JP3611717B2 - 貼着清掃シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、簡便、安全、且つ良好にカビや汚れを除去でき、しかも、保存安定性の良好な貼着清掃シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、浴室、台所等の水回り設備のカビや汚れの除去は、次亜塩素酸等のカビ取り成分を含有する液剤を噴霧ないし塗布し、所定時間放置した後洗い流すことにより行われていた。しかし、この方法は、液垂れやカビ及び汚れ発生部以外への飛散により良好な清掃効果が得られなかったり、壁面等の脱色や、また作用の強いカビ取り剤を使用する場合、噴霧中の飛散等により人体に影響を与える問題等があった。このため、液剤を含浸させたシート状の部材を液剤の張力を利用して壁面に付着させる技術が考えられたが、液剤の保持容量が少ないので乾燥して剥離し易い、シート状部材に液剤を含浸させる過程があり簡便でない等の問題点がある。
【0003】
これらの問題点に対処すべく、特許第2567330号公報、特開平9−140647号公報で、粘着剤により不織布、織布、紙類等の支持体に漂白成分を保持及び/又は該漂白成分を被清掃部に当接させるシート等が提案されている。
しかし、これらの技術では、漂白剤と粘着剤が共存しているため、該粘着剤によって、該漂白剤が経時的に失活するという保存安定性の点で欠点がある。
【0004】
従って、本発明の目的は、簡便、安全、且つ良好にカビや汚れを除去でき、しかも、保存安定性の良好な貼着清掃シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の支持シートと、カビ取り成分からなる成分部と、粘着剤からなる液透過性の粘着部とを具備してなる貼着清掃シートであって、上記成分部と上記粘着部とを分離する隔離層が設けられており、使用時に上記粘着部を被清掃部に当接させることにより、シートを被清掃部に粘着させるようになしてあることを特徴とする貼着清掃シートを提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の貼着清掃シートの一実施形態を示す斜視図である。
【0007】
本実施形態の貼着清掃シート10は、図1に示すように、液透過性の支持シート11と、カビ取り成分からなる成分部12と、粘着剤からなる液透過性の粘着部14とを具備してなる貼着清掃シートであって、上記成分部12と上記粘着部14とを分離する隔離層13を設けてなり、使用時に上記粘着部14をカビや汚れの発生した被清掃部に当接させることにより、シートを被清掃部に粘着させるようになしてある。
【0008】
上記成分部12は、上記支持シート11の表面に上記カビ取り成分を層状に配して形成されており、上記隔離層13は、該成分部12上に該成分部12を覆うように配して設けられており、上記粘着部14は、該隔離層13の表面に上記粘着剤を層状に配して形成されている。
【0009】
上記支持シート11の坪量は、好ましくは5〜200g/m2 であり、更に好ましくは10〜100g/m2 である。
上記成分部12の坪量は、後述するカビ取り成分の使用量(漂白溶液におけるカビ取り成分の有効酸素濃度又は有効塩素濃度)が十分な効果が奏される好ましい範囲となるように適宜設定されるが、貼着清掃シート10の成形性や使い勝手の面から、該成分部12の厚さが、好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下となる様、設定される。
上記隔離層13の坪量は、好ましくは2〜100g/m2 であり、更に好ましくは5〜70g/m2 である。
上記粘着部14の坪量は、該貼着清掃シート10が、使用時に被清掃部に充分粘着可能となるように適宜設定されるが、貼着清掃シート10の成形性や使い勝手の面から、該粘着部14の厚さが、好ましくは5mm以下、更に好ましくは3mm以下となる様、設定される。
そして、これらの各層から構成される本実施形態の貼着清掃シート10(全体)の厚さは、好ましくは0.2〜10mmであり、更に好ましくは0.5〜5mmである。
【0010】
