JP3614825B2 - 河川法面保護マットおよびこの河川法面保護マットを用いた土木構造物 - Google Patents
河川法面保護マットおよびこの河川法面保護マットを用いた土木構造物 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川の法面保護のために構築される土木構造物に用いられる河川法面保護マット、および、この河川法面保護マットを用いた土木構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、河川の法面保護する工法として、図13に示す技術が知られている。
この技術は、河川の法面1を覆って連続気孔を有する多孔質体からなるマット2を敷設し、このマット2上に石やコンクリートブロック等の重量物3を隙間なく敷き詰めることによって土木構造物である護岸を形成する技術である。
前記マット2は、法面からの土の吸い出しを抑制するために設けられるものであり、また、植生4の根を絡ませて、この植生4の流出を防止するために設けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の土木構造物にあっては、つぎのような課題が残されている。
すなわち、前述した護岸等の土木構造物では、重量物3を隙間なく敷き詰めるようにしていることから、植生4を形成するために草木を植え込む面積が極めて少なく、したがって、前記植生4が狭い範囲にしか形成できないといった課題である。
そして、近年、地球温暖化抑制等のために河川等における植生面積を、極力増加させることが要望されており、この点からも、前述した課題を有効に解決する具体的な提案が望まれている。
【0004】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたもので、河川の法面の保護機能を確保しつつ、植生の形成可能な面積を極力大きくすることのできる河川法面保護マットおよびこの河川法面保護マットを用いた土木構造物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の河川法面保護マットは、前述した目的を達成するために、河川法面を覆って敷設され、連続気孔を有する多孔質複合マットと、河川の流れ方向と略直交する方向に沿って長尺に形成され下面が前記多孔質複合マットに略面接触するように略平面状に形成されていると共に、少なくとも前記河川の下流側に載置される表面が前記河川の流水に対してその上流側が下方となるような湾曲面となされ、且つ、長手方向の両側面が上方に向かって内側に傾斜する斜面状に形成され、前記多孔質複合マットの両側部の縁を抑えるように載置されて前記多孔質複合マットの剥がれを防止するコンクリートあるいはポーラスコンクリートからなる錘と、前記両錘の間にこれらの錘と交差する方向に沿って載置され長手方向の両側面が上方に向かって内側に傾斜する斜面状に形成されたコンクリートあるいはポーラスコンクリートからなる覆土の下方へのずれ抑制を兼ねた補助錘と、前記両錘と前記補助錘とを一体に連結させる剛性材料からなる連結線と、からなることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の河川法面保護マットは、請求項1において、前記錘は、前記多孔質複合マットの両側部それぞれの縁と前記錘の縁とが揃うように載置され、前記河川の上流側に載置される錘の表面が、前記河川法面保護マットの複数を、河川の流れ方向に隣接して敷設した際に、隣接する河川法面保護マットの下流側に載置される錘の表面とによって、略半楕円形を形成する形状となされていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の河川法面保護マットは、請求項1において、前記錘は、隣接して敷設された前記多孔質複合マットの隣接する側縁部を跨ぐように配設されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の河川法面保護マットは、請求項1ないし請求項3の何れかにおいて、前記両錘あるいは前記補助錘の少なくとも一方が、前記多孔質複合マットを貫通して前記法面に打ち込まれるアンカーロッドによって、前記法面に固定されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の河川法面保護マットは、請求項4において、前記アンカーロッドが、前記錘と補助錘とを連結する連結線に掛止めされていることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の河川法面保護マットは、請求項1ないし請求項5の何れかにおいて、前記錘あるいは補助錘の下部に、前記法面にさし込まれるずれ止め部材が一体に取り付けられていることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の土木構造物は、河川法面を前記請求項1ないし請求項6の何れかに記載の河川法面保護マットで覆うことによって構築されていることを特徴とする
