JP3614667B2 - 小型容器の流出防止装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、小型容器を移動または保管中に、転倒や傾斜等の事態が発生し、液体が流れ出すことを防止する口金と蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
小形容器の出入口は口金と蓋とパッキングからなる組合せを用いて開閉し、液体に応じ金属か合成樹脂かゴム等の材質上の配慮を施し、容器と口金を同時に成形するか両者を加締めや鑞付け等の接合手段で一体化して仕上げ、口金と蓋の嵌合部分に精度の高い単数か複数のねじを成形し、何れかにパッキングを挿入し両者を螺合し開閉する。
【0003】
容器からの液漏れを防止する手段に係る出願もあり、実開平2−122937号では灯油暖房機のような油タンクの給油口に付ける弁機構が開示され、実登第3038239号ではカートリッジタンクの給油口に回動可能な弁板付弁本体の構造が開示され、何れも給油後の漏れ止めと補給の容易性を高めることを目的としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
液体容器には密閉度の高い口金と蓋の組合せを用いるが、それでも容器内の液体が漏れ出す原因は、容器本体が損傷して開いた孔から漏れるか、口金と蓋の嵌合部の締め込みが不充分か精度の不適切により生じた隙間から漏れるかの二つの場合があり、後者に相当する状態は容器が転倒か傾斜して液位が口金より高くなる時に起る。
【0005】
この様な問題に対して、漏出防止弁のない場合は口金と蓋の組合せの精度を高めるか、充分な締め込みを確認することが挙げられるが、前者は製作コストに関する問題があり、後者は完全無欠による人為操作を期待することが無理で、既述の漏出防止弁に係わる先願の場合も、漏出防止弁の開閉が自力では出来ないことと、吐出弁と漏出防止弁の開閉を外力に頼るためにスプリングの選択が難しい問題がある。
【0006】
実登第3038239号の様に、灯油暖房機側に設けた油受けの開弁用突起が弁軸を押し漏出防止弁を開く場合、弁軸に作用するスプリングが強過ぎると、油の使用に伴い油量が減少した際に容器が浮き上がり、残油の取り出しが不可能となる事態が生じて容器に係止の必要性が生まれ、弱過ぎると弁軸から油漏れが起こる等の可能性を残す問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液漏れに係わる上記の問題を解決し、蓋の口金に対する開閉動作により、閉めた時は漏出防止弁自体は開き、同様に外すか半開きの時は閉まり、液体補給時にも容易に開く小型容器の流出防止装置の提供を目的とする。
【0008】
本発明は、吐出弁とパッキングとスプリングを内蔵した消音機能付筒とパッキングを蓋本体に装着した蓋と口金との組合せを備えた小型容器にあって、口金本体内面に弁座を備えた弁胴体を挿入固定し、その弁胴体に支持部と支持軸からなる回動支点を形成し、薄板周囲を接触面として環状に残し中央を皿状とした突出部と支持腕とからなる弁体に、付勢手段として支持腕付き加圧板とキックスプリングを組合せ、加圧板を弁体の突出部の裏に設けた窪みに挿入接触せしめ、両支持腕とキックスプリングが回動支点を共用せしめた弁体と弁座とで密封部とする漏出防止弁を備え、蓋本体に装着した消音機能付筒先端が、口金から蓋を外すか半開の緩み状態とした時は漏出防止弁を閉状態に置き、蓋を閉じた際には装着した前記消音機能付筒の先端が、漏出防止弁の弁体を下方に押し閉から開状態に移行する構成としたことを特徴とする小型容器の流出防止装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、小型容器に装着した蓋と口金の嵌合が不十分な時に容器が転倒しても、その嵌合部分からの液体の漏れのない構造とし、蓋を口金から外すか半開の緩み状態時とした時、蓋の消音機能付筒の先端が口金内の弁体から離れて漏出防止弁を閉じ、蓋で口金を充分に閉じた時には消音機能付筒の先端が弁体に接し、漏出防止弁を開く構造である。
【0010】