上記支持シート11を形成するシート材としては、液透過性であれば特に制限なく用いることができるが、紙、不織布、織布、編布、フィルム、スポンジ及びその他の可撓性基体等が挙げられ、それ自体が液透過性を有しないシート材の場合は、液透過用の孔を開孔する等して、成分部12中に略均一に水等の液体を含浸させて、カビ取り成分の作用を良好に発揮できるようにする必要がある。
【0011】
また、上記成分部12を形成する上記カビ取り成分は、カビ取り、漂白、殺菌、除菌、消毒、消臭を可能にする成分である。具体的には、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、高度サラシ粉等の塩素系漂白成分や、過炭酸ソーダにテトラアセチルエチレンジアミン等の有機過酸前駆体、又は各種溶菌酵素や各種酸化還元酵素等を添加した酸素系漂白成分等を用いることができ、好ましくは表1に示したものが用いられる。
また、上記カビ取り成分として、有機過酸前駆体を用いる場合には、生成する有機過酸の安定化剤として各種キレート剤を成分部12に含有することが好ましい。
【0012】
上記カビ取り成分は、該カビ取り成分の種類に応じて調整すればよく、一例を示すと、酸素系漂白成分では、漂白溶液(水道水をかける等により成分部及び粘着部から溶出される液、以下同じ)が被清掃部に接触する際に、過炭酸ソーダ又は過ホウ酸ソーダが有効酸素濃度として好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、及び有機過酸前駆体が該過炭酸ソーダ又は過ホウ酸ソーダに対して好ましくは1/1000モル量以上、好ましくは1/500モル量以上になるような量で使用されることが好ましい。
一方、塩素系漂白剤では、漂白溶液が被清掃部に接触する際に、該塩素系漂白剤が有効塩素濃度として好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは1重量%以上になるような量で使用されることが好ましい。
上記カビ取り成分の使用量が上記下限未満であると十分なカビや汚れの除去性能が得られないことがあり好ましくない。
【0013】
また、上記隔離層13を形成する上記シート材としては、上記支持シート11を形成するシート材と同様に液透過性を有するものであれば特に制限なく用いることができる。
【0014】
また、上記粘着部14は、液透過性であり、上記漂白溶液が透過するように形成されている。該粘着部14を形成する粘着剤としては、親水性粘着剤や疎水性粘着剤を用いることができる。
【0015】
上記疎水性粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、溶剤型粘着剤等が挙げられる。
また、上記親水性粘着剤としては、水などの液体を含浸させても、十分な粘着性を発揮するものがあげられ、▲1▼塩生成基を有する高分子化合物、▲2▼ノニオン系水溶性高分子化合物、▲3▼ゼラチン、▲4▼アクリル樹脂エマルジョンなどの乳化重合体及び▲5▼上記▲1▼〜▲4▼の架橋体等が挙げられ、好ましくは表2に示したものや、それらの架橋体等が挙げられる。
【0016】
上記粘着部14には、上記粘着剤とともに後述の可塑剤等の他の成分を併用することもできる。この場合、該粘着剤は、粘着部14中に30重量%以上含有されていることが好ましい。含有量が30重量%未満であると、粘着性が小さくなり、シートが使用中に壁面等から剥離することがある。
【0017】
上記粘着部14に必要に応じて使用することができる可塑剤としては、貼着清掃シート本体の柔軟性や成形性を高める上で有用である点から、親水性粘着剤にはポリオール類、疎水性粘着剤には脂肪酸エステル類等が好ましい。
【0018】
また、上記粘着部14には、必要に応じ、界面活性剤等のぬれ剤、可塑剤、キレート剤、水等を併用することもできる。
他に、上記カビ取り成分として有機過酸前駆体を用いる場合に生成する有機過酸の安定化剤として各種キレート剤を含有することもできる。
【0019】
本実施形態の貼着清掃シート10は、例えば、次のように形成される。
