JP3616326B2 - 生産情報提供装置、生産情報提供方法、および、記録媒体 - Google Patents
生産情報提供装置、生産情報提供方法、および、記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生産情報提供装置、生産情報提供方法、および、記録媒体に関し、特に、ラインを利用して生産される製品についての生産に関する情報を提供するための生産情報提供装置、生産情報提供方法、および、記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の工場経営では、好景気に支えられた需要の拡大に伴い、増産、増販を目標としてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在では、製品の需要に伸び悩みが見られる。したがって、計画して製品を生産しても、在庫数が増える傾向が見られるようになった。
【0004】
また、現在では、商品のライフサイクルが短くなる傾向が見られる。したがって、売れ筋の商品であっても、増産した途端に流行が去り、このような要因でも在庫数が増える傾向が見られる。
【0005】
なお、従来、ラインを利用して製品を生産する場合、ライン上にある仕掛かり在庫についての適正な数について、明確な考え方がなかった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ライン上の仕掛かり在庫数についての考察を加えられる生産情報提供装置、生産情報提供方法および記録媒体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に従った生産情報提供装置は、製品を搬送するための単数または複数のコンベアを含むラインを利用して生産される製品についての生産に関する情報を提供する装置であって、前記ラインにおいて前記製品を生産する人数である生産者数、前記ラインにおいて前記製品を生産する機械の数である生産機械数、前記製品を生産する作業者が作業を行なう部分の前記コンベアの長さである作業幅、前記コンベア上を流れる方向についての前記製品の寸法である製品幅、前記コンベア上を流れる際に理想的とされる前記製品間の間隔である理想間隔、ならびに、仕掛かり在庫の種類別に仕掛かり在庫の理想値と実際の仕掛かり在庫数との差の基準値である仕掛かり在庫基準値を記憶する記憶部と、前記生産者数、および、前記生産機械数に基づいて、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値を算出する理想値算出部と、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を検出する検出部と、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値、および、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を表示する表示部と、仕掛かり在庫の種類別に、前記仕掛かり在庫の理想値と前記実際の仕掛かり在庫数との差と前記仕掛かり在庫基準値とを比較することによって、前記ラインにおける仕掛かり在庫についてのボトルネックを抽出するボトルネック抽出部とを備え、前記仕掛かり在庫の種類は、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品についての在庫である作業中仕掛かり在庫、前記ライン上で搬送されている状態にある製品についての種類である搬送仕掛かり在庫、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品についての種類である停滞仕掛かり在庫を含み、前記抽出したボトルネックが前記搬送仕掛かり在庫である場合には、前記作業者数、前記作業幅、前記製品幅、および、前記理想間隔に基づいて作業者配置部分の適正なコンベア長を算出するコンベア長算出部と、前記コンベア長を表示するコンベア長表示部とをさらに備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に従うと、製品を生産するラインの管理者が、ライン上の製品の仕掛かり在庫数について、実際の値と理想値とを見ることができるとともに、仕掛かり在庫数を理想値に近づける際の、具体的な方策を得ることができる。
【0009】
これにより、ライン上の仕掛かり在庫数について、具体的に対処することができる。したがって、製品の、ライン上の仕掛かり在庫数、ひいては、実際の在庫数を、調整することができる。さらに、製品の仕掛かり在庫数が調整できるため、製品のリードタイムの短縮化を図ることができる。また、仕掛かり在庫数を理想値に近づけるための具体的な方策として、コンベアの長さを短縮できる場合には、短縮したことによってできたスペースを、他の目的に、有効に活用できる。
【0010】
また、本発明の生産情報提供装置では、前記検出部が、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数として、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品の数である作業中仕掛かり在庫数、前記ライン上で搬送されている状態にある製品の数である搬送仕掛かり在庫数、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品の数である停滞仕掛かり在庫数を検出し、前記理想値算出部は、前記仕掛かり在庫数の理想値として、前記作業中仕掛かり在庫数、前記搬送仕掛かり在庫数、および、前記停滞仕掛かり在庫数の理想値を算出し、前記作業中仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数または前記生産機械数であり、前記搬送仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数から1引いた数、または、前記生産機械数から1引いた数であり、前記停滞仕掛かり在庫数の理想値は0であることが好ましい。
【0011】
これにより、より具体的に、仕掛かり在庫数の理想値を求めることができる。
また、本発明の生産情報提供装置は、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の在庫金額、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応する在庫金額の理想値を算出する金額算出部をさらに備えることが好ましい。
