JP3614921B2 - 車輪旋盤の検芯方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、電車および機関車、客貨車などの車輌において、走行により摩耗した車輪の削正または成形切削する車輪旋盤に係り、特に車輪を主軸前端のチャッキング手段のジョーにチャッキングする際に、車輪の輪軸中心を車輪旋盤の主軸中心に一致させるための車輪旋盤の検芯方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電車および機関車、客貨車などの車輌において、走行により摩耗した車輪の削正または新タイヤの成形を切削する車輪旋盤がある。かかる車輪旋盤は同一出願人の特許第554963号「自動車輪旋盤」に記載されている。すなわち、この種の機械は車輪を機械背面に敷設したレールより導入し車輪を両側より主軸台に回転自在に支持された主軸の前端に設けられたチャッキング手段で芯出しするとともにジョーにて挟み込むようにチャッキングして加工を行い、加工後はチャッキングを解除して機械前面へ通り抜ける門形の構造になっている。また機械が車輪をチャッキングした時、常に機械の定位置(主軸中心)へ車輪の輪軸中心を一致させるように位置決めされ倣いモデルに従って加工を行う構成になっている。さらに前述の構成に加えて一対の車輪を把持する際、両フランジ部を車輪重心位置に関係なく常に機械芯高よりわずかに高い一定の位置に持ち越すようなリフター装置を設けている。
また、車輪を主軸台のジョーにチャッキングする際の車輪踏面部の中心位置出しのための計測作業は、作業者が直接行うと、測定の為に自動運転を中断しなければならない上、測定作業が容易ではなく測定精度も作業者により異なり、不安定であるためある程度の熟練を必要とした。そこで同一出願人により特公昭61−44625号「旋盤の計測装置」が提案されている。この計測装置の構成は車輪を上昇させるリフター装置にワイヤーの片端を繋き、もう一方の端を上側Vブロックに繋いでおき、リフター装置の上昇と共に、上側ブロックがワイヤーに引っ張られて下降し車輪に当る位置で当接部材がリミットスイッチを踏んで停止し芯出しを行うというものである。そして、この計測装置は機械に車輪の踏面部を測定する計測装置を設けたことにより、走行より摩耗した車輪の踏面部の直径を表示し加工に際しての切り込み量を容易にかつ能率よく設定ができ、リフター装置に連動するように計測装置を取付けたため、測定はリフター上昇時に同量だけ計測装置が降下するので、芯高の検出と車輪の直径測定を同時に行うことができるというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の測定方法では車輪を上昇させるリフターにワイヤーの片端を繋いでおき、リフターの上昇と共に、上側ブロックをワイヤーに引っ張られて下降するように構成されているために、ワイヤーが経年変化し延びてしまった場合、計測精度が低下するため調整が必要になるという問題点が生じた。
この発明はこの問題点を解決するためになされたもので、刃物台のタレットの一面に検出手段を配置し、リフター装置による車輪の上昇と同期運転させて刃物台を下降させ、検出手段が車輪との当接を検出した位置でリフター装置および刃物台の移動を停止させ、外径寸法に応じてリフター装置の移動位置を補正して主軸中心と被削車輪中心とを一致させる車輪旋盤の検芯装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、べッドと、このベッド上に対向するように設けられ、各々、主軸を回転自在に支持する主軸台と、前記主軸の対向する端部に各々設けられ、被削車輪中心を芯出して支持するとともに、被削車輪端部をチャッキングするチャッキング手段と、前記ベッドの前記主軸台近傍の前記被削車輪の被検芯部に対応する位置にX3軸昇降方向に移動自在に各々設けられ、前記被削車輪を当接支持面で支持して持ち上げるリフター装置と、前記主軸台に対して少なくともX2軸昇降方向に移動自在に設けられた刃物台とを有する車輪旋盤の検芯方法であって、
