JP3612362B2 - インクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機 - Google Patents

インクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、輪転孔版印刷機は、図8に示すように、印刷原紙96が装着されて回転する版胴90に、印刷用紙98を接触させながら通過させることによって印刷を行なうようにした印刷機である。詳しくは、版胴90は無数の透孔からなるインク透過領域91を有し、版胴90の内部にはインクローラ92を備える。そして、インク透過領域91を覆うように、版胴90の外周面に印刷原紙96が装着される。印刷時には、プレスローラ94が印刷用紙98を版胴90の印刷原紙96に圧接する。このとき、インクローラ92は版胴90の内周面93に接触し、版胴90の内周面93にインクを供給する。供給されたインクは、版胴90のインク透過領域91を通り、印刷原紙96に形成された孔から印刷用紙98の上に押し出され、印刷が行なわれる。
【0003】
このような輪転孔版印刷機において、インク透過領域91から印刷原紙96側に送り出されたインクの大部分は印刷用紙98とともに装置外部に排出されることになる。しかし、一部のインクは、版胴90と印刷原紙96との間から印刷原紙96の終端96a側に押し出され、何千枚、何万枚と印刷を繰り返すうちに、やがて、印刷原紙96の終端96aからはみ出して、印刷機の内部を汚してしまうことがある。このようなインクあふれの現象は、俗に尻もれ現象と呼ばれている。
【0004】
このようなインクあふれ現象は、インクローラ92が版胴90の内周面93と接触し続けるためにインク供給が過剰となるのが原因と考えられる。
【0005】
そのため、従来の輪転孔版印刷機では、たとえば、プレスローラ94が版胴90を圧接する印刷時以外において、版胴90の内周面93とインクローラ92の外周面との間にすき間が形成されるようにしてインクの供給を中断する一方、印刷時には、プレスローラ94の押圧によって版胴90を内側に凹ませ、版胴90の内周面93がインクローラ92の外周面に接触するように構成されていた。
【0006】
しかし、プレスローラ94が版胴90から離れた後においても、インクの粘性によって版胴90の内周面93がインクローラ92側に引き付けられて接触したままとなり、インクあふれを防ぐことができないことがあった。そのため、版胴90の内周面93がインクローラ92から離れるようにする工夫が必要となる。
【0007】
その一つの方法としては、インクローラ92と版胴90の内周面93との間のすき間を大きくしておくことが考えられる。しかし、すき間を大きくすると、版胴90の弾性変形が大きくなり過ぎて印刷動作の安定性や騒音の点で好ましくなく、また、版胴90に割れが生じやすく、寿命が短くなるという欠点がある。
【0008】
他の方法として、版胴90を厚くして剛性を高め、版胴90がインクローラ92から離れようとする力を大きくすることが考えらえる。しかし、版胴を厚くすると、プレスローラ94で版胴90をインクローラ92側に圧接するのにも、大きな力が必要となる。また、材料費、加工費も高くなる。さらに、印刷精度を上げるには、版胴のインク透過領域91に微少ピッチで多数の透孔を形成することが望ましく、印刷用紙98と均等な印刷圧をかけるには、版胴90はプレスローラ94とインクローラ92との間でなめらかになじむ方が好ましく、その意味でも、版胴90は薄い方がよい。
【0009】
また、別の方法としては、インク透過領域91の終端部分91aにおいて、版胴90の内周面93に突起部(図示せず)を形成して、インクローラ92と版胴90との間にすき間を形成するようにした印刷機がある(たとえば、特開平4−331179)。しかし、この印刷機においては、インクローラ92の外周面と版胴90の内周面93とのすき間は、突起部の高さ分しか確保できず十分ではない。また、版胴90の内周面93に形成された突起部は、インクローラ92と衝撃的に接触するので摩耗しやすく、さらに、突起部からインクあふれが生じる場合もある。
【0010】