【0012】
これにより、仕掛かり在庫数の理想値からのズレを、金額として、つまり、より具体的な問題として、把握できる。
【0013】
また、本発明の生産情報提供装置は、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の前記製品のリードタイム、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応するリードタイムの理想値を算出する、リードタイム算出部をさらに備えることが好ましい。
【0014】
これにより、製品のリードタイムについて、具体的な目標を得ることができる。したがって、リードタイムの実際の値と理想値との差を、生産計画を変更する際の参考にできる。
【0017】
本発明に従った生産情報提供方法は、製品を搬送するための単数または複数のコンベアを含むラインを利用して生産される製品についての生産に関する情報を提供する装置によって、当該生産に関する情報を提供する方法であって、前記ラインにおいて前記製品を生産する人数である生産者数、前記ラインにおいて前記製品を生産する機械の数である生産機械数、前記製品を生産する作業者が作業を行なう部分の前記コンベアの長さである作業幅、前記コンベア上を流れる方向についての前記製品の寸法である製品幅、前記コンベア上を流れる際に理想的とされる前記製品間の間隔である理想間隔、ならびに、仕掛かり在庫の種類別に仕掛かり在庫の理想値と実際の仕掛かり在庫数との差の基準値である仕掛かり在庫基準値を記憶するステップと、前記生産者数、および、前記生産機械数に基づいて、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値を算出するステップと、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を検出するステップと、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値、および、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を表示するステップと、仕掛かり在庫の種類別に、前記仕掛かり在庫の理想値と前記実際の仕掛かり在庫数との差と前記仕掛かり在庫基準値とを比較することによって、前記ラインにおける仕掛かり在庫についてのボトルネックを抽出するステップとを備え、前記仕掛かり在庫の種類は、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品についての在庫である作業中仕掛かり在庫、前記ライン上で搬送されている状態にある製品についての種類である搬送仕掛かり在庫、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品についての種類である停滞仕掛かり在庫を含み、前記抽出したボトルネックが前記搬送仕掛かり在庫である場合には、前記作業者数、前記作業幅、前記製品幅、および、前記理想間隔に基づいて作業者配置部分の適正なコンベア長を算出するステップと、前記コンベア長を表示するステップとをさらに備えることを特徴とする。
【0018】
本発明に従うと、製品を生産するラインの管理者が、ライン上の製品の仕掛かり在庫数について、実際の値と理想値とを見ることができるとともに、仕掛かり在庫数を理想値に近づける際の、具体的な方策を得ることができる。
【0019】
これにより、ライン上の仕掛かり在庫数について、具体的に対処することができる。したがって、製品の、ライン上の仕掛かり在庫数、ひいては、実際の在庫数を、調整することができる。さらに、製品の仕掛かり在庫数が調整できるため、製品のリードタイムの短縮化を図ることができる。また、仕掛かり在庫数を理想値に近づけるための具体的な方策として、コンベアの長さを短縮できる場合には、短縮したことによってできたスペースを、他の目的に、有効に活用できる。
【0020】
また、本発明の生産情報提供方法では、前記検出するステップでは、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数として、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品の数である作業中仕掛かり在庫数、前記ライン上で搬送されている状態にある製品の数である搬送仕掛かり在庫数、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品の数である停滞仕掛かり在庫数を検出し、前記理想値を算出するステップでは、前記仕掛かり在庫数の理想値として、前記作業中仕掛かり在庫数、前記搬送仕掛かり在庫数、および、前記停滞仕掛かり在庫数の理想値を算出し、前記作業中仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数または前記生産機械数であり、前記搬送仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数から1引いた数、または、前記生産機械数から1引いた数であり、前記停滞仕掛かり在庫数の理想値は0であることが好ましい。
【0021】
また、本発明の生産情報提供方法は、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の在庫金額、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応する在庫金額の理想値を算出するステップをさらに備えることが好ましい。
【0022】
また、本発明の生産情報提供方法は、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の前記製品のリードタイム、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応するリードタイムの理想値を算出するステップをさらに備えることが好ましい。
【0024】