前記刃物台に前記被削車輪の被検芯部との当接を検出する検出手段を設ける手順と、前記リフター装置の当接支持面および前記刃物台に設けられた検出手段の当接面が前記主軸中心より等距離離れた位置である検芯原点に前記リフター装置および前記刃物台を各々移動して位置決めされる手順と、前記被削車輪が前記リフター装置上方に搬入される手順と、前記リフター装置を前記検芯原点よりX3軸上昇方向に移動させ、前記搬入された被削車輪を支持して持ち上げ、前記主軸中心に向って所定の移動速度で移動させる手順と、検出手段を装着した前記刃物台を移動させるX2軸サーボモータと、前記リフター装置を移動させるX3軸サーボモータを同期運転させて前記検芯原点より前記主軸中心に向って下降させる手順と、前記検出手段の当接面が前記被削車輪の被検芯部に当接して信号を出力したとき、前記リフター装置のX3軸上昇移動および前記刃物台のX2軸下降移動を停止させる手順とからなり、
前記主軸中心に対し前記被削車輪中心を一致させた後、前記主軸台および前記チャッキング手段で芯出し支持することを特徴とする車輪旋盤の検芯方法としたものである。
【0005】
また、請求項2に係る発明は、請求項1において、前記リフター装置の当接支持面をV字状に形成し、前記検出手段が当接して信号を出力したときの前記リフター装置および前記検出手段の昇降位置に基づき、前記被削車輪の外径寸法(D)を算出する手順と、前記算出された被削車輪の外径寸法(D)より、前記リフター装置の当接支持面の移動位置の補正値を算出する手順と、この補正値分前記リフター装置を移動させる手順とを有し、前記主軸中心に対し前記被削車輪中心を一致させた後、前記主軸台および前記チャッキング手段で芯出し支持することを特徴とする車輪旋盤の検芯方法としたものである。
【0006】
さらに、請求項3に係る発明は、べッドと、このベッド上に対向するように設けられ、各々、主軸を回転自在に支持する主軸台と、前記主軸の対向する端部に各々設けられ、被削車輪中心を支持して芯出しするとともに、被削車輪端部をチャッキングするチャッキング手段と、前記ベッドの前記主軸台近傍にX3軸昇降方向に移動自在に各々設けられ、前記被削車輪を当接支持面で支持して持ち上げるリフター装置と、前記主軸台に対して少なくともX2軸昇降方向に移動自在に設けられた刃物台と、この刃物台に設けられ、前記被削車輪の被検芯部に当接面が当接したとき信号を出力する検出手段と、前記検出手段が取り付けられた前記刃物台のX2軸サーボモータと前記リフター装置のX3軸サーボモータとを同期制御させて移動させるとともに、前記検出手段の当接部が前記被削車輪の被検芯部と当接して信号を出力したとき前記刃物台のX2軸下降移動および前記リフター装置のX3軸上昇移動を停止させる制御手段と、前記検出手段の当接支持面と、前記リフター装置の当接面が前記主軸中心より等距離離れた位置である検芯原点とを有し、前記主軸中心に対し前記被削車輪中心を一致させた後、前記主軸台および前記チャッキング手段で芯出し支持することを特徴とする車輪旋盤の検芯装置としたものである。
【0007】
また、請求項4に係る発明は、請求項3において、前記リフター装置の当接支持面をV字状に形成し、前記リフター装置と前記刃物台の移動位置から前記被削車輪の外径寸法(D)を算出し、この外径寸法(D)に基づいて前記リフター装置の当接支持面の移動位置を補正する補正手段とを有し、前記主軸中心に対し前記被削車輪中心を一致させた後、前記主軸台および前記チャッキング手段で芯出し支持することを特徴とする車輪旋盤の検芯装置としたものである。
【0008】
【作用】
車輪旋盤に被削車輪が搬入されると、両側の車輪それぞれに、リフター装置のV字状当接面と、検出手段の当接部材の当接面が主軸中心より等距離になる位置にそれぞれ位置決めする。ついで、リフター装置にてNC装置に制御されたサーボモータによる移動で上昇させ被削車輪を主軸の中心に向って移動させるとともに検出手段を装着した刃物台をリフター装置の移動と同期運転して下降させる。これら検芯処理は、両側の車輪に対して同時に行われる。
刃物台に取り付けた当接部材が被削車輪のフランジ部に当接した時、検出手段より信号が出力され、リフター装置と刃物台の同期運転の昇降動作が停止される。ところで、検出手段の当接面は平面で、リフター装置の当接面はV字状の面のため車輪外径寸法により芯ズレを生じるため、補正が必要となる。すなわち、この芯ズレの補正量は基準寸法より大きい場合は補正式1による補正量αとし、基準寸法より小さい場合は補正式2による補正量βとする。
