JP3613492B2 - アクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子、その製造方法、それを用いた塗料組成物及び化粧品 - Google Patents

アクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子、その製造方法、それを用いた塗料組成物及び化粧品 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、多孔質状や凹凸状などの特異な形状を有するアクリル樹脂粒子、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、懸濁重合により製造されるアクリル樹脂粒子は、例えば化粧品、電子写真用トナー、生理活性物質や反応触媒の担体、塗料、インキ、繊維加工、充填剤など幅広い分野で使用されている。
【0003】
これらに用いられるアクリル樹脂粒子は、真球状の樹脂粒子が多く、主にその球面は平坦なものである。
【0004】
例えば、アクリル樹脂粒子の場合、従来技術で樹脂粒子の構造を多孔質にする場合には、重合前の不飽和モノマー中に有機溶剤など加えて重合したり、懸濁重合に用いる分散水溶液中に界面活性剤を加えたり、炭酸カルシウムのような微粉末加えて重合し、粒子形成後に重合粒子中に分散されている炭酸カルシウム微粉末を溶解させるなどの方法により達成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように通常の懸濁重合で得られるアクリル樹脂粒子の場合にあっては、一般に表面構造は凹凸のない平滑な球状のアクリル樹脂粒子であり、粒子の内部構造も均一なものである。
【0006】
また、従来技術でアクリル樹脂粒子の構造を多孔質にする場合には、多孔質の状態を規則的、かつ細かくコントロールすることは困難であったり、多くの工程を必要とするために、アクリル樹脂粒子を容易に多孔質化できなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、本発明では、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種類のラジカル重合可能な不飽和モノマーとアクリル変性若しくは酸変性された塩素化ポリオレフィン系樹脂、ラジカル重合性の炭素二重結合を有する塩素化ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種類の重合体化合物と少なくとも1種類のラジカル重合開始剤とを、必要に応じて少なくとも1種類の有機溶剤によって混合した混合物を得、水溶性セルロースなどの水溶性樹脂を水に溶かして得られる分散液に加え、撹拌しながら昇温する懸濁重合により得られる樹脂粒子において、
上記重合体化合物は、上記ラジカル重合可能な不飽和モノマーとの相溶性をコントロールするため、アクリル変性若しくは酸変性された塩素化ポリオレフィン系樹脂又はラジカル重合性の炭素二重結合を有した塩素化ポリオレフィン系樹脂であって、上記ラジカル重合可能な不飽和モノマーに対しては相溶するが、上記懸濁重合の進行により上記ラジカル重合可能な不飽和モノマーが高分子化するに従って徐々にその相溶性が悪化し、次第に上記不飽和モノマーから生成した重合体と樹脂粒子内で相分離、もしくは部分的な相分離を起こす重合体化合物であり、
この上記懸濁重合の過程における樹脂粒子内での相分離機構を利用して得られることを特徴とする表面が凸凹で内部が蟻の巣状の多孔質樹脂粒子を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、本発明では、特定の化合物としてアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物がら選ばれる1種類以上の不飽和モノマーを重合して得られる有機溶剤に可溶な重合体化合物の1種類以上と、特定の化合物としてアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物がら選ばれる1種類以上の不飽和モノマーと、1種類以上のラジカル重合開始剤と、必要に応じて1種類以上の有機溶剤とを混合して混合物を得、その混合物を分散剤安定の存在下で水中で懸濁重合し、しかる後に洗浄し、乾燥させて得るアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子の製造において、前記懸濁重合の際に前記有機溶剤に可溶な重合体化合物は前記不飽和モノマーが高分子化するに伴い相溶性が低下し、次第に前記不飽和モノマーから生成した重合体と樹脂粒子内で相分離状態を形成することを利用して多孔質状や凹凸状の異形のアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒 を得るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態は、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物から選ばれる1種類以上の不飽和モノマーを重合して得られる1種類以上の有機溶剤に可溶な重合体化合物と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物がら選ばれる1種類以上の不飽和モノマーと、1種類以上のラジカル重合開始剤と、必要に応じて1種類以上の有機溶剤とを混合し、前記混合物を水溶性セルロースなどの水溶性樹脂と必要に応じて界面活性剤とを水に溶解させてなる分散安定剤水溶液中に撹拌しながら加えて油滴状分散物を得る。次に、その油滴状分散物を昇温し、分散油滴中に含まれているラジカル重合開始剤の分解によって生じたラジカルにより、ラジカル重合を開始させる懸濁重合を行う。その懸濁重合の際に、有機溶剤に可溶な前記重合体化合物は、前記不飽和モノマーの高分子化に伴い相溶性が低下し、次第に前記不飽和モノマーから生成した重合体と樹脂粒子内で相分離を起こし、分散安定剤水溶液と樹脂粒子との混合した状態を呈する。しかる後、その混合した物質を洗浄し、乾燥し、必要に応じて粉砕し、必要に応じて分級して多孔質又は表面が凹凸状の樹脂粒子を得る。
【0010】
本発明によるアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子は、懸濁重合の過程で複数の樹脂の相分離、もしくは部分的な相分離を伴って製造されるため、通常の懸濁重合で得られるアクリル樹脂粒子に比べて形状が複雑であったり、多孔質であったり、表面が凹凸状であったりする特徴を有する。
【0011】
本発明による製造方法で得られたアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子は懸濁重合反応の終了後に洗浄し、乾燥した後、必要に応じて粉砕し、さらに必要に応じて分級して用いられる。
【0012】
本発明によるアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子の製造方法は、懸濁重合で合成される樹脂粒子において、懸濁重合過程にポリマーの相分離という物理的な現象を応用することによって従来見られないような複雑な形状を有するアクリル樹脂粒子や、多孔質状態が粒子内部まで規則的、かつ細かくコントロールされた多孔質アクリル樹脂粒子を得ることを可能にした製造方法である。
【0013】
本発明のアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子及びその製造方法で用いる有機溶剤に可溶な重合体化合物の合成に用いられる不飽和モノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸のエステルであり、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリルなどのアクリル酸、又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸、又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル、アリルアクリレート、アリルメタクリレートなどのアクリル酸、又はメタクリル酸の炭素数2〜8のアルケニルエステル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸、又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル、アリルオキシエチルアクリレート、アリルオキシエチルメタクリレートなどのアクリル酸、又はメタクリル酸の炭素数3〜18のアルケニルオキシアルキルエステル等及びビニル芳香族化合物、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレンが例示できる。
【0014】
前記有機溶剤に可溶な重合体化合物の合成に用いられる不飽和モノマーは、1種類以上不飽和モノマーが選ばれ、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの重合方法を用いたラジカル重合、もしくは必要に応じてアニオン重合やカチオン重合などのイオン重合によって得られるものであるが、好ましくは溶液重合法や懸濁重合法によるラジカル重合で得られる重合体化合物である。
【0015】
前記溶液重合法や懸濁重合法は一般に公知の重合方法を意味するものであり、溶液重合の場合には、適当な有機溶剤と前記モノマーとラジカル重合開始剤とを適当な条件で加熱などを行うことによって、重合反応させて得られる重合体化合物の合成方法である。
