JP3616665B2

JP3616665B2 - 抑制部材を有するカテーテル及びその製造方法

Info

Publication number: JP3616665B2
Application number: JP29862794A
Authority: JP
Inventors: エー．ベルクトッド
Original assignee: Scimed Life Systems Inc
Current assignee: Boston Scientific Scimed Inc
Priority date: 1993-12-22
Filing date: 1994-12-01
Publication date: 2005-02-02
Anticipated expiration: 2020-02-02
Also published as: CA2135143C; US5603705A; CA2135143A1; JPH0810333A; DE4446061A1

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は一般的に血管内の治療の分野に関し、更に詳細には体内へ薬剤及び治療用装置を配置するために使用されるガイド・カテーテル等のカテーテルの分野に関する。
【０００２】
【従来の技術】
本願は１９９３年８月１８日に出願された薄壁を備えた改良型カテーテルという名称であって本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第０８／１０８，９７３号に関連する。
【０００３】
血管用カテーテルを体の治療のために使用することは医療分野において周知のことである。カテーテルの使用に関する技術の大幅な改善にともなって、カテーテルのサイズ及び形式の選択に関する要求が急速に高まっている。更に、カテーテルの治療用途についても急速な拡大を示している。
【０００４】
多くの場合、従来のカテーテルは互いに対応する形状を有する一対の管を有しており、内側の管は内腔を形成している。ハブは管の基端に連結されており、流体及びこれに類するものを内腔内へ流入させるための入口を提供するとともに、しばしば体内へのカテーテルの配置に際して管に対する回転力及び他の必要な圧力を提供するために使用される。選択された形状を備えた先端部が管の先端に取り付けられている。カテーテルが柔軟性を備えていることは重要なことであり、この柔軟性により体内の所望の部位へ向けてカテーテルを挿入するために、血管内の通路を介して管に回転力を付与すること、管を押すこと、及び管を引くことが可能となる。カテーテルを制御するとともに、過度に曲げることによって発生するカテーテルの捻れを防止するために、所定量の剛性が必要とされる。従来のカテーテルには、２つの管の間に支持部材を追加することにより剛性に関する問題を解決しているものがある。この支持部材は内側の管の周囲を包む金属製ワイヤからなるブレード（Ｂｒａｉｄ）を有することが可能であるとともに、このブレードは外側の管に埋め込まれることもある。
【０００５】
前記従来のカテーテルの例としては１９６９年１２月２３日にアール．シー．スチーブンスに付与された管状部材及びその製造方法と称する米国特許第３，４８５，２３４号、並びに優先日が１９８７年６月１日でありブルースエッチ．ワードが出願したガイドカテーテル（Ｇｕｉｄｉｎｇｃａｔｈｅｔｅｒ）及びその製造方法と称する欧州特許出願公開第０２７７３６６号／Ａ１が挙げられる。これらは前記従来のカテーテルを一般的に開示している。
【０００６】
カテーテルの内腔の内径を増加させることが必要となり、カテーテルを構成する管壁の厚みを減少させた際に問題が発生する。管壁は薄いほどカテーテルの捻れを防止することが更に困難になる。柔軟性に関するこの問題は前記の米国特許出願第０８／１０８，９７３号によって解決されており、この開示をもって本願にその内容を開示したものとする。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
従来のカテーテルの問題は高張力ステンレス鋼からなるブレードを支持部材として使用することによって解決された。しかし、高張力金属からなるブレードの使用はカテーテルの使用者に対して別の問題をもたらすことがある。高張力ワイヤはカテーテルを先端部または別の装置に連結させる加熱工程中にカテーテルの長さ方向に直交する方向へ広がったり、飛び出したりする傾向がある。同様に、支持部材として機能するブレードに付随するこの広がり及び飛び出しは、更に低い引張強度を備えたワイヤを使用した従来のカテーテルにも発生する問題である。この広がりは先端部などに対するカテーテルの適切な連結を阻害し、血管用カテーテルにとって望ましくもなければ許容されるものでもない。
【０００８】
本発明の目的は先端部または別の装置との良好な連結を可能とするカテーテル及びその製造方法を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
カテーテルの少なくとも一端、通常の場合において先端は、先端部または他の装置とのラップジョイント（Ｌａｐ−ｊｏｉｎｔ）に適する直径とするために研磨器により研磨され、減少された直径を備えた段付領域を有する。以下、この減少された直径を備えた段付領域を小径部と称する。抑制部材は薄壁を備えたヒート・シュリンク・ポリエステル（Ｈｅａｔｓｈｒｉｎｋｐｏｌｙｅｓｔｅｒ）が好ましく、連結中における金属製ブレードの広がりを防止するために小径部の少なくとも一部を被覆するように配置するために提供されている。
【００１０】
抑制部材はカテーテルの一端に位置する小径部の少なくとも一部分上にスリーブを配置することを許容する内径を備えた管状スリーブの形態をなし、その長さは最大でカテーテルの小径部の長さと同一である。
【００１１】
【作用】
