JP3612400B2 - 多重回転子電気機械式トランスジューサ、及び、この種トランスジューサの制御方法 - Google Patents

多重回転子電気機械式トランスジューサ、及び、この種トランスジューサの制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、現在時刻のインジケータ、日付、週日、時間の実測期間、警報時刻、等々のような時計器の各種インジケータを駆動するために使用できる1つの単一の固定子と数個の回転子を有する電気機械式トランスジューサに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の1つの目的は、コンパクトかつ比較的安価な構造の各種回転子が、これらの各種回転子の2つの回転方向のうちの一方向に選択的に回転可能であるように、相互に独立して制御可能なタイプのトランスジューサを提案することにある。
本発明の他の目的は、種々の回転子が相互に独立して、それらの2つの回転方向のうちの一方の方向に選択的に回転するようにトランスジューサを制御する方法を提案することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本目的は、請求項1の主題であるトランスジューサの備える特徴によって達成される。
すなわち、Nが2以上の任意の数のとき、中心軸を備え、円筒形のN個の開口部が配置された固定子と、複数の巻線と、N個の回転子とを有し、各回転子は開口部の1つを通して配置され、各回転子は、それが通された開口部の中心軸と同じ回転軸を有し、更に、当該開口部内にあって、前記回転軸に垂直な磁化軸を有する二極式永久磁石を有し、更に、固定子が2つの主要部分を有し、各主要部分が2つの終端部およびそれぞれ一方と他方の主要部を磁気的に結合する2N+1個の連結部分を有し、その2N+1個の連結部分の各々は、トランスジューサ内において1から2N+1までの所定のランクを割り当てられていて、N個の開口部の各々は、偶数ランクの連結部分のうちの1つの延長線上の主要部分に配置され、そして、3個の固定子極で囲まれ、各開口部は極拡張部において終結し、前記固定子極のうちの2個は当該主要部分の一部分によって形成され、そして、前記固定子極のうちの第3の固定子極はそれぞれの偶数ランクの連結部分によって形成され、N個の開口部がランク1からランクNの開口部となるとき、ランク1の開口部はランク2の連結部分の延長線上に配置され、ランク2の開口部はランク4の連結部分の延長線上に配置され、このようにして、ランクNの開口部はランク2Nの連結部分の延長線上に配置され、N個の回転子の各々が当該回転子が貫通する開口部のランクに等しいランクが割り当てられ、複数の巻線はN+1個の巻線を有し、それぞれの巻線は異なる連結部分に巻かれ、それぞれの巻線にランク1からランクN+1までを割り当てるとき、ランク1の巻線は、ランク1またはランク2の連結部分の一方に巻かれ、ランクN+1の巻線はランク2Nまたは2N+1の連結部分の一方に巻かれ、そして、それ以外の巻線の各々はそれぞれ異なる奇数ランクの連結部分の1つに巻かれることを特徴とする。
【0004】
特に、回転子のための開口部のうちの任意の1つを部分的に囲む2つの固定子極は、2つの巻線によってそれぞれ巻かれた芯を形成する2つの連結部分の第1の端部に直接接続され、更に、前記開口部を部分的に囲む第3の固定子極は、巻線を備えた2個の連結部分の第2の端部に接続され、そして、巻線を備えていない連結部分に直接接続される。
【0005】
本発明の方法は、1≦i≦Nである場合において、ランクiの回転子をその第1の回転方向に回転させるために、交互に極性が変わる駆動パルスをランクiの巻線に供給し、そして、iが1より大きい場合に、同時に、これらの駆動パルスと同位相の補償パルスをiよりも番号の小さいランクの各巻線に供給する過程と、
ランクiの前記回転子をその第2の回転方向に回転させるために交互に極性の変わる駆動パルスをランクi+1の巻線に供給し、そして、i+1がNより小さい場合に、同時に、これらの駆動パルスと同位相の補償パルスを高い方のランクの各巻線に供給する過程と、
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の他の目的、特徴、及び、利点については、以下に示す幾つかの実施形態についての説明によって、明瞭になる筈である。制限的な意味を持たないこれらの実施形態については、次の添付図面において概略的に示される。
図1に示す実施形態において、全体的に参照番号1によって示される本発明の電気機械式トランスジューサは1個の固定子、4個の回転子、及び、5個の巻線を有する。
【0007】
参照番号2によって示される固定子は、それぞれが第1の端部3a、4a、及び、第2の端部3b、4bを備える2つの主要部分3及び4を有する。
類推によって、主要部分3及び4の第1端部3a及び4aが位置する固定子2の端部は前記の固定子の第1端部と称し、そして、この種の主要部分3及び4の端部3a及び4aが位置する端部を固定子2の第2端部と称する。
更に、固定子2は、相互に隣り合っていて、それぞれ第1主要部分3と第2主要部分4とに連結された、それぞれが第1と第2の端部を含む9個の連結部分5から13までを有する。主要部分3、4の第1端部3a、4aと第2端部3b、4bとは連結部分5と13を経てそれぞれ接続される。
【0008】
一方では部分3と4、及び、他方では部分5から13までは、相互に区別し、本記述を簡素化するために、単に主要部分および連結部分と称することに注意されたい。これらの部分には各々名称が与えられているが、後続する記述によって解明されるように、これらの各部分は、トランスジューサ1の構成および動作の観点から他の全ての部分と全く同様に重要かつ不可欠である。
再度、本記述を簡素化するために、任意の方法により、固定子2の第1端部に最も近い連結部分5から始まり、そして、これらの連結部分が固定子2において配置されている順序に従って、それぞれの連結部分5から13までにランクが割り当てられる。従って、ランク1は連結部分5に、ランク2は連結部分6に、このようにして、固定子2の第2端部に最も近い連結部分13にランク9が割り当てられる。従って、奇数ランク連結部分、即ち、参照番号5、7、9、11、及び、13によって示される部分と、偶数ランク連結部分、即ち、参照番号6、8、10、及び、12によって示される部分とを区別することができるはずである。
連結部分5から13まで個数は奇数であるので、ランク1を連結部分13に割り当て、そして、ランク9を連結部分5に割り当てた場合であっても、この奇数ランク連結部分と偶数ランク連結部分への配分は変わらないことに注意されたい。
【0009】
この例において、固定子2には、全てがそれぞれ偶数ランク連結部分6、8、10、12のうちの1つの延長線上の主要部分3に4つの開口部14から17までが配置されている。開口部14から17までは、それぞれ中心軸14a、15a、16a、及び、17aを有する全体的に円筒形である。
同様に、トランスジューサ1は、それぞれ開口部14から17までのなかの1つを貫く4個の回転子18−21を有する。これらの回転子18−21は、回転子がそこを貫く開口部14から17までの軸と同じ軸のまわりに自由に回転する。この場合、回転子の回転軸と開口部の軸とは同一参照番号で表示される。
【0010】
これらの回転子18−21は、例えば、時刻表示針をドライブするために電子式時計器において特に使用される周知のステッピングモータ回転子と全く同じなので、ここでは詳細に説明しない。簡単に述べると、この種の回転子18−21の各々は、これらの回転子がそこを貫く開口部14から17までの中に位置する半径方向に磁化された二極永久磁石を有する。それぞれ参照番号18a−21aによって示されるこれらの永久磁石のみを図1に示す。それぞれの回転軸14aから17aまでに垂直な磁石18a−21aの磁化軸はそれぞれ参照番号18b−21bによって示され、実線矢印によって象徴される。