本発明に従ったプログラムを記録する記録媒体は、製品を搬送するための単数または複数のコンベアを含むラインを利用して生産される製品についての生産に関する情報を提供するプログラムを記憶する記録媒体であって、コンピュータに、前記ラインにおいて前記製品を生産する人数である生産者数、前記ラインにおいて前記製品を生産する機械の数である生産機械数、前記製品を生産する作業者が作業を行なう部分の前記コンベアの長さである作業幅、前記コンベア上を流れる方向についての前記製品の寸法である製品幅、前記コンベア上を流れる際に理想的とされる前記製品間の間隔である理想間隔、ならびに、仕掛かり在庫の種類別に仕掛かり在庫の理想値と実際の仕掛かり在庫数との差の基準値である仕掛かり在庫基準値を記憶するステップと、前記生産者数、および、前記生産機械数に基づいて、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値を算出するステップと、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を検出するステップと、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値、および、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を表示するステップと、仕掛かり在庫の種類別に、前記仕掛かり在庫の理想値と前記実際の仕掛かり在庫数との差と前記仕掛かり在庫基準値とを比較することによって、前記ラインにおける仕掛かり在庫についてのボトルネックを抽出するステップとを備え、前記仕掛かり在庫の種類は、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品についての在庫である作業中仕掛かり在庫、前記ライン上で搬送されている状態にある製品についての種類である搬送仕掛かり在庫、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品についての種類である停滞仕掛かり在庫を含み、前記抽出したボトルネックが前記搬送仕掛かり在庫である場合には、前記作業者数、前記作業幅、前記製品幅、および、前記理想間隔に基づいて作業者配置部分の適正なコンベア長を算出するステップと、前記コンベア長を表示するステップとを実行させるプログラムを記録することを特徴とする。
【0025】
本発明に従うと、製品を生産するラインの管理者が、ライン上の製品の仕掛かり在庫数について、実際の値と理想値とを見ることができるとともに、仕掛かり在庫数を理想値に近づける際の、具体的な方策を得ることができる。
【0026】
これにより、ライン上の仕掛かり在庫数について、具体的に対処することができる。したがって、製品の、ライン上の仕掛かり在庫数、ひいては、実際の在庫数を、調整することができる。さらに、製品の仕掛かり在庫数が調整できるため、製品のリードタイムの短縮化を図ることができる。また、仕掛かり在庫数を理想値に近づけるための具体的な方策として、コンベアの長さを短縮できる場合には、短縮したことによってできたスペースを、他の目的に、有効に活用できる。
【0027】
また、本発明のプログラムを記録した記録媒体は、前記検出するステップでは、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数として、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品の数である作業中仕掛かり在庫数、前記ライン上で搬送されている状態にある製品の数である搬送仕掛かり在庫数、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品の数である停滞仕掛かり在庫数を検出し、前記理想値を算出するステップでは、前記仕掛かり在庫数の理想値として、前記作業中仕掛かり在庫数、前記搬送仕掛かり在庫数、および、前記停滞仕掛かり在庫数の理想値を算出させ、前記作業中仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数または前記生産機械数であり、前記搬送仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数から1引いた数、または、前記生産機械数から1引いた数であり、前記停滞仕掛かり在庫数の理想値は0であることが好ましい。
【0028】
また、本発明のプログラムを記録した記録媒体は、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の在庫金額、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応する在庫金額の理想値を算出するステップをさらに実行させることが好ましい。
【0029】
また、本発明のプログラムを記録した記録媒体は、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の前記製品のリードタイム、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応するリードタイムの理想値を算出する、ステップをさらに実行させることが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の生産情報提供装置の一実施の形態を、図面を参照しつつ、説明する。
【0032】
本実施の形態の生産情報提供装置は、複数または単数のコンベアを含む、所定の製品の生産ラインにおける仕掛かり在庫数を管理するための情報を提供する装置である。
【0033】
図1に、本実施の形態の生産情報提供装置のブロック図を示す。生産情報提供装置は、CPU1、メモリ2、表示部6、および、ハードディスク9を含む。CPU1は、ハードディスク9に記憶されたプログラムを実行し、情報を表示部6に表示させる。メモリ2は、データベースの役割を有し、シミュレーションデータ記憶部21、作業者数・機械数・設備数データ記憶部22、現状のコンベア長記憶部23、ライン上仕掛かり在庫(搬送)データ記憶部24、および、ライン上仕掛かり在庫(停滞)データ記憶部25を含む。
【0034】
また、生産情報提供装置は、シミュレーションデータ入力部11、作業者数・機械数・設備数入力部12、現状のコンベア長入力部13、ライン上仕掛かり在庫(搬送)データ入力部14、および、ライン上仕掛かり在庫(停滞)データ入力部15を含む。そして、これらは、それぞれ、シミュレーションデータ記憶部21、作業者数・機械数・設備数データ記憶部22、現状のコンベア長記憶部23、ライン上仕掛かり在庫(搬送)データ記憶部24、ライン上仕掛かり在庫(停滞)データ記憶部25と接続されている。
【0035】
生産情報提供装置では、シミュレーションデータ入力部11から、生産ラインにおける、生産実績台数、実稼働時間、完成品の材料費、賃率、生産工程ごとの標準時間を入力される。また、作業者数・機械数・設備数入力部12から、現在生産を行なっている作業者数、使用している機械数、設備数を入力される。また、現状のコンベア長入力部13から、生産工程ごとのコンベアの長さを入力される。上記のように入力された各データは、それぞれ、シミュレーションデータ記憶部21、作業者数・機械数・設備数データ記憶部22、または、現状のコンベア長記憶部23で記憶される。
