JP3610890B2 - 電気負荷駆動回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気負荷への通電・非通電を切り換えるスイッチング素子として出力段にMOSトランジスタを備えた電気負荷駆動回路に関し、特に、電気負荷側から入力される静電気等の高電圧ノイズからMOSトランジスタを保護するのに好適な電気負荷駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば図11に示すように、直流電源2の正極側から電気負荷4に至る通電経路上に、所謂ハイサイドスイッチとして、NチャネルのMOSトランジスタTr0を直列に接続し、これをオン・オフさせて電気負荷4への通電・非通電を切り換えることにより、電気負荷4を駆動するようにした電気負荷駆動回路90が知られている。
【0003】
図11に示す従来の駆動回路90においては、MOSトランジスタTr0のドレインが、直流電源接続用の接続端子TBを介して直流電源2の正極側に接続され、MOSトランジスタTr0のソースが電気負荷接続用の接続端子TLを介して電気負荷4の一端に接続されている。また、MOSトランジスタTr0のゲート−ソース間には、ゲート−ソース間のインピーダンスを下げてMOSトランジスタTr0のオン・オフ動作を安定化させるために、抵抗R0が接続されている。
【0004】
そして、この駆動回路90においては、MOSトランジスタTr0のゲート電位を、ソース電位よりも所定のしきい値電圧以上高くすれば、MOSトランジスタTr0がオン状態となるので、MOSトランジスタTr0のゲートには、スイッチ(具体的にはトランジスタ等からなるスイッチング素子)SWを介して、MOSトランジスタTr0駆動用の正の電源電圧を印加できるようにされている。尚、スイッチSWは、制御信号入力用の制御端子TCを介して外部から入力される制御信号によりオン・オフされる。また、MOSトランジスタTr0駆動用の正の電源電圧は、電源端子TDを介して外部から入力される。
【0005】
ところで、この種の駆動回路90では、電気負荷4への接続端子TLやこれに接続された電気負荷4側の端子Taに、人体或いは他の機器に発生した静電気等の高電圧ノイズが印加されることがある。そして、このように高電圧ノイズが印加されると、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間電圧が、MOSトランジスタTr0の耐圧以上となって、MOSトランジスタTr0が劣化若しくは破壊することがある。
【0006】
一方、静電気等の高電圧ノイズから半導体素子を保護する保護回路としては、従来より、例えば特開昭59−18722号公報に記載のように、高電圧ノイズが印加される信号線に対して、アノードがグランドに接地されたダイオードのカソードを接続すると共に、ベース−エミッタ間に抵抗が接続されエミッタがグランドに接地されたNPNトランジスタのコレクタを接続するようにした保護回路が知られている。
【0007】
そして、この保護回路を上記駆動回路90に適用すると、図11に示す如く、接続端子TLから電気負荷4に至る電気負荷4の通電経路に対して、ダイオードDaのカソード及びNPNトランジスタTraのコレクタを夫々接続すると共に、ダイオードDaのアノード及びNPNトランジスタTraのエミッタを直流電源2の負極側と同電位のグランドに接地し、更に、NPNトランジスタTraのベース−エミッタ間に抵抗Raを接続することになる。
【0008】
この保護回路では、例えば、電気負荷4側の端子Taにグランド電位よりも高い正の静電気が印加された際には、NPNトランジスタTraのコレクタ−ベース間の耐圧を超えて、コレクタ−ベース間がブレークダウンし、この電流がベース電流となってNPNトランジスタがオン状態となる。このため、端子Taに印加された正の静電気は、NPNトランジスタTraのコレクタ電流となってグランドへ抜ける。
【0009】
一方、端子Taにグランド電位よりも低い負の静電気が印加された際には、ダイオードDaのカソード側電位がアノード側(グランド)電位よりも低くなることから、ダイオードDaに電流が流れる。このため、端子Taに印加された負の静電気は、ダイオードDaの順方向電流となって消費されることになる。
【0010】
従って、上記保護回路によれば、電気負荷4側で発生した高電圧ノイズによってMOSトランジスタTr0に流れる電流を低減することができ、MOSトランジスタTr0を静電気等の高電圧ノイズから保護することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような従来の保護回路では、NPNトランジスタTraやダイオードDaの電流能力が充分でない場合や、これらの保護素子までの配線にインダクタンス成分が含まれている場合等には、高電圧ノイズによってMOSトランジスタTr0に流れる全ての電流を吸収することができず、これらの保護素子により吸収しきれなかった電流により、MOSトランジスタTr0が破壊してしまうことがあった。
【0012】
即ち、まず、端子Taに正の高電圧ノイズが印加された場合には、その印加電圧によって流れる電流をNPNトランジスタTraにより吸収しきれなかったとしても、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間には、図11に点線で示すように、ソースからドレイン方向に電流を流す寄生ダイオードD0が形成されることから、この寄生ダイオードD0によって、NPNトランジスタTraにより吸収できなかった電流を直流電源2側に流すことができる。従って、図11に示す回路では、正の高電圧ノイズに対しては比較的その耐量が高く、高電圧ノイズによりMOSトランジスタTr0が破壊するのを防止できる。
【0013】
また、端子Taに負の高電圧ノイズが印加された場合には、MOSトランジスタTr0がオン状態であれば、印加電圧によって流れる電流をダイオードDaにより吸収しきれなかったとしても、MOSトランジスタTr0がドレインからソースへと電流を流すことから、ドレイン−ソース間に発生する電圧は比較的小さく、MOSトランジスタTr0が破壊に至ることはない。
【0014】
しかし、MOSトランジスタTr0がオフ状態であるときに端子Taに負の高電圧ノイズが印加された場合には、ダイオードDaにより吸収しきれなかった電流を流す経路がないため、MOSトランジスタTr0のソースの電位が大きく低下する。そして、このソース電位の低下によって、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間に、MOSトランジスタTr0の耐圧を超える電圧が発生すると、MOSトランジスタTr0がブレークダウン現象を起こし、破壊に至ることがある。
【0015】
このように、上記従来の保護回路では、出力段にMOSトランジスタを備えた電気負荷駆動回路において、電気負荷側に発生した高電圧ノイズからMOSトランジスタを保護することができないことがある。そして、この問題を防止するには、静電気により発生する全ての電流を保護回路で吸収できるように、保護回路を構成する保護素子(特にNPNトランジスタ)の電流容量を大きくすればよいが、このためには大きな素子面積が必要となる。
【0016】
よって、従来の保護回路を、MOSトランジスタTr0等の他の駆動回路の構成要素と共に同一の半導体基板上に形成して、駆動回路を一つの半導体集積回路として構成し、MOSトランジスタTr0を高電圧ノイズから確実に保護できるようにすると、半導体集積回路のチップ面積の増大を招き、コスト高になる、といった問題があった。
