JP3612844B2 - フレーム付き大型車両における遮音構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、大型トラック等のフレーム付き大型車両における車外騒音レベルを低減するための遮音構造に関するものであり、特に車両側方および斜め後方における車外騒音を低減するための新規な遮音構造に関するものである。
【0002】
【技術分野】
車両の車外騒音は、車両の品質感を低下させる原因であると共に、大きな環境上の問題となってきていることから、近年、車外騒音レベルの一層の低減が要求されている。なかでも、大型トラック等の自動車の騒音は大きく、特に、フレーム付き自動車にあっては、その構造上、モノコック式の乗用車等に比べて、主要な騒音発生源であるエンジン系等がボデーで覆われ難いために、エンジン系の騒音が車外に放射され易く、車外騒音レベルが大きくなり易いという問題があった。
【0003】
また、本発明者が検討したところ、トラック等のフレーム付き大型車両では、エンジン系の前方はキャブによって覆われることから、車両前方での車外騒音レベルは比較的小さく、車両側方や斜め後方における車外騒音レベルが特に問題となり易いことが明らかとなった。
【0004】
なお、このような車外騒音に対処するために、従来では、エンジンだけを包囲するように遮音板で取り囲んだエンクロージャ式の遮音構造を採用した車両も知られているが、冷却のための通気性を確保するために開口部が必要となり、十分な遮音効果を得ることが難しいという問題があった。しかも、従来のエンクロージャ式の遮音構造は、キャブ下のエンジンだけを包囲するものであるために、変速機等を通じての騒音放射を抑えることが難しいという問題もあった。
【0005】
また、キャブ後方におけるフレームの車両幅方向両側部分に、変速機を含むパワーユニットを両側から挟むようにして、フレームに沿って車両前後方向に延びる遮音板を取り付けて、該遮音板の内面に吸音材を配設することにより、車両側方への騒音放射を抑えることも考えられるが、このような遮音カバーでも、未だ十分な遮音効果を得ることが難しく、特に遮音カバーが後方に向かって大きく開口するために車両斜め後方における車外騒音レベルを抑えることが難しかった。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、トラック等のフレーム付き大型車両において、車両側方や斜め後方における車外騒音レベルを効果的に抑えることの出来る、新規な遮音構造を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
そして、このような課題を解決するために、本発明の特徴とするところは、フレーム前方に配されたパワーユニットの出力を後輪に伝達するプロペラシャフトがフレーム前後方向に配されたフレーム付き大型車両における遮音構造であって、前記パワーユニットの車両幅方向両側において、内面側に吸音材を有する一対の遮音部材を車両幅方向で対向してそれぞれ車両前後方向に延びるように配設すると共に、該一対の遮音部材の少なくとも一方の内面に、フレーム後方に行くに従ってフレーム中央に近づく傾斜面を設けることにより、かかる一対の遮音部材のフレーム前方側における車両幅方向での開口寸法よりも、フレーム後方側における車両幅方向での開口寸法を小さくしたことにある。
【0008】
このような本発明に従う遮音構造においては、パワーユニットの両側が遮音部材で覆われることにより、車両側方への騒音放射が抑えられることに加えて、パワーユニットを挟んで配設された遮音部材における吸音材の対向面が、傾斜面によって、後方に行くに従って車両幅方向での対向面間距離が小さくなるテーパ状面とされていることから、かかる傾斜面の傾斜角度を調節することによって、パワーユニットから斜め後方に放射される音波の吸音材に対する入射角および反射角を調節することが出来るのであり、音波の吸音材に対する入射角および反射角を適当に調節することによって、パワーユニットから斜め後方に放射される音波を、遮音部材における吸音材に対して効率的に投射せしめ、或いは一対の車両部材における吸音材の対向面間で繰返し反射させることによって、吸音材による吸音による騒音低減効果を効果的に発揮せしめて、車両斜め後方における車外騒音を、効果的に抑えることが出来るのである。
【0009】
従って、本発明に従う遮音構造においては、車両側方だけでなく車両斜め後方への直接的な音波の放射が有利に抑えられると共に、車両斜め後方への放射騒音に対して吸音材による吸音効果が効果的に発揮されることによって、車両側方および車両斜め後方における車外騒音が極めて効果的に低減されるのである。
【0010】
なお、遮音部材は、例えばフレームに対してボルト等で固着せしめて支持させることによって、容易に取り付けることが可能である。また、吸音材としては、音圧レベルを低下させる従来から公知の各種の材質が採用され得、例えば発泡ウレタンやグラスウール,フェルト等の多孔体が好適に用いられる。また一方、吸音材にて形成される傾斜面の傾斜角度は、一対の遮音部材の対向面間距離やパワーユニットとの間隔,問題となる車外騒音の放射方向等を考慮して適宜に決定される。更に、かかる傾斜面は、吸音材にて形成された遮音部材内面に対して部分的に、また車両前後方向に断続的に或いは連続的に形成することが可能であるが、少なくとも変速機を挟んで対向位置する部分から遮音部材の後端部までを連続した傾斜面とすることが好ましく、それによって、パワーユニットから斜め後方に放射される騒音の低減効果が一層有利に発揮される。また、一対の遮音部材のうち何れか一方の側だけに傾斜面を形成することも可能であるが、両方の遮音部材に傾斜面を対向位置して形成することによって、騒音の吸音材に対する入射角および反射角をより広い範囲に亘ってチューニングすることが可能となる。更に、本発明に従う遮音構造は、従来のエンジンに対するエンクロージャ式の遮音構造等と併用することも、勿論可能である。
【0011】
また、本発明において、遮音部材の配設位置は、パワーユニットのキャブやフレーム等に対する配設位置関係等の車両本体構造や要求される遮音特性等を考慮して、適宜に決定されるものであるが、本発明の好ましい態様においては、請求項2に記載されているように、パワーユニットが、フレーム前後方向に連接されたエンジンと変速機を含んで構成されて、一対の遮音部材が、何れも、車両前後方向において少なくとも該エンジンの後部から該変速機の後端部までを覆う長さとされる。このような構造を採用すれば、車両斜め方向における騒音レベルを一層有利に抑えることが出来る。
【0012】
また、本発明において、遮音部材の取付構造は何等限定されるものでなく、フレーム形状等の車両本体構造などを考慮して適宜に決定されるものであるが、例えば、請求項3に記載されているように、一対の遮音部材が、フレームから下方につり下げられた状態で、少なくともパワーユニットの側面を下端部まで覆い得る部材幅で設けられる。このような構造を採用すれば、遮音部材を車両に対して容易に取り付けることが出来ると共に、パワーユニットからの車外騒音の直接的な放射を有利に抑えることが出来る。
【0013】