【0036】
また、生産情報提供装置は、ライン上の在庫数を読取るための自動在庫読取り装置7を含む。自動在庫読取り装置7は、たとえば、投光素子と受光素子からなる。そして、自動在庫読取り装置7によって読取られた在庫数は、ライン上仕掛かり在庫(搬送)データ入力部14またはライン上仕掛かり在庫(停滞)データ入力部15を介して、ライン上仕掛かり在庫(搬送)データ記憶部24またはライン上仕掛かり在庫(停滞)データ記憶部25で記憶される。なお、本実施の形態では、在庫の種類として、「作業」、「搬送」および「停滞」が含まれる。ここで、図2を参照しつつ、これらの在庫の種類について、説明する。
【0037】
図2には、ライン上にある仕掛かり在庫の種類と、それぞれの種類に対応した発生内容および適正とされる在庫数の決定方法が、表形式で記載されている。
【0038】
まず、作業にかかる仕掛かり在庫数(以下、「作業中仕掛かり在庫数」という)について説明する。作業中仕掛かり在庫数とは、製造工程内で作業が行なわれる対象となる製品の数であり、図2では製品81に対応した製品の数に相当する。作業中仕掛かり在庫数は、製造過程で必ず発生する数である。なお、本実施の形態では、適正な作業中仕掛かり在庫数は、作業者が製品に対して作業を行なう場合には作業者数とされ、設備機器により作業が行なわれる場合には設備機器数とされる。
【0039】
次に、搬送にかかる仕掛かり在庫数(以下、「搬送仕掛かり在庫数」という)について説明する。搬送仕掛かり在庫数とは、流れ作業時に、作業者間または設備機器間に発生する仕掛かり在庫の数であり、図2では製品82に対応した製品の数に相当する。なお、本実施の形態では、搬送仕掛かり在庫数は、自動在庫読取り装置7によって検出され、ライン上仕掛かり在庫(搬送)データ入力部14に入力される。また、本実施の形態では、適正な搬送仕掛かり在庫数は、作業者が製品に対して作業を行なう場合には「作業者数−1」とされ、設備機器により作業が行なわれる場合には「設備機器数−1」とされる。
【0040】
次に、ラインにおいて停滞している仕掛かり在庫数(以下、「停滞仕掛かり在庫数」という)について説明する。停滞仕掛かり在庫数とは、作業の遅れにより作業者の手元に置かれている製品の数、および、作業が完了したにも拘わらず次工程の要因で搬送できずにいる製品の数であり、図2に示す製品83に対応した製品の数に相当する。なお、本実施の形態では、停滞仕掛かり在庫数は、自動在庫読取り装置7によって検出され、ライン上仕掛かり在庫(停滞)データ入力部15に入力される。また、本実施の形態では、適正な停滞仕掛かり在庫数は、「0」とされる。
【0041】
また、生産情報提供装置は、適正な仕掛かり在庫数算出部32、現状の仕掛かり在庫数算出部34、適正な仕掛かり在庫金額算出部42、現状の製造リードタイム算出部44、現状の仕掛かり在庫金額算出部45、適正なコンベア長算出部46、および、適正な製造リードタイム算出部47を含む。
【0042】
そして、CPU1は、ライン上仕掛かり在庫(搬送)データ記憶部24およびライン上仕掛かり在庫(停滞)データ記憶部25に記憶されている、搬送仕掛かり在庫数および停滞仕掛かり在庫数、ならびに、作業者数または設備機器数により、現状の仕掛かり在庫数算出部34において、ライン上仕掛かり在庫数を算出する。ここで言うライン上仕掛かり在庫数とは、作業中仕掛かり在庫数、搬送仕掛かり在庫数、および、停滞仕掛かり在庫数の和である。なお、現状の仕掛かり在庫数算出部34は、仕掛かり在庫数を算出する際、搬送仕掛かり在庫数および停滞仕掛かり在庫数については、複数回の測定結果の平均を求めてから、算出する。
【0043】
また、CPU1は、適正な仕掛かり在庫数算出部32に、作業者数・機械数・設備数データ記憶部22内のデータを用い、上記した基準に基づいて、適正な作業中仕掛かり在庫数、適正な搬送仕掛かり在庫数、および、適正な停滞仕掛かり在庫数を算出する。
【0044】
さらに、CPU1は、現状の仕掛かり在庫金額算出部45に、シミュレーションデータ記憶部21内のデータと現状の仕掛かり在庫数算出部34で算出された結果とを用いて、現状の仕掛かり在庫金額を算出させる。なお、現状の仕掛かり在庫金額(Pa)は、下記の近似式(1)に基づいて、算出される。近似式(1)中では、Pbとはライン上仕掛かり在庫数であり、Pcとは製品の完成品についての材料費であり、Pdとは労務経費である。
【0045】
Pa=Pb×(Pc+Pd) …(1)
また、労務経費Pdは、式(2)に従って算出される。式(2)中では、Peとは標準時間であり、Pfとは賃率である。なお、式(2)における標準時間は、ラインにおける各工程の標準時間の累計が利用される。つまり、ラインにおける最初の工程についての式(2)の算出に利用される標準時間Peは、最初の工程についての標準時間であるが、3番目の工程についての式(2)の算出に利用される標準時間Peは、最初の工程から3番目の工程についての標準時間の和である。
【0046】
より具体的に説明すると、1番目の工程の標準時間を1.8分、2番目の工程の標準時間を2.6分、3番目の工程の標準時間を0.6分とすると、1番目の工程についての式(2)では標準時間Peは1.8分となり、2番目の工程についての式(2)では標準時間Peは(1.8+2.6)分となり、3番目の工程についての式(2)では標準時間Peは(1.8+2.6+0.6)分となる。
【0047】
Pd=Pe×Pf …(2)
また、CPU1は、現状の製造リードタイム算出部44に、シミュレーションデータ記憶部21内のデータと現状の仕掛かり在庫数算出部34で算出された結果とを用いて、製品についての現状の製造リードタイムを算出させる。なお、製造リードタイムPgは、式(3)に従って算出される。式(3)中、Phは、生産における製造タクトタイムである。
【0048】
Pg=Pb×Ph …(3)
なお、製造タクトタイムPhは、下記の式(4)に従って算出される。式(4)中、Piは、ラインの実稼働時間であり、Pjは、製品の生産実績台数である。
【0049】
Ph=Pi÷Pj …(4)
また、CPU1は、適正な仕掛かり在庫金額算出部42、適正なコンベア長算出部46、適正な製造リードタイム算出部47に、それぞれ、適正な仕掛かり在庫金額、適正なコンベア長、適正な製造リードタイムを算出させる。これらの算出についての詳細は後述する。そして、これらの適正な値は、表示部6に表示される。工場の管理者は、表示された適正な値に基づいて、工場内の状況を変更することができる。
