JP7203656B2 - 電子時計及び電子時計の制御方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係るアナログ電子時計を示すブロック図である。
図1に示すように、アナログ電子時計1は、発振回路101と、分周回路102と、制御回路103と、駆動パルス発生回路104と、ステッピングモータ105と、回転検出回路111と、図示しない輪列と、アナログ表示部106と、を備えている。
分周回路102は、発振回路101で発生した信号を分周して計時の基準となる時計信号を発生する。
制御回路103は、アナログ電子時計1を構成する各電子回路要素の制御や、モータ回転駆動用のパルス信号の制御を行う。
ステッピングモータ105は、駆動パルス発生回路104から出力されたモータ回転駆動用のパルス信号によって回転駆動する。
回転検出回路111は、ステッピングモータ105が発生する検出信号を検出する。
発振回路101、分周回路102、制御回路103、駆動パルス発生回路104および回転検出回路111は、アナログ電子時計1の制御部112を構成している。
アナログ表示部106は、輪列によって回転駆動される指針(時針107、分針108および秒針109)や、日にち表示用のカレンダ表示部110等を有している。
図2に示すように、ステッピングモータ105は、ロータ収容孔25を有するステータ20(固定子)と、径方向に2極に着磁されることにより磁気的な極性を有し、ロータ収容孔25に回転可能に配設されたロータ30(回転子)と、を備えている。ステッピングモータ105は、単位ステップ毎に動作し、時針107、分針108および秒針109を回転させる。
磁心40Aは、張出部22bの先端部と、第2ヨーク23の先端部と、に磁気的に接続されている。磁心40Bは、張出部22cの先端部と、第2ヨーク24の先端部と、に磁気的に接続されている。各磁心40A,40Bの両端部は、ステータ本体21に対して例えばビス止め等により連結されている。
また、制御部112(駆動制御部)は、第1コイル50A及び第2コイル50Bそれぞれに流れる駆動電流の変化状態に応じた制御角度によって、ロータ30を回転制御する。
本実施形態のステッピングモータ105の動作について説明する。
図3は、実施形態に係るアナログ電子時計の制御処理のタイムチャートである。
図4は、実施形態に係るステッピングモータの動作図である。なお、図4において、ステータ20上に示した矢印は各コイル50A,50Bから発生する磁束の向きを示している。
なお、以下の説明においては記載を省略するが、パルス群PGには、ロータ30の回転を制動する制動パルスが含まれていてもよい。
制御部112は、第1パルス群PGを各コイル50A,50Bに印加して、ロータ30を第1停止位置から第2停止位置に向けて単位ステップ回転させる。
制御部112は、第1パルス印加ステップを実行する。タイミングt1において、駆動パルス発生回路104は、第1パルス群PG1の第1パルスとして、第2コイル50Bの第1端子50Baに所定の電圧Vを印加する(out1=0、out2=0、out3=V、out4=0)。これにより、第2コイル50Bには、第1端子50Baから第2端子50Bbに向けて電流が流れる。また、第1コイル50Aは、非通電状態となる。
制御部112は、第2パルス印加ステップを実行する。第1パルス群PG1の第1パルスを印加後、タイミングt2において、駆動パルス発生回路104は、第2パルスを各コイル50A,50Bに印加する。駆動パルス発生回路104は、第1パルス群PG1の第2パルスとして、第1コイル50Aの第2端子50Ab及び第2コイル50Bの第1端子50Baに所定の電圧Vを印加する(out1=0、out2=V、out3=V、out4=0)。これにより、第1コイル50Aには、第2端子50Abから第1端子50Aaに向けて、第2コイル50Bには、第1端子50Baから第2端子50Bbに向けて、それぞれ電流が流れる。
制御部112は、第3パルス印加ステップを実行する。第1パルス群PG1の第2パルスを印加後、タイミングt3において、駆動パルス発生回路104は、第3パルスを第1コイル50Aに印加する。駆動パルス発生回路104は、第1パルス群PG1の第3パルスとして、第1コイル50Aの第2端子50Abに所定の電圧Vを印加する(out1=0、out2=V、out3=0、out4=0)。これにより、第1コイル50Aには、第2端子50Abから第1端子50Aaに向けて電流が流れる。また、第2コイル50Bは、非通電状態となる。
第1パルス群PG1の第3パルスを印加後、タイミングt4において、駆動パルス発生回路104は、パルスの印加を停止する(out1=0、out2=0、out3=0、out4=0)。すると、図4(E)に示すように、ロータ30は、ポテンシャルエネルギーが低くなる第2停止位置に向かって所定回転方向に回転する。
