JPH0847470A - 不織布製清掃用拭布 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 清掃時の使用感が良好で除塵能力に勝れ、か
つ耐久性も備えた不織布製の拭布を得る。 【構成】 不織布により短冊状又は短筒状に形成した多
数の払拭用小片２を基布３上に並べ、各払拭用小片２の
中間部分を縫着、固定することにより、拭布１を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、不織布からなる清掃用
の拭布に関するものであり、更に詳しくは、使用性や除
塵能力等に勝れた不織布製の拭布に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、家具や置物、床等を清掃するモ
ップに取り付けて使用される拭布として、従来、不織布
からなる平面シート状のものが知られている。かかる不
織布製の拭布は、軽量で取り扱い易いという利点を有し
ているが、その反面、非常に薄いために清掃時の使用感
が悪く、しかも、表面が平坦で被清掃部位に接触する有
効清掃面積が小さいために除塵能力が小さく、更に、繊
維の毛羽立ちやちぎれ等が発生し易いために耐久性が劣
る、等の欠点があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる課題
は、上述した不織布製の拭布に特有の欠点を解消し、清
掃時の使用感が良好で除塵能力に勝れ、かつ耐久性も備
えた不織布製の拭布を提供することにある。本発明の他
の課題は、着塵剤を含浸しなくても微細な塵埃や細菌類
の一部をも除去することができる不織布製の拭布を提供
することにある。本発明の更に他の課題は、油性又は水
性の汚れを確実に除去することが可能な不織布製の拭布
を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明によれば、不織布により短冊状又は短筒状に
形成した払拭用小片の長さ方向の中間部分を基布に固定
することにより、多数の払拭用小片を基布上に所要の配
列及び間隔で取り付けたことを特徴とする拭布が提供さ
れる。本発明の具体的な例によれば、長さ方向に隣り合
う払拭用小片相互間の取付間隔を該払拭用小片の長さよ
りも小さくすることにより、各払拭用小片を起立状態に
保持させている。上記払拭用小片は、親油性の合成繊維
により構成することができ、この場合好ましくは、上記
合成繊維を直径１〜５μｍの超極細繊維とすることであ
る。あるいは上記払拭用小片を、親油性の合成繊維と親
水性の天然繊維との混合物により構成することもでき
る。この場合、合成繊維及び天然繊維がそれぞれ直径１
０〜３０μｍの極細繊維であることが望ましい。さらに
は、上記払拭用小片を、直径１〜５μｍの超極細の合成
繊維と、直径１０〜３０μｍの極細の合成繊維と、直径
１０〜３０μｍの極細の天然繊維との混合物により構成
することもできる。本発明の拭布は、同一素材からなる
払拭用小片を基布上に取り付けるのではなく、直径１〜
５μｍの超極細の合成繊維からなる払拭用小片と、直径
１０〜３０μｍの極細の合成繊維及び天然繊維の混合物
からなる払拭用小片とを、混合して配置したものであっ
ても良い。本発明の拭布は、手を挿入するためのポケッ
ト部を形成することにより、手で直接持って清掃を行う
ハンドモップの形に形成することができる。

【０００５】

【作用】上記構成を有する拭布は、不織布で短冊状又は
短筒状に形成した多数の払拭用小片を基布上に取り付け
ることにより構成されているため、平面シート状をした
従来の拭布に比べて厚みが非常に大きく、清掃時の弾力
性が良好で使用感に勝れている。しかも、拭布の表面積
が大きいために除塵能力が大きく、繊維のほつれやちぎ
れ等が生じにくいために耐久性にも勝れている。また、
払拭用小片を極細繊維や超極細繊維で形成することによ
り、着塵剤を含浸しなくても微細な塵埃まで確実に除去
することができるばかりでなく、ダニや花粉、細菌類の
一部等をも除去することができる。さらに、払拭用小片
を親油性繊維又はこれに親水性繊維を混合して形成する
ことにより、水性の汚れは勿論のこと、油性の汚れであ
ってもそれを確実に除去することができる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明するに、図１及び図２は拭布の第１実施例を示す
もので、この拭布１は、不織布により短筒状に形成した
多数の払拭用小片２を基布３上に複数列並べ、これらの
払拭用小片２を長さ方向の中間位置において糸等の固定
手段４で基布３に固定することにより、形成されてい
る。上記拭布は、図４に例示するように、モップ５の装
着ヘッド６に取り付けて使用するものである。

【０００７】上記拭布１における払拭用小片２は、所定
の幅（例えば５０ｍｍ前後）を持つ細長いテープ状の不
織布を、幅方向に端から順次巻くとか、規則的又は不規
則的に折り畳むとか、全体を捩る等の適宜方法により、
長尺の筒状体を形成し、この筒状体を払拭用小片として
必要な長さ（例えば２０〜１００ｍｍ程度）に切断する
ことにより得ることができるが、予め払拭用小片として
必要な幅及び長さに切断してあるシート状の不織布を、
上述したような方法で筒状化したものであっても良い。

