JP3612869B2 - ウエハの薬液処理装置 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路からなる半導体装置の製造に用いられるウエハの薬液処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウエハの薬液処理装置としては、ウエハ上に塗布され、パターン露光されたレジストを現像するためのレジストの現像装置が知られている。この現像装置には、一度に複数枚のウエハを処理するバッチ式のものと、ウエハを1枚ずつ処理する枚葉式のものとがある。前者のバッチ式のものとしては、複数枚のウエハをウエハカセットに収め、これらウエハをウエハカセットごと現像液中に浸漬させることにより現像を行うディップ方式の装置があり、また後者の枚葉式のものとしては、例えばウエハ上に現像液を盛り、そのウエハを静止させた状態で現像を行うパドル方式の装置が知られている。
【0003】
ところで、ウエハに形成される半導体集積回路のパターンの最小加工寸法は、年々縮小化されており、今や0.25μmに達している。よって、半導体集積回路のパターン加工を担うリソグラフィプロセスでも、ウエハ面内にて均一性良く上記寸法を達成することが必要になっている。また半導体集積回路の製造では、ウエハ1枚あたりから得られるチップ数が多い方が生産性などの点で有利であるため、ウエハを、現在主流になっている8インチから12インチへと大口径化することが予定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の現像装置は、ウエハが大口径化されると以下のような不具合が生じる。
例えばディップ方式の現像装置の場合には、ウエハが大口径化されると、現像液を満たしておく処理槽が大型化され、パドル方式の現像装置の場合には、現像処理に際してウエハの周りを囲むカップが大型化される。このため、現像装置の設置に必要な面積が増大して、現像装置を設置するクリーンルームの拡大が必要になり、クリーンルームの清浄度の維持が非常に煩雑になる。またこのことに要するコストも増大する。半導体装置の製造に用いる酸化炉などでは、このような問題を回避するために横型炉から縦型炉への転換が進みつつある。しかしながら、塗布装置や現像装置では、加熱炉に関して積層型にするなどの開発が進められているものの、処理槽などに関していまだ十分な対策が講じられていない。
【0005】
またディップ方式の現像装置では、ウエハが大口径化されるとウエハ1枚を露光処理する時間も長くなるため、複数枚のウエハをウエハカセットに収めるまでに長時間を要する。その結果、タクトタイムが非常に長くなり、かえって生産性が悪いものになる。また、複数枚のウエハをウエハカセットに収めるまでに長時間を要すると、ウエハ上に形成されているレジスト膜が化学増幅型のレジストである場合には、ウエハカセットに最初の方で収めたウエハと最後の方で収めたウエハとで反応に差が生じて、ウエハ間でパターン寸法が不均一になるおそれがある。
【0006】
パドル方式の現像装置では、枚葉処理のため、上記したディップ方式のような問題が発生せず、生産性などの点で有利である。しかしながら、ウエハが大口径になると1度に現像処理する面積が大きくなるため、現像液がウエハ上に供給されてからその現像液がウエハ全面に行き渡るまでに時間差が生じる。この結果、現像の開始時間がウエハ面内にてばらつく。例えばウエハの中心部でパターン寸法が細くなったり太くなったりという現象が生じて、ウエハ面内を均一性良く現像することが困難になる。
【0007】
また従来のパドル方式の装置では、ウエハ上に十分な量の現像液が盛られていないことがある。そのため、ウエハ上のレジスト膜が現像のローディング効果を強く受けるタイプのレジスト、例えば化学増幅型レジストである場合には、パターンの疎密差によって、設計寸法が同一のパターンであっても寸法の均一性が良好でなくなることがある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るウエハの薬液処理装置は、薬液が満たされた処理槽と、この処理槽内の薬液中に浸漬させるウエハを、その表面が処理槽内の薬液面に対して略垂直な状態で保持するための保持部と、保持部を支持し、かつこの保持部を処理槽内の薬液面に対して昇降させる昇降部と、保持部に設けられなり、かつこの保持部に保持されたウエハの上下が反転するように保持部を反転させる反転部と、昇降部による昇降と反転部による反転とを制御する制御部とを備えている。