JP3801280B2 - 清掃具 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、業務用、あるいは家庭用として用いられる清掃具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、清掃用物品としては、掃除機、はたき、ほうき、モップ、雑巾、化学雑巾等があり、目的、あるいはそれぞれの方法の長所、短所に応じて使い分けられてきた。近年、集合住宅等で木質の床材を用いたフロアが多くなり、例えば、使用後のシート交換が容易な使い捨ての清掃用シートを装着し、モップ様に使用する柄付きクリーナーが普及している。清掃用シートとしては、例えば不織布の３層積層体や、網状ネットと不織布との交絡体等が一般的で、クリーナーのヘッド部に巻装したのち、ヘッド部上面に付設した係止具によって固定され清掃に供されている。しかしながら、ヘッド部は一般に直方板状の強固な構造体から成り立っており、ヘッド部のコーナーで家具等を傷つけたり、狭い所を処理する場合、家具や置物等を移動しなければならない等の不便さがあった。また、清掃効率をあげるためには、清掃活用面に凸条を設ける等工夫を施す必要がありコスト高を余儀なくされているのが現状であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、柄付きクリーナータイプの清掃具において、清掃効率が高く、清掃作業中ヘッド部のコーナーで家具等を傷つけたりする恐れがなく、狭い所を処理する場合でも家具や置物等を移動せずに簡単に対処でき、しかも安価な清掃具を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項１の発明は、柄付きクリーナーのヘッド部が、（１）該ヘッド部の基板の左右側方に、可撓性の材質からなる短冊片をそれぞれ３から６枚、並列壁状に設けて清掃横巾全長をカバーするように構成されてなるか、又は（２）該ヘッド部の基板の左右側方に、可撓性の材質からなる短冊片をそれぞれ１から４枚、並列壁状に設けて清掃横巾全長をカバーするように構成され、且つ該ヘッド部の清掃方向前方側面と後方側面に相応する壁面が、清掃横巾全長をカバーする１枚の短冊片から構成されてなる 清掃具において、清掃方向前方側面と後方側面に相応する壁面には、前記短冊片の全てに捲回して使用される清掃用シートを掛止するための面ファスナーが取り付けられており、更に、該短冊片全てが一体成形されその中央部で基板と貼合され、且つ、該短冊片が柔軟で弾力性と復元性を有する素材で成形され、その復元性によって処理面に付着したゴミ等を掃き出す効果が高められた清掃具に係る。
【０００５】
従来の清掃具のヘッド部が直方板状の強固な構造体から成り立っているのに対し、本発明では可撓性の材質からなる短冊片を用いてヘッド部を構成することによって上記課題を解決したものである。
【０００６】
短冊片を形成する可撓性の材質としては、弾力性と復元性、ならびに強度性を兼備したゴムまたはその発泡体、あるいは軟質のプラスチックまたはその発泡体、あるいは熱可塑性エラストマー等があげられ、基板の左右側方に、それぞれ３枚以上、本発明の清掃具においては３〜６枚を並列壁状に設ける。なお、清掃方向前方側面と後方側面に相応する壁面は、清掃横巾全長をカバーする１枚の短冊片から構成されるのが好ましいが、基板の側面が清掃横巾全長の中央部を占有しこれの左右側方にそれぞれ短冊片を延在させても構わない。この短冊片は、従来の強固なヘッド部と異なりその弾力性ゆえに処理面や処理場所の家具等を傷つけることがなく、また狭い場所の清掃に際しても家具や置物等を移動せずに簡単に対処できるメリットを提供する。特にその復元性は、処理面に付着したゴミ等を掃き出す効果を高め清掃効率の向上に寄与し、簡単な構造で所要資材も少なくてすむことから清掃具のコストダウンをも図れるものである。
【０００７】
