JP3611236B2 - シリコン単結晶ウエハの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシリコン単結晶ウエハ及びその製造方法に関し、より詳細には、ウエハの表面に、所定サイズ以上のボイドが実質的に存在せず、またウエハ表面におけるボイドの存在密度を従来品に比べて著しく低減させたシリコン単結晶ウエハの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体製造工業分野においては、デバイスの高集積化、微細化が進行し、その結果、半導体基板であるシリコン単結晶ウエハに関してもより高度品質のものが要求されるようになってきている。
従来、シリコン単結晶ウエハには、一般にCOP(クリスタル、オリジネーテッド、パーティクル)と呼ばれている微細なボイドが存在することが知られている。このCOP(ボイド)がウエハ表面に多数存在すると、該ウエハから製作した製品デバイスの性能に、例えば、酸化膜耐圧特性を劣化させる等の悪影響を及ぼすため、ボイドの存在が問題となっている。
【0003】
このシリコン単結晶中に発生するボイドの数(ボイド発生密度)を低減させるための研究開発も精力的に進められ、従前に比較してシリコン単結晶中に発生するボイドは最近ではかなり低減されてきている。
しかしながら、今日、ボイドの発生を完全に抑止する技術はもちろん、充分に満足すべき密度にまでボイドを低減できる技術も開発されていない。
【0004】
ところで、このCOPと呼ばれるボイドは、通常単結晶育成時に生成し、一般に0.05乃至0.5μm程度のサイズで単結晶ウエハ中に分布する結晶欠陥である。
このボイド(COP)の生成原因は、未だ明瞭には解明されていないが、一般に、上記チョクラルスキー法等によってシリコン単結晶を引き上げる時の引き上げ速度によって、その発生数やサイズが変化することが知られている。
【0005】
即ち、単結晶の引上速度が速いと、COPサイズは小さくなるがその発生数は増加し、逆に引上速度が遅いと、数は少なくなるがサイズは大きくなることが知られている。
そのため、発生するCOP(ボイド)数の低減は、上記引き上げ速度を可能な限り遅くすることで達成できると考えられ、今までの研究開発は、ほとんどが引き上げ速度を可能な限り遅くする方向で進められていた。
【0006】
なお、COP(ボイド)は、空孔型の結晶欠陥であることから、OSF(オキシデーション、インディュースド、スタッキング、フォルト)リング(OSF欠陥がリング状に集まった状態のリング状欠陥)の内側に発生する傾向がある。発生するOSFリングの大きさ(半径)は、上記引上速度と相関性があり、低速で引上るほどリング半径は小さくなる傾向がある。
ボイド密度低減を、引き上げ速度の低速化により達成しようとする上記の試みは、引き上げ速度を低速化するに伴い、OSFリング半径が小さくなり、ボイド発生面積が縮小することを利用したものである。
【0007】
一方、シリコン単結晶の引き上げ速度を速め、発生するCOP(ボイド)数の低減を図る研究は、引き上げ速度を速めた場合、上記したようにCOP(ボイド)数が増加するという理由以外に、引き上げの高速化に伴い単結晶が切れる等の不都合が生じ易く、また理由は未だ不明であるが、このような高速引き上げ単結晶から得られたウエハは、ウエハとして非常に重要な物性である酸化膜耐圧が低下することが知られていたため、なされていなかった。
【0008】
また、上記した低ボイド密度ウエハの開発を非常に困難にしている原因の一つに、ボイド(COP)の測定評価方法に関する問題がある。即ち、従来からCOPの数やサイズの検定は、一般にパーティクルカウンターを用いて測定されている。
しかしながら、パーティクルカウンターを用いた測定の場合、付着ダストとCOPが区別されることなく共に光散乱体像として検出されるため、両者を区別して評価ことが必要である。
【0009】
しかしながら、この厳密な識別には、例えば、AMF(原子間力顕微鏡)等を用い、複雑で時間の掛かる解析を必要としたり、またはパーティクルカウンターのみにより識別する場合には、ウエハ表面を何回もエッチング・洗浄してその都度カウンターでの測定を繰り返す等複雑な操作を必要とする。
