JP3615748B2 - 水中分解型の生ごみ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物に酸素を供給するために分解処理槽内に曝気用空気を供給する水中分解型の生ごみ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開2001−157889号公報に記載されるように、水中分解型の生ごみ処理装置においては、分解処理槽における処理液中の微生物による分解に先立って、生ごみをディスポーザーによって破砕して微粒化し、分解の促進を図るのが一般的である。すなわち、このような従来の生ごみ処理装置は、通常、ディスポーザーを装備している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのようなディスポーザー、特に業務用ディスポーザーは高価であり、そのようなディスポーザーを用いることはコストアップの一因となり、装置も大型化しやすい。また、使用についての制限が多く、例えばビニールや紐状のものが混入していれば、巻き付きを起こしやすく、また、硬いものであれば、刃こぼれを起こしやすい。
【0004】
また、残さ汚泥を乾燥して取り出すことも考えられるが、この場合も、乾燥させるために加熱用のヒータを用いるのが一般的であり、このようなヒータを用いるのはコストアップや大型化の要因となる。
【0005】
本発明は、高圧空気(曝気用空気)を利用することで、小型コンパクトな構造でもって、分解処理を含めて、生ごみの破砕及び細粒化や、残さ汚泥の乾燥まで行なうことができる水中分解型の生ごみ処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、分解処理槽の分解液中の微生物に酸素を供給するために前記分解処理槽内に曝気用空気を供給する水中分解型の生ごみ処理装置において、前記分解処理槽内に、生ごみが投入される筒形状の破砕タンクが設けられ、この破砕タンクは、周壁に多数の突起部をタンク内に突出するように切り起こし加工することで、内側面がおろし金状態になるように形成され、前記破砕タンク内部に高圧空気を供給することで、前記生ごみを攪拌させる構成とされていることを特徴とする。ここで、前記突起部は切り起こし加工されているので、破砕タンクの内部と分解処理槽の内部とは相互に連通している。また、破砕タンクは筒形状であればよく、円筒形状でも角筒形状でもよい。
【0007】
請求項1の発明によれば、分解処理槽内に、生ごみが投入される円筒形状の破砕タンクを設け、この破砕タンクは、周壁に多数の突起部をタンク内に突出するように切り起こし加工することで、内側面がおろし金状態になる構造にしているので、破砕タンクのタンク内部に高圧空気を供給することにより、投入された生ごみが、強力な高圧空気の流れによって攪拌される。この生ごみの攪拌により、前記多数の突起部に接触することですりつぶされたり、むしり取られたりして、破砕ディスポーザーで破砕処理した場合と同程度に細粒化される。よって、従来の水中分解型の生ごみ処理装置は破砕ディスポーザーを装備していたが、これを装備する必要がなくなる。
【0008】
請求項2に記載のように、前記破砕タンクのタンク内部に供給する高圧空気は、前記分解処理槽内に供給する曝気用空気である構成とすることができる。
【0009】
このようにすれば、水中分解型の生ごみ処理装置において微生物に酸素を供給するために曝気用空気を供給するが、この曝気用空気を利用して生ごみの破砕に使用する構成とすることができる。よって、高圧空気を供給するための特別な装置を設けるが必要なくなり、装置全体を複雑にすることがない。すなわち、微生物への酸素供給に必要とされる1台のエアーブロアーを、前記攪拌のための高圧空気の供給源としても活用(兼用)しているのである。
【0010】