【0016】
また、懸濁重合法は、適当な分散剤を溶解した水溶液中に、前記重合体化合物の合成に用いる不飽和モノマーとラジカル重合開始剤の混合物を加えて撹拌することにより、油滴状の不飽和モノマーとラジカル重合開始剤との混合物を得、加熱により重合反応を生じさせて粒子状重合体化合物を得るものである。
【0017】
前記重合方法により得られる重合体化合物は、必要に応じて適当な有機溶剤などに溶解して用いる。
【0018】
本発明のアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子の製造方法は、有機溶剤に可溶で前記重合方法により得られる重合体化合物の少なくとも1種類を、前記アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物がら選ばれる1種類以上の不飽和モノマーと、1種類以上のラジカル重合開始剤と、必要に応じて有機溶剤とを混合して得られる溶液を、分散剤安定の存在下で水中で懸濁重合するものであるが、この際、前記有機溶剤は前記不飽和モノマーと良好に混合し得るものを用いるのが好ましい。
【0019】
なお、前記重合体化合物を溶解する有機溶剤は、その重合体化合物と前記不飽和モノマーと前記ラジカル重合開始剤との混合物の粘度を低下させるのに有効であり、かつ懸濁重合の過程で相分離反応が起こる場を効果的に与える。これによって粒子内部の構造を均一な編み目構造や蟻の巣のような構造とすることが可能である。
【0020】
したがって、有機溶剤は重合体化合物を溶解する目的だけで反応系に取り入れられるのではなく、前記理由により前記混合物中に必要に応じて加えることもできる。
【0021】
この場合の有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどなどのエステル系溶剤、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤などをあげることができる。これらの溶剤は単独、または混合して用いることができる。
【0022】
次に、本発明で用いるアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の不飽和モノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリルなどのアクリル酸、又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸、又はメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル、アリルアクリレート、アリルメタクリレートなどのアクリル酸、又はメタクリル酸の炭素数2〜8のアルケニルエステル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸、又はメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル、アリルオキシエチルアクリレート、アリルオキシエチルメタクリレートなどのアクリル酸、又はメタクリル酸の炭素数3〜18のアルケニルオキシアルキルエステルや、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレンが例示できる。
【0023】
さらに、多官能性不飽和モノマーとしては、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3ブチレングリコールジメタクリレート、1,3ブチレングリコールジアクリレートなどが例示できる。
【0024】
本発明では、例示したような2官能性不飽和モノマー、もしくは4官能性以上の多官能性不飽和モノマーを単独もしくは併用することができる。好ましくは2官能性不飽和モノマー100重量部に対して10〜500重量部の4官能性以上の多官能不飽和モノマーを用いる。
【0025】
前記不飽和モノマーを重合して得られる有機溶剤に可溶な重合体化合物と前記不飽和モノマーとの割合は、一般に不飽和モノマー100重量部に対して1〜300重量部が好ましい。より好ましくは、5〜100重量部である。この割合は、用いる不飽和モノマーの種類や、相分離を形成させる有機溶剤に可溶な重合体化合物の種類によって変わるものである。
【0026】
この割合によって、本発明の製造方法で得られるアクリル樹脂粒子は、粒子形状が凹凸、又は多孔質になり、多孔質である場合には孔径も変化する。
【0027】
本発明で用いることの可能なラジカル重合開始剤としては、一般にラジカル重合に用いられるアゾ化合物や過酸化物である。
【0028】
