JP3615229B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、主として石油ファンヒータに使用される石油気化式燃焼装置等の燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の燃焼装置は、例えば、特開平3−20505号公報に開示されているように、周壁に複数の炎孔を有する筒状のバーナヘッドをバーナ本体の上部に装着するとともに、炎孔に対向する環状壁を有するバーナリングをバーナヘッドの外周に設け、このバーナヘッドの炎孔から水平方向に形成される火炎の広がりをバーナリングの環状壁で押さえることにより、強燃焼時に燃焼室を構成する金属製燃焼筒が耐熱温度以上に加熱されるのを防止するとともに、NOxの低減を図っている。
【0003】
ところで、上述した従来装置のものでは、強燃焼時に金属製燃焼筒を確実に保護できる反面、弱燃焼時には、火炎が炎孔近くに小さく形成されるので、バーナリングにより火炎への新鮮空気の供給が阻害され、COが発生しやすくなる問題が生じていた。
【0004】
そこで、炎孔に対向するバーナリングの環状壁を櫛歯状に形成すれば、炎孔近くに形成される小さい火炎にも新鮮空気を供給でき、弱燃焼時におけるCOの発生を抑制できるが、その場合には、強燃焼時において、環状壁の外側に対向位置する点火プラグとフレームセンサの各碍子部が、櫛歯状に形成した環状壁の縦スリットを通る強燃焼火炎によって焙られるため、それら硝子部の温度が耐熱温度以上に上昇する心配があった。
【0005】
また、点火プラグとフレームセンサの各碍子部を保護するためには、これら各碍子部と櫛歯状環状壁との間にそれぞれ遮熱板を設ければ良いが、その場合、部品点数が増加する欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、燃焼性能を向上させつつ、点火プラグとフレームセンサの各碍子部の熱損傷を防止するとともに、部品点数を削減し、さらに、点火プラグとフレームセンサの回り止めが簡単な構成で行えるようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、バーナケース内に収容されたバーナ本体と、このバーナ本体の上部に装着され、周壁に炎孔を有するバーナヘッドと、このバーナヘッドの外周に設けられ、炎孔に対向する櫛歯状環状壁を有するバーナリングと、炎孔から噴出する混合気に点火する点火プラグ及び火炎を検出するフレームセンサとを備え、前記点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部をバーナリングの櫛歯状環状壁の外側に設けるとともに、それら点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部をバーナケースに取り付けられた一つの固定具にて保持し、かつ、前記点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部と櫛歯状環状壁との間には、固定具に一体成形された遮熱板を配置し、前記固定具は、点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部を挿通係止する複数の切欠の近くに、前記各碍子部の適所を突き当ててそれら各碍子部の回り止めを行う突き当て部をそれぞれ一つずつ形成してなる構成である。
【0009】
【作用】
このように構成すると、弱燃焼時には炎孔に形成される火炎が小さくなり、空気が櫛歯状環状壁のスリットから櫛歯状環状壁の内側に流入するので、この櫛歯状環状壁の内側に流入した空気で火炎の燃焼反応が促進され、COの発生量の少ない良好な弱燃焼が行えるとともに、強燃焼時には、炎孔に形成される火炎が大きくなり、この火炎の熱を櫛歯状環状壁が奪うため、火炎温度が低下し、NOxの発生量が減少する。また、櫛歯状環状壁の外側に対向位置する点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部と櫛歯状環状壁との間に遮熱板を配置したことにより、櫛歯状環状壁のスリットを通過する火炎の熱で点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部の温度が耐熱温度以上に上昇するのを抑制し、点火プラグ及びフレームセンサの熱損傷を防止できるとともに、遮熱板が点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部を保持する固定具に一体成形されているので、点火プラグとフレームセンサの固定、並びに保護を最少部品で行うことができる。