JP3616962B2 - 電気掃除機用吸引補助具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機用の吸込具に取り付けて使用する吸引補助具に関するものであり、殊に、柔らかい表面を有する布団や毛布、カーテンやカーペット等を掃除するのに適した吸引補助具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に知られている電気掃除機にあっては、吸引能力に優れた吸引具を備えたものが多数種販売されている。また、布団や毛布、カーテンやカーペットその他の柔らかい敷物等の掃除に適した電気掃除機も知られている。この電気掃除機における吸引具の構造は、下部に吸気口を設けた円筒状の吸引具本体に小さな多数の吸込み孔を形成した回転体を取付け、移動によって回転体を回転させながら吸込み孔からゴミを吸い込ませ、吸い込ませたゴミを吸引具本体に設けた下部の吸気口を介して電気掃除機本体に集塵するようにした回転体方式の吸引具を備えたものであって、例えば特開平7−116089号、特開平7−116090号等に開示されていて一般にも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの吸引具を備えた電気掃除機のうち、この回転体方式とした吸引具にあっては、円筒状に形成した回転体を吸引具本体に外嵌させた状態で回転させるようにしたものであるため、回転体の全周面に吸気用の小孔を形成しなければならないので、製造が複雑で量産化が困難で、コスト的にも不適当なものであるということのみならず、使用に当たっては、掃除面が通常の平坦面の場合、回転体の掃除面に対する接触面が円弧の一部に限られ、線接触となり、接触面の前後から空気が吸引されるため、吸塵効率が非常に悪く、大容量の吸引能力を備えた電気掃除機であっても、一般の床面清掃には適していないという課題を有するものであった。
【0004】
他方、前者の一般的な吸引具を備えた電気掃除機にあっては、当然のことながら床面清掃には適していて、効率よく清掃できるものではあるが、前記した布団や毛布、カーテンや柔らかい敷物等を掃除するために使用すると、布団布やカーテン等の柔軟な布地が吸引具の吸引口に吸い込まれ、吸引口が閉塞されるため清掃できないという課題を払拭できないものであった。
【0005】
そこで本発明者は、この後者の床面清掃に適した一般的な電気掃除機を対象とし、より正しくは、それらに使用されている吸引具を対象とし、このような吸引具に容易に着脱することができ、布団や毛布、カーテンや柔らかい敷物等の清掃時には、吸引具に取り付けて使用すると、布団布やカーテン等の柔軟な布地が吸引具の吸引口に吸い込まれて吸引口が閉塞されるというような不都合を生じることなく、極めて効率よく、確実に清掃することができる吸引具用のアタッチメントの開発を目的とし、ここにそのアタッチメントを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために講じた本発明にかかる電気掃除機用吸引補助具の構成は、電気掃除機における吸引具の下面に当て付ける合成樹脂製の本体部1と、該本体部1に連結した取り付け用紐状体2とを備え、本体部1は薄い板状の横長体であって、横幅方向に沿って比較的小さな多数の吸引孔11…が列設され、該本体部1の前縁側12の所要幅部分と後縁側13の所要幅部分が、それぞれ前後に突出した一体部分を備えていて、この一体部分には、本体部1の横幅方向に沿った多数の小溝14…を備え、該多数の小溝14…によって電気掃除機における吸引具の前面側並びに後面側に沿って各小溝14…の底に当たる部分の肉厚を柔軟性を保つ程度に薄くし、この薄肉部の柔軟性を利用して電気掃除機における吸引具Hの前面側a並びに後面側bに沿わせて折り曲げ可能に形成され、後縁側13に形成した所要幅部分は、図示のように、図10に示した使用時に掃除機吸引具Hにおける吸気パイプpに接触して支障にならないよう横幅方向の中間部分を避けて左右に偏った箇所にだけ連設形成してあり、かつ、これらの折り曲げ可能とされた前縁側12または後縁側13の一方または両方に、該本体部1の横幅方向の左右に偏した部分に前記紐状体2の一端を固定してなる構成としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