【0017】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、出力段にMOSトランジスタを備えた電気負荷駆動回路において、電気負荷側より入力される静電気等の高電圧ノイズからMOSトランジスタを確実に保護することができ、しかも、保護用の回路素子の電流容量を大きくすることなく容易に実現できるようにすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の電気負荷駆動回路においては、電気負荷への通電・非通電を切り換えるために、ドレイン−ソース間が直流電源から電気負荷への通電経路に直列に接続されたMOSトランジスタを備える。そして、MOSトランジスタのドレイン−ソース間には第1クランプ回路が並列に接続されている。
【0019】
第1クランプ回路は、MOSトランジスタがオフ状態であるときに、MOSトランジスタから電気負荷への通電経路の電位が、静電気等の高電圧ノイズにより変動して、MOSトランジスタのドレイン−ソース間に、通常時と同極性の高電圧が発生した際に、その高電圧によって電流を流し、ドレイン−ソース間を所定電圧以下にクランプするものである。
【0020】
このため、MOSトランジスタから電気負荷への通電経路に、MOSトランジスタのドレイン−ソース間に通常時と同極性の高電圧を発生させる高電圧ノイズが印加された際(例えば、図11に示した駆動回路において、MOSトランジスタTr0のソースに、ソース電位がドレイン電位よりも低くなる負の高電圧ノイズが印加された際)には、第1クランプ回路によって、MOSトランジスタのドレイン−ソース間電圧が所定電圧以下にクランプされることになる。従って、本発明によれば、第1クランプ回路によるクランプ電圧を適宜設定することにより、MOSトランジスタのドレイン−ソース間電圧を、MOSトランジスタの耐圧以下に抑えて、MOSトランジスタが破壊するのを防止できる。
【0021】
また、MOSトランジスタから電気負荷への通電経路に、MOSトランジスタのドレイン−ソース間に通常時と逆極性の高電圧を発生させる高電圧ノイズが印加された際(例えば、図11に示した駆動回路において、MOSトランジスタTr0のソースに、ソース電位がドレイン電位よりも高くなる正の高電圧ノイズが印加された際)には、MOSトランジスタの寄生ダイオードに順方向に電流が流れ、また、第1クランプ回路の構成によっては第1クランプ回路にも電流が流れるることになるので、MOSトランジスタのドレイン−ソース間電圧が高くなることはなく、この場合にも、MOSトランジスタが破壊するのを防止できる。
【0022】
このように本発明によれば、電気負荷側から高電圧ノイズが印加された際には、第1クランプ回路の動作によって、MOSトランジスタのドレイン−ソース間に耐圧を越える高電圧が発生するのを防止できるが、こうした第1クランプ回路の保護機能だけでMOSトランジスタを高電圧ノイズから保護できるようにするには、第1クランプ回路を構成するツェナーダイオードを、高電圧ノイズにより生じる全ての電流を吸収できるようにする必要があり、このためには、ツェナーダイオードに電流容量の大きなものを使用しなければならない。
【0023】
そこで、本発明では、静電気等の高電圧ノイズからMOSトランジスタを保護する保護回路として、上述の第1クランプ回路に加えて、第2クランプ回路を設け、MOSトランジスタのドレイン−ソース間に通常時と同極性の高電圧が発生した場合には、この第2クランプ回路によって、MOSトランジスタのゲートを所定電位にクランプし、MOSトランジスタをオンさせるようにしている。
【0024】
よって本発明の電気負荷駆動回路によれば、MOSトランジスタから電気負荷への通電経路に、MOSトランジスタのドレイン−ソース間に通常時と同極性の高電圧を発生させる高電圧ノイズが印加された際には、まず第1クランプ回路に電流が流れ、その後、第2クランプ回路の動作によってMOSトランジスタがオン状態となって、MOSトランジスタ自身に高電圧ノイズを吸収する電流が流れることになる。
【0025】
従って、本発明によれば、MOSトランジスタを高電圧ノイズから保護するための保護回路(第1クランプ回路,第2クランプ回路)に高電圧ノイズ吸収用の全電流を流すことなく、MOSトランジスタを、電気負荷側より入力される高電圧ノイズから確実に保護することができる。
【0026】
このため、本発明の電気負荷駆動回路においては、MOSトランジスタを高電圧ノイズから保護する保護回路を構成するツェナーダイオード等の保護用素子に電流容量の大きなものを使用する必要がなく、その素子面積を小さくすることができる。よって、例えば、本発明の電気負荷駆動回路を半導体集積回路としてIC化する際には、そのチップ面積を小さくすることが可能となり、駆動回路を容易に小型化できることになる。
【0027】
次に、請求項2記載の電気負荷駆動回路は、本発明(請求項1)を、図11に示した従来の駆動回路と同様、NチャネルのMOSトランジスタを、所謂ハイサイドスイッチとして、直流電源の正極側から電気負荷に至る通電経路上に設けた駆動回路に適用したものである。そして、第2クランプ回路は、直流電源の負極側と同電位のグランドとMOSトランジスタのゲートとの間に設けられており、MOSトランジスタのソースが電気負荷側から入力された負の高電圧ノイズによってグランド電位よりも低い負電位となったときに、MOSトランジスタのゲートをグランド電位よりも所定電圧だけ低い所定電位にクランプして、MOSトランジスタをオンさせる。
【0028】
よって本発明(請求項2)の電気負荷駆動回路によれば、MOSトランジスタのソースに負の高電圧ノイズが印加されると、まず、第1クランプ回路に電流が流れ、その後、第2クランプ回路の動作によってMOSトランジスタがオン状態となって、MOSトランジスタ自身に高電圧ノイズを吸収する電流が流れることになる。また、MOSトランジスタのソースに正の高電圧ノイズが印加された際には、第1クランプ回路を構成するツェナーダイオード及びMOSトランジスタの寄生ダイオード(図11に点線で示すダイオードD0)に順方向に電流が流れることになる。
【0029】
従って、本発明(請求項2)の電気負荷駆動回路によれば、ハイサイドスイッチを構成するNチャネルMOSトランジスタを、高電圧ノイズから確実に保護することができ、しかも、その保護のために第1クランプ回路に高電圧ノイズ吸収用の全電流を流す必要がないので、保護用素子の素子面積を小さくすることができ、駆動回路をIC化して容易に小型化することができる。
【0030】
次に、請求項3記載の電気負荷駆動回路は、請求項2記載の電気負荷駆動回路において、第1クランプ回路として、アノードが、MOSトランジスタの電気負荷との接続点であるソースに接続され、カソードが、MOSトランジスタの直流電源との接続点であるドレインに接続されたツェナーダイオードを使用するようにしたものである。このため、本発明によれば、第1クランプ回路として使用するツェナーダイオードの降伏電圧をMOSトランジスタの耐圧に応じて適宜設定することにより、MOSトランジスタのドレイン−ソース間電圧をその耐圧以下に抑えて、MOSトランジスタを負の高電圧ノイズから簡単且つ確実に保護することができる。
【0031】
次に、請求項4記載の電気負荷駆動回路は、上記請求項3記載の電気負荷駆動回路における第1クランプ回路(ツェナーダイオード)に対して並列に、NPNトランジスタと抵抗とからなる第3クランプ回路を設けたものである。
そして、この第3クランプ回路は、NPNトランジスタのコレクタをMOSトランジスタのドレインに接続すると共に、NPNトランジスタのエミッタをMOSトランジスタのソースに接続し、更に、NPNトランジスタのベースとMOSトランジスタのソースとの間に抵抗を接続することにより構成されている。
【0032】
このため、電気負荷側よりMOSトランジスタのソースに負の高電圧ノイズが印加された直後には、上記第3クランプ回路を構成するNPNトランジスタのコレクタ−ベース間の接合により抵抗に電流が流れて、NPNトランジスタがオンし、NPNトランジスタが、MOSトランジスタのドレイン−ソース間をバイパスする電流経路を形成することになる。
【0033】