そして、保持部は、昇降部で支持されるアームと、ウエハの周縁を両側から挟み込む状態で保持するハンドとを備えるとともに、反転部は、アームと ハンドとの間に介装され、一端がハンドに固定される連結棒と、ハンドに保持されたウエハの略中心位置にて連結棒の他端をアームに接続するピンとを備えており、制御部の駆動により、ピンを中心に連結棒が回転することで、ハンドとともにウエハの上下が反転するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る薬液処理装置では、保持部に保持されたウエハの表面を処理槽内の薬液面に対して略垂直にした状態で、昇降部が保持部を薬液方向に向けて下降させる。また昇降部が、その状態で保持部を薬液中から上昇させる。よって、保持部とともにウエハが下降して、ウエハの表面全体が速やかに薬液中に浸漬され、また薬液中から保持部とともにウエハが上昇して、ウエハが速やかに引き上げられる。またウエハを下降させる際やウエハを上昇させる際に、反転部が、保持部に保持されたウエハを反転させる。この結果、ウエハが薬液に接する時点とこのウエハが薬液中から外部に臨む時点とでウエハの上下が反転される。また制御部を備えているため、このような動作が自動的に行われる。さらに、処理槽内の薬液面に対して表面が略垂直な状態でウエハが薬液中に浸漬され、引き上げられるため、処理槽の幅が非常に小さくて済むことになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るウエハの薬液処理装置およびウエハの薬液処理方法の実施の形態を図に基づいて説明する。なお、本実施形態では、レジストの現像装置および現像方法に本発明を適用した例について述べる。
図1は第1実施形態に係る現像装置を説明する図であり、(イ)は概略構成図、(ロ)は(イ)の要部拡大図である。また図1では、現像処理するウエハを保持した状態を示してある。
この現像装置1は、第1処理槽11、第2処理槽12、第3処理槽(図示略)、ウエハ2用の保持部13、保持部13を反転させる反転部14、保持部13を回動させる回動部15、保持部13を昇降させる昇降部16、昇降部16を水平移動させる水平移動部17およびこれら保持部13、反転部14、回動部15、昇降部16、水平移動部17を制御する制御部18を備えて構成されている。
【0011】
第1処理槽11は、例えば箱型の現像槽からなるもので、現像処理するウエハ2とこれを保持する保持部13とを内部に収めることができる大きさに形成されている。例えば第1処理槽11は、その高さHおよび長さLが、ウエハ2の直径より大きい寸法に形成され、幅Wが保持部2の厚みより大きい寸法に形成されている。この第1処理槽11には、薬液である現像液11aを第1処理槽11内部に供給する供給部(図示略)が接続されているとともに、第1処理槽11内の現像液11aを排出する排出部(図示略)が設けられている。
また第2処理槽12は、例えば第1処理槽11と同じ大きさの箱型のリンス槽からなるもので、第1処理槽11と同様、薬液であるリンス液12aの供給部(図示略)が接続されているとともに、リンス液12aの排出部(図示略)が設けられている。
【0012】
そして供給部によって、第1処理槽11には現像液11aが、第2処理槽12にはリンス液12aがそれぞれ満たされた状態となっている。また第1処理槽11内の現像液11aは、現像処理が行われた後、次の現像処理が行われる間に、供給部および排出部によって全部または一部が交換されるようになっており、第2処理槽12内のリンス液12aは、リンス処理中またはリンス処理が行われた後、次の現像処理が行われる間に、全部または一部が交換されるようになっている。
【0013】
また通常、現像液11aはアルカリ性であり、空気中の炭酸ガスなどの酸化性のガスによって濃度変化を起こす場合がある。よって、第1処理槽11は、その内部の現像液11aの濃度変化を防止するために、現像処理が行われない時に第1処理槽11の上部に蓋をする開閉機構(図示略)と、蓋をした状態で第1処理槽11の内部を酸化性ガスを含有しない気体で置換するパージ機構(図示略)とを備えている。
