JP3681215B2 - 車輪旋盤 - Google Patents

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JP3681215B2 JP06941396A JP6941396A JP3681215B2 JP 3681215 B2 JP3681215 B2 JP 3681215B2 JP 06941396 A JP06941396 A JP 06941396A JP 6941396 A JP6941396 A JP 6941396A JP 3681215 B2 JP3681215 B2 JP 3681215B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄道車両用車輪(以下、車輪と記載)を切削する車輪旋盤に係り、特に、ブレーキディスクを有する車輪を切削する車輪旋盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の鉄道車両の高速化,経済規模の拡大に伴う貨車輸送量の増加,都市部における通勤地獄解消のための客車の数の増加などにより、鉄道車両とその車輪は多くの場面で酷使されている。
その結果、鉄道車両工場で行われている車輪の整備も従来にも増して高能率化が要求されている。
【0003】
車輪には狭軌用から広軌用まで各種のものがあり、その直径も例えば約600mmから約1200mmまである。車輪は鋼製であり、鉄道車両が走行することにより、線路との接触による摩耗や剥離現象,鉄道車両の発進や停止による摩耗,及び線路の継ぎ目の衝撃などによって、次第に円形を失って変形していく。車輪の踏面(線路と接触する外周面)の変形は騒音を大きくし乗り心地を悪くする。
したがって、車輪がある程度変形したら、車輪旋盤により車輪の外周を再切削加工して真円形状にし、再び車輪として復元しなければならない。なお、車輪旋盤で車輪を切削加工することを「削正」ともいう。
【0004】
鉄道車両から取外した車輪を車輪旋盤により切削する場合に、ブレーキディスクの取外し,取付けの作業を省略するために、一対の車輪部の内側に一対のブレーキディスクが取付けられた状態の車輪を切削することが多い。
車輪旋盤には、車輪の車軸軸線方向に並設されて対向する一対の加工装置により、車輪の外方端部にある一対の車輪部と、その内側にある一対のブレーキディスクのディスク面とを切削する旋盤がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、車輪の両ブレーキディスク間の距離は近く、また、従来の車輪旋盤では、ディスク面切削装置が加工装置の刃物台の本体部に取付けられている場合が多い。
その結果、車輪の両方のブレーキディスクの各ディスク面を左右の加工装置のディスク面切削装置で同時に切削しようとすると、左右の刃物台が干渉する。そのため、左右の刃物台を接近させることができないので、合計四つのディスク面を一面ずつ順番に切削しなければならず、合計四回の切削作業を要することになる。
したがって、ブレーキディスクの切削時間が長くなり、しかも、一つのディスク面の切削が終って刃物台が次のディスク面に移動する時間を要するので、総切削作業時間が長時間になっていた。
【0006】
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、ブレーキディスクの切削時間を短縮して高能率で車輪を切削することができる車輪旋盤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明に係る車輪旋盤は、刃物台を有する一対の加工装置が鉄道車両用車輪の車軸軸線方向に並設されて対向するとともに、一対の前記刃物台は、加工位置にある前記車輪の上方に位置し、前記一対の加工装置により一対の車輪部と一対のブレーキディスクを切削する車輪旋盤において、前記一対の加工装置の刃物台は、前記車輪に対して前記車軸軸線方向及びこの車軸軸線方向と直交する方向に移動可能に設けられ所要位置に移動する刃物台本体と、この刃物台本体の対向する側である前部に旋回割出し可能に設けられ放射状に取付けられた第1の工具により前記一対の車輪部を同時に又はほぼ同時に切削するタレットヘッドと、このタレットヘッドの前部側に進退移動自在に且つ先端にディスク切削用工具が設けられ、このディスク切削用工具により前記一対のブレーキディスクを同時に又はほぼ同時に切削するディスク面切削装置とを備え、このディスク面切削装置は、前記ディスク切削用工具を、前記タレットヘッドの径方向にこのタレットヘッドより突出した切削位置と、前記タレットヘッド側に収納される退避位置との間で進退移動させ、前記切削位置は、前記ディスク切削用工具が前記ブレーキディスクを切削 する際、前記刃物台の各部位が干渉しないように前記タレットヘッドより前記ディスク切削用工具が突出した位置であり、前記退避位置は、前記タレットヘッドを旋回した時、前記ディスク切削用工具が他の部位と干渉することがなくなる位置である。
【0008】
一つの好ましい態様として、前記ディスク切削用工具は、工具ホルダにスローアウェイチップがクランプされ、前記車輪の車軸の軸線方向である+Z軸方向と−Z軸方向に刃先部を向けて一対設けられている。
【0009】
前記一対のディスク面切削装置は、前記一対のブレーキディスクの摩耗量を同時に又はほぼ同時に計測するための計測用ヘッドを進退移動させるとともに前記ディスク面切削装置の前部に設けられたディスク面計測装置を備え、このディスク面計測装置は、前記計測用ヘッドを、前記タレットヘッドの径方向であって且つ前記ディスク切削用工具の突出方向とは反対の方向に突出する計測位置と、前記タレットヘッド側に収納される退避位置との間で進退移動させ、前記計測位置は、前記計測用ヘッドが前記ブレーキディスクを計測する際、前記刃物台の各部位が干渉しないように前記タレットヘッドより前記計測用ヘッドが突出した位置であり、前記ディスク面切削装置は、前記摩耗量から作成された切込量に基づいて前記ブレーキディスクを切削するのが好ましい。
