物を、溶媒又は溶媒の1つとしてメタノール又はエタノールを含む媒体中で少なくとも1モル当量のアルカリ金属メトキシド又はエトキシドと合わせることを含む。アルカリ金属アルコキシド及びアルコールは、式Iの化合物の5−アルコキシ基、アルコキシド及びアルコールのすべてが同一のアルキル基(メチル又はエチル)を有するように選ばれなければならない。試薬がそのように適合していない場合、交換反応が起こり、それは有意に収率を低下させ、回収法を複雑にする。
方法において用いられるアルカリ金属アルコキシドはメタノール及びエタノールのリチウム、ナトリウム及びカリウム誘導体である。少なくとも1モル当量のアルカリ金属アルコキシドが用いられる。アルカリ金属アルコキシド対式Iの化合物の比率は1〜2が典型的である。一般に1.03〜1.3の比率が好ましい。もっと高いアルカリ金属アルコキシドの濃度は方法に不利である。
方法の反応媒体は適したアルコールを含まねばならず、他の適合性の溶媒も含むことができる。そのような溶媒は含まれるアルコールと混和性でなければならず、アルカリ金属アルコキシドを過剰に沈澱させてはならず、試薬又は生成物のいずれとも反応性であってはならない。そのような適合性の溶媒にはアセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが含まれる。反応媒体は2パーセントより少ない水を含むのが好ましい。0.2パーセントより少ない水を含むのがより好ましい。水の存在は出発材料、生成物又は両方を破壊する副反応に対して責任がある。可能な限り少量の反応媒体を用いるのが多くの場合に好ましく、媒体における式I及びIIIの化合物の完全な溶解性は必要でない。
異性化は周囲温度で十分に進行し、一般に−10℃〜40℃の温度で行われる。多くの場合0℃〜30℃の温度が好ましい。出発材料及び生成物は高温で分解する傾向がある。方法をそのような低い、便利な温度で行えるという事実は本方法の重要な特徴である。
方法は従来の容器で行うことができる。典型的に反応混合物は十分な混合を保証するために撹拌される。
転位反応は数分から数時間かけて起こり、式IIIの化合物のアルカリ金属塩を含む混合物が最初に得られる。所望の式IIIの化合物の塩は完全に安定というわけではないので、この混合物を長時間放置することは許されない。式IIIの化合物自身は、媒体の中和に十分な酸を加えることにより得られる。
本質的にいずれの有機又は無機プロトン酸も酸性化に用いることができる。典型的に安価で入手の容易なpKaが8より低い酸、例えば塩酸、硫酸又は酢酸が用いられる。塩酸が好ましい。典型的に、正確な中和に必要な量より過剰の量の酸が加えられる。
所望の式IIIの化合物は、酸性化すると形成される沈澱を集めることにより回収することができる。酸性化の後の収集の前に典型的に水が加えられ、確実に完全に沈澱させる。回収される生成物は、濾過又は遠心により集めることができ、必要なら従来の方法により乾燥することができ、但し過剰の熱は避ける。これらの化合物は再結晶、液体クロマトグラフィーなどの従来の方法によりさらに精製することができる。しかしそれらは非常に安定というわけではなく、固体の状態においても放置すると分解する傾向がある。これらの化合物は、製造の直後に他のもっと安定な化合物の合成における中間体として用いるのが好ましい。
式IIIの化合物は式V:
Figure 0003617053
[式中、Rはメチル又はエチルを示し、X及びYの一方はフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシを示し、他方は水素を示し、R4はベンジル又はC2−C4アルキルを示す]
の2−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン化合物に変換することができる。変換は、式IIIの化合物を穏やかな反応条件下でトリエチルアミン化合物、ナトリウムエトキシド又はカリウムメトキシドなどの塩基及びベンジルハライド又はC2−C4アルキルハライド、例えばベンジルクロリド又はエチルブロミド、あるいはそれらの実質的同等物で処理することにより行われる。典型的に反応はメタノール又はエタノール溶媒中で周囲温度又は最高50℃の温度において、確実に混合するために撹拌しながら行われる。式IIIのRがメチルを示す場合、メタノール及びアルカリ金属メトキシドをそれぞれ溶媒及び塩基として用いるのが好ましく、Rがエチルを示す場合、エタノール及びアルカリ金属エトキシドを用いるのが好ましい。ナトリウムアルコキシドが好ましいアルカリ金属アルコキシドである。反応条件は本質的に、当該技術分野において周知の類似のアルキル化反応の条件と同じである。
本発明の式Iの化合物の利用法の過程において最初に得られる式IIIの化合物のアルカリ金属塩を、酸性化するより反応混合物にベンジルハライド又はC2−C4アルキルライド、例えばベンジルクロリド又はエチルブロミド、あるいはそれらの実質的同等物を加えることにより式Vの化合物に変換するのが多くの場合に便利である。アルキル反応は反応容器中にすでに確立されている条件と同一の条件下で行うことができ、あるいは最適の結果のために上記に示されている指針内で変えることができる。得られる式Vの化合物は従来の方法で回収することができる。
式I:
Figure 0003617053
[式中、Rはメチル又はエチルを示し、Y及びZの一方はフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシを示し、他方は水素を示す]
の化合物の、式II:
Figure 0003617053
[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立してC1−C4アルキル又はベンジルを示すか、あるいはR1、R2及びR3の2つが窒素原子と一緒になってピロリジン、ピペリジン、モルホリン又はN−メチルピペラジンを示すか、あるいはR1、R2及びR3の3つすべてが窒素原子と一緒になって1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンを示す]
の化合物のような、しかしそれに限定されるわけではないpKaが9.4〜11.4のトリアルキルアミン化合物との付加物である5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物のトリアルキルアンモニウム塩を、式IV:
Figure 0003617053
[式中、X、Y及びRは前文と同義であり、R4はベンジル又はC2−C4アルキルを示す]
の3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン誘導体化合物の製造に用いることができる。Y及びZの一方がフルオロ、クロロ又はブロモを示し、他方が水素を示す式Iの化合物のトリアルキルアンモニウム塩の使用が好ましい。通常Y及びZの一方がフルオロを示し、他方が水素を示す化合物の使用がより好ましく、Y及びZの一方がクロロを示し、他方が水素を示す化合物の使用がより好ましいこともある。式IIの化合物から誘導されるトリアルキルアンモニウム塩が通常好ましく、トリエチルアンモニウム塩(R1、R2及びR3がそれぞれエチルを示す)が通常用いられる。塩から3−ベンジルチオ化合物(式IVのR4がベンジルを示す)への変換が一般に好ましい。