本発明の一方の構成材である口金内の漏出防止弁は、蓋を外すか半開きの緩み状態で容器を取り扱う際に、転倒や傾斜で液位が口金を一時的に超えた時に、口金から大量の液体流出防止を目的とする。また液体の補給時に漏出防止弁が軽い力で開くことも必要なために、漏出防止弁に組み込むスプリングの強さには制限があり、弱い力でも開閉が円滑に進み弁体と弁座を接触させ充分な密封効果を得る構造とした。
【0011】
口金は口金本体の内部に弁座を備えた弁胴体を挿入し、弁座に対し弁体を取付けて漏出防止弁とした構造で、容器との接続側の開口から挿入し口金本体のねじを活用して加締め等で固定するか、蓋との接続側に備えた口金本体の開口から弁胴体を圧入して固定する。前者の圧入固定による場合は開口の頂部(蓋との接触面)を弁胴体の頂部より高くする必要がある。その理由は弁胴体が口金本体より材質的に柔らかく、表面に傷が発生し漏れの原因となり易いためで、後者の場合は弁胴体が口金本体で覆われるので心配はない。
【0012】
弁胴体の弁座と接触する弁体は、弁胴体の支持部と支持軸とからなる回動支点に、嵌合せしめる弁体支持腕の孔径を上下方向に0.2〜1.0mmの範囲、好のましくは0.2〜0.6mmの範囲、より好ましくは0.3〜0.4mmの範囲から選択した遊びを持たせた長孔とする。弁体中心を押す付勢材としてキックスプリングと加圧板付支持腕との組合わせかキックスプリング単独の何れかを使用し、弁座に対し片当たりを避け均一に弁体を押す構造とし、口金と弁胴体の間にOリング等のパッキングを挟み、口金と弁胴体を圧入かねじ止めか加締め等の何れかの手段で固定する。
【0013】
キックスプリングは0.7 〜1.5mmの範囲から選んだ細い線径を使用するので、急激な曲げ部分があると使用中に折損し易く、かかる折損は弁体を開いて漏出防止の役目を失わしめるので、回動支点で支持軸と嵌合する部分を除き出来るだけ直線状として、組合せの相手の装着部分に前記キックスプリングの先端を係止する座を備えるのが好ましい。
【0014】
弁座と弁体の接触位置は、弁座では先端周辺であり弁体では側面か下辺の環状面の何れかが接触面となる。弁座先端内面が弁体側面に直に接触して密封部を形成する場合、弁座の先端と弁体の環状部との間に範囲0.1〜0.15mm程度の隙間を確保することが好ましく、環状部を接触面とするときは弁座先端内面は弁体側面に触れないか、触れても開閉に支障を来さないように弁体側に側面角度の規制か窪み等の逃げを設ける必要がある。
【0015】
弁体と弁座の接触面の形状は、弁座では先端を錐か平か半円状の何れか断面もしくは弁座自体にパッキング挿入溝を形成し、弁体では中央を皿状に突出し周囲を環状としたのを基本とする。環状部を接触面とするときは弁座先端と接触する弁体周囲の環状面を錐か平か半円状の何れか断面とし、環状面と側面の付け根周囲に単体溝かパッキング溝か窪みの何れかを形成し、前記側面と弁体底辺がなす傾斜角度α(図1,3,5参照)を50〜90度の範囲から選び、前記窪みの傾斜角度β(図5参照)を90〜120度の範囲から選んで形成し、その何れか形状から選んで単独もしくは組合せて構成する。
【0016】
この組合せ形状の選択は、弁体と弁座の接触面にパッキングが介在するか否かで分かれる。介在する場合はパッキングの弾力性を利用した間接接触になり、弁体の突出部側面の角度αを既述の範囲から選んだ斜度を適用すると良好な開閉動作が得られる。介在しない場合は弁体と弁座が直接接触し、弱いスプリングを使用しても円滑な開閉動作が得られるためには、弁体の突出部側面に付与する角度が重要な役割を持ち、鋭角の斜度もしくは鈍角の窪みの双方から選択する必要がある。
【0017】
本発明の他方の構成材である蓋は、内面に吐出弁とスプリングを内蔵し液体と空気の互換孔付き消音筒を装着する。この筒は蓋で口金を完全に閉じた時、先端が漏出防止弁を押して必要な隙間を開け、外すか半開の緩み時に漏出防止弁を閉状態に保つ。その筒は弁体と弁座の開いた時の隙間部分の最大値(b寸法)を2〜10mmの範囲、好ましくは2〜6mmの範囲、より好ましくは3〜5mmの範囲から選択した何れかに保つために必要な長さに設定する。
【0018】
この様な漏出防止弁付口金と消音筒付蓋の組合せを備えた小型容器は、灯油暖房機に使用するカートリッジ式燃料容器に最適であり、暖房機に燃料容器を装着し燃料受け皿の開弁用突起で蓋の吐出弁を押し上げる際に、吐出弁自体には液圧が加わらないので、容器内の液量が減少し軽くなっても暖房機内で容器の位置が浮いて変わる様なことはない。この口金と蓋の組合せは燃料以外の液体供給設備に対しても利用が可能で、材質的にも鋼かステンレス鋼の金属や非鉄金属や耐油性の合成樹脂を単独か組み合わせて使用すればよい。