【0011】
更に、トランスジューサ1は、それぞれ固定子2の奇数ランク連結部分5、7、9、11、13のうちの1つを巻く5個の巻線22−26を有する。これらの巻線は、図示されていない接続部を経て、トランスジューサ1の同じく図示されていない電子式制御回路に接続される。これらの電子式制御回路の動作については後で説明する。
【0012】
当該技術分野における当業者であれば容易に理解できるように、偶数ランク連結部分6、8、10、12は、主要部分3及び4と一体構造であることが好ましく、また、これらの部分は、例えば従来のステッピングモータの固定子を製造するためにしばしば使用される材料のうちの1つであるような高い磁気透磁率の材料によって作られる。
当該技術分野における熟達者であれば容易に理解できるように、それぞれ巻線22−26の芯(コア)を構成する奇数ランク連結部分5、7、9、11、13は固定子2の残りの部分に付加された部分であり、そして、例えば、図示されていないネジ又はリベットのような固定手段によって主要部分3及び4に磁気的に結合されることが好ましい。
【0013】
後で明瞭になるはずの理由により、主要部分3の2つの部分、及び、各々の開口部14から17までを囲む連結部分6、8、10、12のうちの1つの部分は固定子極と呼ばれ、そして、この種の開口部14から17までの内部壁の一部を構成するこの種の固定子極の端部は極拡張部と呼ばれる。開口部14から17までを囲む固定子極は、それぞれ参照番号27−29、30−32、33−35、36−38で示され、固定子極28、31、34、及び、37はそれぞれ連結部分6、8、10、及び、12の一部分であり、そして、他の固定子極は全て主要部分3の一部分である。固定子極27から38までの端部によって形成された極拡張部は、それぞれ参照番号27aから38aまでによって示される。
【0014】
再度、本記述を簡素化するためにのみ、主要部分3の一部分である固定子極、及び、固定子極が終結する極拡張部は主固定子極、及び、主極拡張部と称する。同様に、偶数ランク連結部分の一部分である固定子極、及び、連結部分が終結する極拡張を横断固定子極、及び、極拡張部と称する。
【0015】
主部分3、及び、偶数ランク連結部分6、8、10及び12の寸法、及び、これら種々の部分、及び、開口部14から17までの相対的配置は、各々のこの種の開口部を囲む3個の固定子極が、それらの磁気抵抗が固定子2の他の部分の磁気抵抗よりも遥かに高くなるように断面積が十分に小さい領域により対を構成するように分離され、前記の3個の固定子極を磁気的に絶縁するような方法によって選定される。この種の磁気抵抗の高い領域はしばしば首部(ネック)と呼ばれる。
更に、これらの寸法および配置は、各開口部14から17までを部分的に囲む2つの主極拡張部分が当該開口部の軸14aから17aまでを含み、そして、同一開口部を同様に部分的に囲む横断極拡張部の中央を通過する平面に対して相互に対称的であり、従って、この種の横断極拡張部自体が当該同一平面に対して対称的であるような方法によって選定される。開口部14から17までの4個の対称平面はそれぞれ参照番号AからDによって示され、そして、図1の平面におけるこれら対称平面の断面図(トレース)は鎖線によって表される。
【0016】
各々の主固定子極は、巻線22−26の芯を形成する横断部、即ち、図1に示す例における奇数ランク横断部のうちの1つの第1端部に直接結合されていることが分かる。
更に、全ての横断固定子極は、巻線を備えない、即ち、図1に示す例における偶数ランク連結部分のうちの1つの第1端部に直接結合される。
【0017】
更に、トランスジューサ1は、回転子18−21を位置決めするための手段を有する。これらの回転子の各々は2つの休止位置、或いは、最小エネルギ位置を持つように配置され、そして、これら2つの位置は、磁石18a−21aの磁化軸18b−21bが、それぞれ既に定義済みの対称平面A、B、C、D内にある位置である。
換言すれば、各回転子18−21の位置決め手段は、その回転子の2つの休止位置において、その磁石の磁化軸の方向が、回転子が配置される開口部を囲む3個の固定子極のなかの1つの巻線の芯に直接接続されない固定子極の端部に位置する極拡張部の中央を通過するように配置される。
この例において、各回転子18−21の位置決め手段は2つのノッチによって形成され、各ノッチは当該回転子を部分的に囲む主極拡張部のうちの1つに配置され、更に、これら2つのノッチは、それぞれの対称面A、B、C、または、Dに対して相互に対称的である。
【0018】
図1において、回転子18−21の磁石18a−21aは、全て、これらの回転子が2つの休止位置に有る状態を示し、それらの磁化軸18b−21bは、それぞれの横断極拡張部28a、31a、34a、37aの直径的に反対の位置にある首部(ネック)に向かって方向づけされる。回転子18−21のこの休止位置は、第1休止位置と呼ばれることがある。回転子18−21のもう一方の休止位置、即ち、これらの磁石18a−21aの磁化軸18b−21bが、それぞれの横断極拡張部28a、31a、34a、または、37aの中央部に向かって方向づけされる位置は、明らかに第2休止位置と呼ばれる。
【0019】
図2から4までを参照して、トランスジューサ1の動作について説明する。図示されていないトランスジューサ1の電子制御回路は、巻線22−26、または、その内の幾つかを、以下に詳細に示すように特定の限られた期間に亙って、同様に図示されていない電源に接続するように構成される。換言すれば、トランスジューサ1の制御回路は、通常制御パルスと呼ばれるパルスを巻線22−26に供給するように構成される。
以下に更に詳細に説明するように、これらの制御パルスのうちの幾つかは、回転子18−21のうちのいずれか1つを回転させることを意図するものであり、駆動パルスと呼ばれる。更に、これらのパルスのうちの駆動パルス以外の幾つかは、必要に応じて、駆動パルスの望ましくない影響を補償することを意図するものであり、補償パルスと呼ばれる。
更に、不要な説明の繰返しを防止するために、駆動パルス又は補償パルスの継続期間中において、所要の効果を得るために十分な電力が巻線22−26のうちのいずれか1つに供給されるものと仮定しても差し支えない。
【0020】
巻線に供給される制御パルスに応答して巻線を流れる電流は、当該巻線の芯を構成する固定子2の連結部分に磁界を誘導する。この場合の磁界の方向は明らかに電流の方向に依存し、従って、当該制御パルスの極性に依存する。以下の説明における制御パルスの極性は、当該制御パルスを巻線に供給した場合に巻線の芯に誘導される磁界の方向が芯の一方の端部、即ち、主要部分3に接続された端部に向かって主要部分4に接続された当該芯のもう一方の端部から出て行く方向であり、この場合のパルスを正の制御パルスと呼ぶこととする。上記の方向と反対方向の磁界に応答する制御パルスを負の制御パルスと呼ぶこととする。
【0021】
以下の説明を簡単にするために、これらの巻線に供給される制御パルスに応答して巻線22−26を流れる電流が当該パルスの継続期間全体に亙って実質的に一定であるようにトランスジューサ1の制御回路が構成されるものと仮定しても差し支えない。ただし、当該技術分野における熟達者であれば、これが、トランスジューサ1が正しく作動するための必要条件でないこと、及び、トランスジューサの制御回路が、例えば、巻線22−26に供給される電圧を制御パルスの全継続期間に亙って一定であるように構成可能であることを理解する筈である。更に、当該技術分野における熟達者であれば、特に時計学において、例えば、最小限度の電力消費のような種々の利点を持ち、更に、本発明に従ってトランスジューサを制御するために実現可能であるような種々のトランスジューサ用電源手段について熟知している筈である。