また、本発明において、遮音部材の具体的構造は特に限定されるものでないが、例えば、請求項4に記載されているように、遮音部材が、フレームに沿って車両前後方向に配設された遮音板と、該遮音板の内面側に固着された吸音材とによって構成せしめられ、該吸音材の厚さ寸法が車両後方に行くに従って大きくされることによって傾斜面が形成される。このような構造を採用すれば、吸音材が内面に固着された遮音板をフレームに沿って配設してボルト等で取り付けることにより、吸音部材を車両に対して容易に装着することが出来るといった利点がある。なお、遮音板の内面に略一定の厚さ寸法をもって吸音材が設けられた遮音部材を用い、遮音板と吸音材の両者が共にフレームに対して傾斜するようにして取り付けることにより傾斜面を形成することも、勿論、可能である。
【0014】
また、本発明において、好ましくは、請求項5に記載されているように、遮音部材の下辺部内面が、フレーム中央側に向かって湾曲乃至は屈曲せしめられる。このような構造を採用すれば、遮音部材の下辺部内面によって、パワーユニットの側部斜め下方が包み込まれるようにされることから、遮音部材の下方からの騒音の放射が低減されてより一層の遮音効果の向上が図られ得る。
【0015】
また、本発明においては、請求項6に記載れているように、パワーユニットの上方および下方において、それぞれ内面側に吸音材を有する上遮音部材および下遮音部材を配設せしめて、これら上下遮音部材により、前記一対の遮音部材の上側及び下側の開口部を覆うようにすることも可能である。このような構造を採用すれば、遮音部材の上方および下方からの騒音の放射が抑えられてより一層の遮音効果の向上が図られ得る。なお、上下遮音部材は、必ずしも、前記一対の遮音部材の上側及び下側の開口部の全長に亘って設ける必要はない。また、上遮音部材および下遮音部材の何れか一方だけを採用することも、可能である。
【0016】
また、本発明においては、一対の遮音部材において、一方の遮音部材を他方の遮音部材よりもフレーム後方に延長せしめることも可能である。このような構造を採用すれば、短い遮音部材が配された側から騒音を逃がすことにより、長い遮音部材が配された側に放射される車外騒音レベルを抑えることが出来るのであり、例えば、我国のように左側通行の場合に、車両左側の遮音部材を右側の遮音部材よりも後方に延長することによって、発生騒音を車道側に逃がして沿道側に放射される騒音レベルを抑えることが可能となる。
【0017】
また、本発明においては、遮音部材における傾斜面を、フレームの前後方向で傾斜角度が変化するように湾曲乃至は屈曲せしめるようにしても良い。このような湾曲面乃至は屈曲面によって傾斜面を構成することにより、傾斜面の傾斜角度を、全体としての傾斜角度に対して、部分的に変更することが出来、車両中心線に対する傾斜面の傾斜角度を部分的に大きくすることによって、パワーユニットから斜め後方に放射される音波の吸音材に対する入射角および反射角を、より広い範囲に亘って調節することが可能となり、大きなチューニング自由度が確保されるのである。
【0018】
【発明の具体的構成・実施例】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0019】
先ず、図1及び図2には、FR(フロントエンジンリヤドライブ)型の大型トラックに対して本発明を適用した、本発明の第一実施例としての遮音構造の概略構成が示されている。これらの図において、10は、フレームであり、左右のサイドレール12,14と、前中後の三本のクロスメンバ16,18,20が、リベットや溶接等によって互いに固着されて全体として一体的に組み上げられた、公知のはしご型構造を有している。そして、パワーユニット22が、前クロスメンバ16上に載置されて支持されており、このパワーユニット22からの出力が、中クロスメンバ18の下方に配設されたプロペラシャフト24を介して終減速装置26から後輪に伝達されるようになっている。なお、図中、27は等速ジョイントである。また、図2に仮想線で示されているように、このようなフレーム10に対して、キャブ28や荷台30等が架装されると共に、図示しないサスペンション機構を介して車輪32が懸架されることとなる。
【0020】
パワーユニット22は、エンジン34と変速機36がフレーム前後方向に直列的に連接された構造とされており、フレーム10の前クロスメンバ16上で左右方向中央に位置して支持せしめられている。また、このパワーユニット22は、エンジン34の上方と前方および側方が、キャブ28によって略覆われるようになっていると共に、変速機36が、フレーム10のサイドレール12,14よりも下方にまで垂れ下がった状態で、キャブ28から後方に突出して位置せしめられている。
【0021】
そして、パワーユニット22の車両幅方向に挟んだ両側には、左遮音部材38と右遮音部材40が配設されており、互いに所定距離を隔てて対向配置せしめられている。これらの遮音部材38,40は、図3に示されているように、何れも、薄板状の遮音板42に対して、その内面に吸音材44が固着された構造とされている。
【0022】
遮音板42は、長手平板形状の竪板部46と、該竪板部46の下辺部から略直角に立ち上がる屈曲板部48を有していると共に、竪板部46の上辺部の複数箇所(前端部,中央及び後端部の三箇所)には、ボルト挿通孔が設けられた取付板部50が一体形成されている。また、吸音材44は、各遮音板42の竪板部46と屈曲板部48の内面を略全面に亘って覆うようにして、遮音板42に接着されている。
【0023】
そして、これらの遮音板42,42は、それぞれ取付板部50においてフレーム10にボルト固定されることにより、フレーム10の幅方向両側に取り付けられており、それによって、各竪板部46がフレーム10から略鉛直下方に垂れ下がり、フレーム10の左右サイドレール12,14に略沿うようにして車両前後方向に延びて位置せしめられていると共に、各屈曲板部48がフレーム10の中央側に向かって内方に延びて位置せしめられている。また、遮音板42,42における竪壁部46,46は、エンジン34の略前端部から変速機36の後端部を越えてプロペラシャフト24にまで至る部分を車両幅方向で挟んで対向位置せしめられる長さ:Lを有していると共に、前クロスメンバ16が障害にならないエンジン34の後部から車両後側においては、パワーユニット22の下端位置までを覆う幅寸法:Bを有している。なお、屈曲板部48は、前クロスメンバ16よりも車両後側に位置する部分の略全長に亘って設けられており、パワーユニット22の側部斜め下方を車両幅方向両側から包み込むようにして位置せしめられている。
【0024】
なお、遮音板42の材質は、車両走行時の風圧や道路からの飛散物およびエンジン発熱等に耐えて一定形状を保持しつつ、吸音材44を支持せしめ得る剛性や耐久性等を有するものであれば、特に限定されるものでなく、例えば鉄鋼等の金属材料や合成樹脂材料等が適宜に採用され得る。また、吸音材44も、耐熱性や耐候性等を考慮して、グラスウール等、入射される音圧レベルを低下させる各種の材質が採用され得る。
【0025】