【0019】
【作用】
本発明による小型容器の流出防止装置は、蓋を外すか半開きの緩み時に漏出防止弁が閉じて容器の安全性を高め、蓋を閉じた時には漏出防止弁が開き、液量の変化に関係なく補給にも支障を来さない。
【0020】
【実施例1】
図1(A)は、灯油暖房機のカートリッジ式の小形容器9に適用した流出防止装置1で、口金10から蓋2を外すと消音機能付筒7の先端が弁体18の突出部19から離れ、漏出防止弁の弁座14と弁体18の環状面21が接した閉状態の断面図を、図1(B)は、口金10を蓋2で閉じると蓋2の消音機能付筒7先端が弁体18の突出部19を押し、弁座14と弁体18の環状面21の接触を解いた開状態の断面図を、図2は流出防止装置1の構成材の分解斜視図である。
【0021】
図1(A,B)は、同図(A)の蓋2が蓋本体3と吐出弁4とパッキング5とスプリング6を内蔵し周囲に液と空気の互換孔を設けた消音機能付筒7とパッキング8とからなる構造で、その消音機能付筒の長さは、同図(B)に示す様に蓋2で口金10を閉じた時に、消音機能付筒7先端が漏出防止弁の弁体18を押して弁座14との隙間(b寸法)を最大で5mm程度開き、蓋2を口金10から外した時は勿論のこと、半開か僅かに緩めた段階では閉状態になる様に選定した。
【0022】
口金10はねじ付成形金属内面にOリングを介し、漏出防止弁をねじ止めにより固定した構造で、その漏出防止弁は支持部16を備えた弁胴体13下辺の弁座14に、薄い円板の中央に皿状の突出部19を形成し、支持腕24を備えてなる弁体18が接して密封部を形成し、その弁体の裏面の窪み20を支持腕26付加圧板25とキックスプリング28で付勢する構造で、前記支持部と支持軸17とで両支持腕24、26とスプリングの三者を回動可能に支える回動支点15を形成する。尚、加圧板25上面に軽度のクラウンをつけてもよい。
【0023】
支持軸17と嵌合する弁体支持腕24の孔は、その支持軸17と直交する上下方向に0.3mmの遊びを設けた長孔としたので、押圧操作を加えた際に前記遊びにより弁座14と弁体18の環状面21の接触時に起る片当たりを防止した。また弁体支持腕とは別の加圧板付支持腕26と1mmの線径を持つキックスプリング28を並べる様に配置して、そのキックスプリング先端の延ばした棒状部分を受ける座27を加圧板付支持腕26に備えたので、長期間の使用でも折損がなく漏出防止機能が失われることがなくなった。
【0024】
蓋2を外した時には漏出防止弁は閉状態で、容器が転倒しても燃料が流れ出すことがなく、燃料補給の際に口金から給油管を挿入するとき、漏出防止弁はキックスプリング28が弱く閉から開状態に容易に移行する。その際給油管が深く挿入できる様に、弁体18が90度に開いた時に突出部19上面が弁胴体13の最寄りの内面よりも内側(a寸法)にある様に回動支点の位置を決める。
【0025】
図1(A、B)の弁座14と環状面21の組合せによる平らな接触面の場合には、その接触に至る過程で一時的に側面23に弁座14が接触し、円滑な閉動作に支障を来すので環状面21の内寄りに溝22(ぬすみ)を形成し、その溝と突出部19との間の側面23が弁体18の底面となす角度αを75度とし、突出部19に至る残りの部分を緩やかな曲線状とすることにより、弁座14と弁体18の開閉動作の円滑さを確保した。
【0026】
弁体の側面23の傾斜角αは弁座の形状に関わらず円滑な開閉動作に必要で、図3(A)の様に弁座を錐状と弁体環状面から側面に至る部分とで接触面29,30とするか、図3(B)の様に弁座と弁体側面から環状面に至る部分に半円状の凸凹構造の接触面31,32を設けてもよく、その傾斜角αは弁体と弁座の形状を考慮して50〜90度の範囲から選択する。また好ましくは図3(C)の様に漏出防止弁の保護のため空気抜き付きスカート33を装着する。
【0027】