方法は、式Iの化合物のトリアルキルアンモニウム塩をベンジルハライド又は炭素数が2〜4のアルキルハライド、例えばベンジルクロリド又はエチルブロミド、あるいはそれらの実質的に同等物と、塩が少なくとも部分的に溶解性である溶媒、例えばアセトニトリル/水、メタノール又はエタノール中で合わせ、混合物を周囲温度で放置するか、又はそれを40℃〜80℃に加熱することにより行われる。過剰の加熱及び大過剰のトリアルキルアミン化合物は望ましくない副反応に導く。反応条件は本質的に、関連アルキル化反応に関して当該技術分野で既知の条件と同じである。得られる式IVの化合物は濾過又は溶媒の蒸発などの従来の方法により回収することができ、液体クロマトグラフィー、溶媒からの再結晶又は抽出などの従来の方法により容易に精製することができる。
この利用法で用いられるトリアルキルアンモニウム塩化合物は、下文に記載する通り2−アルコキシ−4−ヒドラジノピリミジン化合物、二硫化炭素及び過酸化水素のトリアルキルアミン化合物の存在下における反応により得ることができる。これらの化合物は式Iの化合物の、式IIの化合物のようなトリアルキルアミン化合物との反応によっても得ることができる。この製造は、式Iの化合物をアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解し、少なくとも1モルのトリアルキルアミン化合物を加えることにより容易に行うことができる。式Iの化合物が溶解性であるがトリアルキルアンモニウム塩が不溶性の溶媒が運ばれると、塩は沈澱し、濾過又は遠心により回収することができる。回収された塩は従来の方法で乾燥することができる。アセトニトリル及び水の1:1の混合物のような塩が可溶性の溶媒が用いられると、塩は溶液中に残り、その形態で用いることができる。
式IVの3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物は、等モル量以下のアルカリ金属アルコキシドが必要であり、生成物が塩ではなく、回収の前に酸を用いた中和が必要でないということを除いて式Iの化合物から式IIIの化合物への変換の場合に上文で記載した条件と類似の反応条件下でアルカリ金属アルコキシドで処理することにより、式V:
Figure 0003617053
[式中、Rはメチル又はエチルを示し、Y及びZの一方はフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシを示し、他方は水素を示す]
の2−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン化合物に変換することができる。1:100〜1:1のアルカリ金属アルコキシド:式IVの化合物のモル比が一般に用いられる。通常1:50〜1:4のモル比が好ましい。異性化は典型的にアルコール溶媒を含む媒体中で行われる。媒体中のアルコール、アルカリ金属アルコキシド及び式IVの化合物のRのすべてが同一のアルキル基を有することが重要である。かくしてRがメチルを示す場合、アルカリ金属メトキシド及びメタノールが用いられ、Rがエチルを示す場合、アルカリ金属エトキシド及びエタノールが用いられる。0℃〜60℃の温度が典型的であり、10℃〜50℃の温度が通常好ましい。混合物は典型的に反応の間、撹拌され、確実に十分に混合される。式Vの化合物は、水を加えて確実に完全に沈澱させ、続いて濾過又は遠心することによるなどの従来の方法により回収することができる。
式Vの化合物は米国特許第5,163,995号及び第5,177,206号から、除草性5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアミド化合物の製造のために有用であるとして既知であり、これらの文献の適した部分は引用することにより本明細書の内容となる。式Vの化合物は水性媒体中で塩素を用いた処理により対応する2−クロロスルホニル化合物に変換することができ、2−クロロスルホニル化合物は、アセトニトリルなどの不活性溶媒中で第3アミン及び/又は触媒量のジメチルスルホキシドの存在下において、適当に置換されたアニリン又はN−トリアルキルシリルアニリン化合物とカップリングさせることができる。式IIIの化合物が除草性5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアミド化合物に同様の方法で直接変換することができる。
別の、そして通常好ましい方法として、式IIIの化合物は、過酸化水素を用いた酸化により式VI:
Figure 0003617053
[式中、R、Y及びZは前記で定義された通りである]
の2,2'−ジチオビス(5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン中間体化合物を得ることにより除草性5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアミド化合物に変換することができる。これらの中間体は続いて水性媒体中で塩素を用いてクロロ酸化し(chloroxidized)、上記の2−クロロスルホニル中間体を得ることができる。酸化は一般に0.5モル(1当量)よりわずかに過剰の過酸化水素を、周囲温度でアセトニトリル水溶液などの水性溶媒中の式IIIの化合物に加えることにより行われる。典型的に媒体から沈澱する式VIの化合物を回収することができる。それをメチレンクロリド水溶液などの水性媒体中で、周囲温度かそれより低温で塩素を用いて処理することにより2−クロロスルホニル中間体に変換することができる。2−クロロスルホニル中間体は上記で引用した先行記述に記載の方法により所望の除草剤に変換することができる。
式Iの5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物は、式VII:
Figure 0003617053
[式中、Rはメチル又はエチルを示し、Y及びZの一方はフルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシを示し、他方は水素を示す]
の2−アルコキシ−4−ヒドラジノピリミジン化合物を、少なくとも1モルの二硫化炭素及び場合により式II:
Figure 0003617053
[式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立してC1−C4アルキル又はベンジルを示すか、あるいはR1、R2及びR3の2つが一緒になって式−(CH2−、−(CH2−、O(C2H4−)又はCH3N(C2H4−)の部分を示すか、あるいはR1、R2及びR3の3つすべてが一緒になって式N(C2H4−)の部分を示す]
の化合物のようなpKaが9.4〜11.4のトリアルキルアミン化合物と合わせることにより製造することができる。試薬はアセトニトリル水溶液などの適した不活性液体媒体中で合わされ、少なくとも1モルの過酸化水素などの酸化剤が0℃〜40℃の温度で加えられる。混合物は確実に十分に混合するために、典型的に撹拌される。反応は迅速に進行し、所望の式Iの5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物、又はトリアルキルアミン化合物が加えられる場合はそのトリアルキルアンモニウム塩が形成される。トリアルキルアンモニウム塩が得られる場合、それは少なくとも1モルの強酸、例えば塩酸を加えることにより式Iの化合物に変換することができる。得られる式Iの化合物は水を加えて確実に完全に沈澱させ、沈澱を濾過又は遠心により集めることにより回収することができる。副生成物である硫黄元素は従来の方法により除去することができる。塩基水溶液における(式Iの化合物が可溶性で硫黄が不溶性)及び二硫化炭素における(反対)硫黄と式Iの化合物の溶解度の差が典型的に利用される。