しかも、この手法で正確に両者を区別しCOPのみの数、サイズを正確に確定することは困難とされ、現在に至るまでその評価手法は確立されていなかった。このCOP評価の困難性が、従来この種の研究開発結果の正確な評価を困難にし、結果的に有効な解決手段の出現を阻害しているのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、今までの研究開発、即ち、前記引き上げ速度を可能な限り遅くする方法によって、COP(ボイド)の発生数を少なくすることができた。
しかし、COP(ボイド)を完全に発生を抑止することができず、しかも、発生したCOPのサイズは0.2μmを越える大きなものとなり、製品デバイスの性能に不都合を招くものであった。
また、COP(ボイド)は、高温熱処理等の高温加熱下で収縮し、そのサイズを減じることが知られているが、0.2μmを越える大きなものは、後の処理で消滅させることは困難であった。
【0011】
本発明者等は、敢えてシリコン単結晶の引き上げ速度を速め、引き上げ速度を速めることによる、COP(ボイド)の発生数が多くなる等の弊害が発生することを是認した上で、生成するボイドのサイズを微小化し、微小化したボイドを消滅させる研究に着手し、種々の研究を重ねた。
【0012】
その結果、輻射熱線の断熱性の高い構造の輻射シールドを備えたチョクラルスキー型の単結晶引上装置を用いると共に該装置のシリコン単結晶引き上げ部に特定磁力強度のカスプ磁場を印加し、更に、シリコン単結晶の引き上げ時において、該単結晶直胴部の引上速度及び条件を特定範囲に設定することにより、上記操作時の単結晶切れや製品ウエハの酸化膜耐圧低下等の不都合を回避し、かつ、サイズの大きいボイドが実質的に存在しないシリコン単結晶を得を得ることに成功し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0013】
なお、本発明において、発明の完成を確認評価するためのCOP(ボイド)検定方法に関しては、後に詳述する新たに開発したCOP測定評価法を用い、付着ダストとCOPを厳密に識別してその効果を確認した。
【0014】
本発明は上記技術的課題を解決するためになされたものであり、所定サイズ以上のボイドが実質的に存在せず、加熱処理等の処理工程を経た後の製品ウエハ表面におけるボイドの存在密度が従来品に比べて著しく低減され、かつ製品とした場合、酸化膜耐圧性に優れるシリコン単結晶ウエハの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるシリコン単結晶ウエハの製造方法は、ウエハ表面におけるサイズ0.1μm以上のボイド数をボイド総数とし、サイズ0.1μm以上0.15μm以下のボイド数が、ボイド総数の85%以上を占め、かつサイズ0.2μm以上のボイドが実質的に存在しないシリコン単結晶ウエハの製造方法において、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶引き上げ操作において、単結晶への熱輻射を遮蔽する輻射シールドが設けられた引き上げ装置を用い、かつカスプ磁場を磁束密度が0.003〜0.1テスラで印加すると共に単結晶直胴部の引き上げ時における引き上げ速度を1.0乃至1.2mm/minの範囲の速度で引き上げることにより、1080℃から1050℃の温度領域通過時間が15分以内となるように操作し、前記シリコン単結晶をスライスし、得られたウエハに表面加工を施した後、不活性ガス、還元性ガス若しくはそれらの混合ガス雰囲気中、または真空中で、処理温度1100℃以上、かつ、(100/(処理温度−1000℃))×60分以上の処理時間、熱処理することを特徴としている。
【0019】
ここで、前記単結晶直胴部の引き上げ時における引き上げ速度を1.05乃至1.10mm/minの範囲の略一定の速度で引き上げることが好ましい。
【0021】