このように、従来は、印刷終了後に、版胴90の内周面93からインクローラ92を確実かつ効率的に離すことが困難であったので、インクあふれを十分に防止できなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、印刷終了時に、版胴の内周面からインクローラを、確実かつ効率的に離すようにして、インクあふれを防止した輪転孔版印刷機を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上述の技術的課題を解決するため、本発明に係るインクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機は以下のように構成されている。
【0013】
すなわち、この印刷機は、インク透過領域、たとえば網点状の無数の透孔を有する領域が形成された薄肉筒を含む版胴と、この版胴の内周面にインクを供給するインクローラを含むインク供給手段と、上記版胴を挟んで上記インクローラと対向して上記インクローラに対して接離自在に、すなわち上記インクローラ側へ上記版胴を押圧する接触方向と上記版胴側から離れる隔離方向との両方向に移動自在に、設けられたプレスローラとを備え、上記プレスローラが上記インクローラ及び上記版胴に対して非圧接時に、すなわち上記プレスローラが隔離方向に移動した時に、上記版胴が上記インクローラと離れるように、上記版胴が上記インクローラに対して寸法構成されている。そして、上記版胴の上記薄肉筒のインク透過領域の終端部分ありかつ上記プレスローラとの非接触部分に、大略軸方向に延在し、かつそれより前方側と比べ相対的に剛性の高い高剛性部を形成している。
【0014】
上記構成において、印刷原紙は版胴の薄肉筒のインク透過領域を覆うように装着される。プレスローラは、印刷時には版胴を圧接する一方、非印刷時には、版胴から退避する。印刷用紙は、版胴の回転と同期して、すなわち版胴に装着された印刷原紙と同期して、プレスローラと版胴との間に供給される。
【0015】
さらに詳しく説明すると、印刷時には、版胴とプレスローラとの間に供給された印刷用紙は、接触方向に移動したプレスローラと版胴の印刷原紙との間にはさまれる。このとき、非圧接時にはインクローラから離れていた版胴は、プレスローラの圧接によってインクローラ側へ弾性変形し、版胴の内周面とインクローラの外周面とが接触する。版胴は薄肉筒を含むので、このように弾性変形する。インクローラとプレスローラとの間に、版胴、印刷原紙、印刷用紙がはさまれるので、インクローラに供給されたインクは、版胴の薄肉筒のインク透過領域を通り、印刷原紙に形成された孔から印刷用紙に転写され、印刷が行なわれる。
【0016】
印刷終了時またはその直前に、すなわち、インクローラが版胴の薄肉筒のインク透過領域の終端部分に達する時に、プレスローラは版胴から離れる。それによって、版胴をインクローラ側に圧接する力が作用しなくなるので、それまで弾性変形していた版胴は元に戻ろうとする。版胴のこのような復帰力が、インクの粘性によって生じるインク粘着力、すなわち版胴をインクローラ側へ引き付ける力より小さいと、版胴はインクローラから離れない。インクローラが版胴の薄肉筒のインク透過領域の終端部分に形成された高剛性部に達すると、版胴の復帰力は、それより前方部分に比べて大きくなって、インク粘着力より大きくなる。そのため、版胴はインクローラから離れる。版胴の薄肉筒の高剛性部は、インクローラと版胴との軸方向に延在する接触領域においてインク粘着力より大きい復帰力を実現するため、大略軸方向に延在する。版胴からインクローラが離れると、それ以後は、インクローラの押し出しによるインク透過領域から印刷原紙側へのインク供給が中断される。
【0017】
したがって、上記構成の輪転孔版印刷機は、印刷終了時に、版胴の内周面からインクローラを、確実かつ効率的に離すようにして、インクあふれを防止する。
【0018】
上記構成において、版胴の薄肉筒の高剛性部は任意に構成できる。たとえば、版胴の外周面側に突出しても、内周面側に突出しても、あるいは、両側に突出してもよい。また、突出させないように、すなわち、他の部分と同じ厚さとしても、あるいは他の部分より薄くなるようにしてもよい。
【0019】
好ましくは、上記版胴の上記薄肉筒の上記高剛性部は、上記薄肉筒自体を溝状に折り曲げる。
【0020】
上記構成において、薄肉筒の折り曲げた部分は剛性が高くなる。このような構成の薄肉筒の高剛性部は、プレス加工等によって、容易に実現できる。
【0021】
好ましくは、上記版胴の上記薄肉筒の上記高剛性部は、上記薄肉筒の厚さを増すことにより構成する。
