JP3838434B2 - ゴルフクラブの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフクラブの製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
特許第2560272号公報に示すように、フェース部材と、前面にフェース部材を固着する窓孔を設け背面に凹部を形成すると共に一側にシャフト取付け部を設けたヘッド本体と、前記ヘッド本体に連結したシャフトとを備えるアイアン形ゴルフクラブは公知である。そして、アイアン形ゴルフクラブはキャビティバック形状のヘッドが主流になっている。キャビティバック形状は、ヘッドの背面中央部をへこませて凹部を形成することによりヘッドの周辺に重量配分して、慣性モーメントを増大させ、ゴルフボールをショットするときにスイートエリアを外したオフセンターヒットでも打球方向のばらつきを少なくすることができる。
【0003】
ところで、前述したフェース部材と、前面にフェース部材を固着する窓孔を設け背面に凹部を形成すると共に一側にシャフト取付け部を設けたヘッド本体と、前記ヘッド本体に連結したシャフトとを備えるアイアン形ゴルフクラブにおいては、窓孔にフェース部材を固着する手段として溶接、具体的には精密な溶接を行なうために指向性に優れるレーザー(ビーム)溶接が用いられる。
【0004】
しかしながら、溶接されるもの同士を互いに面一状態でレーザー溶接すると、溶接された中央部が盛り上がり、その両側は熱によりヒケが起こり、窪んでしまう。
【0005】
そこで、本発明は、前記問題に鑑み、レーザー溶接等を行なう際、窪みに伴う弊害を防止できるゴルフクラブの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、前面にフェースを形成すると共に、一側にシャフト取付け部を設けたヘッドにシャフトを連結したゴルフクラブにおいて、前記ヘッドを複数の部材を組み合わせて形成すると共に、これら複数の部材を溶接により固着し、かつ前記部材の周縁部の全部または一部に沿って凸部を前方に突出するように形成し、前記部材の背面の縁又は側面に空隙を形成し、前面より溶接を行なうことを特徴とするゴルフクラブの製造方法である。
【0007】
また、請求項2の発明は、シャフトを連結するシャフト取り付け部を設けたヘッド本体の前面に形成した窓孔に、フェース部材を溶接したゴルフクラブの製造方法において、前記窓孔の周縁部の全部又は一部に凸部を前方に突出するように形成し、前記フェース部材の背面の縁又は側面に空隙を形成し、前面より溶接を行なうことを特徴とするゴルフクラブの製造方法である。
【0008】
さらに、シャフトを連結するシャフト取り付け部を設けたヘッド本体の前面に形成した窓孔に、フェース部材を溶接したゴルフクラブの製造方法において、前記フェース部材の周縁部の全部又は一部に凸部を前方に突出するように形成し、前記フェース部材の背面の縁又は側面に空隙を形成し、前面より溶接を行なうことを特徴とするゴルフクラブの製造方法である。
【0009】
この請求項1〜3の構成によれば、溶接時に溶接箇所にひけが起こり、窪もうとしても凸部の溶融金属がこれを埋めることができる。また、空隙によって溶接の加工時に材料の厚みを薄くして溶接することで、気泡の逃げ場を空隙で確保することで、気泡が溶接部に閉じ込められず、この結果ピンホールが溶接箇所に形成されることはない。
【0010】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。 図1乃至図3はアイアン形クラブの参考例を示しており、アイアン形クラブはアイアン形の鍛造製のヘッド1とシャフト2を備えており、前記ヘッド1はニッケル・ベリリウム合金、ステンレスなどからなり前面にゴルフボール(図示せず)を打撃するためのフェース3が形成され、このフェース3の上部にトップ4、下部にソール5、一側にトウ6、他側にヒール7を形成している。そしてヒール7の上部にホーゼルなどと称するシャフト取り付け部8を斜め上方へ突設すると共に、該シャフト取り付け部8にシャフト2の下端を連結したものである。
【0011】