前記計測用ヘッドの接触子は、ヘッド部材に前記車輪の車軸の軸線方向である+Z軸方向と−Z軸方向に一対設けられているのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態の一例を図1乃至図8を参照して説明する。
図1は車輪旋盤の全体構造を示す斜視図である。長時間の走行により変形し鉄道車両から取外された車輪(鉄道車両用車輪)1は、真円形状に復元するために車輪旋盤2により切削加工される。
車輪旋盤2は、数値制御装置(以下、NC装置と記載)により制御される。NC装置は、車輪1を切削加工するためのNCプログラムを加工プログラムメモリに記憶させておき、切削作業をする場合には必要なNCプログラムを加工プログラムメモリから呼び出して加工動作を制御する。
【0011】
車輪旋盤2は、加工位置にある車輪1の車軸8の軸線方向(例えば、図2における左右方向であり、後述するZ軸方向)に並設されて対向するとともに後述する主軸台23a,23bと刃物台20a,20bとを有する一対の加工装置3a,3bにより、車輪1の一対の車輪部4a,4bと一対のブレーキディスク5a,5bとを切削する。
【0012】
図示する車輪旋盤2は、車輪1が中央部を通り抜ける門形構造タイプの車輪旋盤である。このタイプの車輪旋盤2では、ベッド6が床面6aに埋設され、門形のコラム7が立設され、一対の加工装置3a,3bが、ベッド6とコラム7に取付けられて左右対称に配置されている。
加工装置3a,3bを左右対称に配置したのは、一対の車輪部4a,4bが車軸8の両端に取付けられ、一対のブレーキディスク5a,5bが車輪部4a,4bより内方に位置して車軸8に取付けられているので、両方の車輪部4a,4bを同時に又はほぼ同時に切削するとともに、両方のブレーキディスク5a,5bも同時に又はほぼ同時に切削するためである。
【0013】
ベッド6の上面には、一対の左主軸台23a及び右主軸台23bが、主軸台23a,23bに回転可能に軸支されている主軸(図示せず)の軸線方向であるZ軸方向に移動可能に対向配置されている。
左右の主軸台23a,23bの間にはリフター9が設けられており、リフター9は、制御されて車輪1を昇降させ且つ心出し(センタリング)するためのものである。
【0014】
車輪旋盤2の搬入方向(矢印A方向)から搬出方向(矢印B方向)に向かって車輪1を搬入,搬出させるための搬送用レール10が、床面6a上に敷設されている。なお、車輪旋盤2は、前記搬送方向とは逆方向即ち矢印Bで示す搬入方向から矢印Aで示す搬出方向に搬送する場合であってもよい。
搬送用レール10上を転がって矢印Aのように搬送されてきた車輪1を、図示しない搬入装置にセットすると、車輪1は自動的に車輪旋盤2に呼び込まれて切削され、切削が完了すると図示しない搬出装置により自動的に搬出位置に搬出されたのち矢印Bに示すように送り出される。
【0015】
狭軌用から広軌用までの各種車輪1の軸方向寸法に対応できるように、左右の主軸台23a,23bは、一対の左主軸台送り用シリンダ11a及び右主軸台送り用シリンダ11bにより、Z軸方向に往復移動するようになっている。
左主軸台23aと右主軸台23bにそれぞれ設けられた左面板13aと右面板13bは、左主軸台23a,右主軸台23bに軸支された前記主軸を介して、左右一対の主軸駆動モータ12a,12bによりそれぞれ回転する。
車輪1に無理な捩れ力が加わらないように、左右の主軸及び左面板13a,右面板13bは同期して回転するように制御されている。
【0016】
左右の面板13a,13bの中心部には、車輪1の車軸8の両端面のセンタ穴を係止する左右のセンタ部材14a,14bが設けられている。左右のセンタ部材14a,14bは、図示しない駆動体によりZ軸方向に進退移動可能になっている。
左右のセンタ部材14a,14bの半径方向外方には、左右の車輪部4a,4bに圧接して車輪1をクランプするためのクランプ機構15が設けられている。クランプ機構15は、左面板13aに周方向に均等に配設された三組のジョー15a1,ジョーボディ15a2と、右面板13bに周方向に均等に配設されたジョー15b1,ジョーボディ15b2とを有している(図6及び図7)。
【0017】
したがって、左右のセンタ部材14a,14bが車軸8の両端面をそれぞれ係止し、ジョーボディ15a2,15b2に進退移動可能に設けられたジョー15a1,15b1を車輪部4a,4bに押し付けることにより、車輪1をセンタ支持するとともにクランプすることができる。
この状態で、主軸駆動モータ12a,12bを駆動すると、センタ部材14a,14bにセンタ穴を支持された車輪1は、ジョー15a1,15b1,ジョーボディ15a2,15b2を介して、左右の面板13a,13bと一体化して回転することになる。
【0018】
コラム7を構成し上部に水平方向に設けられたクロスレール基台16の前面16aには、水平方向に延びたクロスレール17がZ軸方向に向けて取付けられている。
クロスレール17には左右一対のサドル18a,18bが移動自在に設けられており、左右のサドル18a,18bに固定されたナットは、左ボールねじ25及び右ボールねじ(図示せず)にそれぞれ螺合している。
【0019】
クロスレール17の左外方に設けられた左サドル送り用Z軸サーボモータ(以下、左Z軸サーボモータと記載)19aにより、左サドル18aが左ボールねじ25を介してZ軸方向に往復移動する。
これと同様に、クロスレール17の右外方に設けられた右サドル送り用Z軸サーボモータ(以下、右Z軸サーボモータと記載)19bにより、右サドル18bが右ボールねじ(図示せず)を介してZ軸方向に往復移動する。
