JP3615554B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、遊技領域に打玉を打込んで遊技が可能であり、始動入賞口への打玉の入賞により可変表示装置複数の可変表示部が複数の図柄の変動表示を行い、前記複数の可変表示部が順次停止してすべてが停止したときの表示結果が予め定められた所定の図柄の組合せとなったときに、特定遊技状態を生起せしめる弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、可変表示装置に設けられる複数の可変表示部を順次停止して予め定められた所定の図柄の組合せが表示されたときに、特定遊技状態(以下、大当り遊技状態という場合もある)を生起せしめる弾球遊技機が多数市場に提供されていた。このような弾球遊技機においては、可変表示装置の複数の可変表示部のうち、最後に停止制御される最後可変表示部を除く他の可変表示部の可変表示動作が停止し、その停止したときに表示される図柄と最後に停止制御される可変表示部が停止したときに表示される図柄との組合せが所定の図柄の組合せ(以下、大当り図柄という)となる可能性がある状態(以下、リーチ状態という)となったとき、遊技者に大当り遊技状態となる期待感を持たせるために、例えば、最後に停止制御されるべく未だ可変表示している可変表示部をゆっくり可変表示せしめるような表示制御を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したリーチ状態での可変表示動作においては、最後可変表示部に描かれるすべての図柄の変動表示される速度が徐々に遅くなるだけあって、一旦大当り図柄が通過したときには、大当り遊技状態に対する期待感も減少するという問題があった。本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、リーチ状態となったときに、従来以上に遊技者に期待感を抱かせることができるように可変表示装置を表示制御することができる弾球遊技機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、
遊技領域に打玉を打込んで遊技が可能であり、始動入賞口への打玉の入賞により可変表示装置複数の可変表示部が複数の図柄の変動表示を行い、前記複数の可変表示部が順次停止してすべてが停止したときの表示結果が予め定められた所定の図柄の組合せとなったときに、特定遊技状態を生起せしめる弾球遊技機において、
前記始動入賞口に入賞した入賞玉を検出する始動入賞玉検出器と、
該始動入賞玉検出器による入賞玉の検出にもとづいて前記複数の可変表示部の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行ったのち前記複数の可変表示部の表示結果を導出表示させる制御手段とを備え、
該制御手段は、
前記始動入賞玉検出器が検出した前記始動入賞口への打玉の入賞回数を所定の上限回数の範囲内で記憶する始動入賞記憶手段と、
前記複数の可変表示部のうち最初に停止制御される可変表示部の変動表示時間を前記始動入賞記憶手段による入賞回数の記憶数に応じて短縮する変動時間短縮手段と、
乱数発生手段が発生する乱数値にもとづいて、複数種類のリーチ変動表示の中からリーチ変動表示を決定するリーチ変動表示決定手段と、
該リーチ変動表示決定手段が複数種類のリーチ変動表示のうち第1のリーチ変動表示で図柄変動表示を行う旨を決定したときに、前記複数の可変表示部のうち最後に停止制御される最後可変表示部を除く他の可変表示部の変動表示が停止しその停止時に表示される図柄と前記最後可変表示部が停止したときに前記特定遊技状態の生起に関わる表示部に表示される図柄との組合せが前記所定の図柄の組合せとなる可能性があるリーチ状態のときに行う図柄変動表示として、前記リーチ状態でないときよりも低速且つ等速で各図柄が変動表示される第1の変動表示態様で前記最後可変表示部を表示制御する第1の図柄変動表示制御手段と、
前記リーチ変動表示決定手段が複数種類のリーチ変動表示のうち第2のリーチ変動表示で図柄変動表示を行う旨を決定したときに、前記リーチ状態のときに行う図柄変動表示として、前記特定遊技状態の生起に関わる表示部に前記所定の図柄とその前後の図柄が表示される際には図柄が視認できる変動速度で、その他の図柄が示される際には図柄が視認できないほど速い変動速度で変動表示される第2の変動表示態様で前記最後可変表示部を表示制御する第2の図柄変動表示制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0005】
【作用】