さらに、ヘッド1の背面に周辺に重量配分して、慣性モーメントを増大させるための凹部9を形成する。この凹部9にはフェース3と対向する底面9A、上部に上内面9B、下部に下内面9C、一側に一側内面9D及び他側に他側内面9Eを形成している。尚、図中10はフェース3に形成したスコアライン等と称する横溝である。
【0012】
そして、前記凹部9の底面9Aのトップ4とソール5方向の最大長さ、すなわち上内面9Bと下内面9C間の最大長さをH1とし、トウ6とヒール7方向の最大長さ、すなわち一側内面9Dと他側内面9E間の最大長さをW1としたとき、H1/W1≧0.6となるように形成する。このH1/W1の比率は好ましくは0.6≦H1/W1≦0.9、さらに好ましくは0.65≦H1/W1≦0.85であり、全部又は一部のアイアン形クラブを同一又はほぼ同一の比率としたり、或いは番手が大きくなると前記比率が大きくなるように各番手により異なるように形成する。次に各番手のH1/W1に係る具体的比率を記載する。尚、()で示した数値は従来のアイアン形クラブの比率である。3番アイアンでは0.69(0.56)、4番アイアンでは0.69(0.56)、5番アイアンでは0.75(0.56)、6番アイアンでは0.75(0.56)、7番アイアンでは0.76(0.56)、8番アイアンでは0.78(0.59)、9番アイアンでは0.81(0.59)とする。
【0013】
さらに、前記凹部9の底面9Aのトップ4とソール5方向の最大長さをH1とし、フェース3の最大長さ、すなわちトップ4とソール5間の最大長さをH2としたとき、0.7≦H1/H2≦0.85となるように形成する。このH1/H2の比率は好ましくは0.75≦H1/H2≦0.85である。そして、全部又は一部のアイアン形クラブを同一又はほぼ同一の比率としたり、或いは番手によって異なるようにしてもよい。次に各番手のH1/H2に係る具体的比率を記載する。尚、()で示した数値は従来のアイアン形クラブの比率である。3番アイアンでは0.80(0.69)、4番アイアンでは0.78(0.69)、5番アイアンでは0.81(0.68)、6番アイアンでは0.80(0.67)、7番アイアンでは0.79(0.65)、8番アイアンでは0.79(0.65)、9番アイアンでは0.81(0.64)とする。
【0014】
次に第1実施形態を 図4乃至 図10を参照して説明する。尚、前記参考例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。 図7及び 図9に示すようにヘッド1は、他側にシャフト取り付け部8を設けると共に、前面にフェース3に対応して窓孔11を凹部9の底面9Aに連通するように形成したヘッド本体1Aと、前記窓孔11に固着するフェース部材たるフェース板14とからなる。窓孔11の周縁部12は底面9Aの上内面9B、下内面9C、一側内面9D及び他側内面9Eよりも大きく外側に段部13を介して配置されている。そして、窓孔11にフェース板14が嵌合してその背面を段部13の底面15に当接し嵌合して固着している。さらに、キャビティを形成する凹部9の内下面9Cのフェース3側にアンダーカット部たるえぐり部16を形成する。このえぐり部16はソール5に向けて凹設したものであり、下内面9Cにおける一側内面9D側から他側内面9E側にかけて形成されており、その深さD、すなわちえぐり部16の最深部と内下面9Cとの距離Dを7mm以上、好ましくは10mm以上に形成している。
【0015】
次に製造方法について説明する。 図4に示すようにまずニッケル・ベリリウム合金、ステンレスや軟鋼などの金属原材料を、金型(図示せず)を利用して大まかなヘッド原型17を形成する。このヘッド原型17には、フェース3、トップ4、ソール5、トウ6、ヒール7及びシャフト取り付け部8に夫々対応するフェース対応部3A、トップ対応部4A、ソール対応部5A、トウ対応部6A、ヒール対応部7A、シャフト取り付け部対応部8A及び凹部対応部9Bを形成している。そしてヘッド原型17よりフェース対応部3Aのみをくりぬき、ヘッド原型17、フェース対応部材3Aをさらに鍛造、圧延、切削、研磨等で加工してヘッド本体1A、フェース板14を形成する。
【0016】
図8に示すようにヘッド本体1Aにおいては凹部9、窓孔11などを形成すると共に、えぐり部16を形成する。えぐり部16はエンドミル、バイトなどの切削具或いは研磨具等の機械加工部20により加工されるものであり、加工部20を前面側より窓孔11を通し、そして内下面9Cの前部側を切削或いは研磨して形成されるものである。