【0022】
巻線22を流れる電流は、参照番号51によって示される磁界を連結部分5に誘導する。固定子2におけるその結果を破線によって図2に略図的に示す。
磁界51は、連結部分5に加えて、固定子極27、開口部14と磁石18a、並ランク配置された固定子極28と連結部分6、及び、固定子極29と連結部分7、そして、最終的に主要部分4の一部で構成される閉回路を通過する。
【0023】
開口部14および磁石18aにおける磁界51の結果磁界は参照番号51aによって示される。磁界51のこの種の結果磁界51aは、開口部14の対称平面Aに対して鈍角を形成する。この角度の値は、一方においては極拡張部27a及び29aが、更に、他方においては極拡張部28aが広がっている中心に対する角度の値に依存する。実際上、この鈍角は約110度から約160度までの範囲内の値であり、その精密な値は、従来のステッピングモータの場合と同様に、以下に説明する方法においてトランスジューサ1が作動する場合に、回転子18によって供給しようとする駆動トルクの値の関数として選定される。
【0024】
開口部15の磁気抵抗は連結部分7の磁気抵抗よりもかなり高いことに注意されたい。従って、巻線22を流れる電流に応答してこの開口部15を通過する磁界は無視できる程度に極めて弱い。
【0025】
図1及び2に示すように、回転子18がその第1休止位置に在る状態から作動開始するものと仮定しても差し支えない筈である。
トランスジューサ1の制御回路によって巻線22に正の駆動パルスが供給された場合の磁界51の方向は、前記の磁界を象徴する破線に付記された矢印によって示される。
これら状態において、磁界51と磁石18aの磁界との開口部14における相互作用によって、磁石18a、ひいては回転子18に、当該回転子18を矢印52の方向、即ち、全体的に負の方向と称する方向に回転させるトルクが作用することが分かる。従って、この駆動パルスの終端部において、回転子18は、180度回転したその第2休止位置に到達する。
【0026】
トランスジューサ1の制御回路によって、先行パルスと逆の極性を持つ別の駆動パルス、即ち、負の駆動パルスが巻線22に供給されると、回転子18は再び負の方向に180度だけ回転し、そして、この負の駆動パルスが終わった後で、再びその第1休止位置を占めることは、詳細に説明する必要もなく、理解される筈である。
従って、交互に極性の異なる駆動パルスを巻線22に供給すると、回転子18は負の方向に連続段階的に180度だけ回転させられる。
既に述べたように、巻線22に供給される制御パルスに応答して開口部15及び磁石19aを通過する磁界は無視しても差し支えない。既に説明したように、回転子18を負の方向に回転させるために巻線22に駆動パルスを供給した場合、回転子19には影響を及ぼさず、回転子20及び21に対する影響は更に小さい。
要約すれば、交互に極性の変わる駆動パルスを巻線22のみに供給することにより、回転子18、しかも、巻線22の回転子のみが負の方向に回転させられることが分かる。
【0027】
巻線23を流れる電流は参照番号53によって示される磁界を連結部分7に誘導し、その結果としての固定子2における磁界は図3に破線によって表される。参照番号531によって示される磁界53の第1の部分は、連結部分7に加えて、固定子極30、開口部15と磁石19a、固定子極31と連結部分8、これらと並ランク配置された固定子極32と連結部分9、最終的に主要部分4の一部によって構成される閉回路を通過する。
磁界53の前記第1部分531の開口部15における参照番号基準531aによって示される結果磁界は、対称平面Bに対して鈍角を形成する。実際には、この鈍角の値は約110度から約160度までの間である。
【0028】
参照番号基準532によって示される磁界53の第2の部分は、連結部分7に加えて、固定子極29、開口部17と磁石18a、固定子極27と連結部分5、これらと並ランク配置された固定子極28と連結部分6、最終的に主要部分4によって構成される別の閉回路を通過する。
磁界53の前記第2部分532の開口部14における参照番号基準532aによって示される結果磁界は、対称平面Aに対して鈍角を形成する。この鈍角は、前記の平面Aに対して、図2に示す場合において磁界51の結果磁界51aによって形成される鈍角に対して対称である。
【0029】
磁界53の一部分531及び532がそれぞれ通過する回路の磁気抵抗は実質的に等しいので、これら2つの部分531及び532も同様に実質的に等しいことに注意されたい。他方、開口部16の磁気抵抗は連結部分9の磁気抵抗よりもかなり高い。従って、巻線23を流れる電流に応答して前記開口部9を通過する磁界は無視しても差し支えない。
【0030】
トランスジューサ1の制御回路によって巻線23に正の駆動パルスが供給された場合における磁界53の方向は、磁界を表す破線に付記した矢印によって示される。
【0031】
前記正の駆動パルスの開始時点において回転子19がその第1休止位置に在る場合には、開口部15における磁界53の一部分531と磁石19aの磁界との相互作用によって、磁石19a、ひいては回転子19には、回転子19を矢印54の方向、即ち、再び負の方向に回転させようとするトルクが働く。従って、この駆動パルスの終了時点において、回転子19は、180度だけ回転した後で、その第2休止位置に到達する。
トランスジューサ1の制御回路によって巻線23に負の駆動パルスが供給された場合には、回転子19は再び負の方向に回転し、そして、負の駆動パルスが終了した後で、回転子19は再びその第1の休止位置を占める。
従って、交互に極性の変わる駆動パルスが巻線23に供給されると、回転子19は負の方向に連続段階的に180度だけ回転させられる。更に、前記巻線23を流れる電流に応答して開口部16を通過する磁界は非常に弱いので、これらの駆動パルスを巻線23に供給しても回転子20には影響を及ぼさず、また、回転子21に及ぼす影響は更に小さい。
【0032】
既に述べたように、磁界53の2つの部分531と532は実質的に等しい。巻線23に駆動パルスを供給して、回転子19を作動させた場合、これらの駆動パルスによって回転子18が同時に回転することは全く可能であるし、実際に起こる。ただし、開口部14における磁界53の結果磁界532aは、巻線22に流れる電流によって生成される磁界51の結果磁界51aに対し、平面Aに関して対称である(図2参照)。従って、巻線23に供給される駆動パルスに応答して回転子18に作用するトルクの方向は、巻線22に駆動パルスが供給された場合の方向と反対である。従って、巻線23に駆動パルスが供給されると、図3に矢印55によって示される正の方向に回転子18が回転させられる。
【0033】
既に説明したように、巻線22に流れる電流によって固定子2の連結部分5に磁界が誘導される。この磁界は、図3に一点鎖線によって示され、この場合には、参照番号56によって示される。
磁界56が通過する回路は、図2の場合の磁界51が通過する回路と明らかに同じであるので、ここで再度説明はしない。開口部14におけるこの磁界56と磁石18aの磁界の結果磁界は参照番号56aによって示されるということだけを付記しておく。
この結果磁界56が図2の磁界51の結果磁界51aと同じ方向であることは明白であり、従って、この方向は、平面Aに関して磁界53の結果磁界532aの方向と対称である。
【0034】