【0050】
なお、本実施の形態で、「適正な」とは、ライン上仕掛かり在庫数を最小限に抑えるために適正な、という意味である。
【0051】
次に、CPU1による、生産情報提供装置全体の制御内容をより具体的に説明するための、図3を参照しつつ、生産情報提供装置の動作内容を説明する。図3は、本実施の形態の生産情報提供装置を用いて、生産ラインにおける仕掛かり在庫の削減を行なう作業のフローチャートである。
【0052】
まず、ステップS1(以下、ステップを省略する)で、生産ラインが設置される工場のレイアウト図や人員配置図など、仕掛かり在庫数の削減を考慮するために必要な資料が事前準備され、S2に進む。
【0053】
次に、S2で、工場レイアウト図をもとに、作業者等が、生産を開始する前に、生産ラインにおける各工程に自動在庫読取り装置7が設置され、S3に進む。なお、S2では、シミュレーションに必要なデータの入力も行なわれる。このデータの具体例としては、生産実績台数として1840台、実稼働時間として459分、完成品材料費として11376円、賃率として122円/分、工程ごとの標準時間として、A工程1.8分、B工程2.6分、C工程0.6分を挙げることができる。
【0054】
次に、S3で、ライン上仕掛かり在庫に含まれる作業中仕掛かり在庫数を把握するためのデータが入力される。なお、ここで入力されるデータとは、人員配置図を元に調査を行なった、各工程の作業者数、機械・設備数、一台の機械・設備で同時に複数の製品に対して作業を行なっているか否か、等のデータである。
【0055】
また、S3では、自動在庫読取り装置7により、搬送仕掛かり在庫数と停滞仕掛かり在庫数が複数回測定され、すべての測定結果がライン上仕掛かり在庫(搬送)データ記憶部24またはライン上仕掛かり在庫(停滞)データ記憶部25に記憶される。
【0056】
次に、S4では、S3で記憶された搬送仕掛かり在庫数と停滞仕掛かり在庫数の測定結果を、すべて、現状の仕掛かり在庫数算出部34に転送する処理がなされ、S5に進む。なお、転送するデータは、図4に示すような表形式とされる。
【0057】
具体的には、図4に示すように、各工程ごとに、測定時刻に対応した、作業中仕掛かり在庫数、搬送仕掛かり在庫数、停滞仕掛かり在庫数(図4中ではそれぞれ「作業中」、「搬送中」、「停滞中」と記載している欄に対応)、および、これらの平均値が含まれる。なお、図4の表には、これらの仕掛かり在庫数の合計も含まれる。この合計が、ライン上仕掛かり在庫数に相当する。
【0058】
S5では、現状の仕掛かり在庫数算出部34において、現状のライン上仕掛かり在庫数が算出され、S6に進む。なお、この現状のライン上仕掛かり在庫数仕掛かり在庫数の算出では、搬送仕掛かり在庫数と停滞仕掛かり在庫数の複数回の測定結果の平均値が用いられる。これにより、ライン上で、単発的に発生した設備の故障やラインストップなどの影響が緩和される。
【0059】
次に、S6では、適正な仕掛かり在庫数算出部32において、図2を用いて説明した態様で、適正なライン上仕掛かり在庫数が算出され、S7に進む。
【0060】
S7では、表示部6に、S5で算出された現状のライン上仕掛かり在庫数とS6で算出された適正なライン上仕掛かり在庫数とを表示して、S8に進む。なお、このときの表示部6における表示態様を図5に示す。
【0061】
図5には、各工程について、作業中、搬送、停滞の各仕掛かり在庫数およびそれらの合計について、現状の値と適正な値が記載されている。これにより、ラインの管理者は、工場で抱えている仕掛かり在庫数の現状が、理想的な状態からどれだけ離れているかを、容易に理解することができる。
【0062】
次に、S8では、現状の仕掛かり在庫金額算出部45で、現状のライン上仕掛かり在庫金額が算出され、S9に進む。仕掛かり在庫金額は、上記の式(1)および式(2)に従って算出される。
【0063】
S9では、現状の製造リードタイム算出部44で、現状の製造リードタイムが算出される。製造リードタイムは、上記の式(3)および式(4)に従って算出され、S10に進む。
【0064】
ここで、現状のライン上仕掛かり在庫金額および現状の製造リードタイムの算出方法について、一例として、A工程の作業中の製品についてのこれらの算出について、より具体的に説明する。
【0065】
図4に記載された表に基づくと、A工程の作業中仕掛かり在庫数は、「18」である。これに、生産実績台数1840台、実稼働時間459分、完成品材料費11376円、賃率122円/分、標準時間1.8分を考慮すると、仕掛かり在庫金額は、式(5)のように、208721円と算出される。
【0066】
18×(11376+1.8×122)=208721 …(5)
また、A工程の製造リードタイムは、式(6)のように4.5分と算出される。
【0067】
18×(459÷1840)=4.5 …(6)
次に、S10では、S8およびS9で算出された現状の仕掛かり在庫金額と現状の製造リードタイムを、表示部6に表示させ、S11に進む。なお、このときの表示部6における表示態様を、図6に示す。
【0068】
図6では、各工程について、仕掛かり在庫の種類別に、標準時間、現状の仕掛かり在庫金額(図6中の「金額」の欄に対応)、および、現状の製造リードタイム(図6中の「製造リードタイム」の欄に対応)が、表形式で記載されている。また、図6の表には、現状の仕掛かり在庫金額および現状の製造リードタイムの、仕掛かり在庫の全種類の合計も、記載されている。
【0069】
次に、S11では、図5に示したような結果に基づいて、生産ラインにおいて余分な仕掛かり在庫数が出ることについての、ボトルネックが抽出され、S12に進む。このボトルネックの抽出は、具体的には、図5に示した表において、現状に対する値と適正な値の差が大きい工程を、仕掛かり在庫の種類別(作業中、搬送、停滞)に抽出することにより、行なわれる。なお、この抽出は、表示部6を見た者によって行なわれてもよいし、CPU1によって、予め定められた基準値と差とを比較することにより行なわれてもよい。また、抽出は、工程ごとに考慮されて行なわれてもよいし、仕掛かり在庫の種類別に考慮されて行なわれてもよく、これは、ユーザによって選択されるよう構成されている。すなわち、ボトルネックは、「C工程であった」という結果が出る場合(工程ごとに考慮されて抽出された場合)もあれば、「搬送仕掛かり在庫であった」という結果が出る場合(仕掛かり在庫の種類別に考慮されて抽出された場合)もある。
【0070】