より具体的には、アゾ系開始剤としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1,1’−アゾビス(シクリヘキサン−1−カーボニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などを例示することができる。
【0029】
また、過酸化物系の開始剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルパーオキサイド、メチルシクリヘキサノンパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジターシャリークミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ターシャリーブチルパーオキシイソブチレート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ターシャリーブチルパーオキシネオデカノエートなどを例示することができる。
【0030】
これらラジカル重合開始剤は単独、もしくは2種類以上を併用して用いることができる。また、ラジカル重合開始剤の使用割合は、前記不飽和モノマー100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0031】
前記重合体化合物と、前記不飽和モノマーと、ラジカル重合開始剤などとの混合物を懸濁重合する手法としては、撹拌装置、温度計、還流冷却管、窒素導入管を備えた、また必要に応じてバッフルの備わった反応容器を用いて、通常の懸濁重合反応を行うものである。
【0032】
懸濁重合に使用する水としてはイオン交換水や純水を用いることが好ましい。水道水では溶解している金属イオンなどの不純物によりラジカル反応が不安定になったり、反応物が着色するためである。
【0033】
また、懸濁重合反応で安定してアクリル樹脂粒子を得るのに必要な分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子を例示することができる。
【0034】
より具体的には、ポリビニルアルコールとしてはクラレ(株)製のポバールPVA−105、PVA−107、PVA−110、PVA−115、PVA−117などの完全けん化PVA、PVA−120、PVA−124、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−215、PVA−217、PVA−220、PVA−224、及びそれ等の部分けん化PVAである。
【0035】
水溶性セルロースの具体例としては、信越化学工業( 株) 製のメトローズ60SH50、65SH50、60SH4000、65SH4000、90SH4000など、あるいはダイセル化学工業( 株) 製のHECダイセルSP200、SP250、SP400、SP500、SP550、SP600、SP750、SP800、SP850、SP900など、又はダイセル化学工業(株) 製のCMCダイセルNO.1105、NO.1107、NO.1110、NO.1205、NO.1207、NO.1210、NO.1120、NO.1130、NO.1140、NO.1150、NO.1160、NO.1170、NO.1180、NO.1190などを例示することができる。
【0036】
前記分散安定剤の濃度としては、使用する分散剤によって異なるが、水100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましい。
【0037】
また、分散安定助剤としてアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤を併用することも可能である。その添加量としては、使用する界面活性剤により異なるが、水100重量部に対して0.001〜20重量部が好ましい。
【0038】
特に複雑な多孔質状態を有するアクリル樹脂粒子を製造する場合には、水溶性セルロースと少量のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの界面活性剤を併用した水溶液を懸濁重合の分散剤にしたものが好ましい。
【0039】
本発明のアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子の製造方法は、前記反応容器に前記分散安定剤を溶解した水溶液を仕込み、撹拌を行いながら、常温で前記重合体化合物と前記不飽和モノマーと前記ラジカル重合開始剤と必要に応じて有機溶剤とからなる混合物を反応容器に加え、混合系が安定な油滴を形成するまで一定時間撹拌を行う。
【0040】
この際の撹拌時間は条件によって変化するものであるが、一般に15分間〜30分間である。
