JP3616837B2 - 洗米排水処理方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精白米を洗う際に発生する洗米排水(所謂「米のとぎ汁」)を処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
洗米排水はSS分として微細な澱粉粒を多量に含むとともに、油脂,タンパク質,糖質をも含んでおり、BODが8000〜10000ppm と高い特質を有している。したがって、従来、一般家庭では下水道に直接流されているが、炊飯センターなど多量の精白米を洗米するところでは主として活性汚泥法などでBODを低減させる処理がなされたのち、下水道などに放流されている。しかし、従来の活性汚泥法では、処理設備の設置面積が大きく、設備費や維持費も高くならざるを得なかった。
【0003】
そこで、本発明者は洗米排水を濾過してBODの大部分を占めるSS分を除去することを考え、種々の実験を行なったが、濾布や濾紙などの濾過体が短時間で目詰まりを起こしてしまうために実用には至らなかった。なお、濾過体が短時間で目詰まりを起こすのは、洗米排水がその成分に起因する粘着性を有しており、この粘着性によって、濾過体の表面に付着したSS分が相互に粘着することが主たる原因であろうと考えられた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであって、濾過工程における濾過体の目詰まりを極力抑制して、効率よく洗米排水を処理できる方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、少なくとも濾過工程を含んでなる洗米排水処理方法において、前記濾過工程の前に、洗米排水に炭酸ガスを吹き込むようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、以下、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、洗米装置や無洗米製造装置など(不図示)からの洗米排水1は、濾過装置3の前工程に設けられた前処理槽2に送られ、ここで炭酸ガスボンベ4からの炭酸ガス5を吹き込まれる。炭酸ガス5を吹き込まれた洗米排水1は粘着性が弱められ、SS分が相互に粘着しにくい状態となって、濾過装置3に送られる。なお、図示を省略したが、炭酸ガスボンベ4には炭酸ガスの気化装置や流量調整弁が付設されている。
【0007】
濾過装置3は図2に示すように、本体ケーシング30内の下部に濾過槽31が設けられており、濾過槽31の内部には上端を支持部材32に支持された複数の濾過バッグ(濾過体)33が設けられている。
【0008】
濾過バッグ33は断面略U字状の偏平なものであり、その内部には吸引パイプ34の一端側が挿入されていて、吸引パイプ34の他端側に接続されたポンプ6(図1参照)を運転すると、供給口(不図示)から濾過槽31内に供給された洗米排水1は濾過バッグ33を通過する際にSS分の大半を除去され、この濾液7は貯留槽8を経て生物処理装置9に送られるようになっている(図1参照)。
【0009】
なお、35はメンテナンスなどのために濾過バッグ33を濾過槽31から取り出す際に、支持部材32を吊り上げる吊り上げ機構である。
【0010】
また、濾過槽31の側壁と濾過バッグ33との間隙及び濾過バッグ33相互の間隙には、幅が濾過バッグ33とほぼ等しい断面略L字状のアングル鋼材からなる攪拌体36が、それぞれ配設されている。各攪拌体36は、上端部を支持部材32に回動自在に枢支された一対のネジ軸37に、両端部がそれぞれ螺合されて支持されており(図2には各攪拌体36の両端部を支持する一対のネジ軸37うちの一方のみが示されている)、ネジ軸37を正逆方向に回転させると、L字の先端部分が濾過バッグ33の表面と所定の間隔を保ったまま、上下に移動するようになっている。
【0011】
そして、濾過バッグ33の逆洗を行なう際には、ポンプ6を逆転させて貯留槽8内の濾液7を濾過バッグ33内に送り込むとともに、モータ38によりネジ軸37を正逆方向に回転駆動すると、攪拌体36が前記のように上下動して濾過バッグ33の表面近傍に水流を起こし、この水流により、濾過バッグ33の表面に付着したSS分(濾過ケーキ)が効率的に落とされるとともに、濾過バッグ33の目詰まりが効率的に解消されるようになっている。