回転子19を既に述べた方法によって回転させるために、例えば正のパルスである駆動パルスを巻線23に供給し、そして、同じく正の制御パルスが巻線22に同時に供給された場合、開口部14における磁界53及び56のそれぞれの結果磁界532a及び56aは、平面Aに関して相互に対称方向を持つ。更に、これらの結果磁界532a及び56aの方向は、前記の平面Aに垂直な方向に関して反対である。更に、2つの磁界532と56の絶対値が等しい場合には、開口部14における、磁石18aの磁界とこれらの磁界532及び56との相互作用の結果としてそれぞれ得られるトルクは、絶対値が等しく、方向が反対である。従って、これら2つのトルクは相互に相殺し、その結果、回転子18は、占有している位置には無関係に、動かない状態を維持する。
従って、この場合、巻線22に供給される制御パルスは、回転子19を回転させるために巻線23に供給された駆動パルスが回転子18に及ぼす影響を補償する補償パルスである。
【0035】
回転子19をその第2の休止位置から第1の休止位置まで回転させるために、トランスジューサ1の制御回路によって負の駆動パルスが供給される場合、回転子18の一切の回転を防止するために、この制御回路によって、巻線22に負の補償パルスが同時に供給されなければならないことは明白である。
要約すれば、回転子19を負の方向に回転させるためには、トランスジューサ1の制御回路によって、極性が交互に変わる駆動パルスを巻線23に供給する。これらの駆動パルスに応答して前記回転子19を1つだけ回転させようとする場合には、これらの駆動パルスと同じ極性の補償パルスが、トランスジューサ1の制御回路によって、これらの駆動パルスと同期して巻線22に供給される。換言すれば、巻線22に供給される補償パルスは、巻線23に供給される駆動パルスと同位相である。
【0036】
以上の説明から、回転子20を負の方向に回転させるには、交互に極性の変わる駆動パルスがトランスジューサ1の制御回路によって巻線24に供給されることが、更に詳細な説明を要することなく、当該技術分野における熟達者にとって容易に理解できるはずである。これらの駆動パルスは、回転子21には影響を及ぼさない。他方では、これらの駆動パルスは、回転子19に作用し、そして、この回転子を正方向に回転させようとする。この影響を防止するためには、トランスジューサ1の制御回路によって、これらの駆動パルスと同位相の補償パルスを巻線23に供給しなければならない。
【0037】
ただし、巻線23に供給されるこれらの補償パルスは、回転子18にも作用し、そして、この回転子を同様に正の方向に回転させようとする。この影響を防ぐためには、巻線23に供給されるパルスと同位相であり、従って、巻線24に供給される駆動パルスとも同位相の他の補償パルスを、トランスジューサ1の制御回路によって巻線22に供給しなければならない。
【0038】
当該技術分野における熟達者であれば、回転子21を負の方向に回転させるためには、トランスジューサ1の制御回路によって、交互に極性の変わる駆動パルスが巻線25に供給されることが理解されるはずである。更に、回転子21をただ1つだけ回転させなければならばない場合には、トランスジューサ1の制御回路により、巻線22、23、及び、24に、これらの駆動パルスと同位相の補償パルスを供給する。
【0039】
巻線26を流れる電流は連結部分13に参照番号61によって示される磁界を誘導し、この磁界の結果磁界は、図4に破線によって略図的に表される。
磁界61は、連結部分13に加えて固定子極38、開口部17と磁石21a、固定子極37と連結部分12、固定子極36と連結部分11、そして、最終的に主要部分4によって構成される閉回路を通過する。
開口部17における磁界61及び磁石21aの結果磁界は参照番号61aによって示される。この磁界61の結果磁界61aは、対称平面Dに対して鈍角を形成し、この鈍角の値は、一方では極拡張部36a及び38aが、他方においては37aが広がっている中心に対する角度に依存する。
【0040】
この結果磁界61aの方向は、開口部17における結果磁界の方向の平面Dに関して、巻線25を流れる電流によって固定子2に誘導される、図4には図示されていない磁界の方向と対称であることに注意されたい。
更に、開口部16の磁気抵抗は連結部分11の磁気抵抗よりもかなり高いことに注意されたい。従って、巻線26を流れる電流に応答してこの開口部16を通る磁界は無視できる程度である。
【0041】
トランスジューサ1の制御回路によって巻線26に正の駆動パルスが供給された場合における磁界61の方向は、前記の磁界を象徴する破線に付記された矢印によって示される。
回転子21がその第1休止位置に在る場合には、磁界61と磁石21aの磁界との開口部17における相互作用により、磁石21a、ひいては回転子21に、矢印62の方向、即ち、正の方向に当該回転子21を回転させようとするトルクが作用することが分かる。
従って、回転子21は、正方向に180度回転した後で、この駆動パルスの終了時点において、その第2休止位置に到達する。
【0042】
更に、トランスジューサ1の制御回路によって巻線26に負の駆動パルスが供給された場合には、回転子21は、再び正方向に180度回転し、そして、当該駆動パルスが終了した後で、再びその第1休止位置を占めることが分かる。
従って、交互に極性が変化する駆動パルスが巻線26に供給されると、回転子21は、連続段階的に正方向に180度だけ回転させられる。
更に、巻線26にこれらの駆動パルスを供給することによって、回転子20には影響を及ぼさず、回転子18及び19への影響は更に小さい。
【0043】
これらの回転子を負方向に回転させる方法、及び、回転子21を正方向に回転させる方法については以上の説明から容易に推論できるので、回転子18から20までが正方向に回転するようにトランスジューサ1を制御する方法については、ここで詳細には説明しない。
【0044】
回転子20を正方向に回転させるためには、トランスジューサ1の制御回路によって、交互に極性の変化する駆動パルスが巻線25に供給されることだけを付記するにとどめる。前記回転子20を1つだけ回転させなければならない場合には、巻線25に供給される駆動パルスと同位相の補償パルスが、制御回路によって巻線26に供給される。
【0045】
同様に、回転子19を正方向に回転させるためには、制御回路により、交互に極性の変化する駆動パルスを巻線24に供給し、そして、回転子19を1つだけ回転させなければならない場合には、これらの駆動パルスと同位相の補償パルスを制御回路によって巻線25及び26に供給する。
【0046】
最終的に、回転子18を正方向に回転させるためには、交互に極性の変化する駆動パルスを制御回路によって巻線23に供給し、そして、当該回転子18を1つだけ回転させなければならない場合には、これらの駆動パルスと同位相の補償パルスが制御回路によって巻線24、25、及び、26に供給される。
【0047】
当該技術分野における熟達者であれば、以上の教示に基づいて、複数回転子の所定方向における同時回転を可能にするために、本発明に基づくトランスジューサの各種コマンドを考案できる筈であることに注意されたい。
【0048】
図5に示す実施形態において、参照番号71によって示される本発明に基づいた電気機械式トランスジューサは、図1のトランスジューサ1と同様に、参照番号72で示す固定子ステータ、4個の回転子及び5個の巻線を有する。
更に、固定子72は、参照番号73及び74によって示される2つの主要部分、及び、9個の連結部分を有する。これらの連結部分は、図1の固定子2の連結部分5から13までに類似し、そして、同じ参照番号によって示される。
更に、一方における主要部分73及び74、及び、他方における連結部分5から13までは、図1の固定子2の対応する部分と同じ方法において配ランクされ、そして、相互に接続される。
更に、固定子72は、参照番号75−78によって示される4個の開口部を備える。これらの開口部は全て全体的に円形円筒形状である。これらの円筒の軸は参照番号75aから78aによって示される。