【0041】
混合系が安定な油滴を形成したら、撹拌を続けながら加熱を行うことによって、反応系内に存在するラジカル重合開始剤を分解させてラジカル重合を開始させるが、反応温度は使用しているラジカル重合開始剤の半減期時間が1時間程度になる反応温度が好ましい。
【0042】
より好ましくは、反応容器内温度が使用しているラジカル重合開始剤の半減期時間を2〜3時間にする温度に達した時点からその温度を一定時間保ち、その後そのラジカル重合開始剤の半減期時間を1時間程度にする温度に保つように調整することである。
【0043】
反応容器内温度をラジカル重合開始剤の半減期時間を1時間にする温度に保つ時間としては、1〜12時間が好ましい。より好ましくは、4〜10時間である。この時間が1時間以内では未反応の不飽和モノマーやラジカル重合開始剤が多く残存するために好ましくない。12時間以上では経済的理由により好ましくない。
【0044】
本発明によるアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子の製造方法における懸濁重合は、窒素ガスなどの不活性ガスの存在下で行うのが好ましい。
【0045】
この理由としては、反応系に異常な着色の発生を防いだり、ラジカル重合を安定に行うためである。
【0046】
前記工程終了後に反応容器内温度を常温程度に冷却することによって本発明のアクリル樹脂粒子の製造方法における懸濁重合過程は終了する。
【0047】
懸濁重合過程終了後、分散剤水溶液中に分散しているアクリル樹脂粒子は、ろ過工程及び水道水などによる洗浄工程を経て、湿潤状態のアクリル樹脂粒子が得られる。
【0048】
この湿潤状態のアクリル樹脂粒子は必要に応じて乾燥を行う。
【0049】
前記乾燥過程終了後のアクリル樹脂粒子は樹脂粒子同士が弱い凝集を起こしているので、弱い力で粉砕することによって簡単に凝集のないアクリル樹脂粒子を得ることが可能である。
【0050】
前記粉砕工程を経た1次アクリル樹脂粒子は必要に応じて分級を行う。
【0051】
なお、本発明のアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子の製造に際して、顔料成分、香料成分、医薬品性分、農薬、潤滑油などの粒子合成に関して、直接に関係の無い成分を不飽和モノマー成分中や分散系に加えることによって、各成分により発現される効果の担体とすることができる。
【0052】
例えば、着色顔料を加えて合成した場合には、着色された多孔質のアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子や異形のアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子が得られる。
【0053】
本発明にかかるアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子を艶消し塗料成分として用いると、従来に見られない耐傷つき性の良好な塗料、及び指で触れたときに柔らかみや温もり感を有する塗料を得ることができる。
【0054】
また、本発明にかかるアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹 脂粒子は、その形状の特異性により粒子同士の接点が点接触に近い状態で接触するため、非常にさらさらとした指触感を有している。このため、このアクリル樹脂粒子をファンデーションなどの化粧品のパウダー成分に使用した場合には、従来にないさらさらとした独特な触感が得られる。
【0055】
さらに、本発明にかかるアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子中に香料成分、医薬品成分、農薬、潤滑油などの重合過程や、重合後にアクリル樹脂粒子と共存させることにより、多孔質粒子の効果による除放性を付与でき、例えば土壌成分と混合することにより、前記除放効果により土壌改質剤として応用することが可能である。
【0056】
その他の応用としては、電子写真用トナー成分、繊維改質成分、合成皮革成分、イオン交換樹脂、液体クロマトカラム用充填剤、磨耗防止剤、潤滑剤などへの応用が可能である。
【0057】
【実施例】
以下この発明を実施例を用いて説明するが、これによって本発明を限定するものではない。
【0058】
実施例1 (有機溶剤に可溶な重合体化合物 P−2の合成)
窒素導入管、温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌装置を備えた1リットルの四つ口フラスコにトルエン400部を仕込み100℃に加熱した。
【0059】
