JP3612435B2 - 金属製ゴルフクラブヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製ゴルフクラブヘッド及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッドは多数見られる。
このような、中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッドによってボールを打撃すると、金属特有の高い打球音が響きわたり、プレーヤーに不快感を与えるおそれがあった。
そこで、中空部に、発泡性ポリウレタン等の充填材を充填し、ボール打撃時に発生する金属特有の高い打球音を抑えた金属製ゴルフクラブヘッドが公知である。
【0003】
また、そのほかにも、金属特有の打球音を抑制する手段として、例えば、実用新案登録公報第2526923号には、中空室部を有する金属製のゴルフクラブヘッドであって、制振特性のあるシート体又は塗料を、上記中空室部を形成する包囲壁の肉厚の薄い部位の内面に、部分的に付着したことを特徴とするゴルフクラブヘッドが開示されている。
【0004】
一方、ゴルフクラブヘッドは、例えば、「球が上がらない」ゴルファーには、打球を上がり易くするために、ソール部の内面に質量を付加して重心位置を低く設定したり、「球が吹き上がる」ゴルファーには、打球が吹き上がるのを抑制するために、クラウン部の内面に質量を付加して重心位置を高く設定する等、ゴルファーの癖に応じた適切な質量配分設定が重要である。
従来、前記したように質量配分設定をするためには、ヘッド本体内に、前記ヘッド本体と同じ材質からなる金属片を所望位置に配置し、前記金属片の周縁部全周をヘッド本体内面にTIG溶接されてなるゴルフクラブヘッドが公知である。
【0005】
また、比重が小さく強度に優れた純チタン又はチタン合金からなるゴルフクラブヘッドにおいては、ヘッド体積の大型化がなされてきているため、比重の大きい、本体とは異なる金属を質量調整体として使用することで、小さな体積で大きな質量が得られるため、より効果的な質量配分設定が可能となることが知られているが、純チタン又はチタン合金と、比重の大きい異種金属とは、従来のTIG溶接では溶接性が悪く、充分な接合強度が得られないことも知られている。
純チタン又はチタン合金からなるゴルフクラブヘッドに、異種金属からなる質量調整体を固定する方法としては、例えば、特開平6−335540号に開示されているような、ねじ止めする方法や、特開平10−94623号に開示されているような、圧入する方法等の機械的締結手段によって固定する方法が一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ボール打撃時に発生する金属特有の高い打球音を抑制することと、ゴルファーの癖に応じた適切な質量配分設定を行うことを同時に可能とした金属製ゴルフクラブヘッド、及び前記金属製ゴルフクラブヘッドを容易に製造する方法は、従来には見られない。
【0007】
例えば、前記したボール打撃時に発生する金属特有の高い打球音を抑えるために、中空部に発泡性ポリウレタン等の充填材を充填した金属製ゴルフクラブヘッドは、充填材が中空部全体に充填されているため、ヘッドの質量配分が周辺側から中心側へと移動することになり、そのため、慣性モーメントが小さくなり、スイートエリアが狭いゴルフクラブヘッドになってしまうといった問題点があった。
【0008】
同様に、前記実用新案登録公報第2526923号に開示された制振特性のあるシート体は、熱硬化性樹脂又はゴムに金属箔を積層したものであるため、質量が小さく、質量配分設定の効果が得られないといった問題点があった。
更に、前記シート体を付着したヘッドの製造方法においても、前記シート体を前記包囲壁の内面に固定する方法として、貼着剤や接着剤による貼着又は接着を用いているが、貼着剤や接着剤は、高熱がかかると劣化してしまい、充分な接合強度を保つことができないといった欠点がある。
従って、前記シート体を前記包囲壁の内面に貼着又は接着した後、前記包囲壁を形成する部材同士をTIG溶接して接合したり、前記包囲壁の表面、即ち、ゴルフクラブヘッドの表面を研磨加工したりする製造方法は、高熱が発生するため、用いることができないといった問題点があった。