【0020】
左右のサドル18a,18bには、左右のクロススライド21a,21bが上下方向(即ち、Z軸と直交するX軸方向)に移動自在に設けられており、左右のクロススライド21a,21bには左右の刃物台20a,20bがそれぞれ取付けられている。左右の刃物台20a,20bは、加工位置にある車輪1の上方に位置している。
なお、この実施形態ではX軸方向を上下方向として説明しているが、これに限定されることはなく、Z軸方向と直交する方向に刃物台が移動自在な構成であればよい。
【0021】
左右のクロススライド21a,21bは、それぞれ左右のサドル18a,18bに対して左右のX軸サーボモータ22a,22bによりX軸方向にボールねじ(図示せず)を介して往復移動可能になっている。
したがって、左右の刃物台20a,20bは、X軸及びZ軸方向の所要位置に移動して、車輪1の左右一対の車輪部4a,4b及び左右一対のブレーキディスク5a,5bを切削することになる。
車輪1が切削される加工領域は、ベッド6及びコラム7に取付けられて開閉自在なスプラッシュカバー24により遮蔽可能になっているので、切削により発生する切屑が機械周囲に飛散することはない。
【0022】
次に、左右の刃物台20a,20bについて、図1乃至図5を参照して説明する。
左右の刃物台20a,20bは対称な同一の構造を有しているので、右刃物台20bを例にとって説明する。図2は図1の右刃物台20bを含む部分拡大正面図、図3は図2のIII−III線矢視図である。
【0023】
図2及び図3に示すように、右刃物台20bは、Z軸方向及びX軸方向の所要位置に移動する右刃物台本体30bと、刃物台本体30bの対向する側である前部31に設けられて放射状に工具(例えば、7本の第1の工具32)が取付けられ、旋回割出しをして第1の工具32により車輪1の右方の車輪部4bを切削するタレットヘッド33bと、タレットヘッド33bの対向する側である前部34に設けられた右ディスク面切削装置36bとを備えている。
右ディスク面切削装置36bは、右方のブレーキディスク5bを切削する第2の工具としてのディスク切削用工具35を、タレットヘッド33bの径方向にタレットヘッド33bより突出した前進位置である切削位置と、タレットヘッド33b側に収納される後退位置である退避位置(非切削位置)との間で、進退移動させる。
切削位置は、ディスク切削用工具35がブレーキディスク5bを切削する際、刃物台20bの各部位が車輪部4b,主軸台23b等と干渉しないように、タレットヘッド33bよりディスク切削用工具35が突出した位置である。なお、右刃物台本体30bは、右クロススライド21b(図1)に固定されている。
【0024】
右ディスク面切削装置36bの前部には、右ディスク面計測装置38bが設けられている。右ディスク面計測装置38bは、右方のブレーキディスク5bの摩耗量を計測するための計測用ヘッド(検出手段)37を、タレットヘッド33bの径方向であって且つディスク切削用工具35の突出方向とは反対の方向に突出する前進位置(計測位置)と、タレットヘッド33b側に収納される後退位置(退避位置)との間で進退移動させる。
計測位置は、計測用ヘッド37がブレーキディスク5bを計測する際、刃物台20bの各部位が車輪部4b,主軸台23b等と干渉しないように、タレットヘッド33bより計測用ヘッド37が突出した位置である。
計測用ヘッド37は、左右のブレーキディスク5a,5bのディスク面52a,52b,53a,53b(図6)に接触子37aが接触した時に、信号を出力するようになっている。
【0025】
この信号を受けたNC装置は、左右の刃物台20a,20bの信号出力時の移動データからディスク面52a,52b,53a,53bの最大径と最小径の間の複数の箇所(例えば、四箇所)の端面位置を読取って摩耗量のデータとし、この摩耗量のデータから切込量のデータを作成する。
両方のディスク面切削装置36a,36bは、前記摩耗量から作成された切込量(例えば、摩耗量プラスα)に基づいて、ディスク切削用工具35により両方のブレーキディスク5a,5bを同時に又はほぼ同時に切削することになる。
【0026】
車輪部4bの外周面のうち車輪旋盤2で切削すべき部分としては、線路に接触する外周面である踏面39,踏面39に連続するフランジ部40,及びフランジ部40に連続する端面である車輪部内面41であり、図2の斜線で示した範囲である。
この範囲39乃至41の全体を一種類の工具で切削することはできないので、第1の工具32を、六本の踏面切削用バイト(丸駒バイト又は円形状スローアウェイチップ(以下、チップと記載)をクランプしたバイト)42と一本の車輪部内面切削用バイト(以下、内面バイトと記載)43とにより構成し、各バイト42,43をタレットヘッド33bに放射状に取付けている。なお、踏面切削用バイト42は、これに限定されることはなく、一対のチップを取付けて切削してもよい。
タレットヘッド33bを旋回割出しすることにより、加工位置に割出された踏面切削用バイト42で踏面39からフランジ部40までを切削した後、タレットヘッド33bを旋回割出しすることにより内面バイト43を加工位置に割出し、内面バイト43で車輪部内面41を切削する。
【0027】
タレットヘッド33bには検心用センサ46が径方向に設けられている。検心用センサ46は、切削前の車輪1が主軸台23a,23bのセンタ部材14a,14b(図1)により支持される際の検心をする検心用センサが車輪1に当接して信号を出力するまでのリフター9の動作と、検心用センサ46が設けられたタレットヘッド33bの動作などにより、車輪1の心出しができるようになっている。