【0049】
2個の開口部75及び77だけが第1の主要部分73に配置され、他の2個の開口部76及び78は第2主要部分74に配置される。
ただし、図1の場合と同様に、4個の開口部75−78は、それぞれ、偶数ランクの連結部分6、8、10、及び、12の延長線上に配置される。
更に、トランスジューサ71は、それぞれ開口部75−78のうちの1つを貫いて配置され、そして、前記開口部の軸75a−78aのまわりに自由に回転可能な4個の回転子を有する。これらの回転子は、図1のトランスジューサ1の回転子18−21に類似し、図1の場合と同じ参照番号によって示される。
【0050】
更に、図1の場合と同様に、前記回転子18−21の永久磁石18a−21aのみが図5において見ることが出来る。この場合、これらの永久磁石が生成する磁界の結果磁界は、それぞれ参照番号18b−21bによって示される実線に付記された矢印によって同様に表される。同様に、トランスジューサ71は、トランスジューサ1の巻線22−26に類似し、これらと同じ参照番号によって示される5個の巻線を有し、そして、各巻線は、奇数ランク連結部分5、7、9、11、及び、13のうちの1つを巻く。
図1の場合の固定子2と同様に、巻線22−26の芯を構成するこれらの奇数ランク連結部分は固定子72の残りの部分に付加された部分であることが好ましく、一方、偶数ランク連結部分6、8、10、及び、12は主要部分73及び74と一体構造であることが好ましいことは明白である。
【0051】
図1のトランスジューサ1の場合と同様に、開口部75−78の各々は、それぞれ参照番号79−81、82−84、85−87、88−90によって示される3個の固定子極で囲まれる。固定子極79、81、85、87は、主要部分73の一部分、固定子極82、84、88、90は、主要部分74の一部分によって形成され、そして、固定子極80、83、86、89は、それぞれ偶数ランク連結部分6、8、10、12の一部分によって形成される。
【0052】
トランスジューサ71については、もちろん既に述べた特定の要素を除き、その構造が図1のトランスジューサ1の場合と完全に同じであるので、ここでは詳細に説明しない。
トランスジューサ71も同様に回転子18−21を位置決めするための手段を有すること、及び、これらの手段は、磁石18a−21aの磁化軸18b−21bが各々開口部75−78の対称平面AからD内に位置するように配置されている。
同様に、既に述べた図1のトランスジューサ1の動作から容易に推論できるので、トランスジューサ71の動作についても詳細に説明しない。
【0053】
図1のトランスジューサ1の場合と同様に、トランスジューサ71のそれぞれの巻線22、23、24、または、25に駆動パルスが供給されると、回転子18、19、20、21を第1の方向に回転させること、さらに、前記のトランスジューサ71の巻線23、24、25、または、26に駆動パルスが供給されると、回転子18、19、20、21を第2の方向に回転させることを注記するにとどめる。回転子18及び20のこれら第1方向および第2方向は、それぞれ、トランスジューサ1の場合における負方向および正方向である。他方において、回転子19及び21の場合には、これらの第1方向および第2方向は、それぞれ、正方向および負方向であり、従って、図1のトランスジューサ1の場合の逆である。
【0054】
1つの回転子を回転させるための駆動パルスによって他の回転子も回転することを防止するために、図1のトランスジューサ1の場合と同じ方法において、補償パルスを特定の巻線に供給しなければならないことは同様に明白である。
当該技術分野における熟達者であれば、トランスジューサ71の代替実施形態において、固定子に配置される開口部が、図5に示す方法と異なる方法において配分可能であることは容易に理解できる筈である。
従って、例えば、2個の開口部は、最初の2つの偶数ランク連結部分6及び8の延長線上における主要部分のうちの1つに設けても差し支えなく、他の2個の開口部は、最後の2つの偶数ランク連結部分10及び12に面したもう一方の主要部分に設けても差し支えない。
更に、別の一例として、2個の開口部は、最初と最後の偶数ランク連結部分6及び12の延長線上における主要部分のうちの1つに設けても差し支えなく、他の2個の開口部は、第2と第3の連結部分8及び10の延長線上のもう一方の主要部分に設けても差し支えない。
同様に、3個の開口部は主要部分のうちの1つに配置し、そして、第4の開口部はもう一方の主要部分に配置しても差し支えない。
【0055】
図6に略図的に示す実施形態において、参照番号101で示す本発明の電気機械式トランスジューサは、同様に、参照番号102で示す固定子、4個の回転子、及び、5個の巻線を有する。
更に、固定子102は、2つの主要部分103と104、及び、図1のトランスジューサ1の連結部分5から13までに類似し、同じ参照番号で示される9個の連結部分を有する。一方においては主要部分103と104、及び、他方においては前記の連結部分5から13までは、図1の固定子2の対応する部分と同じ方法において配置され、そして、相互に接続される。
【0056】
更に、固定子2は、参照番号105−108によって示される4個の開口部を備える。この場合、全ての開口部は全体的に円形円筒形状であり、それらの軸はそれぞれ参照番号105a−108aによって示される。これら4個の開口部105−108は全て主要部分103に配置され、各開口部は偶数ランク連結部分6、8、10、及び、12のうちの1つの延長線上に位置する。 トランスジューサ1の4個の回転子は、図1のトランスジューサ1の回転子18−21に類似し、図1の場合と同じ参照番号によって示される。これらの回転子18−21の各々は開口部105−108のうちの1つを貫いて配置され、それぞれの軸105a−108bのまわりで不動である。
【0057】
図1の場合と同様に、図6において、前記回転子18−21の永久磁石18a−21aだけが見える。これらの磁石の各々によって生成された磁界の結果磁界も、それぞれ参照番号18b−21bによって示される実線に付記された矢印によって表される。
【0058】
トランスジューサ1の5個の巻線はトランスジューサ1の巻線22から26に類似し、この場合と同じ参照番号によって示される。
再び、トランスジューサ1の場合と同様に、トランスジューサ101の巻線23、24、25はそれぞれ奇数ランク連結部分7、9、11の1つを巻く。他方において、巻線22及び26はそれぞれ偶数ランク連結部分6及び12を巻く。この場合において、各々巻線22−26の芯を構成する連結部分6、7、9、11、12は 固定子102の残りの部分に付加された部分であることが好ましいことは明白であり、他方の連結部分5、8、10、及び、13は主要部分103及び104と一体構造であることが好ましい。
【0059】
開口部105−108に囲まれる固定子極109−120、及び、それらの各末端部に位置する極拡張部109a−120aについてはここで詳細に説明しない。理由は、これらの構成および配置が、図1における固定子極27から38まで、及び、固定子2の極拡張部27a−38aと全く同じであることによる。特に、図1の固定子2の場合と同様に、それぞれが開口部105−108を囲む3個の固定子極は、非常に磁気抵抗の高い首部(ネック)によって対を構成するように分離される。図6に示す実施形態の固定子102は、特に、2個の固定子極109及び120が第3主要部分140を経て磁気的に結合されている点において、図1に示す固定子と区別される。この場合、第3主要部分は、第1主要部分103とこの第3主要部分140との間に開口部142を形成する。従って、固定子102は、特に本発明に基づくトランスジューサ用装置の各種要素の取付けに使用するために、全ての方向に拡張可能である。