【0009】
制振特性のある塗料を、中空室部を形成する包囲壁の肉厚の薄い部位の内面に付着している場合も同様に、前記塗料の質量が小さいため、質量配分設定の効果が得られないうえ、溶接や研磨加工を伴う製造方法は、高熱で前記塗料が劣化するために用いることができないといった問題点があった。
【0010】
一方、適切な質量配分設定をするために、ヘッド本体内に、前記ヘッド本体と同じ材質からなる金属片を所望位置に配置し、前記金属片の周縁部全周をTIG溶接されてなる金属製ゴルフクラブヘッドは、前記金属片自体に制振特性等の音を吸収する機能がないうえ、前記金属片は、周縁部全周が前記ヘッド本体とTIG溶接されて一体化しているため、構造上からも音を吸収することはできないといった問題点があった。
また、製造方法においても、従来は、前記金属片が角柱形状をしているため、角柱形状をした金属片の一面を、あらかじめヘッド本体の内面形状と略同一の湾曲面に加工し、前記ヘッド本体の内面に隙間なく当接させてから前記金属片の周縁部全周をTIG溶接しなければならず、高精度な加工技術が必要となり、短時間加工が困難であるといった問題点があった。
【0011】
そして、特開平6−335540号や特開平10−94623号に開示された、比重の小さい純チタン又はチタン合金からなるゴルフクラブヘッドに、比重の大きい金属からなる質量調整体を、ねじ止めや圧入等の機械的締結手段によって固定されてなるゴルフクラブヘッドは、前述した場合と同様に、比重の大きい金属からなる質量調整体自体に音を吸収する機能がないうえ、ねじ止めや圧入等の機械的締結手段によってヘッド本体の内面に質量調整体をしっかりと固定するために、前記質量調整体の接合しようとする面を、前記ヘッド本体の内面に隙間なく当接させているため、構造上からも音を吸収することはできないといった問題点があった。
また、製造方法においても、ねじ止めの場合には、質量調整体にねじ加工を施したり、圧入の場合には、ヘッド内面に、質量調整体との嵌め合わせ精度の高い圧入嵌合部を加工したりしなければならず、手間がかかり、短時間加工が困難で、加工コストが高くなるといった問題点があった。
【0012】
このような従来の金属製ゴルフクラブヘッド及びその製造方法の欠点に鑑み、ボール打撃時に発生する金属特有の高い打球音を抑制することができると共に、ゴルファーの癖に応じた適切な質量配分設定をも同時に行った金属製ゴルフクラブヘッド、及び、前記金属製ゴルフクラブヘッドを容易に短時間で製造する方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するためになされたものであり、請求項1の発明は、純チタン又はチタン合金からなる中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッドを構成する外殻の内面に、厚みが0.1mm〜0.5mmで比重が17〜19のタングステン合金からなる金属板をスポット溶接により接合するに際し、前記金属板の周縁部より内側の部分をスポット溶接するようにしたことを特徴とする金属製ゴルフクラブヘッドである。
【0014】
請求項2の発明は、純チタン又はチタン合金かなる中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッドを構成する複数の外殻部材のうち、少なくとも一つの外殻部材の内面に、厚みが0.1mm〜0.5mmで比重が17〜19のタングステン合金からなる金属板をスポット溶接により接合するに際し、該スポット溶接1個所当たりの面積を、前記金属板の面積の0.2〜1.0%とし、且つ、前記スポット溶接の総面積を、前記金属板の面積の3〜12%として、前記金属板の周縁部より内側の部分でスポット溶接した後、各々の外殻部材を相互に接合一体化するとともに、スポット溶接によって外殻部材表面に生じた窪みが無くなるまで前記外殻部材の表面を研磨加工することを特徴とする金属製ゴルフクラブヘッドの製造方法である。
【001