別に調整したメタクリル酸ターシャリーブチル400部、AIBN(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル);和光純薬工業(株)製)4.0部からなる混合物を滴下ロートを用いて2時間にわたってフラスコ内に添加した。
【0060】
添加終了後20分毎に100分間にわたってAIBN0.44部、トルエン3部を合計5回添加した。
【0061】
さらに、100分にわたってフラスコ内温度を100℃に保ち、その後常温まで冷却して反応を終了し、樹脂重合体化合物P−2を得た。
【0062】
(アクリル樹脂粒子の製造)
懸濁重合に用いる分散剤水溶液として信越化学(株)製のメトローズ65SH502.5%水溶液を用いた。
【0063】
アクリル樹脂粒子組成としてメタクリル酸メチル/トリメチロールプロパントリメタクリレート/P−2/TX23−C75=30/20/5/1からなるモノマー混合物を用いた。
【0064】
ここで、、TX23−C75は化薬アクゾ(株)製の過酸化物系重合開始剤であり、飽和脂肪族炭化水素で希釈された75%希釈品である。したがって、粒子形成成分の一部に有機溶剤を含んでいる例である。
【0065】
合成手法として、撹拌機、冷却管、窒素導入管を備えたガラス製500mlの四口丸底フラスコに上記分散剤水溶液200gを仕込み、常温(25℃程度)でステンレス製の撹拌翼で強く(600RPM程度)撹拌しながら、上記モノマー混合物66gを少しずつ添加した。15分間撹拌した後に、徐々に昇温して50℃で一定に保った。50℃で30分間保った後に63℃に昇温し、4時間保った。その後、室温近くまで冷却して反応を終了した。
【0066】
反応物を大量の水で洗浄し、乾燥器を用い80℃で2時間乾燥した。乾燥物を指で解して粉末を得た。
【0067】
得られた粉末を電子顕微鏡で観察したところ、真球状のアクリル樹脂粒子であった。さらに細かく観察したところ、1マイクロメータ以下の孔が沢山あいている多孔質粒子であった。
【0068】
実施例1にかかるアクリル樹脂粒子の電子顕微鏡写真を図1、図2に示す。
【0069】
実施例2 (アクリル樹脂粒子の製造)
有機溶剤に可溶な重合体化合物は実施例1で合成したP−2を用いた。
【0070】
懸濁重合に用いる分散剤水溶液として信越化学(株)製のメトローズ65SH502.5%水溶液を用いた。
【0071】
アクリル樹脂粒子組成としてメタクリル酸ノルマルブチル/トリメチロールプロパントリメタクリレート/P−2/TX23−C75=30/20/20/1からなるモノマー混合物を用いた。
【0072】
実施例1と同様な懸濁重合法で実施例2のアクリル樹脂粒子を得た。
【0073】
得られた粉末を電子顕微鏡で観察したところ、真球状のアクリル樹脂粒子であった。さらに細かく観察したところ、1マイクロメータ以下の孔が沢山あいている多孔質粒子であった。
【0074】
実施例2にかかるアクリル樹脂粒子の電子顕微鏡写真を図3、図4に示す。
【0075】
実施例3 (アクリル樹脂粒子の製造)
有機溶剤に可溶な重合体化合物は実施例1で合成したP−2を用いた。
【0076】
懸濁重合に用いる分散剤水溶液として信越化学(株)製のメトローズ65SH502.5%水溶液を用いた。
【0077】
アクリル樹脂粒子組成としてメタクリル酸ノルマルブチル/トリメチロールプロパントリメタクリレート/P−2/TX23−C75/トルエン=30/20/20/1/10からなるモノマー混合物を用いた。
【0078】
実施例1と同様な懸濁重合法で実施例3のアクリル樹脂粒子を得た。
【0079】
得られた粉末を電子顕微鏡で観察したところ、真球状のアクリル樹脂粒子であった。さらに細かく観察したところ、1マイクロメータ以下の孔が沢山あいている多孔質粒子であった。
【0080】
実施例3にかかるアクリル樹脂粒子の電子顕微鏡写真を図5、図6に示す。
【0081】
実施例4 (有機溶剤に可溶な重合体化合物 P−3の合成)
窒素導入管、温度計、冷却管、滴下ロート、撹拌装置を備えた1リットルの四つ口フラスコにトルエン400部を仕込み、100℃に加熱した。
【0082】
別に調整したメタクリル酸メチル400部、AIBN4.0部からなる混合物を滴下ロートを用いて2時間にわたってフラスコ内に添加した。
【0083】
添加終了後20分毎に100分間にわたってAIBN0.5部、トルエン4部を合計5回添加した。
【0084】
さらに、100分間にわたってフラスコ内温度を100℃に保ち、その後常温まで冷却して反応を終了し、樹脂重合体化合物P−3を得た。
【0085】
(アクリル樹脂粒子の製造)
懸濁重合に用いる分散剤水溶液として信越化学(株)製のメトローズ65SH502.5%水溶液を用いた。
【0086】
アクリル樹脂粒子組成としてメタクリル酸メチル/トリメチロールプロパントリメタクリレート/P−3/TX23−C75=30/20/5.6/1からなるモノマー混合物を用いた。
【0087】