【0022】
上記構成において、薄肉筒の厚さの増した部分は、剛性が高くなる。このような構成の薄肉筒の高剛性部は、たとえば、別部材を薄肉筒に接着して部分的に厚さを増すによって、あるいは高剛性部を別部材として接合することによって、容易に実現できる。
【0023】
好ましくは、上記版胴の上記薄肉筒の上記高剛性部は、それより前方側とは異なる材質で構成する。
【0024】
上記構成において、材質を変えた部分は、剛性が高くなるようにできる。このような構成の薄肉筒の高剛性部は、たとえば他の部分と異なる材質の高剛性部を別部材として接合することによって、容易に実現できる。
【0025】
好ましくは、上記版胴の上記薄肉筒の上記高剛性部は、上記薄肉部部部の一部を硬化処理することにより構成する。
【0026】
上記構成において、別部材を接合等しなくても、薄肉筒の一部分を硬化して高剛性とすることができる。
【0027】
上記の上記薄肉筒自体を溝状に折り曲げる構成は、具体的には以下のように構成する。
【0028】
すなわち、好ましくは、上記版胴の上記薄肉筒はステンレス板よりなり、上記高剛性部は上記ステンレス板を径方向外側へ0.2mmから10mmの範囲内の高さで突出させてなる。
【0029】
上記構成において、絞り加工により、容易に高剛性部を形成することが可能である。また、高剛性部を径方向外側、すなわち版胴の外周面側に形成することにより、インクローラと高剛性部との干渉を考慮することが不要となる。また、高剛性部の突出高さを0.2mm以下にすると、高剛性部に十分な剛性が得られず、版胴がインクローラから離れるようにはならないので、インクあふれを防止できない。一方、高剛性部の突出高さを10mm以上とすると、プレスローラが版胴から離れるための距離が大きくなり、プレスローラの往復移動による騒音が大きくなる。また、版胴自体のひずみが大きくなるので、印刷時に版胴のたわむ異音が発生する危険性も増す。したがって、上記の範囲が好ましい。
【0030】
より好ましくは、上記版胴の上記薄肉筒はステンレス板よりなり、上記高剛性部は上記ステンレス板を径方向外側へ1mmから3mmの範囲内の高さで突出させてなる。
【0031】
さらに好ましくは、上記版胴の上記薄肉筒は、厚さ0.15mmのステンレス板よりなり、上記高剛性部は上記ステンレス板を径方向外側へ1.5mmの高さで突出させてなる。
【0032】
上記構成において、加工性および印刷時の印刷用紙へのなじみ特性等がもっとも好ましいものとなる。
【0033】
【実施例】
以下に、図1〜図7に示した本発明の実施例に係るインクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機について詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施例に係る輪転印刷機の全体構成図である。図2〜図4は、図1の印刷機の要部拡大断面図である。図2は、プレスローラを版胴側に圧接して印刷中の状態を、図3は、印刷が終了してプレスローラを版胴から離しているが、版胴の内面はインクローラに粘着している状態を、図4は、版胴のリブ部が通過してインクローラが版胴の内面から離れている状態を、それぞれ示す。図5は、版胴本体の展開図である。図6,7は、他の実施例の要部拡大断面図である。
【0035】
まず、図1を参照しながら、本発明の一実施例の印刷機1の構成の概要について説明する。
【0036】
すなわち、この印刷機1は、搬送機構60と印刷機構70とが内部に配置された装置本体2と、その両側に配置された給紙部4と排紙部6とを備える。印刷用紙8は、給紙部4に重ねて載置され、搬送機構60の給紙リング62によって上から1枚ずつ順に装置本体2の内部へ搬送される。そして、印刷用紙8は、搬送経路64の途中に設けられた印刷機構70により印刷された後、排紙部6に排出され、順に積み重ねられる。
【0037】
印刷機構70は、印刷用紙8の搬送経路64の上側に版胴10を、下側にプレスローラ50を、それぞれ備える。
【0038】