複数種類のリーチ変動表示のうち、第2のリーチ変動表示で図柄変動表示を行う旨を決定したとき、リーチ状態のときに行う図柄変動表示として、最後に停止制御されるべく未だ変動表示している最後可変表示部において、特定遊技状態の生起に関わる表示部に所定の図柄とその前後の図柄が表示される際には図柄が視認できる変動速度で、その他の図柄が示される際には図柄が視認できないほど速い変動速度で変動表示される第2の変動表示態様で変動表示を行う。したがって、遊技者に所定の図柄を含む前後の図柄の変動表示をゆっくりと視認させ、所定の図柄に関係しないその他の図柄の変動表示を視認できないほど速く通過させるので、全体として所定の図柄だけがゆっくりと変動表示している印象を遊技者に与えることができるので、最後可変表示部が停止するまで大当り遊技状態に対する大きな期待感を持ち続けることができる。
【0006】
【実施例】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。まず、図13を参照して実施例に係る弾球遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の遊技盤1の構成について説明する。図13において、遊技盤1には、発射された打玉を誘導する誘導レール2と、該誘導レール2の内側にほぼ円状に植立される区画レール3と、が設けられ、主として区画レール3に囲まれる範囲が遊技領域4を構成している。遊技領域4のほぼ中央には、本実施例において要部を構成し且つ特定遊技状態(以下、大当り遊技状態という)を生起せしめる可変表示装置10が配置され、該可変表示装置10の下方に大当り遊技状態時に駆動される可変入賞球装置30が配置されている。可変表示装置10と可変入賞球装置30の詳細な構成及び動作は、後に詳述する。
【0007】
また、遊技領域4には、可変表示装置10の左右側方に入賞口5a,5bが設けられ、可変入賞球装置30の左右上部に風車付入賞口6a,6bが設けられている。これらの入賞口5a,5b、6a,6bに打玉が入賞すると、所定個数(例えば、15個)の景品玉が排出される。また、遊技領域4の中央両端部には、遊技状態に応じて点滅又は点灯されるサイドランプ7a,7bが設けられると共に、遊技領域4に設けられるいずれの入賞口又は入賞球装置にも入賞しなかったアウト玉を回収するアウト口8がその最下方に設けられている。更に、遊技領域4の外周を囲むように誘導レール2及び区画レール3の外側にも、遊技状態に応じて点滅又は点灯されるレール飾りランプ9が設けられている。
【0008】
更に、遊技領域4には、前記可変表示装置10の可変表示動作を生起せしめるために複数の始動入賞口25、32a,32bが設けられている。始動入賞口25は、可変表示装置10の下方の遊技盤1のセンターライン上に配置され、始動入賞口32a,32bは、可変入賞球装置30の両端部に可変入賞球装置30と一体的に形成されて配置されている。そして、それぞれ打玉の入賞を検出する始動入賞玉検出器26、33a,33bを内蔵している。
【0009】
次に、図1乃至図3を参照して、可変表示装置10の構成について説明する。図1において、可変表示装置10は、前記遊技盤1の表面に取り付けられる取付基板11を有し、その取付基板11の中央に「十」字状に複数の可変表示器12、13、14a〜14cが設けられている。図示の可変表示器12、13、14a〜14cは、ドットLED表示器によって構成されるもので、複数の図柄を表示するようになっている。例えば、「0」〜「9」までの10個の数字と「A」〜「E」までの5つの英文字の合計15種類の図柄を順次連続的にスクロール表示するようになっている。
【0010】
ところで、可変表示器12、13、14a〜14cは、前記始動入賞口25、32a,32bに打玉が入賞して始動入賞玉検出器26、33a,33bをONさせたときに、変動表示を開始し、所定時間が経過したときに順次停止されるように表示制御されるが、その停止時の図柄の組合せ位置として、横方向の3つの可変表示器12、14b、13に表示される図柄がすべて同じ図柄となったときに、特定遊技状態となって可変入賞球装置30を後述する所定の態様で駆動するものである。しかして、最初に停止する左の可変表示器12は、1つのドットLED表示器によって構成され、次に停止する右の可変表示器13も、1つのドットLED表示器によって構成されている。つまり、左右の可変表示器12、13は、単独で可変表示部を構成している。しかし、最後に停止する可変表示器14a〜14cは、3つのドットLED表示器で構成され、それぞれが独立に駆動表示制御されるものの、図1乃至図3に示すように各可変表示器14a〜14cに表示される図柄の連続性は、保持される。つまり、中央の可変表示器14a〜14cは、3つの表示器で1つの可変表示部を構成している。なお、リーチ時には、大当り図柄(図示の場合、「7」が大当り図柄)が可変表示器14a〜14cに移動表示される際にその変動速度が他の図柄の変動速度よりも遅くなるように表示制御される。
【0011】