S12では、S11で、ボトルネックとなる工程が抽出できたか否かを判断し、抽出ができなかったと判断すると、そこで、処理を終了する。一方、抽出できたと判断すると、S13に進む。なお、本実施の形態では、仕掛かり在庫の種類別に考慮され、ボトルネックは「搬送」にあるとされるとする。この場合、図6に示した表示態様で、「搬送」の欄が、点滅するようになる(図6では、太線で囲むことにより表現している)。
【0071】
S13では、搬送中の在庫がボトルネックとなっている原因を分析し、当該搬送中の仕掛かり在庫数の削減案を検討して作成する処理が行なわれ、S14に進む。なお、S13で作成される削減案としては、具体的には、たとえば、作業者ごとの作業配分や生産方式の見直しや、コンベア長の短縮などが挙げられる。このような分析は、表示部6の表示を見たラインの管理者等によって行なわれてもよいし、CPU1が、予め定められた削減案の中から適当と思われる削減案を抽出することによって行なわれてもよい。
【0072】
なお、コンベア長の短縮について、適正なコンベア長の算出方法を、図7および図8に基づいて、説明する。なお、ここでは、製品の幅寸法または作業幅が、コンベア長の算出に用いられるが、小型の製品の場合には、製品幅が作業者の作業幅よりも小さくなる。このような場合には、コンベアの、製品を搬送する部分の長さを算出するときには製品幅が利用され、作業を行なう部分の長さを算出するときには作業幅が利用される。また、本実施の形態では、作業幅を600mm、製品間の余裕幅を50mmとし、さらに、部品箱のサイズや配置場所などを考慮して、コンベア長が算出されている。なお、製品間の余裕幅は、ラインのスピードや作業者の熟練度に合わせて、決定されるものである。
【0073】
図7は、適正なコンベア長とされる前のコンベアおよび作業者の配置を模式的に示す図であり、図8は、適正なコンベア長とされた後のコンベアおよび作業者の配置を模式的に示す図である。図7では、10人の作業者91に対して、コンベア90の長さが14mとされている。なお、作業者91間には、複数の製品92が存在している。一方、図8では、10の作業者91に対して、コンベア90の長さは、7.2mとされている。この長さは、作業者数(10)と作業幅(600mm)の積である6.0mと、製品幅(80mm)と製品間の余裕(50mm)を足したものと適正な搬送仕掛かり在庫数との積から算出された1.17mとの和に基づくと考えられる。
【0074】
つまり、適正なコンベア長は、次の式(7)のように算出される。
10×600+9×(80+50)=7.17m≒7.2m …(7)
なお、各工程ごとに算出されたコンベア長は、表示部6に表示することもできる。この場合の表示態様を、図9に示す。図9では、各工程のコンベアに対する現状の長さ、適正な長さ、および、これらの差が、コンベアで作業する人員数および機械数とともに、表形式で、記載されている。
【0075】
S14では、S13で作成された削減案に、コンベア長の短縮が含まれているか否かを判断し、含まれていないと判断するとS15に進み、含まれていると判断するとS16に進む。
【0076】
S15では、S13で作成された削減案に他の削減案が含まれていれば、それを実行するように、含まれていなければ新たに削減案を検討して作成し、S16に進む。S16では、S13またはS15で作成された削減案を実行してS17に進む。
【0077】
S17では、改善後のライン上仕掛かり在庫数の調査が行なわれ、S18に進む。S18では、S17の調査において収集されたデータを分析して、S19に進む。S19では、S18における分析の結果、ライン上仕掛かり在庫数が削減されたか否かを判断し、削減されたと判断すると、処理を終了する。また、削減されていないと判断すると、S8に戻る。
【0078】
以上説明したCPU1の動作は、ハードディスク9に記憶されたプログラムの代わりに、CPU1に接続された着脱可能な記録媒体に記録されたプログラムに基づいて実行されてもよい。つまり、CPU1にCD−ROM等の記録媒体の記録内容を読取り可能な装置が接続され、当該装置によって読取られる記録媒体の記録内容に基づいてCPU1が上記したような動作を実行してもよい。
【0079】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0080】
【発明の効果】
以上説明した本発明に従うと、製品を生産するラインの管理者が、ライン上の製品の仕掛かり在庫数について、実際の値と理想値とを見ることができるため、ライン上の仕掛かり在庫数について、当該管理者は、具体的に対処することができる。したがって、製品の、ライン上の仕掛かり在庫数、ひいては、実際の在庫数を、調整することができる。さらに、製品の仕掛かり在庫数が調整できるため、製品のリードタイムの短縮化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の生産情報提供装置のブロック図である。
【図2】図1の生産情報提供装置が対象とするラインについて、ライン上にある仕掛かり在庫の種類と、それぞれの種類に対応した発生内容および適正とされる在庫数の決定方法を示す図である。
【図3】図1の生産情報提供装置を用いて、生産ラインにおける仕掛かり在庫の削減を行なう作業のフローチャートである。
【図4】図1の生産情報提供装置において計測されたデータの転送される態様を示す図である。
【図5】図1の生産情報提供装置において算出された現状のライン上仕掛かり在庫数および適正なライン上仕掛かり在庫数の表示態様の一例を示す図である。
【図6】図1の生産情報提供装置において算出された現状の仕掛かり在庫金額と現状の製造リードタイムの表示態様の一例を示す図である。
【図7】現状のコンベアおよび作業者の配置を模式的に示す図である。
【図8】適正なコンベア長のコンベアおよび作業者の配置を模式的に示す図である。
【図9】図1の生産情報提供装置における、現状のコンベア長と適正なコンベア長の表示態様の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 CPU、2 メモリ、6 表示部、7 自動在庫読取り装置、9 ハードディスク、21 シミュレーションデータ記憶部、22 作業者数・機械数・設備数データ記憶部、23 現状のコンベア長記憶部、24 ライン上仕掛かり在庫(搬送)データ記憶部、25 ライン上仕掛かり在庫(停滞)データ記憶部、32 適正な仕掛かり在庫数算出部、34 現状の仕掛かり在庫数算出部、42適正な仕掛かり在庫金額算出部、44 現状の製造リードタイム算出部、45現状の仕掛かり在庫金額算出部、46 適正なコンベア長算出部、47 適正な製造リードタイム算出部。