本発明では、清掃用シートを掛止するために面ファスナーが取り付けられる。面ファスナーの形状としては、フック状、剣山状、ループ状等種々可能であるが、掛止力を考慮すると、高さが１〜４ｍｍのフック状または剣山状ファスナーが好ましい。面ファスナーは接着剤等を用いてヘッド部の清掃方向前方側面と後方側面に相応する壁面に貼着されるので、基板の上面に清掃用シートの係止具を有する従来の清掃具に比べ、清掃用シートの清掃方向巾を節約して使用することができる。また、面ファスナーは、清掃横巾全長をカバーするように取り付けるのが好ましいが、清掃用シートとの掛止力に支障がないかぎり部分的に欠落部を設けても構わない。
【０００８】
【０００９】
【００１０】
更に、請求項２の発明は、請求項１の清掃具において、清掃方向前方側面と後方側面の間に設けられた短冊片の長さを清掃横巾全長のほぼ１／３としたものである。
【００１１】
請求項３の発明は、請求項１または２の清掃具において、清掃用シートと当接する基板底面相応部に緩衝用の弾性体シートを更に貼合したものである。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面に基づいて、本発明による清掃具の実施の形態を詳細に説明する。図１は本発明清掃具の一例の斜視図であり、図２は別の実施形態を示す斜視図である。また、図３は、図１の清掃具に清掃用シートを巻装した時の使用図である。
【００１３】
図において、１はプラスチック製基板で、短冊片２を貼合、保持して、柄付きクリーナーのヘッド部を構成する。その材質としては、ＡＢＳ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル，塩化ビニール等任意の種類のものを使用でき、必要ならばリブ等を設けて強度を高めることができる。また、上面の大きさは、横巾が清掃横巾の約１／３の５〜１２ｃｍ程度、また進行方向巾が５〜１０ｃｍ程度のものが使い易く、デザイン等を加味して適宜決定すればよい。
【００１４】
短冊片２は，ゴムまたはその発泡体、あるいは軟質のプラスチックまたはその発泡体、あるいは熱可塑性エラストマー等のような、柔軟で弾力性と復元性を有する素材で成形され、基板の左右側方に並列壁状に設けられる。その配列としては、例えば、図１の実施例では、清掃方向前方側面と後方側面に相応する壁面が、清掃横巾全長をカバーする長さ約２５ｃｍ、高さ約１．５ｃｍ、厚さ約８ｍｍの１枚の短冊片２からなり、一方両片の間には基板１の左右それぞれに長さ約８ｃｍ、高さ約１．５ｃｍ、厚さ約４ｍｍの短冊片２枚ずつが配置されている。このように、清掃方向前方側面と後方側面に相応する短冊片２の厚みを、両片の間に配置されるもののそれに比べて大きくする方が使いやすいが、図３の如く、全て同形の短冊片２を用いてヘッド部を構成しても何ら構わない。また、製造性の点から、ヘッド部を構成する全ての短冊片２は基板相応面積の連結部を有して一体成形され、中央部で基板１と貼合された構成とする。
【００１５】
ヘッド部の清掃方向前方側面と後方側面に相応する壁面には、清掃用シート３を掛止させるための面ファスナー４が貼着される。面ファスナー４の形状は、フック状、剣山状、ループ状等種々可能であるが、掛止力の点から、高さが１〜４ｍｍのフック状または剣山状ファスナーが好ましい。また、面ファスナー４の両壁面における占有面積は、図１では清掃横巾全長をカバーするように設置されているが、清掃用シート３との掛止力に支障がないかぎり任意である。なお、従来の清掃具では清掃用シートの係止具が基板上面に備えられているのに対し、本発明では面ファスナー４を壁面に設置したので清掃用シート３の清掃方向巾を節約できるメリットも有する。
【００１６】
５は、清掃用シート３と当接する基板底面相応部に設けられた緩衝用の弾性体シートである。スポンジ、ウレタン等の弾性材質からなり、清掃時の衝撃を和らげるうえで有用である。また、６は基板１のほぼ中央に取り付けられたジョイント部で、通常、前後、またはこれに加えて左右、斜めの全方向に自在に方向転換できる機構を備え、柄に連結している。
【００１７】
かかる構成の清掃具に、清掃用シート３を巻装して使用すると、清掃用シート３は面ファスナー４に確実に掛止されるので使いやすく、柔軟で弾力性と復元性を有する素材で成形された短冊片２の作用によって高い清掃効率と優れた使用性が提供されるものである。なお、清掃用シート３としては、目的に応じて、不織布の３層積層体、網状ネットと不織布との交絡体、あるいはこれらに若干の油分を含ませたもの等適宜使用できることは言うまでもない。