式VIIの2−アルコキシ−5−置換−4−ヒドラジノピリミジン出発材料は、2,4−ジアルコキシ−5−置換−ピリミジン化合物からヒドラジン及びトリエチルアミンを用いた処理により製造することができる。同様に2−アルコキシ−6−置換−4−ヒドラジノピリミジン化合物は対応する2−アルコキシ−4−ハロ−6−置換−ピリミジン化合物からヒドラジン及びトリエチルアミンを用いた処理により製造することができる。反応は水中で、又はアセトニトリルなどの溶媒中で、0℃〜40℃の温度において、1モルのトリエチルアミン及び1モルよりわずかに過剰のヒドラジンハイドレートを用いて最も良く行われる。所望の式VIIの2−アルコキシ−(5もしくは6)−置換−4−ヒドラジノピリミジン化合物は、水を加えて沈澱を促進し、濾過、遠心又は抽出により沈澱を回収することにより回収することができる。しかしこれらの化合物は多くの場合、回収及び/又は精製をせずに中間体として用いることができる。
実施例
1.5−フルオロ−4−ヒドラジノ−2−メトキシピリミ ジンの製造
5−フルオロ−2,4−ジメトキシピリジン(158g(グラム)、1.00モル)、150g(3.00モル)のヒドラジンハイドレート及び237gのメタノールを1L(リットル)のフラスコに入れ、撹拌しながら3.5時間加熱還流した(約70℃)。均一になり、再度不均一になった混合物を次いで0〜5℃に冷却し、存在する固体を真空濾過により回収し、150mL(ミリリットル)の冷メタノールで洗浄し、一定の重量まで乾燥した。融点が188〜189℃の無色の針状結晶として得られた標題化合物は151.5g(理論値の98%)の量であった。
NMRデータ(DMSO−d6)δ:1H:3.77(s,3H),4.38(2H),7.83(d(J=3.6Hz),1H),8.87(1H);13C:54.2,137.9(d(JCF=19.6Hz)),141.5(d(JCF=244.8Hz)),154.3(d(JCF=13.7Hz)),160.6。
2.2−エトキシ−4−フルオロ−6−ヒドラジノピリミ ジンの製造
100gの純度が94%の(0.59モル)2−エトキシ−4,6−ジメトキシピリミジン、275mLのアセトニトリル及び107gの水の混合物を調製し、10℃に冷却した。これに68g(0.67モル)のトリエチルアミン及び次いで34g(0.68モル)のヒドラジンハイドレートを、ゆっくり撹拌し、冷却しながら(5〜10℃で)加えた。ヒドラジンをすべて加えた後、混合物を冷却しながらさらに15分間撹拌し、次いで加温した。合計1時間の後、形成された固体を真空濾過により回収し、100mLづつの水で2回、及び次いで50mLのエタノールで洗浄した。融点が141〜143℃の白色の固体として得られた標題化合物は79.7g(理論値の80%)の量であった。
C6H9FN4Oに関する元素分析:
計算値:%C,41.9;%H,5.27;%N,32.5
測定値:%C,42.2;%H,5.12;%N,32.6
3.5−クロロ−4−ヒドラジノ−2−メトキシピリミジ ンの製造
2.9gのメタノール中に0.35g(2.0ミリル)の5−クロロ−2,4−ジメトキシピリミジン及び0.35g(7.0ミリモル)のヒドラジンハイドレートを含む溶液を撹拌しながら8時間加熱還流した。次いで混合物を冷却して沈澱を形成させた。現れる沈澱が完全になるまで水を加え、次いで沈澱を真空濾過により回収し、終夜空気乾燥して0.23g(理論値の66パーセント)の標題化合物を白色の固体として得た。昇華を含むと思われる現象で結晶形態が針状から立方様形に変化した後、生成物は172〜173℃で融解した。
NMRデータ(DMSO−d6)δ:1H:3.85(s,3H),4.50(2H),7.97(s,1H),8.7(1H);13C:54.17,105.40,152.77,159.39及び163.39。
4.8−フルオロ−5−メトキシ−1,2,4−トリアゾロ [4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオンの製造
5−フルオロ−4−ヒドラジノ−2−メトキシピリミジン(15.81g、0.100モル)、47gのメタノール、10.2g(0.100モル)のトリエチルアミン及び11.4g(0.15モル)の二硫化炭素を250mLのフラスコ中で窒素下において、周囲温度で撹拌しながら合わせ、黄色の均一な混合物を得た。混合物を氷浴を用いて15℃に冷却した。次いで過酸化水素(12.5gの30%水溶液、0.11モル)を、シリンジポンプを用い、そのシリンジを隔壁を介してフラスコ中に挿入して加えた。添加は撹拌しながら、及び冷却して約15℃の温度を保持しながら1時間かけて行った。混合物を反応させ、1時間加温し、得られる不均一なオレンジ色の混合物を真空濾過して固体の硫黄を除去した。濾液を氷浴中で冷却し、125.mLの水で希釈した17.6mL(0.11モル)の6.25N塩酸を用いて酸性化した。得られる沈澱を真空濾過により回収し、減圧下において乾燥して18.81g(理論値の94パーセント)の標題化合物を分解を伴う融点が166℃のオフホワイト色の固体として得た。
NMRデータ(DMSO−d6)δ:1H:4.01(s,3H),7.64(d(J=2.8Hz),1H),14.5(brs,1H);13C:56.00,125.6(d(JCF=22.0Hz)),141.6,141.7(d(JCF=41.7Hz)),146.0(d(JCF=191.0Hz))及び161.2。
5.5−エトキシ−7−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ [4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオンの製造
方法A:50mLのアセトニトリル及び15mLの水から成る溶媒中に約5.2g(30ミリモル)の2−エトキシ−4−フルオロ−6−ヒドラジノピリミジンを含む混合物を調製し、これに6.4mL(107ミリモル)の二硫化炭素を周囲温度で撹拌しながら加えた。不均一な白色の混合物が約10分後に淡黄色の溶液となり、次いで撹拌及び冷却して約25℃の温度を保持しながら3.8mLの30パーセント過酸化水素水溶液(37ミリモル)及び3.2mLの水を30分かけて加えた。混合物をさらに10分間反応させ、次いで3.22g(32ミリモル)のトリエチルアミンを加え、得られる混合物を濾過して硫黄を除去した。濾液を10mLの3.75N塩酸(38ミリモル)を用いて酸性化し、得られる混合物を濾過して形成された沈澱を回収した。これを水で洗浄し、乾燥して4.4g(理論値の66パーセント)の純度が97パーセントの標題化合物をわずかにベージュ色の融点が170℃の固体として得た。かなりの生成物が濾液中に残った。
C7H7FN4OSに関する元素分析:
計算値:%C,39.2;%H,3.29;%N,26.2
測定値:%C,39.3;%H,3.07;%N,25.9。
方法B:83.7mLのアセトニトリル及び33.3mLの水から成る溶媒中に32.6g(0.186モル)の2−エトキシ−4−フルオロ−6−ヒドラジノピリミジン及び21.1g(0.277モル)の二硫化炭素を含む混合物を、窒素下でコンデンサー及びシリンジポンプのシリンジを挿入する隔壁で覆われた開口部を備えた500mLのフラスコ中に調製した。混合物を周囲温度で撹拌しながら15分間反応させ、次いで22.2gの30パーセント過酸化水素水溶液(0.196モル)を、撹拌及び冷却して約25℃の温度を保持しながらシリンジを用い、1時間かけて加えた。混合物をさらに1時間反応させ、次いで約0℃に冷却した。沈澱する生成物及び硫黄副生成物を真空濾過により回収し、150mLの水、150mLの水とアセトニトリルの1:1混合物、及び最後に75mLづつのアセトニトリルで2回洗浄し、次いで空気乾燥して45.1gの明かるいベージュ色の生成物を得、それは74.8パーセントの標題化合物(理論的収量の85パーセント)、13.9パーセントの硫黄及び0.5パーセントの水であった。