本発明の請求項8に記載の土木構造物は、前記河川法面保護マット上に、植生を形成するための覆土が施工されていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1ないし図6を参照して説明する。
これらの図において、符号10は、本実施形態に係わる河川法面保護マットを示し、この河川法面保護マット10は、河川法面1を覆って敷設され、連続気孔を有する多孔質複合マット11と、図2に示すように、前記複合マット11の両側部で、河川の流れ方向に間隔をおいた部位に載置されて、前記複合マット11の剥がれを防止する錘12・13とからなり、この錘12が、前記河川の流れ方向と略直交する方向に沿って長尺に形成され、図3に示すように、この錘12の下面が、前記複合マット11に略面接触するように略平面状に形成されているとともに、少なくとも前記河川の下流側に載置される錘12の表面が、前記河川の流水に対して、その上流側が下方となるような傾斜面12aとなされた基本構成となっている。
【0007】
ついで、これらの詳細について説明すれば、前記複合マット11は、背面側に配設される土砂吸い出し防止用シート11a(以下、シートと略称する)と、このシート11a上に一体に積層された連続気孔を有する多孔質マット11bとによって構成されている。
【0008】
前記両錘12は、本実施形態においてはコンクリートブロックによって形成されており、図2に示すように、前記複合マット2の両側部に長さ方向に沿って一対ずつ配設されるとともに、これらの錘12・13が、それぞれ、鉄筋等の連結線14によって一体に連結されている。
【0009】
そして、下流側に配設される前記錘12の傾斜面は、図3に示すように、滑らかな湾曲した形状となされ、かつ、上流側に配設される前記錘13の表面13aは、下流側に配設される前記錘12の表面と線対称となるように形成されている。
これらの傾斜面12a・13aは、前述した湾曲形状の他に、平面状の傾斜面であってもよいが、後述するように、流水を、前記錘12を複合マット11へ向けて押圧するようにさようさせるためには、前述した湾曲形状が好ましい。
【0010】
このように構成された本実施形態に係わる河川法面保護マット10は、複合マット11の多数を、前記法面1の全面を覆うようにして敷設した後に、図4に示すように、これらの複合マット11の両側部に、錘12・13を、流水とほぼ直交するように、かつ、隣接する一方の複合マット11上の下流側の錘12に、他方の複合マット11上の上流側の錘13が対向するように載置することによって、前記各複合マット11の両側部の押さえを行い、さらに、前記対向させられた隣接する錘12・13を、それぞれに設けられている連結線14どうしを、たとえば、図5および図6に示すように、ターンバックル等の連結具15を用いて連結される。
これによって、前記法面1上に土木構造物としての護岸が、前記法面1の全面を覆って形成される。
【0011】
このように構成された土木構造物にあっては、前記各複合マット11の両側部が、前記両錘12・13によって押え付けられていることにより、流水等によって前記法面1からめくれることが防止される。
そして、洪水等による増水よって、流水が前記錘12・13にかかった場合、図6に示すように、前記下流側の錘12の表面に沿って流れる際に、前記流水の流れのエネルギをFとすると、前記錘12を複合マット11へ向けて押し付ける分力F1が発生し、これによって、前記複合マット11の下流側の端部が法面1へ押し付けられてそのめくれが抑制される。
【0012】
一方、上流側に配置される錘13へも前記流水が作用するが、この錘13の表面に流れ込む流水は、前記下流側の錘12によって前記錘13の上方へ案内されることから、前記上流側の錘13の端面に前記流水が直接作用することがない。
したがって、上流側の錘13の位置ずれ等が防止され、これによって、前記複合マット11の上流側の端部のめくれが防止される。
そして、本実施形態においては、前記隣接する錘12・13を連結線14および連結具15によって連結した構成としたことにより、これらの錘12・13の位置ずれや浮き上がり等の不具合の発生が、より一層有効に抑制される。
【0013】
このように、本実施形態に係わる河川法面保護マット10によれば、前記複合マット11のめくれを防止して、前記法面1の保護機能を確保することができる。
【0014】
一方、前記各錘12・13が、前記複合マット11の両側部に配置されていることにより、この複合マット11の中央部が大きく開放されている。
したがって、図1に示すように、前記複合マット11上に覆土16を施工する場合、この覆土16の領域が大きく確保される。