口金本体11内に弁胴体13を取付ける場合は、図4(A、B)の口金本体と弁胴体の組合せに示す様に、弁胴体13Aの最上部分に耐油ゴム等のパッキング12を挿入し、各々のねじ34、35を組合せねじ止め固定するか、図4(C、D、E、F)の口金本体11A、11Bと弁胴体13B、13Cの組合せに示す様に、溝37上にパッキングを挿入し両者を圧入後、突起36による抜け止めを付けてもよく、この突起は嵌合後に加工して打ち出す。図4(B)の場合はねじ35を一部に限定した非連続として止め易くしてもよいが、ねじ式の場合はパッキングの位置が制限を受け、図4(D、F)では溝を任意に選びパッキングを挿入できる特長がある。
【0028】
弁座14の形状と弁体18の形状は関連することを先に説明したが、その弁座の接触面を図4(A)の様に錐状か、図4(B)の様に平状か、図4(C)の様に弁胴体14A内面に溝38を付けパッキング39を輪状の押さえ40で固定する何れかの形状と、液体の種類を考慮して漏出防止弁を構成する材質を選択し、両者を組合せて使用する。尚、漏出防止弁の要部の弁胴体13、13A、13B、13Cと弁体18の材質はステンレス鋼による金属でも良いが、造り易さと接触面の馴染みの良さを考慮すると耐油性の合成樹脂が好ましい。
【0029】
【実施例2】
本例は、弁体以外は実施例1と同材質で略同構造であり、その部分の説明は引用するものとし、本例では相違点と関連した事項の説明に止める。図5(A)に示す様に、本例は弁体41をキックスプリング28で直接加圧する構造で、その弁体は肉厚の環状面45と側面44と中央に皿状の突出部42を備え、裏側にキックスプリング28を固定する座43を備えた形状で外観的に実施例1の弁体と同じである。支持腕46付弁体を弁胴体13に設けた回動支点15にキックスプリング28と共に支持軸17で取付け、支持軸17と嵌合する支持腕46の孔に上下方向の遊びを与える点も同じで、弁体と弁座は実施例1と同様に直接接触するために、弁座の接触面48の形状と弁体側の接触面49を半円状に近い形状とする。
【0030】
図5(B)に示す様に、弁座の接触面50を片錐状に弁体側の接触面51が平で一部半円状の場合には、突出部42Aの側面44Aから環状面45Aに至る付け根に窪み47を環状に形成し、その窪みの傾斜と弁体41Aの底面とがなす角度βを100度として円滑な開閉を維持した。この角度は弁座形状の違いを考慮し90度〜120度゜の範囲から選択し付与すればよい。この窪みは弁体41Aの閉時に弁座先端が弁体側面に接触し弁が閉じなくなる事態を避けることが出来る。また図5(C)に示す様に弁座の接触面52を半円状に弁体側の接触面53を錐状とする組合せとしてもよい。
【0031】
【実施例3】
本例は、弁体以外は実施例1、2と同材質で略同構造であり、その部分についての説明は引用するものとし、本例では相違点と関連した事項の説明に止める。図6に示す様に、弁体55をキックスプリング28で直接加圧する構造で、その弁体は環状面59と中央に皿状の突出部56と裏側に支持腕54とキックスプリング28用の座57を備えた形状であるが、環状面59と側面58の付け根の周囲にパッキング溝60を付けて耐油性ゴム等のパッキング61を挿入し、弁座と弁体をパッキング面61Aを介する間接接触とした構成が実施例2と異なる点である。
【0032】
弁座と弁体とパッキングの要部を図7に示した。弁体形状はパッキングの形状で決まり種類も多いが、弁座形状は錐状か平状の何れかを使用する。同7(A)は図6と同じで、図7(B)は裏に窪みの付いた平パッキング62、同図(C)は外向きリップ付きパッキング63との組合せ、同図(D)は突起付きパッキング64、同図(E)は内向きリップ付きパッキング65、同図(F)はU字状パッキング66、同図(G)は突起付きで弁体の表裏を覆ったパッキング67、同図(H)はOリング68で何れの組合せで使用してもよい。
【0033】
パッキングを使用した間接接触構造の漏出防止弁は、併用しない直接接触構造に較べ、パッキングの弾力が利用出来るので、弁体と弁座の接触部分の成形精度が緩やかでも片当たりの心配がなくなる利点があるが、パッキングの劣化が進むと硬化し弾性が欠如してクラックが発生し、密封効果が薄れ交換を要することは避けられない。
【0034】
【実施例4】
本例に使用する蓋の構造と機能は実施例1、2と同じ、口金の材料構成も同じではあるが構造と組立てが相違するので、同じ部分については実施例1、2を引用し異なる部分の説明に止める。図8は口金の断面図を、図9(A、B)は口金本体11Cと弁胴体13Dは単体図である。口金本体11Cの蓋との接続側の開口70側から、筒状の一方に鍔73とパッキング溝74と突起75と他方に弁体の取付け支持部16を備えた弁胴体13Dを圧入固定し、突出部78と座79と環状面81と指示腕76付きの弁体77を取付けた構造である。