第3処理槽は、平面視略円形のスピンカップからなるもので、リンス処理後のウエハ2をスピン乾燥させるためのスピン部が設けられている。これら第1処理槽11、第2処理槽12、第3処理槽は、昇降部16の移動方向に沿って略直線状に並んで設けられているとともに、互いに近接して配置されている。
【0014】
保持部13は、現像処理するウエハ2を第1処理槽11内の現像液11aや第2処理槽12内のリンス液12aの液面に対して略垂直に保持するためのもので、アーム13a、ハンド13bおよび駆動源(図示略)とから構成される。アーム13aは例えば逆L字状をなし、その先端にハンド13bが設けられている。ハンド13bは、ウエハ2の周縁を両側から挟み込む状態で保持するものであり、駆動源の駆動によってウエハ2を保持し、またこの保持を解消するようになっている。この保持部13は、現像液11aやリンス液12aなどに対して耐薬品性を有し、しかもウエハ2との接触によりパーティクルなどが発生しにくい材料、例えばフッ素系の材料で形成されている。
上記保持部13には、反転部14と回動部15とが設けられている。
【0015】
反転部14は、ウエハ2の表面が現像液11aやリンス液12aの液面に対して略垂直に保持された状態において、そのウエハ2の上下が反転するように保持部13を反転させるためのものである。例えば図1(ロ)に示すように、連結棒14aと、ピン14bと、駆動源(図示略)とから構成されている。
連結棒14aは、保持部13のアーム13aとハンド13bとの間に介装されて、これらを連結するもので、一端がハンド13bに固定されている。また他端が、ハンド13bに保持されたウエハ2の略中心位置にて、ピン14bによりアーム13aと接続されている。なお連結棒14aの他端は、ピン14bに固定された状態になっている。駆動源は例えば回転モータからなり、この回転軸に上記ピン14bが固定されている。もしくは、上記回転軸がピン14bを兼ねたものであってもよい。またこの場合、アーム13aが例えば筒状をなしており、駆動源は外部に露出しないようアーム13aの内部に収容されている。
【0016】
この反転部14では、駆動源の駆動により回転軸が回転すると、これに伴って連結棒14aがピン14bを中心にして回転する。そして、このことによってハンド13bがピン14bを中心にして回転する。よって、ハンド13bにウエハ2が、例えば第1処理槽11内の現像液11aの液面に対して表面が略垂直となるように保持されている場合には、駆動源が駆動すると、ウエハ2の上下が反転されるようになっている。
【0017】
回動部15は、保持部13に保持されたウエハ2の表面が、第1処理槽11内の現像液11aの液面や、第2処理槽12内のリンス液12aの液面に対して略垂直になるように保持部13を回動させるものである。例えば回転モータからなり、保持部13のアーム13aの後端側に、回転モータの回転軸とアーム13aの後端とを連結した状態で設けられている。そして、回転軸の回転により、アーム13aの長さ方向を軸にして保持部13を回動させることによって、保持部13に保持されたウエハ2が回転するようになっている。なお、例えば回転モータの回転軸自身でアーム13a自体を構成することも可能である。
【0018】
昇降部16は、保持部13のアーム13aを支持するとともに、保持部13を第1処理槽11内の現像液11aの液面や、第2処理槽12内のリンス液12aの液面に対して昇降させるものである。ここでは、昇降部16は回動部15を介してアーム13aを支持しており、回動部15と保持部13とを昇降させるようになっている。また例えば昇降部16は、水平方向に対して略垂直に立設されかつ回動部15を固定したシリンダ16aと、シリンダ16aを昇降させる駆動源(図示略)とから構成されている。なお、例えば上記シリンダ16aの長さ方向に沿ってラックアンドピニオン機構のラック(図示略)を設けて、このラックに回転部14を固定し、ラックと噛み合うピニオンおよびこれを回動させる駆動源(いずれも図示略)を設けることにより、昇降部16を構成することも可能である。
【0019】
水平移動部17は、上記した昇降部16を支持しかつ水平方向に移動させるもので、例えば第1処理槽11、第2処理槽12、第3処理槽の配列方向に沿って設けられたレール17aと、レール17a上を走行する車輪および車輪を駆動する駆動源を備えた本体17bとからなっている。なお、ここでは例えばレール17aは、現像処理の前の工程、すなわちレジストのパターン露光後の熱処理(post-exposure bake;PEB)工程が行われる位置から、現像処理の次の熱処理工程が行われる位置まで設けられている。