版胴10は、図2および図5に示すように、大略円筒形状の薄肉筒すなわち版胴本体12と、この版胴本体12の外周面を覆うスクリーン20とを有する。版胴本体12には、網点状に無数の透孔(貫通孔)が形成されたインク通過部すなわち開孔部16と、透孔が形成されていない非開孔部18とからなる。版胴本体10には、軸方向すなわち幅方向に延在し径方向外側に突出するリブ部14が形成されている。このリブ部14の頂部は、開孔部16の終端17aと一致し、ここを境界として、矢印26で示す回転方向側に開孔部16が形成されている。また、矢印28で示す反対側には、非開孔部18のみが形成されている。リブ部14を中心として一定の領域は、それより前方部分より剛性の高い高剛性部15を形成する。高剛性部15は、開孔部16の終端部分17bにも及んでいる。孔版原紙30は、開孔部16を覆うように版胴10のスクリーン20の外周面に配置され、孔版原紙30の始端(図示せず)が版胴10に固定された状態で、版胴10に装着される。
【0039】
また、印刷機構70は、版胴10の内部にインクローラ40その他のインク供給手段を備える。インクローラ40は、自然状態の版胴10の内周面13との間に所定のすき間を設けて配置される。詳細は後述するが、インクローラ40は、印刷時には、プレスローラに圧接されて弾性変形した版胴10の内周面13と接触する一方、非印刷時には版胴10の内周面13から離れるように寸法構成されている。また、印刷機構70は、図1に示すように、インクローラ40の反回転側(図1において左側)に接触するように設けられたドクタローラ42と、インクローラ40の略上方に設けられたインク供給部44とを備える。インク46は、インク供給部46から滴下され、ドクタローラ42によって、インクローラ40の外周面に適量のインク46が塗布される。インクの供給は、インクローラ40とドクタローラ42との間のくさび状部分にたまるインクの量を検出して、制御される。
【0040】
プレスローラ50は、版胴10をはさんでインクローラ40と対向する位置に配置される。プレスローラ50は、支点52を中心に上下移動可能であり、印刷用紙8が版胴10の下を通過する印刷時に、印刷用紙8に圧接して版胴10を上方に押圧する一方、印刷用紙8が版胴10の下にない非印刷時には、下方に退避して、版胴10に接触しないようになっている。
【0041】
次に、この印刷機1の動作について説明する。
【0042】
版胴10とインクローラ40とプレスローラ50とは、同期して常時回転する。搬送機構60は、一定周期で印刷用紙8を搬送経路64内に送り出す。印刷用紙8が版胴10とプレスローラ50との間に達するのと同期して、図2に示すように、プレスローラ50が矢印59aで示すように支点52を中心として上昇し、印刷用紙8を版胴10に装着された印刷原紙30に圧接する。このとき、版胴10はプレスローラ50から押されて局所的に内側にたわみ、版胴10の内周面13はインクローラ40の外周面と接触する。それによって、インクローラ40から版胴10の内周面13に供給されたインク46は、版胴本体12の開孔部16からスクリーン20を経て、印刷原紙30に形成された孔を通って、印刷用紙70の上に押し出される。すなわち、印刷される。印刷用紙8は、このように圧接された状態で、版胴10の回転に伴って、始端側(図示せず)から終端72側へ送り出される。
【0043】
そして、印刷用紙70の後端72が版胴10とプレスローラ50との間を通過する直前に、すなわち印刷終了直前に、図3に示すように、プレスローラ50が矢印59bで示すように支点52を中心として下降し、版胴10から退避する。このとき、印刷用紙70は版胴10に圧接されない状態となり、版胴10はプレスローラ50から押されなくなる。しかし、版胴10の内周面13とインクローラ40との間にあるインク46の粘性によって、版胴10はインクローラ40に粘着し、内側に局所的にたわんだ状態のままである。
【0044】
さらに版胴10が回転して版胴10のリブ部14がインクローラ40との接触領域13aに接近すると、すなわち接触領域13aに版胴10の高剛性部15の始端15aが達すると、インク46の粘着力によって形成された版胴10の局所的なたわみが解消される。すなわち、版胴10は、インクローラ40から離れて自然状態となり、それ以後は、図4に示すように、版胴10とインクローラ40とは互いに接触しない。これは、版胴本体12の高剛性部15が、それより前方部分に比べて剛性が高く変形しにくいため、弾性変形を解消して自然状態に戻ろうとする復元力が、版胴10をインクローラ40に引き付けるインク粘着力より大きくなるからである。
【0045】