同期運転の昇降動作が停止されると、刃物台あるいはリフター装置の移動位置により被削車輪2の直径が演算され、演算の結果、被削車輪の直径が基準寸法より大きいかどうかを判断し、基準寸法より大きい場合は補正量αを出力し、基準寸法より小さい場合は補正量βを出力する。補正量が出力されると、これら補正量に基づいて、両車輪側のリフター装置を上昇移動させ、被削車輪の中心を主軸の中心に一致させて検芯処理を終了する。
【0009】
【実施例】
この発明の車輪旋盤の検芯方法およびその装置の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の検芯装置を装備した車輪旋盤の側断面図である。
1は車輪旋盤であり、この車輪旋盤1は被削車輪2を機械背面に敷設したレール2aより搬入し被削車輪2を両側より主軸台3に回転自在に支持された主軸3aの前端のチャッキング手段の複数個設けられたジョー4で挟み込むようにチャッキングし、刃物台5に装着された所定工具で加工を行った後、ジョー4によるチャッキングを解除して機械前面へ搬出する門形の構造の機械になっている。また車輪旋盤1が被削車輪2をチャッキングした時、常に機械の定位置(主軸中心)へ位置決めされ加工を行う構成になっている。
6はべッドであり、7はこのベッド6上に設けられたコラムである。刃物台5はこのコラム7間に設けられたクロスレール7aの案内部に案内されてNC装置(図示せず)の制御により図1における紙面に直交するZ軸(Z2軸)方向および上下方向X軸(X2軸)方向に移動自在に設けられている。X軸方向はサーボモータM X2 、ボールねじ5a等で移動し、位置決め制御される。また、Z軸方向もサーボモータ(図示せず)、ボールねじ5b等でサドル7bが移動(図1参照)し、位置決め制御される。
8はリフター装置であり、このリフター装置8は被削車輪2をチャッキングする際、被削車輪2の両フランジ部(被検芯部)を一定の位置に持ちあげるようにベッド6側に設けられている。すなわち、リフター装置8はサーボモータ9の駆動により送りネジ10を介してX3軸方向に昇降移動する。例えば、主軸中心から後述する検出手段の当接面とリフター装置8の当接支持面を等距離(例えば、635mm)の位置にしておき、そこから同期運転による送りをかけ検出手段からの信号出力で停止させる。また、リフター装置8の両端は被削車輪2のフランジ部を安定した状態で押し上げるように被削車輪2との当接支持面8aをV字状にした2点支持の形状をなしている。
11は刃物台5上に回転割り出し可能に設けられたタレットである。このタレット11の各面には複数の工具Tが装着されるとともにタレット11の1面には検出手段の当接部材12等検芯スイッチ機構も装着されている。なお、この発明の車輪旋盤1には主軸台3、主軸3a、刃物台5等が両側の被削車輪2に対してそれぞれ一対設けられている。
【0010】
図2は検出手段の検芯スイッチ機構の詳細図であり、図3は図2のII−II断面図である。
20はタレット11にボルトで固定されているホルダである。このホルダ20には移動穴20aが穿設されている。この移動穴20aには当接軸21および圧縮ばね22が収納されている。当接軸21は段付円筒形状を有し大径部の後端には凹部21aが形成されている。この当接軸21の先端に当接面12aが形成された当接部材12が取り付けられている。23はフタであり、当接軸21の小径部より大きくかつ大径部より小さい径の穴があけられている。このフタ23は当接軸21が圧縮ばね22の付勢力により飛び出さないために設けられる。当接軸21は移動穴20a内を移動可能に構成されている。
凹部21a近傍のホルダ20側には移動穴20aと直角方向にボール穴20b(図3参照)が穿設され、このボール穴20bにはボール24が移動自在に挿入され凹部21aで係止されている。このボール穴20bに隣接するタレット11側には段付穴が穿設されている。この段付穴11aには圧縮ばね25とともに検知軸26が収納され、この検知軸26の一端部をリング27で抜け止めすることにより、段付穴11a内を検知軸26は移動可能に構成されている。また、検知軸26の他端はボール穴20b内のボール24を凹部21a側に付勢する構成になっている。なお、当接部材12が圧縮ばね22に抗して後退すると、当接軸21、凹部21a、ボール24を介して検知軸26がG位置よりH位置に移動する。