【0020】
制御部18は、保持部13の駆動源、反転部14の駆動源、回動部15の回転モータ、昇降部16の駆動源、水平移動部17の駆動源に接続されてそれぞれを制御するものである。この制御部18による制御によって、ハンド13bによるウエハ2の保持、保持部13の回動および反転、保持部13の昇降、昇降部16の水平移動が自動的に行われるようになっている。
【0021】
次に、上記現像装置1を用いたウエハ2表面のレジストの現像方法に基づき、本発明の薬液処理方法の第1実施形態を図2を用いて説明する。
まず表面にレジストが塗布され、パターン露光、熱処理が行われたウエハ2を現像処理するにあたり、図2のステップ1(以下、ステップをSTと記す)に示すように、昇降部16を熱処理工程位置まで移動させて現像処理するウエハ2を保持部13に保持させる。なお、ウエハ2を保持させる際には、保持部13のアーム13aおよび反転部14がウエハ2の裏面側に位置するようにする。
通常、この状態では、ウエハ2の表面が第1処理槽11内の現像液11aの液面と反対の側、つまり上方向に向いている。
【0022】
次いで、第1処理槽11の位置まで昇降部16を移動させて、保持部13に保持されたウエハ2を第1処理槽11の上方に位置させる。そして、保持部13の回動によってウエハ2を回動させて、ウエハ2の表面を現像液11aの液面に対して略垂直な状態にする。またはウエハ2を回動させつつ、ウエハ2を第1処理槽11の上方に位置させる。(ST2)。
続いて、保持部13を下降させることにより、ウエハ2を現像液11aの液面に向けて下降させ、その液面に対して表面を略垂直にした状態でウエハ2を速やかに現像液11aに浸漬させて、ウエハ2の表面を処理する(ST3)。
【0023】
所定時間が経過した後、現像液11a中で、その液面に対して略垂直に保持されているウエハ2の上下を反転部14により速やかに反転させる。そして保持部13の上昇により現像液11a中のウエハ2を上昇させ、現像液11a中から速やかに引き上げる。またはウエハ2の上下を反転させつつ、ウエハ2を現像液11a中から速やかに引き上げる(ST4)。
【0024】
そして、第2処理槽12の位置まで昇降部16を移動させて、第2処理槽12の上方にウエハ2を位置させる。このとき、ウエハ2の表面は、第2処理槽12内のリンス液12aの液面に対して略垂直な状態に保持される(ST5)。
次いで、ST3と同様にしてウエハ2をリンス液12aの液面に向けて下降させ、その液面に対して略垂直にした状態でウエハ2を速やかにリンス液12a中に浸漬させて現像を停止させ、ウエハ2の表面をリンスする(ST6)。このリンス処理では、大量のリンス液12aでウエハ2をリンスした方が、ウエハ2に付着している現像液11aを確実に除去できるため、リンス液12aを高速で交換することが望ましい。
【0025】
リンスを行った後は、現像の際と同様にして、リンス液12a中で、その液面に対して略垂直に保持されているウエハ2の上下を反転部14により速やかに反転させた後、回動部15および保持部13の上昇によってウエハ2を上昇させ、リンス液12a中から速やかに引き上げる。またはウエハ2の上下を反転させつつ、ウエハ2をリンス液12a中から速やかに引き上げる(ST7)。
【0026】
次に、第3処理槽の位置まで昇降部16を移動させるとともに保持部13の回動によってウエハ2を回動させて表面を上方向に向け、スピン部上にウエハ2を載置する。
そして、スピン乾燥によりウエハ2に付着しているリンス液を除去し、乾燥させる(ST8)。
以上の工程によって、ウエハ2表面のレジストの現像処理を終了する。
【0027】
このように第1実施形態の現像方法によれば、表面を現像液11a、リンス液12aの液面に対して略垂直にしてウエハ2を現像液11a、リンス液12aに漬けるので、現像処理に際して用いる第1処理槽11、第2処理槽12の幅を非常に小さく設定することができる。この結果、従来のものに比べて設置面積の非常に小さい現像装置1を実現することができる。また、ウエハ2が大口径化されても、第1処理槽11、第2処理槽12の高さおよび長さの寸法が若干大きくなるだけで済むため、設置面積がほとんど増えない。したがって、ウエハ2の大口径化に伴う現像装置1の設置面積の増大を防止でき、このことによりクリーンルームの拡大を抑制できるので、クリーンルームの清浄度を容易に維持することができる。またそれに要するコストも削減することができる。