よって、本発明(請求項4)の電気負荷駆動回路によれば、電気負荷側よりMOSトランジスタのソースに負の高電圧ノイズが印加されてから、第2クランプ回路の動作によってMOSトランジスタがオンするまでの間は、第1クランプ回路と第3クランプ回路とにより、MOSトランジスタをバイパスする電流経路を形成して、MOSトランジスタのドレイン−ソース間が高電圧となるのを防止することができ、MOSトランジスタをより確実に保護することができる。
【0034】
また、第3クランプ回路は、MOSトランジスタのソースに負の高電圧ノイズが印加されてから第2クランプ回路の動作によってMOSトランジスタがオンするまでの間だけ、第1クランプ回路と共に一時的に電流経路を形成できればよいことから、第3クランプ回路を構成するNPNトランジスタの電流容量は小さくてよく、第3クランプ回路を設けることにより、保護用素子の素子面積が大きくなって、駆動回路の大型化を招くといったことはない。
【0035】
ところで、請求項2〜請求項4の何れかに記載の電気負荷駆動回路において、第2クランプ回路は、MOSトランジスタがオフ状態であるとき、電気負荷側に発生した静電気等によってMOSトランジスタのソースに負の高電圧ノイズが印加された際に、MOSトランジスタのゲートをグランド電位を基準に所定電位にクランプすることにより、MOSトランジスタのゲート電位がソース電位と共に変化するのを阻止し、MOSトランジスタのゲート−ソース間を所定のしきい値電圧以上にして、MOSトランジスタを強制的にオンさせる。
【0036】
このため、例えば、グランド電位が不安定であり、電気負荷側で発生した高電圧ノイズによって、MOSトランジスタのソース電位だけでなく、電気負荷駆動回路のグランド電位も変動するような電気負荷駆動回路においては、MOSトランジスタのソースに負の高電圧ノイズが印加された際に、第2クランプ回路によってMOSトランジスタをオンさせることができない場合がある。
【0037】
そして、このように、第2クランプ回路が正常に機能しないときには、第1クランプ回路、或いは、第1クランプ回路及び第3クランプ回路にて吸収しきれなかった電流を流す経路がなくなるため、MOSトランジスタのドレイン−ソース間に耐圧を超える電圧が発生して、MOSトランジスタTr0が劣化又は破壊することが考えられる。
【0038】
このため、請求項2〜請求項4の何れかに記載の電気負荷駆動回路において、グランド電位が不安定になる虞がある場合には、請求項5記載のように、MOSトランジスタのゲート−ドレイン間に、ゲート電位がドレインに対して所定電圧以上低くなると、ゲート電位をそのときの電位にクランプする第4クランプ回路を設けるとよい。
【0039】
つまり、請求項5に記載の電気負荷駆動回路によれば、MOSトランジスタがオフ状態であるとき、MOSトランジスタのソースに負の高電圧ノイズが印加された際に、グランド電位も変動して、第2クランプ回路によってMOSトランジスタをオンさせることができなかったとしても、第4クランプ回路が、MOSトランジスタのゲート電位を、直流電源の正極側に接続されたドレインに対して所定電圧だけ低い所定電位にクランプするため、MOSトランジスタをオンさせることができる。よって、本発明(請求項5)によれば、電気負荷側に発生した高電圧ノイズから、MOSトランジスタをより確実に保護することができ、駆動回路の信頼性を向上できる。
【0040】
ここで、請求項2〜請求項5の何れかに記載の電気負荷駆動回路において、第2クランプ回路としては、従来より一般に電圧クランプ用に使用されているダイオードやトランジスタ等を使用することができるが、例えば、請求項6に記載のように、第2クランプ回路を、MOSトランジスタのゲートにカソードが接続され、グランドにアノードが接続されたダイオードにて構成した場合には、このダイオードに対して並列に、エミッタがグランドに接地され、コレクタがMOSトランジスタのゲートに接続されたNPNトランジスタを接続するとよい。
【0041】
つまり、このようにすれば、MOSトランジスタのソースに負の高電圧ノイズが印加された際に、ダイオードを介してグランド側からMOSトランジスタのゲート側に電流を流すことにより、MOSトランジスタのゲート電位をグランド電位よりもダイオードの順方向電圧降下分(Vf:約0.7V)だけ低い一定電位にクランプして、MOSトランジスタをオンさせることができるだけでなく、電気負荷の駆動を停止するためにMOSトランジスタをオン状態からオフ状態へとターンオフさせる際に、ダイオードに並列接続されたNPNトランジスタをオンさせることにより、MOSトランジスタの寄生容量に蓄積された電荷を速やかに放電させて、MOSトランジスタを速やかにターンオフさせることができるようになる。
【0042】
また請求項6に記載のように、第2クランプ回路をダイオードにて構成し、これにMOSトランジスタを高速にターンオフさせるためのNPNトランジスタを並列接続するには、ダイオードとNPNトランジスタを夫々単体で構成するようにしてもよいが、電気負荷駆動回路を半導体集積回路としてIC化する場合には、請求項7又は請求項8に記載のように、ダイオードを備えたNPNトランジスタを半導体基板上に形成するとよい。
【0043】
即ち、請求項7に記載の電気負荷駆動回路では、第2クランプ回路を構成するダイオードに並列接続されるNPNトランジスタが、当該駆動回路を構成する他の回路素子と共に絶縁分離方式で半導体基板上に形成されており、第2クランプ回路を構成するダイオードは、半導体基板においてNPNトランジスタのベース領域及びコレクタ領域となるP型及びN型の各拡散層が形成される素子領域内にP型拡散層を形成し、このP型拡散層と、NPNトランジスタのベース領域を構成するP型拡散層内に形成されたN型拡散層からなるエミッタ領域とを互いに接続することにより、半導体基板上にNPNトランジスタと一体に形成される。
【0044】
従って、請求項7に記載の電気負荷駆動回路によれば、駆動回路をIC化するに当たって、第2クランプ回路を構成するダイオードの素子面積を極めて小さくすることができ、駆動回路の小型化を図ることができる。
また、請求項8に記載の電気負荷駆動回路では、第2クランプ回路を構成するダイオードに並列接続されるNPNトランジスタが、当該駆動回路を構成する他の回路素子と共に接合分離方式で半導体基板上に形成されており、第2クランプ回路を構成するダイオードは、半導体基板上に形成されたNPNトランジスタの周囲のP型拡散領域をグランドに接地することにより、半導体基板上にNPNトランジスタと一体に形成される。
【0045】
従って、請求項8に記載の電気負荷駆動回路によれば、駆動回路をIC化するに当たって、第2クランプ回路となるダイオードの構成要素となる拡散層を半導体基板に特別に形成する必要はなく、駆動回路をより小型化することが可能となる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
まず図1は、本発明(請求項1,請求項2,請求項3)が適用された第1実施例の電気負荷駆動回路10の構成を表わす電気回路図である。
【0047】
図1に示す如く、第1実施例の電気負荷駆動回路は、図11に示した従来の駆動回路90と同様、直流電源2の正極側から電気負荷4に至る通電経路上に所謂ハイサイドスイッチとして設けられたNチャネルのMOSトランジスタTr0と、電源端子TDからMOSトランジスタTr0のゲートに至る信号経路上に設けられたスイッチ(具体的にはトランジスタ等からなるスイッチング素子)SWと、MOSトランジスタのゲート−ソース間に設けられた抵抗R0とを備え、制御端子TCを介して入力される制御信号によりスイッチSWがオンした際に、MOSトランジスタTr0のゲートに電源端子TDから入力される正の電源電圧が印加されて、MOSトランジスタTr0がオンし、直流電源2から電気負荷4へ電源を供給して、電気負荷4を駆動できるようにされている。
【0048】