また、上記した可変表示器12、13、14a〜14cの左右上下には、飾りLED15a〜15d、16a〜16d、17a,17bが設けられている。これらの飾りLEDは、左右の可変表示器12、13に表示される図柄が一致したとき、即ち、リーチ状態となったときに飾りLED15a〜15dと16a〜16dが点滅してその旨を報知し、また、リーチ状態時において可変表示器14a〜14cに表示される大当り図柄が可変表示器14aに移動表示されたときに飾りLED17aが点滅し、大当り図柄が可変表示器14cに移動表示されたときに飾りLED17bが点滅表示される。なお、大当り図柄が1個又は2個に決められているときには、可変表示器12又は可変表示器13に大当り図柄が停止表示された段階で飾りLED15a〜15d又は16a〜16dを点滅表示するようにしても良い。
【0012】
また、「十」字状に配置される可変表示器12、13、14a〜14cのすべてを囲む円内であって可変表示器12、13、14a〜14cの間の取付基板11には、飾りLED18a〜18dが設けられ、更に、円の外周の取付基板11にも飾りランプ21a,21b、飾りLED22a,22b、飾りランプ23a,23bが設けられている。また、取付基板11の上部には、飾りLED19a,19bと始動入賞記憶表示器20とが設けられている。上記した構成のうち、始動入賞記憶表示器20は、4個のLEDからなっており、可変表示器12、13、14a〜14cの変動表示中、又は大当り遊技状態中に前記始動入賞口25、32a,32bに入賞した玉数を最高4個まで記憶した旨を報知するもので、その記憶値分だけ可変表示装置10を変動表示する権利を留保するものである。また、飾りLED18a〜18d、19a,19b、22a,22bや飾りランプ21a,21b、23a,23bは、変動表示中や大当り遊技状態中に所定の態様で点灯、点滅、又は点灯移動したりするものであり、可変表示装置10を光で装飾するものである。また、取付基板11の表面は、金属光沢処理が施されているため、上記した飾りLEDや飾りランプ等から発せられる光を反射してより鮮やかに全体を装飾させると共に、可変表示装置10全体が豪華な感じを遊技者に与えている。
【0013】
次に、上記した可変表示装置10によって大当り遊技状態が生起された場合に駆動される可変入賞球装置30の構成について説明する。図13において、可変入賞球装置30は、前記遊技盤1の表面に取り付けられる横長な取付基板31を有し、その両端部に前記始動入賞口32a,32bが一体的に設けられている。この始動入賞口32a,32bは、前記したように始動入賞玉検出器33a,33bを内蔵している。また、始動入賞口32a,32bの側部には、図示しないが装飾ランプも内蔵されている。
【0014】
また、取付基板31の中央部分には、一対の玉受部材34a,34bが開閉自在に設けられている。この玉受部材34a,34bは、周知のリンク部材等を介してソレノイド35(図示しない;ただし、図4のブロック図に表示)と連結され、該ソレノイド35のON・OFFによって開閉駆動されるものである。
【0015】
上記した玉受部材34a,34bが開放した状態で受け入れられた入賞玉は、その内部中央に形成された特定入賞口36又はその左右に形成された通常入賞口37a,37bのいずれかに導かれる。そして、特定入賞口36に入賞した入賞玉を検出するために特定入賞玉検出器38が設けられ、通常入賞口37a,37bに入賞した入賞玉を検出するために入賞個数検出器39a,39bが設けられている。
【0016】
以上、説明した可変入賞球装置30の大当り遊技状態時における概略動作を説明すると、まず、大当り遊技状態になると、玉受部材34a,34bが一定時間(例えば、25秒)経過するまで又はその一定時間内であって玉受部材34a,34bに受け入れられた入賞玉が所定個数(例えば、10個)に到達するまで開放する。このような開放を開放サイクルという。しかして、当該開放サイクル中に入賞玉が特定入賞口36に入賞して特定入賞玉検出器38をONさせたときには、継続権が発生し、次の開放サイクルの実行が留保される。そして、このような開放サイクルの繰り返しは、各開放サイクルにおいて継続権が成立していることを条件として所定回数(例えば、16回)許容される。したがって、大当り遊技状態になると、短時間に多量の入賞玉を獲得できるチャンスが与えられることになる。なお、開放サイクル中に許容される入賞玉の数は、入賞個数検出器39a,39bと特定入賞玉検出器38とによって検出された入賞玉の検出信号の合計に基づいて算出される。
【0017】
上記した動作において、継続権が成立したか否かは、入賞玉が特定入賞口36に入賞して特定入賞玉検出器38をONすることによって判定されるが、遊技者にその旨を報知するために、本実施例においては、可変表示装置10の中央の可変表示器14bに「V」という文字を表示するようになっている。また、何回目の開放サイクルを実行しているか否かを報知するために、左可変表示器12に開放回数を表示し、更に、1回の開放サイクル中に玉受部材34a,34bに受け入れられた入賞玉数を報知するために、右可変表示器13に入賞個数を表示するようになっている。