さらに、左右の遮音部材38,40は、それぞれ、図1に示されているように、平面形態において、長手方向中間部分で屈曲乃至は湾曲せしめられており、後側部分が所定長さに亘って、フレーム中央側に向かって互いに接近する方向に傾斜して配設されている。即ち、左右の遮音部材38,40は、相互に対称な略「く」字形の平面形状を有しており、フレーム10に取り付けられた状態下で、エンジン34の両側に位置せしめられる部分が、フレーム10のサイドレール12,14に沿って配設されて、対向内面が車両前後方向に延びる平行面52,52とされた平行部分54,54とされていると共に、変速機36およびプロペラシャフト24の両側に位置せしめられる部分が、フレーム10のサイドレール12,14から中クロスメンバ18の中間部分に向かって互いに接近する方向に延びて配設されて、対向内面が車両前後方向に対して傾斜した傾斜面56,56とされた傾斜部分58,58とされている。
【0026】
これによって、左右の遮音部材38,40は、車両幅方向で対向位置せしめられた傾斜面56,56が、パワーユニット22の後方側で狭まるテーパ状とされて、パワーユニット22の斜め後方を幅方向両側から包み込むように位置せしめられており、遮音部材38,40の対向面間距離が、車両前方開口寸法:Xよりも車両後方開口寸法:Yの方において小さくされている。
【0027】
上述の如き構造とされた遮音部材38,40にあっては、傾斜面56,56によって後方の開口寸法:Yが小さくされていることから、図4に示されているように、パワーユニット22から斜め後方に放射される音波:QA が遮音部材38,40の内面に当たり易くなって、斜め後方に向かって直接に放射される車外騒音が低減されるのであり、吸音材44による吸音効果が有効に発揮されて、車両斜め後方における車外騒音が効果的に低減され得る。なお、遮音部材38,40に対して傾斜面を設けない場合を、比較例として、図5に示すが、図4及び図5からも、車両斜め後方に放射された音波:QA の車外への直接的な放射が傾斜面56,56によって低減されることが理解されるところである。
【0028】
また、吸音材44は、図6に示されている如く、入射される音波の一部を隙間の粘性や熱伝導の作用等で弱めて吸収する一方、吸収音および透過音以外の入射音を反射して反射音を生ずるが、上述の如く、遮音部材38,40に傾斜面56,56を設けることによって、図4に示されているように、パワーユニット22から斜め後方に放射された音波:QB の遮音部材38,40内面に対する入射角度(傾斜面56の法線と入射方向線のなす角)が小さくされることに加えて、遮音部材38,40の対向面間距離も小さくされることから、一方の遮音部材38(40)の内面で反射された反射音が対向位置する他方の遮音部材40(38)の内面に当たり易くなり、両遮音部材38,40の対向面に対する音波の打ち当たり回数が有利に確保される。その結果、パワーユニット22から斜め後方に放射された音波に対して、吸音材44による吸音効果が効果的に発揮されて、最終的に両遮音部材38,40の後方開口部から車外に放射される騒音レベルを十分に低く抑えることが出来るのである。なお、図5に示された比較例と、図4に示された本実施例とを比較することによっても、車両斜め後方に放射された音波:QB の吸音材44への入射回数が増加せしめられて、吸音材44による吸音作用に基づく車外騒音レベルの低減効果の向上が有利に図られ得ることが理解されるところである。
【0029】
なお、遮音部材38,40における傾斜面56の傾斜角度は、特に限定されるものでなく、パワーユニット22の大きさや形式,主たる騒音発生位置,問題となる車外騒音の放射方向等を考慮して、要求される遮音効果が有利に発揮されるように、適宜に決定されることとなるが、好ましくは、少なくとも変速機36の中央部分から後端部にまで至る部分において、車両中心線に対する傾斜角度:αが5〜20度となるように設定される。また、遮音部材38,40における開口寸法:X,Yの具体的数値も、同様に、特に限定されるものでないが、好ましくは、Y/Xの値が、0.5≦Y/X≦0.9となるように設定される。けだし、このような傾斜角度:α、或いは開口寸法:X,Yを採用することによって、何れも、パワーユニットから斜め後方に放射される音波の直接的な車外放射の抑制効果と、一対の遮音部材の対向面間での繰返し反射による吸音効果とが、より一層有効に発揮されて、極めて優れた遮音効果を得ることが出来るのである。
【0030】
次に、図7〜9には本発明の第二実施例が、図10〜11には本発明の第三実施例が、また図12〜13には本発明の第四実施例が、それぞれ示されている。なお、これら第二〜四実施例において、前記第一実施例と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第一実施例と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0031】
先ず、図7〜9に示された本発明の第二の実施例としての遮音構造においては、左右遮音部材38,40における各遮音板42の竪板部46が、何れも、フレーム10における左右のサイドレール12,14に沿って前後方向に直線的に延びる平板形状をもって形成されている。そして、この竪板部46の内面に固着された吸音材44の肉厚寸法が、変速機36の側方から後端部にかけて車両前後方向で変化せしめられており、この吸音材44の内面によって、全体として車両後方に行くに従ってフレーム中央側に向かう傾斜面56が構成されている。なお、竪板部46の下辺部には、吸音材44の底部を支持せしめる支持板部60が屈曲形成されている。
【0032】
また、吸音材44の内面によって構成された傾斜面56は、後側端部の所定長さに亘って部分的に、車両前後方向において波を打ったように湾曲されており、かかる湾曲部位において、傾斜面56の傾斜角度:αが部分的に変化せしめられている。
【0033】
このような構造とされた本実施例の遮音構造においても、第一実施例と同様な遮音効果が有効に発揮されるのであり、また、特に本実施例では、傾斜面56の傾斜角度が部分的に変化せしめられて、傾斜面56の全体としての傾斜角度よりも大きな傾斜角度が部分的に付与されていることから、この傾斜角度が大きくされた部分において、パワーユニット22から放射される音波の吸音材44への入射角度が一層大きくなって、両傾斜面56,56間での音波の打ち当たり回数が多くされて吸音材44による吸音効果が一層有利に確保されると共に、音波を車両前方側に拡散させることによって車両斜め後方における騒音レベルの一層の低減を図ることも可能となる。
【0034】
図10〜11に示された本発明の第三の実施例としての遮音構造においては、パワーユニット22の両側および下側を覆うように配設された第一の遮音部材62と、パワーユニット22の上側を覆うように配設された第二の遮音部材64を備えている。なお、これらの遮音部材62,64は、何れも、第一実施例における左右遮音部材と同様、剛性材料からなる遮音板66の内面の略全面に亘って吸音材68が略一定厚さで固着された構造とされている。
【0035】
また、第一の遮音部材62は、平板状体の両サイドを屈曲させて立ち上げた形状を有しており、中央平板部分によってパワーユニット22の下側に配設される下遮音部70が構成されていると共に、両サイドの立ち上げ部分によってパワーユニット22の両側に配設される一対の左右遮音部72,74が構成されている。なお、下遮音部70は、左右遮音部72,74の傾斜面に対応する後側部分が、車両後方に向かってフレーム10側(鉛直上方)に傾斜せしめられており、かかる下遮音部70の内面を構成する吸音材68の表面が、後方に向かって上傾した傾斜面とされている。