ここで、前記雰囲気ガスが水素、一酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、窒素からなる少なくとも1種のガスであることが望ましい。
【0022】
本発明のシリコン単結晶ウエハは、ウエハ表面に存在するサイズが0.1μm以上のボイド数のうち、85%以上がボイドサイズ0.15μm以下の微小ボイドであり、サイズ0.20μm以上の大きなボイドが実質的に存在しないことが顕著な特徴である。
このシリコンウエハは、その後の加工処理工程、例えば、デバイス製造工程中におけるウェル拡散や、エピタキシャル成長工程等において不活性ガスや還元性ガス雰囲気中で、1100℃以上の温度に1分間以上加熱されることにより該ウエハ表面上に存在するほとんど全てのボイドが消滅し、酸化膜耐圧に極めて優れた低ボイド密度シリコン単結晶ウエハとなる。
また、ウェル拡散などの高温加熱工程を経ないウエハの場合には、ポリシング工程等の後において、上記ガス雰囲気中で、1100℃以上の温度下に1分間以上熱処理することにより同様の低ボイド密度ウエハが得られる。
【0023】
本発明の上記特定単結晶ウエハは、本発明の特定シリコン単結晶製造方法により製作される。
即ち、輻射熱線の遮蔽性の高い構造の高性能輻射シールドを備えたチョクラルスキー法シリコン単結晶引上装置を用い、かつ該装置の単結晶引上げ部に特定磁力強度のカスプ磁場を印加すると共に単結晶直胴部の引き上げ時における引き上げ速度を1.0乃至1.2mm/minの範囲で可及的に定速度で引き上げることにより、単結晶の1080から1050℃の温度領域通過時間が15分以内となるように操作して得られたシリコン単結晶を用いて作製される。
【0024】
上記製造方法は、高性能輻射シールドと特定磁力強度のカスプ磁場印可機構を備えた特定チョクラルスキー型シリコン単結晶引上装置中で、通常の引き上げ速度(0.7乃至0.8mm/min程度、この通常条件による引き上げでは、単結晶の1150℃から1080℃温度帯の通過時間は30分以上)よりやや速い特定範囲の引き上げ速度(上記の通過時間15分以内)でシリコン単結晶直胴部を引き上げる点が顕著な構成上の特徴である。
【0025】
この特定条件でのシリコン単結晶成長により、単結晶が途中で切れる等の不都合を生ずることなく、上述した本発明の特定性状ウエハを製作でき、かつそれから得られたデバイスの酸化膜耐圧も極めて優れた値を示すものとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を図1を参照して更に詳細に説明する。
図1は、本発明のシリコンウエハを得るためのシリコン単結晶を製造する単結晶引き上げ装置の一例を示す断面図である。
図1において、単結晶引き上げ装置のチャンバー1内には、回転可能に形成された支持軸9上にカーボン坩堝3が設置され、該カーボンルツボ3には、結晶成長用のシリコン融液7を収容する石英坩堝2がセットされる。
該チャンバー1内のカーボン坩堝3の外周部には所定間隔を隔ててヒーター6が配設されており、外部から坩堝2,3を加熱して、原料として投入された多結晶シリコンを融解すると共に該融解されたシリコン融液7を所定温度に調節維持する。
【0027】
この本発明の単結晶引き上げ装置のチャンバー1内には、石英坩堝2に収容されたシリコン融液7の液面中心部からその上部、即ちシリコン単結晶が引き上げられる部分、を囲う形で該引き上げ中の単結晶へ輻射熱が当たるのを遮蔽するための輻射シールド4が設置されている。
更に、該チャンバー1の外周には、該単結晶引き上げ部の中心軸と同心に、対向する2つの磁界を発生するカスプ磁場発生用のコイル5、5’が配設されている。
チャンバー1の天井部中心から坩堝2内の融液7の液面に向けて、下端に結晶成長の核となる種結晶を装着した単結晶引き上げ治具10が吊り下げられている。
【0028】
本発明のこの装置を用いて、シリコン単結晶のインゴットを得るには、先ずアルゴン等の不活性雰囲気中で所定温度(融液内温度約1450℃)に維持され、支持軸9により坩堝2,3と共に回転しているシリコン融液7の液面中央部に、前記単結晶引き上げ治具10に装着された種結晶を接触させ、単結晶8を成長させながら所定速度で引き上げる。
