JP3615741B2 - 既設排水管の補修用スリーブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既設排水管を補修に用いることのできる既設排水管の補修用スリーブに関する。
【0002】
【従来の技術】
多層集合住宅(高層住宅)では、既設排水管が屋上から各階の居住区を縦貫して地上の排水溝にまで延びている。この種の既設排水管は、施工後の経年によって流量低下や停止、漏水事故などのトラブルを発生しやすくなるため、定期的なメンテナンスなどによってその性能維持を図っているけれども、住宅建設後、数十年(たとえば20年程度)を経たものでは、通常のメンテナンスによってはその性能を維持し得なくなることがあり、その際に既設排水管を補修する必要が生じてくる。
【0003】
図13は十数階の居住区を持つ高層住宅での従来の既設排水管の補修手順の代表例を示した説明図である。また、図11は従来工法で補修を行った場合の施工事例を上から見て示した概略説明図、図12は図11のXII−XII線に沿う部分から見た同事例の概略説明図である。
【0004】
高層住宅の場合、既設排水管は、通常、各階の居住区のパイプスペースPSや各階の居住区を仕切るスラブSとを貫通する排水管路を形成しており、その既設排水管に対して、浴場や洗面所などの水周り箇所Rから引き出された排水管の管路が接続されている。そして、既設排水管の排水性能を更新する際には、図11及び図12に見られるように、各階のパイプスペースPSやスラブSを縦貫させて新設の排水用立て配管1Aを設置するという考え方が施工の基本になっていた。そして、そのような基本的な方針の下で行われる排水用立て配管施工方法では図13に示した多くの作業を長時間を費やして行うことを余儀なくされていた。
【0005】
すなわち、図13のように、新設の排水用立て配管1Aの施工に際し、最初の工程では、各階の居住区で既設の床板や天井板を撤去した後、コンクリート斫り機械を設置し、各階の居住区での排水用立て配管1Aの新設箇所にコンクリート製スラブSに対する穴開けを行い、そこに新設の排水用立て配管1Aを形成する短管1aを貫通させてその貫通部をモルタルで穴埋めし、さらに、各階の居住区内で天井側及び床側の各短管1aを新設の立管1bで継手1cを介して連通接続した後、既設の床や天井板の撤去箇所を仮復旧させる。その後、各階の居住区内で水周り箇所Rから引き出されている既設排水管を新設排水管2A,3Aに入れ換えてその新設排水管2A,3Aの管路終部を新設の排水用立て配管1Aに継手1dを介して連通させる。そして、漏水有無を確認するための排水テストを実施し、各階の居住区内で仮復旧に使った床や天井板を撤去することや既設排水管を撤去することを行った後、既設排水管の撤去箇所をモルタルで穴埋めし、モルタルの養生が終了してから既設の床板や天井板を本復旧させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の排水用立て配管施工方法やその方法によって新設された排水用立て配管には次のような問題があった。
(1)排水用立て配管の施工には断水や排水停止を伴うため、住人が各階の居住区に住みながらの施工は施工時間に制約があるにもかかわらず、図13で説明したことを内容とする多くの工程を行う必要があるために多くの施工日数を必要とする。たとえば、高層14階建て住宅で、上下に並んでいる各階の居住区に共通の排水用立て配管を1系統の排水用立て配管とした場合、1系統の排水用立て配管を新設し、かつ、それによって不要になった1系統の既設排水管を撤去するのに、コンクリート養生日数などを含めると、1日の作業時間を8時間程度に設定して延べ日数3〜4日が必要になり、住人にとってはそのような長期間に亘って水周り箇所の使用が制限されたりする。
(2)狭いパイプスペースPS内での排水用立て配管1Aの新設施工やその立て配管1Aに対する水周り箇所からの新設排水管2A,3Aの接続作業が必要であるので、配管部品の搬入やその大きさ・長さなどに大きな制約があり、施工作業性が非常に悪い。
(3)図11や図12で説明したように、新設の排水用立て配管1Aの設置位置が既設排水管の位置とは異なるため、その立て配管1Aに接続する水周り箇所からの排水管2A,3Aも新設することが不可欠になり、新設の排水系統の形が、撤去された既設の排水系統の形と異なってしまうという不都合が生じるのを避けることができない。
(4)上記した各事項の下での作業を余儀なくされるため、施工期間が長くなるだけでなく、材料費や人件費などを含む施工費用も高くつき、また、住人にも多大な不便を強いることになる。
【0007】