その上、前記固定具は、点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部を挿通係止する複数の切欠の近くに、前記各碍子部の適所を突き当ててそれら各碍子部の回り止めを行う突き当て部をそれぞれ一つずつ形成してなるので、点火ブラグ及びフレームセンサの双方を、回動しないように簡単な構成で確実に保持できる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1ないし図4の図面に基づいて説明する。図において、1は上部を開口した有底円筒状の気化筒、2はこの気化筒1の上部に埋設したシーズヒータ、3は前記気化筒1内に燃焼一次空気を供給する一次空気通路であり、この一次空気通路3は送風機4と連通している。5は気化筒1の外周に設けられ、この気化筒1を収容するバーナケース、6はバーナケース5を介して気化筒1の外側に燃焼二次空気を供給する二次空気通路であり、この二次空気通路6は一次空気通路3と同じく送風機4に連通している。7は気化筒1内に液体燃料(灯油)を供給する燃料ノズルであり、この燃料ノズル7は燃料供給管8及び電磁ポンプ等の燃料ポンプ9を介して燃料タンク10と連通しており、また、この燃料タンク10には着脱自在なカートリッジタンク11を設けている。
【0012】
12は前記気化筒1の上部開口に配設した絞り板、13はこの絞り板12の上の気化筒1の上端開口に嵌合装着したバーナヘッドであり、このバーナヘッド13は有底筒状に形成され、その底壁部には多数の透孔14,14を有するとともに、上部には天蓋15を有し、また、周壁部には内外に金網16が貼り付けられた多数の円形の炎孔17,17を設けている。
【0013】
18は前記バーナヘッド13の外周に配置された耐熱鋼製のバーナリングであり、このバーナリング18は水平部18Aを前記気化筒1の上面に当接してネジ止め固定しており、この水平部18Aの外周縁に一体に立ち上げて設けた櫛歯状環状壁18Bを前記炎孔17,17に対向させている。また、前記櫛歯状環状壁18Bは図1に示すように、多数の縦スリット19,19を略等間隔を開けて略垂直方向に設けることにより、櫛歯状に形成してあり、そして、前記スリット19は炎孔17に対向する位置から上端部に至るように設けてある。
【0014】
20は炎孔17から噴出する気化ガスと空気との混合気に点火する点火プラグ、21は炎孔17に形成された火炎を検出するとともに、酸素濃度を検出するフレームロッドであり、これら点火プラグ20の碍子部20Aとフレームセンサ21の碍子部21Aは、それぞれ前記櫛歯状環状壁18Bの外側に対向位置して設けられるとともに、バーナケース5の上フランジ部5Aに貫通させている。
【0015】
22は前記点火プラグ20の碍子部20Aとフレームセンサ21の碍子部21Aの双方をバーナケース5の上フランジ部5Aに固定保持する金属製の一つの固定具であり、この固定具22には、前記各碍子部20A,21Aを挿通係止する複数の切欠23,24と、これら切欠23,24間に設けられた挿通穴25と、前記各切欠23,24の近傍に設けられ、前記各碍子部20A,21Aの適所を突き当てて回り止めを行う突き当て26,27とが形成されており、前記挿通穴25に挿通させた一本の締付ねじ28をバーナケース5の上フランジ部5Aに螺着することで、前記固定具22はバーナケース5の上フランジ部5Aに取り付けられる。
【0016】
また、前記点火プラグ20の放電部20Bとフレームセンサ21の検知部21Bの双方は、バーナリング18の櫛歯状環状壁18Bとバーナヘッド13の炎孔17との間に延出させてある。
【0017】
29は前記点火プラグ20及びフレームセンサ21の各碍子部20A,21Aとバーナリング18の櫛歯状環状壁18Bとの間に配置された遮熱板であり、この遮熱板29は前記固定具22の内側縁部にこの固定具22と一体成形してなり、図1に示すように、上縁が各碍子部20A,21Aの頂部と同等高さか若しくはそれよりも高く形成され、また、幅は前記櫛歯状環状壁18Bに面した各碍子部20A,21Aの前方を遮蔽できる寸法に設定されている。
【0018】
30は金属製燃焼筒、31は前記点火プラグ20の放電部20Bに対向させて前記バーナヘッド13の天蓋15の外周部に装着した金属製の突片であり、この突片31は先端部31Aが鋭利な先細り形状と成され、前記点火プラグ20の放電部20Bとこの先細り形状の先端部31Aとの間にスパークを発生させるものである。
【0019】