請求項3に記載のように、前記分解処理槽には、残さ汚泥を乾燥させる残さ乾燥取り出し装置が接続され、前記残さ乾燥取り出し装置は、筒形状のタンク上部の下側に径が下方になるほど小さくなる円錐形状又は角錐形状のタンク底部が連接されてなる残さ乾燥タンクと、この残さ乾燥タンクのタンク上部の内側に一定間隔を存して設けられる円筒状の飛沫囲いと、前記残さ乾燥タンクの底部に前記分解処理槽から残さ汚泥を流入する汚泥流入管と、前記タンク底部の残さ汚泥に向けて高圧空気を供給し残さ汚泥を吹き上げる空気供給管とを備え、前記高圧空気によって吹き上げられた残さ汚泥をタンク内壁面に沿って流下させながら乾燥させていく構成とすることができる。
【0011】
このようにすれば、分解処理槽から、残さ汚泥が残さ乾燥取り出し装置の残さ乾燥タンクのタンク底部内に流入すると、残さ汚泥が曝気用空気によって吹き上げられる。それから、タンク底部が円錐形状又は角錐形状をしているので、その汚泥が流下しながら乾燥していくようになる。汚泥は粘度が高く表面だけしか乾燥せず、全体を乾燥させるのは困難であるが、このようにすれば比較的簡単に汚泥全体を乾燥させることができる。
【0012】
また、上側内部には飛沫囲いが設けられ、この内部で汚泥を飛び跳ねさせることにより外部の配管に流れ出ないようにされる。しかもこの飛沫囲いは垂直になっているので、内部側壁には乾燥した汚泥が付着せず、タンク底部に溜まるようになるので、乾燥後の取出しが容易になる。このようにすることで、残さ乾燥取り出し装置は曝気用空気だけで残さ汚泥を乾燥させることができるようになり、小型コンパクト化も図れる。
【0013】
請求項4に記載のように、前記乾燥取り出し装置は、前記分解処理槽と共に、空気入口及び空気出口を有するハウジング内に収納され、前記空気入口を通じてハウジング内に空気を導入するエアーブロアー手段を備え、その導入された空気を前記乾燥取り出し装置の空気供給官を経て、曝気用空気として前記分解処理槽内に供給し、その後前記空気出口を通じて排出させる構成とされていることが望ましい。
【0014】
このようにすれば、エアーブロアー手段に、乾燥取り出し装置への乾燥用空気の供給機能と分解処理槽への曝気用空気の供給機能とを併せ持たせることができ、構造の簡単化を図る上で有利となる。
【0015】
請求項5に記載のように、前記分解処理槽内の上部空間から消泡気水分離器を経て排気が排出されるように構成され、この消泡気水分離器は、下部が分解処理槽内の分解液中に浸されると共に開放され、分離した水滴や泡が前記分解液に直接戻される構成とされているようにすることもできる。この場合、前記消泡気水分離器は、接触分離の方法をとり、静置型とされる。
【0016】
このようにすれば、気水分離器の下部が分解処理槽の分解液中に浸されているので、分離された気泡や水滴は下方に流れ落ちて、分解処理槽内に貯留されている分解液に直接戻される。このように、汚泥の蓄積が生じない構造になっているので、清掃が不要となり、しかも極めて小型にすることができる。
【0017】
この場合、請求項6に記載のように、前記消泡気水分離器は、上下方向において互いに平行に延びる第1及び第2の邪魔板を有し、前記第1の邪魔板は、上側から垂下され下端部が前記分解液の液面上に位置する一方、前記第2の邪魔板は、上端部が前記第1の邪魔板の下端部より上方に位置し下端部が前記分解液中に浸されている構成とすることが望ましい。
【0018】
このようにすれば、気泡や水滴を含んだ曝気用空気が流入すると、上下方向において平行に配置された第1及び第2の邪魔板(分離板)に接触し、曝気用空気だけが排出され、分離された気泡や水滴は第1及び第2の邪魔板の表面に沿って下方に流れ落ちて、直接分解処理槽の分解液に戻される。
【0019】
さらに、請求項7に記載のように、前記第2の邪魔板の間には、それらに直交する方向に延び前記両邪魔板のいずれか一方に結合し他方との間に間隙を形成する第3の邪魔板が設けられていることが望ましい。
【0020】
このようにすれば、請求項6の分離器をぎりぎりの小型にした場合には、通常曝気用空気の流速が速いために分解処理槽の分解液を巻き上げる現象を生じることになるが、第1及び第2の邪魔板に対し直交する方向に延びる第3の邪魔板が設けられているので、前述した現象は防止される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