【0012】
因みに、従来、濾過体の表面に接触して濾過ケーキをかき落とす機構を備えた濾過装置があったが、これには濾過ケーキをかえって濾過体の内部に押し込んでしまう欠点があったのに対し、本実施例の濾過装置3では、濾過バッグ33の表面に接触せずに水流を起こす攪拌体36を逆洗と同時に動作させることにより、極めて効率よく目詰まりが解消できる。
【0013】
濾過バッグ33から落とされた濾過ケーキは、極めて濃度の高いSS分の濃縮液10となって濾過槽31の底部に溜まり、濃縮液取出口39を開くことにより火力乾燥機11に送られて乾燥させられる(図1参照)。なお、臭気を除去するために、火力乾燥機11からの排気12にはオゾン発生装置(不図示)からのオゾン13が供給される。
【0014】
生物処理装置9は図3に示すように、本体架台90に支持された筒体91の内部に金網からなる木炭ラック92が上下に多層に設けられ、各木炭ラック92には木炭93が載せられている。筒体91の上部には濾液7をシャワー状に放射するノズル94が設けられ、筒体91の底部には排水口95が設けられている。また、筒体91の底部近傍には吸気口96が、筒体91の上端部には排気口97が、それぞれ設けられ、さらに、排気口97のやや下方にはオゾン発生装置(不図示)からのオゾン13を導入するオゾン導入口98が設けられている。
【0015】
この生物処理装置9では、吸気口96から排気口97へ向かう空気が筒体91内を上昇している状態で、ノズル94からの濾液7が筒体91内を流下するために、各木炭ラック92上の木炭93が濾液7中の有機物質を吸着するとともに、この木炭93を媒体として、筒体91の下部エリアaには主として好気性の微生物が付着生成する。また、好気性の微生物が酸素を消費した結果、酸素の少ない空気が流通する筒体91の上部エリアbの木炭93には、主として嫌気性の微生物が付着生成する。
【0016】
したがって、濾過装置3からポンプ6,貯留槽8を経て送られてきた濾液7は、ノズル94から吐出されると、嫌気性処理と好気性処理とを順次経ることになり、濾過バッグ33を通過した特に微細な澱粉粒,油脂,タンパク質,糖質などの有機物質を分解されBODをさらに低減させられたのち、処理水15として排水口95から排出され、下水道など(不図示)に放流される。また、吸気口96からの空気14は筒体91内を上昇して、排気口97から排気12として排出されるのであるが、その手前で、オゾン導入口98からのオゾン13により臭気を除去される。
【0017】
因みに、従来、生物処理を行なう装置としては、前記した活性汚泥法の他に、多数のプラスチック円板の下半分だけを排水槽に浸漬し、この円板を回転させて円板に付着した微生物により排水の浄化を行なう回転円板法によるものもあったが、これらのものに比べて本実施例の生物処理装置9では、木炭ラック92が上下に積み重ねられているため処理能力の割に設置面積を小さくでき、円板を回転させる駆動機構が不必要につき設備コストも低廉にでき、さらに、嫌気性処理と好気性処理とが一つの装置内で行なえるなどの利点を有している。
【0018】
【実施例】
図1の設備を使用し、前処理槽2で毎分約3リットルずつの炭酸ガス5を吹き込みつつ、BODが約9,000ppm 、pHが約7の洗米排水1を毎分約8リットルずつ連続的に処理した。前処理槽2内の洗米排水1のpHは約6であった。
【0019】
また、濾過装置3からの濾液7はBODが約600ppm 、pHが約6であり、さらに、生物処理装置9からの処理液15はBODが約60ppm 、pHが約7であった。
【0020】
そして、排水処理運転を約30分間継続したところ、濾過装置3の処理能力が低下して前処理槽2内の水位が上昇してきたので、いったん運転を停止し、ポンプ6を逆転させるとともに攪拌体36を上下動させる逆洗を5分間行ない、その後、再び30分間運転した。
【0021】
以上のように、30分間運転→5分間逆洗→30分間運転→5分間逆洗・・・という運転パターンを約4時間繰り返したのち、濾過装置3の濃縮液取出口39を開いたところ、BODが約300,000ppm の濃縮液10が約56リットル取り出された。
【0022】
【比較例】