【0018】
以上、可変表示装置10及び可変入賞球装置30を含むパチンコ遊技機について説明してきたが、このパチンコ遊技機は、図4に示す遊技制御回路によって制御される。図4は、遊技制御回路をブロック構成で示した回路図である。図において、制御回路は、制御中枢としてのマイクロコンピュータ40を含み、このマイクロコンピュータ40には、制御動作を所定の手順で実行することのできるMPU41と、MPU41の動作プログラムデータを格納するROM42と、必要なデータの書き込み及び読出しができるRAM43とを含んでいる。また、マイクロコンピュータ40には、入出力回路44、サウンドジェネレータ45、パワーオンリセット回路46、クロック発生回路47、パルス分周回路48、及びアドレスデコード回路49を含む。
【0019】
入出力回路44には、検出回路50〜52を介して、始動入賞玉検出器26、33a,33b、特定入賞玉検出器38、入賞個数検出器39a,39bがそれぞれ接続され、また、ソレノイド駆動回路53を介して玉受部材用ソレノイド35が接続され、ドットLED駆動回路54を介して可変表示器12、13、14a〜14cが接続され、LED駆動回路55を介して、始動入賞記憶表示器20がそれぞれ接続され、ランプ駆動回路56を介してサイドランプ7a,7b等のランプが接続されている。なお、LED駆動回路55及びランプ駆動回路56には、図示しないが遊技盤1又はパチンコ遊技機前面に設けられる他のLED及びランプも接続されている。また、前記サウンドジェネレータ45には、アンプ57を介してスピーカ58が接続されている。更に、上記した遊技制御回路には、電源回路59から各種の電圧が供給されている。
【0020】
以上、説明した遊技制御回路の具体的な動作の一例を図5乃至図12に示すタイミングチャート及び説明図を参照して説明する。図5は、始動入賞口25、32a,32bに打玉が入賞したときの可変表示装置10の変動表示制御を示すタイミングチャートである。図6及び図7は、打玉が始動入賞口25、32a,32bに入賞したときに決定される表示図柄の選択方法を説明する説明図である。図において、いずれかの始動入賞口25、32a,32bに打玉が入賞して対応する始動入賞玉検出器26、33a,33bをONさせ、始動信号S1が導出されると、まず、該始動信号S1の立下がり時にランダムAから1つの値が抽出されて格納される。ランダムAは、図6に示すように、大当りか否かを決定するための第1段階のランダム数であり、電源投入後「0〜33」の34通りの数値が刻々(0.002秒毎に1ずつ加算)と変動している。
【0021】
しかして、ランダムAから抽出された数値が例えば、「15」であるときには、図5及び図7に示すように、始動信号S1導出時から0.004秒後にランダムBから1つの値が抽出され、「15」以外の数値の時には、次に説明する図柄の決定処理が行われる。ランダムBは、図6に示すように、大当りか否かを決定するための第2段階のランダム数であり、電源投入後「0〜6」の7通りの数値が刻々(0.002秒毎に1ずつ加算及び2回目と4回目の割り込み処理余り時間に1ずつ加算)と変動している。
【0022】
しかして、ランダムBから抽出された数値が例えば、「1」であるときには、図5及び図7に示すように、ランダムB抽出時から0.004秒後にランダム1から抽出されるデータの値に対応する図柄を可変表示器12、13、14bに表示する。即ち、同一の図柄が可変表示器12、13、14bに表示されて大当り態様となる。一方、ランダムBから抽出された数値が「1」以外の時には、次に説明する図柄の決定処理が行われる。
【0023】
更に、始動信号S1導出後、0.008秒経過後にランダム1乃至ランダム3より1つの値が抽出されて可変表示器12、13、14bに表示される図柄が決定される。ランダム1は、図6に示すように、可変表示器12に停止表示される図柄を決定するランダム数であり、電源投入後「0〜14」の15通りの数値が刻々(0.002秒毎に1ずつ加算及び2回目と4回目の割り込み処理余り時間に1ずつ加算)と変動している。同様に、ランダム2は、可変表示器13に停止表示される図柄を決定するランダム数であり、電源投入後「0〜14」の15通りの数値が刻々(ランダム1の桁上げのとき、1ずつ加算)と変動している。更に同様に、ランダム3は、可変表示器14bに停止表示される図柄を決定するランダム数であり、電源投入後「0〜14」の15通りの数値が刻々(ランダム2の桁上げのとき、1ずつ加算)と変動している。なお、ランダム1乃至ランダム3の「0〜15」までのそれぞれの数値に前記した15種類の図柄を対応させている。また、ランダム1乃至ランダム3から抽出した数値に基づく図柄の組合せが大当り図柄(大当り図柄)となってしまった時には、ランダム3の値に「1」を加算して大当り図柄からはずして表示する。
【0024】