【0022】
図1は本発明に係る水中分解型の生ごみ処理装置の概略構成を示す図、図2は分解処理槽の説明図、図3(a)(b)はそれぞれ破砕タンクの開孔及び突起片の説明図である。
【0023】
本発明に係る水中分解型の生ごみ処理装置1は、図1に示すように、破砕された生ごみを微生物分解させる水槽としての分解処理槽2と、この分解処理槽2内に設けられ生ごみを破砕する破砕タンク3と、残さ汚泥を乾燥させる残さ乾燥取り出し装置4とを備える。分解処理槽2内には、消泡気水分離器5が設けられ、残さ乾燥取り出し装置4には乾燥残さが取り出される乾燥残さ取り出しタンク6が設けられている。また、消泡気水分離器5が設けられている側の分解処理槽2は、下側に活性炭タンク12(活性炭脱臭器)が設けられている関係から、深さが他部よりも浅くなっている。そして、前述した構成要素が1つのハウジング7内に収納され、1つのユニットして構成され、小型化、低動力(ヒーター不要)及びシステムの単純化を実現している。
【0024】
前記ハウジング7の側部には空気入口7aが、上部には空気出口7bがそれぞれ設けられている。また、前記破砕タンク3内に上側から生ごみを投入する際に開かれる投入口蓋8が開閉可能に設けられている。すなわち、ハウジング7の上部の開口を通じて破砕タンク3の上部開口(投入口)が開放され、その上部開口が前記投入蓋8にて開閉可能に閉塞されるようになっている。なお、前記分解処理槽2には、水道管より補給水弁9を通じて水が適宜補給されるようになっている。
【0025】
そして、前記空気入口7aからエアーブロアー11によってハウジング7内に曝気用空気が導入され、その空気が、残さ乾燥取り出し装置4(残さ乾燥タンク)を経て、破砕タンク3に供給され、生ごみの破砕・微粒化に使用される。この後、同じ分解処理槽2内に設置されている消泡気水分離器5に送られる。気水分離後の空気は、エアーブロアー11に吸引され、その後、分解処理槽2底部に設けられた活性炭タンク12を通って空気出口7bから排出される。よって、ハウジング7内は負圧になっており、臭気の発生もなく、また、嫌気性の悪性菌の発生もない。
【0026】
前記分解処理槽2の内部に収納されている破砕タンク3は、図2に示すように、薄板(例えばSUS304,厚さ0.5mm)によって中空筒状に形成されている。円筒形状の上側本体部分3Aと、その下側に連接される円錐形状の下側部分3Bとで構成され、下側部分3Bの下端中央に、破砕タンク3内に空気を供給するための開口3aが設けられている。そして、破砕タンク3内の分解液の液面上には、前記開口3aを通じての空気の供給により生ごみが飛散するのを防止するために、断面山形形状の飛散防止部材13が設けられている。また、開口3aのタンク内上側には、生ごみなどによって開口3aが閉塞されるのを回避するためにカバー部材14が設けられている。なお、前記破砕タンク3の底部(開口3a)より供給される空気は、分解処理槽2内の微生物に酸素供給するための曝気用空気である。
【0027】
前記破砕タンク3の周壁及びカバー部材14は、図3(a)(b)に示すように、周囲に4つの突起片3bを持つ矩形状の開孔3cが多数設けられており、前記突起片3bによってタンク内面側はいわゆるおろし金の状態になっている。すなわち、各開孔3cは、タンク3を構成する薄板から三角形状の突起片3bを4枚切り起こすことにより形成されている。尚、本例においては、開孔3cを設けるピッチP1は15mmで、それの上下方向の長さL1は約8mm、周方向の長さL2は約6mmで、突起片3bの高さHを約5mmとしているが、これらの寸法はこれに制限されるものではない。なお、前記カバー部材14にも、同様の構成の、突起片を切り起こしてなる多数の開孔が形成されている。
【0028】
これにより、破砕タンク3内に投入された生ごみは強力な曝気用空気により攪拌され、前記いわゆるおろし金状態の突起片3bに接触しすりつぶされたり、むしり取られたりすることで、破砕・細粒化されることになる。この突起部3bにより、生分解性プラスチックのごみ袋等に入った生ごみは、ごみ袋ごとやぶられて分解される。