種子結晶部からの転位を除去するため直径5mm以下の部分を先ず形成(ネッキング)した後、直径を増大し所定の大きさの直胴部を形成する。
一定径で直胴部を形成した後、徐々に直径を小さくして、最後に融液から切り離す(尾部形成)。
【0029】
本発明の上記シリコン単結晶引き上げ方法においては、単結晶引き上げ部に、輻射熱線遮蔽性の良好な構造の輻射シールドを配設した引き上げ装置を用いること、引き上げ操作中のシリコン融液に、ルツボ側壁の最下部、すなわち底部にかけて曲面が始まる部分(ア−ルが始まる部分)の磁束密度が0.003乃至0.1テスラ、特に好ましくは0.02乃至0.05テスラのカスプ磁場を印加すること、及び、単結晶の直胴部引上げ時における引き上げ速度を、1.0乃至1.2mm/min、特に好ましくは1.05乃至1.10mm/minの範囲内で、かつ、引き上げ時の速度変動幅を可及的に小さく制御してほぼ定速で引上げ、これにより単結晶の1080乃至1050℃温度領域通過時間が15分以内となるように操作することが特に重要である。
【0030】
周知のように、カスプ磁場においては、対向するコイルの中間部においては磁界が0となる。本発明においては、シリコン融液を保持する石英ガラスルツボの側壁の最下部(ルツボ底部にかけての曲面が始まる箇所)の磁束密度を0.01乃至0.1テスラとしているため、融液の対流が効果的に抑制されるとともに、ボイドの発生が効果的に抑制される。
磁束密度が0.1テスラを越えると、理由は明らかではないがボイドの発生数が増加すると共にサイズも大きくなる。また、0.003テスラ未満では対流を抑えることができず、酸素濃度が高くなる。
【0031】
また、引き上げ速度を、1.0乃至1.2mm/min、とするのは、単結晶の1080乃至1050℃温度領域通過時間が15分以内とするためであり、これより引き上げ速度が早い場合には、単結晶が切れるという弊害があり、引き上げ速度が遅い場合には、ボイドのサイズが大きくなり過ぎ、消滅させることができないという弊害がある。
【0032】
このようにして形成された本発明の単結晶インゴットをスライスして本発明の特定ウエハ、即ち、ウエハ表面に存在するサイズが0.1μm以上のボイド数のうち85%以上、好ましくは95%以上がボイドサイズ0.15μm以下の微小ボイドであり、サイズ0.20μm以上の大きなボイドが実質的に存在しないウエハを得る。
しかも、上記本発明の方法で得られたスライシングウエハは、単にウエハ表面にサイズの大きいボイドが存在しないというだけでなく、通常の高速引き上げによって得られたウエハにしばしば発生する成長縞がほとんど発生しない。また、高速引き上げウエハの欠点とされる酸化膜耐圧低下も見られず、MOSキャパシタ法による酸化膜耐圧測定値として10MV/cm以上、経時絶縁破壊による偶発不良率5%以下のものが得られる。
【0033】
上記のスライシングウエハから本発明のシリコン単結晶ウエハを得るには、例えば、該ウエハにポリッシング等の所定の表面加工を施した後、水素ガス、一酸化炭素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス乃至はそれらの混合ガス等の、還元性ガス、不活性ガスまたはそれらの混合ガス雰囲気中で、処理温度1100℃以上、かつ、(100/(処理温度−1000℃))×60分以上の処理時間熱処理して該ウエハ表面に存在する微小ボイドを収縮消滅させる。
【0034】
また上記ウエハが、後の工程、例えばデバイス工程において、ウェル拡散等の上記したガス雰囲気下における処理温度1100℃以上、かつ、(100/(処理温度−1000℃))×60分以上の処理時間の加熱処理を受ける場合、または、エピタキシャル気相成長工程に供される場合等においては、上記熱処理を省略し、これらの工程における加熱により該微小ボイドを収縮消滅させることもできる。