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例の金属製ゴルフクラブヘッド1を示した斜視図、図2は、図1のA−A線切断断面図、図3は、図2の要部拡大説明図である。
図1に示した金属製ゴルフクラブヘッド1は、中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッドであり、図2に示すように、前記金属製ゴルフクラブヘッド1を構成する外殻2のうち、ソール部外殻2aの内面3には、ソール面稜線13aに沿って所定形状の金属板4をスポット溶接により接合するに際し、前記金属板4の周縁部5より内側の部分で、略等間隔に万遍なくスポット溶接して固着すると同時に、前記金属板4の表面のスポット溶接が施された個所には、スポット溶接の跡である窪み6が形成される。
そして、図3に示すように、金属板4とソール部外殻2aの内面3との間には、スポット溶接することにより生じる、前記金属板4と前記ソール部外殻2aとが溶融一体化した部分であるナゲット8が形成されると共に、前記ナゲット8が生成する時に前記金属板4が浮き上がって生じる0.02〜0.20mmの隙間9が形成される。
【001
従って、本発明の金属製ゴルフクラブヘッド1は、ソール部外殻2aの内面3に金属板4をスポット溶接して重心位置を低く設定し、打球を上がり易くすると共に、ボールを打撃した際に中空部7内に発生する反響音が、前記金属板4と前記ソール部外殻2aの間の隙間9に進入して、前記金属板4及び前記ソール部外殻2a及び前記ナゲット8に衝突して乱反射を繰り返すうちに、前記反響音の一部は前記ナゲット8から前記ソール部外殻2aの表面に透過されて金属音として発音されるものの、前記反響音のほとんどが熱エネルギーに変換され、消音されるのである。
【0017
尚、前記金属板4は、厚みを0.1mm〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.5mmとすることにより、質量配分設定が可能な質量を有し、且つ、可撓性が付与され容易に腑形ができるので、前記ソール部外殻2aの内面3に沿わせやすくなる。
厚みが0.1mm以下では、質量が小さくなってしまい、質量配分設定の効果が得られないし、厚みが1.0mm以上では、撓みにくい剛直な板となってしまい、前記ソール部外殻2aの内面3に沿わせにくくなってしまう。
【0018
また、本発明の金属製ゴルフクラブヘッド1は、前記金属板4をスポット溶接により接合するに際し、前記金属板の周縁部5より内側の部分においてスポット溶接することによって、前記反響音の、前記金属板4と前記ソール部外殻2aとの間の隙間9への進入を容易にすることができる。
【0019
また、スポット溶接1個所当たりの面積を、前記金属板4の面積の0.2〜1.0%とし、前記金属板4の表面を略等間隔に万遍なくスポット溶接することによりスポット溶接の総面積を、前記金属板4の面積の3〜12%とすることで、前記金属板4と前記ソール部外殻2aとが強固に接合されると共に、スポット溶接することにより形成される前記ナゲット8の数が多くなり、反響音が前記ナゲット8に衝突、乱反射する回数が増えるので望ましい。
【002
また、スポット溶接することにより、前記ナゲット8が生成する時に前記金属板4が浮き上がって生じる隙間9の間隔は、0.02〜0.20mm、好ましくは0.05〜0.10mmとすることにより、前記金属板4と前記ソール部外殻2aとの間隔を狭くできるので、前記反響音の衝突、乱反射する回数を増やすことができるで望ましい。
【002
本発明の金属製ゴルフクラブヘッド1の素材としては、純チタン、チタン合金、ステンレス、軟鉄等を用いることができ、また、前記金属板4の素材としては、純チタン、チタン合金、ステンレス、軟鉄、タングステン合金、タンタル合金等の中から、前記金属製ゴルフクラブヘッド1の素材との質量配分設定の条件及びスポット溶接性の良し悪しにより選定できるが、前記金属製ゴルフクラブヘッド1の素材を純チタン又はチタン合金とし、且つ、前記金属板4の素材を比重が17〜19のタングステン合金とすれば、より効果的な質量配分設定が可能となるため好ましい。