6.2−エトキシ−4,6−ジフルオロピリミジンからの5 −エトキシ−7−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3− c]ピリミジン−3(2H)−チオンの製造
1.42部のアセトニトリル、2.66部の水及び1.60部の2−エトキシ−4,6−ジフルオロピリミジンから成る混合物を調製し、5℃に冷却する。ヒドラジンハイドレート(0.526部)を窒素下で冷却及び撹拌しながら温度が10℃以上に上昇しない速度で加える。添加が完了したら、混合物を周囲温度に加温し、反応が完了するまで撹拌する。次いで二硫化炭素(1.14部)を撹拌しながら加え、混合物を15分間反応させる。次いで過酸化水素を水中の30パーセント溶液として(1.20部)、撹拌及び冷却して25〜30℃の温度を保持しながら加え、混合物をさらに1時間25℃で反応させる。混合物を0℃に冷却し、減圧装置で濾過し、不溶性物質を除去する。この物質を順に3.20部の水及び4.00部の冷アセトニトリルで洗浄し、副生成物の硫黄と混合され、最高2パーセントの水及びいくらかのアセトニトリルを含む標題化合物を得る。
7.7−クロロ−5−エトキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3 −c]ピリミジン−3(2H)−チオンの製造
90mLのアセトニトリル及び26mLの水から成る溶媒中に20gの純度が93パーセント(99ミリモル)の4−クロロ−2−エトキシ−6−ヒドラジノピリミジンを含む混合物を、窒素下でコンデンサー及びシリンジポンプのシリンジを挿入する隔壁で覆われた開口部を備えた500mLのフラスコ中に調製した。これに11.3g(148ミリモル)の二硫化炭素及び、15分の反応時間の後に16.7gの30パーセント過酸化水素水溶液(147ミリモル)を15分かけ、シリンジを用い、撹拌及び冷却して温度を約25℃に保ちながら加えた。混合物をさらに4時間反応させ、次いで約0℃に冷却した。沈澱する生成物及び硫黄副生成物を真空濾過により回収し、水、水とアセトニトリルの1:1混合物、及び最後にアセトニトリルで洗浄した。湿ったケークを1Lの水において70℃でスラリ化し、約600mLのアセトニトリルを加えて固体を溶解した。得られる混合物を重力濾過し、濾液を週末をかけて冷却した。混合物を冷蔵庫でさらに冷却し、形成される結晶を真空濾過により回収し、アセトニトリルで洗浄し、一定の重量まで乾燥し、14.1g(理論値の62パーセント)の標題化合物を琥珀色の固体として得、それは187℃以上に加熱すると分解した。
C7H7ClN4OSに関する元素分析:
計算値:%C,36.4;%H,3.06;%N,24.3
測定値:%C,36.4;%H,2.79;%N,24.1。
8.8−クロロ−5−メトキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3 −c]ピリミジン−3(2H)−チオンの製造
5−クロロ−4−ヒドラジノ−2−メトキシピリミジン(17.45g、0.10モル)及び25g(.033モル)の二硫化炭素を周囲温度で撹拌しながら120mLのアセトニトリル及び30mLの水中で合わせ、得られる混合物中に撹拌しながら2時間かけて11.4g(0.10モル)の30パーセント過酸化水素を加えた。温度は20℃から48℃に上昇した。高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)による混合物の分析は、反応が完了したことを示した。反応混合物の79.8g(全体の47.2パーセント)の部分を50mLの水で希釈し、混合物を塩酸で酸性化した。次いで存在する固体を真空濾過により回収し、乾燥して10.15gの標題化合物と硫黄の混合物を得た。次いで45gの二硫化炭素を用いて固体を抽出することにより硫黄を除去し、8.08g(理論値の80パーセント)の標題化合物を淡褐色の粉末として得た。この物質はHPLCにより純度が92パーセントであり、加熱すると分解した。
NMRデータ(DMSO−d6)δ:1H:4.04(s,3H),7.67(s,1H),14.25(brs,1H);13C:56.18,110.08,140.46,145.76,150.11及び161.32。
9.3−ベンジルチオ−8−フルオロ−5−メトキシ−1, 2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン及び2−ベンジ ルチオ−8−フルオロ−5−メトキシ−1,2,4−トリア ゾロ[1,5−c]ピリミジンの製造
5−フルオロ−4−ヒドラジノ−2−メトキシピリミジン(29.7g、0.188モル)、100gのメタノール、19.2g(0.188モル)のトリエチルアミン及び28.9g(0.38モル)の二硫化炭素を窒素下で周囲温度において500mLのフラスコ中で合わせた。次いで過酸化水素(27gの30パーセント水溶液、0.24モル)を、シリンジが隔壁を介してフラスコ中に挿入されているシリンジポンプを用い、冷却して温度を17〜22℃に保ち、撹拌しながら加えた。添加は1.6時間かけて行った。混合物をさらに1.5時間反応させ、得られる不均一なオレンジ色の混合物を真空濾過して固体の硫黄を除去した。固体を100gのメタノールで洗浄し、8−フルオロ−5−メトキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオンのトリエチルアンモニウム塩を含む濾液(洗浄メタノールを含む)を反応フラスコに移した。ベンジルクロリド(24.1g、0.19モル)を21℃で撹拌しながら加えた。穏やかな発熱があり、それにより温度が27℃に上昇し、約30分後、沈澱が形成され始めた。1時間後、130gのメタノールを約600パスカルの圧力下の蒸留により除去し、不均一な残留物を続いて約5℃に冷却し、真空濾過して不溶性の固体を除去した。約25gのメタノールを、混合物を移すのを助け、沈澱を洗浄するために用いた。得られる湿ったケークは55.8gの量であり、約42g(0.14モル、理論値の約95パーセント)の3−ベンジルチオ−8−フルオロ−5−メトキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオンを含んだ。
NMRデータ(CDCl3)δ:1H:4.11(s,3H),4.61(s,2H),7.3(m,4H)及び7.4(m,2H);13C:36.7,56.5,123.3,123.6,127.8,128.6,129.3,135.9,142.3,144.2,144.5,145.7,145.8及び146.2。
上記からの湿ったケークを125gのメタノールで希釈し、メタノール中の25重量パーセントのナトリウムメトキシドの2.9g(0.013モル)を周囲温度で撹拌しながら数回にわけて加えた。混合物は粘度が上昇した。1.5時間後、125mLの水中の2.4mLの6.25N塩酸水溶液の溶液を、撹拌し、氷浴を用いて冷却しながら加えた。混合物を約5℃に冷却し、80gの水で希釈し、真空濾過して不溶性の固体を回収し、減圧下で乾燥して40.3g(理論値の95パーセント)の標題化合物を無色の固体として得た。この化合物は米国特許第5,163,995号に報告された化合物とスペクトル分析及び定量HPLCにより同一であった。