【００１８】
【実施例】
実施例１．
柄付きクリーナーのヘッド部として、上面にジョイント部を有するＡＢＳ製基板（上面；５×９ｃｍ）と、清掃方向前方側面と後方側面に相応する長さ約２５ｃｍ、高さ約１．５ｃｍ、厚さ約８ｍｍの２枚の短冊片、ならびに両片の間で左右に２枚ずつ配置される長さ約８ｃｍ、高さ約１．５ｃｍ、厚さ約４ｍｍの短冊片を連結したゴム製部材を作製した。基板とゴム製部材を貼合し、清掃方向前方側面と後方側面に相応する壁面の清掃横巾全長にわたり、高さが２ｍｍのフック状面ファスナー（幅；１ｃｍ）を貼着して本発明の清掃具を得た。短冊片に清掃用シート（清掃方向巾；１０ｃｍ、横幅；３０ｃｍ）を巻装し、シートの端部を面ファスナーに掛止してフロアで使用したところ、短冊片の効果でゴミ捕捉効率がすぐれ、清掃中家具等を傷つけることなく、また狭い場所でも簡単に対処できたことから極めて実用的であった。更に本清掃具は安価なうえ、清掃用シートの大きさを従来の約２０×３０ｃｍから約１０×３０ｃｍに節約して２回分使用でき、経済性の点でも非常に有利であった。
【００１９】
試験例１．
実施例１に準じて表１に示す種々の清掃具を作製し、不織布の３層積層体からなる清掃用シートを巻装して下記の性能試験を実施した。表１にその結果も併せて示す。
（１）ゴミ捕捉効率．
１ｍ^２のフロアの上に粉状埃および繊維状埃を散りばめ、全面均等に２回拭きとり、シートに捕捉されたゴミの量から捕捉効率を○、△、×で評価した。
〇；捕捉効率大。
△；中程度。
×；捕捉効率悪い。
（２）使用性．
巾が約２０ｃｍの奥まった隙間に対して清掃作業を行い、清掃具の使用性を評価した。
【００２０】
【表１】
【００２１】
試験の結果、本発明の清掃具は、ゴミ捕捉効率が高く、狭い場所でも支障なく清掃作業ができた。これに対し、非可撓性の短冊片を用いた清掃具（対照１）では本発明の効果が得られず、また、強固なヘッド部を有する従来の清掃具（対照２）については、当然のことながら狭い場所での清掃作業は不可能で家具等を移動させて作業する必要があった。従って、本発明の構成を採ることにより、有用な清掃具が得られることが明らかである。
【００２２】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の清掃具は、ゴミの捕捉効率がすぐれ、清掃作業中ヘッド部のコーナーで家具等を傷つけたりする恐れがなく、また狭い所を処理する場合でも家具や置物等を移動せずに簡単に対処でき、しかも安価なためその実用性は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る清掃具の一実施例を示す斜視図である。
【図２】別の実施形態を示す斜視図である。
【図３】図１の清掃具に清掃用シートを巻装した時の使用図である。
【符号の説明】
１ 柄付きクリーナーヘッド部の基板
２ 短冊片
３ 清掃用シート
４ 面ファスナー
５ 弾性体シート
６ ジョイント部

Claims (3)

1. 柄付きクリーナーのヘッド部が、（１）該ヘッド部の基板の左右側方に、可撓性の材質からなる短冊片をそれぞれ３から６枚、並列壁状に設けて清掃横巾全長をカバーするように構成されてなるか、又は（２）該ヘッド部の基板の左右側方に、可撓性の材質からなる短冊片をそれぞれ１から４枚、並列壁状に設けて清掃横巾全長をカバーするように構成され、且つ該ヘッド部の清掃方向前方側面と後方側面に相応する壁面が、清掃横巾全長をカバーする１枚の短冊片から構成されてなる清掃具において、清掃方向前方側面と後方側面に相応する壁面には、前記短冊片の全てに捲回して使用される清掃用シートを掛止するための面ファスナーが取り付けられており、更に、該短冊片全てが一体成形されその中央部で基板と貼合され、且つ、該短冊片が柔軟で弾力性と復元性を有する素材で成形され、その復元性によって処理面に付着したゴミ等を掃き出す効果が高められたことを特徴とする前記の清掃具。
2. 清掃方向前方側面と後方側面の間に設けられた短冊片の長さが、清掃横巾全長のほぼ１／３であることを特徴とする請求項１に記載の清掃具。
3. 清掃用シートと当接する基板底面相応部に緩衝用の弾性体シートを更に貼合したことを特徴とする請求項１または２に記載の清掃具。