【0036】
また一方、第二の遮音部材64は、中央部分が上方に湾曲された略平板形状を有しており、フレーム10の左右サイドレール12,14巻に跨がってフレーム10上に固着されることにより、エンジン34の後側部分から変速機36の後端部にまで至るパワーユニット22上に配設されている。なお、パワーユニット22の上方を覆うように位置せしめられる第二の遮音部材64の中央部分は、車両後方に向かってフレーム10側(鉛直下方)に傾斜されており、かかる第二の遮音部材64の内面を構成する吸音材68の表面が、後方に向かって下傾した傾斜面とされている。
【0037】
すなわち、本実施例の遮音構造においては、第一実施例における左右遮音部材の上下開口部分が、第一の遮音部材62の下遮音部74と第二の遮音部材64とによって覆蓋されているのであり、それ故、これら上下開口部分を通じての直接的な音波の外部への漏れが抑えられて、車外騒音が一層有利に低減されるのである。
【0038】
また、特に本実施例では、車両上下方向でパワーユニット22を挟んで対向位置せしめられた下遮音部74および第二の遮音部材64における内面が、それぞれ、車両後方に行くに従って対向面間距離が小さくなる傾斜面とされていることから、パワーユニット22で発生する音波の、これら下遮音部74および第二の遮音部材64に対する入射角度も小さくされて、吸音材68,68による吸音効果が有利に発揮されることとなる。なお、パワーユニット22の上方を覆う第二の遮音部材64は、下遮音部74に比べて車両後側の長さが短いが、第二の遮音部材64の後方においては、フレーム10に架装される荷台等によって遮音板を構成することが可能である。
【0039】
図12〜13に示された本発明の第四の実施例としての遮音構造においては、右遮音部材40が、全長に亘って、フレーム10の右サイドレール14に沿って直線的に延びる平板形状とされていると共に、車両前後方向での右遮音部材40の長さが左遮音部材38よりも短くされている。また、左遮音部材38は、傾斜部分58の車両中心線に対する傾斜角度:αが、第一実施例よりも比較的大きく設定されている。
【0040】
すなわち、このような本実施例の遮音構造においては、車両幅方向で対向配置された左右遮音部材38,40が、車両後側において右斜め後方に開口せしめられていることから、パワーユニット22で発生する音波が車両右斜め後方に導かれて車外に放射されることとなり、それによって車両左側の車外騒音が軽減されることから、特に、左側通行の日本等の場合に、沿道騒音が有利に抑えられるといった利点がある。
【0041】
しかも、本実施例では、左遮音部材38における傾斜部分58の車両中心線に対する傾斜角度が大きく設定されていることから、パワーユニット22で発生する音波の車両左斜め後方への直接的な放射がより有効に防止されると共に、パワーユニット22で発生する音波が、車両右斜め後方に向かって一層有利に導かれることとなり、車両左側の車外騒音がより効果的に低減されるのである。
【0042】
以上、本発明の実施例について詳述してきたが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、これらの具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0043】
例えば、前記実施例では、はしご型フレーム構造が採用されていたが、本発明は、各種のフレーム構造の車両に対して、何れも適用可能である。
【0044】
また、本発明においては、エンジンだけを包囲するように遮音板で取り囲んだエンクロージャ式の遮音構造を併せて併用することも可能であり、その場合等においては、エンジンの側方に遮音部材を配設することなく、変速機等のパワーユニット後部の側方だけを覆うように一対の遮音部材を配するようにしても良い。
【0045】
更にまた、本発明は、フロントエンジンの後輪駆動車の他、センタエンジン構造の車両や総輪駆動の車両等にも、適用可能である。
【0046】
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0047】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた遮音構造においては、パワーユニットの両側を覆う遮音部材の内面が傾斜面とされていることから、パワーユニットから斜め後方に放射される音波を、該傾斜面を構成する吸音材に対して効率的に投射せしめ、或いは一対の遮音部材における吸音材の対向面間で繰返し反射させることによって、吸音材による吸音作用を有効に発揮させることが出来るのであり、それによって、車両側方だけでなく車両斜め後方における車外騒音が効果的に低減され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例としての遮音構造を概略的に示す平面図である。
【図2】図1に示された遮音構造の正面図である。
【図3】図1における III−III 断面図である。
【図4】図1に示された遮音構造の作用を説明するためのモデル平面図である。
【図5】比較例としての遮音構造を示すモデル平面図である。
【図6】音波に対する吸音材の作用を示す説明図である。
【図7】本発明の第二実施例としての遮音構造を概略的に示す平面図である。
【図8】図7に示された遮音構造の正面図である。
【図9】図7におけるIX−IX断面図である。
【図10】本発明の第三実施例としての遮音構造を概略的に示す平面図である。
【図11】図10に示された遮音構造の正面図である。
【図12】本発明の第四実施例としての遮音構造を概略的に示す平面図である。
【図13】図12に示された遮音構造の正面図である。
【符号の説明】
10 フレーム
22 パワーユニット
34 エンジン
36 変速機
38 左遮音部材
40 右遮音部材
42 遮音板
44 吸音材
56 傾斜面
【技術分野】
本発明は、大型トラック等のフレーム付き大型車両における車外騒音レベルを低減するための遮音構造に関するものであり、特に車両側方および斜め後方における車外騒音を低減するための新規な遮音構造に関するものである。
【0002】
【技術分野】
車両の車外騒音は、車両の品質感を低下させる原因であると共に、大きな環境上の問題となってきていることから、近年、車外騒音レベルの一層の低減が要求されている。なかでも、大型トラック等の自動車の騒音は大きく、特に、フレーム付き自動車にあっては、その構造上、モノコック式の乗用車等に比べて、主要な騒音発生源であるエンジン系等がボデーで覆われ難いために、エンジン系の騒音が車外に放射され易く、車外騒音レベルが大きくなり易いという問題があった。
【0003】
また、本発明者が検討したところ、トラック等のフレーム付き大型車両では、エンジン系の前方はキャブによって覆われることから、車両前方での車外騒音レベルは比較的小さく、車両側方や斜め後方における車外騒音レベルが特に問題となり易いことが明らかとなった。
【0004】