上記したように、始動信号S1が導出された後、可変表示器12、13、14bに表示される図柄が大当りか否かが決定されると共に、停止時に表示される図柄も決定され、それらの決定が終了した後(本実施例においては、始動信号S1導出後0.012秒経過後)、可変表示器12、13、14bの変動が同時に開始される。しかして、左可変表示器12の変動表示においては、基本時間(5.120秒)の間、1つの図柄が通過する時間である変動速度が0.128秒(したがって、15図柄が変動する1周期は、1.920秒)に設定されている(以下、この各図柄が均等の時間で変動する速度を変動速度Aという)。そして、基本時間の終了後、停止図柄が可変表示器12に表示されるまで変動速度Aで変動表示される。なお、基本時間経過後に停止図柄と一致するまでには、最高14図柄を変動表示しなければならないので、基本時間経過後の左可変表示器12の変動時間は、0.000〜1.792秒までの間の0.128秒の倍数のいずれかである。なお、始動入賞記憶表示器20が2個以上点灯しているときには、その2個目以降を点灯させた始動入賞に対応する変動表示においては、上記した基本時間は、半分(2.560秒)に短縮される。
【0025】
また、右可変表示器13の変動表示においては、左可変表示器12の変動が停止するまでを基本時間(この基本時間中は変動速度Aに設定)とし、その基本時間経過後1つの図柄分を変動表示させた後、停止図柄が可変表示器13に表示されるまで変動速度Aで変動表示される。
【0026】
一方、中可変表示器14a〜14cの変動表示においては、左右の可変表示器12、13に表示される停止図柄が大当り図柄でないとき(リーチ状態でないとき)と、大当り図柄であるとき(リーチ状態のとき)とでは、異なる態様で変動表示される。なお、図5に示すタイミングチャートは、中央の可変表示器14bについてものであるが、上下の可変表示器14a,14cには、可変表示器14bに表示される図柄データの前後の図柄データが表示されるので、その変動速度等は、全く同じである。
【0027】
そこで、まずリーチ状態でないときの変動表示について説明すると、基本時間として右可変表示器13の変動が停止するまでの時間が設定され、その基本時間の間、変動速度Aが設定されて変動表示している。そして、基本時間終了後、1つの図柄分を変動表示させた後、停止図柄が中央の可変表示器14bに表示されるまで変動速度Aで変動表示される。
【0028】
次に、リーチの状態ときの変動表示について説明する。本実施例においては、リーチ状態においても、2つの変動表示態様が採用されている。即ち、図5のリーチ(1)(※2と表示)というのは、前記ランダム1〜3の抽出時に左右の数値が同一であるが、中央の数値が左右の数値と同一でなく且つ前後の数値でもない場合のリーチ状態を示し、リーチ(2)(※3と表示)というのは、前記ランダム1〜3の抽出時に左右の数値が同一であるが、中央の数値が左右の数値と同一でなく且つ前後の数値である場合、及び前記ランダムAとランダムBの抽出で大当りと判断された場合のリーチ状態を示す。このリーチ(2)が本実施例の要部を構成するものである。
【0029】
そこで、まず、リーチ(1)のリーチ状態のときの変動表示について説明すると、右可変表示器13の変動が停止するまでの間、可変表示器14a〜14cは、変動速度Aが設定されて変動表示しており、その時間が経過した後、1つの図柄が通過する時間が0.192秒(したがって、15図柄が変動する1周期は、2.880秒)であるやや遅い変動速度(以下、この各図柄が均等の時間で変動する速度を変動速度Bという)に設定され、その変動速度Bで一定時間(2.560秒)が経過するまで変動し、その一定時間が経過した後、停止図柄と一致するまで変動表示する。この場合、停止図柄と一致するまでであるので、その停止時間は、0.000秒〜2.688秒までの間である。
【0030】
次に、リーチ(2)のリーチ状態のときの変動表示について説明すると、このリーチ(2)は、前記リーチ(1)の変動表示に加えて、1つの図柄が通過する時間が大当り図柄に関連して速くなったり遅くなったりする変動速度(以下、この速度を変動速度Cという)による変動表示が行われるようになっている。即ち、図5における※4(この部分は、1周〜4周のいずれかのパターンが選択される)と示す時間とそれに続く0.512〜1.536秒の変動表示が加えられる。
【0031】