カテーテル装置の段付領域に取り付けられた抑制部材により、カテーテルを先端部または別の装置に連結させる加熱工程中に支持部材がカテーテルの長さに直交する方向へ広がったり、飛び出したりすることが防止される。
【００１２】
【実施例】
本発明の他の目的及び本発明に付随する多くの利点は、添付図面とともに以下の詳細な説明から理解することが可能である。なお、図面中の同様な部材は同一符号を用いて示す。
【００１３】
図１はガイドカテーテル１０を示しており、これは薄壁を備えたカテーテルとすることが可能である。カテーテル１０は同軸をなすように鎖線で示す内側管状部材１３を覆う外側管状部材１２を有する。支持部材１５は点線で示されている。支持部材１５は金属ワイヤのブレードから形成されており、金属ワイヤは高張力ワイヤとすることが可能である。更に、支持部材１５は内側管状部材１３と同軸をなすように内側管状部材１３を被覆している。
【００１４】
図２はカテーテル１０の一部を示す図面である。磨滅された端部を有する外側管状部材１２を示す。図２に示すように、外側管状部材１２は金属製ブレード１５まで完全に磨滅されている。しかし、本発明は外側管状部材１２の一部のみを磨耗によって除去したものに対しても十分機能する。更に、図２は抑制部材１４を示す。抑制部材１４は実施例では管状スリーブである。スリーブ１４は好ましくは外側管状部材１２の磨耗によって形成された小径部の少なくとも一部を被覆し得る長さ及び内径を有するとともに、薄壁を備えたヒート・シュリンク・ポリエステルである。本実施例では、スリーブ１４は約０．０００５インチ（０．０１ｍｍ）の厚さを有しており、カテーテル１０に対するラップジョイントを行うためにカテーテル１０の小径部と、使用される先端部または他の装置との間への完全な配置が可能である。
【００１５】
図３は図２に示す装置の平面図であり、カテーテル１０の小径部上に取り付けられた抑制部材１４を示す。装置またはスリーブ１４が適切な大きさに形成されていることにより、抑制部材１４はカテーテル１０の小径部上で摺動可能であり、かつカテーテル１０の小径部の少なくとも一部を被覆している。スリーブ１４はブレード１５の端部を十分に被覆しており、スリーブ１４が加熱された際にスりーブ１４はブレード１５の金属ワイヤ製ストランド（Ｔｈｅｍｅｔａｌｗｉｒｅｓｔｒａｎｄ）上で収縮し、かつこれを保持することになる。
【００１６】
本実施例において抑制部材１４は管状部材として示されているが、別の形態とすることも可能である。例えば、抑制部材１４はカテーテル１０の小径部の周囲を被覆することに適したヒート・シュリンク・ポリエステルの簡単な帯とすることが可能である。抑制部材１４がワイヤ製ブレード１５の端部を被覆するために加熱された後で、抑制部材１４が連結部分全体にわたってカテーテル１０の長さに直交する方向へのワイヤの広がりまたは飛び出しを抑制することが重要な特徴として挙げられる。
【００１７】
本発明の装置の形成工程では、カテーテル１０の一端において外側管状部材１２の構成材料を３６０度の範囲にわたって外周面上から除去するために研磨器が使用される。これにより、本発明の装置に接続される柔軟な先端部の雌部分または他の装置の雌部分と協働するために、カテーテル１０の小径部がラップジョイントの雄部分として機能することを許容する端から延びる直線状の段が形成される。段は壁の厚さが約０．００２〜０．００６インチ（０．０５〜０．１５ｍｍ）となるまで研磨することによって形成されることが望ましく、これにより０．０００５インチ（０．０１ｍｍ）の厚さを備えた抑制部材１４の使用が許容される。カテーテル１０の小径部の長さは約０．１２５インチ（０．３２ｍｍ）が望ましく、ラップジョイントに使用された際に大きな連結面の形成が許容される。
【００１８】
前記のように、本発明の装置及び方法は、先端部または他の装置との加熱を伴う連結を実施する際に金属の広がりを抑制することにより、高張力金属製ブレードの使用を許容する。この結果、高張力ワイヤを使用するとともに、薄壁を有するカテーテルの捻れ特性が改善される。本発明は広がりに関する同一の問題を有するカテーテルであって、高張力ワイヤを使用しないカテーテルに対しても同一の抑制効果を付与する。本発明はラップジョイントによる連結を実施するための更に大きな連結部表面積を提供することにより、先端部または他の装置に対する更なる耐久性を備えたカテーテルの連結を提供する。最後に、本発明の装置は剛性の遷移に関する利点を有しており、研磨によって形成された小径部分によって、カテーテル本体の硬性と先端部の柔軟性とのバランスが維持される。このバランスが医療的価値を提供することは既に確認されている。
【００１９】
以上、本発明によればカテーテルを先端部または別の装置に連結させる加熱工程中に支持部材がカテーテルの長さに直交する方向へ広がったり、飛び出したりすることが防止されることにより、先端部または別の装置との良好な連結が可能となる。また、本発明の望ましい実施例について説明したが、当業者は本発明の請求項の範囲において他の有用な実施例を容易に予測することが可能である。
【００２０】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、カテーテルを先端部または別の装置に連結させる加熱工程中に支持部材がカテーテルの長さに直交する方向へ広がったり、飛び出したりすることがなくなり、カテーテルを先端部または別の装置と適切に連結できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図１】カテーテルの一部を示す平面図。
【図２】図１のカテーテルの小径部及びスリーブを示す平面図。
【図３】図２のカテーテル小径部にスリーブを取付けた状態を示す平面図。
【符号の説明】
１０…ガイドカテーテル、１２…外側管状部材、１３…内側管状部材、１４…抑制部材としてのスリーブ、１５…支持部材としての金属製ブレード。