上述の構成において、シーズヒータ2への通電によって気化筒1が液体燃料の気化可能温度以上に上昇すると、送風機4と燃料ポンプ9が作動し、燃料ノズル7から液体燃料が、また、一次空気通路3から燃焼用一次空気が気化筒1内へ供給される。ここで、気化筒1内へ供給された燃料は、気化面に接触して気化され、この気化ガスと燃焼用一次空気との混合気は、絞り板12の通路、及び透孔14,14を通ってバーナヘッド13内に入り、各炎孔17,17から噴出する。この噴出した混合気は点火プラグ20の放電部20Bと突片31の先端部31A間に発生するスパークにより着火され、火炎を形成して燃焼を開始する。
【0020】
一方、二次空気通路6を通ってバーナケース5内に供給された燃焼用二次空気は、バーナケース5の周壁と気化筒1との間の環状の空間を上昇し、バーナリング18の外周近くに流れ、火炎に供給され、二次燃焼を促進させる。
【0021】
その後、火炎の熱が気化筒1に回収され、この回収熱により気化筒1の気化部の温度が燃料の気化可能温度に維持されるようになると、前記シーズヒータ2への通電は停止されるが、燃焼は継続する。
【0022】
本実施例によれば、周壁に複数の炎孔17,17を有する筒状のバーナヘッド13を気化筒1の上部に装着するとともに、前記炎孔17,17に対向する櫛歯状環状壁18Bを有するバーナリング18を、バーナヘッド13の外周に位置させて気化筒1上部に設けたものであるから、燃焼装置が例えば約700Kcal/hの弱燃焼で燃焼している場合には、炎孔17に形成される火炎は小さくなって櫛歯状環状壁18Bの内側に入り込み、バーナケース5と気化筒1との間の空間を上昇した燃焼用二次空気が、櫛歯状環状壁18Bの各縦スリット19,19を通って、この櫛歯状環状壁18Bの内側に流入する。そのため、弱燃焼による小さい火炎であっても、燃焼用二次空気を効率よく供給でき、燃焼反応が大幅に促進され、COの発生量の少ない良好な弱燃焼を行うことができる。この時、縦スリット19,19を通って火炎に供給される燃焼用二次空気の流れは層流であるため、火炎の乱れも極めて少なく、燃焼状態が安定する。
【0023】
また、燃焼装置が例えば約4000Kcal/hの強燃焼で燃焼している場合には、炎孔17に形成される火炎は大きくなり、この大きな火炎の一部はその先端部が櫛歯状環状壁18Bの各縦スリット19,19間の壁に当って上向きになり、金属製燃焼筒30が保護される。残りの火炎の一部は、水平方向に延び、前記縦スリット19を通る際の抵抗で上向きになる。ここで 櫛歯状環状壁18Bは内外を流れる燃焼用二次空気で冷却され、この冷却された櫛歯状環状壁18Bに接触する火炎の熱を効果的に奪い、因って、火炎温度が低下し、NOxの発生量が減少する。
【0024】
ここで、点火プラグ20及びフレームセンサ21の各碍子部20A,21Aとバーナリング18の櫛歯状環状壁18Bとの間には、固定具22に一体成形された遮熱板29を配置したので、櫛歯状環状壁18Bの縦スリット19を通過する火炎の熱気を遮熱板29で受け止めることができ、各碍子部20A,21Aの温度が耐熱温度以上に上昇する心配がなくなる。そのため、点火プラグ20とフレームセンサ21の熱損傷を防止できる。
【0025】
また、各碍子部20A,21Aとバーナリング18の櫛歯状環状壁18Bとの間に配置した遮熱板29が、各碍子部20A,21Aを共に保持する一つの固定具22に一体成形されているので、点火プラグ20とフレームセンサ21の固定、並びにそれらの各碍子部20A,21Aの保護を一つの固定具22と一本の締付ねじ28の2部品で行うことができ、部品点数の削減、組立て作業工数の低減が図れ、コストを大幅に低減できる。
【0026】
さらに、固定具22には、各碍子部20A,21Aを挿通係止する複数の切欠23,24を設け、これら各切欠23,24の近傍に、各碍子部20A,21Aの適所を突き当てて回り止めを行う突き当て26,27を形成したので、点火ブラグ20及びフレームセンサ21の双方を回動しないように確実に保持できる。
【0027】
なお、上述の実施例では、液体燃料を気化して燃焼させる気化式燃焼装置について説明したが、ガス燃焼装置であっても良い。