【0028】
また上記現像方法によれば、ウエハ2の表面を現像液11a、リンス液12aの液面に対して略垂直にした状態で、速やかに現像液11a、リンス液12aに漬けるので、ウエハ2が大口径のものであっても、ウエハ2の面内にて均一に現像を開始させ、停止させることができる。
また、現像液11a中にウエハ2を浸漬させて現像することから、ウエハ2の表面全体に十分な量の薬液が行き渡る。このため、現像処理するレジストが、表面難溶化が強く、したがって現像のローディング効果を受けやすいタイプのものであっても、パターンの疎密差の影響を受けることなく、設計寸法が同一のパターンをウエハ2の面内にて均一な寸法に現像することができる。
【0029】
さらにウエハ2が、現像液11a、リンス液12aに浸漬された時点に対して上下が反転されてこれらの液中から引き上げられるので、ウエハ2面内において現像液11a、リンス液12aに接する時間をほぼ一定にすることができる。
したがって、この現像方法によれば、ウエハ2が大口径のものであっても、現像のウエハ2面内均一性に優れたリソグラフィプロセスを実現することができる。
また第1実施形態の現像装置1にあっては、回動部15および昇降部16を備えていることから、ウエハ2の表面を現像液11a、リンス液12aの液面に対して略垂直にし、この状態でウエハ2を現像液11a、リンス液12aに速やかに浸漬させることができるとともに、反転部14を備えていることから、ウエハ2の上下を反転させて現像液11a、リンス液12a中から引き上げることができる。よって、上記した現像方法を実現することができ、しかも大口径ウエハ2であっても、第1処理槽11、第2処理槽12を従来のものに比べて設置面積の非常に小さいものとすることができるので、この現像装置1によれば、上記した現像方法と同様の効果を得ることができる。
【0030】
さらに現像装置1は、水平移動部17を備えていることから、現像、リンス、乾燥の一連の現像処理を連続して行うことができ、しかも制御部を備えているため、自動化された現像処理を実施することができる。
また現像装置1はディップ方式の装置であることから、現像液11a、リンス液12aの攪拌、温度調節、超音波発生装置などの取り付けもパドル方式のものに比べて簡単に実現することができる。またディップ方式はパドル方式に比較して、現像液11a、リンス液12aの液量が多いことから、現像装置1では現像液11a、リンス液12aの温度も容易に一定に保ことができる。さらに現像装置1はディップ方式であることから、現像中は常にレジストと現像液11aとの反応により溶出した溶出物が第1処理槽11内に残っている。このため、現像を効率良く進めることができるとともに、現像のローディング効果の低減を図ることができる。
【0031】
図3は、第1実施形態に係る現像装置1および現像方法を用いて現像処理を行った場合と、従来のパドル方式の現像装置を用いて現像処理を行った場合とのそれぞれについて、ウエハ面内均一性を調べた結果を示した図である。
ここでは、12インチのウエハ上に約0.7μmの厚みのレジスト、例えば化学増幅型レジスト膜を形成した後、12インチのウエハに対応するよう改造した縮小投影露光装置(開口数NA=0.55 レチクル照明系のNAと投影系のNAとの比σ=0.55)を利用して露光を行った。
【0032】
またパターン露光には、ロジック試作用のTEGマスクを用い、ゲートアレイ部(以下、ゲートアレイをG/Aと記す)と単体トランジスタ部(0.25μm)(以下、トランジスタをTrと記す)との寸法を、測長SEM(走査型電子顕微鏡)(加速電圧1KV)を用いて測定した。ただし、SEMにおいては12インチのウエハに対応するように改造できなかったため、ウエハを劈開して測定を行った。なお、25枚のウエハを同様に処理し、各ウエハの面内9ヵ所を測定したが、図3においてはNo.3のウエハの面内均一性と、25枚のウエハをトータルした面内均一性とを示す。
【0033】
図3から、実施形態に係る現像装置1および現像方法を用いて現像処理を行った場合には、従来のパドル方式による現像に比較して、ウエハ面内均一性良く現像を行うことができることが明らかである。また実施形態の現像処理では、従来のパドル方式による現像に比較して、パターンの疎密差の影響を受けていないことが確認される。