なお、このような車外騒音に対処するために、従来では、エンジンだけを包囲するように遮音板で取り囲んだエンクロージャ式の遮音構造を採用した車両も知られているが、冷却のための通気性を確保するために開口部が必要となり、十分な遮音効果を得ることが難しいという問題があった。しかも、従来のエンクロージャ式の遮音構造は、キャブ下のエンジンだけを包囲するものであるために、変速機等を通じての騒音放射を抑えることが難しいという問題もあった。
【0005】
また、キャブ後方におけるフレームの車両幅方向両側部分に、変速機を含むパワーユニットを両側から挟むようにして、フレームに沿って車両前後方向に延びる遮音板を取り付けて、該遮音板の内面に吸音材を配設することにより、車両側方への騒音放射を抑えることも考えられるが、このような遮音カバーでも、未だ十分な遮音効果を得ることが難しく、特に遮音カバーが後方に向かって大きく開口するために車両斜め後方における車外騒音レベルを抑えることが難しかった。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、トラック等のフレーム付き大型車両において、車両側方や斜め後方における車外騒音レベルを効果的に抑えることの出来る、新規な遮音構造を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
そして、このような課題を解決するために、本発明の特徴とするところは、フレーム前方に配されたパワーユニットの出力を後輪に伝達するプロペラシャフトがフレーム前後方向に配されたフレーム付き大型車両における遮音構造であって、前記パワーユニットの車両幅方向両側において、内面側に吸音材を有する一対の遮音部材を車両幅方向で対向してそれぞれ車両前後方向に延びるように配設すると共に、該一対の遮音部材の少なくとも一方の内面に、フレーム後方に行くに従ってフレーム中央に近づく傾斜面を設けることにより、かかる一対の遮音部材のフレーム前方側における車両幅方向での開口寸法よりも、フレーム後方側における車両幅方向での開口寸法を小さくしたことにある。
【0008】
このような本発明に従う遮音構造においては、パワーユニットの両側が遮音部材で覆われることにより、車両側方への騒音放射が抑えられることに加えて、パワーユニットを挟んで配設された遮音部材における吸音材の対向面が、傾斜面によって、後方に行くに従って車両幅方向での対向面間距離が小さくなるテーパ状面とされていることから、かかる傾斜面の傾斜角度を調節することによって、パワーユニットから斜め後方に放射される音波の吸音材に対する入射角および反射角を調節することが出来るのであり、音波の吸音材に対する入射角および反射角を適当に調節することによって、パワーユニットから斜め後方に放射される音波を、遮音部材における吸音材に対して効率的に投射せしめ、或いは一対の車両部材における吸音材の対向面間で繰返し反射させることによって、吸音材による吸音による騒音低減効果を効果的に発揮せしめて、車両斜め後方における車外騒音を、効果的に抑えることが出来るのである。
【0009】
従って、本発明に従う遮音構造においては、車両側方だけでなく車両斜め後方への直接的な音波の放射が有利に抑えられると共に、車両斜め後方への放射騒音に対して吸音材による吸音効果が効果的に発揮されることによって、車両側方および車両斜め後方における車外騒音が極めて効果的に低減されるのである。
【0010】
なお、遮音部材は、例えばフレームに対してボルト等で固着せしめて支持させることによって、容易に取り付けることが可能である。また、吸音材としては、音圧レベルを低下させる従来から公知の各種の材質が採用され得、例えば発泡ウレタンやグラスウール,フェルト等の多孔体が好適に用いられる。また一方、吸音材にて形成される傾斜面の傾斜角度は、一対の遮音部材の対向面間距離やパワーユニットとの間隔,問題となる車外騒音の放射方向等を考慮して適宜に決定される。更に、かかる傾斜面は、吸音材にて形成された遮音部材内面に対して部分的に、また車両前後方向に断続的に或いは連続的に形成することが可能であるが、少なくとも変速機を挟んで対向位置する部分から遮音部材の後端部までを連続した傾斜面とすることが好ましく、それによって、パワーユニットから斜め後方に放射される騒音の低減効果が一層有利に発揮される。また、一対の遮音部材のうち何れか一方の側だけに傾斜面を形成することも可能であるが、両方の遮音部材に傾斜面を対向位置して形成することによって、騒音の吸音材に対する入射角および反射角をより広い範囲に亘ってチューニングすることが可能となる。更に、本発明に従う遮音構造は、従来のエンジンに対するエンクロージャ式の遮音構造等と併用することも、勿論可能である。
【0011】
また、本発明において、遮音部材の配設位置は、パワーユニットのキャブやフレーム等に対する配設位置関係等の車両本体構造や要求される遮音特性等を考慮して、適宜に決定されるものであるが、本発明の好ましい態様においては、請求項2に記載されているように、パワーユニットが、フレーム前後方向に連接されたエンジンと変速機を含んで構成されて、一対の遮音部材が、何れも、車両前後方向において少なくとも該エンジンの後部から該変速機の後端部までを覆う長さとされる。このような構造を採用すれば、車両斜め方向における騒音レベルを一層有利に抑えることが出来る。
【0012】
また、本発明において、遮音部材の取付構造は何等限定されるものでなく、フレーム形状等の車両本体構造などを考慮して適宜に決定されるものであるが、例えば、請求項3に記載されているように、一対の遮音部材が、フレームから下方につり下げられた状態で、少なくともパワーユニットの側面を下端部まで覆い得る部材幅で設けられる。このような構造を採用すれば、遮音部材を車両に対して容易に取り付けることが出来ると共に、パワーユニットからの車外騒音の直接的な放射を有利に抑えることが出来る。
【0013】
また、本発明において、遮音部材の具体的構造は特に限定されるものでないが、例えば、請求項4に記載されているように、遮音部材が、フレームに沿って車両前後方向に配設された遮音板と、該遮音板の内面側に固着された吸音材とによって構成せしめられ、該吸音材の厚さ寸法が車両後方に行くに従って大きくされることによって傾斜面が形成される。このような構造を採用すれば、吸音材が内面に固着された遮音板をフレームに沿って配設してボルト等で取り付けることにより、吸音部材を車両に対して容易に装着することが出来るといった利点がある。なお、遮音板の内面に略一定の厚さ寸法をもって吸音材が設けられた遮音部材を用い、遮音板と吸音材の両者が共にフレームに対して傾斜するようにして取り付けることにより傾斜面を形成することも、勿論、可能である。
【0014】
また、本発明において、好ましくは、請求項5に記載されているように、遮音部材の下辺部内面が、フレーム中央側に向かって湾曲乃至は屈曲せしめられる。このような構造を採用すれば、遮音部材の下辺部内面によって、パワーユニットの側部斜め下方が包み込まれるようにされることから、遮音部材の下方からの騒音の放射が低減されてより一層の遮音効果の向上が図られ得る。
【0015】