このようにして得られた本発明の低ボイド密度シリコン単結晶ウエハは、ウエハ表面に現れるサイズが0.1μm以上のボイドの数密度が0.01ヶ/cm2 以下となる。
【0035】
次に、本発明において用いられるボイド即ちCOPの測定評価方法について述べる。
既に述べたとおり、ボイド即ちCOPは一般に、例えば光散乱方式のパーティクルカウンターにより測定されている。
ところが、このパーティクルカウンターはウエハ表面に存在するCOP等の欠陥とダスト等の付着パーティクルとを区別することなくいずれも光散乱体像として検出するため、単にウエハ面をパーティクルカウンターで走査測定しただけでは両者を厳密に識別して、COPだけを正確にカウントし評価することができない。
しかも、通常の光散乱方式のパーティクルカウンターでは散乱体の検出限界下限のサイズは、0.1μm程度で、これよりサイズの小さいCOPを検出することは困難である。
【0036】
このため、パーティクルカウンターを用いて、ウエハ表面に存在するCOPの数及びサイズを正確にかつ可及的迅速に識別評価する方法は未だ一般には確立されていなかったのが現状であった。
パーティクルカウンター以外の測定機器、例えばAFM(原子間力顕微鏡)等を用い、煩雑な解析操作によってCOPのみを正確に測定する方法は、その解析に多大な手数と時間を要するため一般的でない。
【0037】
このような事情もあって、上記ウエハのボイド数を低減することを目的とした研究、提案等においても、そのボイド数、ボイドサイズの測定評価には、付着ダストとCOPとの厳密な識別がなされていないものも見られる。
そのため、評価結果が正確でないものや、極端な場合には、追試実験を行った場合、提案された好適条件がずれていたり、結論が異なっていたりするものも散見される。
【0038】
本発明においては、COPに基づく光散乱体像と付着ダストに基づく光散乱体像とを厳密に識別でき、COPのみの数、個々のサイズ、及びウエハ表面での分布状態を正確に評価できる新たに開発確立したCOP評価方法を用いた。
この評価方法は、下記実施例の欄の「ボイドの評価方法」の項にも記載されているが、その概要について以下に説明する。
【0039】
本発明で用いたこのCOP評価方法は、ウエハ表面に存在するCOPがエッチング洗浄される毎に次第にそのサイズを拡大すること及びその存在位置は洗浄処理等により移動しないことを利用したものである。
例えば、ウエハ表面に存在するボイドサイズ0.05μm以上のCOPの総個数、個々のサイズ及び分布状態の検定評価を目的とする場合について説明すると、測定機器としてレーザー光散乱方式のパーティクルカウンターを用い、先ず対象となるウエハの表面を走査測定し、光散乱体の数、サイズ、個々の散乱体の存在位置を測定記録する。
【0040】
次いで、穏和なエッチング性を有するアルカリ性洗浄液を用いて、シリコンウエハ表面をエッチング洗浄処理し、再度、光散乱体の個数、各個散乱体サイズ及び存在位置を測定記録する。
上記エッチング洗浄を少なくとも1回及び測定を少なくともその前後2回、ボイドサイズ0.05μmのCOPが、パーティクルカウンターの検出下限以上の検出可能なサイズ(例えば0.1μm)に成長拡大する迄繰り返す。
上記操作が終了した後、各測定記録を順に比較参照し、最後の測定記録とそれ以前の測定記録において、その検出位置が不変で、かつそのサイズが順次増大した光散乱体をCOPに基づく光散乱体と判定する。
これにより、ウエハ表面上の付着ダスト等の微小異物に基づく光散乱体像とCOPに基づく光散乱体像とを正確に区別して分別評価することができる。
【0041】
【実施例】
「ボイドの評価方法」
NH4 OH:H2 O2 :H2 O=1:2:13混合薬液(エッチング洗浄液)を65℃に保ち、この液で8インチP型シリコン単結晶ウエハを20分間洗浄し、その洗浄の前後に、レーザー光散乱式パーティクルカウンターで光散乱体像を走査検定し、該光散乱体像の数、サイズ、個々の散乱体の存在位置をマップデーターとして得た。