【0017】
さらに、えぐり部16等を形成したヘッド本体1Aとフェース板14の固着をレーザー溶接により行なう。これは 図5,6,7、10に示すように、予め窓孔11の周縁部12の全部又は一部、実施形態ではトップ4とソール5側に小さい凸部18を周縁部12に沿って前方に突出するように予め形成しておく。この凸部18は高さXが1mm以下、好ましくは0.8mm程度で、幅Yが1mm以下、好ましくは0.5mmである。またフェース板14の背面の縁を例えば所定の45度以上の仰角、例えば仰角80度の角度で0.5〜1.5mm程度の凹部たる面取り部19を予め形成しておく。そしてフェース板14を窓孔11に嵌合した後に、レーザー溶接機のヘッド21を窓孔11の縁12に向けてレーザー溶接を行なう。この際凸部18も溶融して、溶接された中央部が盛り上がり、その両側は熱によりヒケが起こり、窪んでしまうが、前記凸部18の溶融金属が窪みに流れ込み窪みの発生を防止することができる。また、レーザー光が前面より照射して溶接を行なうが、フェース板14の背面に面取り部19を形成してフェース板14と底面15との間に空隙22が形成されるので、部分的に厚みを薄くして貫通溶接とすることでレーザー溶接時に生じる気泡の逃げ箇所を確保することができる。前記レーザー溶接は例えば出力が450W、速度250mm/分、パルス数30pps、溶け込み深さ1.5〜1.6mm程度とする。尚、面取り部19は空隙22を形成するものであればよく、面の形状や角度などは変形が可能である。
【0018】
以上のように、前記実施形態では、前記凹部9の内下面9Cはソール5方向にアンダーカット形状となっており、このえぐり部16の最深部は7mm以上の深さDを有することで、重心深度が深くなり、よりスイートエリアが広くなると共に、ゴルフボールが上がりやすいゴルフクラブを提供することができる。しかもえぐり部16は凹部9の内下面9Cのフェース3側に配置したことでフェース3により近い部分の金属部分をなくすことでフェース3を効率よくたわませることができる。
【0019】
また、前記実施形態では、請求項1に対応して前面にフェース3を形成すると共に、一側にシャフト取付け部8を設けたヘッド1にシャフト2を連結したゴルフクラブにおいて、前記ヘッド1をヘッド本体1Aとフェース板14の複数の部材を組み合わせて形成すると共に、これらヘッド本体1Aとフェース板14をレーザー溶接により固着し、かつ前記レーザー溶接される部材たるヘッド本体1Aの周縁部12の全部または一部にヒケ防止用の凸部18を形成したことにより、レーザー溶接時に溶接箇所にひけが起こり、窪もうとしても凸部18の溶融金属がこれを埋めてひけの防止を図ることができる。特に凸部18は高さXが1mm以下、好ましくは0.8mm程度で、幅Yが1mm以下、好ましくは0.5mmとすることで、レーザーの焦点が合わなくなるようなことはなく、凸部18を確実に溶融することができる。しかし凸部18を前記大きさより大きくするとレーザーの焦点が合わなくなり、この結果凸部18を確実に溶融することができなくなる虞がある。また、ヘッド本体1Aとフェース板14の複数の部材を組み合わせて形成すると共に、一側にシャフト取付け部8を設けたヘッド1にシャフト2を連結したゴルフクラブにおいて、前記レーザー溶接される部材たるヘッド本体1Aの周縁部12の全部または一部にヒケ防止用の凸部18を形成したゴルフクラブとすることにより、溶接に伴うひけの防止を図ることができる。
【0020】
また、前記ヘッド1をヘッド本体1Aとフェース板14の複数の部材を組み合わせて形成すると共に、これら複数の部材をレーザー溶接により固着し、かつ前記レーザー溶接されるフェース板部材14の背面に面取り部19を形成したことで、レーザー溶接の加工時に材料の厚みを薄くして貫通溶接とすることで、気泡の逃げ場を空隙22を確保することで、気泡が溶接部に閉じ込められず、この結果ピンホールが溶接箇所に形成されることはないので、良好な溶接を行なうことができると共に、溶接箇所を研磨などしてもピンホールがあらわれることがないので仕上げをきれいにすることができる。