また、本発明においては、請求項6に記載れているように、パワーユニットの上方および下方において、それぞれ内面側に吸音材を有する上遮音部材および下遮音部材を配設せしめて、これら上下遮音部材により、前記一対の遮音部材の上側及び下側の開口部を覆うようにすることも可能である。このような構造を採用すれば、遮音部材の上方および下方からの騒音の放射が抑えられてより一層の遮音効果の向上が図られ得る。なお、上下遮音部材は、必ずしも、前記一対の遮音部材の上側及び下側の開口部の全長に亘って設ける必要はない。また、上遮音部材および下遮音部材の何れか一方だけを採用することも、可能である。
【0016】
また、本発明においては、一対の遮音部材において、一方の遮音部材を他方の遮音部材よりもフレーム後方に延長せしめることも可能である。このような構造を採用すれば、短い遮音部材が配された側から騒音を逃がすことにより、長い遮音部材が配された側に放射される車外騒音レベルを抑えることが出来るのであり、例えば、我国のように左側通行の場合に、車両左側の遮音部材を右側の遮音部材よりも後方に延長することによって、発生騒音を車道側に逃がして沿道側に放射される騒音レベルを抑えることが可能となる。
【0017】
また、本発明においては、遮音部材における傾斜面を、フレームの前後方向で傾斜角度が変化するように湾曲乃至は屈曲せしめるようにしても良い。このような湾曲面乃至は屈曲面によって傾斜面を構成することにより、傾斜面の傾斜角度を、全体としての傾斜角度に対して、部分的に変更することが出来、車両中心線に対する傾斜面の傾斜角度を部分的に大きくすることによって、パワーユニットから斜め後方に放射される音波の吸音材に対する入射角および反射角を、より広い範囲に亘って調節することが可能となり、大きなチューニング自由度が確保されるのである。
【0018】
【発明の具体的構成・実施例】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0019】
先ず、図1及び図2には、FR(フロントエンジンリヤドライブ)型の大型トラックに対して本発明を適用した、本発明の第一実施例としての遮音構造の概略構成が示されている。これらの図において、10は、フレームであり、左右のサイドレール12,14と、前中後の三本のクロスメンバ16,18,20が、リベットや溶接等によって互いに固着されて全体として一体的に組み上げられた、公知のはしご型構造を有している。そして、パワーユニット22が、前クロスメンバ16上に載置されて支持されており、このパワーユニット22からの出力が、中クロスメンバ18の下方に配設されたプロペラシャフト24を介して終減速装置26から後輪に伝達されるようになっている。なお、図中、27は等速ジョイントである。また、図2に仮想線で示されているように、このようなフレーム10に対して、キャブ28や荷台30等が架装されると共に、図示しないサスペンション機構を介して車輪32が懸架されることとなる。
【0020】
パワーユニット22は、エンジン34と変速機36がフレーム前後方向に直列的に連接された構造とされており、フレーム10の前クロスメンバ16上で左右方向中央に位置して支持せしめられている。また、このパワーユニット22は、エンジン34の上方と前方および側方が、キャブ28によって略覆われるようになっていると共に、変速機36が、フレーム10のサイドレール12,14よりも下方にまで垂れ下がった状態で、キャブ28から後方に突出して位置せしめられている。
【0021】
そして、パワーユニット22の車両幅方向に挟んだ両側には、左遮音部材38と右遮音部材40が配設されており、互いに所定距離を隔てて対向配置せしめられている。これらの遮音部材38,40は、図3に示されているように、何れも、薄板状の遮音板42に対して、その内面に吸音材44が固着された構造とされている。
【0022】
遮音板42は、長手平板形状の竪板部46と、該竪板部46の下辺部から略直角に立ち上がる屈曲板部48を有していると共に、竪板部46の上辺部の複数箇所(前端部,中央及び後端部の三箇所)には、ボルト挿通孔が設けられた取付板部50が一体形成されている。また、吸音材44は、各遮音板42の竪板部46と屈曲板部48の内面を略全面に亘って覆うようにして、遮音板42に接着されている。
【0023】
そして、これらの遮音板42,42は、それぞれ取付板部50においてフレーム10にボルト固定されることにより、フレーム10の幅方向両側に取り付けられており、それによって、各竪板部46がフレーム10から略鉛直下方に垂れ下がり、フレーム10の左右サイドレール12,14に略沿うようにして車両前後方向に延びて位置せしめられていると共に、各屈曲板部48がフレーム10の中央側に向かって内方に延びて位置せしめられている。また、遮音板42,42における竪壁部46,46は、エンジン34の略前端部から変速機36の後端部を越えてプロペラシャフト24にまで至る部分を車両幅方向で挟んで対向位置せしめられる長さ:Lを有していると共に、前クロスメンバ16が障害にならないエンジン34の後部から車両後側においては、パワーユニット22の下端位置までを覆う幅寸法:Bを有している。なお、屈曲板部48は、前クロスメンバ16よりも車両後側に位置する部分の略全長に亘って設けられており、パワーユニット22の側部斜め下方を車両幅方向両側から包み込むようにして位置せしめられている。
【0024】
なお、遮音板42の材質は、車両走行時の風圧や道路からの飛散物およびエンジン発熱等に耐えて一定形状を保持しつつ、吸音材44を支持せしめ得る剛性や耐久性等を有するものであれば、特に限定されるものでなく、例えば鉄鋼等の金属材料や合成樹脂材料等が適宜に採用され得る。また、吸音材44も、耐熱性や耐候性等を考慮して、グラスウール等、入射される音圧レベルを低下させる各種の材質が採用され得る。
【0025】
さらに、左右の遮音部材38,40は、それぞれ、図1に示されているように、平面形態において、長手方向中間部分で屈曲乃至は湾曲せしめられており、後側部分が所定長さに亘って、フレーム中央側に向かって互いに接近する方向に傾斜して配設されている。即ち、左右の遮音部材38,40は、相互に対称な略「く」字形の平面形状を有しており、フレーム10に取り付けられた状態下で、エンジン34の両側に位置せしめられる部分が、フレーム10のサイドレール12,14に沿って配設されて、対向内面が車両前後方向に延びる平行面52,52とされた平行部分54,54とされていると共に、変速機36およびプロペラシャフト24の両側に位置せしめられる部分が、フレーム10のサイドレール12,14から中クロスメンバ18の中間部分に向かって互いに接近する方向に延びて配設されて、対向内面が車両前後方向に対して傾斜した傾斜面56,56とされた傾斜部分58,58とされている。
【0026】
これによって、左右の遮音部材38,40は、車両幅方向で対向位置せしめられた傾斜面56,56が、パワーユニット22の後方側で狭まるテーパ状とされて、パワーユニット22の斜め後方を幅方向両側から包み込むように位置せしめられており、遮音部材38,40の対向面間距離が、車両前方開口寸法:Xよりも車両後方開口寸法:Yの方において小さくされている。
【0027】