そして、従来の駆動回路90と異なる点は、接続端子TBを介して直流電源2の正極側に接続されるMOSトランジスタTr0のドレインと、接続端子TLを介して電気負荷4に接続されるMOSトランジスタTr0のソースとの間に、MOSトランジスタTr0のドレイン側がカソード、ソース側がアノードとなるようにツェナーダイオードZD1を接続し、更に、MOSトランジスタTr0のゲートとグランドとの間に、MOSトランジスタTr0のゲート側がカソード、グランド側がアノードとなるようにダイオードD1を接続した点である。
【0049】
尚、ツェナーダイオードZD1は本発明の第1クランプ回路として機能し、ダイオードD1は本発明の第2クランプ回路として機能する。また、駆動回路90内のグランドは、直流電源2の負極側と同電位となるように、直流電源2及び電気負荷4のグランドと電気的に接続されている。
【0050】
このように構成された第1実施例の電気負荷駆動回路10では、電気負荷4側の端子Ta等を介して接続端子TLに正の高電圧ノイズ(静電気)が印加された際には、第1クランプ回路としてのツェナーダイオードZD1及びMOSトランジスタTr0の寄生ダイオードD0に順方向に電流が流れる。このため、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間には、通常時とは逆極性(換言すればソース電位がドレイン電位よりも高くなる状態)で、ダイオードの順方向電圧降下分(Vf)の電圧しか発生せず、MOSトランジスタTr0が正の高電圧ノイズによって劣化又は破壊することはない。
【0051】
また、電気負荷4側の端子Ta等を介して接続端子TLにグランド電位よりも低い負の高電圧ノイズ(静電気)が印加された際には、そのときMOSトランジスタTr0がオン状態であれば、高電圧ノイズに対して、MOSトランジスタTr0のドレインからソースへ向けて電流が供給されることから、MOSトランジスタTr0に流れる電流が電気負荷駆動のための通常時の電流よりも増加するものの、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間電圧が過大となって、MOSトランジスタTr0が劣化又は破壊することはない。
【0052】
一方、接続端子TLに負の高電圧ノイズ(静電気)が印加された際に、MOSトランジスタTr0がオフ状態である場合には、MOSトランジスタTr0のソース電位がグランド電位よりも低い負電位となり、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間電圧が、通常時と同極性(換言すればソース電位がドレイン電位よりも低くなる状態)で上昇する。
【0053】
しかし、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間には、第1クランプ回路としてのツェナーダイオードZD1が接続されているため、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間電圧がツェナーダイオードZD1の降伏電圧を越えると、ツェナーダイオードZD1に降伏電流が流れ、ドレイン−ソース間電圧は、ツェナーダイオードZD1の降伏電圧にてクランプされる。
【0054】
また、ツェナーダイオードZD1の電流容量が小さく、ツェナーダイオードZD1に流れる降伏電流によって接続端子TLに印加された負の高電圧ノイズを吸収できないときには、ドレイン−ソース間電圧はツェナーダイオードZD1の降伏電圧を超えて上昇する。
【0055】
しかし、MOSトランジスタTr0のゲート−グランド間には、第2クランプ回路としてのダイオードD1が接続されているため、MOSトランジスタTr0のゲートは、ソース電位の低下に連動して低下することはなく、グランド電位に対してダイオードD1の順方向電圧降下分(Vf)だけ低い一定電位(−Vf)にクランプされる。
【0056】
このため、MOSトランジスタTr0のソース電位が、ゲート電位(−Vf)よりもMOSトランジスタTr0のしきい値電圧(Vt)分だけ低くなると、MOSトランジスタTr0がオンして、MOSトランジスタTr0に電流が流れる。そして、このとき、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間電圧VDSは、直流電源2の電源電圧をVBとすると、「VDS=VB−Vf−Vt」となり、MOSトランジスタTr0の耐圧以下に制限される。
【0057】
つまり、本実施例の電気負荷駆動回路10においては、MOSトランジスタTr0がオフ状態であるとき、電気負荷4側で発生した静電気等により接続端子TLに負の高電圧ノイズが印加された際には、第1クランプ回路を構成するツェナーダイオードZD1に高電圧ノイズを吸収する降伏電流が流れ、その後、第2クランプ回路を構成するダイオードD1の動作によってMOSトランジスタTr0がオン状態となって、MOSトランジスタTr0自身に高電圧ノイズを吸収する電流が流れ、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間電圧は、その耐圧以下に制限されることになる。
【0058】
従って、本実施例によれば、電気負荷駆動用のMOSトランジスタTr0を、電気負荷4側で発生した静電気等の正・負の高電圧ノイズから確実に保護することができる。また、MOSトランジスタTr0を保護する保護回路(第1クランプ回路及び第2クランプ回路)を構成するツェナーダイオードZD1やダイオードD1に高電圧ノイズ吸収用の全電流を流す必要がないことから、これらの保護用素子に電流容量の大きなものを使用する必要がなく、その素子面積を小さくすることができる。よって、本実施例の電気負荷駆動回路10を半導体集積回路としてIC化する際には、そのチップ面積を小さくすることが可能となり、駆動回路を容易に小型化できることになる。
【0059】
ここで、図1に示した電気負荷駆動回路10では、第2クランプ回路を一つのダイオードD1にて構成し、MOSトランジスタTr0のオフ時に負の高電圧ノイズが印加された際には、MOSトランジスタTr0のゲート電位を、グランド電位よりもダイオードの順方向電圧降下分(Vf)だけ低い所定電位にクランプするように構成したが、第2クランプ回路としては、MOSトランジスタTr0のゲート電位をより低い電位にクランプできるようにするために、例えば、図2に示す電気負荷駆動回路20のように、複数のダイオードの直列回路にて構成してもよい。
【0060】
尚、図2に示す電気負荷駆動回路20は、カソードがMOSトランジスタTr0のゲートに接続されたダイオードD1のアノードにダイオードD2のカソードを接続すると共に、ダイオードD2のアノードにはツェナーダイオードZD2のアノードを接続し、更に、ツェナーダイオードZD2のカソードをグランドに接地することにより、MOSトランジスタTr0のオフ時に負の高電圧ノイズが印加された際に、MOSトランジスタTr0のゲートを、グランド電位に対して、2つのダイオードD1,D2の順方向電圧降下分(2・Vf)と、ツェナーダイオードZD2の降伏電圧(VZD2 )とで決まる所定電圧(2・Vf+VZD2 )だけ低い一定電圧にクランプできるようにしたものである。
【0061】
そして、この電気負荷駆動回路20によれば、第2クランプ回路によりクランプされるゲート電位を、より低い電位に設定できることから、例えば、電気負荷4がソレノイド等の誘導性負荷である場合に、MOSトランジスタTr0をオフした直後に誘導性負荷側に発生する負電圧にてMOSトランジスタTr0がオンして、誘導性負荷が再度通電されるのを防止することができるようになる。
【0062】