【０００８】上記払拭用小片２を基布３に固定する場
合、長さ方向に隣り合う払拭用小片相互間の取付間隔ａ
は任意であるが、図２に示すように、該取付間隔ａを払
拭用小片２の長さｂと同じか又はそれよりも大きくする
ことにより、各払拭用小片２をほぼ伸長した状態で比較
的低密度に取り付けることができ、図３に示すように、
取付間隔ａを払拭用小片２の長さよりも小さくすること
により、各払拭用小片２を起立状態で高密度に取り付け
ることができる。このときの払拭用小片２の起立角度や
取付密度等は、取付間隔ａによって調整することができ
る。

【０００９】一方、上記基布３は、必要な強度を持った
平面シート状のものであればどのような素材からなるも
のでも良く、通常の織布や不織布等により形成すること
ができる。また、該基布３に払拭用小片２を取り付ける
場合、該基布３の両側端部に若干のスペース３ａを残し
ておくことにより、このスペース３ａの部分をモップ５
に取り付けるための取付部として利用することができ
る。

【００１０】このような構成を持つ拭布１は、図４に示
すようにモップ５の装着ヘッド６に取り付け、家具や置
物、床面等の清掃に使用するが、基布３上に取り付けた
短筒状の払拭用小片２により、平面シート状をした従来
の拭布に比べて厚みが非常に大きくなっているため、清
掃時の弾力性が良好で使用感に勝れている。しかも、多
数の払拭用小片２によって拭布１の表面積が大きくなっ
ているため、除塵能力も非常に大きく、大小の塵埃や汚
れ等を確実に除去することができる。また、払拭用小片
２の中間部が基布３に固定されていて繊維のほつれやち
ぎれ等が生じにくいため、耐久性にも勝れている。

【００１１】上記モップ５における装着ヘッド６をゴム
や合成樹脂等の弾性部材で形成することにより、拭布１
の弾力性をより有効に引き出して一層使用感を高めるこ
とができる。なお、本願の拭布１を取り付けるモップ５
は、図４に示すような構造のものに限定されるわけでは
なく、その他の形状をしたものであってもよいことはも
ちろんである。

【００１２】上記拭布１における払拭用小片２は、１〜
３０μｍという非常に細い繊維径をもった親油性の合成
繊維か、レーヨン等の親水性の天然繊維、あるいはそれ
らの繊維の混合物からなる不織布により形成することが
望ましく、これにより、拭布１の除塵能力が飛躍的に向
上し、着塵剤を含浸しなくても、通常のごみや油性汚
れ、水性汚れ等は勿論のこと、従来の拭布１では除去す
ることができなかったミクロン単位の塵埃やダニ、細菌
類等をも取り除くことができるようになる。

【００１３】上記合成繊維としては、ポリプロピレン、
ポリエステル、アクリル等が好適に使用され、それらが
１種類又は複数種類混合して使用される。複数種類の合
成繊維を混合して使用する場合や、合成繊維と天然繊維
とを混合して使用する場合には、同一繊維径のもの同士
を混合しても良いが、繊維径の異なるもの同士を混合し
ても良く、あるいは色々な繊維径の繊維を混在させても
良い。

【００１４】具体的な例で説明すると、例えば、払拭用
小片２を合成繊維で形成する場合には、上述したポリプ
ロピレン、ポリエステル、アクリル等からなる直径が１
〜５μｍの超極細繊維を使用することができ、これによ
り、拭布１に極めて勝れた除塵能力が備わって、ミクロ
ン単位の塵埃やダニ、細菌類等を確実に除去することが
できる。

【００１５】また、払拭用小片２をポリプロピレン、ポ
リエステル、アクリル等の合成繊維とレーヨン等の天然
繊維との混合物で形成する場合には、直径が１０〜３０
μｍの極細繊維を使用することができる。この場合の両
繊維の好ましい混合比は、例えばほぼ１：１であり、混
合する両繊維の直径は互いに同じであっても、異なって
いても良く、あるいは色々な直径の繊維が混在していて
も良い。

【００１６】更には、直径１〜５μｍの超極細の合成繊
維と、直径１０〜３０μｍの極細の合成繊維と、直径１
０〜３０μｍの極細の天然繊維との混合物によって払拭
用小片２を形成することもできる。この場合の混合割合
は、超極細合成繊維：極細合成繊維：極細天然繊維＝
２：１：１程度であることが望ましい。

【００１７】あるいは、上記の如く各払拭用小片２を超
極細の合成繊維と極細の合成繊維及び極細の天然繊維で
形成するのではなく、図５に示す実施例のように、直径
１〜５μｍの超極細の合成繊維からなる払拭用小片２ａ
と、直径１０〜３０μｍの極細の合成繊維及び極細の天
然繊維の混合物からなる払拭用小片２ｂとを、混合して
配置することもできる。この場合、払拭用小片２ａと２
ｂとを交互に配置しても、それらを複数置きに配置して
も、適当なパターンに組み合わせて配置しても良い。