上述の如き構造とされた遮音部材38,40にあっては、傾斜面56,56によって後方の開口寸法:Yが小さくされていることから、図4に示されているように、パワーユニット22から斜め後方に放射される音波:QA が遮音部材38,40の内面に当たり易くなって、斜め後方に向かって直接に放射される車外騒音が低減されるのであり、吸音材44による吸音効果が有効に発揮されて、車両斜め後方における車外騒音が効果的に低減され得る。なお、遮音部材38,40に対して傾斜面を設けない場合を、比較例として、図5に示すが、図4及び図5からも、車両斜め後方に放射された音波:QA の車外への直接的な放射が傾斜面56,56によって低減されることが理解されるところである。
【0028】
また、吸音材44は、図6に示されている如く、入射される音波の一部を隙間の粘性や熱伝導の作用等で弱めて吸収する一方、吸収音および透過音以外の入射音を反射して反射音を生ずるが、上述の如く、遮音部材38,40に傾斜面56,56を設けることによって、図4に示されているように、パワーユニット22から斜め後方に放射された音波:QB の遮音部材38,40内面に対する入射角度(傾斜面56の法線と入射方向線のなす角)が小さくされることに加えて、遮音部材38,40の対向面間距離も小さくされることから、一方の遮音部材38(40)の内面で反射された反射音が対向位置する他方の遮音部材40(38)の内面に当たり易くなり、両遮音部材38,40の対向面に対する音波の打ち当たり回数が有利に確保される。その結果、パワーユニット22から斜め後方に放射された音波に対して、吸音材44による吸音効果が効果的に発揮されて、最終的に両遮音部材38,40の後方開口部から車外に放射される騒音レベルを十分に低く抑えることが出来るのである。なお、図5に示された比較例と、図4に示された本実施例とを比較することによっても、車両斜め後方に放射された音波:QB の吸音材44への入射回数が増加せしめられて、吸音材44による吸音作用に基づく車外騒音レベルの低減効果の向上が有利に図られ得ることが理解されるところである。
【0029】
なお、遮音部材38,40における傾斜面56の傾斜角度は、特に限定されるものでなく、パワーユニット22の大きさや形式,主たる騒音発生位置,問題となる車外騒音の放射方向等を考慮して、要求される遮音効果が有利に発揮されるように、適宜に決定されることとなるが、好ましくは、少なくとも変速機36の中央部分から後端部にまで至る部分において、車両中心線に対する傾斜角度:αが5〜20度となるように設定される。また、遮音部材38,40における開口寸法:X,Yの具体的数値も、同様に、特に限定されるものでないが、好ましくは、Y/Xの値が、0.5≦Y/X≦0.9となるように設定される。けだし、このような傾斜角度:α、或いは開口寸法:X,Yを採用することによって、何れも、パワーユニットから斜め後方に放射される音波の直接的な車外放射の抑制効果と、一対の遮音部材の対向面間での繰返し反射による吸音効果とが、より一層有効に発揮されて、極めて優れた遮音効果を得ることが出来るのである。
【0030】
次に、図7〜9には本発明の第二実施例が、図10〜11には本発明の第三実施例が、また図12〜13には本発明の第四実施例が、それぞれ示されている。なお、これら第二〜四実施例において、前記第一実施例と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第一実施例と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0031】
先ず、図7〜9に示された本発明の第二の実施例としての遮音構造においては、左右遮音部材38,40における各遮音板42の竪板部46が、何れも、フレーム10における左右のサイドレール12,14に沿って前後方向に直線的に延びる平板形状をもって形成されている。そして、この竪板部46の内面に固着された吸音材44の肉厚寸法が、変速機36の側方から後端部にかけて車両前後方向で変化せしめられており、この吸音材44の内面によって、全体として車両後方に行くに従ってフレーム中央側に向かう傾斜面56が構成されている。なお、竪板部46の下辺部には、吸音材44の底部を支持せしめる支持板部60が屈曲形成されている。
【0032】
また、吸音材44の内面によって構成された傾斜面56は、後側端部の所定長さに亘って部分的に、車両前後方向において波を打ったように湾曲されており、かかる湾曲部位において、傾斜面56の傾斜角度:αが部分的に変化せしめられている。
【0033】
このような構造とされた本実施例の遮音構造においても、第一実施例と同様な遮音効果が有効に発揮されるのであり、また、特に本実施例では、傾斜面56の傾斜角度が部分的に変化せしめられて、傾斜面56の全体としての傾斜角度よりも大きな傾斜角度が部分的に付与されていることから、この傾斜角度が大きくされた部分において、パワーユニット22から放射される音波の吸音材44への入射角度が一層大きくなって、両傾斜面56,56間での音波の打ち当たり回数が多くされて吸音材44による吸音効果が一層有利に確保されると共に、音波を車両前方側に拡散させることによって車両斜め後方における騒音レベルの一層の低減を図ることも可能となる。
【0034】
図10〜11に示された本発明の第三の実施例としての遮音構造においては、パワーユニット22の両側および下側を覆うように配設された第一の遮音部材62と、パワーユニット22の上側を覆うように配設された第二の遮音部材64を備えている。なお、これらの遮音部材62,64は、何れも、第一実施例における左右遮音部材と同様、剛性材料からなる遮音板66の内面の略全面に亘って吸音材68が略一定厚さで固着された構造とされている。
【0035】
また、第一の遮音部材62は、平板状体の両サイドを屈曲させて立ち上げた形状を有しており、中央平板部分によってパワーユニット22の下側に配設される下遮音部70が構成されていると共に、両サイドの立ち上げ部分によってパワーユニット22の両側に配設される一対の左右遮音部72,74が構成されている。なお、下遮音部70は、左右遮音部72,74の傾斜面に対応する後側部分が、車両後方に向かってフレーム10側(鉛直上方)に傾斜せしめられており、かかる下遮音部70の内面を構成する吸音材68の表面が、後方に向かって上傾した傾斜面とされている。
【0036】
また一方、第二の遮音部材64は、中央部分が上方に湾曲された略平板形状を有しており、フレーム10の左右サイドレール12,14巻に跨がってフレーム10上に固着されることにより、エンジン34の後側部分から変速機36の後端部にまで至るパワーユニット22上に配設されている。なお、パワーユニット22の上方を覆うように位置せしめられる第二の遮音部材64の中央部分は、車両後方に向かってフレーム10側(鉛直下方)に傾斜されており、かかる第二の遮音部材64の内面を構成する吸音材68の表面が、後方に向かって下傾した傾斜面とされている。
【0037】
すなわち、本実施例の遮音構造においては、第一実施例における左右遮音部材の上下開口部分が、第一の遮音部材62の下遮音部74と第二の遮音部材64とによって覆蓋されているのであり、それ故、これら上下開口部分を通じての直接的な音波の外部への漏れが抑えられて、車外騒音が一層有利に低減されるのである。
【0038】