そこで、本願発明者は鋭意調査を重ね、既設排水管の一部をそのまま利用することによって、施工期間が従来に比べ大幅に短縮されて施工費用が安く抑えられ、住人にとっても洗面所や浴場などの水周り箇所の使用を制限される時間が極端に短くて済むようになる新たな工法を開発するに至った。
【0008】
本発明は、その新工法で用いられる既設排水管の補修用スリーブを提案することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る既設排水管の補修用スリーブは、住宅の各階の居住区内で既設排水管の中間部分だけを撤去することによりその既設排水管の各階でのスラブ貫通部分を残存させることにより形成された短管に挿通されて新設管路を形成する既設排水管の補修用スリーブであって、上端部に外側へ張り出して上記短管の上端に係合される鍔部を有する。これによれば、当該スリーブを短管に上方から挿通させた場合に、鍔部が短管の上端部に係合して短管からの抜落ちが阻止されるので、スリーブを短管に保持させておくための特別の手段を必要とせず、また、そのスリーブに立管を接続する作業も容易かつ迅速に行うことができるようになる。
【0010】
本発明では、短管に挿通する主部と、この主部の上端部に上拡がりテーパ状に形成されたガイド部と、このガイド部に連設されたストレート部と、ストレート部の上端部に外側へ張り出して上記短管の上端に係合される状態に形成した鍔部とを有し、上記主部が上記短管の内径よりも少し短い寸法の外径を有し、上記ストレート部が上記短管の内径と同等の外径を備えているので、短管の管壁に水垢などの異物が堆積しているとしても、スリーブを作業者が手に持ち、その作業者がスリーブを短管に挿入すると、スリーブのガイド部の案内作用によってストレート部が短管の同心位置に自然に嵌まり込むので、短管に対するスリーブの挿通作業を容易にかつ短時間で楽に行うことができる。
【0011】
本発明では、上記鍔部が上記短管の上端に係合されている状態で主部が上記短管の下端部から下方へ突出され、この突出部分が上記短管に継手を介して接続される立管に対する差込み部として形成されていることが望ましい。
【0012】
本発明では、ステンレス管の端部を機械加工することによって上記鍔部と上記ストレート部と上記ガイド部とが形成されており、そのステンレス管の未加工部分が上記主部として形成されていることが望ましい。これによれば、当該スリーブに鍔部とストレート部とガイド部とを容易に一体に具備させることが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る既設排水管の補修用スリーブやそのスリーブを用いた既設配管の補修方法を説明する。
【0014】
図1は本発明に係る補修用スリーブを用いて既設排水管を補修することにより形成された排水用立て配管やその付属配管などを上から見て示した概略説明図、図2は図1のII−II線に沿う部分から見た同一事例の概略説明図である。
【0015】
図1及び図2において、PSは高層住宅の各階の居住区に備わっているパイプスペース、Rは浴場や洗面所などの水周り箇所、Sは各階の居住区を仕切っているスラブ、10は各階の居住区及びスラブSを縦貫して施工された排水用立て配管、30,40は水周り箇所Rから引き出されて排水用立て配管10に連通接続されている排水管をそれぞれ示していて、各階の居住区で図1及び図2に示したものと同様の配管施工が行われている。
【0016】
図1及び図2に示した排水用立て配管10は、各階のスラブSを貫通して設けられた短管11と、その短管11のそれぞれに挿通されたスリーブ50とを有している。また、この排水用立て配管10において、各階の居住区では、短管11の上端部及び下端部がスラブSに近い箇所に位置している。そして、各階の居住区内では、天井側の短管11に挿通されたスリーブ50と床側の短管11に挿通されたスリーブ50とが立管60で継手70を介して連通接続されている。そして、上記の継手70の内部通路のそれぞれには、水周り箇所Rから引き出された排水管30,40の管路終部が連通接続されている。
【0017】
排水用立て配管10やスリーブ50の具体的構造は、次に説明する排水用立て配管の施工方法を参照することによっていっそう明らかになる。
【0018】
図3は排水用立て配管施工方法を用いて行う十数階の居住区を持つ高層住宅での新工法としての既設排水管の補修手順の代表例を示した工程手順説明図である。また、図4〜図8は排水用立て配管施工方法で行われる工程内容の説明図である。さらに、図9はスリーブ50の側面図、図10(A)(B)は止水用パッキン80を例示した部分断面図である。
【0019】