【００１８】図６及び図７は本発明の拭布の他の実施例
を示すもので、この拭布１１は、基布１３の下面に払拭
用小片１２を所要の配列パターンで取り付けると共に、
基布１３の上面に手を挿入するためのポケット部１７を
形成することにより、手で直接持って清掃を行うハンド
モップ５の形に形成したものである。なお、この実施例
における払拭用小片１２の構成及び配置については、上
記第１及び第２実施例の場合と同様である。

【００１９】上記各実施例では、払拭用小片２，１２を
糸で縫着することにより基布３，１３に取り付けている
が、その他の接着や溶着等の適宜手段で取り付けること
もでき、また、拭布１，１１の外形状及び払拭用小片
２，１２の配列パターンは、図示したようなものに限る
わけではなく、用途等に応じた適宜外形状及び配列パタ
ーンとすることができる。

【００２０】更に、上記払拭用小片２，１２は、不織布
により短筒状に形成されているが、必要な厚さを持った
不織布を所要寸法に裁断することにより短冊状に形成し
たものであっても良い。なお、上記拭布１，１１が清掃
で汚れた場合には、洗濯機等で丸洗いして再使用するこ
とができる。

【００２１】

【発明の効果】このように本発明の織布によれば、不織
布で短冊状又は短筒状に形成した多数の払拭用小片を基
布上に取り付けることにより構成したので、平面シート
状をした従来の拭布に比べて厚みが非常に大きく、清掃
時の弾力性が良好で使用感に勝れている。しかも、拭布
の表面積が大きいために除塵能力が大きく、繊維のほつ
れやちぎれ等が生じにくいために耐久性にも勝れてい
る。また、払拭用小片を極細繊維や超極細繊維で形成す
ることにより、着塵剤を含浸しなくても微細な塵埃まで
確実に除去することができるばかりでなく、ダニや花
粉、細菌類の一部等をも除去することができる。さら
に、払拭用小片を親油性繊維又はこれに親水性繊維を混
合して形成することにより、水性の汚れは勿論のこと、
油性の汚れであってもそれを確実に除去することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る拭布の一実施例を示す下面図であ
る。

【図２】図１の拭布のＡ−Ａ線における拡大断面図であ
る。

【図３】図１の拭布の異なる構成例を示す図２と同様位
置での断面図である。

【図４】上記拭布をモップに取り付けた状態の要部側断
面図である。

【図５】図１の拭布の更に異なる構成例を示す部分下面
図である。

【図６】本発明の拭布の別実施例を示す平面図である。

【図７】図６の織布のＢ−Ｂ線における拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

１，１１ 拭布 ２，１２ 払拭用
小片 ３，１３ 基布 １７ ポケット部 ａ 取付間隔 ｂ 払拭用小片の
長さ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 不織布により短冊状又は短筒状に形成し
   た払拭用小片の長さ方向の中間部分を基布に固定するこ
   とにより、多数の払拭用小片を基布上に所要の配列及び
   間隔で取り付けてなる不織布製清掃用拭布。
2. 【請求項２】 長さ方向に隣り合う払拭用小片相互間の
   取付間隔を該払拭用小片の長さよりも小さくすることに
   より、各払拭用小片を起立状態に保持せしめてなること
   を特徴とする請求項１に記載の不織布製清掃用拭布。
3. 【請求項３】 払拭用小片が親油性の合成繊維からなる
   ことを特徴とする請求項１又は２に記載の不織布製清掃
   用拭布。
4. 【請求項４】 合成繊維が直径１〜５μｍの超極細繊維
   であることを特徴とする請求項３に記載の不織布製清掃
   用拭布。
5. 【請求項５】 払拭用小片が親油性の合成繊維と親水性
   の天然繊維との混合物からなることを特徴とする請求項
   １又は２に記載の不織布製清掃用拭布。
6. 【請求項６】 合成繊維及び天然繊維がそれぞれ直径１
   ０〜３０μｍの極細繊維であることを特徴とする請求項
   ５に記載の不織布製清掃用拭布。
7. 【請求項７】 払拭用小片が、直径１〜５μｍの超極細
   の合成繊維と、直径１０〜３０μｍの極細の合成繊維
   と、直径１０〜３０μｍの極細の天然繊維との混合物か
   らなることを特徴とする請求項５に記載の不織布製清掃
   用拭布。
8. 【請求項８】 直径１〜５μｍの超極細の合成繊維から
   なる払拭用小片と、直径１０〜３０μｍの極細の合成繊
   維及び天然繊維の混合物からなる払拭用小片とを、混合
   して配置してあることを特徴とする請求項１又は２に記
   載の不織布製清掃用拭布。
9. 【請求項９】 手を挿入するためのポケット部を形成す
   ることにより、手で直接持って清掃を行うハンドモップ
   の形に形成されていることを特徴とする請求項１ないし
   ８のいずれかに記載の不織布製清掃用拭布。