【0035】
開口70の段71に弁胴体13Dの鍔73が接するまで押し込むと、パッキング12は段の内壁72面に接し突起75は抜け止めとして働く、材質は口金本体11Cと弁胴体13Dとでは前者が硬く、蓋との開閉の際に弁胴体の鍔73の上側露出面が出張っていると傷が付き易く漏れの原因になるので、口金本体11Cの頂部が弁胴体13Dの頂部より必ず上にある様(cで指示)に構成する。
【0036】
弁胴体13Dの下部に備えた弁座14の先端は、弁体77の環状面81に接することなく0.1〜0.15mmの範囲から選んだ隙間(dで指示)を保ちながら、その弁座先端内面が弁体側面80に直接接触するので、弁体の動きが滑らかとなり良好な密封効果が得られた。この弁座と弁体の接触面は各々直線か曲線で形成して任意に組合せ使用すればよく。この弁胴体と弁座と弁体を含めた口金構造は実施例1、2、3にも応用出来る。
【0037】
【発明の効果】
本発明の漏出防止装置の使用により下記の効果を得た。
▲1▼漏出防止弁は蓋に付けた消音機能付筒との組合せで、蓋を外すか半開きの緩み状態では閉まり、蓋を閉めた状態では開くので、口金を下向きにして容器を運んでも液体の流出がなくなった。
▲2▼蓋を外すか半開きの緩み状態で、容器が転倒もしくは傾き液位が口金を超えても液体の流出がなくなった。
▲3▼流出防止装置をつけた燃料容器は、蓋を閉めた段階で漏出防止弁が開くので、暖房機の開弁用突起は吐出弁のみを開閉対象とすればよく、液量の減少で容器がで浮く心配もなく使い残しもなくなった。
▲4▼弁体支持軸を通す弁体支持腕の孔に上下方向の遊びをつけたことで弁座と弁体の片当たりがなくなった。
▲5▼弁座先端が弁体の環状面と直接接触またはパッキングを介して間接接触する際に、弁体に付与した側面の傾斜または付け根の窪みにより漏出防止弁の開閉動作が円滑になった。
▲6▼弁座先端が弁体の側面と直接接触する際に弁座先端と環状面に隙間を持たせることで良好な開閉が得られた。
▲7▼キックスプリングの形状と支持構造により折損事故が減少した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の流出防止装置で、(A)は蓋を取外し流出防止弁が閉じた状態を、(B)は蓋を閉め流出防止弁が開いた状態の断面図である。
【図2】流出防止装置の構成材の分解斜視図である。
【図3】口金と流出防止弁の別の態様の断面図で、(A)は弁座が錐状を、(B)は弁座と弁体が半円状を、(C)は(A)のスカート付を示す。
【図4】口金本体と弁胴体の固定前の断面図で、(A,B)は両者をねじ止めする場合を、(C,D)と(E,F)は両者を圧入後に突起をつけ抜け止めとする場合である。
【図5】実施例2の流出防止装置の口金断面図で、(A)は弁座と弁体の接触面が共に半円状を、(B)は弁座の接触面が片錐状で弁体の接触面が平状を、(C)は弁座の接触面が半円状で弁体の接触面が錐状である。
【図6】実施例3の流出防止装置の口金断面図である。
【図7】弁座と弁体とパッキングの組合せの断面図を(A)〜(H)に示した。
【図8】実施例4の流出防止装置の口金断面図である。
【図9】口金本体と弁胴体の単体の断面図である。
【符号の説明】
1 流出防止装置
2 蓋
3 蓋本体
7 消音機能付筒
8 パッキング(蓋用)
9 小形容器
10 口金
11、11A、11B、11C 口金本体
12 パッキング(弁胴体用)
13、13A、13B、13C、13D 弁胴体
14、14A 弁座(接触面)
15 回動支点
18、41、41A、55、77 弁体
19、42、42A、56、78 突出部
20 窪み
21、45、45A、59、81 環状面(接触面)
22 溝
23、44、44A、58、79 側面
24、46、54、76 支持腕
25 加圧板
26 支持腕
28 キックスプリング
29、31、48、50、52 接触面(弁座側)
30、32、49、51、53、61A 接触面(弁体側)
33 スカート
34、35 ねじ
36 突起
39 パッキング(弁座用)
47 環状の窪み
60、74 パッキング溝