即ち、先ず、上記カビ取り成分を上記基材シート11の表面に散布などして積層し、成分部12を形成する。その後、上記隔離層13を該成分部12の表面を覆うように積層する。このとき、該隔離層13は、ヒートシール等によって基材シート11に固定されてもよいし、基材シート11又は/及び隔離層13の両端部等に配された疎水性粘着剤等によって固定されてもよい。
次に、上記粘着剤として親水性粘着剤を用いる場合は、上記親水性粘着剤に水を配合して水溶液とし、この水溶液に必要に応じ上記可塑剤及び界面活性剤等のぬれ剤その他の成分を配合・攪拌し、架橋が必要な場合は架橋反応後、乾燥・調湿して粘着剤配合物とし、次いで該粘着剤配合物を上記隔離層13の表面に塗布して粘着部14を形成する。若しくは、上記親水性粘着剤に水を配合して水溶液とし、この水溶液に必要に応じ上記可塑剤及び界面活性剤等のぬれ剤その他の成分を配合・攪拌し、これを上記隔離層13の表面に塗布し、架橋が必要な場合は架橋反応後、乾燥・調湿して粘着部14を形成する。
【0020】
上記粘着剤配合物は、その水分量をコントロールすることにより粘着性を発現できるが、完全に乾燥させてしまうと接着性がなくなり、また、水分量が多すぎると成形性や安定性、特に隔離層13を隔てた成分部12のカビ取り成分にまで水分が影響し、カビ取り成分の保存安定性が保てなくなることがあり好ましくなく、なるべく低水分量で高い粘着性を有するものが好ましい。
上記粘着剤配合物の水分量は、0.1〜60重量%であることが好ましく、1〜30重量%であることが更に好ましい。ここで、該粘着剤配合物の水分量の測定法としては、80℃の乾燥による重量減少やカールフィッシャー法による試験方法があるが、正確なデータを得るにはカールフィッシャー法で測定することが好ましい。
【0021】
次に、上述の構成を有する本実施形態の貼着清掃シートの使用方法について説明する。尚、ここでは、浴室のタイル壁の目地(被清掃部)に発生したカビや汚れの除去について説明する。
本実施形態の貼着清掃シート10は、粘着部14を、カビや汚れの発生した目地に向けて支持シート11側から成分部12及び隔離層13を介して押圧する。すると、粘着部14が目地の形状に対応して変形し、目地が粘着部14と当接する。続いて、シャワー等で水道水をかけ成分部12及び粘着部14に水等の液体を含浸させ、湿潤状態のまま、粘着部14を目地に当接させ、該シート10を被清掃部に粘着させた状態が保持される。同時に、成分部12を構成するカビ取り成分が溶出し、その溶出液が隔離層13及び粘着層14を通過して目地に接触する。そして、この湿潤状態のまま暫く放置すると目地のカビや汚れが除去される。このとき、粘着剤として親水性粘着剤を用いた場合、湿潤状態の維持に大変有効である。その後、貼着清掃シート10を取り除き、カビ取り成分等を洗い流せば、清掃作業は終了する。
【0022】
この様に、本実施形態の貼着清掃シート10によれば、カビ取り成分からなる成分部12及び粘着剤からなる粘着部14に水等の液体を含浸させるという簡便な作業によって、粘着部14をカビや汚れ発生部である被清掃部に粘着させた状態を保持させ、成分部12から溶出されたカビ取り成分を被清掃部に湿潤状態のまま継続的に接触させることができる。このため、カビ取り成分の作用が効果的に発揮され、塩素系漂白成分に比べカビや汚れの除去性能が弱い酸素系漂白成分をカビ取り成分として用いても、カビや汚れを良好に除去することができる。
また、本実施形態の貼着清掃シート10によれば、粘着部14、隔離層13、成分部12及び支持シート11が何れもフレキシブルな硬さとなっているので、これらがタイルの目地等の凹部にも良好に対応して変形し、凹部に発生したカビや汚れも良好に除去することができる。
【0023】
本実施形態の貼着清掃シートは、成分部と粘着部とが分離して存在しているので、該シートを保存しておく場合、該粘着剤の含有する成分によって該カビ取り成分が経時的に失活することがなく、特に該親水性粘着剤中にあらかじめ含まれている水分によって、該カビ取り成分が経時的に大きく失活することがなく、また、カビ取り成分は使用時まで乾燥した状態で保存されるので、その点からもカビ取り成分の保存安定性が高い。
本実施形態の貼着清掃シート10によれば、カビ取り成分からなる成分部12を該シート10中に含有させた状態のまま被清掃部に接触させるので、カビ取り成分等の飛散がなく、この点からも安全性が高い。