28は刃物台5の本体に、当接軸21、当接部材12等が取付けられたタレット面が加工位置に割り出されたとき、検知軸26と対向する位置に取り付けられたセンサホルダであり、このセンサホルダ28に検出部材(近接スイッチ)29が設置されている。この検出部材29により検知軸26の移動を検知し、ONまたはOFFの信号を出力する。この検出部材29、当接部材12、当接軸21、ボール24、検知軸26等で検出手段が構成されている。
【0011】
<第1実施の形態>
図4は、本発明の第1実施の形態を示し、車輪旋盤の検芯処理の概略説明図であり、図5は、本発明の第1実施の形態を示し、車輪旋盤の検芯処理の流れ図である。この図4および図5に基づきこの発明の動作を説明する。なお、この発明の車輪旋盤1には主軸台3、主軸3a、刃物台5等が両側の被削車輪2に対してそれぞれ一対設けられているが、形状が対称である以外は機能は同じであるので、図4では片側の被削車輪2の検芯処理のみ行い、他方は省略する。
検出手段の当接部材12等検芯スイッチ機構が取り付けられたタレットの面を加工位置に割出す。リフター装置8のV字状の当接面と、検出手段の当接部材12の当接面が主軸中心より等距離(X2 0 =X3 0 )になる検芯原点位置に位置決めする(図6参照)。ついで、車輪旋盤1に被削車輪2が搬入されたことを確認する(ステップS1)。リフター装置8にてNC装置に制御されたサーボモータ9による移動で被削車輪2を上昇させ主軸3aの中心に向って移動させるとともに検出手段の当接部材12を装着した刃物台5をリフター装置8の移動と同期制御により下降させる(ステップS2)。
刃物台5に取り付けた当接部材12が被削車輪2のフランジ部に当接した時、近接スイッチより出力され(ステップS3)、リフター装置8と刃物台5の同期運転による昇降動作が停止される(ステップS4)。
【0012】
図6は、被削車輪の外径寸法に応じて高さを補正する場合の説明図である。図6に示すように、リフター装置8の当接支持面8a、8aは、サーボモータ9の駆動により昇降し、当接支持面8a′、8a′に移動する。当接部材12の当接面は平面で、リフター装置8の当接支持面8a、8aはV字状の面のため、車輪外径寸法DF(図6参照)により芯ズレが生じる。
図7は被削車輪の外径寸法に応じて高さを補正する場合の説明図であり、図7(a)は、V字状の当接支持面の上方頂点当り範囲を示す説明図、図7(b)は、分岐寸法を示す説明図、図7(c)は、V字状の当接支持面の斜面で指示する範囲を示す説明図である。この芯ズレの補正量は基準寸法A0 (当接支持面の上方頂点当りで支持する範囲と、当接支持面斜面当りで支持する範囲の分岐寸法、この実施例ではφ1134mm)より大きい場合は補正式1による補正量αとし、基準寸法より小さい場合は補正式2による補正量βとする。
Dはフランジ部の車輪径であり、外径寸法である。
Aは、図7(a)に示すように、当接部材12から当接支持面8aの上方頂点当りあるいは斜面当りまでの計測寸法である。
lは主軸中心から当接支持面8aまでの横寸法である。
θは当接支持面8aの斜面の傾き角度である。
補正式1. α=(D−A)/2 Dを移行して、D=2α+Aである。
A/2=α+[(D/2)2−l2]1/2
この2つの式より補正量αと計測寸法Aの関係を求めると、
α=l2/2A
例えば、l=105mmとした場合には
α=5512.5/A
のように近似することができ、この式よりαを容易に求めることができるから、外径寸法Dも容易に求めることができる。
補正式2. β=(D−A)/2 Dを求めると、D=2β+Aである。
A/2=(D/2)cosθ+β−[l*tanθ−(D/2)sinθ*tanθ]
この2つの式より補正量βと計測寸法Aの関係を求めると、
β=A(1−W)/2(1+W)+l*tanθ/(1+W)
W=cosθ+sinθ*tanθ
例えば、l=105mm、θ=10.67°とした場合には、
β=−0.00436A+9.805
のように近似することができ、この式よりβを容易に求めることができるから、外径寸法Dも容易に求めることができる。
【0013】