この洗浄前後のマップデータを比較検討した結果、該光散乱体像の内、位置が不変で、かつ、サイズが拡大したもののうち、45個を任意抽出した。この45個について、ウエハ表面上の位置情報を基に、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、その形態を観察した。
その結果、前記45個の内44個が四角錐形状のボイド(穴)であることが確認された。
よって、上記方法は、検出確度97.8%と非常に高い確度でCOP(ボイド)の評価が可能であることが証明された。
従って、以下の実施例においても、上記方法(以下この方法を洗浄差分法と称する。)を用いてボイド(COP)の測定評価を行った。
【0042】
「実施例1」
図1に示したような特定構造の輻射熱遮蔽シールド4とカスプ磁界印加用コイル5、5’を備えた単結晶引き上げ装置を用い、該装置内のカーボン坩堝3に装着された直径22インチの石英坩堝2内に、100kgの多結晶シリコンを投入し、これをヒーター6で加熱し融解した。
次で、この融液7から、直胴部直径8インチのP型シリコン単結晶8を引き上げた。
なお、引き上げに際して、ルツボ側壁最下部の磁束密度が0.02テスラのカスプ磁場を印加し、更に、シリコン単結晶直胴部の引き上げ速度を約1.05〜1.10mm/minの範囲でかつ可及的に定速になるように制御した。
【0043】
一般に単結晶の引上速度はその瞬間毎にことなる。実際の引き上げ時には引上速度は約0.1mm/min程度変動する。本発明でいう「定速」とは、この変動を極力小さくして上記範囲内の変動で収まるように引き上げることをいう。
「実施例2」
実施例1と、印加する磁界の強さを0.08テスラとした以外は全く同様にしてシリコン単結晶を引き上げた。
「比較例1」
実施例1と、印加する磁界の強さを0.15テスラとした以外は全く同様にしてシリコン単結晶を引き上げた。
【0044】
この装置の輻射熱シールド4の構造と上記引き上げ速度の組合せでは、上記いずれの場合も引き上げ時の単結晶における1150〜1080℃温度領域通過時間が15分以内となる。
「比較例2」
一方、従来型の単結晶引き上げ装置(輻射シールドの構造(遮蔽性がやや低い)が異なる以外は、図1の装置と同様の構造を有する)を用い、シリコン単結晶直胴部の引き上げ速度を0.7〜0.8mm/minとした以外は実施例1と同様にして直胴部直径8インチのP型シリコン単結晶を引き上げた。なお、この条件での1150〜1080℃温度領域通過時間は、30分以上となる。
「比較例3」
また、実施例1と同一の装置を用い、直胴部の引上速度を0.9mm/minとした以外は同様にしてシリコン単結晶を引き上げた。この場合の1150〜1180℃の温度領域通過時間は20分となる。
上記実施例1及び実施例2の単結晶と比較例1及び比較例2、比較例3の単結晶からそれぞれウエハを切り出し、鏡面加工仕上げした後、上記洗浄差分法によりウエハ表面上に存在するボイド(COP)を測定し、そのサイズ分布を算出評価した。
その結果を表1に示した。なお、表1中の値は、いずれもウエハ50枚を測定した平均値である。
【0045】
表1の結果から、本発明品(実施例1及び実施例2)は、従来品(比較例1、2、3)に比べて、ボイドが小サイズ側に分布し、また、0.2μm以上の大サイズのボイドが実質的に存在しないことが判る。
【0046】
【表1】
【0047】
「実施例3〜5、比較例4〜6」
表面に微小ボイドのみが存在する実施例1のシリコンウエハを用いて、ボイドの加熱処理による消滅挙動を確認する実験を実施した。
熱処理は、雰囲気ガスとして水素ガス、一酸化炭素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、水素・アルゴン混合ガスを用い、更に真空中(0.75Pa)でも実施した。熱処理温度は、1200℃,1150℃,1100℃、1050℃の各温度で時間を変えて熱処理した。
各温度、ガス雰囲気下における熱処理後ウエハのボイド状態を洗浄差分法で測定評価した。その結果を表2に示した。
【0048】
表2から、実施例1のウエハを1100℃以上の温度で加熱処理することによりボイドの存在密度が顕著に低減していることがわかる。