さらに、前記実施形態ではフェース板14と、前面にフェース板14を固着する窓孔11を設け背面に凹部9を形成すると共に一側にシャフト取付け部8を設けたヘッド本体1Aと、前記ヘッド本体1Aに連結したシャフト2とを備えるゴルフクラブ及びその製造方法において、ヘッド本体1Aの前面側から機械加工部20を窓孔11を通してヘッド本体1Aの一部を形成する前記凹部9の内下面9Cを加工して、該凹部9の内下面9Cをアンダーカット形状に形成してえぐり部16を形成した後、前記窓孔11にフェース板14をレーザー溶接により固着するように製造することにより、えぐり部16の加工において機械加工部20を他の部位により邪魔されることなく深く挿入して加工することができ、加工の自由度を向上してえぐり部16を深く形成したりすることが可能である。この結果フェース3の形状や面積などもえぐり部16の形成に伴ない制限されるようなこともない。また、ゴルフクラブの製造方法において、原材料を鍛造していったんフェース対応部3A及び凹部対応部9Bを形成したヘッド原型17を形成し、このヘッド原型17の前記フェース対応部3Aをくりぬき、該くりぬいたフェース対応部材3Aを加工してフェース板14を形成し、前記ヘッド原型17のくりぬかれた箇所に前記窓孔11を設けると共に、前記凹部対応部9Bにアンダーカット部たるえぐり部16を形成し、この後前記フェース板14を前記窓孔11にレーザー溶接により固着することで、同一材質からなるヘッド1であっても、いったんフェース対応部3Aをくりぬくことでえぐり部16の加工において機械加工部20を他の部位により邪魔されることなく深く挿入して加工することができ、加工の自由度を向上してえぐり部16を深く形成したりすることが可能である。この結果フェース3の形状や面積などもえぐり部16の形成に伴ない制限されるようなこともない。しかも、前記ヘッド本体1を鍛造により形成することにより、鍛流線を形成し、金属組織を密にすることにより強度の向上を図ることができ、またロフト角、ライ角の調整も可能である。さらに、ヘッド本体1Aとフェース板14をレーザー(ビーム)溶接により固着したものを示した。このようにレーザー溶接が好ましい理由としては、TIG溶接の場合と比較して熱影響部が少ないので、熱影響を受けやすい材料にも使用することができ、また歪が少なく、さらに異種金属との溶接が加工であると共に溶可棒が不要で自動化しやすく、しかも溶接部がV字状となり良好な溶接を行なうことができる。またレーザー溶接ではレーザー光は電磁波であるのではなはだしいエネルギーの減衰や光学的特性の低下を生じることなく大気中を伝播でき、作業雰囲気に制約はなく、さらに光学機器(レンズや鏡)によって集光や進路の変更が行なえ、また電磁場の影響を受けないので加工ジグへの制約はなく、さらに金属及び非金属双方が加工対象物となると共に、母材からのX線の放射は生じない。この点電子ビーム溶接は原則として真空環境が必要であり、設備や作業性に問題がある。TIG溶接では熱影響が大きいため歪みが多く、手作業のため時間がかかり、ビードラインも不安定である。この点レーザー溶接機を用い、溶接を自動プログラミングにより実施することでTIG溶接に比べコストを低減することができる。
【0021】
次に 図11に基づいて第2実施形態を説明する。尚、第1実施形態と同一部分は同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。窓孔11を形成したヘッド本体1Aは一方の金型31のキャビティ32に収容されると共に、該キャビティ32により成形される。一方の金型31に合致する他方の金型33には窓孔11を成形するための凸所34の他にえぐり部16を鍛造成形により形成するための突部35が窓孔11を通して形成されているようになっている。したがって、一方の金型31のキャビティ32にヘッド本体1Aを収容すると共に、他方の金型33を一方の金型31に合致して圧力を加えると凸所34により窓孔11が成形され、さらに突部35により凹部9の内下面9Cを加工してえぐり部16を成形することができる。
【0022】
以上の実施形態の効果として、前記ヘッド本体1の窓孔11側から金型33の突部35を窓孔11を通して前記凹部9の内下面9Cを加工して、ヘッド本体1の一部である凹部9の内下面9Cをアンダーカット形状に形成した後、前記窓孔11にフェース板14をレーザー溶接により固着するようにしたことにより、えぐり部16の加工において突部35を他の部位により邪魔されることなく深く挿入して加工することができ、加工の自由度を向上してえぐり部16を深く形成したりすることが可能である。この結果フェース3の形状や面積などもえぐり部16の形成に伴ない制限されるようなこともない。