前記構成のヘッドとした場合には、前記タングステン合金の比重が17以下では、質量配分設定の効果が薄くなってしまい、19以上では、タングステン成分が多くなるために純チタン又はチタン合金とのスポット溶接性が悪くなってしまう。
【002
更にまた、前記金属製ゴルフクラブヘッド1の素材を純チタン又はチタン合金とし、且つ、前記金属板4の素材を比重が17〜19のタングステン合金のうち、厚みが0.1〜0.5mmで伸びが10%以上のもの、例えば、質量比でFe:1.0〜3.0%、Ni:3.0〜5.0%、W:残部および不可避的不純物、なる組成を有する、厚みが0.1〜0.5mmのタングステン合金を用いることで、より効果的な質量配分設定が可能な質量を有し、且つ、可撓性が付与され容易に腑形ができるうえ、鋏等の簡便な道具を用いて切断でき、質量の微調整ができるため、好ましい。
厚みが0.1mm以下では、質量が小さくなってしまい、質量配分設定の効果が得られないし、厚みが0.5mm以上では、鋏等の簡便な道具を用いての切断ができなくなるため、好ましくない。
また、伸びが10%未満では、曲率の小さい内面形状に沿わすことが困難になるため、好ましくない。
【002
次に、本発明の金属製ゴルフクラブヘッド1の製造方法について説明する。
本発明の金属製ゴルフクラブヘッド1は、図4に示すように、ソール面13とヘッドの周辺部が一体に成形されているソール部外殻2aの内面3に、ソール面稜線13aに沿って所定形状の金属板4を、前記金属板4の周縁部5より内側の部分で略等間隔に万遍なくスポット溶接した後、前記ソール部外殻2aと、シャフトを連結するネック部10とフェイス面11が一体に成形されているフェイス部外殻2bと、クラウン面12とその周辺部が一体に成形されているクラウン部外殻2cとを、相互にTIG溶接して組み立てられると共に、図5に示すように、 スポット溶接することにより前記ソール部外殻2aのソール面13の表面には、深さが0.1〜0.3mmの窪み22が生じるが、前記窪み22が無くなるまで前記ソール部外殻2aの表面を均一に研磨加工することにより、更には、TIG溶接により生じた溶接ビード23が無くなるまで金属製ゴルフクラブヘッド1の表面を研磨加工することにより、仕上げられる。
【002
前記金属板4は、図6(a)〜(d)に示すように、金型14、15の注入口16から、厚みが0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.5mmのキャビティ17内に粉末状の金属を充填して加熱加圧する粉末焼結法により、もしくは、所望する金属板4より面積の広い、厚みが0.1〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.5mmの金属平板18を打ち抜き加工することにより、平面状の金属板中間体19を作製し、前記金属板中間体19を、前記ソール部外殻2aの内面3の、金属板4を配置する部位の湾曲面形状に曲げ加工することにより作製される。
【002
尚、前記金属板4は、厚みを0.1mm〜1.0mm、好ましくは0.2〜0.5mmとすることにより、質量配分設定が可能な質量を有し、且つ、可撓性が付与され容易に腑形ができるので、前記金属板4が、前記ソール部外殻2aの内面3の金属板4を配置する予定の部位から多少ずれても、又は、前記ソール部外殻2aの内面3の金属板4を配置する予定の部位の湾曲面形状が量産誤差で多少狂っていても、指圧等で簡単に沿わすことができる。
従って、高精度な加工技術が不要となり、短時間加工が可能となる。
厚みが0.1mm以下では、質量が小さくなってしまい、質量配分設定の効果が得られないし、厚みが1.0mm以上では、撓みにくい剛直な板となってしまい、前記ソール部外殻2aの内面3に沿わせにくくなってしまう。
【002
前記金属板4と、前記ソール部外殻2aとのスポット溶接は、図7及び図8に示すように、前記金属板4と前記ソール部外殻2aとを重ねて固定し、接合したい箇所を一対の電極20、21で加圧し、加圧力が安定してから溶接電流を通電し、抵抗熱を発生させる。
すると、前記金属板4と前記ソール部外殻2aとが溶融一体化してナゲット8が形成されると共に、前記ナゲット8が生成する時に前記金属板4が浮き上がって生じる0.02〜0.20mmの隙間9が形成される。その後、前記電極20、21での加圧を開放して1箇所のスポット溶接が完了する。