そこで、変動速度Cにおける変動態様を図8を参照して説明する。図8において、変動速度Bから変動速度Cへの変更は、可変表示器14bに表示される図柄が左右の可変表示器12、13に表示される図柄(大当り図柄)よりも2図柄前となった時に行われる。しかして、変動速度Cにおける15図柄すべてが変動する1周期は、3.104秒に設定されて、変動速度Aや変動速度Bよりも長く設定されているが、このうち、変動速度Cに変更された直後からの4図柄の変動は、0.512秒と極めて遅く設定され、残りの11図柄の変動は、0.096秒と極めて速く設定される。そして、上記4図柄の極めて遅い変動は、左右の図柄と同一の大当り図柄が3つの可変表示器14a〜14cに表れ始めてから消えるまでであり、残りの11図柄の極めて速い変動は、大当り図柄に関係ない図柄である。このため、変動速度Cによる変動は、遊技者に大当り図柄を含む前後の図柄の変動表示をゆっくりと視認させ、大当り図柄に関係しない図柄の変動表示を視認できないほど速く通過させるので、全体として大当り図柄だけがゆっくりと変動表示している印象を遊技者に与えることができるので、可変表示器14a〜14cが停止するまで大当り遊技状態に対する大きな期待感を持ち続けることができる。
【0032】
なお、上記した※4の期間は、変動速度Cによる周期を1〜4周のいずれかが選択されて行われるものであるが、※4の期間が終了したときには、大当りであるときには、中可変表示器14bに左右と同一の大当り図柄を表示するために2図柄分の変動が行われ、前後の図柄を表示するときには、1図柄又は3図柄分の変動が行われる。つまり、0.512〜1.536秒の範囲内での変動が行われる。
【0033】
上記のようにして可変表示装置10の可変表示器12、13、14bが変動表示を停止した以降の遊技が図9乃至図11に示される。図9は、停止図柄が大当りとなった場合の玉受部材34a,34bの動作を示すタイミングチャートであり、図10は、玉受部材34a,34bの動作が終了したときに始動入賞記憶がある場合の可変表示装置10の変動表示態様を示すタイミングチャートであり、図11は、停止図柄が外れとなった場合であって始動入賞記憶がある場合の可変表示装置10の変動表示態様を示すタイミングチャートである。
【0034】
そこで、先に図11を参照して、外れの場合について説明すると、可変表示器12、13、14bの変動表示が停止した後、一定時間(0.500秒)が経過した時点で確認のため、停止図柄の組合せが大当りであるか否かの判定が行われる。その結果、外れと判定されたときには、一定時間(0.984秒)の間、外れである旨の効果音を発生させ、その効果音の停止後、再度0.012秒後に可変表示装置10の可変表示器12、13、14bの変動表示を開始する。
【0035】
次に図9を参照して、大当りの場合について説明すると、可変表示器12、13、14bの変動表示が停止した後、一定時間(0.500秒)が経過した時点で確認のため、停止図柄の組合せが大当りであるか否かの判定が行われる。その結果、大当りと判定されたときには、可変入賞球装置30の玉受部材34a,34bが開放される。この場合の開放は、判定後比較的長く設定された一定時間(4.096秒)が経過した後にT1(29.800秒)時間の開放サイクルが行われ、その後、T2(2.000秒)時間の役物連続作動装置作動有効時間を置いて、継続権が成立しているときには、次回の開放サイクルが行われる。なお、役物連続作動装置作動有効時間は、前回の開放サイクルの終了間際に玉受部材34a,34bに受け入れられた入賞玉が決められた開閉サイクルの期間外に特定入賞口36に入賞して継続権を成立させる場合もあるので、そのような場合を救済するために設定されるものである。
【0036】
次に図10を参照して、大当り終了後に始動入賞記憶がある場合について説明すると、大当り遊技状態が終了して玉受部材34a,34bの開放が終了した後、一定時間(2.000秒)が経過するまでは、始動入賞記憶に基づく可変表示器12、13、14a〜14cの変動表示は実行されず、その一定時間が経過して微少時間(0.016秒)後に、始動入賞記憶に基づく可変表示器12、13、14a〜14cの変動表示が実行される。
【0037】
次に、図12を参照して、各遊技状態に応じて表示される可変表示器12、13、14bや始動入賞記憶表示器20(記憶表示LEDと称す)、及びスピーカ58の動作について説明する。なお、図中、二重丸印は、変動状態を示し、丸印は、点灯状態を示し、丸印の中にバツがある表示は、点滅状態を示す。
【0038】
まず、電源を投入した通常の遊技状態では、可変表示器12、13、14b(以下、左図柄、中図柄、右図柄と称す)が0を点灯表示しているだけで、記憶表示LED、及びスピーカ58は、全く駆動されない。
【0039】
次に、打玉が始動入賞口25、32a,32bに入賞したときには、すべての図柄12、13、14a〜14cが1920msの周期で変動表示している。また、このとき、記憶表示LEDは、始動入賞口25、32a,32bに入賞した入賞玉数の記憶値に応じて左側より点灯表示される。また、変動表示中を報知するための効果音Aが発生され、図柄の停止時には、効果音Bが発生される。
【0040】