このように、タレットヘッド33bには、六本の踏面切削用バイト42,一本の内面バイト43,検心用センサ46が取付けられる面,ディスク切削用工具35が前進移動する側の面,及び計測用ヘッド37が前進移動する側の面が、所定の同一角度をもって全周に均等に配置されており、十の各面位置を割出すことができる刃物台20bになっている。
【0028】
タレットヘッド33bの前部34側に径方向に向けて設けられたディスク面切削装置36bは、ディスク切削用工具35を第1のシリンダ装置(第1の駆動装置)44により矢印Fに示すように前記径方向に進退移動させ、ディスク面計測装置38bの計測用ヘッド37を、第2のシリンダ装置(第2の駆動装置)45により矢印Gに示すように前記径方向に進退移動させている。
【0029】
図4はディスク面切削装置36bの拡大断面図で、ディスク切削用工具35が下方を向き且つ半径方向内方(退避位置)に後退している状態を示している。
図2乃至図4に示すように、ディスク切削用工具35は、工具ホルダ50にスローアウェイチップ50aがピンロック式,スクリューオン式,クランプオン式のクランプ方式でクランプされ、+Z軸方向と−Z軸方向に刃先部を向けて一対設けられている。
本実施形態の図2,図4には円形状チップを記載しているが、これに限定されることはなく、ディスク面を切削できるものであれば、他の形状のチップであってもよい。
工具ホルダ50は、第1のシリンダ装置44のディスク切削バイト用ピストンロッド(以下、ピストンロッドと記載)51の先端部に、ボルト59を介して着脱可能に取付けられている。
工具ホルダ50は、その外周部51aがピストンロッド51の嵌合穴に嵌入され、回転方向の位置を位置決め部材52aにより拘束されることにより、位置決めされている。
【0030】
ディスク面切削装置36bのベースホルダ60が、タレットヘッド33bの前部34側に位置決め部材60aに位置を定められて複数のボルト61により固定されている。
工具ホルダ50とは反対側の方向には、固定部材62が、ベースホルダ60の一端63を覆って、図示しない複数のボルトにより取付けられている。固定部材62の外周面64はベースホルダ60の内周面65に嵌合し、中心部には貫通孔66が形成され、貫通孔66の一端はキャップ67により閉じられている。
【0031】
ベースホルダ60の他端68側には、軸方向に長い円筒状のシリンダ部材69がベースホルダ60内に挿入固定されている。シリンダ部材69の内方には、ピストンロッド51が、矢印Fに示すように、軸線方向に往復移動自在に摺接している。
シリンダ部材69とピストンロッド51との間には、ピストン部70によって仕切られた第1の室71と第2の室72とが形成されている。第1の室71に連通する第1の流路73を介して圧力油など圧力流体を供給すればピストンロッド51は前進し、第2の室72に連通する第2の流路73aを介して圧力流体を供給すればピストンロッド51は後退する。
【0032】
シリンダ部材69の内部には、流体圧マンドレルであるクランプ装置74が取付けられている。クランプ装置74は、シリンダ部材69に取付けられたカバー60cによりシリンダ部材69の内方に位置決めされている。ピストンロッド51は、クランプ装置74の内周面75の内方に軸線方向に進退移動自在に挿通している。
クランプ装置74の内部の室76に連通する第3の流路77を介して室76に圧力流体を供給すると、内周面75が径方向内方に膨出することにより、ピストンロッド51は強い押圧力で固定されるようになっている。これにより、切削加工中のピストンロッド51は、クランプ装置74にしっかりクランプされる。
【0033】
クランプ装置74とシリンダ部材69の小径部との間には、軸受部材60bが嵌入されている。即ち、軸受部材60bに案内されてシリンダ部材69は進退移動する。
この軸受部材60bは、オイレス軸受,メタル軸受など滑り軸受が好適であるが、転がり軸受であってもよい。ピストンロッド51は、軸受部材60bと摺接している部位とピストン部70とに支持される。
【0034】
ピストンロッド51には、その内方に圧入固定された連結部材78を介してシャフト79が取付けられ、シャフト79は貫通孔66に進退移動自在に嵌合している。
ピストンロッド51の内方には回転規制部材80がボルト80aにより固定されており、回転規制部材80は、固定部材62の円筒状突出部81の外周面に軸方向に形成された溝82に摺接している。これにより、軸線方向に移動するピストンロッド51が回転しないように規制している。
なお、第1乃至第3の流路73,73a,77は、非旋回の刃物台本体30b側より、旋回するタレットヘッド33b側に、ロータリジョイント(図示せず)を介して連通している。したがって、圧力流体は、刃物台本体30b側からこのロータリジョイントを介してタレットヘッド33b内の流路73,73a,77にそれぞれ供給される。
【0035】
ピストンロッド51が後退した時のシャフト79の後端部83に対応する位置には、ピストンロッド51の後退動作を検出するための検出手段84の検出部材85が配設されている。この検出部材85は、固定部材62とベースホルダ60内に埋設されている。
検出部材85は、内部コイルによる検出範囲内にシャフト79(磁性体)があるか否かを検出するものである。この検出部材85は、シャフト79が後退位置に移動しているか否かを検出できるものであればよく、リミットスイッチ等であってもよい。
検出手段84は、コイルの磁気誘導による結合を応用した非接触式の磁気誘導式の磁気誘電カプラを有しており、旋回動作をするタレットヘッド33bと非旋回の刃物台本体30bとの間は前記磁気誘電カプラで非接触状態で接続されている。
【0036】
即ち、ディスク面切削装置36bのディスク切削用工具35のタレットヘッド面33bが加工位置に割出された時、旋回側(タレットヘッド33b側)に設けられた磁気誘電カプラのコイルと、固定側(刃物台本体30b側)に設けられた磁気誘電カプラのコイルとが対向するように設けられており、この対向した時に両コイルが電磁的に結合する。