実施例1と同様な懸濁重合法で実施例4の樹脂粒子を得た。
【0088】
得られた粉末を電子顕微鏡で観察したところ、真球状のアクリル樹脂粒子であった。さらに細かく観察したところ、1マイクロメータ以下の孔が沢山あいている多孔質粒子であった。
【0089】
実施例4にかかるアクリル樹脂粒子の電子顕微鏡写真を図7、図8に示す。
【0090】
実施例5 (アクリル樹脂粒子の製造)
有機溶剤に可溶な重合体化合物は実施例1で合成したP−2を用いた。
【0091】
懸濁重合に用いる分散剤水溶液として信越化学(株)製のメトローズ65SH502.5%水溶液を用いた。
【0092】
アクリル樹脂粒子組成としてメタクリル酸ノルマルブチル/ジメタクリル酸エチレングリコール/P−2/TX23−C75=30/20/10/1からなるモノマー混合物を用いた。
【0093】
実施例1と同様な懸濁重合法で実施例5のアクリル樹脂粒子を得た。
【0094】
得られた粉末を電子顕微鏡で観察したところ、真球状のアクリル樹脂粒子であった。さらに細かく観察したところ、1マイクロメータ以下の孔が沢山あいている多孔質粒子であった。
【0095】
実施例3にかかるアクリル樹脂粒子の表面の電子顕微鏡写真を図9に示す。
【0096】
実施例6 (アクリル樹脂粒子の製造)
有機溶剤に可溶な重合体化合物は実施例1で合成したP−2を用いた。
【0097】
懸濁重合に用いる分散剤水溶液として信越化学(株)製のメトローズ65SH502.5%水溶液を用いた。
【0098】
アクリル樹脂粒子組成としてメタクリル酸ノルマルブチル/ジメタクリル酸エチレングリコール/P−2/TX23−C75=20/30/10/1からなるモノマー混合物を用いた。
【0099】
実施例1と同様な懸濁重合法で実施例6の樹脂粒子を得た。
【0100】
得られた粉末を電子顕微鏡で観察したところ、真球状のアクリル樹脂粒子であった。さらに細かく観察したところ、1マイクロメータ以下の孔が沢山あいている多孔質粒子であった。
【0101】
実施例6にかかるアクリル樹脂粒子の表面の電子顕微鏡写真を図10に示す。
【0102】
実施例7 (アクリル樹脂粒子の製造)
有機溶剤に可溶な重合体化合物は実施例4で合成したP−3を用いた。
【0103】
懸濁重合に用いる分散剤水溶液として信越化学(株)製のメトローズ65SH502.5%水溶液を用いた。
【0104】
アクリル樹脂粒子組成としてメタクリル酸ノルマルブチル/ジメタクリル酸エチレングリコール/P−3/TX23−C75=20/30/5/1からなるモノマー混合物を用いた。
【0105】
実施例1と同様な懸濁重合法で実施例7のアクリル樹脂粒子を得た。
【0106】
得られた粉末を電子顕微鏡で観察したところ、真球状の樹脂粒子であった。さらに細かく観察したところ、1マイクロメータ以下の孔が沢山あいている多孔質粒子であった。
【0107】
実施例7のアクリル樹脂粒子の電子顕微鏡写真を図11、図12に示す。
【0108】
実施例8 (アクリル樹脂粒子の製造)
有機溶剤に可溶な重合体化合物は実施例1で合成したP−2を用いた。
【0109】
懸濁重合に用いる分散剤水溶液として信越化学(株)製のメトローズ65SH502.5%水溶液を用いた。
【0110】
アクリル樹脂粒子組成としてメタクリル酸メチル/トリメチロールプロパントリメタクリレート/P−2/TX23−C75=30/20/20/1からなるモノマー混合物を用いた。
【0111】
実施例1と同様な懸濁重合法で実施例8のアクリル樹脂粒子を得た。
【0112】
得られた粉末を電子顕微鏡で観察したところ、ゴルフボールのような形を呈した凹凸状のアクリル樹脂粒子であった。
【0113】
実施例8の樹脂粒子の電子顕微鏡写真を図13に示す。
【0114】
実施例9 (アクリル樹脂粒子の製造)
有機溶剤に可溶な重合体化合物は実施例1で合成したP−2を用いた。
【0115】
懸濁重合に用いる分散剤水溶液として信越化学(株)製のメトローズ65SH502.5%水溶液を用いた。
【0116】
アクリル樹脂粒子組成としてメタクリル酸ノルマルブチル/ジメタクリル酸エチレングリコール/P−2/TX23−C75=20/30/20/1からなるモノマー混合物を用いた。
【0117】
実施例1と同様な懸濁重合法で実施例9のアクリル樹脂粒子を得た。得られた粉末を電子顕微鏡で観察したところ、ゴルフボールのような形を呈した凹凸状の樹脂粒子であった。実施例9にかかるアクリル樹脂粒子の電子顕微鏡写真を図14に示す。
【0118】
実施例10 (アクリル樹脂粒子の製造)
有機溶剤に可溶な重合体化合物は実施例1で合成したP−2を用いた。
【0119】
懸濁重合に用いる分散剤水溶液として信越化学(株)製のメトローズ65SH502.5%水溶液を用いた。
【0120】