図1の設備を使用し、前処理槽2での炭酸ガス5の吹き込みを行なわずに、実施例と同様の洗米排水1を毎分約8リットルずつ連続的に処理したところ、運転開始から約10分後に濾過装置3の処理能力が低下し前処理槽2内の水位が上昇して、運転の継続が不可能となった。
【0023】
そこで、実施例と同様に5分間逆洗を行なったのち、運転再開を試みたが、濾過装置3の処理能力は毎分約7リットル程度までしか回復していなかった。
【0024】
なお、運転開始から濾過装置3の逆洗までの時間が、比較例の10分に対し、実施例では30分と長くなっているのは、吹き込まれた炭酸ガス5が水と反応して生じる炭酸により前処理槽2内が弱酸性となるために、洗米排水1の粘着性が弱められ、濾過バッグ33の表面に集められたSS分が相互に粘着することがなくなって、濾過バッグ33の目詰まりが抑制される結果であろうと推測される。
【0025】
また、実施例では洗米排水1の粘着性が弱められているために、5分間の逆洗で濾過バッグ33の目詰まりを解消できたのに対し、比較例では粘着性が弱められていないために、逆洗によっても濾過バッグ33の目詰まりが解消されず、濾過装置3の処理能力が元の状態にまで回復しなかったものと推測される。
【0026】
さらに、実施例において、生物処理装置9からの処理液15のpHが約7になっているのは、生物処理装置9内での気曝による結果と推測される。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る洗米排水の処理方法によれば、濾過工程の前に、洗米排水に炭酸ガスを吹き込むことにより、濾過体の目詰まりを抑制できるとともに、逆洗による濾過体の目詰まり解消も容易にできるようになって、洗米排水を効率よく処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法を適用した洗米排水処理設備の概略構成図である。
【図2】濾過装置の断面図である。
【図3】生物処理装置の断面図である。
【符号の説明】
1 洗米排水
2 前処理槽
3 濾過装置
4 炭酸ガスボンベ
5 炭酸ガス
7 濾液
9 生物処理装置
15 処理液
【発明の属する技術分野】
本発明は、精白米を洗う際に発生する洗米排水(所謂「米のとぎ汁」)を処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
洗米排水はSS分として微細な澱粉粒を多量に含むとともに、油脂,タンパク質,糖質をも含んでおり、BODが8000〜10000ppm と高い特質を有している。したがって、従来、一般家庭では下水道に直接流されているが、炊飯センターなど多量の精白米を洗米するところでは主として活性汚泥法などでBODを低減させる処理がなされたのち、下水道などに放流されている。しかし、従来の活性汚泥法では、処理設備の設置面積が大きく、設備費や維持費も高くならざるを得なかった。
【0003】
そこで、本発明者は洗米排水を濾過してBODの大部分を占めるSS分を除去することを考え、種々の実験を行なったが、濾布や濾紙などの濾過体が短時間で目詰まりを起こしてしまうために実用には至らなかった。なお、濾過体が短時間で目詰まりを起こすのは、洗米排水がその成分に起因する粘着性を有しており、この粘着性によって、濾過体の表面に付着したSS分が相互に粘着することが主たる原因であろうと考えられた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであって、濾過工程における濾過体の目詰まりを極力抑制して、効率よく洗米排水を処理できる方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、少なくとも濾過工程を含んでなる洗米排水処理方法において、前記濾過工程の前に、洗米排水に炭酸ガスを吹き込むようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、以下、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、洗米装置や無洗米製造装置など(不図示)からの洗米排水1は、濾過装置3の前工程に設けられた前処理槽2に送られ、ここで炭酸ガスボンベ4からの炭酸ガス5を吹き込まれる。炭酸ガス5を吹き込まれた洗米排水1は粘着性が弱められ、SS分が相互に粘着しにくい状態となって、濾過装置3に送られる。なお、図示を省略したが、炭酸ガスボンベ4には炭酸ガスの気化装置や流量調整弁が付設されている。