なお、固定側の磁気誘電カプラには近接スイッチを利用することがある。更に、検出部材85に磁気誘電カプラを利用することもある。
したがって、タレットヘッド33bの旋回動作前に、工具ホルダ50,ピストンロッド51が後退位置に戻ったことを検出手段84により確認することができる。
【0037】
このようにして、第1のシリンダ装置44の流路73,73a,77に供給される圧力流体を切換えれば、ピストンロッド51は、所定のストロークLの範囲内で軸中心Dに沿って矢印F方向に進退移動するとともに、切削加工時には切削位置(前進位置)にクランプ装置74によりクランプされる。
これにより、ブレーキディスク5bの内方のディスク面52bと外方のディスク面53bとが、ディスク切削用工具35により切削される。
【0038】
図2及び図3に示すように、ディスク面計測装置38bは、第1のシリンダ装置44の軸中心Dと平行に配設されて第1のシリンダ装置44に固定された第2のシリンダ装置45と、軸中心Dと平行な軸中心Eを有して第1のシリンダ装置44のベースホルダ60に固定され、検出手段用ロッド(以下、検出ロッドと記載)54を軸中心Eに従って進退移動自在に案内するガイドベース55と、第2のシリンダ装置45のピストンロッド(以下、ロッドと記載)56と検出ロッド54とを連結する連結部材57とを備えている。ピストンロッド51と検出ロッド54は互いに反対方向を向いている。
第2のシリンダ装置45に、圧力油や圧縮空気など圧力流体をジョイント45a又は45bを通じて供給すれば、第2のシリンダ装置45のロッド56が進退移動する。
【0039】
このロッド56の動作により、連結部材57を介して、検出ロッド54が、ガイドベース55のガイド部材90,90(図5)に案内されながら、所定のストロークLの範囲内で軸中心Eに従って矢印G方向に進退移動して位置決めされる。
計測用ヘッド37の接触子37aは、ヘッド部材58の+Z軸方向と−Z軸方向に一対設けられており、ヘッド部材58は、検出ロッド54の先端部に着脱可能に取付けられている。
【0040】
図5は図2に示すディスク面計測装置38bの部分拡大断面図で、計測用ヘッド37が後退位置に移動した状態を示している。
図5に示すように、円筒状の検出ロッド54は、ガイドベース55の内方に設けられた円筒状の一対のガイド部材90により軸方向に進退移動自在に支持されている。このガイド部材90は、オイレス軸受,メタル軸受など滑り軸受が好適であるが、転がり軸受であってもよい。
検出ロッド54は、連結部材57を介してロッド56に連結されているので、回転しないように規制されている。
【0041】
検出ロッド54の先端部54a側の内方には、円筒部材91が固定されている。円筒部材91の内方には、圧縮ばね92により図5の下方に付勢されたシャフト93が、矢印Hに示すように進退移動可能に配設されている。
円筒部材91の後端部94には、シャフト93の移動動作を検出するためのタッチセンサ95が固定されている。
【0042】
ヘッド部材58の内方に設けられた軸体96の両端部には、接触子37aがそれぞれ固定されている。軸体96は、±Z軸方向に往復移動自在に嵌合し且つ位置決めされている。軸体96は、常にその軸線方向の略中央位置に復帰するように、一対の圧縮ばね97によりZ軸方向に付勢されている。
軸体96には軸線方向(±Z軸方向)に溝98が形成され、ヘッド部材58に固定されたボルト98aの先端部98bを溝98に係合させることにより、軸体96の回転を規制している。
【0043】
軸体96の軸方向中央部には、軸体96を位置決めするためのV形溝96aが形成されており、シャフト93の先端部にピン93aを介して回動自在に支持されたローラ93bが、V形溝96aに係合離脱可能に嵌り込んでいる。
両接触子37aが非接触状態で且つ軸体96のV形溝96a内にローラ93bが係合している時、軸体96は中央位置にある。ところが、いずれか一方の接触子37aがディスク面53a,53bに接触して、軸体96が圧縮ばね97のばね力に抗して矢印Jに示すように軸線方向(±Z軸方向)に移動すると、ローラ93bがV形溝96aのテーパ面に沿って押される。
これにより、ローラ93bとピン93aとを介して、シャフト93が、圧縮ばね92のばね力に抗して、矢印Hに示す方向に移動する。この移動動作を、タッチセンサ95により検出することになる。
【0044】
計測用ヘッド37は、ディスク面切削装置36bの検出手段84と同様の非接触式の磁気誘電カプラを有しており、計測用ヘッド37のタレットヘッド33bが加工位置に割出された時、磁気誘電カプラが対向し、旋回動作側のタレットヘッド33bと固定側の刃物台本体30bとの間は、前記磁気誘電カプラで信号が伝送されている。
また、検出ロッド54が後退した時の検出ロッド54の後端部に対応する位置には、検出ロッド54の後退動作を確認するための検出ロッド54用の検出手段の検出部材54aが配設されている。
即ち、検出部材54aの検出範囲内に検出ロッド54(磁性体)があるか否かを検出している。この検出部材54aは、検出ロッド54が後退位置に移動しているか否かを検出できるものであればよく、リミットスイッチなどであってもよい。
【0045】
前記検出手段も、ディスク面切削装置36bの検出手段84と同一の構成を有している。したがって、タレットヘッド33bの旋回動作前には、検出ロッド54が後退位置に戻ったことを検出ロッド54用の検出手段により確認することができる。
更に、タッチセンサ95の信号も、磁気誘電カプラを介して固定側の刃物台本体30b側に伝送されている。刃物台本体30b側の各磁気誘電カプラとNC装置との間は信号線により接続される。
【0046】
図6及び図7は、ブレーキディスク5a,5bの計測状態と切削状態とをそれぞれ示す説明図である。