NMRデータ(DMSO−d6)δ:1H:4.17(s,3H),4.51(s,2H),7.3(m,3H),7.45(d(J=7.2Hz),2H),及び8.13(d(J=4.0Hz),1H);13C:34.8,56.4,127.3,128.4,128.6,128.8,136.7,141.4,144.7,145.4,147.1,147.5及び161.6。
10.8−フルオロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ [1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオンの製造
8.6gのメタノール中の10.01g(0.050モル)の8−フルオロ−5−メトキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオンの混合物を調製し、氷水浴で冷却した。メタノール中のナトリウムメトキシド(32.4gの25パーセント、0.15モル)を窒素下で撹拌及び冷却しながら加えた。2.5時間後、得られる粘度の高いスラリに25.6mLの氷冷6.25N塩酸水溶液を撹拌しながら加えた。得られる混合物を少量の水で希釈し、固体を真空濾過により回収し、減圧下で乾燥して8.26g(理論値の83パーセント)の標題化合物を無色の粉末として得た。化合物は155〜160℃で融解し、次いで再固化し、230℃まで融解しない。
NMRデータ(CD3CN)δ:1H:2.5〜3.5(br s,1H),4.21(s,3H),7.92(d(J=2.1Hz),1H),;13C:57.4,118.2,129.2,129.5,143.0,146.4,146.7,148.7,149.1及び163.8。
11.5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ [1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオンの製造
50mLの無水エタノール中の5.8g(26ミルモル)の5−エトキシ−7−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオンの混合物を調製し、これに0℃で激しく撹拌及び冷却しながらエタノール中の21重量パーセントのナトリウムエトキシドを12.2mL(33ミリモル)加えた。穏やかな発熱反応が起こり、混合物は懸濁液からプラム色の溶液に変化した。混合物を10℃以下で2.25時間撹拌し、反応を完了させた。次いで25mLの1.25N塩酸を用いてそれを酸性化し、−10℃で30分撹拌し、濾過して形成される沈澱を回収した。沈澱を10mLの冷水で洗浄し、乾燥して3.3g(理論値の60パーセント)の標題化合物を98パーセントの純度で得た。1.7gの量の純度が60パーセントの第2の収穫(理論値の19パーセント)が濾液から得られた。標題化合物は83.5〜86.5℃で融解し、白色の固体である。
NMRデータ(CDCl3)δ:1H:1.58(s,3H),4.52(s,2H),4.75(q,2H),7.28(m,3H),7.45(d,2H)。
化合物をベンジルクロリドで処理して78〜82℃で融解する2−ベンジルチオ−5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンに変換することにより、さらに化合物の同定を示した。
12.8−クロロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1, 5−C]ピリミジン−2(3H)−チオンの製造
8−クロロ−5−メトキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン(0.215g、1.00ミリモル)を2.0gの乾燥メタノールと混合し、周囲温度で撹拌を増大させながらこの混合物に0.26g(1.2ミリモル)の市販のメタノール中25パーセントのナトリウムメトキシドを加えた。35分間の反応時間の後、混合物を塩酸水溶液で酸性化し、水で希釈した。形成される沈澱を濾過により回収し、乾燥し、0.168gの標題化合物をHPLCにより決定して97パーセントの純度(理論値の76パーセント)でクリーム色の固体として得た。化合物はメタノール及び水の混合物から再結晶でき、250℃まで分解するが融解しない。
NMRデータ(CDCl3)δ:1H:4.28(s,3H),7.93(s,1H),14以上(観察されない);13C:56.0,112.0,142.1,148.0,153.5及び163.0。
ベンジルクロリドで処理して生成物を米国特許第5,163,995号において既知の化合物である2−ベンジルチオ−8−クロロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンに変換することにより、さらに生成物の同定を示した。
13.2−エトキシ−4−フルオロ−6−ヒドラジノピリ ミジンからの3−ベンジルチオ−5−エトキシ−7−フ ルオロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジンの製
2−エトキシ−4−フルオロ−6−ヒドラジノピリミジンの1.74g(10ミリモル)の試料を20mLの無水エタノールに溶解し、2.84g(37ミリモル)の二硫化炭素及び3.20g(10ミリモル)の21重量パーセントのナトリウムエトキシドを加えた。混合物を撹拌しながら3時間加熱還流し、次いで20mLの氷水を加えることにより冷却した。次いで混合物を8mLの水で希釈した2mLの6.25N塩酸を加えることにより約2のpHに酸性化した。形成される黄色沈澱を濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥して0.85g(理論値の40パーセント)の5−エトキシ−7−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオンを得た。この物質のプロトン及びカーボンNMRスペクトルは、指定された構造と一致した。
上記で得られた生成物の0.22gの部分を2.5gの無水エタノールに溶解し、0.18gのベンジルクロリド及び次いで0.114gのトリエチルアミンを周囲温度で撹拌しながら加えた。出発材料の消失がHPLCにより決定されたら、反応混合物を過剰の塩酸希水素溶液にゆっくり加えた。形成されるベージュ色の結晶を濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥して0.27gの3−ベンジルチオ−5−エトキシ−7−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジンを固体として得た。この物質のプロトン及びカーボンNMRはその指定された構造と一致した。
14.3−ベンジルチオ−5−エトキシ−7−フルオロ− 1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジンの異性化によ る2−ベンジルチオ−5−エトキシ−7−フルオロ[1, 2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンの製造