また、ダイオードD1はP−N接合で形成されるものであればどのような構成でもよく、例えば、図3に示す電気負荷駆動回路30のように、ベース−エミッタ間が接続されたNPNトランジスタTr1のコレクタをMOSトランジスタTr0のゲートに接続し、NPNトランジスタTr1のエミッタ(延いてはベース)をグランドに接地することにより、NPNトランジスタTr1のコレクタ−−ベース間の接合を利用して、MOSトランジスタTr0のゲート電位をグランドよりも所定電圧だけ低い一定電位にクランプするようにしてもよい。尚、この場合、ダイオードD1は、NPNトランジスタTr1に限らず、PNPトランジスタや、NチャネルMOSトランジスタ若しくはPチャネルMOSトランジスタ等の接合を利用することもできる。
【0063】
次に、図4は、本発明(請求項1,請求項2,請求項3,請求項5)が適用された第2実施例の電気負荷駆動回路40の構成を表す電気回路図である。
図4に示す如く、本実施例の電気負荷駆動回路40は、図1に示した第1実施例の電気負荷駆動回路10において、MOSトランジスタTr0のドレイン−ゲート間に、請求項5に記載の第4クランプ回路として機能するダイオードの直列回路を設けたものであり、それ以外の構成は第1実施例のものと全く同様である。
【0064】
そして、第4クランプ回路としてのダイオードの直列回路は、MOSトランジスタTr0のドレインにアノードが接続されたダイオードD3と、ダイオードD3のカソードにカソードが接続されたツェナーダイオードZD3と、ツェナーダイオードZD3のアノードにカソードが接続され、MOSトランジスタTr0のゲートにアノードが接続されたツェナーダイオードZD4とから構成されている。
【0065】
このように構成された第2実施例の電気負荷駆動回路40においては、MOSトランジスタTr0のゲート電位が、直流電源2の正極側に接続されるドレインの電位VBに対して、2つのツェナーダイオードZD3,ZD4の降伏電圧VZD3 ,VZD4 とダイオードD3の順方向電圧降下分Vfとで決まる所定電圧(VZD3 +VZD4 +Vf)以上低くなったときに、ゲート電位が、そのときの電位(VB−VZD3 −VZD4 −Vf)にクランプされることになる。
【0066】
従って、本実施例の電気負荷駆動回路40によれば、例えば、駆動回路内のグランドラインが細く、直流電源2や電気負荷4の外部のグランドに対して不安定で、電気負荷4側で発生した負の高電圧ノイズ(静電気)が接続端子TLに印加された際に、駆動回路内のグランド電位もそれに応じて変動し、第2クランプ回路としてのダイオードD1が正常動作しないような場合であっても、第4クランプ回路としてのダイオードの直列回路の動作によって、MOSトランジスタTr0をオンさせることができる。
【0067】
よって本実施例の電気負荷駆動回路40によれば、図1〜図3に示した第1実施例の電気負荷駆動回路10〜30に比べて、MOSトランジスタTr0をより確実に保護することができ、電気負荷駆動回路40の信頼性を向上できる。
また、第4クランプ回路を構成するダイオードD3及びツェナーダイオードZD3,ZD4は、MOSトランジスタTr0のゲート電位をクランプするためのものであり、高電圧ノイズを吸収するための電流を流す必要がないため、その電流容量を小さくできる。よって、これら各ダイオードを設けることにより、駆動回路の大型化を招くといったことはない。
【0068】
尚、第4クランプ回路は、MOSトランジスタTr0のゲート電位の低下時に、ゲート電位をドレイン電位に対して所定電圧だけ低い電位にクランプできればよいため、必ずしも図4に示したように構成する必要はなく、ダイオードやツェナーダイオードの個数を変更することもできるし、また、電圧クランプ用の他の素子を用いて構成してもよい。
【0069】
次に、図5は、本発明(請求項1〜請求項5)が適用された第3実施例の電気負荷駆動回路50の構成を表す電気回路図である。
図5に示す如く、本実施例の電気負荷駆動回路50は、図4に示した第2実施例の電気負荷駆動回路40において、第1クランプ回路を構成するツェナーダイオードZD1に対して並列に、NPNトランジスタTr2と抵抗R1とからなる第3クランプ回路を接続したものであり、それ以外の構成は第2実施例のものと全く同様である。
【0070】
そして、第3クランプ回路を構成するNPNトランジスタTr2は、コレクタがツェナーダイオードZD1のカソード(換言すればMOSトランジスタTr0のドレイン)に接続され、エミッタがツェナーダイオードZD1のアノード(換言すればMOSトランジスタTr0のソース)に接続されており、抵抗R1は、NPNトランジスタTr2のベース−エミッタ間に設けられている。
【0071】
このように構成された第3実施例の電気負荷駆動回路50においては、電気負荷4側より接続端子TLに負の高電圧ノイズ(静電気)が印加された際に、NPNトランジスタTr2のコレクタ−ベース間の接合により抵抗R1に電流が流れて、NPNトランジスタTr2がオンし、NPNトランジスタTr2が、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間をバイパスする電流経路を形成することになる。
【0072】
よって、本実施例の電気負荷駆動回路50によれば、MOSトランジスタTr0のオフ時に、電気負荷4側より負の高電圧ノイズが印加されてから、第2クランプ回路の動作によってMOSトランジスタTr0がオンするまでの間は、ツェナーダイオードZD1及びNPNトランジスタTr2に電流が流れて、MOSトランジスタTr0のドレイン−ソース間が高電圧となるのを防止することができ、MOSトランジスタTr0を高電圧ノイズからより良好に保護することができる。
【0073】
また、NPNトランジスタTr2は、MOSトランジスタTr0を保護する際に、MOSトランジスタTr0がオンするまでの間だけ、高電圧ノイズ吸収用の電流を流すことができればよいため、その電流容量を大きくする必要はない。よって、第3クランプ回路としてのNPNトランジスタTr2を設けることにより駆動回路の大型化を招くといったこともない。
【0074】
次に、図6は、本発明(請求項1,請求項2,請求項3,請求項6)が適用された第4実施例の電気負荷駆動回路60の構成を表す電気回路図である。
図6に示す如く、本実施例の電気負荷駆動回路60は、図4に示した第2実施例の電気負荷駆動回路40において、第2クランプ回路を構成するダイオードD1に対して並列に、NPNトランジスタTrsを接続したものであり、それ以外の構成は第2実施例のものと全く同様である。
【0075】
そして、このNPNトランジスタTrsのコレクタは、MOSトランジスタTr0のゲート(換言すればダイオードD1のカソード)に接続され、エミッタは、グランドに接地され、ベースは、信号入力用の入力端子TSに接続されている。
【0076】
従って、本実施例の電気負荷駆動回路60によれば、MOSトランジスタTr0をオン状態からオフ状態へと切り換える際に、制御端子TCに入力する制御信号によってスイッチSWをオフすることにより、MOSトランジスタTr0のゲートへの電圧印加を停止させて、MOSトランジスタTr0をオフさせることができるだけでなく、入力端子TSを介してNPNトランジスタTrsのベースにHighレベルの信号を入力するようにすれば、NPNトランジスタTrsを介してMOSトランジスタTr0のゲートをグランドに接地させ、MOSトランジスタTr0の寄生容量に蓄積された電荷を速やかに放電させることができる。
【0077】
このため、本実施例の電気負荷駆動回路60によれば、MOSトランジスタTr0をオフして、電気負荷4への通電を停止する際に、MOSトランジスタTr0を速やかにターンオフさせることが可能となり、電気負荷4の駆動を速やかに停止させることができるようになる。
【0078】
ここで、図6に示した第4実施例のように、MOSトランジスタTr0のゲートとグランドとの間に、第2クランプ回路としてのダイオードD1とMOSトランジスタTr0の高速遮断用のNPNトランジスタTrsとの並列回路を形成する場合、ダイオードD1とNPNトランジスタTrsとは夫々単独で構成する必要はなく、ダイオードD1をNPNトランジスタTrsの寄生ダイオードとして1つの素子領域内に一体に形成することもできる。
【0079】