したがって、この結果からも明らかなように、上記実施形態に係る現像装置1および現像方法よれば、ウエハが大口径であっても、ウエハ面内にて均一性良く現像を行うことができる。
【0034】
なお、上記実施形態の現像方法において、第1処理槽11内の現像液11a、第2処理槽12内のリンス液12aの交換の際には、現像液11a、リンス液12aをオーバーフローさせることによって、その一部を交換することも可能である。特に現像液11の場合には、オーバーフローによる交換を行うと、液の濃度を一定に保ち易いという利点がある。
【0035】
また上記した現像装置1では、現像を行う第1処理槽11と、リンスを行う第2処理槽12とを1つずつ設けているが、複数の第1処理槽11、複数の第2処理槽12を直線状に近接して配置することも可能である。この場合には、直前の処理に用いた処理槽以外の処理槽で次の処理を行うようにすることができるので、現像、リンスの処理と、現像液、リンス液の交換とを効率良く行うことができ、常に現像液、リンス液を清浄に保持することができる。また、第1処理槽11、第2処理槽自体の設置面積が非常に小さくて済むため、これらを複数設けても、現像装置1の設置面積にほとんど影響がない。
【0036】
次に、この発明の第2実施形態に係る現像装置および現像方法を図4を用いて説明する。
この現像装置3において上記した現像装置1とは、保持部13の構成と反転部19の構成とが相違している。
すなわち、この反転部19を備えた現像装置3では、保持部13のアーム43が、回動部15(図1参照)を介して昇降部16に支持された第1アーム43aと、この先端に設けられた第2アーム43bとからなり、第2アーム43aの先端に現像装置1と同様のハンド13bが設けられている。そして反転部19は、第1アーム43aと第2アーム43bとを連結する回動軸19aと、回動軸19aを回動させる駆動源(図示略)とから構成されている。
【0037】
ここで、回動軸19aには第2アーム43bが固定されており、駆動源の駆動によって第2アーム43bが回動軸19aを軸にして回動するようになっている。したがって、ハンド13bにウエハ2が保持されており、このウエハ2の表面が、例えば第1処理槽11内の現像液11aの液面に対して略垂直に保持されている場合には、第2アーム43bが回動軸19aを軸にして180度回転すると、ウエハ2の上下が反転されるようになっている。
なお、回動軸19aは、ウエハ2を現像液11a、リンス液12aに浸漬させている際に、これらの液に漬からない位置に設けられていると、パーティクルの発生などの点で有利である。
【0038】
このような現像装置3を用いたウエハ2表面のレジストの現像方法では、第1実施形態の方法と同様に、ウエハ2の表面を現像液11a、リンス液12aの液面に対して略垂直にした状態でウエハ2を現像液11a、リンス液12a向けて下降させて速やかに浸漬させ、その後、ウエハ2を上昇させて引き上げる。ただし、ウエハ2を上昇させる際にウエハ2を反転させる第1実施形態の方法とは異なり、ウエハ2を下降させる際およびウエハ2を上昇させる際に、ウエハ2が現像液11aやリンス液12aに接する時点と、ウエハ2が現像液11aやリンス液12aから外部に臨む時点とでウエハ2の上下が反転するように、ウエハ2を回転させる。
【0039】
例えば、第2アーム43bを略90度回転させながらウエハ2を現像液11a、リンス液12aに浸漬させ、さらに同じ方向に第2アーム43bを略90度回転させながら現像液11a中、リンス液12a中からウエハ2を引き上げる。
このような現像方法およびこの現像方法を実現できる現像装置3によっても、ウエハ2面内において現像液11a、リンス液12aに接する時間をほぼ一定にすることができるので、ウエハ2面内均一性に優れた現像を行うことができる。また、ウエハ2の表面を現像液11a、リンス液12aの液面に対して略垂直にした状態でウエハ2の現像、リンスを行うので、大口径ウエハ2であっても、現像装置3の設置面積の増大を防止できるなど、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0040】