1滴の21重量パーセントのナトリウムエトキシド(15mg、0.05ミリモル)を十分な量のエタノールに溶解して合計0.17とすることによりエタノール中のナトリウムエトキシドの溶液を得た。これの10滴を次いで4gの無水エタノール中の0.15gの3−ベンジルチオ−5−エトキシ−7−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジンに加えた。曇った混合物は透明になり、1時間後に水を加えて生成物を沈澱させた。濾過により沈澱を回収し、水で洗浄し、乾燥して0.14g(理論値の93パーセント)の標題化合物を融点が83.5〜84℃の白色の固体として得た。
15.2,2'−ジチオビス(8−フルオロ−5−メトキシ [1,2,4]トリアゾロ−[1,5−c]ピリミジン)の製造
76.0g(0.380モル)の8−フルオロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ−[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン及び400gのメタノールから成る不均一な混合物を24℃で調製し、45.3g(0.400モル)の30重量%の氷冷過酸化水素溶液を撹拌しながら加えた。発熱反応が起こり、温度が43℃に上昇した。混合物を約75分間反応させ、次いでさらに13.0g(0.115モル)の30重量%の氷冷過酸化水素溶液を撹拌しながら加えた。混合物をさらに30分反応させ、次いで存在する固体を真空濾過により回収した。これらの固体を乾燥し、次いでメタノールでスラリ化した。スラリを加熱還流し、35〜45℃に冷却し、濾過して不溶性固体を回収した。固体を減圧下において40℃で乾燥し、61.9gの標題化合物(理論値の80パーセント)をオフホワイト色の固体として得た。化合物は融点が201〜208℃(分解)の白色の粉末である。
NMRデータ(DMSO−d6)δ:1H:4.16(s,3H),8.21(d(J=2.1Hz),1H)。
16.2,2'−ジチオビス(5−エトキシ−7−フルオロ [1,2,4]トリアゾロ−[1,5−c]ピリミジン)の製造
30mLのアセトニトリル中の2.9g(13.5ミリモル)の5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオンの溶液を調製し、0.80mL(7.8ミリモル)の30パーセント過酸化水素を周囲温度において、窒素下で撹拌しながら加えた。温度は21℃から34℃に上昇した。混合物を約1時間反応させ、次いで15mLの水を加え、混合物を−5℃に冷却した。形成される沈澱を真空濾過により回収し、5℃において10mLづつの水とアセトニトリルの1:1の混合物で2回洗浄し、乾燥し、2.7g(理論値の93パーセント)の標題化合物を融点が215〜216℃の明かるいベージュ色の粉末として得た。
C14H12F2N8O2S2に関する元素分析:
計算値:%C,39.4;%H,2.83;%N,26.3
測定値:%C,39.6;%H,2.75;%N,25.9。
17.5−エトキシ−7−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ [4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオンからの2,2' −ジチオビス[5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4] トリアゾロ−[1,5−c]ピリミジン)の製造
方法A:167g(0.76モル)の5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン及び1.67Lのトルエン変性無水エタノールの混合物を調製し、これにエタノール中の21パーセントのナトリウムエトキシド33lmL(0.887モル)を、冷却及び撹拌しながら0℃で加えた。反応は少し発熱を伴って進行し、不均一な明るいベージュ色の混合物はプラム色の溶液となった。この溶液を5℃〜10℃の温度に2.25時間保ち、次いで685mLの水で希釈した150mLの6.25N塩酸で酸性化した。得られる混合物を周囲温度(23℃)に加温し、次いで43.4mLの30パーセント過酸化水素水溶液(0.43モル)を撹拌しながら加えた。温度は33℃に上昇し、30分後にすべてのチオン出発材料が消費されたことがHPLCにより決定された。混合物を20℃に冷却し、沈澱する標題化合物を濾過により回収し、5℃において600mLづつの水で2回、次いで350mLの50パーセントエタノール水溶液で洗浄した。得られる白色の固体を減圧下で35℃において乾燥し、154gの、HPLCにより純度が約90パーセントと見積もられる標題化合物を得た(理論値の86パーセント)。
方法B:分析により純度が68パーセントであり、硫黄と共に1.89部の5−エトキシ−7−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン、2パーセント以下の水及びいくらかのアセトニトリルを含む固体混合物を8.61部の無水エタノールで希釈し、混合物を10℃に冷却する。エタノール中の21パーセントのナトリウムエトキシド溶液(3.21部)を撹拌しながら加え、数分後に混合物を濾過して硫黄を除去し、濾液を保持する。硫黄を0.484部の無水エタノールで洗浄し、濾過した洗浄エタノールを濾液に加える。濾液混合物を10℃において、異性化が完了するまで反応させる。次いで混合物を1.16部の37パーセント塩酸水溶液を用い、撹拌及び冷却して温度を25℃以下に保ちながら酸性化する。水中の過酸化水素の30重量パーセント溶液(0.602部)を、撹拌及び冷却して30℃以下の温度を保ちながらゆっくり加え、添加の完了後さらに30分間混合物を撹拌する。形成される沈澱を減圧装置における濾過により回収し、3.40部のエタノール及び8.70部の水で洗浄して標題化合物を水で湿った固体として得る。
18.4,6−ジフルオロ−2−エトキシピリミジンからの2, 2'−ジチオビス(5−エトキシ−7−フルオロ[1,2, 4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン)の製造
32.7g(0.202モル)の2−エトキシ−4,5−ジフルオロエトキシピリミジン、59gのアセトニトリル及び36gの水から成る混合物を反応容器中で調製し、混合物を窒素下で撹拌して約5℃に冷却した。これに21.3g(0.208モル)のトリエチルアミン、及び次いで10.6g(0.208モル)のヒドラジンモノハイドレートを、撹拌及び冷却しながら、15℃より低い反応温度が保たれる速度で加えた。すべてのヒドラジンモノハイドレートが加えられ、発熱がおさまった後、混合物を周囲温度に加温して反応を完了させた。約32.7g(0.202モル)の2−エトキシ−4−フルオロ−6−ヒドラジノピリミジンを約95gのアセトニトリル水溶液中に含む溶液が得られた。
上記で得られたアセトニトリル水溶液中の2−エトキシ−4−フルオロ−6−ヒドラジノピリミジンの溶液を反応容器に入れ、窒素下で撹拌しながら23.1g(0.303モル)の二硫化炭素を加えた。約15分後、23.8g(0.210モル)の30重量パーセントの過酸化水素水溶液を、撹拌及び冷却して温度を約25〜30℃に保持しながら加えた。沈澱が形成された。混合物を約1時間反応させ、次いで0℃に冷却した。次いでそれを濾過して沈澱を回収した。沈澱を最初に75mLづつの冷水を用いて2回洗浄して不純物を除去し、次いで50mLづつの冷アセトニトリルを用いて2回洗浄して水を除去した。得られる48.7gの固体物質はHPLCにより71パーセントの5−エトキシ−7−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン(35g、理論値の80パーセント)であることが決定され、Karl Fischer滴定により2パーセントより少量の水を含むことが決定された。硫黄元素副生成物が主要な汚染物であった。