また、水素及びアルゴンガスが優れていることもわかる。
【0049】
【表2】
【0050】
「実施例6」
実施例1のウエハのボイド密度と、該実施例1のウエハを水素ガス雰囲気中1200℃で1時間熱処理した熱処理ウエハ(実施例2、表2参照)のボイド密度とを洗浄差分法で測定評価し、これ等の値からボイドの消滅率を算出した。
また、比較例2の従来品ウエハのボイド密度と、該従来品ウエハを水素ガス雰囲気中1200℃で1時間熱処理した従来品熱処理ウエハのボイド密度とを同様に評価し、これ等の値からボイドの消滅率を算出した。
その結果を表3に示す。なお、表3中の値は、いずれもウエハ50枚を測定した平均値である。
【0051】
【表3】
【0052】
表3から明らかなとおり、ボイドのサイズ分布が大サイズ側に偏った形の分布を示す従来品ウエハは、熱処理後のボイド残留率が高いが、小サイズ側に分布が偏った本発明品のウエハは、熱処理により全てのボイドが消滅して残留ボイドがほとんど無く、デバイス製作上極めて好適である。
【0053】
【発明の効果】
本発明のシリコン単結晶ウエハは、サイズ0.2μm以上の大サイズのボイドが実質的に存在しないため、後のデバイス工程において、不活性または還元性ガス雰囲気中で、1100℃以上の熱履歴を受けた時、該ウエハ表面に存在する微小ボイドがほとんど全て消滅して極めてボイド密度の低いシリコン単結晶ウエハとなる。
また得られたウエハの酸化膜耐圧性能も良好であるため、デバイスの歩留まりが顕著に向上し、デバイス製作上極めて好適なシリコン単結晶ウエハとなる。
また、上記のような高温加熱を行わないデバイス工程に用いる場合には、本発明の上記微小ボイドサイズのウエハを予め不活性または還元性ガス雰囲気中で、1100℃以上の温度で熱処理を行うことにより上記と同様の性能を有するシリコン単結晶ウエハを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の微小ボイドサイズウエハの製造に用いるシリコン単結晶引き上げ装置の概略図である。
【符号の説明】
1 チャンバー
2 石英坩堝
3 カーボン坩堝
4 輻射熱シールド
5 カスプ磁界用マグネット
5’ カスプ磁界用マグネット
6 ヒーター
7 シリコン融液
8 引き上げ単結晶
9 回転支持軸
10 単結晶引き上げ治具
Claims (3)
- ウエハ表面におけるサイズ0.1μm以上のボイド数をボイド総数とし、サイズ0.1μm以上0.15μm以下のボイド数が、ボイド総数の85%以上を占め、かつサイズ0.2μm以上のボイドが実質的に存在しないシリコン単結晶ウエハの製造方法において、
チョクラルスキー法によるシリコン単結晶引き上げ操作において、単結晶への熱輻射を遮蔽する輻射シールドが設けられた引き上げ装置を用い、かつカスプ磁場を磁束密度が0.003〜0.1テスラで印加すると共に単結晶直胴部の引き上げ時における引き上げ速度を1.0乃至1.2mm/minの範囲の速度で引き上げることにより、1080℃から1050℃の温度領域通過時間が15分以内となるように操作し、
前記シリコン単結晶をスライスし、得られたウエハに表面加工を施した後、不活性ガス、還元性ガス若しくはそれらの混合ガス雰囲気中、または真空中で、処理温度1100℃以上、かつ、(100/(処理温度−1000℃))×60分以上の処理時間、熱処理することを特徴とするシリコン単結晶ウエハの製造方法。 - 前記単結晶直胴部の引き上げ時における引き上げ速度を1.05乃至1.10mm/minの範囲の略一定の速度で引き上げることを特徴とする請求項1に記載されたシリコン単結晶ウエハの製造方法。
- 前記雰囲気ガスが水素、一酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、窒素からなる少なくとも1種のガスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたシリコン単結晶ウエハの製造方法。
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