なお、第2停止位置近傍まで回転したロータ30は、第2停止位置近傍で自由振動する。このロータ30の自由振動により、各コイル50A,50Bには、誘起電圧が発生する。各コイル50A,50Bにおいて発生した誘起電圧は、回転検出回路111により検出される。制御回路103は、回転検出回路111により検出された信号に基づいて、時間T4経過後のタイミングt5までロータ30の回転状態を検出する。この回転状態を検出する期間を回転検出期間と呼ぶ。
以上により、ロータ30を第1停止位置から第2停止位置に向けて単位ステップ回転させることができる。
制御部112は、タイミングt5~タイミングt7において、第2パルス群PG2(第4パルス、第5パルス、及び第6パルス)を各コイル50A,50Bに印加するとともに、タイミングt8においてパルスの印加を停止して、ロータ30を第2停止位置から第1停止位置に向けて単位ステップ回転させる(図4(F)~(H)及び図4(A))。
なお、タイミングt5~タイミングt8までの制御部112の動作は、上述したタイミングt1~タイミングt4までの各タイミングにおいて、ロータ30の極性及び各コイル50A,50Bに供給される電流の方向がそれぞれ逆になったものであり、その動作原理は上述と同様であるため、詳細な説明を省略する。
本実施形態のステッピングモータ105は、低分解能モードMD1と、高分解能モードMD2との2つの制御モードMDによって、秒針109を駆動する。以下、低分解能モードMD1の場合のステッピングモータ105の動作、及び高分解能モードMD2の場合のステッピングモータ105の動作についてそれぞれ説明する。
上述したタイミングt0~タイミングt1の期間、及びタイミングt4~タイミングt5の期間をそれぞれ第1状態ST1とも称する。第1状態ST1において、ロータ30の回転角度は、所定の基準角度(例えば、0°又は180°)である。また、第1状態ST1以外の期間(つまり、タイミングt2~タイミングt4の期間、及びタイミングt5~タイミングt8の期間)を第2状態ST2とも称する。第2状態ST2において、ロータ30の回転角度は、所定の基準角度以外の角度である。
すなわち、低分解能モードMD1とは、制御モードMDのうち、ロータ30の回転角度が所定の基準角度である第1状態ST1の継続時間を、ロータ30の回転角度が基準角度以外の角度である第2状態ST2の継続時間よりも長くしてロータ30を回転制御するモードである。
この結果、低分解能モードMD1においては、指針(例えば、秒針109)が、所定の基準角度において第1状態ST1の継続時間だけ停止し、次の基準角度まで第2状態ST2の継続時間(つまり、第1状態ST1の継続時間よりも短時間)によって移動するように運針される。
一例として、第1状態ST1の継続時間と第2状態ST2の継続時間との合計時間が1秒に設定されている場合には、低分解能モードMD1においては、秒針109が移動と停止を繰り返して1秒ずつを刻む(例えば、秒針109が6°ずつ回転する)ように運針される。
高分解能モードMD2において制御部112は、第1状態ST1の継続時間と第2状態ST2の継続時間とを区別せずにロータ30を回転制御する。
すなわち、高分解能モードMD2とは、制御モードMDのうち、ロータ30の回転角度が所定の基準角度である第1状態ST1の継続時間と、ロータ30の回転角度が基準角度以外の角度である第2状態ST2の継続時間とを区別せずに(例えば、等長にして)ロータ30を回転制御するモードである。
この結果、高分解能モードMD2においては、指針(例えば、秒針109)の回転位置に依存せずに(例えば、一定の角速度によって)移動するように運針される。図5(B)に高分解能モードMD2における秒針109の運針状態の一例を示す。
図6は、実施形態の制御部112の動作の流れの一例を示す図である。
(ステップS10)制御部112は、動作モード情報を取得する。動作モード情報とは、制御モードMDが低分解能モードMD1と高分解能モードMD2とのいずれであるかを示す情報である。動作モード情報は、アナログ電子時計1が備える種々の機能(例えば、方位計、高度計、歩数計、カレンダー、タイマー、クロノグラフ、ストップウォッチなど)の動作状況により変化する。例えば、方位計とは、秒針109を方位磁針の代わりとして動作させる機能である。方位計機能が動作している場合には、動作モード情報は、高分解能モードMD2を示す。また、方位計機能が動作しておらず、秒針109を時刻表示の指針(つまり、本来の機能としての秒針)として機能させる場合には、動作モード情報は、低分解能モードMD1を示す。
(ステップS20)制御部112は、取得した動作モード情報に基づいて、現在の制御モードMDが、低分解能モードMD1と高分解能モードMD2とのいずれであるかを判定する。制御部112は、高分解能モードMD2であると判定した場合(ステップS20;YES)には、高分解能モードMD2による動作を行う(ステップS30)。また、制御部112は、低分解能モードMD1であると判定した場合(ステップS20;NO)には、低分解能モードMD1による動作を行う(ステップS40)。
つまり、本実施形態のアナログ電子時計1によれば、指針の運針目的に応じて指針の表示分解能を切り替えることにより、表示分解能の向上と運針の安定化とを両立させることができる。