例えば、図7は、電気負荷駆動回路60をIC化するために、上記各回路素子を絶縁分離方式で半導体基板上に形成する際のNPNトランジスタTrs及びダイオードD1の構成例を表している。
図7に示すように、NPNトランジスタTrsは、半導体基板上の絶縁膜70内に形成されたN 及びN 等のN型の素子領域内に、N 、P の拡散領域72,74を形成し、更に、P の拡散領域74内にN の拡散領域76を形成することにより構成される。尚、各拡散領域72,74,76は、夫々、NPNトランジスタTrsのコレクタ領域、ベース領域、エミッタ領域となり、これら各領域からは、夫々信号線が引き出される。また、この素子領域内には、別途、P の拡散領域78を形成し、この拡散領域78から引き出した信号線と、エミッタ領域であるN 拡散領域76から引き出した信号線とを接続する。
【0080】
この結果、NPNトランジスタTrsには、エミッタからコレクタへ向けて寄生ダイオードが形成されることになり、これを第2クランプ回路を構成するダイオードD1として使用することができる。そして、このようにNPNトランジスタTrsとダイオードD1とを1つの素子領域内に形成することにより、第4実施例の電気負荷駆動回路60をIC化するに当たって、第2クランプ回路を構成するダイオードD1の素子面積を極めて小さくすることができ、駆動回路の小型化を図ることができる。
【0081】
また、NPNトランジスタTrs及びダイオードD1をこのように構成した場合には、P 拡散領域74と、N 拡散領域72と、P 拡散領域78とで、寄生PNPトランジスタが形成されることになり、このPNPトランジスタの効果により、NPNトランジスタTrsのベース領域に蓄積された電荷がP 拡散領域78へと抜け易くなり、NPNトランジスタTrsのオン状態からオフ状態への切り替わり時の動作が早いという利点もある。
【0082】
一方、図8は、電気負荷駆動回路60をIC化するために、上記各回路素子を接合分離方式で半導体基板上に形成する際のNPNトランジスタTrs及びダイオードD1の構成例を表している。
図8に示すように、接合分離方式でNPNトランジスタTrsを構成する場合には、P領域80で素子を分離し、その分離した素子領域内に、N 、P の拡散領域82,84を形成し、更に、P の拡散領域84内にN の拡散領域86を形成することになる。尚、各拡散領域82,84,86は、夫々、NPNトランジスタTrsのコレクタ領域、ベース領域、エミッタ領域となり、これら各領域からは、夫々信号線が引き出される。そして、素子分離用のP領域は、一般的に、回路の最低電位であるグランドへ接続される。
【0083】
従って、接合分離方式でNPNトランジスタTrsを構成すれば、グランドとコレクタとの間に、アノードがグランドに接地された寄生ダイオードが形成されることになり、これをそのまま第2クランプ回路を構成するダイオードD1として使用することができる。そして、このようにNPNトランジスタTrsを構成した場合には、図7に示したNPNトランジスタTrsのように、ダイオードを形成するためのP 拡散領域78を特別に形成する必要はないので、素子面積をより小さくすることが可能となる。
【0084】
以上、本発明の実施例として、電気負荷4に対して所謂ハイサイドスイッチとして設けられるNチャネルMOSトランジスタTr0を備えた電気負荷駆動回路に本発明を適用した4種類の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
【0085】
例えば、上記各実施例のようにNチャネルMOSトランジスタTr0をハイサイドスイッチとして使用する場合、高電圧ノイズに対する保護回路として、図11に示した従来回路と同様に、電気負荷4への接続端子TLとグランドとの間に、ダイオードDa及びNPNトランジスタTra,抵抗aからなる保護回路を別途接続してもよい。こうすれば、MOSトランジスタTr0を静電気等の高電圧ノイズからより確実に保護することができる。
【0086】
また、例えば、電気負荷4とグランドとの間に所謂ローサイドスイッチとしてMOSトランジスタを備えた電気負荷駆動回路を構成する場合、そのMOSトランジスタがNチャネルであれば図9に示す如く構成すればよく、また、そのMOSトランジスタがPチャネルであれば図10に示す如く構成すればよい。
【0087】
以下、これら図9,図10の電気負荷駆動回路について説明する。
まず、図9は、一端が直流電源2の正極側に接続された電気負荷4に対して所謂ローサイドスイッチとして接続されるNチャネルのMOSトランジスタTr10を備えた電気負荷駆動回路70の回路構成を表している。
【0088】
図9に示すように、この電気負荷駆動回路70では、MOSトランジスタTr10のドレインが、接続端子TLを介して、電気負荷4の直流電源2とは反対側に接続され、MOSトランジスタTr10のソースが、グランド端子TGを介して、直流電源2の負極側と同電位のグランドに接地され、MOSトランジスタTr10のゲート−ソース間には、抵抗R10が接続されている。
【0089】
また、MOSトランジスタTr10のゲートには、スイッチ(具体的にはトランジスタ等からなるスイッチング素子)SWを介して、電源端子TDから入力される正の電源電圧を印加できるようにされている。
尚、スイッチSWは、制御端子TCを介して外部から入力される制御信号によりオン・オフされるものであり、このスイッチSWを介して、MOSトランジスタTr10のゲートに電源電圧が印加されると、MOSトランジスタTr10がオン状態となって、電気負荷4が駆動(通電)されることになる。
【0090】
そして、この電気負荷駆動回路70では、MOSトランジスタTr10のドレイン−ソース間に、ソース側をアノード、ドレイン側をカソードとして、第1クランプ回路としてのツェナーダイオードZD11が接続されている。
また、ゲート−ドレイン間には、エミッタがドレインに接続され、コレクタがゲートに接続されたPNPトランジスタTr11が接続されると共に、ダイオードD11と2つのツェナーダイオードZD12,ZD13とからなるダイオードの直列回路が接続されている。
【0091】
PNPトランジスタTr11は、本発明の第2クランプ回路として機能するものであり、ベースが抵抗R11を介して電源端子TDに接続されている。
また、ダイオードの直列回路は、図4に示した第4クランプ回路としてのダイオードの直列回路と同様、MOSトランジスタTr10のドレインにアノードが接続されたダイオードD11と、ダイオードD11のカソードにカソードが接続されたツェナーダイオードZD12と、ツェナーダイオードZD12のアノードにカソードが接続され、MOSトランジスタTr10のゲートにアノードが接続されたツェナーダイオードZD13とから構成されている。
【0092】
このように構成された電気負荷駆動回路70では、電気負荷4側の端子Ta等を介して接続端子TLにグランド電位よりも低い負の高電圧ノイズ(静電気)が印加された際には、第1クランプ回路としてのツェナーダイオードZD11及びMOSトランジスタTr10の寄生ダイオード(図示せず)に順方向に電流が流れる。このため、MOSトランジスタTr10のドレイン−ソース間には、ダイオードの順方向電圧降下分の電圧しか発生せず、MOSトランジスタTr10が負の高電圧ノイズによって劣化又は破壊することはない。
【0093】
また、電気負荷4側の端子Ta等を介して接続端子TLに正の高電圧ノイズ(静電気)が印加された際には、そのときMOSトランジスタTr10がオン状態であれば、MOSトランジスタTr10のドレインからソースへ向けて電流が流れるため、MOSトランジスタTr10のドレイン−ソース間電圧が過大となって、MOSトランジスタTr10が劣化又は破壊することはない。
【0094】
一方、接続端子TLに正の高電圧ノイズが印加された際に、MOSトランジスタTr10がオフ状態である場合には、MOSトランジスタTr10のドレイン電位が上昇し、ドレイン−ソース間電圧も、通常時と同極性(換言すればソース電位がドレイン電位よりも低い状態)で上昇する。