【0029】
前記破砕タンク3に対して間隔を存して消泡気水分離器5が設けられ、前記分解処理槽2内の上部空間から、消泡気水分離器5を経て、曝気用空気がエアーブロアー11にて吸引される構成とされている。
【0030】
この消泡気水分離器5は、第1〜第3の邪魔板21,22,23を備えてなり、流入してくる空気が各邪魔板21,22,23に接触し、水滴や泡を分離し、空気だけが最終段の出口5aよりエアーブロアー11にて吸引されることで、例えば流速0.6m3/min程度でもって送り出される構成となっている。前記分離器5は、分離した水滴や泡を直接分解液に戻すように下部が分解処理槽2内の分解液中に浸されると共に開放されている。すなわち、前記消泡気水分離器5は、図4に示すように、上側の分解処理槽2の天井面から垂下される複数の第1の邪魔板21と、この第1の邪魔板21と平行に延び下端部が分解液に浸っている第2の邪魔板22とを有する。すなわち、上下方向において互いに平行に延びる第1及び第2の邪魔板21,22のうち、第1の邪魔板21は、上側から垂下され下端部が前記分解液の液面上に位置する一方、第2の邪魔板22は、上端部が前記第1の邪魔板21の下端部より上方に位置し下端部が前記分解液中に浸されている。よって、第1の邪魔板21の下側部分と第2の邪魔板22の上側部分とが上下方向において互いに平行に延び一部重複している。
【0031】
これにより、空気が邪魔板21,22に衝突しつつ蛇行しながら流れる構成となっている。第2の邪魔板22を分解液の水面下まで垂下させている理由は、水滴や泡を分解液中に直接戻すためで、こうすれば底板を設ける必要がなくなるだけでなく、分解処理槽2内部に設置できるので、装置をコンパクトにできる利点があるからである。ここで、第1の邪魔板21と第2の邪魔板22とが下流側から交互に配設されている。
【0032】
前記第2の邪魔板22の間には、第1の邪魔板21の下端部より下方であって分解液の液面より上方において、それらに直交する方向に延びる第3の邪魔板23が設けられている。第3の邪魔板23は、それの基端部が上流側の第2の邪魔板22と結合される一方、先端部と下流側の第2の邪魔板22との間に間隙S(図4参照)が形成されている。この間隙Sを通じて、分離された水滴や泡は、下方に落下していく。
【0033】
また、第3の邪魔板23は、曝気用空気の流れによって下部に溜まっている分解液が飛沫となって飛び上がってくるのを防止するという重要な役割を有する。このような飛沫が混じると、空気の流れに著しい抵抗を持たせてしまい、大きな差圧となってしまうからである。尚、各第3の邪魔板23の先端部分23aは下方にほぼ90°の角度をなすように折れ曲がっている。また、第2の邪魔板22にて仕切られる各部屋で水面が階段状態になるのは、出口5aに近づくほど差圧が高くなるからであり、これを見込んで、第3の邪魔板23の取付け高さが決定される。
【0034】
また、消泡気水分離器5には、出入口において圧力の検出を行ない差圧を検出する差圧スイッチ24(DPS差圧スイッチ)が設けられ、この差圧スイッチ24による検出結果から差圧が大きく発泡現象が生じていると判断される場合には、破砕タンク3(分解処理槽3の下部)への曝気用空気の量を減じて発泡現象を鎮静化させるように構成されている。
【0035】
すなわち、消泡気水分離器5の能力を超える発泡現象が発生した場合には、差圧スイッチ24が作動し、電磁開閉開弁MV3が開放位置となり、曝気用空気の多くが、気水分離器5が設けられている側の分解処理槽2の上部空間部へ流れ、破砕タンク3への曝気用空気の量を減じることにより発泡をおさえるようにしている。
【0036】
このような発泡現象は、分解が進んで有機物が少なくなり、分解液の濃度がかなり低下した段階で起こる現象で、この段階になると、溶存酸素量が多く残り、あまり曝気用空気を必要とせず、問題はない。
【0037】