上記で得られた硫黄及びアセトニトリルとの71パーセント混合物としての48.7g(0.16モル)の5−エトキシ−7−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオンを150gの乾燥エタノールと合わせ、混合物を約0℃に冷却した。これにエタノール中の21パーセントのナトリウムエトキシド67.7g(0.21モル)を、冷却及び撹拌して温度が5〜15℃に保持されるようにして加えた。混合物のpHは約12であった。混合物を濾過して固体、不溶性硫黄を除去し、それを20gの乾燥エタノールで洗浄した。濾液(洗浄エタノールを含む)を約7℃でさらに約2時間反応させ、次いで21.7g(0.22モル)の濃塩酸を加え、5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオンを、明かるいベージュ色の固体のエタノール中の粘度の低いスラリとして得た。
上記で得られたエタノール中の5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオンの混合物を、周囲温度で撹拌しながら22.6g(0.199モル)の30パーセント過酸化水素で処理した。穏やかな発熱があった。40分の反応時間の後、得られる混合物を濾過して沈澱を回収した。これを100mLづつのエタノールで2回及び100mLづつの水で2回洗浄し、減圧下で37℃において乾燥し、30.9g(2−エトキシ−4,6−ジフルオロピリミジンからの理論値の65パーセント)の標題化合物を、純度が90パーセントの明かるい淡褐色の固体として得た。
19.2,2'−ジチオビス(5−エトキシ−7−フルオロ [1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン)からの2 −クロロスルホニル−5−エトキシ−7−フルオロ[1, 2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンの製造
53.3gの純度が88パーセント(0.11モル)の2,2'−ジチオビス(5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン)、483gのジクロロメタン及び12.0gの水を含む混合物を調製し、約5℃に冷却した。塩素(42.5g、0.60ル)をこの混合物中に、温度が約15℃以上に上昇しないように冷却及び撹拌しながら2.5時間かけて散布した。塩素の添加の経過中にさらに37.1gの水を加えた。最初に存在した固体は最初は濃度が高くなり、次いで本質的にすべてが溶液となった。得られる混合物を約200mLの水で希釈し、相を分離した。金色の有機相を400mLづつの水で3回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で最高38℃の浴温を用いて蒸発させることにより濃縮した。標題化合物が残留物中に得られ、それは59.5g(理論値の96パーセント)の量であり、ワックス状の黄金色の固体であった。これの12.66gの部分を約30mLのジクロロメタンに溶解し、約30mLのヘキサンを加え、冷却することにより精製した。形成される沈澱を濾過により回収し、乾燥して8.15gの標題化合物を白色の固体として得た。3.16gの第2の収穫も得られた。生成物はスペクトル分析により米国特許第5,163,995号に報告された化合物と同一の化合物であると同定された。
20.5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ− [1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオンからの2− クロロスルホニル−5−エトキシ−7−フルオロ[1,2, 4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンの製造
3.7g(17.3ミリモル)の5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン、45mLのジクロロメタン及び15mLの水を含む混合物を、機械撹拌機、苛性スクラバー(caustic scrubber)に連結した排出管、塩素送入散布管、及び冷却浴を備えた3つ口フラスコに入れた。完全な溶液は得られなかった。0℃において撹拌及び冷却しながら、溶液中に塩素を、7.0g(99ミリモル)が加えられるまで散布した。固体はすべて溶解した。水相及び有機相を分離し、有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧下で蒸発させることにより濃縮し、標題化合物を残留物として得た。回収された生成物は純度が約88パーセントのオレンジ色の固体であり、3.6g(理論値の75パーセント)の量であった。化合物はスペクトル分析により米国特許第5,163,995号に報告された化合物と同一であることが同定された。

Claims (22)

  1. 式:
    Figure 0003617053
    [式中、
    Y及びZの一方はF、Cl、Br、R'又はOR'を示し、他方はHを示し、
    R及びR'はそれぞれ独立してCH3又はC2H5を示す]
    の5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物、ならびに該化合物とpKaが9.4〜11.4であるトリアルキルアミン化合物との付加物であるそれらのトリアルキルアンモニウム塩。
  2. 請求の範囲第1項に記載の5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物。
  3. トリアルキルアミン化合物が式
    Figure 0003617053
    [式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立してC1−C4アルキル又はベンジルを示すか、あるいはR1、R2及びR3の2つが一緒になって式−(CH2−、−(CH2−、O(C2H4−)又はCH3N(C2H4−)の部分を示すか、あるいはR1、R2及びR3の3つすべてが一緒になって式N(C2H4−)の部分を示す]
    の化合物である請求の範囲第1項に記載の5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−2(3H)−チオン化合物のトリアルキルアンモニウム塩。
  4. トリアルキルアミン化合物がトリエチルアミン(R1、R2及びR3がそれぞれC2H5を示す)である請求の範囲第3項に記載の塩。
  5. Y及びZの一方がCl又はFを示し、他方がHを示す請求の範囲第1項に記載の化合物。
  6. 5−エトキシ−7−フルオロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン、8−フルオロ−5−メトキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン及び8−クロロ−5−メトキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオンの1つである請求の範囲第5項に記載の化合物。
  7. 式:
    Figure 0003617053
    [式中、