そして、一旦版胴10の内周面13がインクローラ40から離れると、再びプレスローラ50によって版胴10がインローラ40に圧接されるまでは、インクローラ40と版胴10の内周面13との間にすき間が形成され、インクローラ40から版胴10へはインク46が供給されなくなる。
【0046】
したがって、上記実施例の印刷機1は、印刷終了時に、版胴10の内周面13からインクローラ40を、確実かつ効率的に離すようにして、インクあふれを防止することができる。
【0047】
上記実施例において、具体的には、上記構成の版胴10の版胴本体12は、ステレス板を用いて作ることができる。
【0048】
すなわち、厚さ0.15mmのステンレス板をエッチング処理することによって開孔部16を形成した後、開孔部16と非開孔部18との終端17aを中心として絞り加工によって幅方向に溝を加工した後、筒状に接合して版胴本体12とする。このとき、加工された溝が、版胴10のリブ部14となる。
【0049】
絞り加工の深さは、0.2mm〜10mmの範囲が適当であり、1mm〜3mmが好ましく、1.5mmが最適である。絞り加工の深さが0.2mm以下となると、リブ部14の剛性が小さくなりすぎて、所望の剛性の高剛性部15が形成できない。一方、絞り加工の深さが10mm以上とすると、リブ部14との干渉しないようにプレスローラ50の下方退避距離を長くする必要が生じ、プレスローラ50の上下移動量が大きくなるので、騒音が大きくなる。また、絞り加工の深さが大きいと版胴のひずみが大きくなり、印刷時に版胴のたわみによる異音が発生するおそれもある。
【0050】
次に、本発明の他の実施例を説明する。
【0051】
すなわち、版胴本体12の開孔部16の終端17aを中心としてリブ部14を形成する代わりに、図6(a)に示すように、版胴本体12の開孔領域16内、すなわち終端部分17aに、リブ部14を形成してもよい。また、図6(b)に示すように、リブ部14自体は版胴本体12の非開孔部18に形成するが、リブ部14を中心とする高剛性部15が版胴本体12の開孔領域16の終端部分17bにも及ぶように、構成してもよい。いずれの場合も、高剛性部15の少なくとも一部分すなわち始端15a側部分が版胴10の開孔部16の終端部分17b内にあれば、インクローラ40が開孔部16の終端17aに達するまでに高剛性部15があるので、版胴10はインクローラ40から離れ、インクあふれが防止できる。
【0052】
また、リブ部14を外側に突出する代わりに、図7(a)に示すように、リブ部14を版胴10の内側に突出するように構成してもよい。
【0053】
また、図7(b)および(c)に示すように、版胴10の外周面およびまたは内周面に版胴10とは別部材の強化リブ14aを接着し、あるいは、図7(e)に示すように、版胴本体12を重ね合わせて重なり部14cを形成し、厚さを増すことによって高剛性部15を形成してもよい。この場合には、強化リブ14aまたは重なり部分14cを接着した後に電鋳によって、版胴本体12に鍍金膜を形成することが好ましい。
【0054】
また、図7(d)に示すように、高剛性の接合部材14bを版胴本体12に突き合わせて接合して高剛性部15を形成してもよい。
【0055】
また、版胴本体12の形状によって剛性を高める代わりに、図7(f)に示すように、高剛性部15に対応する部分14dの材質を硬質材に変えることによって、あるいは同じ材質であっても、たとえばレーザ照射等によって部分的に硬化させることによって、高剛性部15を形成してもよい。
【0056】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。たとえば、高剛性部15は、要は、それより前方部分より剛性が高ければよい。したがって、高剛性部15の厚さをそれより前方部分より厚くするのではなく、同じかあるいは薄くしてもよい。また、高剛性部15は、1箇所でなく複数箇所、たとえば、2本または3本以上のリブ部14を形成する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る輪転印刷機の全体構成図である。
【図2】図1の印刷機の要部拡大図である。プレスローラを版胴側に圧接して印刷中の状態を示す。
【図3】図2と同様の要部拡大図である。印刷が終了してプレスローラを版胴から離しているが、版胴の内周面はインクローラに粘着している状態を示す。
【図4】図2と同様の要部拡大図である。版胴のリブ部を通過して、版胴がインクローラから離れた状態を示す。