図6に示すように、左右の刃物台本体30a,30bに設けられた左右のタレットヘッド33a,33bの旋回割出し動作により、検出ロッド54を加工位置(本実施形態では下方向)に割出した後、計測位置(前進位置)に前進移動させる。
その後、所定の位置に移動後、±Z軸方向よりブレーキディスク5a,5bのディスク面52a,52b,53a,53bに接触子37a,37aをX軸方向について所定の位置に位置決めしたのちZ軸方向より当接させ、接触信号をタッチセンサ95より出力させる。
この接触信号出力時の移動データ(X軸方向,Z軸方向の移動データ)より、ブレーキディスク5a,5bのディスク面52a,52b,53a,53bの計測がされる。
【0047】
即ち、左右の刃物台20a,20bが同時に又はほぼ同時に左右に移動するので、右刃物台20bの計測用ヘッド37が右側のブレーキディスク5bの一方のディスク面53bを計測している時には、左刃物台20aの計測用ヘッド37は左側のブレーキディスク5aの一方のディスク面52bを同時に又はほぼ同時に計測するように、プログラムを作成しておく。
同様にして、右刃物台20bの計測用ヘッド37がブレーキディスク5bの他方のディスク面53aを計測している時には、左刃物台20aの計測用ヘッド37はブレーキディスク5aの他方のディスク面52aを同時に又はほぼ同時に計測する。
計測動作終了後は、計測用ヘッド37は退避位置(後退位置)に後退して、タレットヘッド33a,33bが割出し動作を行う際に計測用ヘッド37と他の部位とが干渉するのを防止する。
【0048】
図7に示すように、タレットヘッド33a,33bの旋回割出し動作により、ディスク切削用の工具ホルダ50が割出されて加工位置(下方向)に位置する。これにより、左右のブレーキディスク5a,5bのディスク面52a,52b,53a,53bは、左右の刃物台20a,20bの各ディスク切削用工具35のチップ50aにより同時に又はほぼ同時に順次切削される。
【0049】
次に、車輪1を切削する方法について、図8のフローチャートを参照して説明する。
の切削方法は、左右の刃物台本体30a,30bに設けられて旋回割出しをするタレットヘッド33a,33bに取付けられた工具(即ち、踏面切削用バイト42及び内面バイト43)により両方の車輪部4a,4bを同時に又はほぼ同時に切削し、両方のタレットヘッド前部34側に設けられたディスク面切削装置36a,36bにより両方のブレーキディスク5a,5bを同時に又はほぼ同時に切削している。
本実施形態では、両方のディスク面切削装置36a,36bの有するディスク面計測装置38a,38bにより両方のブレーキディスク5a,5bの摩耗量を同時に又はほぼ同時に計測した後、この摩耗量からNC装置により作成された切込量に基づいて、両方のディスク面切削装置36a,36bにより両方のブレーキディスク5a,5bを同時に又はほぼ同時に切削するようにしている。
【0050】
車輪1を切削する手順のNCプログラムは加工プログラムメモリに予め記憶されている。NC装置は、必要なNCプログラムを加工プログラムメモリから呼び出して車輪旋盤2の加工動作を制御する。
図8に示すように、切削作業を始める時は、まず最初に、刃物台20a,20bが退避位置(搬入される車輪と、各バイト,工具とが干渉しない位置)にあることを確認する。
また、ディスク面切削装置36a,36bのピストンロッド51とディスク面計測装置38a,38bの検出ロッド54が、退避位置に後退していることを確認する(ステップ101)。
この確認により、車輪1が主軸台23a,23bの間に搬入,セットされても、ディスク切削用工具35や計測用ヘッド37等を含む刃物台20a,20bに車輪1が衝突することはない。
【0051】
次に、矢印A(図1)のように搬送用レール10上を搬入されてきた切削前の車輪1を、リフター9と検心用センサ46とにより検心し、リフター9の位置を決める。
図示しない駆動体を駆動し、センタ部材14a,14bにより車軸8を係止する。その後、ジョーボディ15a2,15b2からジョー15a1,15b1を車輪部4a,4bにそれぞれ押圧させて、ジョー15a1,15b1で車輪1をチャッキングした後、リフター9を下降させる(ステップ102)。
【0052】
次に、両方の車輪部4a,4bを同時に又はほぼ同時に計測する。この車輪部4a,4bの削前計測は、左右の刃物台20a,20bにそれぞれ取付けられた図示しない車輪自動計測装置により行う。例えば、刃物台20a,20bの下部に装着された計測装置により、踏面直径,フランジ厚及び振れ等を自動的に計測する(ステップ103)。
NC装置は、こうして計測されたデータに基づいて、両方の車輪部4a,4bの切込量をそれぞれ作成する(ステップ104)。
【0053】
次に、両方のタレットヘッド33a,33bを旋回して、必要な工具(例えば、踏面切削用バイト42に次いで内面バイト43)を加工位置に順次割出す。左右の主軸駆動モータ12a,12bを駆動することにより両方の面板13a,13bを同期して回転させて、車輪1を所定の回転数で回転させる。
更に、左右のZ軸サーボモータ19a,19bを駆動して、左右のサドル18a,18bを、左ボールねじ25と右ボールねじとを介してZ軸方向に移動させる。また、左右のX軸サーボモータ22a,22bを駆動して、左右のクロススライド21a,21bをサドル18a,18bに対してX軸方向に移動させる。
【0054】
こうして、刃物台20a,20bをX軸,Z軸方向の所要位置に移動させることにより、両方の車輪部4a,4bを同時に又はほぼ同時に切削する。車輪部4a,4bを切削する場合には、通常は一つの車輪1に対して一回又は切込量を変えながら複数回切削する(ステップ105)。