図3の工程手順説明図で判るように、排水用立て配管施工方法では、各階の居住区内で、既設排水管部分撤去工程と、スリーブ挿通工程と、管接続工程との3つの工程を主工程として行うことによって各階の居住区に排水用立て配管を形成する。また、必要があればそれらの各工程でパッキン装着などの付随作業を併せて行う。これら3つの主工程は、下層階の居住区から上層階の居住区へ順に行っていっても、上層階の居住区から下層階の居住区へ順に行っていっても、あるいは順番を決めずに各階の居住区で行ってもよい。そして、これらの3つの工程が各階の居住区の全部で終了したことを受けて、又は、3つの工程が終了した居住区ごとに、水周り箇所から引き出した排水管を上記排水用立て配管に接続する。各階全部の居住区で水周り箇所から引き出した排水管を上記排水用立て配管に接続した後、漏水確認のための排水テストを行う。
【0020】
次に、それぞれの工程などを図4〜図10を参照して具体的に説明する。
【0021】
既設排水管部分撤去工程は、既設排水管の中間部分だけを撤去することによりその既設排水管の各階でのスラブ貫通部分を残存させてその残存部分でなる短管を形成することを内容とする工程である。たとえば、図4のように、各階の居住区内で、その居住区やスラブSを縦貫している既設排水管(既設管)1を破線イ,ロで示した箇所で切断してその既設排水管1の中間部分を撤去し、それによってその既設排水管1における各階の居住区の天井側及び床側のスラブSを貫通する部分を短管11として残存させる。この場合、スラブSから上方へ突き出た短管11の長さ(床側突出長さ)H1やスラブSから下方へ突き出た短管11の長さ(天井側突出長さ)H2は適宜定めることができるのであるけれども、好ましくは床側突出長さH1については、それを150〜300mm(たとえば200mm)程度にしておけば、短管11の上端が作業者の腰の位置よりも下でスラブSに近い位置に位置するようになるので、後工程のスリーブ挿通工程でスリーブ50を作業者が手で持って楽な姿勢で短管11に挿通させることができるようになる。これに対し、短管11の天井側突出長さH2については、それを200〜500mm(たとえば400mm)程度にしておけば、短管11の下端とスラブSの下面との間に比較的広い作業スペースが確保されるので、後工程の管接続工程での作業を無理なく楽に行うことができるようになる。
【0022】
この既設排水管部分撤去工程を行うことによって形成された短管11に対しては、管壁に付着堆積している水垢その他の異物を除去するための管内清掃を付随作業として行う。また、必要があれば、短管11の切断端処理も付随作業として行、好ましくはこの切断端処理によって短管11の上端面をパッキン座面12(図6参照)に形成する。
【0023】
既設排水管部分撤去工程やその付随作業が終了した居住区では、次にスリーブ挿通工程を行う。
図9にスリーブ挿通工程で用いるスリーブ50、すなわち本発明の実施形態に係るスリーブ50を例示してある。同図のスリーブ50は長期間に亘って発錆しにくくて耐久性に優れたステンレスなどの金属管加工品でなる。図例のスリーブ50は円筒状であって、その主部51が上記した短管11の内径よりも少し短い寸法の外形に形成されていると共に、その長さは上記した短管11の長さよりも長くなっている。そして、主部51の上端部に上拡がりテーパ状に形成されたガイド部52と、このガイド部52に連設されたストレート部53と、ストレート部53の上端に連設されて外側へ張り出した鍔部54とを一体に備えている。また、ストレート部53は上記した短管11の内径と同等の外径を備え、鍔部54は、その外径が上記した短管11の外径と同等に形成されていると共に、その下面がパッキン座面56とされている。
【0024】
スリーブ挿通工程は、既設排水管部分撤去工程を行うことによって形成された短管11に、図5の矢符aのように短管11の上方からその短管11にスリーブ50を挿入して挿通させることを内容とする工程であり、この工程では、スリーブ50に環状パッキン57をストレート部53に嵌め込む作業を付随作業として行う。このスリーブ50は、上記したように主部51が短管11の内径よりも少し短い寸法の外径に形成され、ストレート部53は上記した短管11の内径と同等の外径を備えていると共に、そのような外径の主部51とストレート部53とが外拡がりのガイド部52を介して連設されているので、たとえ短管11の管壁に水垢などの異物が堆積しているとしても、環状のパッキン57を嵌め込んだスリーブ50を作業者が手に持ち、その作業者が各階の居住区で床の上に立ってスリーブ50を短管11に挿入すると、スリーブ50のガイド部52の案内作用によってストレート部53が短管11の同心位置に自然に嵌まり込んでその挿通作業を容易にかつ短時間で楽に行うことができる。