同期運転の昇降動作が停止されると、刃物台5あるいはリフター装置8の移動量により被削車輪2の計測寸法Aが演算され(ステップS5)、演算の結果、被削車輪2の直径が基準寸法A0 より大きいかどうかを判断し(ステップS6)、基準寸法より大きい場合は補正量αを補正式1より求め、求められた補正量αを出力し(ステップS7)、基準寸法より小さい場合は補正量βを補正式2より求め、求められた補正量βを出力する(ステップS8)。補正量が出力されると、これら補正量に基づいて、リフター装置8を上昇移動させ(ステップS9)、被削車輪2の中心を主軸の中心に一致させて検芯処理を終了する。なお、補正量を計測寸法Aに対応させて求めておき、この計測寸法Aに対応した複数の補正量をメモリに記憶させておき、その補正量を読み出して出力し、ステップS9にてリフター装置8を上昇移動させてもよい。
その後、両主軸台3が図示しない駆動体により図示しない案内面に案内されて前進し、センター3aを繰り出し被削車輪2のセンター穴を支持して芯出しをして、ジョー4を図示しない駆動体により前進させて被削車輪2の端部を両側より押圧してチャッキングする。
【0014】
<第2実施の形態>
図8はこの発明の第2実施の形態を示し、車輪旋盤の検芯処理の概略説明図であり、図9はこの発明の第2実施の形態を示し、車輪旋盤の検芯処理の流れ図である。この図8および図9に基づきこの発明の動作を説明する。なお、図4および図5(第1実施の形態)と図8および図9(第2実施の形態)との違いは、第1実施の形態の場合は、リフター装置8の駆動手段がサーボモータであるのに対し、第2実施の形態の場合は、駆動手段がパルス信号を発するエンコーダ付シリンダー40である点である。
したがって、ステップS2が第1実施の形態では「リフター装置8にてNC装置に制御されたサーボモータ9による移動で上昇させ被削車輪2を主軸3aの中心に向って移動させるとともに検出手段の当接部材12を装着した刃物台5をリフター装置8の移動と同期制御により下降させる。」であるに対し、第2実施の形態では「被削車輪2をシリンダ40を駆動体とするリフター装置8にて上昇させ主軸3aの中心に向って移動させるとともに移動分のパルス信号をエンコーダ41より出力する(ステップS2a)。この出力されたエンコーダ付シリンダー40のパルス信号にサーボモータM X2 を同期制御させて検出手段の検芯スイッチ機構を装着したタレット11および刃物台5を下降させる(ステップS2b)。」となる。なお、図8の車輪旋盤1においても主軸台3、主軸3a、刃物台5が両側の被削車輪2に対してそれぞれ一対設けられているが、形状が対称である以外は機能は同じであるので、図8では片側の被削車輪2の検芯処理のみ行い、他方は省略する。
【0015】
【発明の効果】
以上説明した請求項1〜4に係る発明によれば、刃物台のタレットの一面に検出手段を配置し、リフター装置による車輪の上昇と同期制御させて刃物台を下降させ、検出手段が車輪との当接を検出した位置でリフター装置および刃物台の移動を停止させ、外径寸法に応じてリフター装置の移動位置を補正して主軸中心と被削車輪中心とを一致させることができるから、従来の検芯方法のようにワイヤーが経年変化し延びてしまうことがなく、従って調整等のメンテナンスを必要としないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検芯装置を装備した車輪旋盤の側断面図である。
【図2】検芯スイッチ用の検芯スイッチ機構の詳細図である。
【図3】図2のII−II断面図である。
【図4】本発明の第1実施の形態を示し、車輪旋盤の検芯処理の概略説明図である。
【図5】本発明の第1実施の形態を示し、車輪旋盤の検芯処理の流れ図である。
【図6】被削車輪の外径寸法に応じて高さを補正する場合の説明図である。
【図7】被削車輪の外径寸法に応じて高さを補正する場合の説明図である。
【図8】本発明の第2実施の形態を示し、車輪旋盤の検芯処理の概略説明図である。
【図9】本発明の第2実施の形態を示し、車輪旋盤の検芯処理の流れ図である。
【符号の説明】
1…車輪旋盤
2…被削車輪
3…主軸台
5…刃物台
6…ベッド
7…コラム
8…リフター装置
8a…当接支持面
9…サーボモータ
10…送りネジ
12…当接部材
29…検出部材
Claims (4)
- べッドと、
このベッド上に対向するように設けられ、各々、主軸を回転自在に支持する主軸台と、