切削作業が終了すると、両主軸駆動モータ12a,12bを停止して車輪1の回転を止め、前記車輪自動計測装置により両方の車輪部4a,4bを削後計測して高精度な切削がなされたことを確認する(ステップ106)。
【0055】
次に、NC装置は、予め設定された切削条件のデータに基づいて、車輪1のブレーキディスク5a,5bの切削加工があるか否かを判別する(ステップ107)。
本実施形態のように、一対のブレーキディスク5a,5bの切削加工がある場合には、両方のタレットヘッド33a,33bを旋回して、ディスク面計測装置38a,38bを加工位置即ちブレーキディスク5a,5b側に割出す(ステップ108)。
【0056】
次いで、図6に示すように、両方の検出ロッド54をそれぞれ下方に突出させる。そして、X軸サーボモータ22a,22b,Z軸サーボモータ19a,19bを駆動して刃物台20a,20bを移動させて、左右のブレーキディスク5a,5bのディスク面52a,52b,53a,53bを、計測用ヘッド37により同時に又はほぼ同時に削前計測する。
例えば、計測用ヘッド37の接触子37aを一つのディスク面52a,52b,53a,53bの複数箇所(例えば、四箇所)に当てて、接触信号を出力した位置データ(Z軸方向の位置データ)の最大差を算出することにより、ディスク面52a,52b,53a,53bの摩耗量を計測する(ステップ109)。
【0057】
NC装置は、こうして計測された両ブレーキディスク5a,5bのディスク面52a,52b,53a,53bの摩耗量から切込量を作成する(ステップ110)。
なお、ディスク面52a,52b,53a,53bの切込量としては、未切削の部分が残らないようにするために、計測した摩耗量プラスα(αは所定の値)が好ましく、切込量の値としては、例えば約0.5mm乃至約10mmである。
【0058】
次に、第2のシリンダ装置45により計測用ヘッド37を後退位置まで後退させた後、両方のタレットヘッド33a,33bを旋回して、ディスク面切削装置36a,36bのディスク切削用工具35を加工位置(ブレーキディスク5a,5b側)に割出す。
次いで、両方の主軸駆動モータ12a,12bを駆動して車輪1を回転させる。第1のシリンダ装置44を駆動して、ピストンロッド51,ディスク切削用工具35を矢印F方向に突出させ、その後、クランプ装置74によりピストンロッド51をクランプする。
そして、X軸サーボモータ22a,22b,Z軸サーボモータ19a,19bを駆動して刃物台20a,20bを移動させて、図7に示すように、左右のブレーキディスク5a,5bのディスク面52b,53bを同時に又はほぼ同時に切削する。
【0059】
これに続いて、X軸サーボモータ22a,22b,Z軸サーボモータ19a,19bを駆動して刃物台20a,20bを移動させて、ディスク面切削装置36a,36bを一方のディスク面から他方のディスク面に移動して、同様に加工を行う。
即ち、ピストンロッド51とディスク切削用工具35を他方のディスク面の位置に移動させることにより、ディスク面52a,53aを同時に又はほぼ同時に切削する。
加工終了後、クランプ装置74をアンクランプ状態にし、第1のシリンダ装置44によりピストンロッド51,ディスク切削用工具35等を退避位置に後退させる。このことにより、タレットヘッド33a,33bを旋回した時、ディスク切削用工具35が他の部位と干渉することがなくなる(ステップ111)。
【0060】
ブレーキディスク5a,5bの切削が完了した場合と、ステップ107でブレーキディスク5a,5bの切削加工がないと判断された場合には、X軸サーボモータ22a,22bとZ軸サーボモータ19a,19bを駆動して、刃物台20a,20bを退避位置に後退させた後、リフター9を上昇させる。
そして、リフター9に車輪1を載せた状態で、ジョー15a1,15b1,センタ部材14a,14bを順次後退させて車輪部4a,4bから離す車輪アンチャッキング動作を行う。
【0061】
次に、車輪1を載せたリフター9を下降させ、車輪1を矢印Bのように搬送用レール10上に搬出する(ステップ112)。
最後に、まだ切削する車輪1があるか否かを入力データにより判別し、切削する場合にはステップ101に戻り、切削しない場合には一連の手順を終了する(ステップ113)。これら車輪1の搬入,切削加工,搬出までの一連の動作は、NC装置など制御装置により自動的に制御される。このようにして切削加工することにより、車輪1は真円形状に復元する。
なお、この実施形態では、車輪旋盤を門形車輪旋盤で説明を行っているが、これに限定されることはなく、車輪1の車軸軸線方向に並設されて対向する一対の加工装置を有する旋盤であればよい。
【0062】
従来の車輪旋盤では、ディスク面切削装置が刃物台の本体部に配置されていたので、左右の刃物台の干渉の問題で両刃物台を接近させることができず、車輪のブレーキディスクを切削する場合にはディスク面を一面ずつ合計四回切削していた。
これに対して、本発明では、ディスク面切削装置36a,36bをタレットヘッド33a,33bの前部34側に配置した。したがって、ブレーキディスク5a,5bの切削のために左右の刃物台20a,20bを接近させても、刃物台20a,20b同士が干渉を起こすことなく左右のブレーキディスク5a,5bを同時に切削することが可能になるので、合計二回の切削でディスク面52a,52b,53a,53bの切削ができる。これに加えて、ディスク面からディスク面への刃物台20a,20bの移動も一回ですむので、総切削時間の大幅な削減が図れる。
【0063】
このように、本発明によれば、左側のブレーキディスク5aのディスク面と右側のブレーキディスク5bのディスク面とを同時に切削することができるので、従来と比べて切削加工の能率が大幅に向上する。
更に、ディスク面計測装置38a,38bをディスク面切削装置36a,36bに設けて摩耗量を計測できるので、適正な切込量を決定することができる。