Claims (12)
- 製品を搬送するための単数または複数のコンベアを含むラインを利用して生産される製品についての生産に関する情報を提供する装置であって、
前記ラインにおいて前記製品を生産する人数である生産者数、前記ラインにおいて前記製品を生産する機械の数である生産機械数、前記製品を生産する作業者が作業を行なう部分の前記コンベアの長さである作業幅、前記コンベア上を流れる方向についての前記製品の寸法である製品幅、前記コンベア上を流れる際に理想的とされる前記製品間の間隔である理想間隔、ならびに、仕掛かり在庫の種類別に仕掛かり在庫の理想値と実際の仕掛かり在庫数との差の基準値である仕掛かり在庫基準値を記憶する記憶部と、
前記生産者数、および、前記生産機械数に基づいて、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値を算出する理想値算出部と、
前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を検出する検出部と、
前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値、および、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を表示する表示部と、
仕掛かり在庫の種類別に、前記仕掛かり在庫の理想値と前記実際の仕掛かり在庫数との差と前記仕掛かり在庫基準値とを比較することによって、前記ラインにおける仕掛かり在庫についてのボトルネックを抽出するボトルネック抽出部とを備え、
前記仕掛かり在庫の種類は、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品についての在庫である作業中仕掛かり在庫、前記ライン上で搬送されている状態にある製品についての種類である搬送仕掛かり在庫、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品についての種類である停滞仕掛かり在庫を含み、
前記抽出したボトルネックが前記搬送仕掛かり在庫である場合には、前記作業者数、前記作業幅、前記製品幅、および、前記理想間隔に基づいて作業者配置部分の適正なコンベア長を算出するコンベア長算出部と、
前記コンベア長を表示するコンベア長表示部とをさらに備える、生産情報提供装置。 - 前記検出部は、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数として、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品の数である作業中仕掛かり在庫数、前記ライン上で搬送されている状態にある製品の数である搬送仕掛かり在庫数、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品の数である停滞仕掛かり在庫数を検出し、
前記理想値算出部は、前記仕掛かり在庫数の理想値として、前記作業中仕掛かり在庫数、前記搬送仕掛かり在庫数、および、前記停滞仕掛かり在庫数の理想値を算出し、
前記作業中仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数または前記生産機械数であり、
前記搬送仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数から1引いた数、または、前記生産機械数から1引いた数であり、
前記停滞仕掛かり在庫数の理想値は0である、請求項1に記載の生産情報提供装置。 - 前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の在庫金額、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応する在庫金額の理想値を算出する金額算出部をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の生産情報提供装置。
- 前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の前記製品のリードタイム、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応するリードタイムの理想値を算出する、リードタイム算出部をさらに備える、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の生産情報提供装置。
- 製品を搬送するための単数または複数のコンベアを含むラインを利用して生産される製品についての生産に関する情報を提供する装置によって、当該生産に関する情報を提供する方法であって、
前記ラインにおいて前記製品を生産する人数である生産者数、前記ラインにおいて前記製品を生産する機械の数である生産機械数、前記製品を生産する作業者が作業を行なう部分の前記コンベアの長さである作業幅、前記コンベア上を流れる方向についての前記製品の寸法である製品幅、前記コンベア上を流れる際に理想的とされる前記製品間の間隔であ る理想間隔、ならびに、仕掛かり在庫の種類別に仕掛かり在庫の理想値と実際の仕掛かり在庫数との差の基準値である仕掛かり在庫基準値を記憶するステップと、
前記生産者数、および、前記生産機械数に基づいて、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値を算出するステップと、
前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を検出するステップと、
前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値、および、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を表示するステップと、
仕掛かり在庫の種類別に、前記仕掛かり在庫の理想値と前記実際の仕掛かり在庫数との差と前記仕掛かり在庫基準値とを比較することによって、前記ラインにおける仕掛かり在庫についてのボトルネックを抽出するステップとを備え、
前記仕掛かり在庫の種類は、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品についての在庫である作業中仕掛かり在庫、前記ライン上で搬送されている状態にある製品についての種類である搬送仕掛かり在庫、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品についての種類である停滞仕掛かり在庫を含み、