61〜69 パッキング(弁体用)
Claims (10)
- 吐出弁(4)とパッキング(5)とスプリング(6)を内蔵した消音機能付筒(7)とパッキング(8)を蓋本体(3)に装着した蓋(2)と口金(10)との組合せを備えた小型容器(9)にあって、口金本体(11、11A、11B、11C)内面に弁座(14、14A)を備えた弁胴体(13、13A、13B、13C、13D)を挿入固定し、その弁胴体に支持部(16)と支持軸(17)からなる回動支点(15)を形成し、薄板周囲を接触面として環状に残し中央を皿状とした突出部(19)と支持腕(24)とからなる弁体(18)に、付勢手段として支持腕(26)付き加圧板(25)とキックスプリング(28)を組合せ、加圧板を弁体の突出部の裏に設けた窪み(20)に挿入接触せしめ、両支持腕(24,26)とキックスプリング(28)が回動支点(15)を共用せしめた弁体(18)と弁座(14,14A)とで密封部とする漏出防止弁を備え、蓋本体(3)に装着した消音機能付筒(7)が、口金(10)から蓋(2)を外すか半開の緩み状態とした時は漏出防止弁を閉状態に置き、蓋(2)を閉じた際には装着した前記消音機能付筒の先端が、漏出防止弁の弁体を下方に押し閉から開状態に移行する構成としたことを特徴とする小型容器の流出防止装置。
- 密封部を構成する弁座(14、14A)と弁体(18)との組合せにおいて、その弁座の先端の接触面を弁体の環状面に置く構成としたことを特徴とする請求項1に記載の小型容器の流出防止装置。
- 加圧板(25)の表面に軽度のクラウンを付けたことを特徴とする請求項1か2に記載の小型容器の流出防止装置。
- 密封部を構成する薄板の弁体(18)の加圧板(25)の支持腕(26)にキックスプリング(28)の一端を受ける座(27)を備えたことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の小型容器の流出防止装置。
- 密封部を構成する薄板の弁体(18)が、環状面(21)と突出部(19)の付け根に環状の溝(22)を備え、その溝と突出部(19)との間の側面(23)の中程までと弁体底面となす角度αを50〜90度の範囲から選択した何れかとし、突出部(19)に至る残りの部分を曲面状としたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の小型容器の流出防止装置。
- 密封部を構成する弁座(14A)にパッキング溝(38)を形成しパッキング(39)を輪状の押さえ(40)により固定する構造としたことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の小型容器の流出防止装置。
- 密封部を構成する弁体(18)の支持腕(24)が支持部(16)と支持軸(17)とで回動支点(15)を構成する嵌合において、支持腕(24)に開けた孔の上下方向に0.2〜1.0mmの範囲から選択した何れか遊びを備えた長孔としたことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の小型容器の流出防止装置。
- 密封部を構成する弁体(18)を最初の位置から下方へ直角に開いた時、その弁体の皿状突出部(19)の頂部が弁胴体(13)の最寄り内面よりも弁体付き支持腕の回動支点(15)の中心が外側にあることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の小型容器の流出防止装置。
- 密封部を構成する弁座(14、14A)先端と弁体接触面(21、30、32)の間の開口寸法が2〜10mmの範囲から選択した何れかとなる様に、蓋本体(3)に装着した消音機能付筒(7)の長さを定めたことを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の小型容器の流出防止装置。
- 弁座(14、14A)付弁胴体(13、13A、13B、13C、13D)と弁体(18)の材質をステンレス鋼か耐油性の合成樹脂から選び組合せたことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の小型容器の流出防止装置。
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