【0028】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように、バーナケース内に収容されたバーナ本体と、このバーナ本体の上部に装着され、周壁に炎孔を有するバーナヘッドと、このバーナヘッドの外周に設けられ、炎孔に対向する櫛歯状環状壁を有するバーナリングと、炎孔から噴出する混合気に点火する点火プラグ及び火炎を検出するフレームセンサとを備え、弱燃焼時には燃焼反応を促進させ、強燃焼時には火炎温度を低下させるものにおいて、櫛歯状環状壁のスリットを通過する火炎の熱で点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部の温度が耐熱温度以上に上昇するのを抑制し、点火プラグ及びフレームセンサの熱損傷を防止できるとともに、遮熱板が点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部を保持する固定具に一体成形されているので、点火プラグとフレームセンサの固定、並びに保護を最少部品で行うことができる。その上、前記固定具は、点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部を挿通係止する複数の切欠の近くに、前記各碍子部の適所を突き当ててそれら各碍子部の回り止めを行う突き当て部をそれぞれ一つずつ形成してなるので、点火ブラグ及びフレームセンサの双方を、回動しないように簡単な構成で確実に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における液体燃料燃焼装置の一部切欠側面図である。
【図2】同じく全体構成図である。
【図3】同じく要部の平面図である。
【図4】固定具の斜視図である。
【符号の説明】
1 気化筒(バーナ本体)
5 バーナケース
13 バーナヘッド
17 炎孔
18 バーナリング
18B 櫛歯状環状壁
20 点火プラグ
20A 点火プラグの碍子部
21 フレームセンサ
21A フレームセンサ碍子部
22 固定具
23 切欠
24 切欠
26 突き当て(突き当て部)
27 突き当て(突き当て部)
29 遮熱板
Claims (1)
- バーナケース内に収容されたバーナ本体と、このバーナ本体の上部に装着され、周壁に炎孔を有するバーナヘッドと、このバーナヘッドの外周に設けられ、炎孔に対向する櫛歯状環状壁を有するバーナリングと、炎孔から噴出する混合気に点火する点火プラグ及び火炎を検出するフレームセンサとを備え、前記点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部をバーナリングの櫛歯状環状壁の外側に設けるとともに、それら点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部をバーナケースに取り付けられた一つの固定具にて保持し、かつ、前記点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部と櫛歯状環状壁との間には、固定具に一体成形された遮熱板を配置し、前記固定具は、点火プラグ及びフレームセンサの各碍子部を挿通係止する複数の切欠の近くに、前記各碍子部の適所を突き当ててそれら各碍子部の回り止めを行う突き当て部をそれぞれ一つずつ形成してなることを特徴とする燃焼装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08737493A JP3615229B2 (ja) | 1993-04-14 | 1993-04-14 | 燃焼装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08737493A JP3615229B2 (ja) | 1993-04-14 | 1993-04-14 | 燃焼装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06300259A JPH06300259A (ja) | 1994-10-28 |
JP3615229B2 true JP3615229B2 (ja) | 2005-02-02 |
Family
ID=13913127
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08737493A Expired - Fee Related JP3615229B2 (ja) | 1993-04-14 | 1993-04-14 | 燃焼装置 |
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JP (1) | JP3615229B2 (ja) |
-
1993
- 1993-04-14 JP JP08737493A patent/JP3615229B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH06300259A (ja) | 1994-10-28 |
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