前記残さ乾燥取り出し装置4は、図5に詳細を示すように、円筒形状の上側部分31Aの下側に円錐形状の下側部分31Bが連接されてなる残さ乾燥タンク31を有し、分解処理槽2から引き抜かれた残さ汚泥を曝気用空気だけで乾燥し、乾燥残さ剥離用回転機構を駆動させて、タンク底部の電磁開閉弁MV1を開放位置として、乾燥残さ乾燥残さ取出しタンク6に落とすように構成されている。なお、前記下側部分31Bには途中に電磁開放弁MV2を有する残さ汚泥引き抜き経路32が接続されている。
【0038】
前記残さ乾燥タンク31の上側部分31Aの上部には空気流入口31aが設けられ、その下側に空気流出口31bが設けられている。タンク下部に内壁面に沿う断面形状を有する回転剥離部材33が配設され、この回転剥離部材33を内壁面に沿って移動させることで、乾燥残さを壁面から剥離することができる。そして、破砕タンク31の上部(外部)に駆動モータ34が配設され、この駆動モータ34によって回転駆動される駆動軸35がタンク中心部において上下方向に設けられている。この駆動軸35の下端部が前記回転剥離部材33に連結され、駆動モータ34の回転によって回転剥離部材33をタンク内壁面に沿って移動させる構成となっている。
【0039】
前記駆動軸35の周囲には、下端部がタンク内底部との間に間隔を有する円筒状の空気管36が同軸状に設けられ、この空気管36の上端部にタンク内部を上下に仕切る仕切り板37が連接されている。この仕切り板37の上方に前記空気流入口31aが位置し、この空気流入口31aより流入される空気(曝気用空気)が前記空気官36を通じてタンク底部に案内されるようになっている。
【0040】
また、前記仕切り板37より鉛直下方に円筒状の飛沫囲い38がタンク内面と間隔を存して垂下されている。この飛沫囲い38は回転剥離部材33の上端部付近まで延びている。すなわち、飛沫囲い38の下端部とタンク内面との間の空間部に回転剥離部材33の上端部が位置している。
【0041】
また、前記飛沫囲い38とタンク内面との間に形成される環状の空間は、前記空気流出口31bを通じて第1の通路39を介して分解処理槽2の底部(具体的には、破砕タンク3の開口3aに対向する部位)に接続されている。この第1の通路39の途中から、第2の通路40が分岐され、この第2の通路40が分解処理槽2の側部(上部空間付近)に接続されている。この第2の通路40には、発泡現象時に開放位置とされる電磁開閉弁MV3が設けられている。そして、発泡現象時には、前記電磁開閉弁MV3が開放位置とされ、曝気用空気の大部分が分解処理槽2の上部空間に供給され、破砕タンク33に供給される曝気用空気の量減少するように制御される。
【0042】
また、飛沫囲い38の下端部とタンク内周面との間であって、前記空気流入口31a及び空気流出口31bが設けられている部分を含む半周部分については、シール材41が設けられている。そして、そのシール材41が設けられていない残りの半周部分において、飛沫囲い38の上側部分に空気排出穴38aが、仕切り板37の飛沫囲い38より中心側に背圧防止の空気逃し穴37aがそれぞれ形成されている。
【0043】
よって、通常の運転時は、ハウジング7内は負圧状態になっているので、次の順序で作動させることになる。
(i)残さ汚泥の引抜き
エアーブロアー11を停止した後、残さ汚泥引き抜き経路32の電磁開閉弁MV2を開放位置とする。このとき、他の電磁開閉弁MVl,MV3は閉鎖状態のままである。
【0044】
残さ汚泥は、分解処理槽2のヘッドで残さ乾燥タンク31のタンク底部に流入し、タンク底部に徐々に溜まることになる。このとき、仕切り板37の空気逃し穴37aを通じて空気が逃げることで、背圧の上昇が防止され、無理なく流入する。
(ii)残さ汚泥乾燥
▲1▼電磁開閉弁MV2を閉鎖し、その後、エアーブロアー11をONにし、空気入口7aを通じて空気が吸引され、ハウジング7内に曝気用空気の流れが生ずる。これによりハウジング7内が負圧状態になる。
【0045】
残さ乾燥取り出し装置4の残さ乾燥タンク31内に内に空気流入口31aを通じて空気が吸引される。この空気は、まず、空気管36を通じてタンク底部に導かれ、空気管36の下端を経て噴出して、タンク底部に溜まっている残さ汚泥が吹き上げられ、それ自体が有する粘性によってタンク内壁面に付着する。