更に、左右の図柄12,13が停止してリーチ状態となったときには、以下に説明するように2通りの態様で表示される。即ち、リーチ(1)のときには、左右の図柄12,13は、当然のことながら同一図柄を点灯表示し、中図柄14b(14a,14cも)は、2880msの周期で変動表示している。また、このとき、記憶表示LEDは、始動入賞口25、32a,32bに入賞した入賞玉数の記憶値に応じて左側より点灯表示される。また、リーチ(1)状態を報知するために効果音Dが発生され、中図柄14bの停止時には、効果音Bが発生される。
【0041】
また、リーチ(2)のときには、左右の図柄12,13は、当然のことながら同一図柄を停止表示するが、その表示態様は、点灯表示ではなく64msの点滅表示であり、中図柄14b(14a,14cも)は、3104msの周期で変動表示している。また、このとき、記憶表示LEDは、始動入賞口25、32a,32bに入賞した入賞玉数の記憶値に応じて左側より点灯表示される。また、リーチ・状態を報知するために効果音Eが発生され、中図柄14bの停止時には、効果音Bが発生される。このように、リーチ状態の違いにより、可変表示器12、13の表示態様と効果音を異ならせて遊技者に報知している。また、この場合、表示態様と効果音だけでなく、更に、遊技盤1や可変表示装置10等に設けられる他のランプ、LED等を異なる態様で表示するようにしても良い。
【0042】
すべての図柄12、13、14bの停止後、その表示が外れのときには、図柄12、13、14bには、停止した図柄を点灯表示し、外れである旨を報知するために効果音Cが発生される。
【0043】
すべての図柄12、13、14bの停止後、大当り図柄が表示されているときには、次に説明するように3つの段階に分けられる。まず、大当り後、第1段階、即ち、可変入賞球装置30の開放前の段階(4.096秒)においては、各図柄12、13、14bには、停止した図柄が表示されていると共に、これから大当り遊技状態が開始される旨の効果音Fが発生される。
【0044】
大当り後、第2段階、即ち、可変入賞球装置30の開放中においては、左図柄12が開放サイクルの継続回数を表示すると共に、右図柄13が1回の開放サイクル中に発生する入賞玉数を表示する。また、可変入賞球装置30の開放中に受け入れられた入賞玉が特定入賞口36に入賞したときには、中図柄14bに「V」の文字が表示されると共に、継続権が成立した旨の効果音Iが発生される。また、可変入賞球装置30の開放中は、継続して開放中である旨の効果音Gが発生されている。ただし、最終回の開放サイクルにおいては、効果音Hが発生されるようになっている。
【0045】
大当り後、第3段階、即ち、可変入賞球装置30の開放時及び開放サイクルと開放サイクルとの間においては、すべての図柄12、13、14bに停止時の図柄が表示されると共に、効果音Jが発生される。
【0046】
異常が発生したときには、左図柄12に「E」の文字を点灯させ、中図柄14bに「−」を点灯させ、右図柄13に異常の種類に応じて決められた1〜4のいずれかの数値を表示させる。また、記憶表示LED20は、異常発生前の状態を保持する。更に、効果音Kが発生される。
【0047】
以上、実施例に係る可変表示装置10の構造及び作用について説明してきたが、本実施例によれば、リーチ(2)となったとき、最後に停止制御されるべく未だ変動表示している可変表示器14a〜14cにおいて、大当り図柄が近づいて通過する際の変動表示速度が遅くなり、一旦大当り図柄が通過して大当り図柄以外の図柄が通過する際の変動表示が速くなるように制御されるので、遊技者に大当り図柄を含む前後の図柄の変動表示をゆっくりと視認させ、大当り図柄に関係しない図柄の変動表示を視認できないほど速く通過させるので、全体として大当り図柄だけがゆっくりと変動表示している印象を遊技者に与えることとなり、可変表示器14a〜14cが停止するまで大当り遊技状態に対する大きな期待感を持ち続けることができる。
【0048】
なお、上記した実施例においては、最後まで変動表示する可変表示部を複数の表示器で形成したが、左右を含めてすべての可変表示部を複数の表示器で形成しても良いし、単数の可変表示器で形成しても良い。また、可変表示部として、ドットLEDで構成されるものだけでなく、セグメントLED、LCD、あるいはドラムで構成されるものでも良い。
【0049】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、複数種類のリーチ変動表示のうち、第2のリーチ変動表示で図柄変動表示を行う旨を決定したとき、リーチ状態のときに行う図柄変動表示として、最後に停止制御されるべく未だ変動表示している最後可変表示部において、特定遊技状態の生起に関わる表示部に所定の図柄とその前後の図柄が表示される際には図柄が視認できる変動速度で、その他の図柄が示される際には図柄が視認できないほど速い変動速度で変動表示される第2の変動表示態様で変動表示を行うので、遊技者に所定の図柄を含む前後の図柄の変動表示をゆっくりと視認させ、所定の図柄に関係しないその他の図柄の変動表示を視認できないほど速く通過させるので、全体として所定の図柄だけがゆっくりと変動表示している印象を遊技者に与えることができるので、最後可変表示部が停止するまで大当り遊技状態に対する大きな期待感を持ち続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る弾球遊技機に適用される可変表示装置の正面図である。