【0095】
しかし、MOSトランジスタTr10のドレイン−ソース間には、第1クランプ回路としてのツェナーダイオードZD11が接続されているため、MOSトランジスタTr10のドレイン−ソース間電圧がツェナーダイオードZD11の降伏電圧にてクランプされる。
【0096】
また、ツェナーダイオードZD11の電流容量が小さく、ツェナーダイオードZD11に流れる降伏電流によって接続端子TLに印加された正の高電圧ノイズを吸収できないときには、ドレイン−ソース間電圧はツェナーダイオードZD11の降伏電圧を超えて上昇するが、MOSトランジスタTr10のゲート−ドレイン間には、第2クランプ回路としてのPNPトランジスタTr11が接続されており、ドレインへの印加電圧が電源電圧よりも高くなると、PNPトランジスタTr11にベース電流が流れて、PNPトランジスタTr11がオンし、MOSトランジスタTr10のゲート電位も上昇する。この結果、MOSトランジスタTr10はオン状態となり、MOSトランジスタTr10のドレイン−ソース間電圧は、耐圧以下に制限される。
【0097】
従って、NチャネルMOSトランジスタTr10をローサイドスイッチとして使用する電気負荷駆動回路70においても、本発明を適用することにより、電気負荷4側で発生した静電気等の正・負の高電圧ノイズから、MOSトランジスタTr10を保護することができるようになる。また、上記のようにMOSトランジスタTr10を保護する第1クランプ回路及び第2クランプ回路としてのツェナーダイオードZD11及びPNPトランジスタTr11には、高電圧ノイズ吸収用の全電流を流す必要がないことから、これらの保護用素子に電流容量の大きなものを使用する必要がなく、その素子面積を小さくすることができる。
【0098】
また特に、図9に示した電気負荷駆動回路70では、MOSトランジスタTr10のゲート−ドレイン間に、第2クランプ回路としてのPNPトランジスタTr11とは別に、ダイオードの直列回路が設けられているため、接続端子TLに正の高電圧ノイズが印加されたときに、電源端子TDから入力される電源電圧がその高電圧ノイズの影響を受けて変動し、PNPトランジスタTr11が動作しない場合であっても、ダイオードの直列回路によって、MOSトランジスタTr10のゲート電位をクランプし、MOSトランジスタTr10をオンさせることができる。
【0099】
尚、図9に示したローサイド型の電気負荷駆動回路70においては、第3実施例の電気負荷駆動回路50のように、MOSトランジスタTr10のドレイン−ソース間に、ツェナーダイオードZD11とは別に、トランジスタ等からなる電圧クランプ回路を設けるようにしてもよい。
【0100】
次に、図10は、一端が直流電源2の正極側に接続された電気負荷4に対して所謂ローサイドスイッチとして接続されるPチャネルのMOSトランジスタTr20を備えた電気負荷駆動回路80の回路構成を表している。
図10に示すように、この電気負荷駆動回路80では、MOSトランジスタTr20のソースが、接続端子TLを介して、電気負荷4の直流電源2とは反対側に接続され、MOSトランジスタTr20のドレインが、グランド端子TGを介して、直流電源2の負極側と同電位のグランドに接地され、MOSトランジスタTr20のゲート−ソース間には、抵抗R20が接続されている。
【0101】
また、この電気負荷駆動回路80では、MOSトランジスタTr20のゲート電位をドレインよりも所定のしきい値電圧分以上低くすれば、MOSトランジスタTr20がオン状態となって、電気負荷4を駆動(通電)できることから、MOSトランジスタTr20のゲートには、スイッチ(具体的にはトランジスタ等からなるスイッチング素子)SWを介して、電圧入力端子TD2から入力される直流電源2の電源電圧よりも低い駆動電圧を印加できるようにされている。尚、スイッチSWは、制御端子TCを介して外部から入力される制御信号によりオン・オフされる。
【0102】
そして、MOSトランジスタTr20のゲートには、電源入力端子TD1から入力された電源電圧を印加するためのダイオードD21が接続され、MOSトランジスタTr20のドレイン−ソース間には、ドレイン側をアノード、ソース側をカソードとして、第1クランプ回路としてのツェナーダイオードZD21が接続されている。尚、ダイオードD21は、本発明の第2クランプ回路を構成するものであり、直流電源2の正極側に接続される電源入力端子TD1側をアノード、MOSトランジスタTr20のゲート側をカソードとして、電源−ゲート間に設けられている。
【0103】
このように構成された電気負荷駆動回路80では、電気負荷4側の端子Ta等を介して接続端子TLにグランド電位よりも低い負の高電圧ノイズ(静電気)が印加された際には、第1クランプ回路としてのツェナーダイオードZD21及びMOSトランジスタTr20の寄生ダイオード(図示せず)に順方向に電流が流れる。このため、MOSトランジスタTr20のドレイン−ソース間には、ダイオードの順方向電圧降下分の電圧しか発生せず、MOSトランジスタTr20が負の高電圧ノイズによって劣化又は破壊することはない。
【0104】
また、電気負荷4側の端子Ta等を介して接続端子TLに正の高電圧ノイズ(静電気)が印加された際には、そのときMOSトランジスタTr20がオン状態であれば、MOSトランジスタTr20のソースからドレインへ向けて電流が流れるため、MOSトランジスタTr20のドレイン−ソース間電圧が過大となって、MOSトランジスタTr20が劣化又は破壊することはない。
【0105】
一方、接続端子TLに正の高電圧ノイズが印加された際に、MOSトランジスタTr20がオフ状態である場合には、MOSトランジスタTr20のソース電位が上昇し、ドレイン−ソース間電圧も、通常時と同極性(換言すればソース電位がドレイン電位よりも高い状態)で上昇する。
【0106】
しかし、MOSトランジスタTr20のドレイン−ソース間には、第1クランプ回路としてのツェナーダイオードZD21が接続されているため、MOSトランジスタTr20のドレイン−ソース間電圧がツェナーダイオードZD21の降伏電圧にてクランプされる。
【0107】
また、ツェナーダイオードZD21の電流容量が小さく、ツェナーダイオードZD21に流れる降伏電流によって接続端子TLに印加された正の高電圧ノイズを吸収できないときには、ドレイン−ソース間電圧はツェナーダイオードZD21の降伏電圧を超えて上昇するが、MOSトランジスタTr20のゲートには、第2クランプ回路としてのダイオードD21が接続されていることから、MOSトランジスタTr20のゲートは、ソース電位の上昇に連動して上昇することはなく、直流電源2の電源電圧VBに対して、ダイオードD1の順方向電圧降下分(Vf)だけ低い一定電位(VB−Vf)にクランプされる。
【0108】
このため、MOSトランジスタTr20のソース電位が、ゲート電位(VB−Vf)よりもMOSトランジスタTr20のしきい値電圧(Vt)分だけ低くなると、MOSトランジスタTr20がオンして、MOSトランジスタTr20に電流が流れ、MOSトランジスタTr20のドレイン−ソース間電圧VDSは、「VDS=VB−Vf+Vt」となり、耐圧以下に制限される。
【0109】
従って、PチャネルMOSトランジスタTr20をローサイドスイッチとして使用する電気負荷駆動回路80においても、第1実施例の電気負荷駆動回路10と同様に、本発明を適用することにより、電気負荷4側で発生した静電気等の正・負の高電圧ノイズから、MOSトランジスタTr20を保護することができる。また、MOSトランジスタTr20を保護する保護回路(第1クランプ回路及び第2クランプ回路)を構成するツェナーダイオードZD21やダイオードD21に高電圧ノイズ吸収用の全電流を流す必要がないことから、これらの保護用素子に電流容量の大きなものを使用する必要がなく、その素子面積を小さくすることができる。