【0007】
濾過装置3は図2に示すように、本体ケーシング30内の下部に濾過槽31が設けられており、濾過槽31の内部には上端を支持部材32に支持された複数の濾過バッグ(濾過体)33が設けられている。
【0008】
濾過バッグ33は断面略U字状の偏平なものであり、その内部には吸引パイプ34の一端側が挿入されていて、吸引パイプ34の他端側に接続されたポンプ6(図1参照)を運転すると、供給口(不図示)から濾過槽31内に供給された洗米排水1は濾過バッグ33を通過する際にSS分の大半を除去され、この濾液7は貯留槽8を経て生物処理装置9に送られるようになっている(図1参照)。
【0009】
なお、35はメンテナンスなどのために濾過バッグ33を濾過槽31から取り出す際に、支持部材32を吊り上げる吊り上げ機構である。
【0010】
また、濾過槽31の側壁と濾過バッグ33との間隙及び濾過バッグ33相互の間隙には、幅が濾過バッグ33とほぼ等しい断面略L字状のアングル鋼材からなる攪拌体36が、それぞれ配設されている。各攪拌体36は、上端部を支持部材32に回動自在に枢支された一対のネジ軸37に、両端部がそれぞれ螺合されて支持されており(図2には各攪拌体36の両端部を支持する一対のネジ軸37うちの一方のみが示されている)、ネジ軸37を正逆方向に回転させると、L字の先端部分が濾過バッグ33の表面と所定の間隔を保ったまま、上下に移動するようになっている。
【0011】
そして、濾過バッグ33の逆洗を行なう際には、ポンプ6を逆転させて貯留槽8内の濾液7を濾過バッグ33内に送り込むとともに、モータ38によりネジ軸37を正逆方向に回転駆動すると、攪拌体36が前記のように上下動して濾過バッグ33の表面近傍に水流を起こし、この水流により、濾過バッグ33の表面に付着したSS分(濾過ケーキ)が効率的に落とされるとともに、濾過バッグ33の目詰まりが効率的に解消されるようになっている。
【0012】
因みに、従来、濾過体の表面に接触して濾過ケーキをかき落とす機構を備えた濾過装置があったが、これには濾過ケーキをかえって濾過体の内部に押し込んでしまう欠点があったのに対し、本実施例の濾過装置3では、濾過バッグ33の表面に接触せずに水流を起こす攪拌体36を逆洗と同時に動作させることにより、極めて効率よく目詰まりが解消できる。
【0013】
濾過バッグ33から落とされた濾過ケーキは、極めて濃度の高いSS分の濃縮液10となって濾過槽31の底部に溜まり、濃縮液取出口39を開くことにより火力乾燥機11に送られて乾燥させられる(図1参照)。なお、臭気を除去するために、火力乾燥機11からの排気12にはオゾン発生装置(不図示)からのオゾン13が供給される。
【0014】
生物処理装置9は図3に示すように、本体架台90に支持された筒体91の内部に金網からなる木炭ラック92が上下に多層に設けられ、各木炭ラック92には木炭93が載せられている。筒体91の上部には濾液7をシャワー状に放射するノズル94が設けられ、筒体91の底部には排水口95が設けられている。また、筒体91の底部近傍には吸気口96が、筒体91の上端部には排気口97が、それぞれ設けられ、さらに、排気口97のやや下方にはオゾン発生装置(不図示)からのオゾン13を導入するオゾン導入口98が設けられている。
【0015】
この生物処理装置9では、吸気口96から排気口97へ向かう空気が筒体91内を上昇している状態で、ノズル94からの濾液7が筒体91内を流下するために、各木炭ラック92上の木炭93が濾液7中の有機物質を吸着するとともに、この木炭93を媒体として、筒体91の下部エリアaには主として好気性の微生物が付着生成する。また、好気性の微生物が酸素を消費した結果、酸素の少ない空気が流通する筒体91の上部エリアbの木炭93には、主として嫌気性の微生物が付着生成する。
【0016】
したがって、濾過装置3からポンプ6,貯留槽8を経て送られてきた濾液7は、ノズル94から吐出されると、嫌気性処理と好気性処理とを順次経ることになり、濾過バッグ33を通過した特に微細な澱粉粒,油脂,タンパク質,糖質などの有機物質を分解されBODをさらに低減させられたのち、処理水15として排水口95から排出され、下水道など(不図示)に放流される。また、吸気口96からの空気14は筒体91内を上昇して、排気口97から排気12として排出されるのであるが、その手前で、オゾン導入口98からのオゾン13により臭気を除去される。