また、特に本実施例では、車両上下方向でパワーユニット22を挟んで対向位置せしめられた下遮音部74および第二の遮音部材64における内面が、それぞれ、車両後方に行くに従って対向面間距離が小さくなる傾斜面とされていることから、パワーユニット22で発生する音波の、これら下遮音部74および第二の遮音部材64に対する入射角度も小さくされて、吸音材68,68による吸音効果が有利に発揮されることとなる。なお、パワーユニット22の上方を覆う第二の遮音部材64は、下遮音部74に比べて車両後側の長さが短いが、第二の遮音部材64の後方においては、フレーム10に架装される荷台等によって遮音板を構成することが可能である。
【0039】
図12〜13に示された本発明の第四の実施例としての遮音構造においては、右遮音部材40が、全長に亘って、フレーム10の右サイドレール14に沿って直線的に延びる平板形状とされていると共に、車両前後方向での右遮音部材40の長さが左遮音部材38よりも短くされている。また、左遮音部材38は、傾斜部分58の車両中心線に対する傾斜角度:αが、第一実施例よりも比較的大きく設定されている。
【0040】
すなわち、このような本実施例の遮音構造においては、車両幅方向で対向配置された左右遮音部材38,40が、車両後側において右斜め後方に開口せしめられていることから、パワーユニット22で発生する音波が車両右斜め後方に導かれて車外に放射されることとなり、それによって車両左側の車外騒音が軽減されることから、特に、左側通行の日本等の場合に、沿道騒音が有利に抑えられるといった利点がある。
【0041】
しかも、本実施例では、左遮音部材38における傾斜部分58の車両中心線に対する傾斜角度が大きく設定されていることから、パワーユニット22で発生する音波の車両左斜め後方への直接的な放射がより有効に防止されると共に、パワーユニット22で発生する音波が、車両右斜め後方に向かって一層有利に導かれることとなり、車両左側の車外騒音がより効果的に低減されるのである。
【0042】
以上、本発明の実施例について詳述してきたが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、これらの具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0043】
例えば、前記実施例では、はしご型フレーム構造が採用されていたが、本発明は、各種のフレーム構造の車両に対して、何れも適用可能である。
【0044】
また、本発明においては、エンジンだけを包囲するように遮音板で取り囲んだエンクロージャ式の遮音構造を併せて併用することも可能であり、その場合等においては、エンジンの側方に遮音部材を配設することなく、変速機等のパワーユニット後部の側方だけを覆うように一対の遮音部材を配するようにしても良い。
【0045】
更にまた、本発明は、フロントエンジンの後輪駆動車の他、センタエンジン構造の車両や総輪駆動の車両等にも、適用可能である。
【0046】
その他、一々列挙はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0047】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた遮音構造においては、パワーユニットの両側を覆う遮音部材の内面が傾斜面とされていることから、パワーユニットから斜め後方に放射される音波を、該傾斜面を構成する吸音材に対して効率的に投射せしめ、或いは一対の遮音部材における吸音材の対向面間で繰返し反射させることによって、吸音材による吸音作用を有効に発揮させることが出来るのであり、それによって、車両側方だけでなく車両斜め後方における車外騒音が効果的に低減され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例としての遮音構造を概略的に示す平面図である。
【図2】図1に示された遮音構造の正面図である。
【図3】図1における III−III 断面図である。
【図4】図1に示された遮音構造の作用を説明するためのモデル平面図である。
【図5】比較例としての遮音構造を示すモデル平面図である。
【図6】音波に対する吸音材の作用を示す説明図である。
【図7】本発明の第二実施例としての遮音構造を概略的に示す平面図である。
【図8】図7に示された遮音構造の正面図である。
【図9】図7におけるIX−IX断面図である。
【図10】本発明の第三実施例としての遮音構造を概略的に示す平面図である。
【図11】図10に示された遮音構造の正面図である。
【図12】本発明の第四実施例としての遮音構造を概略的に示す平面図である。
【図13】図12に示された遮音構造の正面図である。
【符号の説明】
10 フレーム
22 パワーユニット
34 エンジン
36 変速機
38 左遮音部材
40 右遮音部材
42 遮音板
44 吸音材
56 傾斜面
Claims (8)
- フレーム前方に配されたパワーユニットの出力を後輪に伝達するプロペラシャフトがフレーム前後方向に配されたフレーム付き大型車両における遮音構造であって、
前記パワーユニットの車両幅方向両側において、内面側に吸音材を有する一対の遮音部材を車両幅方向で対向してそれぞれ車両前後方向に延びるように配設すると共に、該一対の遮音部材の少なくとも一方の内面に、フレーム後方に行くに従ってフレーム中央に近づく傾斜面を設けることにより、かかる一対の遮音部材のフレーム前方側における車両幅方向での開口寸法よりも、フレーム後方側における車両幅方向での開口寸法を小さくしたことを特徴とするフレーム付き大型車両における遮音構造。 - 前記パワーユニットが、フレーム前後方向に連接されたエンジンと変速機を含んで構成されており、前記一対の遮音部材が、何れも、車両前後方向において少なくとも該エンジンの後部から該変速機の後端部までを覆う長さとされている請求項1に記載のフレーム付き大型車両における遮音構造。
- 前記一対の遮音部材が、前記フレームから下方につり下げられた状態で、少なくとも前記パワーユニットの側面を下端部まで覆い得る部材幅で設けられている請求項1又は2に記載のフレーム付き大型車両における遮音構造。
- 前記遮音部材が、フレームに沿って車両前後方向に配設された遮音板と、該遮音板の内面側に固着された吸音材とによって構成されており、該吸音材の厚さ寸法が車両後方に行くに従って大きくされることによって前記傾斜面が形成されている請求項1乃至3の何れかに記載のフレーム付き大型車両における遮音構造。
- 前記遮音部材の下辺部内面が、フレーム中央側に向かって湾曲乃至は屈曲せしめられている請求項1乃至4の何れかに記載のフレーム付き大型車両における遮音構造。
- 前記パワーユニットの上方および下方において、それぞれ内面側に吸音材を有する上遮音部材および下遮音部材が配設されて、これら上下遮音部材により、前記一対の遮音部材の上側及び下側の開口部が覆われている請求項1乃至5の何れかに記載のフレーム付き大型車両における遮音構造。
- 前記一対の遮音部材において、一方の遮音部材が他方の遮音部材よりもフレーム後方に延長せしめられている請求項1乃至6の何れかに記載のフレーム付き大型車両における遮音構造。
- 前記傾斜面が、前記フレームの前後方向で傾斜角度が変化するように湾曲乃至は屈曲せしめられている請求項1乃至7の何れかに記載のフレーム付き大型車両における遮音構造。
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