【0023】
さらに 図12〜14に基づいて第3〜5実施形態を説明する。尚、第1〜2実施形態と同一部分は同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0024】
図12に示した第3実施形態においては、えぐり部16等を形成したヘッド本体1Aとフェース板14の固着をレーザー溶接により行なう。これは予め窓孔11の周縁部12の全部又は一部、実施形態ではトップ4とソール5側を肉厚に形成して凸部たる凸所18Aを周縁部12に沿って形成しておく。この凸部たる凸所18Aはフェース板14の前面より前方に突出するように形成されるものであって、ヘッド本体1Aにおける窓孔11の上部側の周縁部12からトップ4にかけて、また窓孔11の下部側の周縁部12からソール5にかけて肉厚に形成している。その凸所18Aのフェース板14の前面からの突出高さX´は1mm以下、好ましくは0.8mm程度で、幅Y´は上述のように周縁部12からトップ4、ソール5に至る幅となっている。またフェース板14の背面の縁を例えば所定の45度以上の仰角、例えば仰角80度の角度で0.5〜1.5mm程度の凹部たる面取り部19を予め形成しておく。そしてフェース板14を窓孔11に嵌合した後に、レーザー溶接機のヘッド21を窓孔11の縁12に向けてレーザー溶接を行なう。この際凸所18Aも溶融して、溶接された中央部が盛り上がり、その両側は熱によりヒケが起こり、窪んでしまうが、前記凸所18Aの溶融金属が窪みに流れ込み窪みの発生を防止することができる。また、レーザー光が前面より照射して溶接を行なうが、フェース板14の背面に面取り部19を形成してフェース板14と底面15との間に空隙22が形成されるので、部分的に厚みを薄くして貫通溶接とすることでレーザー溶接時に生じる気泡の逃げ箇所を確保することができる。
【0025】
以上のように、第3実施形態においては請求項1に対応して前面にフェース3を形成すると共に、一側にシャフト取付け部8を設けたヘッド1にシャフト2を連結したゴルフクラブにおいて、前記ヘッド1をヘッド本体1Aとフェース板14の複数の部材を組み合わせて形成すると共に、これらヘッド本体1Aとフェース板14をレーザー溶接により固着し、かつ前記レーザー溶接される部材たるヘッド本体1Aの周縁部12の全部または一部にトップ4,ソール5等に至りフェース板14の前面より前方に突出する凸所18Aを形成したことにより、レーザー溶接時に溶接箇所にひけが起こり、窪もうとしても凸所18Aの溶融金属がこれを埋めてひけの防止を図ることができる。
【0026】
図13に示した第4実施形態においては、えぐり部16等を形成したヘッド本体1Aとフェース板14の固着をレーザー溶接により行なう。これは予めフェース板14の周縁部の全部又は一部、実施形態ではトップ4側とソール5側を肉厚に形成して凸部14Aを形成しておく。この凸部14Aはフェース板14の中央前面より前方に突出するように形成されるものであって、周縁部の全部又は一部を肉厚に形成している。その凸部14Aのフェース板14の中央前面からの突出高さX´´は1mm以下、好ましくは0.8mm程度で、幅Y´´は1mm以下、好ましくは0.5mmとすることで、レーザーの焦点が合わなくなるようなことはなく、凸部14Aを確実に溶融することができる。またフェース板14の背面の縁を例えば所定の45度以上の仰角、例えば仰角80度の角度で0.5〜1.5mm程度の凹部たる面取り部19を予め形成しておく。そしてフェース板14を窓孔11に嵌合した後に、レーザー溶接機のヘッド21を窓孔11の縁12に向けてレーザー溶接を行なう。この際凸部14Aも溶融して、溶接された中央部が盛り上がり、その両側は熱によりヒケが起こり、窪んでしまうが、前記凸部14Aの溶融金属が窪みに流れ込み窪みの発生を防止することができる。また、レーザー光が前面より照射して溶接を行なうが、フェース板14の背面に面取り部19を形成してフェース板14と底面15との間に空隙22が形成されるので、部分的に厚みを薄くして貫通溶接とすることでレーザー溶接時に生じる気泡の逃げ箇所を確保することができる。