【0017】
因みに、従来、生物処理を行なう装置としては、前記した活性汚泥法の他に、多数のプラスチック円板の下半分だけを排水槽に浸漬し、この円板を回転させて円板に付着した微生物により排水の浄化を行なう回転円板法によるものもあったが、これらのものに比べて本実施例の生物処理装置9では、木炭ラック92が上下に積み重ねられているため処理能力の割に設置面積を小さくでき、円板を回転させる駆動機構が不必要につき設備コストも低廉にでき、さらに、嫌気性処理と好気性処理とが一つの装置内で行なえるなどの利点を有している。
【0018】
【実施例】
図1の設備を使用し、前処理槽2で毎分約3リットルずつの炭酸ガス5を吹き込みつつ、BODが約9,000ppm 、pHが約7の洗米排水1を毎分約8リットルずつ連続的に処理した。前処理槽2内の洗米排水1のpHは約6であった。
【0019】
また、濾過装置3からの濾液7はBODが約600ppm 、pHが約6であり、さらに、生物処理装置9からの処理液15はBODが約60ppm 、pHが約7であった。
【0020】
そして、排水処理運転を約30分間継続したところ、濾過装置3の処理能力が低下して前処理槽2内の水位が上昇してきたので、いったん運転を停止し、ポンプ6を逆転させるとともに攪拌体36を上下動させる逆洗を5分間行ない、その後、再び30分間運転した。
【0021】
以上のように、30分間運転→5分間逆洗→30分間運転→5分間逆洗・・・という運転パターンを約4時間繰り返したのち、濾過装置3の濃縮液取出口39を開いたところ、BODが約300,000ppm の濃縮液10が約56リットル取り出された。
【0022】
【比較例】
図1の設備を使用し、前処理槽2での炭酸ガス5の吹き込みを行なわずに、実施例と同様の洗米排水1を毎分約8リットルずつ連続的に処理したところ、運転開始から約10分後に濾過装置3の処理能力が低下し前処理槽2内の水位が上昇して、運転の継続が不可能となった。
【0023】
そこで、実施例と同様に5分間逆洗を行なったのち、運転再開を試みたが、濾過装置3の処理能力は毎分約7リットル程度までしか回復していなかった。
【0024】
なお、運転開始から濾過装置3の逆洗までの時間が、比較例の10分に対し、実施例では30分と長くなっているのは、吹き込まれた炭酸ガス5が水と反応して生じる炭酸により前処理槽2内が弱酸性となるために、洗米排水1の粘着性が弱められ、濾過バッグ33の表面に集められたSS分が相互に粘着することがなくなって、濾過バッグ33の目詰まりが抑制される結果であろうと推測される。
【0025】
また、実施例では洗米排水1の粘着性が弱められているために、5分間の逆洗で濾過バッグ33の目詰まりを解消できたのに対し、比較例では粘着性が弱められていないために、逆洗によっても濾過バッグ33の目詰まりが解消されず、濾過装置3の処理能力が元の状態にまで回復しなかったものと推測される。
【0026】
さらに、実施例において、生物処理装置9からの処理液15のpHが約7になっているのは、生物処理装置9内での気曝による結果と推測される。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る洗米排水の処理方法によれば、濾過工程の前に、洗米排水に炭酸ガスを吹き込むことにより、濾過体の目詰まりを抑制できるとともに、逆洗による濾過体の目詰まり解消も容易にできるようになって、洗米排水を効率よく処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法を適用した洗米排水処理設備の概略構成図である。
【図2】濾過装置の断面図である。
【図3】生物処理装置の断面図である。
【符号の説明】
1 洗米排水
2 前処理槽
3 濾過装置
4 炭酸ガスボンベ
5 炭酸ガス
7 濾液
9 生物処理装置
15 処理液
Claims (1)
- 少なくとも濾過工程を含んでなる洗米排水処理方法において、
前記濾過工程の前に、洗米排水に炭酸ガスを吹き込むようにしたことを特徴とする洗米排水処理方法。
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