【0060】
更に、各々の開口部105−108を部分的に囲む2つの主極拡張部は、この開口部の軸105a−108aを含む1つの平面に対して相互に対称であり、そして、同様にこの同じ開口部を部分的に囲み、更に、この平面に関してそれ自体が対称であるような横断極拡張部の中央を経て通過する。これら4つの対称平面は参照番号AからDまでによって示され、そして、それらのトレース(断面形跡)は図6に鎖線によって部分的に示される。
【0061】
同様に、トランスジューサ101は、回転子18−21の位置を決めるための手段を有する。回転子19及び21の各々の位置決め手段を構成する2つのノッチは、図1のトランスジューサ1の場合と同様に、それぞれの対称平面BおよびCに関して相互に対称である。従って、前記の回転子19及び20がそれらの休止位置のいずれか一方の位置に在る場合に、これらの回転子19及び20の磁石19a及び20aの磁化軸19b及び20bは、それぞれ、平面B及びC内に位置する。図1に示す場合からの類推により、磁化軸19b及び20bがそれぞれ横断極拡張部113a及び116aの直径的に反対側にある首部(ネック)に向けられるような前記回転子19及び20の位置は、随意に第1休止位置と呼ばれる。回転子19及び20の第2休止位置は、磁化軸19b及び20bがそれぞれこれらの極拡張部113a及び116aの中央部に向けられているような位置であることは明白である。
【0062】
他方において、この例における回転子18を位置決めするための手段を構成するノッチは、開口部105の軸105aを含み、極拡張部109aの中央部を通過する平面に関して相互に対称である。この平面は参照記号A’によって示され、そして、図6の平面内におけるそのトレース(断面形跡)は鎖線によって部分的に示される。従って、回転子18がその2つの休止位置のいずれかに所在する場合、その磁石18aの磁化軸18bはこの平面A’内に位置する。
【0063】
図6に示すように、磁化軸18bが極拡張部109aの中央部に対して直径的に反対側の点を向くような回転子18の位置は、第1休止位置と呼ばれることがある。同様に、前記の磁化軸18bが前記極拡張部109aの中央部に向けられるような位置は第2休止位置と呼ばれる。
同様の方法において、この例において回転子21の位置決め手段を構成するノッチは、開口部108の軸108aを含み、そして、極拡張部120aの中央部を通過する平面に関して相互に対称である。この平面は、参照記号D’によって示され、そして、そのトレース(断面形跡)は図6の平面内において鎖線によって部分的に示される。従って、回転子21がその2つの休止位置のいずれかにある場合に、その磁石21の磁化軸21bはこの平面D’内に位置する。
【0064】
図6に示すように、磁化軸21bが極拡張部120aの中央部に対して直径的に反対側の点に向けられるような回転子21の位置は、第1休止位置と呼ばれることがある。同様に、磁化軸21bが極拡張部120aの中央部に向けられるような回転子21の位置は、第2休止位置と呼ばれる。
【0065】
トランスジューサ101の巻線22を流れる電流は連結部分6に磁界131を誘導し、この磁界の結果磁界は破線によって図7に略図的に表される。
磁界131は、固定子極110を通過し、そして、開口部105内に浸透し、ここで2つの部分131a及び131bに分離される。磁界131の部分131aは、固定子極109を通って開口部105の外に出て、そして、連結部分5および主要部分104の一部分を経て連結部分6において再結合する。磁界131の部分131bは、固定子極11を通って開口部105の外に出て、そして、連結部分7および主要部分104の一部分を経て連結部分6において再結合する。開口部105におけるこの磁界131および磁石18aの結果磁界は参照番号131cによって示され、開口部105の対称平面A内に位置する。
【0066】
トランスジューサ101の制御回路によって正の駆動パルスが巻線22に供給された場合における磁界131の方向は、前記磁界を表す鎖線に付記された矢印によって示される。
回転子18がその第1休止位置に在る場合には、当該回転子を矢印132の方向、即ち、正方向に回転させようとするトルクが回転子18に作用する。従って、回転子18が正方向に180度だけ回転した後で、この正の駆動パルスの終端部において、回転子18はその第2休止位置に到達する。
従って、トランスジューサ101の制御回路によって、巻線22に負の駆動パルスが供給された場合、回転子18は、再び正方向に180度だけ回転し、そして、当該駆動パルスの終端部において、再びその第1休止位置を占める。
【0067】
従って、交互に極性が変わる駆動パルスが回転子22に供給されると、回転子18は正方向に180度づつ回転させられることが分かる。
以上に述べたように駆動パルスが巻線22に供給された場合、図2に示す理由と同じ理由により、回転子19にも、勿論、回転子20及び21にも影響を及ぼさない。
【0068】
巻線23に流れる電流によって連結部分7に誘導される磁界は、図3において説明した磁界53の場合と全く同じ回路を通る。従って、この回路については、ここで再び説明はしない。
図3に示す場合と同様に、トランスジューサ101の巻線23に交互に極性の変わる駆動パルスを供給することによって、回転子19を負方向に回転させる。ただし、これらの駆動パルスに応答して連結部分7に誘導される磁界の開口部105における結果磁界は同様に、回転子18がその2つの休止位置のうちのいずれかに所在する場合に、磁石18aの磁化軸18bがその中に含まれる平面A’に対して鈍角を形成する。従って、回転子18は、この場合にも、巻線23に供給されるこれらの駆動パルスに応答して負方向に回転可能である。
【0069】
これらの駆動パルスに応答して回転子19を1つだけ回転させようとする場合には、図3に示す場合と同様に、トランスジューサ101の制御回路によって、巻線23に供給される駆動パルスと同位相の補償パルスを供給しなければならない。
交互に極性が変わる駆動パルスをトランスジューサ101の制御回路によって巻線24に供給した場合、回転子20は負方向に回転することは、以上の説明から容易に類推することが出来る。更に、前記回転子20を1つだけ回転させなければならない場合には、トランスジューサ101の制御回路により、巻線24に供給されるこれらの駆動パルスと同位相の補償パルスを巻線22及び23に供給しなければならない。
【0070】
交互に極性の変わる駆動パルスをトランスジューサ101の制御回路によって巻線25に供給する場合には、回転子21は正方向に回転すること、及び、回転子21を1つだけ回転させなければならない場合には、トランスジューサ101の制御回路により、巻線25に供給されるこれらの駆動パルスと同位相の補償パルスを巻線22、23、及び、24に供給しなければならないことが、同様に理解される。
【0071】
トランスジューサ101の巻線26を流れる電流は連結部分12に磁界133を誘導し、この磁界の結果磁界もまた図7において鎖線によって略図的に表される。
磁界133は固定子極119を通過し、そして、開口部108に入り、ここで、2つの部分133a及び133bに分離する。磁界133の部分133aは、固定子極120を通って開口部108の外に出て、そして、連結部分13および主要部分104の一部分を通って連結部分12において再結合する。磁界133の部分133bは、固定子極118を通って開口部108の外に出て、そして、連結部分11および主要部分104の一部分を通って連結部分12において再結合する。
【0072】
開口部108における磁界133と磁石21aの磁界との結果磁界は、参照番号133cによって示され、そして、開口部108の対称平面D内に所在する。トランスジューサ101の制御回路によって、巻線26に正の駆動パルスが供給される場合における磁界133の方向は、前記の磁界を表す破線に付記された矢印によって示される。