【図2】同じく可変表示装置の正面図である。
【図3】同じく可変表示装置の正面図である。
【図4】遊技動作を制御する遊技制御回路を示すブロック図である。
【図5】可変表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】可変表示装置において、大当りの選択及び停止図柄の選択方法を説明する説明図である。
【図7】可変表示装置において、大当りの抽出方法を説明する説明図である。
【図8】リーチ時における変動表示を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】大当りのときの可変入賞球装置の作動を示すタイミングチャートである。
【図10】大当り終了時の可変表示装置の作動を示すタイミングチャートである。
【図11】外れのときの可変表示装置の作動を示すタイミングチャートである。
【図12】各遊技状態における可変表示装置、始動記憶LED、効果音の態様を示す一覧表図である。
【図13】実施例に係る弾球遊技機の遊技盤の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 遊技盤
10 可変表示装置
12 可変表示器(可変表示部)
13 可変表示器(可変表示部)
14a〜14C 可変表示器(最後可変表示部)
40 マイクロコンピュータ

Claims (3)

  1. 遊技領域に打玉を打込んで遊技が可能であり、始動入賞口への打玉の入賞により可変表示装置複数の可変表示部が複数の図柄の変動表示を行い、前記複数の可変表示部が順次停止してすべてが停止したときの表示結果が予め定められた所定の図柄の組合せとなったときに、特定遊技状態を生起せしめる弾球遊技機において、
    前記始動入賞口に入賞した入賞玉を検出する始動入賞玉検出器と、
    該始動入賞玉検出器による入賞玉の検出にもとづいて前記複数の可変表示部の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行ったのち前記複数の可変表示部の表示結果を導出表示させる制御手段とを備え、
    該制御手段は、
    前記始動入賞玉検出器が検出した前記始動入賞口への打玉の入賞回数を所定の上限回数の範囲内で記憶する始動入賞記憶手段と、
    前記複数の可変表示部のうち最初に停止制御される可変表示部の変動表示時間を前記始動入賞記憶手段による入賞回数の記憶数に応じて短縮する変動時間短縮手段と、
    乱数発生手段が発生する乱数値にもとづいて、複数種類のリーチ変動表示の中からリーチ変動表示を決定するリーチ変動表示決定手段と、
    該リーチ変動表示決定手段が複数種類のリーチ変動表示のうち第1のリーチ変動表示で図柄変動表示を行う旨を決定したときに、前記複数の可変表示部のうち最後に停止制御される最後可変表示部を除く他の可変表示部の変動表示が停止しその停止時に表示される図柄と前記最後可変表示部が停止したときに前記特定遊技状態の生起に関わる表示部に表示される図柄との組合せが前記所定の図柄の組合せとなる可能性があるリーチ状態のときに行う図柄変動表示として、前記リーチ状態でないときよりも低速且つ等速で各図柄が変動表示される第1の変動表示態様で前記最後可変表示部を表示制御する第1の図柄変動表示制御手段と、
    前記リーチ変動表示決定手段が複数種類のリーチ変動表示のうち第2のリーチ変動表示で図柄変動表示を行う旨を決定したときに、前記リーチ状態のときに行う図柄変動表示として、前記特定遊技状態の生起に関わる表示部に前記所定の図柄とその前後の図柄が表示される際には図柄が視認できる変動速度で、その他の図柄が示される際には図柄が視認できないほど速い変動速度で変動表示される第2の変動表示態様で前記最後可変表示部を表示制御する第2の図柄変動表示制御手段とを備えることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記複数種類のリーチ変動表示に応じて、リーチ状態を報知する効果音を異ならせたことを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
  3. 前記複数種類のリーチ変動表示に応じて、前記最後可変表示部を除く他の可変表示部における表示態様を異ならせたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の弾球遊技機。
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