この結果、前記覆土16に形成される植生4の面積が十分に確保される。
【0015】
図7ないし図11は、本発明の他の実施形態を示すものである。
これらの図において符号20で示す河川法面保護マットは、前記実施形態において示した前記両錘12・13の間に、これらの錘12・13と交差する方向に沿って補助錘21が載置されていることに特徴点がある。
そして、本実施形態においては、前記補助錘21が、前記錘12・13に対して直交するように配置されている。
【0016】
前記補助錘21はコンクリートブロックによって形成され、その断面が略半楕円形状となされており、一対の補助錘21が、各錘12・13間にそれぞれ配設されている。
また、これらの補助錘21は、その長さ方向に貫通して設けられている鉄筋等の連結線22によって、前記各錘12・13に連結されている。
【0017】
このように構成された本実施形態に係わる河川法面保護マット20は、前述した実施形態と同様の手順によって法面1に敷設され、図9に示すような、土木構造物としての護岸を形成する。
【0018】
そして、前記補助錘21を設けたことにより、前記複合マット11の押圧面積が増加することにより、この複合マット11のめくれ防止機能が高められる。
また、連結線14・22によって前記各錘12・13および補助錘21が一体化したことにより、これらの相対的な位置ずれが効果的に抑制され、この点からも、前記複合マット11のめくれが一層抑制される。
【0019】
一方、このような土木構造物に、前述した実施形態において示した覆土16を施工する場合においても、その施工面積は十分に確保されて、大きな植生4を形成することが可能であるとともに、前記覆土16の下方へのずれが前記補助錘21によって抑制されることにより、前記覆土16が安定する。
【0020】
また、図11に示すようなフック状のアンカーロッド23を用い、このアンカーロッド23を、図10に示すように、前記上方に配置される前記補助錘21と前記錘12・13との連結をなす連結線22に掛止めしつつ前記複合マット11を貫通して前記法面1に打ち込むことにより、前記各錘12・13および補助錘21の位置ずれや浮き上がり等をさらに抑制することができる。
【0021】
なお、前記各実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
たとえば、前記各実施形態においては、前記錘12と錘13とを別個に形成した例について示したが、これに代えて、図12に示すように、これらを一体化した錘24とすることもできる。
このような錘24を用いる場合、図12に示すように、この錘24を、隣接して敷設された複合マット11の、隣接する側縁部を跨ぐように配設することによって、前記複合マット11の両側部のめくれが防止される。
【0022】
また、前記連結線14・22は、前述した鉄筋に代えて、鋼管や平鉄板等の剛性材料によって形成することも、あるいは、チェーン、ロープ、ワイヤ等の軟弾性材料によって構成することも可能である。
【0023】
さらに、図14に示すように、前記錘12・13の下部に、前記法面1にさし込まれる滑り止め部材25を一体に取り付けておくことも可能であり、この滑り止め部材25を補助錘21の下部に取り付けることも可能である。
このような滑り止め部材25を設けておくことにより、前記錘12・13や補助錘21の、前記法面1方向への位置ずれを防止して、この法面1の保護機能を高めることができる。
【0024】
そして、前記錘12・13や補助錘21は、前述したコンクリートに代えてポーラスコンクリートによって形成することも可能であり、図15に示すように、かご状物や袋状物等の収納体26内に、石やコンクリートガラ等の重量物Gを詰め込んで形成することも可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複合マットの河川の流れ方向に間隔をおいた部位に、前記複合マットの剥がれを防止する錘を設けて、この錘を、前記河川の流れ方向と略直交する方向に沿った長尺に形成し、この錘の下面を、前記複合マットに略面接触するように略平面状に形成するとともに、少なくとも前記河川の下流側に載置される錘の表面を、前記河川の流水に対して、その上流側が下方となるような傾斜面としたことにより、河川の流水を利用して前記錘を複合マットに押し付けて、この複合マットのめくれを防止することができる。