【0027】
以上のように、第4実施形態においては請求項1に対応して前面にフェース3を形成すると共に、一側にシャフト取付け部8を設けたヘッド1にシャフト2を連結したゴルフクラブにおいて、前記ヘッド1をヘッド本体1Aとフェース板14の複数の部材を組み合わせて形成すると共に、これらヘッド本体1Aとフェース板14をレーザー溶接により固着し、かつ前記レーザー溶接される部材たるフェース板14の周縁部の全部または一部に前方に突出する凸部14Aを形成したことにより、レーザー溶接時に溶接箇所にひけが起こり、窪もうとしても凸部14Aの溶融金属がこれを埋めてひけの防止を図ることができる。
【0028】
図14に示した第5実施形態においては、フェース板14の側面に凹部19Aを予め形成しておく。そしてフェース板14を窓孔11に嵌合した後に、レーザー溶接機のヘッド21を窓孔11の周縁12に向けてレーザー溶接を行なう。このレーザー光が前面より照射して溶接を行なうが、フェース板14の側面に凹部19Aを形成してフェース板14と窓孔11との間に空隙22Aが形成されるので、部分的に厚みを薄くして貫通溶接とすることでレーザー溶接時に生じる気泡の逃げ箇所を確保することができる。尚、凹部19Aは空隙22Aを形成するものであればよく、形状などは変形が可能である。
【0029】
以上のように、第5実施形態では前記ヘッド1をヘッド本体1Aとフェース板14の複数の部材を組み合わせて形成すると共に、これら複数の部材をレーザー溶接により固着し、かつ前記レーザー溶接されるフェース板部材14の側面に凹部19Aを形成したことで、レーザー溶接の加工時に材料の厚みを薄くして貫通溶接とすることで、気泡の逃げ場の空隙22Aを確保することで、気泡が溶接部に閉じ込められず、この結果ピンホールが溶接箇所に形成されることはないので、良好な溶接を行なうことができると共に、溶接箇所を研磨などしてもピンホールがあらわれることがないので仕上げをきれいにすることができる。
【0030】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば 図15に示すようにヘッド本体1Aの背面に中空部41を介して背面殻42を一体に設けたいわゆる中空アイアン式のゴルフクラブでもよい。このような中空アイアン式のものではフェース板14と、前面にフェース板14を固着する窓孔11を設け背面に中空部41を形成すると共に一側にシャフト取付け部8を設けたヘッド本体1Aと、前記ヘッド本体1Aに連結したシャフト2とを備えるゴルフクラブの製造方法において、ヘッド本体1Aの前面側から機械加工部を窓孔11を通してヘッド本体1Aの一部を形成する前記中空部41を加工した後、前記窓孔11にフェース板14をレーザー溶接により固着するように製造することにより、中空部41の加工において機械加工部20を他の部位により邪魔されることなく深く挿入して加工することができ、加工の自由度を向上して中空部41を深く形成したりすることが可能である。また、 図16に示すように中空アイアン式のものでは前記ヘッド本体1の窓孔11側から金型33の突部34A,35Aを窓孔11を通して中空部41、えぐり部16を加工した後、前記窓孔11にフェース部材をレーザー溶接により固着するようにしたことにより、中空部41の加工において突部35Aを他の部位により邪魔されることなく深く挿入して加工することができ、加工の自由度を向上して深く形成したりすることが可能である。
【0031】
さらに変形例としては、実施形態ではレーザー溶接によりフェース板を固着したが、他の溶接例えばTIG用接などの他の溶接手段でもよく、また溶接以外に接着、あるいは圧入、嵌着などの固着手段でもよい。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明は、前面にフェースを形成すると共に、一側にシャフト取付け部を設けたヘッドにシャフトを連結したゴルフクラブにおいて、前記ヘッドを複数の部材を組み合わせて形成すると共に、これら複数の部材を溶接により固着し、かつ前記部材の周縁部の全部または一部に沿って凸部を前方に突出するように形成し、前記部材の背面の縁又は側面に空隙を形成し、前面より溶接を行なうことを特徴とするゴルフクラブの製造方法であり、溶接時のひけの防止を図ることができる。また、前記空隙によって溶接の加工時に材料の厚みを薄くして溶接することで、空隙を確保し、気泡が溶接部に閉じ込められず、この結果ピンホールが溶接箇所に形成されることはない。