【0046】
そのようにして噴出した空気は、空気管36と飛沫囲い38との間の空間に流入する。それから、飛沫囲い38の空気排出穴38aより、飛沫囲い38とタンク内面との間の空間に排出され、前記空間を通じて、空気流出口31bを通じてタンク外部に流出する。
▲2▼残さ乾燥タンク31はタンク底部を円錐形状とし、中心に向かって高さが低くなっているので、残さ汚泥が前記タンク内面に沿って中心に向かって徐々に流れ落ちる。そして、その流れ落ちる間に前記空気管36より噴出する空気によって完全に乾燥させることができる。
▲3▼一定時間経過後(24時間以内)に、乾燥残さをい取り出す時には、エアーフロアー11を一旦停止し、電磁開閉弁MV1を開放位置とし、タンク底部が、他方に位置する乾燥残さ取り出しタンク6に対して開放された状態とする。この状態で、回転剥離部材33をタンク内面に沿って移動させ、タンク内面に付着している乾燥残さを剥離する。剥離した乾燥残さは自重により、乾燥残さ取り出しタンク6内に落下する。この剥離終了後、電磁開閉弁MV1を閉鎖する。
(iii)空気逃がし
気水分離器5の出入口に差圧が発生し、30mm水柱に達すると、差圧スイッチ24がONになる(すなわち、分解処理槽2で発泡現象が起きたと判断される)。この差圧スイッチ24のONにより、電磁開閉弁MV3が開放位置とされ、分解処理槽2の上部空間へ曝気用空気を逃がし、破砕タンク3への曝気用空気の量を減少させて発泡現象を沈静化させる。この曝気用空気の逃しは、タイマー制御により一定時間の間継続して実行される。
【0047】
なお、残さ汚泥乾燥タンク31内には常時全量の曝気用空気を流して乾燥を継続している。
【0048】
【発明の効果】
この発明は、以上に説明したように実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0049】
請求項1の発明は、分解処理槽内に、生ごみが投入される筒形状の破砕タンクを設け、この破砕タンクの内側面を、周壁に多数の突起部をタンク内に突出するように切り起こし加工することでおろし金状態になるようにし、破砕タンクのタンク内部に高圧空気を供給することで、投入された生ごみを攪拌するようにしているので、攪拌された生ごみを、前記突起部に接触させてすりつぶしたり、むしり取ったりして、細粒化することができる。よって、破砕ディスポーザーを装備する必要がなくなる。
【0050】
請求項2に記載のように、水中分解型の生ごみ処理装置においては微生物に酸素供給するための曝気用空気を、前記高圧空気として利用すれば、装置を複雑にすることがない。
【0051】
請求項3に記載のように、タンク底部を円錐形状又は角錐形状にすれば、高圧空気によって吹き上げられた汚泥を、タンク内面に沿って流下させながら乾燥させることができる。通常汚泥は粘度が高く表面だけしか乾燥しにくいが、このようにすれば汚泥全体を簡単に乾燥させることができる。
【0052】
また、上側内部には飛沫囲いを設けることにより、この内部で汚泥を飛び跳ねさせることによりタンク外部に流れ出さないようにすることができる。
【0053】
請求項4に記載のように、エアーブロアー手段に、乾燥取り出し装置への乾燥用空気の供給機能と分解処理槽への曝気用空気の供給機能とを併せて持たせるようにすれば、構造の簡単化の上で有利となる。
【0054】
請求項5に記載のように、消泡気水分離器の下部が直接分解液に接触するようにすれば、分離された気泡や水滴を、直接分解液に処理槽に戻すことができる。よって、汚泥の蓄積が生じないので、清掃が不要となり、しかも極めて小型にできる。
【0055】
その場合、請求項6に記載のように、前記消泡気水分離器を、上下方向に互いに平行に延びる第1及び第2の邪魔板でもって構成すれば、簡単な構造で、分離された気泡や水滴は流れ落して直接分解処理槽に戻すことができる。
【0056】