前記抽出したボトルネックが前記搬送仕掛かり在庫である場合には、前記作業者数、前記作業幅、前記製品幅、および、前記理想間隔に基づいて作業者配置部分の適正なコンベア長を算出するステップと、
前記コンベア長を表示するステップとをさらに備える、生産情報提供方法。 - 前記検出するステップでは、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数として、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品の数である作業中仕掛かり在庫数、前記ライン上で搬送されている状態にある製品の数である搬送仕掛かり在庫数、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品の数である停滞仕掛かり在庫数を検出し、
前記理想値を算出するステップでは、前記仕掛かり在庫数の理想値として、前記作業中仕掛かり在庫数、前記搬送仕掛かり在庫数、および、前記停滞仕掛かり在庫数の理想値を算出し、
前記作業中仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数または前記生産機械数であり、
前記搬送仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数から1引いた数、または、前記生産機械数から1引いた数であり、
前記停滞仕掛かり在庫数の理想値は0である、請求項5に記載の生産情報提供方法。 - 前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の在庫金額、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応する在庫金額の理想値を算出するステップをさらに備える、請求項5または請求項6に記載の生産情報提供方法。
- 前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の前記製品のリードタイム、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応するリードタイムの理想値を算出するステップをさらに備える、請求項5〜請求項7のいずれかに記載の生産情報方法。
- 製品を搬送するための単数または複数のコンベアを含むラインを利用して生産される製品についての生産に関する情報を提供するプログラムを記憶する記録媒体であって、コンピュータに、
前記ラインにおいて前記製品を生産する人数である生産者数、前記ラインにおいて前記製品を生産する機械の数である生産機械数、前記製品を生産する作業者が作業を行なう部分の前記コンベアの長さである作業幅、前記コンベア上を流れる方向についての前記製品の寸法である製品幅、前記コンベア上を流れる際に理想的とされる前記製品間の間隔である理想間隔、ならびに、仕掛かり在庫の種類別に仕掛かり在庫の理想値と実際の仕掛かり在庫数との差の基準値である仕掛かり在庫基準値を記憶するステップと、
前記生産者数、および、前記生産機械数に基づいて、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値を算出するステップと、
前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を検出するステップと、
前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値、および、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数を表示するステップと、
仕掛かり在庫の種類別に、前記仕掛かり在庫の理想値と前記実際の仕掛かり在庫数との差と前記仕掛かり在庫基準値とを比較することによって、前記ラインにおける仕掛かり在庫についてのボトルネックを抽出するステップとを備え、
前記仕掛かり在庫の種類は、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品についての在庫である作業中仕掛かり在庫、前記ライン上で搬送されている状態にある製品についての種類である搬送仕掛かり在庫、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品についての種類である停滞仕掛かり在庫を含み、
前記抽出したボトルネックが前記搬送仕掛かり在庫である場合には、前記作業者数、前記作業幅、前記製品幅、および、前記理想間隔に基づいて作業者配置部分の適正なコンベア長を算出するステップと、
前記コンベア長を表示するステップとを実行させるプログラムを記録する、記録媒体。 - 前記検出するステップでは、前記製品についての実際の仕掛かり在庫数として、前記ライン上で作業をなされる状態にある製品の数である作業中仕掛かり在庫数、前記ライン上で搬送されている状態にある製品の数である搬送仕掛かり在庫数、および、前記ライン上で作業をなされず停滞している状態にある製品の数である停滞仕掛かり在庫数を検出し、
前記理想値を算出するステップでは、前記仕掛かり在庫数の理想値として、前記作業中仕掛かり在庫数、前記搬送仕掛かり在庫数、および、前記停滞仕掛かり在庫数の理想値を算出させ、
前記作業中仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数または前記生産機械数であり、
前記搬送仕掛かり在庫数の理想値は、前記生産者数から1引いた数、または、前記生産機械数から1引いた数であり、
前記停滞仕掛かり在庫数の理想値は0である、請求項9に記載の記録媒体。 - 前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の在庫金額、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応する在庫金額の理想値を算出するステップをさらに実行させる、請求項9または請求項10に記載の記録媒体。
- 前記製品についての実際の仕掛かり在庫数に対応する実際の前記製品のリードタイム、および、前記製品についての仕掛かり在庫数の理想値に対応するリードタイムの理想値を算出するステップをさらに実行させる、請求項9〜請求項11のいずれかに記載の記録媒体。
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