スリーブ50を短管11に挿通させると、スリーブ50の鍔部54がパッキン57を介して短管11の上端部に係合するので、そのスリーブ50が特別の保持手段を必要とすることなく短管11に保持される。また、スリーブ50の下端部が短管11の下端部から下方に突出する。スリーブ50の下端部には後工程である管接続工程で立管60が継手70を介して接続されるので、短管11からのスリーブ50の突出長さLは、そのときの接続作業を確実に行うことができるだけの長さに定められている必要がある。好ましい突出長さLは、90〜100mm(たとえば95mm)程度であり、その程度の突出長さLが確保されていると、継手70を用いる管接続工程を無理なく確実に行うことができる(図6参照)。
【0025】
管接続工程は、図6又は図7に示したように、各階の居住区内で天井側の短管11に挿通されたスリーブ50と床側の短管11に挿通されたスリーブ50とを新設の立管60で継手70を介し連通接続させることを内容とする工程である。
【0026】
図6は床側の短管11に挿通されたスリーブ50と新設の立管60とを継手70を介し連通接続させた状態を示している。同図のように、継手70は、段付部71,72を具備する受口73,74及びフランジ部75,76を両端部にそれぞれ備えた継手本体77と、それぞれのフランジ部75,76の相手方としての締付けフランジ78,79とを備えている。この継手70では、その使用前に、フランジ部75と締付けフランジ78とがボルト・ナットなどでなる締結具91で緩く仮り連結されていると共にそれらのフランジ部75と締付けフランジ78との間にパッキン92が保持され、これと同様に、フランジ部76と締付けフランジ79とが上記と同様の締結具91で緩く仮り連結されていると共にそれらのフランジ部76と締付けフランジ79との間にパッキン92が保持されている。そして、継手本体77の下側の受口73を、スリーブ50を挿通させた短管11の上端部に上方から嵌め込んでその段付部71をスリーブ50の鍔部54に突き合わせると共に、パッキン92を短管11に嵌め込む。この作業と併せて、継手本体77の上側の受口74に、新設の立管60の下端部を差し込んでその立管60の下端部を段付部72に突き合わせると共に、パッキン92を立管60に嵌め込む。
【0027】
図7は天井側の短管11に挿通されたスリーブ50と新設の立管60とを継手70を介し連通接続させた状態を示している。同図のように、継手70には図6で説明したものと同じ継手70が用いられている。そして、継手本体77の上側の受口74を、スリーブ50を挿通させた短管11の下端部に嵌め込み、段付部72を短管11の下端に突き合わせると共に、パッキン92を短管11に嵌め込む。この作業と併せて、継手本体77の下側の受口73を、新設の立管60の上端部にはめ込んでその立管60の上端部を段付部71に突き合わせると共に、筒状のパッキン92を立管60に嵌め込む。併せて、短管11から下方へ突き出ているスリーブ50の突出部分によって形成された差込み部58を立管60の上端部に差し込む。こうしておけば、排水がスリーブ50の内部通路を経て立て管60にスムーズに落下流入するようになる。また、立管60の上端部に筒状のパッキン94を予め装着しておき、そのパッキン94によって、立管60の上端と段付部71との隙間及び立管60と受口73との隙間が塞がれるようにしておく。図10(A)(B)に2種類のパッキン94を例示してあり、これらのパッキン94はいずれも、筒状部95とその筒状部95の上端に内側へ張り出す状態で一体に具備されたリング部96とを備えている。そして、同図(A)のものでは、筒状部95の内周に複数の凸条97が備わっているのに対し、同図(B)のものでは筒状部95が波形に形成されている。これらのパッキン94は必要に応じて使い分けられる。
【0028】
図6及び図7を参照して説明した作業を行うと、天井側の短管11に挿通されたスリーブ50の下端部と床側の短管11に挿通されたスリーブ50の上端部とが、継手70,70を介し、新設の立管60によって仮接続される。その状態で、図6や図7に示した継手70の締結具91を締め付ける作業を行うと、天井側の短管11に挿通されたスリーブ50の下端部と床側の短管11に挿通されたスリーブ50の上端部とが、継手70,70を介し、新設の立管60によって連通接続され、継手70,70の介在箇所では、パッキン57,92,94による止水作用が発揮される。
【0029】
図8はスラブSの上側の居住区とその下側の居住区とで行われた管接続工程によって得られたスリーブ50と立管60,60との接続構造を示している。図8に示した接続構造は、どの階のスラブSの上側の居住区とその下側の居住区とでも同様になっている。そのため、上記した各階での管接続工程が終了すると、1系統の排水用立て配管10(図2参照)が補修が終了する。