また、請求項7に記載のように、前記第1及び第2の邪魔板の間に、それらに直交する方向に延び前記邪魔板のいずれか一方との間に間隙を形成する第3の邪魔板を設ければ、第3の邪魔板によって、分離器をぎりぎりの小型にした場合であっても、空気の流速が速いために分解処理槽の水を巻き上げる現象を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る生ごみ処理装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】分解処理槽の説明図である。
【図3】(a)(b)はそれぞれ破砕タンクの開孔及び突起片の説明図である。
【図4】消泡気水分離器の説明図である。
【図5】残さ乾燥取り出し装置の説明図である。
【符号の説明】
1 水中分解型の生ごみ処理装置
2 分解処理槽
3 破砕タンク
3A 上側本体部分
3B 下側部分
3a 開口
3b 突起片
3c 開孔
4 残さ乾燥取り出し装置
5 消泡気水分離器
6 残さ乾燥取り出しタンク
7 ハウジング
7a 空気入口
7b 空気出口
11 エアーブロアー
12 活性炭タンク
21〜23 邪魔板
31 残さ乾燥タンク
33 回転剥離部材
36 空気管
38 飛沫囲い
MV1〜MV3 電磁開閉弁
Claims (7)
- 分解処理槽の分解液中の微生物に酸素を供給するために前記分解処理槽内に曝気用空気を供給する水中分解型の生ごみ処理装置において、
前記分解処理槽内に、生ごみが投入される筒形状の破砕タンクが設けられ、この破砕タンクは、周壁に多数の突起部をタンク内に突出するように切り起こし加工することで、内側面がおろし金状態になるように形成され、
前記破砕タンク内部に高圧空気を供給することで、前記生ごみを攪拌させる構成とされていることを特徴とする水中分解型の生ごみ処理装置。 - 前記破砕タンクのタンク内部に供給する高圧空気は、前記分解処理槽内に供給する曝気用空気である請求項1記載の水中分解型の生ごみ処理装置。
- 前記分解処理槽には、残さ汚泥を乾燥させる残さ乾燥取り出し装置が接続され、
前記残さ乾燥取り出し装置は、筒形状のタンク上部の下側に径が下方になるほど小さくなる円錐形状又は角錐形状のタンク底部が連接されてなる残さ乾燥タンクと、この残さ乾燥タンクのタンク上部の内側に一定間隔を存して設けられる円筒状の飛沫囲いと、前記残さ乾燥タンクの底部に前記分解処理槽から残さ汚泥を流入する汚泥流入管と、前記タンク底部の残さ汚泥に向けて高圧空気を供給し残さ汚泥を吹き上げる空気供給管とを備え、前記高圧空気によって吹き上げられた残さ汚泥をタンク内壁面に沿って流下させながら乾燥させていく構成とされている請求項1記載の水中分解型の生ごみ処理装置。 - 前記乾燥取り出し装置は、前記分解処理槽と共に、空気入口及び空気出口を有するハウジング内に収納され、
前記空気入口を通じてハウジング内に空気を導入するエアーブロアー手段を備え、その導入された空気を前記乾燥取り出し装置の空気供給官を経て、曝気用空気として前記分解処理槽内に供給し、その後前記空気出口を通じて排出させる構成とされている請求項3記載の水中分解型の生ごみ処理装置。 - 前記分解処理槽内の上部空間から消泡気水分離器を経て排気が排出されるように構成され、
この消泡気水分離器は、下部が分解処理槽内の分解液中に浸されると共に開放され、分離した水滴や泡が前記分解液に直接戻される構成とされている請求項1記載の水中分解型の生ごみ処理装置。 - 前記消泡気水分離器は、上下方向において互いに平行に延びる第1及び第2の邪魔板を有し、
前記第1の邪魔板は、上側から垂下され下端部が前記分解液の液面上に位置する一方、前記第2の邪魔板は、上端部が前記第1の邪魔板の下端部より上方に位置し下端部が前記分解液中に浸されている請求項5記載の水中分解型の生ごみ処理装置。 - 前記第2の邪魔板の間には、それらに直交する方向に延び前記両邪魔板のいずれか一方に結合し他方との間に間隙を形成する第3の邪魔板が設けられている請求項6記載の水中分解型の生ごみ処理装置。
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