本実施形態の貼着清掃シートによれば、カビ取り成分等の飛散がなく、液垂れが発生し難いので、従来よりも高濃度にカビ取り成分を被清掃部に接触させ、効果的にカビや汚れを除去することが可能であり、かつ安全性も高い。
【0024】
粘着部を被清掃部に接触させることにより、シートを被清掃部に粘着させた状態を保持可能になす手法は、粘着部に粘着性を持たせる手法に限られるものではなく、粘着部が壁の目地等の凹凸面の形状に自在に変形して入り込み、貼りつく等の手法であっても良い。
【0025】
上記実施形態において、支持シート11及び隔離層13それぞれのシート材としては、非透液性の材質を用い、支持シート11及び隔離層13それぞれの両端からのみ液体を含浸させるようにすることもできる。即ち、「液透過性」は、シート全面が均一に液透過性であることを意味するものではない。
上記実施形態は水等の液体を含浸させて使用する例であるが、成分部12を形成するカビ取り成分を高濃度に含有させ、隔離層13としてガスバリヤー性の低い材質を用い、且つ粘着部14を、液体を含浸させないときにも強い自着性を有するものとする等により、空気中の水分等と成分部12中のカビ取り成分が反応する等して液体を含浸させずにカビや汚れを除去可能なものとすることもできる。
【0026】
支持シート11、成分部12、隔離層13及び粘着部14は、長尺状の形態の他、幅広のシート状やひも状等の形態でもよく、これらをテープ状に巻いた形態にしてもよく、必要な長さや大きさに切断して使用することが可能である。
【0027】
また、上記粘着部14は、液透過性であれば、即ち、上記漂白溶液が透過する構造であれば、種々形態の構造とすることができる。例えば、図2のように、液透過用の孔14aを複数開孔した構造としたり、図3のように、隔離層13上全面に粘着部14を設けずに、帯状粘着部14bを支持シート11の幅方向に沿って複数それぞれ平行に設けて、粘着部14の一部において隔離層13が露出する露出部14cを設けた構造としてもよい。図3では、帯状粘着部14bを幅方向に沿って設けているが、長手方向に沿って設けてもよい。
【0028】
更に、本発明の貼着清掃シート10は、図4及び5に示すように、粘着部14は、支持シート11の表面に粘着剤を層状に配して形成されており、カビ取り成分からなる成分部12は、粘着部14中に分散して粒状に且つ多数形成されており、隔離層13は、粒状の各成分部12の外周を覆っている構造とすることもできる。
上記隔離層13は、成分部12の外周をコーティングするように配されている。この場合の隔離層13としては、保存中に、粘着部14と成分部12を直接接触させず、また親水性粘着剤に予め含まれている水分を成分部12に移行させず、かつ使用時においては、貼着清掃シート10に液体を含浸させた際、ないしは液体を含浸させずに用いる場合は該シート10をカベに押しつけた際、容易に溶解ないしは崩壊する材料であれば特に制限されずに種々材料を用いることができる。好ましいものとしては、高分子量のポリエチレングリコール等の多価アルコールの他、通常のマイクロカプセル用材料等が用いられる。
【0029】
本発明の貼着清掃シートは、壁面以外の部位及び水回り以外で発生したカビや汚れを除去できることは勿論であるが、壁面において特に有用であり、また水回りにおいて特に簡便さを発揮する。また、ゴミ箱の中などに本発明の貼着清掃シートを貼りつけることで、殺菌、消毒、消臭の効果も期待できる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例を挙げて詳細に説明する。
【0031】
〈本発明品1〜11〉
坪量40g/m2 の粘着剤未塗工の支持シートとしてのスパンレース不織布〔レーヨン/ポリエチレンテレフタレート(PET)・ポリエチレン(PE)芯鞘構造繊維=70/30、ダイワボウポリテック(株)製〕の表面に、下記〔表1〕に示すカビ取り成分を散布・積層して、厚さ約1mmの層状の成分部(A〜Fの6種類の成分部)をそれぞれ形成した。各カビ取り成分の使用量は、漂白溶液が被清掃部に接触する際に、酸素系漂白成分の場合には、過炭酸ソーダを有効酸素濃度として1.3重量%程度、及び各有機過酸前駆体が該過炭酸ソーダと等モル量となるように、一方塩素系漂白成分の場合には、有効塩素濃度が4重量%程度となるように、調節した。具体的には、カビ取り成分を支持シート1cm2 あたり0.03〜0.05g散布積層した。