これによって、河川の法面保護機能を確保しつつ、前記複合マットの押圧面積を小さくして、植生面積を大幅に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、構築された土木構造物としての護岸の縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる河川法面保護マットの平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる河川法面保護マットの側面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示すもので、構築された土木構造物としての護岸の正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わる河川法面保護マットの連結部分を示す拡大縦断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わる河川法面保護マットの連結部分を示す拡大縦断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係わる河川法面保護マットの平面図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係わる河川法面保護マットの側面図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示すもので、構築された土木構造物としての護岸の正面図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示すもので、河川法面保護マットの連結部分を示す拡大縦断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示すもので、河川法面保護マットの固定用のアンカーロッドの正面図である。
【図12】本発明の変形例を示す要部の拡大縦断面図である。
【図13】従来の土木構造物を示す縦断面図である。
【図14】本発明の変形例を示すもので、河川法面保護マットの連結部分を示す拡大縦断面図である。
【図15】本発明のさらに他の変形例を示すもので、河川法面保護マットの対向部分を示す拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 法面
2 マット
3 重量物
4 植生
10 河川法面保護マット
11 複合マット
12 錘
13 錘
14 連結線
15 連結具
16 覆土
20 河川法面保護マット
21 補助錘
22 連結線
23 アンカーロッド
24 錘
25 滑り止め部材
26 収納体
G 重量物
Claims (8)
- 河川法面を覆って敷設され、連続気孔を有する多孔質複合マットと、
河川の流れ方向と略直交する方向に沿って長尺に形成され下面が前記多孔質複合マットに略面接触するように略平面状に形成されていると共に、少なくとも前記河川の下流側に載置される表面が前記河川の流水に対してその上流側が下方となるような湾曲面となされ、且つ、長手方向の両側面が上方に向かって内側に傾斜する斜面状に形成され、前記多孔質複合マットの両側部の縁を抑えるように載置されて前記多孔質複合マットの剥がれを防止するコンクリートあるいはポーラスコンクリートからなる錘と、
前記両錘の間にこれらの錘と交差する方向に沿って載置され長手方向の両側面が上方に向かって内側に傾斜する斜面状に形成されたコンクリートあるいはポーラスコンクリートからなる覆土の下方へのずれ抑制を兼ねた補助錘と、
前記両錘と前記補助錘とを一体に連結させる剛性材料からなる連結線と、
からなることを特徴とする河川法面保護マット。 - 前記錘は、前記多孔質複合マットの両側部それぞれの縁と前記錘の縁とが揃うように載置され、
前記河川の上流側に載置される錘の表面が、前記河川法面保護マットの複数を、河川の流れ方向に隣接して敷設した際に、隣接する河川法面保護マットの下流側に載置される錘の表面とによって、略半楕円形を形成する形状となされていることを特徴とする請求項1に記載の河川法面保護マット。 - 前記錘は、隣接して敷設された前記多孔質複合マットの隣接する側縁部を跨ぐように配設されていることを特徴とする請求項1記載の河川法面保護マット。
- 前記両錘あるいは前記補助錘の少なくとも一方が、前記多孔質複合マットを貫通して前記法面に打ち込まれるアンカーロッドによって、前記法面に固定されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の河川法面保護マット。
- 前記アンカーロッドが、前記錘と補助錘とを連結する連結線に掛止めされていることを特徴とする請求項4に記載の河川法面保護マット。
- 前記錘あるいは補助錘の下部に、前記法面にさし込まれるずれ止め部材が一体に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の河川法面保護マット。
- 河川法面を前記請求項1ないし請求項6の何れかに記載の河川法面保護マットで覆うことによって構築されていることを特徴とする土木構造物。
- 前記河川法面保護マット上に、植生を形成するための覆土が施工されていることを特徴とする請求項7に記載の土木構造物。
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