前記主軸の対向する端部に各々設けられ、被削車輪中心を芯出して支持するとともに、被削車輪端部をチャッキングするチャッキング手段と、
前記ベッドの前記主軸台近傍の前記被削車輪の被検芯部に対応する位置にX3軸昇降方向に移動自在に各々設けられ、前記被削車輪を当接支持面で支持して持ち上げるリフター装置と、
前記主軸台に対して少なくともX2軸昇降方向に移動自在に設けられた刃物台とを有する車輪旋盤の検芯方法であって、
前記刃物台に前記被削車輪の被検芯部との当接を検出する検出手段を設ける手順と、
前記リフター装置の当接支持面および前記刃物台に設けられた検出手段の当接面が前記主軸中心より等距離離れた位置である検芯原点に前記リフター装置および前記刃物台を各々移動して位置決めされる手順と、
前記被削車輪が前記リフター装置上方に搬入される手順と、
前記リフター装置を前記検芯原点よりX3軸の上昇方向に移動させ、前記搬入された被削車輪を支持して持ち上げ、前記主軸中心に向って所定の移動速度で移動させる手順と、
検出手段を装着した前記刃物台を移動させるX2軸サーボモータと、前記リフター装置を移動させるX3軸サーボモータを同期運転させて前記検芯原点より前記主軸中心に向って下降させる手順と、
前記検出手段の当接面が前記被削車輪の被検芯部に当接して信号を出力したとき、前記リフター装置のX3軸上昇移動および前記刃物台のX2軸下降移動を停止させる手順とからなり、
前記主軸中心に対し前記被削車輪中心を一致させた後、前記主軸台および前記チャッキング手段で芯出し支持することを特徴とする車輪旋盤の検芯方法。 - 請求項1において、
前記リフター装置の当接支持面をV字状に形成し、
前記検出手段が当接して信号を出力したときの前記リフター装置および前記検出手段の昇降位置に基づき、前記被削車輪の外径寸法(D)を算出する手順と、
前記算出された被削車輪の外径寸法(D)より、前記リフター装置の当接支持面の移動位置の補正値を算出する手順と、
この補正値分前記リフター装置を移動させる手順とを有し、
前記主軸中心に対し前記被削車輪中心を一致させた後、前記主軸台および前記チャッキング手段で芯出し支持することを特徴とする車輪旋盤の検芯方法。 - べッドと、
このベッド上に対向するように設けられ、各々、主軸を回転自在に支持する主軸台と、
前記主軸の対向する端部に各々設けられ、被削車輪中心を支持して芯出しするとともに、被削車輪端部をチャッキングするチャッキング手段と、
前記ベッドの前記主軸台近傍にX3軸昇降方向に移動自在に各々設けられ、前記被削車輪を当接支持面で支持して持ち上げるリフター装置と、
前記主軸台に対して少なくともX2軸昇降方向に移動自在に設けられた刃物台と、
この刃物台に設けられ、前記被削車輪の被検芯部に当接面が当接したとき信号を出力する検出手段と、
前記検出手段が取り付けられた前記刃物台のX2軸サーボモータと前記リフター装置のX3軸サーボモータとを同期制御させて移動させるとともに、前記検出手段の当接部が前記被削車輪の被検芯部と当接して信号を出力したとき前記刃物台のX2軸下降移動および前記リフター装置のX3軸上昇移動を停止させる制御手段と、
前記検出手段の当接支持面と、前記リフター装置の当接面が前記主軸中心より等距離離れた位置である検芯原点とを有し、
前記主軸中心に対し前記被削車輪中心を一致させた後、前記主軸台および前記チャッキング手段で芯出し支持することを特徴とする車輪旋盤の検芯装置。 - 請求項3において、
前記リフター装置の当接支持面をV字状に形成し、
前記リフター装置と前記刃物台の移動位置から前記被削車輪の外径寸法(D)を算出し、この外径寸法(D)に基づいて前記リフター装置の当接支持面の移動位置を補正する補正手段とを有し、
前記主軸中心に対し前記被削車輪中心を一致させた後、前記主軸台および前記チャッキング手段で芯出し支持することを特徴とする車輪旋盤の検芯装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07299395A JP3614921B2 (ja) | 1995-03-30 | 1995-03-30 | 車輪旋盤の検芯方法およびその装置 |
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