なお、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0064】
【発明の効果】
本発明に係る車輪旋盤は、刃物台を有する一対の加工装置が鉄道車両用車輪の車軸軸線方向に並設されて対向するとともに、一対の刃物台は、加工位置にある車輪の上方に位置する構造の車輪旋盤であり、上述のようにディスク面切削装置をタレットヘッドの前部側に配置したので、ブレーキディスクの切削のために左右の刃物台を接近させても、刃物台同士が干渉を起こすことなく左右のブレーキディスクを同時に切削することが可能になって、ディスク面の切削を短時間で能率よく行うことができ、また、ディスク切削用工具を切削位置と退避位置との間で進退移動可能にしたので、このディスク切削用工具を切削位置に前進させれば、ディスク切削用工具がブレーキディスクを切削する際、刃物台の各部位が車輪部,主軸台等と干渉せず、また、ディスク切削用工具を退避位置に後退させれば、タレットヘッドを旋回した時、ディスク切削用工具が他の部位と干渉することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1乃至図8は本発明の実施形態の一例を示す図で、図1は車輪旋盤の斜視図である。
【図2】 図1の右側の刃物台を含む部分拡大正面図である。
【図3】 図2のIII−III線矢視図である。
【図4】 ディスク面切削装置の拡大断面図である。
【図5】 ディスク面計測装置の部分拡大断面図である。
【図6】 ブレーキディスクの計測状態を示す説明図である。
【図7】 ブレーキディスクの切削状態を示す説明図である。
【図8】 輪の切削方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 鉄道車両用車輪
2 車輪旋盤
3a,3b 加工装置
4a,4b 車輪部
5a,5b ブレーキディスク
20a,20b 刃物台
30a,30b 刃物台本体
31 刃物台本体の前部
32 第1の工
33a,33b タレットヘッド
34 タレットヘッドの前部
35 ディスク切削用工
36a,36b ディスク面切削装置
37 計測用ヘッ
37a 接触子
38a,38b ディスク面計測装置
42 踏面切削用バイト(第1の工具)
43 車輪部内面切削用バイト(第1の工具)
44 第1のシリンダ装置(第1の駆動装置)
45 第2のシリンダ装置(第2の駆動装置)
50 工具ホルダ
50a スローアウェイチップ
58 ヘッド部材

Claims (4)

  1. 刃物台を有する一対の加工装置が鉄道車両用車輪の車軸軸線方向に並設されて対向するとともに、一対の前記刃物台は、加工位置にある前記車輪の上方に位置し、前記一対の加工装置により一対の車輪部と一対のブレーキディスクを切削する車輪旋盤において、
    前記一対の加工装置の刃物台は、
    前記車輪に対して前記車軸軸線方向及びこの車軸軸線方向と直交する方向に移動可能に設けられ所要位置に移動する刃物台本体と、
    この刃物台本体の対向する側である前部に旋回割出し可能に設けられ放射状に取付けられた第1の工具により前記一対の車輪部を同時に又はほぼ同時に切削するタレットヘッドと、
    このタレットヘッドの前部側に進退移動自在に且つ先端にディスク切削用工具が設けられ、このディスク切削用工具により前記一対のブレーキディスクを同時に又はほぼ同時に切削するディスク面切削装置とを備え
    このディスク面切削装置は、前記ディスク切削用工具を、前記タレットヘッドの径方向にこのタレットヘッドより突出した切削位置と、前記タレットヘッド側に収納される退避位置との間で進退移動させ、
    前記切削位置は、前記ディスク切削用工具が前記ブレーキディスクを切削する際、前記刃物台の各部位が干渉しないように前記タレットヘッドより前記ディスク切削用工具が突出した位置であり、
    前記退避位置は、前記タレットヘッドを旋回した時、前記ディスク切削用工具が他の部位と干渉することがなくなる位置であることを特徴とする車輪旋盤。
  2. 前記ディスク切削用工具は、工具ホルダにスローアウェイチップがクランプされ、前記車輪の車軸の軸線方向である+Z軸方向と−Z軸方向に刃先部を向けて一対設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車輪旋盤。
  3. 前記一対のディスク面切削装置は、前記一対のブレーキディスクの摩耗量を同時に又はほぼ同時に計測するための計測用ヘッドを進退移動させるとともに前記ディスク面切削装置の前部に設けられたディスク面計測装置を備え、
    このディスク面計測装置は、前記計測用ヘッドを、前記タレットヘッドの径方向であって且つ前記ディスク切削用工具の突出方向とは反対の方向に突出する計測位置と、前記タレットヘッド側に収納される退避位置との間で進退移動させ、
    前記計測位置は、前記計測用ヘッドが前記ブレーキディスクを計測する際、前記刃物台の各部位が干渉しないように前記タレットヘッドより前記計測用ヘッドが突出した位置であり、
    前記退避位置は、前記タレットヘッドが割出し動作を行う際に前記計測用ヘッドと他の部位とが干渉するのを防止する位置であり、
    前記ディスク面切削装置は、前記摩耗量から作成された切込量に基づいて前記ブレーキディスクを切削することを特徴とする請求項1または2に記載の車輪旋盤。
  4. 前記計測用ヘッドの接触子は、ヘッド部材に前記車輪の車軸の軸線方向である+Z軸方向と−Z軸方向に一対設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車輪旋盤。
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