なお、本実施形態では、本発明を現像装置および現像方法に適用した例を述べたが、本発明はこの他、洗浄処理装置および洗浄処理方法、ウエットエッチング装置およびウエットエッチング方法など、様々な薬液処理装置および薬液処理方法に適用できるのはもちろんである。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る薬液処理装置によれば、ウエハの表面を処理槽内の薬液面に対して略垂直にした状態でウエハを薬液中に浸漬させることができ、このことにより処理槽の幅が非常に小さくて済むので、ウエハが大口径化されても設置面積の小さい現像装置を実現することができる。したがって、本発明を用いれば、クリーンルームの拡大を防止でき、クリーンルームの清浄性を容易に維持することができる。またそれに要するコストの削減を図ることができる。
またウエハの表面全体を速やかに薬液中に浸漬させ、引き上げることができるとともに、その際にウエハの上下を反転させることができるので、大口径ウエハであっても、ウエハ面内均一性に優れた現像を行うことができる。さらに制御部を備えているため、このような薬液処理を自動的に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬液処理装置の第1実施形態を説明する図であり、(イ)は概略構成図、(ロ)は(イ)の要部拡大図である。
【図2】本発明に係る薬液処理方法の第1実施形態の工程図である。
【図3】実施形態の処理と従来処理とによるウエハ面内均一性を調べた結果を示す図である。
【図4】本発明に係る薬液処理装置および薬液処理方法の第2実施形態の説明図である。
【符号の説明】
1、3 現像装置 2 ウエハ 11 第1処理槽 11a 現像液
12 第2処理槽 12a リンス液 13 保持部
14、19 反転部 15 回動部 16 昇降部 17 水平移動部 18 制御部

Claims (7)

  1. 薬液が満たされた処理槽と、
    該処理槽内の薬液中に浸漬させるウエハを、その表面が前記処理槽内の薬液面に対して略垂直な状態で保持するための保持部と、
    該保持部を支持し、かつこの保持部を前記処理槽内の薬液面に対して昇降させる昇降部と、
    前記保持部に設けられてなり、かつ該保持部に保持されたウエハの上下が反転するように前記保持部を反転させる反転部と、
    前記昇降部による昇降と前記反転部による反転とを制御する制御部とを備えたウエハの薬液処理装置であって、
    前記保持部は、前記昇降部で支持されるアームと、ウエハの周縁を両側から挟み込む状態で保持するハンドとを備えるとともに、
    前記反転部は、前記アームと前記ハンドとの間に介装され、一端が前記ハンドに固定される連結棒と、前記ハンドに保持されたウエハの略中心位置にて前記連結棒の他端を前記アームに接続するピンとを備えており、
    前記制御部の駆動により、前記ピンを中心に前記連結棒が回転することで、前記ハンドとともにウエハの上下が反転するように構成されている
    ことを特徴とするウエハの薬液処理装置。
  2. 前記昇降部を支持しかつ該昇降部を水平方向に移動させる水平移動部を備えていることを特徴とする請求項1記載のウエハの薬液処理装置。
  3. 前記保持部には、該保持部に保持されたウエハの表面が前記処理槽内の薬液面に対して略垂直になるように前記保持部を回動させる回動部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のウエハの薬液処理装置。
  4. 前記保持部には、該保持部に保持されたウエハの表面が前記処理槽内の薬液面に対して略垂直になるように前記保持部を回動させる回動部が設けられていることを特徴とする請求項2記載のウエハの薬液処理装置。
  5. 前記処理槽を複数備えており、該複数の処理槽が前記昇降部の移動方向に沿って互いに近接して配置されていることを特徴とする請求項2記載のウエハの薬液処理装置。
  6. 前記処理槽を複数備えており、該複数の処理槽が前記昇降部の移動方向に沿って互いに近接して配置されていることを特徴とする請求項3記載のウエハの薬液処理装置。
  7. 前記処理槽を複数備えており、該複数の処理槽が前記昇降部の移動方向に沿って互いに近接して配置されていることを特徴とする請求項4記載のウエハの薬液処理装置。
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