また、この吸引補助具を実施するに当たっては、前記本体部1に形成した多数の吸引孔11…を、横方向に1列に形成したものとするばかりではなく、本体部1の前後幅方向において2列または3列等の複数列に形成してあるものとして実施することができる。この場合、例えば、前列の各吸引孔11…の間に後列の各吸引孔11…を千鳥足状となるように配置形成してあるものとして実施するのが清掃面にデッドスペースを残さず清掃できる点で好ましい。
【0008】
【実施例】
以下本発明の実施例について図面に基づいて説明する。図中、図1乃至図3は本発明の第1実施例を示す図であって、図1は全体形状を示した表面側の斜視図であり、図2はその平面図、図3は紐状体部分を中断した図2における左側の拡大側面形状を示した図である。
【0009】
而して、該第1実施例に示した電気掃除機の吸引補助具は、図8〜10において示した電気掃除機における塵埃吸引具Hの下面に当て付けて、同吸引具Hに取り付けて使用するものであって、合成樹脂製の本体部1と、この本体部1に後述する取付用の貫通穴15,15を介して連結した取り付け用紐状体2とからなっている。
【0012】
該実施例の本体部1は、図2のように、薄い板状の横長体であって、横幅方向に沿って、小幅で前後(図2において上下)方向に長い長円形の、比較的小さな多数の吸引孔11…を前後2列に、前列の各吸引孔11…の間に後列の各吸引孔11…がくるように配置し、互いに千鳥足状配置となるように形成することによってして、横方向の全幅にわたって確実に吸引清掃できるようにしてある。
【0010】
また、この本体部1の前縁側12と後縁側13とには所要幅部分がそれぞれ前後に突出した一体部分を備えていて、この一体部分には、本体部1と平行に横幅方向に沿って多数の小溝14…を形成してあり、この多数の小溝14…によって各小溝14…の底に当たる部分の肉厚を柔軟性を保つ程度に薄くし、この薄肉部の柔軟性を利用して電気掃除機における吸引具Hの前面側a並びに後面側bに沿わせて折り曲げることができるように形成してある。また、殊に、後縁側13に形成した所要幅部分は、使用時に掃除機吸引具Hにおける吸気パイプpに接触して支障にならないよう横幅方向の中間部分を避けて左右に偏った箇所にだけ連設形成してある。
【0011】
更に、該実施例に示した吸引補助具にあっては、これらの折り曲げ可能に形成した前縁側12の横幅方向の左右に偏した部分に紐通し用の貫通穴16,16を形成し、後縁側13の横幅方向の左右に偏した部分に紐固定用の貫通穴15,15を形成し、この貫通穴15,15に、細幅のバンド状またはリボン状の紐状体2,2の一端を通してループ状に折り曲げ、折り曲げ端を熱融着等の手段で接着させて固定したものである。また、この実施例に示したリボン状の紐状体2,2は、図10に示したように、その片面(図1,2において背面側)に面接着ファスナーを形成してあるものを採用している。この面接着ファスナーfを備えたリボン状の紐状体2を使用すると、図10の左側に示したように、紐通し用の貫通穴16を通過させた後、同図の右側に示したように、折り返してファスナー面を重ね合わせるだけで、吸引具Hへの吸引補助具の取付を完了することができる。
【0012】
このように形成した吸引補助具を使用するには、図8〜10に順次的に示したように、先ず、図8のように、平坦状態にした本体部1の上に電気掃除機の吸引具Hを載置し、次いで図9のように、紐状体2,2の遊端側を矢印のように持ち上げてその先端を紐通し用の貫通穴16,16に通し、前縁側12の部分と後縁側13の部分とを矢印のように上方に持ち上げるとともに、図10のように、紐状体2,2の先端側を手前方向に折り返し、そのファスナー面どうしを重ね合わせればよい。このようにして、通常一般に使用されている電気掃除機の吸引具であれば、前後幅や上下高さや左右長さの異なる形態の、どのような形状の吸引具にも取り付けて使用することができるのである。このことは、例えば図11に例示したように、前記図8〜10に示した吸引具Hに比して、左右幅が短い吸引具Hの場合には、本体部1の上において、左右に所要幅eを残した状態で、前記と同様にして電気掃除機の吸引具Hに取り付ければよい。