制御部112(駆動制御部)は、高分解能モードMD2(第2制御モード)において、ロータ30の1回転当たりの制御角度の分割数を、秒針109(指針)の運針速度に応じた分割数にして、ロータ30を回転制御するように構成されていてもよい。
例えば、高分解能モードMD2において、制御部112は、秒針109の運針速度が比較的低速である場合には、分割数を例えば8(制御角度を45°)にし、運針速度が比較的高速である場合には、分割数を例えば4(制御角度を90°)にする。
ここで、指針の表示分解能と運針速度とがトレードオフの関係になっている場合がある。例えば、指針の表示分解能をより向上させると、制御ステップ数が多くなり運針速度が低下する場合がある。
上述のように構成されたアナログ電子時計1によれば、指針の運針速度によって指針の表示分解能を切り替えることができるため、表示分解能と運針速度とのいずれを優先するかを状況により選択可能にすることができる。
上述において、制御部112は、ロータ30の回転角度180°ぶんに対して角度を等分割して駆動パルスを出力すると説明したがこれに限られない。制御部112(駆動制御部)は、ロータ30の回転角度に応じて駆動電流の出力継続時間を異ならせて、ロータ30を回転制御するように構成されていてもよい。このように構成されたアナログ電子時計1によれば、指針の運針目的にあわせて運針状態を変更することができる。
例えば、上記実施形態においては、ロータ30を所定回転方向に回転させる場合についてのみ説明したが、ロータ30を所定回転方向とは反対方向に回転させることも可能である。この場合には、第1コイル50Aの第1端子50Aaに印加する電圧と、第2コイル50Bの第1端子50Baに印加する電圧と、を入れ替えることで、ロータ30を所定回転方向とは反対方向に回転させることができる。
また、上記実施形態においては、ステータ20は、2極に着磁されているが、これに限定されず、4極以上に着磁されていてもよい。
また、指針は、針状の指針、棒状の指針、円板状の指針など、指針の役割を担う構成を含む。
また、例えば、上記実施形態においては、第1コイル50Aと第1磁心40A、および、第2コイル50Bと第2磁心40Bは、T字状の第1ヨーク22の直状部22aに略平行に形成されていたが、本発明の効果を奏する構造としてこれに限定されるものではない。例えば、第1コイル50Aと第1磁心40Aとを第2ヨーク23に略平行になる向きに形成し、第2コイル50Bと第2磁心40Bとを第2ヨーク24に略平行になる向きに形成することもできる。つまり、本発明のコイルと磁心の向きは、上記実施形態のような縦向きに配置するのみならず、横向きに配置することも可能となる。
Claims (5)
- N極とS極との少なくとも2極に着磁され、指針を回転させるロータと、前記ロータに対して回転力を生じさせる磁束を与えるステータと、前記ステータの両端のうち第1端に磁束を供給する第1コイルと、第2端に磁束を供給する第2コイルとを備えるモータと、
前記第1コイル及び前記第2コイルそれぞれに流れる駆動電流の変化状態に応じた制御角度によって、前記ロータを回転制御する駆動制御部と、
を備え、
前記駆動制御部は、
前記ロータの回転角度が所定の基準角度である第1状態の継続時間を、前記ロータの回転角度が前記基準角度以外の角度である第2状態の継続時間よりも長くして前記ロータを回転制御する第1制御モードと、前記第1状態の継続時間と前記第2状態の継続時間とを区別せずに前記ロータを回転制御する第2制御モードとによって、前記ロータを回転制御する
電子時計。 - 前記駆動制御部は、
前記第2制御モードにおいて、前記ロータの1回転当たりの前記制御角度の分割数を、前記指針の運針速度に応じた分割数にして、前記ロータを回転制御する
請求項1に記載の電子時計。 - 前記駆動制御部は、
前記ロータの回転角度に応じて駆動電流の出力継続時間を異ならせて、前記ロータを回転制御する
請求項1又は請求項2に記載の電子時計。 - 前記制御角度とは、前記ロータの1回転ぶんの角度が等分割された角度である
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子時計。 - N極とS極との少なくとも2極に着磁され、指針を回転させるロータと、前記ロータに対して回転力を生じさせる磁束を与えるステータと、前記ステータの両端のうち第1端に磁束を供給する第1コイルと、第2端に磁束を供給する第2コイルとを備えるモータと、
前記第1コイル及び前記第2コイルそれぞれに流れる駆動電流の変化状態に応じた制御角度によって、前記ロータを回転制御する駆動制御部と、
を備える電子時計の制御方法であって、
前記ロータの回転角度が所定の基準角度である第1状態の継続時間を、前記ロータの回転角度が前記基準角度以外の角度である第2状態の継続時間よりも長くして前記ロータを回転制御する第1制御モードと、前記第1状態の継続時間と前記第2状態の継続時間とを区別せずに前記ロータを回転制御する第2制御モードとによって、前記ロータを回転制御する
電子時計の制御方法。
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