Claims

互いに対応する外側管状部材（１２）及び内側管状部材（１３）と、前記外側管状部材（１２）及び内側管状部材（１３）の間に取付けられた支持部材（１５）との三者を少なくとも有するとともに、前記支持部材（１５）が金属製ブレードを有するカテーテル装置であって、
カテーテル装置の直径を減少させた段差部であって、段差部及びカテーテル装置の一端の間には、別の装置に選択的に連結させることに適した所定の段付領域が形成されている、前記段差部と、
別の装置への選択的連結を行う前に段付領域上に取り付けられる抑制部材（１４）と
を有するカテーテル装置。
前記抑制部材（１４）がスリーブを含むことを特徴とする請求項１に記載の装置。
前記スリーブ（１４）が前記段付領域の少なくとも一部分上へスリーブ（１４）を取付けることを許容する内径を備えた管状構造を有することを特徴とする請求項２に記載の装置。
前記スリーブ（１４）が最大で段付領域の長さと同一の長さを有することを特徴とする請求項３に記載の装置。
前記抑制部材（１４）がヒート・シュリンク・ポリエステルを含むことを特徴とする請求項１乃至４のいづれか１項に記載の装置。
前記抑制部材（１４）が約０．０００５インチ（約０．０１ｍｍ）の厚さを有する薄壁を備えたヒート・シュリンク・ポリエステルであることを特徴とする請求項１乃至４のいづれか１項に記載の装置。
前記金属製ブレード（１５）が高張力ステンレス鋼を含むことを特徴とする請求項１乃至４のいづれか１項に記載の装置。
互いに対応した外側管状部材（１２）及び内側管状部材（１３）と、前記外側管状部材（１２）及び内側管状部材（１３）の間に取付けられた支持部材（１５）との三者を少なくとも有するとともに、前記支持部材（１５）が金属製ブレードを有するカテーテル装置の改善された連結部材を形成する方法であって、
カテーテル装置の少なくとも一端部において所定の長さにわたってカテーテル装置の直径を減少させる工程と、
減少した直径を有する部分の長さの少なくとも一部分上に支持部材（１５）を抑制する抑制部材（１４）を取付ける工程と
を有する方法。
前記直径を減少させる工程が、段を形成するためにカテーテル装置を少なくとも支持部材（１５）の直径と同一の直径となるまで研磨することを含むことを特徴とする請求項８に記載の方法。
前記抑制部材（１４）を取付ける工程が、減少した直径を有する部分の長さの少なくとも一部分上に管状スリーブ（１４）を取り付けることを含むことを特徴とする請求項８または９に記載の方法。