【0073】
回転子21がその第1休止位置に所在する場合には、回転子21を矢印134の方向、即ち、負方向に回転させようとするトルクが作用する。回転子21は、負の方向に180度回転した後で、この駆動パルスの終端部において、その第2の休止位置に到達する。
トランスジューサ101の制御回路によって、巻線26に負駆動パルスが供給される場合には、回転子21は、再び、負方向に180度だけ回転し、そして、この駆動パルスの終端部において、再びその第1休止位置に位置する。
従って、交互に極性の変わる駆動パルスが巻線26に供給されると、回転子21は、180度づつ負の方向に回転させられることが分かる。
図2に示す場合に説明した理由と同じ理由により、以上に説明したように巻線26に駆動パルスが供給されることによって、回転子20にも、回転子18、及び、19にも影響を及ぼさない。
回転子19及び20が正方向に回転し、そして、回転子18が負方向に回転するようにトランスジューサ101を制御する方法は、以上の説明から容易に推論されるので、これについては、ここでは詳細には説明しない。
【0074】
トランスジューサ101の代替実施形態においては、巻線22及び26のうちの一方だけが、それぞれの偶数ランクの連結部分6又は12に配置され、これらの2つの巻線22及び26のうちのいま一方の巻線は、図1及び5の例に示すように、それぞれの奇数ランクの連結部分5又は13に配置されることに注意されたい。
更に、開口部105−108のうちの1つ又は複数の開口部は、固定子102の第2主要部分104に同様に配置されても差し支えない。
この種の場合において、第2主要部分104に配置された前記開口部のうちの1つの中に所在する各回転子の回転方向は上記の例の場合と逆である。
【0075】
既に説明した種々の実施形態において、本発明の適用範囲から逸脱することなく、電気機械式トランスジューサに多数の改造を実施することが可能である。
特に、本発明に基づくトランスジューサの固定子は、4個以外の多数の開口部を備えていても差し支えない。この場合の開口部の個数は、2以上の任意の数であっても差し支えない。
【0076】
完全に一般的な方法において、この種のトランスジューサの固定子の2つの主要部分のうちのいずれか一方に配置される開口部の個数を「N」で表す場合、この種の数Nは、勿論、この種のトランスジューサの回転子の個数であり、従って、前記トランスジューサは(N+1)個の巻線を備え、そして、その固定子は(2N+1)個の連結部分を有する。ここに、Nは偶数ランクであり、(N+1)は奇数ランクである。N個の開口部の各々は、偶数(N)ランクの連結部分のうちの1つの延長線上に配置される。
【0077】
連結部分について既に説明したように、トランスジューサの固定子に割り当てられるN個の開口部の各々、従って、これらの開口部を貫通するN個の回転子にそれぞれ1つのランクを割り当てることが可能である。
【0078】
従って、開口部のランク1は、トランスジューサの第1端部に最も近い開口部に割り当てられる。この開口部は、最も低い偶数ランク、即ち、ランク2を有する連結部分の延長線上に配置された開口部である。ランク1は、勿論、前記のランク1開口部を貫く回転子にも割り当てられる。従って、ランク2の開口部は、ランク4の連結部分、即ち、2番目の偶数ランク連結部分の延長線上に配置された開口部に割り当てられ、このようにして、必要に応じて、ランクNまで割り当てられる。この場合、ランクNは、固定子の2番目の端部に最も近い開口部に割り当てられる。即ち、N番目の偶数ランクの連結部分の延長線上に配置される。回転子に対してのランク2からNまでは、それぞれ、ランク2からNまでのこれらの開口部を貫通する回転子に割り当てられることは明白である。
【0079】
図1、5、及び、6を参照して既に説明した全ての例においては、従って、回転子18−21は、それぞれ、ランク1から4までの回転子である。
【0080】
ランクは、トランスジューサの(N+1)個の巻線の各々に対して同じ方法において割り当てても差し支えない。従って、ランク1は、前記トランスジューサの固定子の第1端部の最も近くに位置する巻線に割り当てられ、ランク2はその次の巻線に割り当てられ、このようにして、固定子の第2の端部に最も近い位置を占める巻線にランク(N+l)が割り当てられるまで、割り当てられる。
以上に説明した全ての例において、巻線22−26はそれぞれランク1から5までを形成する。
【0081】
本発明に基づくトランスジューサの全ての実施形態において,各回転子はそれぞれ3個の固定子極の端部に位置する3個の極拡張部で囲まれることに注意されたい。これらの固定子極のうちの2個は、巻線の芯を構成する連結部分に直接接続され、そして、第3の固定子極は巻線を備えない連結部分に直接接続される。
【0082】
回転子位置決め手段は、常に、回転子が2つの休止位置を備え、そして、これら2つの休止位置のそれぞれにおいて、それらの磁石の磁化軸の方向が上記の第3の固定子極の端部に位置する極拡張部の中央部を通るように配置される。
【0083】
従って、既に定義済みであるような本発明に基づくトランスジューサを制御するための方法は次のように要約することが出来る。
【0084】
1≦i≦Nである場合に、ランクiの回転子をその第1の方向に回転させるためには、トランスジューサの制御回路によって、交互に極性が変わる駆動パルスを同じランクiの巻線に供給する。i>1であり、そして、ランクiの当該回転子をただ1つだけ回転させなければならない場合には、同様に、制御回路によって、ランクiの巻線に供給される駆動パルスと同位相の補償パルスをiより小さい番号のランクの各巻線に供給する。
【0085】
ランクiの回転子をその第2の方向に回転させるには、トランスジューサの制御回路により、交互に極性の変わる駆動パルスをランク(i+1)の巻線に供給する。i<Nであり、そして、ランクiの当該回転子をただ1つだけ回転させなければならない場合には、同様に、制御回路により、ランク(i+1)の巻線に供給される駆動パルスと同位相の補償パルスを(i+1)より大きい番号のランクの各巻線に供給する。
【0086】
回転子の第1の回転方向は、各種トランスジューサ要素の配置、前記トランスジューサにおける回転子の位置、及び、当該回転子に割り当てられたランクの第1端部として選定された固定子の端部に応じて、負方向または正方向のいずれであっても差し支えない。
【0087】
換言すれば、回転子の第1回転方向は、例えば正方向であっても差し支えなく、この場合には、同一トランスジューサの他の回転子の第1回転方向は負方向である。
【0088】
以上説明したトランスジューサに実施出来るあらゆる改造の中から、図1から7までに示す固定子と異なる一般的な形状の固定子を使用する改造例が挙げられる。この場合の一般的形状とは任意の形状であって差し支えなく、また、当該固定子の各種部分が相互に平行である、なしにかかわらない異なる平面内に含まれても差し支えないことは容易に理解出来る。
【0089】
更に別の改造例としては、本発明に基づくトランスジューサの固定子に配置された開口部の一方または他方を部分的に囲む2つの主要極拡張部がそこを通って伸延する中心における角度が、以上に示した例の場合の角度と等しくないことを保証するような改造方法が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくトランスジューサの第1の実施形態を示す。
【図2】図1のトランスジューサの動作を説明する。
【図3】図1のトランスジューサの動作を説明する。
【図4】図1のトランスジューサの動作を説明する。
【図5】本発明に基づくトランスジューサの他の2つの実施形態を示す。