スポット溶接後の前記金属板4と前記ソール部外殻2aには、電極20、21が押し込まれた箇所に、深さが0.1〜0.3mmの、窪み6、22が形成される。
【0027
前述した作業を繰り返し、前記金属板4表面の周縁部より内側の部分に、略等間隔に万遍なくスポット溶接することにより、前記金属板4の有する質量をソール部外殻2aの内面3に付加して重心位置を低く設定すると共に、前記金属板4と前記ソール部外殻2aとの間に多数のナゲット8と隙間9を有する構造、即ち、ボールを打撃した際に発生する反響音が、前記金属板4と前記ソール部外殻2aの間の隙間9に進入して、前記金属板4及び前記ソール部外殻2a及び前記ナゲット8に衝突して乱反射を繰り返すうちに、前記反響音のほとんどを熱エネルギーに変換、消音できるという、音を吸収する機能を有した構造とすることができる。
【0028
尚、前記金属板4の周縁部5より内側の部分においてスポット溶接することにより、前記反響音の、前記金属板4と前記ソール部外殻2aの間の隙間9への進入を容易にすることができる。
【0029
また、スポット溶接1個所当たりの面積を、前記金属板4の面積の0.2〜1.0%とし、前記金属板4の表面を略等間隔に万遍なくスポット溶接することによりスポット溶接の総面積を、前記金属板4の面積の3〜12%とすることで、前記金属板4と前記ソール部外殻2aとを強固に接合すると共に、スポット溶接することにより形成される前記ナゲット8の数が多くなり、反響音が前記ナゲット8に衝突、乱反射する回数が増えるので望ましい。
スポット溶接1個所当たりの面積が、前記金属板4の面積の0.2%以下では、充分な接合強度を保つことができないし、1.0%以上では、スポット溶接することにより形成される前記ナゲット8が大きくなる分、前記ナゲット8の数が少なくなるため、反響音が前記ナゲット8に衝突、乱反射する回数が減ってしまう。
スポット溶接総面積が、前記金属板4の面積の3%以下では、充分な接合強度を保つことができないうえ、前記ナゲット8の数が少なくなるため、反響音が衝突、乱反射する回数が減ってしまうし、12%以上では、スポット溶接する回数が増えるため、作業に時間がかかってしまう。
【003
尚、スポット溶接時の加圧力、溶接電流の大きさ、通電時間を調整することで、前記隙間9の間隔及び前記窪み6、22の深さを、ある程度調整することができる。
前記隙間9の間隔は、0.02〜0.20mm、好ましくは0.05〜0.10mmとすることにより、前記金属板4と前記ソール部外殻2aとの間隔を狭くできるので、前記反響音の衝突、乱反射する回数を増やすことができるで望ましい。
前記隙間9の間隔が0.02mm以下では、狭すぎて前記反響音の進入量が少なくなってしまうし、0.20mm以上では、広すぎて前記反響音が衝突、乱反射する回数が減ってしまう。
【003
前記窪み6、22において、前記金属板4の表面に形成される前記窪み6の深さは、前記金属板4の厚みの範囲内であれば特に制約はないが、前記ソール部外殻2aの表面に形成される前記窪み22の深さは、0.1〜0.3mmとすることにより、前記ソール部外殻2aの表面を均一に研磨加工する際の目印となるため、好ましい。
前記窪み22の深さが0.1mm以下では、前記ソール部外殻2aの表面に存在する傷や凹凸の方が深いため、前記窪み22が無くなるまで前記ソール部外殻2aの表面を均一に研磨加工しても、前記傷や前記凹凸が残ってしまう。
また、前記窪み22の深さが0.3mm以上では、前記窪み22を目印に前記ソール部外殻2aの表面を均一に研磨加工すると、研磨量が多くなり過ぎて質量の軽い金属製ゴルフクラブヘッド1になってしまう。
【003
また、スポット溶接は、前述したように、圧力を加えながら加熱して被接合金属同士を接合するため、接合面間に金属原子の拡散が生じるので、前記被接合金属同士が異種金属であっても接合することができる。