【0110】
尚、図10に示したローサイド型の電気負荷駆動回路80において、第2クランプ回路としては、図2に示した電気負荷駆動回路20のように、ダイオードとツェナーダイオードとの組み合わせにて構成してもよく、或いは、図3に示した電気負荷駆動回路30のように、トランジスタのP−N接合を利用してゲート電位をクランプするように構成してもよい。
【0111】
また、図10に示したローサイド型の電気負荷駆動回路80においては、第2実施例の電気負荷駆動回路40のように、MOSトランジスタTr20のゲート−ドレイン間に、ゲート電位がドレインに対して所定電圧以上高くなると、ゲート電位をそのときの電位にクランプするクランプ回路を設けてもよい。そして、このようにすれば、MOSトランジスタTr20のゲート電位がグランド電位に対して所定電圧以上高くなるのを阻止することができるため、正の高電圧ノイズが印加されたときに、電源入力端子TD1から入力される電源電圧が高電圧ノイズの影響を受けて変動したとしても、MOSトランジスタTr20をオンさせることができるようになる。
【0112】
また更に、図10に示したローサイド型の電気負荷駆動回路80においては、第3実施例の電気負荷駆動回路50のように、MOSトランジスタTr20のドレイン−ソース間に、ツェナーダイオードZD21とは別に、トランジスタ等からなる電圧クランプ回路を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の電気負荷駆動回路の構成を表わす電気回路図である。
【図2】第1実施例の電気負荷駆動回路における第2クランプ回路を複数のダイオードにて構成した例を表す電気回路図である。
【図3】第1実施例の電気負荷駆動回路における第2クランプ回路をトランジスタにて構成した例を表す電気回路図である。
【図4】第2実施例の電気負荷駆動回路の構成を表わす電気回路図である。
【図5】第3実施例の電気負荷駆動回路の構成を表わす電気回路図である。
【図6】第4実施例の電気負荷駆動回路の構成を表わす電気回路図である。
【図7】絶縁分離方式にて一つの素子領域内にトランジスタとダイオードとを形成した際の素子構造を表す説明図である。
【図8】接合分離方式にて一つの素子領域内にトランジスタとダイオードとを形成した際の素子構造を表す説明図である。
【図9】NチャネルMOSトランジスタをローサイドスイッチとして使用する電気負荷駆動回路の構成を表す電気回路図である。
【図10】PチャネルMOSトランジスタをローサイドスイッチとして使用する電気負荷駆動回路の構成を表わす電気回路図である。
【図11】従来の電気負荷駆動回路の構成を表す電気回路図である。
【符号の説明】
2…直流電源、4…電気負荷、10,20,30,40,50,60,70,80,90…電気負荷駆動回路、Tr0,Tr10…MOSトランジスタ(Nチャネル)、Tr20…MOSトランジスタ(Nチャネル)、ZD1,ZD11,ZD21…ツェナーダイオード(第1クランプ回路)、D1,D2,D21…ダイオード(第2クランプ回路)、ZD2…ツェナーダイオード(第2クランプ回路)、D3…ダイオード(第4クランプ回路)、ZD3,ZD4…ツェナーダイオード(第4クランプ回路)、Tr2…NPNトランジスタ(第3クランプ回路)、R1…抵抗(第3クランプ回路)、Trs…NPNトランジスタ、Tr11…PNPトランジスタ(第2クランプ回路)、SW…スイッチ。

Claims (8)

  1. ドレイン−ソース間が直流電源から電気負荷への通電経路に直列に接続されるMOSトランジスタを備え、該MOSトランジスタをオン・オフすることにより電気負荷を駆動する電気負荷駆動回路であって、
    前記MOSトランジスタのドレイン−ソース間に並列に接続され、前記MOSトランジスタがオフ状態であるときに前記MOSトランジスタから前記電気負荷への通電経路の電位が高電圧ノイズにより変動して前記ドレイン−ソース間に通常時と同極性の高電圧が発生すると、該高電圧により電流を流して前記ドレイン−ソース間を所定電圧以下にクランプする第1クランプ回路と、
    前記MOSトランジスタがオフ状態であるとき、前記MOSトランジスタのドレイン−ソース間に通常時と同極性の高電圧を発生させる高電圧ノイズが前記MOSトランジスタから前記電気負荷への通電経路に印加された際に、前記MOSトランジスタのゲートを所定電位にクランプして、前記MOSトランジスタをオンさせる第2クランプ回路と、
    を備えたことを特徴とする電気負荷駆動回路。
  2. 前記MOSトランジスタは、ドレインが前記直流電源の正極側に接続され、ソースが前記電気負荷に接続されるNチャネルMOSトランジスタからなり、
    前記第2クランプ回路は、前記直流電源の負極側と同電位のグランドと前記MOSトランジスタのゲートとの間に設けられ、前記MOSトランジスタのソースが前記高電圧ノイズによってグランド電位よりも低い負電位となったときに、前記MOSトランジスタのゲートを前記グランド電位よりも所定電圧だけ低い所定電位にクランプして前記MOSトランジスタをオンさせることを特徴とする請求項1記載の電気負荷駆動回路。
  3. 前記第1クランプ回路は、アノードが前記MOSトランジスタのソースに接続され、カソードが前記MOSトランジスタのドレインに接続されたツェナーダイオードからなることを特徴とする請求項2記載の電気負荷駆動回路。
  4. コレクタが前記MOSトランジスタのドレインに接続され、エミッタが前記MOSトランジスタのソースに接続されたNPNトランジスタと、該NPNトランジスタのベースと前記MOSトランジスタのソースとの間に設けられた抵抗とからなり、前記MOSトランジスタのソースが前記負電位となったときに前記NPNトランジスタがオンして、前記ドレイン−ソース間をバイパスする電流経路を形成する第3クランプ回路を設けたことを特徴とする請求項3記載の電気負荷駆動回路。
  5. 前記MOSトランジスタのゲート−ドレイン間に、ゲート電位がドレインに対して所定電圧以上低くなると、ゲート電位をそのときの電位にクランプする第4クランプ回路を設けたことを特徴とする請求項2〜請求項4何れかに記載の電気負荷駆動回路。
  6. 前記第2クランプ回路は、MOSトランジスタのゲートにカソードが接続され、グランドにアノードが接続されたダイオードにて構成され、
    該ダイオードには、エミッタが前記グランドに接地され、コレクタが前記MOSトランジスタのゲートに接続されたNPNトランジスタが並列接続されていることを特徴とする請求項2〜請求項5何れかに記載の電気負荷駆動回路。
  7. 請求項6に記載の電気負荷駆動回路において、
    前記第2クランプ回路を構成するダイオードに並列接続されるNPNトランジスタは、当該駆動回路を構成する他の回路素子と共に絶縁分離方式で半導体基板上に形成され、
    前記第2クランプ回路を構成するダイオードは、前記半導体基板において前記NPNトランジスタのベース領域及びコレクタ領域となるP型及びN型の各拡散層が形成される素子領域内に更にP型拡散層を形成し、該P型拡散層と、前記ベース領域を構成するP型拡散層内に形成されたN型拡散層からなるエミッタ領域とを互いに接続することにより、前記半導体基板上に前記NPNトランジスタと一体に形成されていることを特徴とする電気負荷駆動回路。
  8. 請求項6に記載の電気負荷駆動回路において、
    前記第2クランプ回路を構成するダイオードに並列接続されるNPNトランジスタは、当該駆動回路を構成する他の回路素子と共に接合分離方式で半導体基板上に形成され、
    前記第2クランプ回路を構成するダイオードは、前記NPNトランジスタの素子領域周囲に形成された素子分離用のP型領域を前記グランドに接地することにより、前記半導体基板上に前記NPNトランジスタと一体に形成されていることを特徴とする電気負荷駆動回路。
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