次いで、該成分部上に該成分部を覆うように、隔離層としての上記支持シートと同じスパンレース不織布を配して、外周部をヒートシールして固定させた。
【0032】
次に、下記〔表2〕に示す親水性粘着剤の10〜50重量%水溶液に、可塑剤としてグリセロールを該親水性粘着剤100重量部に対して10重量部となるように、また界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油〔商品名エマノーンCH−25、花王(株)製〕を該親水性粘着剤100重量部に対して3重量部となるように、配合・攪拌した。その後、60〜80℃で約2時間乾燥させ、次いで20℃、60%相対湿度(RH)環境下で約1時間調湿して粘着剤配合物を得た。これら各々の粘着剤配合物を、上記隔離層としてのスパンレース不織布の表面に、ぬり厚が1mmとなる様に塗布して層状の粘着部を形成し、貼着清掃シート(〔表3〕に示すように、本発明品1〜11につき6種の成分部それぞれを別個に用いているので合計66種類の貼着清掃シート)を得た。
【0033】
一方、比較品として以下に示す貼着清掃シート(比較品1〜11)を調製した。
下記〔表2〕に示す親水性粘着剤の10〜50重量%水溶液に、可塑剤としてグリセロールを該親水性粘着剤100重量部に対して10重量部となるように、また界面活性剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油〔商品名エマノーンCH−25、花王(株)製〕を該親水性粘着剤100重量部に対して3重量部となるように配合・撹拌した。その後、60〜80℃で約2時間乾燥させ、次いで20℃、60%RH環境下で約1時間調湿して粘着剤配合物を得た。これら各々の粘着剤組成物を、坪量40g/m2 の粘着剤未塗工の支持シートとしてのスパンレース不織布〔レーヨン/PET・PE=70/30、ダイワボウテック(株)製〕に、ぬり厚が1mmとなる様塗布した。そこに下記〔表1〕に示すカビ取り成分を、漂白溶液が被清掃部に接触する際に、酸素系漂白成分の場合には、過炭酸ソーダを有効酸素濃度として1.3重量%程度、及び各有機過酸前駆体が該過炭酸ソーダと等モル量になるように、一方塩素系漂白成分の場合には、有効塩素濃度が4重量%程度となるように、上記粘着剤組成物に配合して(具体的にはカビ取り成分を支持シート1cm2 あたり0.03〜0.05g散布積層して)、貼着清掃シート(隔離層のない貼着清掃シート)(〔表4〕に示すように、比較品1〜11につき6種の成分部それぞれを別個に用いているので合計66種類の貼着清掃シート)を得た。
【0034】
〈本発明品12及び比較品12〉
粘着剤配合物として下記の如くして調製したものを用いた以外は、上記の本発明品1〜11と同様にして貼着清掃シート(6種の本発明品12)を得、また上記の比較品1〜11と同様にして貼着清掃シート(6種の比較品12)を得た。
(粘着剤配合物)
上記〔表2〕中の親水性粘着剤7を用い、その25重量%水溶液に、可塑剤としてグリセロールを該親水性粘着剤100重量部に対して45重量部となるように配合し、また上記界面活性剤を該親水性粘着剤100重量部に対して3重量部となるよう配合し、攪拌した。その後、エポキシ架橋剤〔商品名「デナコールEX−521」、ナガセ化成工業(株)製〕を該親水性粘着剤100重量部に対して1重量部配合・攪拌した後、90℃で約2時間、架橋反応を行って、粘着剤配合物を得た。
【0035】
上述の如くして得られた貼着清掃シート(本発明品1〜12及び比較品1〜12)を調製直後及び40℃で2週間密閉保存後、下記の試験法に基づきカビ漂白力試験及び匂いの評価を行った。
尚、市販の塩素系カビ取り剤〔カビキラー;ジョンソン&ジョンソン(株)製〕(比較品13)も比較品として用いた。
以上の試験結果を下記〔表3〕及び〔表4〕に示す。
【0036】
カビ漂白力試験
クラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)を接種し、30℃、14日間培養した素焼きプレートをモデルカビプレートとし、これを垂直に置き、上記貼着清掃シート(本発明品1〜12及び比較品1〜12)を貼付した後シャワーで水をかけ、1時間放置後、貼着清掃シートをはがし水洗、風乾した。
尚、市販の塩素系カビ取り剤の場合は、カビ取り剤を標準使用量用い、垂直に置いた上記モデルカビプレートにスプレーし、1時間放置後、水洗、風乾した。上記のカビ取り作業後の素焼きプレートの明度(L値)を測色計(1001DP;日本電気工業(株)製)を用いて測定した。尚、培養前の素焼きプレートのL値は94、モデルカビプレートのL値は60〜65であった。L値が大きい程、カビ・汚れ除去性能が優れていることを示す。
【0037】
匂いの評価
また、上記のカビ取り作業工程において発生する漂白成分の匂いを、パネラー10人により下記の基準で官能評価し、その10人の評価の平均により評価結果を決定した。
◎:刺激臭又は悪臭が気にならない
○:刺激臭又は悪臭が少々気になる
△:刺激臭又は悪臭が気になる
×:刺激臭又は悪臭が強くて、いたたまれない
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
上記〔表3〕及び〔表4〕の結果より、本発明品が、比較品に比して、一定期間保存後も、優れたカビ・汚れ除去性能を発揮し、且つたとえ塩素系漂白成分を用いたとしても匂いがかなり低減されていることが判る。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、カビ取り成分からなる成分部と粘着剤からなる粘着部とが分離して存在しているため、カビ取り成分の保存安定性が良好であり、また使用時に粘着剤を被清掃部に当接させることにより、シートを被清掃部に粘着させるようになしてあるので、カビ取り成分を簡便に被清掃部に塗布及び保持でき、液垂れや飛散なく安全且つ良好にカビや汚れ等を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の貼着清掃シートの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の貼着清掃シートの他の実施形態を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の貼着清掃シートの他の実施形態を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の貼着清掃シートの他の実施形態を示す断面図である。
【図5】図5は、図4のX部拡大図である。
【符号の説明】
10 貼着清掃シート
11 支持シート
12 成分部
13 隔離層
14 粘着部
Claims (3)
- 液透過性の支持シートと、カビ取り成分からなる成分部と、粘着剤からなる液透過性の粘着部とを具備してなる貼着清掃シートであって、
上記成分部と上記粘着部とを分離する隔離層が設けられており、
使用時に上記粘着部を被清掃部に当接させることにより、シートを被清掃部に粘着させるようになしてあることを特徴とする貼着清掃シート。 - 上記粘着剤が、親水性粘着剤である請求項1記載の貼着清掃シート。
- 上記成分部は、上記支持シートの表面に上記カビ取り成分を層状に配して形成されており、上記隔離層は、該成分部上に該成分部を覆って設けられており、上記粘着部は、該隔離層の表面に上記粘着剤を層状に配して形成されていることを特徴とする請求項1記載の貼着清掃シート。
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---|---|---|---|---|
JP2014113280A (ja) * | 2012-12-10 | 2014-06-26 | Handa Yuya | カビ取りテープ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH11318800A (ja) | 1999-11-24 |
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