従って、本発明の金属製ゴルフクラブヘッド1の素材としては、純チタン、チタン合金、ステンレス、軟鉄等を用いることができ、また、前記金属板4の素材としては、純チタン、チタン合金、ステンレス、軟鉄、タングステン合金、タンタル合金等の中から、前記金属製ゴルフクラブヘッド1の素材との質量配分設定の条件及びスポット溶接性の良し悪しにより選定できるが、前記金属製ゴルフクラブヘッド1の素材を純チタン又はチタン合金とし、且つ、前記金属板4の素材を比重が17〜19のタングステン合金とすれば、より効果的な質量配分設定が可能となるうえ、従来のねじ止めや圧入といった機械的締結手段に比べて、手間がかからず、短時間に安く加工することができる。
尚、前記構成のヘッドとした場合には、前記タングステン合金の比重が17以下では、質量配分設定の効果が薄くなってしまい、19以上では、タングステン成分が多くなるために純チタン又はチタン合金とのスポット溶接性が悪くなってしまう。
【003
更にまた、前記金属製ゴルフクラブヘッド1の素材を純チタン又はチタン合金とし、且つ、前記金属板4の素材を比重が17〜19のタングステン合金のうち、厚みが0.1〜0.5mmで伸びが10%以上のもの、例えば、質量質量比でFe:1.0〜3.0%、Ni:3.0〜5.0%、W:残部および不可避的不純物、なる組成を有する、厚みが0.1〜0.5mmのタングステン合金を用いることで、より効果的な質量配分設定が可能な質量を有し、且つ、可撓性が付与され容易に腑形ができるうえ、鋏等の簡便な道具を用いて切断でき、質量の微調整ができるため、好ましい。
厚みが0.1mm以下では、質量が小さくなってしまい、質量配分設定の効果が得られないし、厚みが0.5mm以上では、鋏等の簡便な道具を用いての切断ができなくなるため、好ましくない。
また、伸びが10%未満では、曲率の小さい内面形状に沿わすことが困難になるため、好ましくない。
【003
尚、本実施例においては、中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッド1を構成する外殻2のうち、ソール部外殻2aの内面3に、ソール面稜線13aに沿って所定形状の金属板4をスポット溶接して重心位置を低く設定し、打球を上がり易くした金属製ゴルフクラブヘッド1としているが、前記金属板4は、厚みが0.1mm〜1.0mmであれば、形状や使用する枚数は、金属製ゴルフクラブヘッド1全体の質量とスポット溶接作業の効率を鑑みて、自由に設計することができる。
また、前記金属板4の配置位置は、必ずしもソール部外殻2aの内面3でなくても良く、例えば、図示はしないが、前記金属板4をクラウン部外殻2cの内面に配置してスポット溶接すれば、重心位置を高く設定でき、打球が吹き上がるのを抑制することができる。
【003
また、前記金属製ゴルフクラブヘッド1の外殻2の構成要素としては、必ずしも図4に示すような、ソール部外殻2aと、フェイス部外殻2bと、クラウン部外殻2cの3つの外殻部材に限定されるものではなく、例えば、図示はしないが、前記フェイス部外殻2bと、前記ソール部外殻2aとクラウン部外殻2cが一体に成形されている外殻部材との、2つの部材から構成されていても良いし、シャフトを連結するネック部とフェイス面とクラウン面とその周辺部が一体に成形されている外殻部材と、ソール面を有する外殻部材との、2つの部材から構成されていても良い。
【003
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る金属製ゴルフクラブヘッドは、純チタン又はチタン合金からなる中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッドを構成する外殻の内面に、厚みが0.1mm〜0.5mmで比重が17〜19のタングステン合金からなる金属板をスポット溶接により接合するに際し、前記金属板の周縁部より内側の部分においてスポット溶接したことを特徴とする金属製ゴルフクラブヘッドであるから、ボール打撃時に発生する金属特有の高い打球音を抑制することができると共に、ゴルファーの癖に応じた適切な質量配分設定をも同時に行うことができる。
【0037