【0033】
請求項2の発明は、シャフトを連結するシャフト取り付け部を設けたヘッド本体の前面に形成した窓孔に、フェース部材を溶接したゴルフクラブの製造方法において、前記窓孔の周縁部の全部又は一部に凸部を前方に突出するように形成し、前記フェース部材の背面の縁又は側面に空隙を形成し、前面より溶接を行なうことを特徴とするゴルフクラブの製造方法であり、溶接時のひけの防止を図ることができる。また、前記空隙によって溶接の加工時に材料の厚みを薄くして溶接することで、空隙を確保し、気泡が溶接部に閉じ込められず、この結果ピンホールが溶接箇所に形成されることはない。
【0034】
請求項3の発明は、シャフトを連結するシャフト取り付け部を設けたヘッド本体の前面に形成した窓孔に、フェース部材を溶接したゴルフクラブの製造方法において、前記フェース部材の周縁部の全部又は一部に凸部を前方に突出するように形成し、前記フェース部材の背面の縁又は側面に空隙を形成し、前面より溶接を行なうことを特徴とするゴルフクラブの製造方法であり、溶接時のひけの防止を図ることができる。また、前記空隙によって溶接の加工時に材料の厚みを薄くして溶接することで、空隙を確保し、気泡が溶接部に閉じ込められず、この結果ピンホールが溶接箇所に形成されることはない。
【図面の簡単な説明】
【 図1】 本発明の参考例を示す正面図である。
【 図2】 本発明の参考例を示す背面図である。
【 図3】 本発明の参考例を示す断面図である。
【 図4】 本発明の第1実施形態を示すヘッド原型の分解斜視図である。
【 図5】 本発明の第1実施形態を示す正面側から見た分解斜視図である。
【 図6】 本発明の第1実施形態を示す背面側から見た分解斜視図である。
【 図7】 本発明の第1実施形態を示す正面図である。
【 図8】 本発明の第1実施形態を示す機械加工時の斜視図である。
【 図9】 本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【 図10】 本発明の第1実施形態を示す溶接時の断面図である。
【 図11】 本発明の第2実施形態を示す断面図である。
【 図12】 本発明の第3実施形態を示す断面図である。
【 図13】 本発明の第4実施形態を示す断面図である。
【 図14】 本発明の第5実施形態を示す断面図である。
【 図15】 本発明の第5実施形態を示す断面図である。
【 図16】 本発明の第6実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ヘッド
1A ヘッド本体
2 シャフト
3 フェース
8 シャフト取付け部
11 窓孔
14 フェース板(フェース部材)
18 凸部
18A 凸所(凸部)
22 空隙

Claims (3)

  1. 前面にフェースを形成すると共に、一側にシャフト取付け部を設けたヘッドにシャフトを連結したゴルフクラブにおいて、前記ヘッドを複数の部材を組み合わせて形成すると共に、これら複数の部材を溶接により固着し、かつ前記部材の周縁部の全部または一部に沿って凸部を前方に突出するように形成し、前記部材の背面の縁又は側面に空隙を形成し、前面より溶接を行なうことを特徴とするゴルフクラブの製造方法。
  2. シャフトを連結するシャフト取り付け部を設けたヘッド本体の前面に形成した窓孔に、フェース部材を溶接したゴルフクラブの製造方法において、前記窓孔の周縁部の全部又は一部に凸部を前方に突出するように形成し、前記フェース部材の背面の縁又は側面に空隙を形成し、前面より溶接を行なうことを特徴とするゴルフクラブの製造方法。
  3. シャフトを連結するシャフト取り付け部を設けたヘッド本体の前面に形成した窓孔に、フェース部材を溶接したゴルフクラブの製造方法において、前記フェース部材の周縁部の全部又は一部に凸部を前方に突出するように形成し、前記フェース部材の背面の縁又は側面に空隙を形成し、前面より溶接を行なうことを特徴とするゴルフクラブの製造方法。
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