    Y及びZの一方はF、Cl、Br、R'又はOR'を示し、他方はHを示し、
    R及びR'はそれぞれ独立してCH3又はC2H5を示す]
    の5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物を、RがCH3又はC2H5を示す式ROHのアルコールを含む媒体中で−10℃〜40℃の温度において、少なくとも1モル当量のRがCH3又はC2H5を示し且つMがアルカリ金属を示す式ROMのアルカリ金属アルコキシドで処理し、ここでアルカリ金属アルコキシド及びアルコールはRがアルカリ金属アルコキシド、アルコール及び5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物において同一であるように選択され、その後混合物を酸性化して式:
    Figure 0003617053
    [式中、
    R、Y及びZは前記と同義である]
    の5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2(3H)−チオン化合物を得ることを特徴とする式:
    Figure 0003617053
    [式中、
    R、Y及びZは前記と同義である]
    の5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物の使用法。
  8. Y及びZの一方がCl又はFを示し、他方がHを示す請求の範囲第7項に記載の方法。
  9. Rがエチルを示す請求の範囲第7項に記載の方法。
  10. アルカリ金属アルコキシド対5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物のモル比が1.03〜1.5である請求の範囲第7項に記載の方法。
  11. 式:
    Figure 0003617053
    [式中、
    Y及びZの一方はF、Cl、Br、R'又はOR'を示し、他方はHを示し、
    R及びR'はそれぞれ独立してCH3又はC2H5を示す]
    の化合物の、pKaが9.4〜11.4のトリアルキルアミン化合物との付加物である5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物のトリアルキルアンモニウム塩を、不活性溶媒中で、少なくとも等モル量のベンジルハライド又はC2−C4アルキルハライドで処理して式:
    Figure 0003617053
    [式中、
    Y、Z及びRは前記と同義であり、
    R4はベンジル又はC2−C4アルキルを示す]
    の3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物を得ることを特徴とする式:
    Figure 0003617053
    [式中、
    Y、Z及びRは前記と同義である]
    の化合物の、pKaが9.4〜11.4のトリアルキルアミン化合物との付加物である5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物のトリアルキルアンモニウム塩の使用法。
  12. Y及びZの一方がCl又はFを示し、他方がHを示す請求の範囲第11項に記載の方法。
  13. R4がベンジルを示す請求の範囲第11項に記載の方法。
  14. トリアルキルアミン化合物が式
    Figure 0003617053
    [式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立してC1−C4アルキル又はベンジルを示すか、あるいはR1、R2及びR3の2つは一緒になって式−(CH2−、−(CH2−、O(C2H4−)又はCH3N(C2H4−)の部分を示すか、あるいはR1、R2及びR3の3つすべては一緒になって式N(C2H4−)の部分を示す]
    の化合物である請求の範囲第11項に記載の方法。
  15. トリアルキルアミン化合物がトリエチルアミンである請求の範囲第14項に記載の方法。
  16. Rがメチルを示す請求の範囲第11項に記載の方法。
  17. 式:
    Figure 0003617053
    [式中、
    Y及びZの一方はF、Cl、Br、R'又はOR'を示し、他方はHを示し、
    R及びR'はそれぞれ独立してCH3又はC2H5を示す]
    の化合物の、pKaが9.4〜11.4のトリアルキルアミン化合物との付加物である5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物のトリアルキルアンモニウム塩を、不活性溶媒中で、少なくとも等モル量のベンジルハライド又はC2−C4アルキルハライドで処理して式:
    Figure 0003617053
    [式中、
    Y、Z及びRは前記と同義であり、
    R4はベンジル又はC2−C4アルキルを示す]
    の3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物を得、この化合物を、RがCH3又はC2H5を示す式ROHのアルコールを含む媒体中で、RがCH3又はC2H5を示し且つMがアルカリ金属を示す式ROMのアルカリ金属アルコキシドで処理し、ここでアルカリ金属アルコキシド及びアルコールはRがアルカリ金属アルコキシド、アルコール及び3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン化合物において同一であるように選択され、式:
    Figure 0003617053
    [式中、
    Y、Z、R及びR4は前記と同義である]
    の2−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン化合物を得ることを特徴とする式:
    Figure 0003617053
    [式中、
    Y、Z及びRは前記と同義である]
    の化合物の、pKaが9.4〜11.4のトリアルキルアミン化合物との付加物である5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジン−3(2H)−チオン化合物のトリアルキルアンモニウム塩の使用法。
  18. アルカリ金属アルコキシド対3−ヒドロカルビルチオ−5−アルコキシ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−c]ピリミジンのモル比が1:50〜1:4である請求の範囲第17項に記載の方法。
  19. X及びYの一方がF又はClを示し、他方がHを示す請求の範囲第17項に記載の方法。
  20. R4がベンジルを示す請求の範囲第19項に記載の方法。
  21. Rがメチルを示す請求の範囲第19項に記載の方法。
  22. 製造される化合物が2−ベンジルチオ−8−クロロ−5−メトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン、2−ベンジルチオ−8−フルオロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン及び2−ベンジルチオ−5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジンの1つである請求の範囲第21項に記載の方法。
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