【0030】
この後、各階の居住区で、水周り箇所から引き出された排水管30,40(図1又は図2参照)の施工を行う。この施工は、上記したスリーブ50と新設の立管60とを接続している継手70の内部通路に対して行うと、継手の必要使用数を削減することができるので、それだけコスト安につながる。その際、排水管30,40の管路終部を連通させる継手70には、三方あるいは四方継手を必要に応じて使い分ける。
【0031】
【発明の効果】
以上で明らかなように、本発明に係る既設排水管の補修用スリーブを用いると、既設排水管のスラブを貫通している部分だけを短管として利用し、その短管にスリーブを挿通し、そのスリーブに新設の立管を連通接続するという工法を採用することができるので、既設排水管の補修に要する施工期間が従来に比べ大幅に短縮されて施工費用が安く抑えられるだけでなく、住人にとっても洗面所や浴場などの水周り箇所の使用を制限される時間が極端に短くて済むようになり、その上、施工後の排水用立て配管の形と旧排水用立て配管の形とにそれほど大きな変更が加わらなくなってその管理形態の変更を軽減することが可能になる。
【0032】
特に、本発明に係る補修用スリーブにおいて、主部が短管の内径よりも少し短い寸法の外径に形成され、ストレート部は短管の内径と同等の外径を備え、そのような外径の主部とストレート部とが外拡がりのガイド部を介して連設されているので、たとえ短管の管壁に水垢などの異物が堆積しているとしても、スリーブを作業者が手に持ち、その作業者が各階の居住区で床の上に立ってスリーブを短管に挿入すると、スリーブのガイド部の案内作用によってストレート部が短管の同心位置に自然に嵌まり込んでその挿通作業を容易にかつ短時間で楽に行うことができるという効果が奏される。また、鍔部を形成しておくと、鍔部が短管の上端部に係合して、特別の保持手段を用いることなく、スリーブを短管に保持させることができるという利便がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスリーブを用いた排水用立て配管などを上から見て示した概略説明図である。
【図2】図1のII−II線に沿う部分から見た同一事例の概略説明図である。
【図3】本発明に係るスリーブを用いた排水用立て配管施工方法の工程手順説明図である。
【図4】既設排水管部分撤去工程の内容説明図である。
【図5】スリーブ挿通工程の内容説明図である。
【図6】管接続工程の内容説明図である。
【図7】管接続工程の内容説明図である。
【図8】排水用立て配管の接続構造説明図である。
【図9】本発明の実施形態に係るスリーブの側面図である。
【図10】(A)(B)は止水用パッキンを例示した部分断面図である。
【図11】従来工法で補修を行った場合の施工事例を上から見て示した概略説明図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿う部分から見た同事例の概略説明図である。
【図13】従来工法での工程手順説明図である。
【符号の説明】
S スラブ
1 既設排水管
11 短管
50 スリーブ
51 主部
52 ガイド部
53 ストレート部
54 鍔部
56 座面
58 差込み部
Claims (3)
- 住宅の各階の居住区内で既設排水管の中間部分だけを撤去することによりその既設排水管の各階でのスラブ貫通部分を残存させることにより形成された短管に挿通されて新設管路を形成する既設排水管の補修用スリーブであって、
短管に挿通する主部と、この主部の上端部に上拡がりテーパ状に形成されたガイド部と、このガイド部に連接されたストレート部と、ストレート部の上端部に外側へ張り出して上記短管の上端に係合される状態に形成した鍔部とを有し、上記主部が上記短管の内径よりも少し短い寸法の外径を有するとともに、上記ストレート部が上記短管の内径と同等の外径を備えることを特徴とする既設排水管の補修用スリーブ。 - 上記鍔部が上記短管の上端に係合されている状態で主部が上記短管の下端部から下方へ突出され、この突出部分が上記短管に継手を介して接続される立管に対する差込み部として形成されている請求項1に記載した既設排水管の補修用スリーブ。
- ステンレス管の端部を機械加工することによって上記鍔部と上記ストレート部と上記ガイド部とが形成されており、そのステンレス管の未加工部分が上記主部として形成されている請求項1又は請求項2のいずれかに記載した既設排水管の補修用スリーブ。
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