アクリル樹脂粒子組成としてジメタクリル酸エチレングリコール/P−2/TX23−C75=50/10/1からなるモノマー混合物を用いた。
【0121】
実施例1と同様な懸濁重合法で実施例10のアクリル樹脂粒子を得た。得られた粉末を電子顕微鏡で観察したところ、真球状のアクリル樹脂粒子であった。さらに細かく観察したところ、1マイクロメータ以下窪みが沢山あいている凹凸状で部分的に多孔質の粒子であった。実施例10にかかるアクリル樹脂粒子の電子顕微鏡写真を図15、図16に示す。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明は、懸濁重合の進行に伴う不飽和モノマーより生成する重合体との相溶性が低下し、次第にその重合体と樹脂粒子内で相分離状態を形成する重合体化合物を用い、その懸濁重合の際における油滴状粒子内で起こる相分離機構を利用することにより、経済的な方法で多孔質のアクリル樹脂粒子や特異な凹凸状の形状を有するアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子の提供を可能にした。
【0123】
つまり、従来に比べて非常に簡便な方法で、再現性に優れ、かつ多孔質状態が粒子内部まで規則的、かつ細かくコントロールされた多孔質のアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子や凹凸状の異形のアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子を得ることを可能にした。
【0124】
したがって、従来高価であることから特殊成分として扱われ、一般への応用が困難であった分野にも広く一般にこれら多孔質のアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子や凹凸状の異形のアクリル樹脂粒子若しくはビニル芳香族樹脂粒子の非常に優れた特徴を生かした塗料、化粧品などの製品を提供できるなどの効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の樹脂粒子の電子顕微鏡写真を示す。
【図2】実施例1の樹脂粒子表面の電子顕微鏡写真を示す。
【図3】実施例2の樹脂粒子の電子顕微鏡写真を示す。
【図4】実施例2の樹脂粒子表面の電子顕微鏡写真を示す。
【図5】実施例3の樹脂粒子の電子顕微鏡写真を示す。
【図6】実施例3の樹脂粒子表面の電子顕微鏡写真を示す。
【図7】実施例4の樹脂粒子の電子顕微鏡写真を示す。
【図8】実施例4の樹脂粒子表面の電子顕微鏡写真を示す。
【図9】実施例5の樹脂粒子表面の電子顕微鏡写真を示す。
【図10】実施例6の樹脂粒子表面の電子顕微鏡写真を示す。
【図11】実施例7の樹脂粒子の電子顕微鏡写真を示す。
【図12】実施例7の樹脂粒子表面の電子顕微鏡写真を示す。
【図13】実施例8の樹脂粒子の電子顕微鏡写真を示す。
【図14】実施例9の樹脂粒子の電子顕微鏡写真を示す。
【図15】実施例10の樹脂粒子の電子顕微鏡写真を示す。
【図16】実施例10の樹脂粒子表面の電子顕微鏡写真を示す。

Claims (3)

  1. アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物から選ばれる少なくとも1種類のラジカル重合可能な不飽和モノマーとアクリル変性若しくは酸変性された塩素化ポリオレフィン系樹脂、ラジカル重合性の炭素二重結合を有する塩素化ポリオレフィン系樹脂から選ばれる少なくとも1種類の重合体化合物と少なくとも1種類のラジカル重合開始剤とを、必要に応じて少なくとも1種類の有機溶剤によって混合した混合物を得、水溶性セルロースなどの水溶性樹脂を水に溶かして得られる分散液に加え、撹拌しながら昇温する懸濁重合により得られる樹脂粒子において、
    上記重合体化合物は、上記ラジカル重合可能な不飽和モノマーとの相溶性をコントロールするため、アクリル変性若しくは酸変性された塩素化ポリオレフィン系樹脂又はラジカル重合性の炭素二重結合を有した塩素化ポリオレフィン系樹脂であって、上記ラジカル重合可能な不飽和モノマーに対しては相溶するが、上記懸濁重合の進行により上記ラジカル重合可能な不飽和モノマーが高分子化するに従って徐々にその相溶性が悪化し、次第に上記不飽和モノマーから生成した重合体と樹脂粒子内で相分離、もしくは部分的な相分離を起こす重合体化合物であり、
    この上記懸濁重合の過程における樹脂粒子内での相分離機構を利用して得られることを特徴とする表面が凸凹で内部が蟻の巣状の多孔質樹脂粒子。
  2. 請求項1に記載の多孔質樹脂粒子を用いたことを特徴とする塗料。
  3. 請求項1に記載の多孔質樹脂粒子を用いたことを特徴とする化粧品。
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