【0013】
図4乃至図7は、それぞれ別実施例の吸引補助具について示したものであり、図4に示した第2実施例の吸引補助具は、前縁側12の上方にフック形の突出部17,17をそれぞれ左側解放状態に形成して紐状体2の係止用貫通穴16,16を形成したものである。図5に示した第3実施例の吸引補助具は、前記図4に示した吸引補助具と同様に、前縁側12の上方にフック形の突出部17,17をそれぞれ形成したものであるが、これらのフック形突出部17,17は、その解放方向を中央側に向けて対向させてある状態に形成したものである。このようにすることによって紐状体2の係止をワンタッチでできるようにしたものである。その他の点は、前記第1実施例に準じた構成としたものである。
【0014】
また、図6に示した第4実施例の吸引補助具は、本体部1の前縁側12にも紐固定用の貫通穴16,16を形成し、後縁側13に形成した紐固定用の貫通穴15,15に短尺の紐状体2a,2aの一端を固定すると共に、これらの貫通穴16,16にも別の短尺の紐状体2b,2bの一端を固定し、これらの紐状体2aと2bとで吸引具に取り付けるようにしたものである。また、該実施例に示した吸引補助具の本体部1には、前後方向においてその中間部分に長円形の吸引孔11…を配し、その幅方向中間部分の前方と後方とに円形の吸引孔11…をそれぞれ配置形成したものとしてある。
【0015】
また更に、図7に示した第5実施例の吸引補助具は、本体部1の前縁側12の前端側部分と後縁側13の後端側部分とにそれぞれ紐固定用の突出部19,19を連設形成し、この紐固定用突出部19,19のそれぞれに短尺の紐状体2a,2aと紐状体2b,2bとの一端部分をカシメ金具のような任意の固定部材18,18によって固定してある構造としたものである。このようにして、これらの紐状体2a,2aと2b,2bとにより吸引補助具を吸引具に取り付けるようにしたものである。また、該第5実施例に示した吸引補助具の本体部1には、前後方向においてその下側寄り部分に長円形の吸引孔11…を配し、その幅方向中間部分の前方側に円形の吸引孔11…をそれぞれ配置形成してある構造としたものである。その他の点は、前記第1実施例に準じた構成としたものである。
【0016】
図12及び図13は更に別実施例について示したもので、図12に示した吸引補助具は、本体部1の前縁側12の部分と後縁側13の部分とにおいて、前記の各実施例に示した横長の多数の小溝14…の他に、背面側=使用時における表面側=にも小溝を形成して更に折り曲げ易くしたものである。
【0017】
また、図13に示した吸引補助具は、前記本体部1の前縁側12の部分と後縁側13の部分とにおいて、前記の各実施例に示した横長の多数の小溝14…を形成した部分に代えて全体を薄肉に形成して可撓性を保持するように形成したものである。
【0018】
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例に示した構造のみに限定されるものではなく、例えば、本体部1に形成した多数の吸引孔11…を、横方向に1列にのみ形成してあるものとして実施することもでき、また、前後幅方向において2列または3列等の複数列に形成してあるものとした場合に、必ずしも千鳥足状となるように配置形成することなく、前後方向において直線的に配置されているものとしたりして実施することができるものであって、本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ、本発明にいう目的を達成し、以下にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から既に明らかなように、本発明は、電気掃除機における吸引具に取り付けて使用する部材であって、吸引具の下面に当て付ける合成樹脂製の本体部と、該本体部に連結した取り付け用紐状体とを備えていて、本体部は薄い板状の横長体であって、横幅方向に沿って比較的小さな多数の吸引孔を列設し、該本体部の前縁側後縁側の両方に、それぞれ前後に突出した一体部分を備えていて、この一体部分には、本体部 (1) の横幅方向に沿った多数の小溝 (14) …を備え、該多数の小溝 (14) …によって電気掃除機における吸引具の前面側並びに後面側に沿って各小溝 (14) の底に当たる部分の肉厚を柔軟性を保つ程度に薄くし、この薄肉部の柔軟性を利用して電気掃除機における吸引具 (H) の前面側 (a) 並びに後面側 (b) に沿わせて折り曲げ可能に形成され、後縁側 (13) に形成した所要幅部分は、使用時に掃除機吸引具 (H) における吸気パイプ (p) に接触して支障にならないよう横幅方向の中間部分を避けて左右に偏った箇所にだけ連設形成してあり、かつ、これらの折り曲げ可能とされた前縁側 (12) または後縁側 (13) の一方または両方に、該本体部の横幅方向の左右に偏した部分に紐状体の一端を固定してあるものとし、この紐状体を用いて吸引具に取り付けるようにしたものであるから、電気掃除機の吸引具が、前後幅や上下高さ若しくは左右の長さが異なる種々の形状のものに取り付けることができ、この場合、何れの場合にも、電気掃除機における吸引力を利用して本体部に形成した多数の吸引孔から塵埃を効率よく吸引し清掃することができるものでありながら、吸引孔が小さくて多数の小孔の列設体であるため、布団や毛布、カーテンや柔らかい敷物等の柔軟な布地体であっても吸引具の吸引口に吸い込まれて清掃不能に陥るという不都合を生じることなく、極めて効率よく、確実に清掃することができるという顕著な効果を期待することが出来るに至ったのである。しかも、柔軟性を保つように薄くした薄肉部によって折り曲げ可能に形成した前縁側 と後縁側とを前後に突出させて本体部と一体的に合成樹脂材によって形成してあるので成形が容易で量産化に適し、均質な商品を安価に得られる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示した全体斜視図。
【図2】図平面図。
【図3】図2の一部省略側面図。
【図4】第2実施例を示す平面図。
【図5】第3実施例を示す平面図。
【図6】第4実施例を示す平面図。
【図7】第5実施例を示す平面図。
【図8】使用例を説明する斜視図。
【図9】使用例を説明する斜視図。
【図10】使用例を説明する斜視図。
【図11】他の使用例を説明する斜視図。
【図12】第6実施例を示す側面図。
【図13】第7実施例を示す紐取り付け部分を通る縦断側面図。
【符号の説明】
1 本体部
11 吸引孔
12 前縁側
13 後縁側
14 小溝
2 紐状体

Claims (2)

  1. 電気掃除機における吸引具の下面に当て付ける合成樹脂製の本体部(1)と、該本体部(1)に連結した取り付け用紐状体(2)とを備え、本体部(1)は薄い板状の横長体であって、横幅方向に沿って比較的小さな多数の吸引孔(11)…が列設され、該本体部(1)の前縁側(12)の所要幅部分と後縁側(13)の所要幅部分が、それぞれ前後に突出した一体部分を備えていて、この一体部分には、本体部(1)の横幅方向に沿った多数の小溝(14)…を備え、該多数の小溝(14)…によって電気掃除機における吸引具の前面側並びに後面側に沿って各小溝 (14) の底に当たる部分の肉厚を柔軟性を保つ程度に薄くし、この薄肉部の柔軟性を利用して電気掃除機における吸引具 (H) の前面側 (a) 並びに後面側 (b) に沿わせて折り曲げ可能に形成され、後縁側 (13) に形成した所要幅部分は、使用時に掃除機吸引具 (H) における吸気パイプ (p) に接触して支障にならないよう横幅方向の中間部分を避けて左右に偏った箇所にだけ連設形成してあり、かつ、これらの折り曲げ可能とされた前縁側(12)または後縁側(13)の一方または両方に、該本体部(1)の横幅方向の左右に偏した部分に前記紐状体(2)の一端を固定してなる電気掃除機用吸引補助具。
  2. 多数の吸引孔(11)…が本体部(1)の前後幅方向において複数列形成され、それぞれの吸引孔(11)…が千鳥足状となるように交互に配置形成されている請求項1に記載の電気掃除機用吸引補助具。
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