【図5】図2の版胴本体の展開図である。
【図6】他の実施例の要部拡大断面図である。
【図7】他の実施例の要部拡大断面図である。
【図8】従来の輪転孔版印刷機の要部構成図である。
【符号の説明】
1 輪転孔版印刷機
2 装置本体
4 給紙部
6 排紙部
8 印刷用紙
10 版胴
12 版胴本体(薄肉筒)
13 内周面
13a 接触領域
14 リブ部
14a 強化リブ
14b 接合部材
14c 重なり部
14d 硬化部
15 高剛性部
16 開孔部(インク透過領域)
17a 終端
17b 終端部分
18 非開孔部
20 スクリーン
30 印刷原紙
32 終端
40 インクローラ
42 ドクタローラ
44 インク供給部
46 インク
50 プレスローラ
52 支点
60 搬送機構
62 給紙リング
64 搬送経路
70 印刷機構
72 終端

Claims (8)

  1. インク透過領域(16)が形成された薄肉筒(12)を含む版胴(10)と、該版胴(10)の内周面(13)にインク(46)を供給するインクローラ(40)を含むインク供給手段(40,42,44)と、上記版胴(10)を挟んで上記インクローラ(40)と対向して上記インクローラ(40)に対して接離自在に設けられたプレスローラ(50)とを備え、上記プレスローラ(50)が上記インクローラ(40)及び上記版胴(10)に対して非圧接時に上記版胴(10)が上記インクローラ(40)と離れるように、上記版胴(10)が上記インクローラ(40)に対して寸法構成されている輪転孔版印刷機(1)において、上記版胴(10)の上記薄肉筒(12)のインク透過領域(16)の終端部分(17b)でありかつ上記プレスローラとの非接触部分に、大略軸方向に延在し、かつそれより前方側と比べ相対的に剛性の高い高剛性部(15)を形成したことを特徴とする、インクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機。
  2. 上記版胴(10)の上記薄肉筒(12)の上記高剛性部(15)は、上記薄肉筒(12)自体を溝状に折り曲げることにより構成したことを特徴とする、請求項1記載のインクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機。
  3. 上記版胴(10)の上記薄肉筒(12)の上記高剛性部(15)は、上記薄肉筒(12)の厚さを増すことにより構成したことを特徴とする、請求項1記載のインクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機。
  4. 上記版胴(10)の上記薄肉筒(12)の上記高剛性部(15)は、それより前方側とは異なる材質で構成したことを特徴とする、請求項1記載のインクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機。
  5. 上記版胴(10)の上記薄肉筒(12)の上記高剛性部(15)は、上記薄肉筒(12)の一部を硬化処理することにより構成したこと特徴とする、請求項1記載のインクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機。
  6. 上記版胴(10)の上記薄肉筒(12)はステンレス板よりなり、上記高剛性部(15)は上記ステンレス板を径方向外側へ0.2mmから10mmの範囲内の高さで突出させてなることを特徴とする、請求項2記載のインクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機。
  7. 上記版胴(10)の上記薄肉筒(12)はステンレス板よりなり、上記高剛性部は上記ステンレス板を径方向外側へ1mmから3mmの範囲内の高さで突出させてなることを特徴とする、請求項2記載のインクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機。
  8. 上記版胴(10)の上記薄肉筒(12)は、厚さ0.15mmのステンレス板よりなり、上記高剛性部は上記ステンレス板を径方向外側へ1.5mmの高さで突出させてなることを特徴とする、請求項2記載のインクあふれ防止装置を備えた輪転孔版印刷機。
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