【図6】本発明に基づくトランスジューサの他の2つの実施形態を示す。
【図7】図6のトランスジューサの動作を示す。
【符号の説明】
1...トランスジューサ
2...固定子
3、4...主要部分
5〜13..横断部
14〜17...開口部
18〜21...回転子

Claims (8)

  1. 電気機械式トランスジューサにおいて、
    円筒形のN個(Nは2以上の数)の開口部(14-17; 75-78)が配置された固定子(2; 72)を備え
    複数の巻線(22-26)を備え
    前記N個の開口部にそれぞれ配置されたN個の回転子(18-21)を備え、各回転子は、する開口部の中心軸(14a-17a; 75a-78a)に一致する回転軸を有し、かつ、当該開口部内にあって、前記回転軸に垂直な磁化軸(18b-21b)を有する二極永久磁石(18a-21a)を有しており
    前記固定子(2; 72)が2つの主要部分(3,4; 73,74)および2N+1個の連結部分 (5-13)を有し、各連結部分の持つ2つの端部は前記2つの主要部分に磁気的にそれぞれ結合されており、各連結部分は配置順序を示す1から2N+1までのランクをされ、前記固定子は、各回転子の2つの休止位置を定める位置決め手段を有しており
    前記N個の開口部(14-17; 75-78)それぞれは、前記2つの主要部分の一方または他方において、偶数ランクの連結部分(6,8,10,12)の延長線上に配置され、かつ、極拡張部 (27a-38a; 79a-90a) でそれぞれ終端する3個の固定子極(27-38; 79-90)で囲まれ、前記3個の固定子極のうちの2個の固定子極は当該主要部分(3,4; 73,74)の一部によって形成され且つそれらの2個の固定子極の極拡張部が高い磁気抵抗を示すネックで相互に分離されて形成され、前記3個の固定子極のうちの残り1個の固定子極は対応する偶数ランクの連結部分(6,8,10,12)の一部によって形成され、
    前記N個の開口部(14-17; 75-78)が1からNまでのランクを有し、前記N個の回転子(18-21)の各々は当該回転子が貫通する開口部のランクに等しいランクが割り当てられ、
    前記複数の巻線(22-26)はN+1個の巻線を有し、巻線は異なる連結部分に巻かれ、巻線1からN+1までのランクを割り当てるとき、ランク1の巻線は、ランク1またはランク2の連結部分に巻かれ、ランクN+1の巻線はランク2Nまたは2N+1の連結部分に巻かれ、それこれら以外の巻線は残りの奇数ランクの連結部分の1つに巻かれ、
    もって、回転子の回転を回転方向も含めて相互に独立に制御できることを特徴とするトランスジューサ。
  2. 電気機械式トランスジューサにおいて、
    円筒形のN個(Nは2以上の数)の開口部(105-108)が配置された固定子(102)を備え、
    複数の巻線(22-26)を備え、
    前記N個の開口部にそれぞれ配置されたN個の回転子(18-21)を備え、各回転子は、貫通する開口部の中心軸(105a-108a)に一致する回転軸を有し、かつ、当該開口部内にあって、前記回転軸に垂直な磁化軸(18b-21b)を有する二極永久磁石(18a-21a)を有しており、
    前記固定子(102)が3つの主要部分(103,104,140)および2N+1個の連結部分(5-13)を有し、各連結部分の持つ2つの端部は、前記3つの主要部分のうちの第1及び第2の主要部分(103,104)に、磁気的にそれぞれ結合されており、各連結部分は配置順序を示す1から2N+1までのランクをされ、前記3つの主要部分のうちの第3の主要部分(140)は、前記第1の主要部分(103)に両端部において直接結合されて、前記第3の主要部分(140)と前記第1の主要部分(103)との間に開口部(142)が形成されるよう構成され、前記固定子は、各回転子の2つの休止位置を定める位置決め手段を有しており;
    前記N個の開口部(105-108)は、前記第1の主要部分(103)において、偶数ランクの連結部分(6,8,10,12)の延長線上にそれぞれ配置され、かつ、極拡張部(109a-120a)でそれぞれ終端する3個の固定子極(109-120)で囲まれ、前記3個の固定子極のうちの2個の固定子極は前記第1の主要部分(103)の一部によって形成され且つそれらの2個の固定子極の極拡張部が高い磁気抵抗を示すネックで相互に分離されて形成され、前記3個の固定子極のうちの残り1個の固定子極は対応する偶数ランクの連結部分(6,8,10,12)の一部によって形成され、
    前記N個の開口部(105-108)が1からNまでのランクを有し、前記N個の回転子(18-21)の各々は当該回転子が貫通する開口部のランクに等しいランクが割り当てられ、
    前記複数の巻線(22-26)はN+1個の巻線を有し、各巻線は異なる連結部分に巻かれ、各巻線に1からN+1までのランクを割り当てるとき、ランク1の巻線は、ランク2の連結部分に巻かれ、ランクN+1の巻線はランク2Nの連結部分に巻かれ、これら以外の各巻線は3から2N−1の範囲の奇数ランクの連結部分の1つに巻かれ、
    もって、回転子の回転を回転方向も含めて相互に独立に制御できることを特徴とするトランスジューサ。
  3. 前記N個の開口部(14-17; 105-108)が全て同一の主要部分(3; 103)に配置されることを特徴とする請求項1記載の電気機械式トランスジューサ。
  4. 前記開口部の少なくとも1つ(75,77)前記主要部分の一方 (73)に配置され、他の少なくとも1つの開口部(76,78)が前記主要部分の他方(74)に配置されることを特徴とする請求項1記載の電気機械式トランスジューサ。
  5. 前記主要部分と巻線を備えない連結部分とは一体構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気機械式トランスジューサ。
  6. 休止位置を定める位置決め手段は2つの休止位置それぞれにおいて、巻線の巻かれていないない連結部分に直接続く極拡張部の中央部を通り且つ回転軸を含む平面上に、永久磁石の磁化軸が位置するように、各回転子を位置させる、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気機械式トランスジューサ。
  7. 請求項1または2記載の電気機械式トランスジューサを制御する方法において、
    1≦i≦Nである場合において、ランクiの回転子をその第1の回転方向に回転させるために、交互に極性が変わる駆動パルスをランクiの巻線に供給し、そして、iが1より大きい場合に、同時に、これらの駆動パルスと同位相の補償パルスをiよりも小さいランクの各巻線に供給する過程と、
    ランクiの前記回転子をその第2の回転方向に回転させるために交互に極性の変わる駆動パルスをランクi+1の巻線に供給し、そして、i+1がNより小さい場合に、同時に、これらの駆動パルスと同位相の補償パルスを高い方のランクの各巻線に供給する過程と、
    を有することを特徴とする制御方法。
  8. 請求項7記載の制御方法において、
    iが1より大きい場合においてランクiの巻線に駆動パルスが供給されるときに、ランクiの回転子をその第1の回転方向に回転させるために前記駆動パルスと同位相の補償パルスをiより小さいランクの各巻線に供給する過程と、iがNより小さい場合において駆動パルスがランク(i+1)の巻線に供給されるときに、ランクiの回転子をその第2の回転方向に回転させるために前記駆動パルスと同位相の補償パルスをiより大きい番号のランクの各巻線に供給する過程とを有することを特徴とする制御方法。
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