また、前記金属製ゴルフクラブヘッドは、純チタン又はチタン合金からなり、且つ、前記金属板は、比重が17〜19のタングステン合金からなることとしたから、前記金属板は、前記金属製ゴルフクラブヘッドと同じ材質の純チタン又はチタン合金からなる場合よりも、小さな体積で大きな質量が得られるため、より効果的な質量配分設定が可能となる。
【0038
そして、本発明に係る金属製ゴルフクラブヘッドの製造方法は、純チタン又はチタン合金からなる中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッドを構成する複数の外殻部材のうち、少なくとも一つの外殻部材の内面に、厚みが0.1mm〜0.5mmで比重が17〜19のタングステン合金からなる金属板をスポット溶接により接合するに際し、該スポット溶接1個所当たりの面積を、前記金属板の面積の0.2〜1.0%とし、且つ、前記スポット溶接の総面積を、前記金属板の面積の3〜12%として、前記金属板の周縁部より内側の部分でスポット溶接した後、各々の外殻部材を相互に接合一体化するとともに、スポット溶接することにより外殻部材表面に生じた窪みが無くなるまで前記外殻部材の表面を研磨加工することを特徴とする金属製ゴルフクラブヘッドの製造方法であるから、ボール打撃時に発生する金属特有の高い打球音を抑制することができると共に、ゴルファーの癖に応じた適切な質量配分設定をも同時に行うことができる金属製ゴルフクラブヘッドを、容易に短時間で製造することができる。
【0039
尚、一連のスポット溶接作業は、1箇所のスポット溶接に1〜2秒、全箇所で15〜30秒で完了することができ、短時間で加工できるうえ、スポット溶接部分は熱で劣化することがないので、金属製ゴルフクラブヘッドを構成する外殻部材同士をTIG溶接して接合したり、前記ソール部外殻の表面、更には、前記金属製ゴルフクラブヘッドの表面を研磨加工したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の金属製ゴルフクラブヘッドを示す斜視図。
【図2】図1のA−A線切断断面図。
【図3】図2の要部拡大説明図。
【図4】本実施例の金属製ゴルフクラブヘッドの組み立て前の状態を示す斜視図。
【図5】本実施例の金属製ゴルフクラブヘッドの組み立て後の状態を示す底面図。
【図6】本実施例の金属板の製造工程を示す説明図。
【図7】本実施例のスポット溶接の製造工程を示す説明図。
【図8】本実施例のスポット溶接の製造工程を示す説明図。
【符号の説明】
1 金属製ゴルフクラブヘッド
2 外殻
2a ソール部外殻
2b フェイス部外殻
2c クラウン部外殻
3 内面
4 金属板
5 周縁部
6 窪み
7 中空部
8 ナゲット
9 隙間
10 ネック部
11 フェイス面
12 クラウン面
13 ソール面
13a ソール面稜線
14 金型
15 金型
16 注入口
17 キャビティ
18 金属平板
19 金属板中間体
20 電極
21 電極
22 窪み
23 溶接ビード

Claims (2)

  1. 純チタン又はチタン合金からなる中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッドを構成する外殻の内面に、厚みが0.1mm〜0.5mmで比重が17〜19のタングステン合金からなる金属板をスポット溶接により接合するに際し、前記金属板の周縁部より内側の部分をスポット溶接するようにしたことを特徴とする金属製ゴルフクラブヘッド。
  2. 純チタン又はチタン合金かなる中空部を有する金属製ゴルフクラブヘッドを構成する複数の外殻部材のうち、少なくとも一つの外殻部材の内面に、厚みが0.1mm〜0.5mmで比重が17〜19のタングステン合金からなる金属板をスポット溶接により接合するに際し、該スポット溶接1個所当たりの面積を、前記金属板の面積の0.2〜1.0%とし、且つ、前記スポット溶接の総面積を、前記金属板の面積の3〜12%として、前記金属板の周縁部より内側の部分でスポット溶接した後、各々の外殻部材を相互に接合一体化するとともに、スポット溶接によって外殻部材表面に生じた窪みが無くなるまで前記外殻部材の表面を研磨加工することを特徴とする金属製ゴルフクラブヘッドの製造方法。
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